【A 分科会】 リーダー育成担当指導者の支援ネットワーク構築に向けて 【テーマ設定理由】 スポーツ少年団におけるリーダー養成のシステムは、地域におけるスポーツを通じた 青少年世代の市民リーダーの養成であるとともに、次世代に地域スポーツ文化を担い継 承していく取組みであり、リーダーはその実践者として期待されている。 しかし、ここ十数年のリーダー育成は減少傾向にあり実績は芳しくない。中高校生自 身にスポーツ少年団リーダーとなるメリットが感じられにくい現状と、現場指導者から はリーダー育成の意義は理解できても具体的な育成方法がわからない、リーダーとして の活動の場がない、学校側の協力が得られないなど、中高生が少年団リーダーになるメ リットが見えてこない、リーダー育成の困難さの声が届けられている。これまで、ジュ ニア/シニア・リーダースクール事業の改善や全国リーダー連絡会を中心にした各ブロ ック研究大会の運営改善を進めてきたが、全国事業における支援体制を構築するには限 界があるのも事実である。 今後のリーダー養成の活性化策に向けての課題を明らかにしつつ、リーダーを育成す る指導者として求められる技能や知識を明らかにし、それを修得していくための支援方 法は何か、どのような支援ネットワークを構築していくのかを、現場でのリーダー育成 経験のある指導者にパネリストとしてご登壇いただき、リーダー育成担当指導者の活動 支援策についてのご意見を頂戴し、分科会参加者の方々と議論を深めていきたい。 【座長】 ○佐藤 充宏(徳島大学 総合科学部人間文化学科 教授 /日本スポーツ少年団指導育成部会員) 【パネリスト】 ○伊藤 秀志(日本スポーツ少年団指導者協議会運営委員会委員長 /袋井アスレチッククラブ) ○倉嶌 博子(群馬県スポーツ少年団) ○祝原 豊 (静岡大学 教育学部 准教授 /スポーツ少年団講師・リーダー養成ワーキンググループメンバー) 【B 分科会】 幼児期からのアクティブ・チャイルド・プログラム事例報告 【テーマ設定理由】 本年度は第 9 次育成 5 か年計画の 4 年目となるが、その施策として「多様な子ども 達のニーズに応える活動プログラムの提供」や「対象年齢の拡大;幼児期の加入」が進 められている。その目的は、低い年齢層から身体を動かすことの楽しさを伝え、運動や スポーツを子ども達の生活に定着させることであり、これがスポーツ少年団の役割と考 えたからである。 これらの考えに同期するかのように、平成 22 年には日本体育協会からアクティブ・ チャイルド・プログラム、平成 24 年には文部科学省から幼児期運動指針がまとめられ た。そして、日本スポーツ少年団としても、平成 26 年度に「幼児期からのアクティブ・ チャイルド・プログラム」を作製し、各単位団に配付したところである。 そこで、本分科会では、幼児を対象に活動されている指導者の皆さんに、その具体的 なプログラムを紹介いただき、プログラム作成や指導のポイントを解説していただきた いと考えている。活動の中に運動遊びあるいは遊びの要素をどのように取り入れたら良 いのかを研修いただきたい。これから幼児を受け入れるにあたっての不安や対策につい て、また運動遊びを取り入れた幼児のための活動プログラムについて情報交換したいと 考える。 【座長】 ○富田 寿人(静岡理工科大学 総合情報学部 教授 /日本スポーツ少年団指導育成部会長) 【パネリスト】 ○吉田 伊津美(東京学芸大学 総合教育科学系 准教授) ○佐藤 善人 (岐阜聖徳学園大学 教育学部 准教授) ○小谷 恵美子(大阪府スポーツ少年団 副本部長) 【C分科会】 障がいのある子どもたちの受け入れに向けた課題と展望 【テーマ設定理由】 日本スポーツ少年団「第9次育成5か年計画」は、創設 50 周年の節目となる平成 24 年 に策定された。 「第9次育成5か年計画」は、今後更なるスポーツ少年団の充実・発展を目 指し、日本スポーツ少年団、都道府県スポーツ少年団、市区町村スポーツ少年団が一丸と なって取り組む計画が示されている。この「第9次育成5か年計画」の中には、 「障がいの ある子どもたちも含め、全ての子どもたちを受け入れる青少年スポーツ団体でありたい」 と謳われており、そのポリシーのもと、平成 24 年度から障がいのある子どもたちの受け入 れに向けた準備が進められている。