安全報告書 - 名古屋臨海鉄道

安全報告書
平成24年度
名古屋臨海鉄道株式会社
1.利用者をはじめ地元の皆様へ
当社の鉄道事業に対して、日頃のご利用とご理解、まことに有難うございます。
当社は、名古屋市南区滝春町に本社を置き、第一種鉄道事業者として鉄道貨物輸送を行
い、主に名古屋市南部工業地帯等企業の荷主様の自動車部品、鋼材等をコンテナで、車扱
では石灰石を中心に鉄道輸送を行っています。そのほか、JR貨物の受託業務(構内入換、
営業フロント、貨車検修等)や関連事業を展開しております。
本報告書は、鉄道事業法第19条4項に基づき、平成23年度の輸送の安全確保のため
に取り組んだ内容や実態をまとめたもので、当社をご利用していただくお客様ならびに地
域の皆様の声を、今後の安全輸送に役立てたいと思い作成したものです。
安全推進体制を今後ともいっそう充実させるために、皆様からの積極的なご意見、ご感
想を頂戴できれば幸いです。
名古屋臨海鉄道株式会社
代表取締役社長
野村
利夫
2.輸送の安全に関する基本的な考え方
(1) 安全基本方針
(ア) 安全綱領
綱
領
1
安全の確保は、輸送の生命である
2
規程の遵守は、安全の基礎である
3
執務の厳正は、安全の要件である
(イ)安全行動規範
① 輸送の安全の確保を最優先し、一致協力してこれに努めます。
② 輸送の安全に関する法令及び関連する規程類をよく理解するとともにこれを遵守
し、厳正かつ忠実に職務を遂行します。
③ 常に輸送の安全に関する状況を理解するように努めます。
④ 職務の実施にあたり、憶測に頼らず確認の励行に努め、疑いのある時は、最も安全
と思われる取扱いを行います。
⑤ 事故、災害のおそれのある事態、災害等が発生したときは、人命救助を最優先に
行動し、相互に協力してすみやかに安全かつ適切な処置をとります。
⑥ 安全に係る情報は、迅速、正確に関係箇所に伝えその共有化を図ります。
⑦ 常に問題意識を持って行動し、業務の見直しが必要な場合は、積極的に対処します。
1
3.輸送の安全目標
社員一人ひとりに「安全最優先」の意識と「正しい作業」を根付かせることを最重要課
題とし、安全で安定した輸送サービスの提供を行っています。
具体的安全目標
「列車事故など大きな事故の絶滅」
「触車及び交通事故など重大な労働災害の絶滅」
4.安全のための取り組み
安全を確保するためには安全に対する意識及び正しい知識と正確な技術が重要です。
これらを向上するために様々な取り組みを実施しています。
(1) 安全管理体制の強化
社長含め本社役員が、定期的に職場巡回を行い、安
全点検を実施して不安全行動の是正に努めています。
(2) 教育・訓練の充実
運転従事員は、運転のルールを厳正に守り、安全・
正確な運転取扱いを行うことが求められます。
業務の安全性の向上を図るため、職種に応じた、定
期・継続的な教育・訓練を実施し、知識・技能の向上
に努めています。
①
運転従事員研修
新規採用者の安全教育及び運転取扱いの基礎教
育を約 1 カ月にわたり集合教育を実施しました。
②
現場管理者(新任当務駅長含む)として必要な知
識を習得させ、異常時においても的確に対処できる
よう教育しています。
③
新任機関士の育成のための事前教育・習熟訓練・
フォロー教育を実施しています。
④
信号取扱業務(電子連動)の研修を開催し、知識
の習得に努めています。
⑤
運転従事員の職種別(信号・操車)研修を開催し、
技能及び業務知識の充実を図っています。
⑥
JR貨物主催の入換作業の技能向上を目的とし
た入換技能向上訓練会に参加し、社員の安全に対す
る意識の高揚を図っています。
入換技能向上訓練会
2
(3) JR貨物会社と一体となった事故防止対策の確立
① JR貨物で開催される安全推進委員会に参加し、
運転事故等や労働災害の防止に関する事項を審
議し、対策の実施状況を確認し、必要により見直
しを行い有効な対策を進めることにより着実に
安全性の向上に努めています。
② 安全第一の風土の醸成と現場における安全マネジ