そして、平成 27 年度からは、実際にモデル事業(事例 紹介等)を実施し、より具体的に実現へ向けた取組が計画されている。 しかし、現実には障がいのある子どもたちをスポーツ少年団に受け入れるためには、団 として、あるいは指導者として、具体的に子どもたちとどう接し、何をどのように整備す れば良いのか、とかく不明確な点が多く存在しているのが事実である。そして、その抽象 的な障壁(バリア)が、結局は障がいのある子どもたちの受け入れに支障を与えているの ではないだろうか。 そこで、本分科会では、障がい者スポーツ指導のスペシャリストをパネリストに招き、 「障 がいのある子どもたちをスポーツ少年団に受け入れるために求められるものとは何か」に 焦点を絞り、フロアの皆さんと共に考えていきたい。 小林 順一氏は、地域の中で障がい者スポーツに深く関わりこの分野をリードしてきた人 である。また一方で、パラリンピック日本代表監督として国際的にも活躍している人でも ある。様々な視点から我が国の障がい者スポーツの課題と可能性について言及して頂く。 行實 鉄平氏には、スポーツマネジメントの専門家として、学術的見地から障がいのある 子ども達の受け入れの妨げとなっている要因を指摘してもらい、その構造と課題解決のた めの具体的方法論を解説して頂く。 吉田 繁敬氏には、障がい者スポーツの有資格者として、またスポーツ少年団の指導者と して、障がいのある子ども達とかかわり指導する中で感じる子ども達の心身の特徴と、そ れをふまえた指導場面での工夫について具体的に紹介して頂く。 【座長】 ○矢野 宏光(高知大学 教育学部 准教授 /日本スポーツ少年団指導育成部会員) 【パネリスト】 ○小林 順一(ロンドンパラリンピック陸上競技監督) ○行實 鉄平(徳島大学 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 ○吉田 繁敬(東山スポーツ少年団指導者/心理カウンセラー) 准教授) 【D 分科会】 スポーツ少年団と総合型地域スポーツクラブ ~ 育成母集団の観点から ~ 【テーマ設定理由】 平成 26 年実施の「育成母集団の活動実態調査報告書」によれば、回答があった単位 団の 63.1%に育成母集団があった。しかし、平成 11 年度の同調査への回答が全単位団 のうち 42.6%であったのに比べ今回は 21.4%と半減し、育成母集団に対する関心の度 合いが低くなっていることは否めない。また、育成母集団の構成は、「保護者のみ」ま たは「保護者・指導者のみ」で構成されている育成母集団が 91.8%で、将来的に大人も 含めた地域集団の形成を目指している育成集団の目標とは大きな隔たりがある。逆に、 保護者・指導者と「その他の関係者」で構成されている育成母集団は、育成母集団自身 の活動が活発な傾向にあった。 さて、スポーツ少年団の理念として平成 21 年に新たに加えられた「スポーツで人々 をつなぎ、地域づくりに貢献する」に沿った団活動をする上で、育成母集団の充実・発 展は必須となるであろう。また、平成 26 年度に作製された『幼児期からのアクティブ チャイルドプログラム』の活用をはじめ、スポーツ少年団において「幼児期から体を動 かすことを厭わない子どもの育成に向けた指導」が注目されるであろうし、その指導に 係る人材の発掘・養成が必要となる。 そこで本分科会では、上記のような課題に対応するための方策として考えられるスポ ーツ少年団と総合型地域スポーツククラブとのあり方を育成母集団の観点から 3 つの 事例をもとに考えてみたい。 【座長】 ○米谷 正造(川崎医療福祉大学 医療技術学部 健康体育学科 教授 /日本スポーツ少年団指導育成部会員) 【パネリスト】 ○平尾 好孝(くちくまのクラブ/和歌山県上富田町教育委員会) ○石川 理恵(MIYAZAKI うづら ai クラブ クラブマネジャー) ○三宅 厚自(きよねスポーツくらぶ クラブマネジャー)
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