メントを強化するために、現場管理者を対象とし
た管理者安全研修がJR貨物本社で開催され、グ
ループ一体となった安全教育を実施しています。
入換技能向上訓練会
(4) 安全に対する意識・意欲の高揚
「ヒヤリ・ハット」の取り組み
事故災害までには至らなかった事象を「事故の芽」としてとらえ、事故を未然に防止
する「ヒヤリ・ハット」を平成 20 年から取り組んでいます。
この取り組みを通じて、一人ひとりが自ら安全に対する意識を高め、職場におけるコ
ミュニケーションを密にして現場・本社が一体となって安全性の向上に取り組む風土を
醸成していきます。
(5) 「ゼロ災」活動の活性化
作業の中で「危険を危険と感じることができる」感
受性を高めていくためのKY(危険予知)活動を進め
ています。
現場では、その職種に適したKY活動を定着させて
いくため、KYT(危険予知トレーニング)研修を実施
し、労働災害「ゼロ」を目指します。
KYT研修
(6) 鉄道設備の信頼性向上
列車運転の安全性向上するため計画的な道床取替を進めています。
道床(砕石)の交換作業
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(7) 作業環境の整備
職場内の環境美化運動に努めております。引き続き職場の整理・整頓・清潔・清掃・躾
(しつけ)の「5S運動」を推進します。
(8) 異常時対応訓練
平成23年9月1日に総合防災訓練を実施しました。車両脱線復旧訓練、消火訓練、列
車防護訓練、化成品漏洩事故防止等が主な内容です。
脱線復旧訓練
初期消火訓練
リフト取扱い指導
5.輸送の安全の実態
(1) 鉄道運転事故
平成 23 年度、鉄道運転事故の発生は、ありませんでした。
(2) インシデント(鉄道運転事故の兆候)
インシデントの発生は、ありませんでした。
(3) 輸送障害
輸送障害(貨物列車の運休や列車が 1 時間以上遅延したもの)の発生は、ありませんで
した。
4
6.当社の安全管理体制
(1) 安全管理規程
平成18年3月の鉄道事業法改正に伴い、平成18年10月に輸送の安全性の維持向上を
目的として安全管理規程を制定しました。その中で、社長をトップとし安全統括管理者、運
転管理者、乗務員指導管理者を置いた安全管理体制を定め、各管理者の責務を明確化して、
安全の確保に努めていきます。
社
長
安全統括管理者
(取締役運輸部長)
車両管理者
運転管理者
施設管理者
(車両課長)
(運輸課長)
(設備課長)
車両区長
乗務員指導管理者
保全区長
(東港駅長)
役
職
社
長
役
割
輸送の安全の確保に関する最終的な責任を負う。
輸送の安全の確保に関し、社長に対し必要な意見を述べ、輸送の安全の
安全統括管理者
確保に関する業務について各部門を統括管理する。また事故・災害時等
その他必要な情報を収集・周知し必要により指示を行う。
運転に関する事項を統括し、運行計画の設定及び改定、機関士及び車両
運 転 管 理 者
の運用、機関士の教育・訓練及び資質の保持その他輸送の安全に関わる
業務を管理する。
乗務員指導管理者
機関士の資質(適性・知識及び技能)の維持管理及びその充足状況に関
する定期的な確認、運転管理者への報告を行う。
車 両 管 理 者
安全統括管理者の指揮の下、車両に関する事項を統括する。
施 設 管 理 者
安全統括管理者の指揮の下、施設に関する事項を統括する。
5
安全報告書に対するご意見の連絡先
安全報告書へのご感想、当社の安全への取組みに対するご意見をお寄せ下さい。
[名古屋臨海鉄道ホームページアドレス]
http://www.meirintetu.co.jp/
Eメール mei-rin2@fine.ocn.ne.jp
安全報告書
平成 24 年 8 月作成
発行:名古屋臨海鉄道株式会社
安全推進室
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FAX
(052)613-5005
TEL
(052)613-5001