1 - 東京海上日動あんしん生命

米国サブプライムローン問題、並びに、
グローバル金融市場の混乱に伴う影響について
2008年11月19日
東京海上ホールディングス株式会社
Copyright (c) 2008 Tokio Marine Holdings, Inc.
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米国サブプライムローンへの直接投資の状況
• 米国サブプライムローン(SPL)への直接投資の影響は、引き続き限定的
に止まっている (注1) (注2)
(単位:億円)
リスクエクスポージャー
評価損等・発生保険金(P/L)
区分
6月末
CDOに係るCDS
資産運用関連
ヘッジファンド
小
金融保証特約
再保険関連
合
(注3)
計
金融保証会社からの
特約再保険受再
計
9月末
増減
6月末
9月末
増減
45
45
0
▲2
▲4
▲1
23
21
▲1
-
-
-
68
67
▲1
▲2
▲4
▲1
188
177
▲11
-
▲0
▲0
257
244
▲13
▲2
▲5
▲2
(注1)東京海上日動、日新火災、東京海上日動あんしん生命、東京海上日動フィナンシャル生命の4社ベース(以下「4社ベース」)。なお、あんしん生命とフィナ
ンシャル生命は該当無し
(注2)金額は記載単位未満切り捨て、諸比率は四捨五入によって表示している(以下同様)
(注3)CDO(Collateralized Debt Obligation)は、社債やローン債権等から構成される資産を裏付として発行されるABS(Asset-Backed Securities=資産担保証
券)の一種。 CDS(Credit Default Swap) は、クレジットデフォルトスワップ取引の略称
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【リスクエクスポージャー・影響額の状況】
○ 上期末時点のSPLに係るリスクエクスポージャーは、合計で244億円(6月末対比▲13億円)
○ P/L影響額は、▲5億円となった(信用スプレッド拡大によるCDOに係るCDSの時価下落、金融保証特約再保険における発生
保険金によるもの)
○ SPLへの直接投資に関しては、今後も経営に大きな影響を及ぼすような損失拡大は見込んでいない
【CDOに係るCDS】
○ SPL関連銘柄を含むCDOについて、裏付となるSPLが全損した仮定で劣後割合を超える損失をリスクエクスポージャーと定義
○ 該当は2契約のみで、想定元本合計802億円(6月末対比▲2億円)
○ 2契約 802億円の内訳
① 42銘柄のABSポートフォリオ(91%がAAA格)を裏付けとするCDOのスーパーシニア部分(格付機関が求めるAAA格に必要な劣後
割合より高い劣後割合を設定した部分)への投資。想定元本769億円、劣後割合17%。 この一部にSPL関連の銘柄が含
まれている。SPLのビンテージ(組成された年)は、2006年案件が6%で、それ以外は2005年以前に組成されたもの
② SPL関連銘柄が約半分を占めるABSポートフォリオ(平均格付BB格)を裏付けとするABS-CDOのBBB格部分への投資。想
定元本33億円。劣後割合49%。MBIA社保証付。 SPLのビンテージは、2005年以前が64% 、2006年案件が12%、2007年以
降が25%
【ヘッジファンド】
○ SPL関連銘柄を投資対象の中に含むものについて、買建(ロングポジション)と売建(ショートポジション)をネットしたものをリスクエクスポー
ジャーとした
○ 今上期にあらたな評価損等は発生していないが、買建で▲27億円の含み損、売建で29億円の含み益、合計2億円の含み
益あり(6月末対比▲17億円)
【金融保証特約再保険】
○ 残高は177億円(6月末対比▲11億円、契約ベース(外貨ベース)での減少および円高によるもの)
○ SPLのビンテージは、2005年以前が74億円(42%) 、2006年が4億円(3%)、2007年以降が98億円(55%)。71%がAAA格
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グローバル金融市場の混乱に伴う影響
• 世界的に金融市場の混乱が続く中、米国サブプライムローンを含まない信用
リスク関連投資についても、引き続き影響が及んでいる (注1) (注2)
(単位:億円)
4-6末
区分
評価損等
(P/L)
4-9末
評価差額等
(B/S)
評価損等
(P/L)
評価差額等
(B/S)
増減
▲43
-
▲86
-
▲42
-
▲176
▲152
▲144
▲121
▲0
▲0
▲12
▲0
▲11
資産運用関連計
▲44
▲176
▲251
▲144
▲174
金融保証特約再保険
▲87
-
▲97
-
▲9
CDS(SPL関連除く)
ABS
SIV
(注1)4社ベース(あんしん生命とフィナンシャル生命は該当無し)
(注2)ヘッジファンド投資については、信用リスク関連投資以外の要素(株価、為替等)による影響が大きいため、 上記の対象外とした
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【資産運用に係る影響】
○ 資産運用に係る影響は、08年度上期のP/L損失が▲251億円(うちCDS▲86億円、ABS▲152億円、SIV▲12億円)となった。
また、上期末のABSの含み損は▲144億円。この結果、P/L損失と含み損を合わせた資産運用に係る影響額は、6月末対
比で▲174億円拡大
○ これは世界的な金融市場混乱拡大の影響により信用スプレッドが急拡大したことが主因
○ ただし、これまで同様、裏付資産にデフォルトが発生したわけではなく、満期償還に向けて損益の回復を見込む
【金融保証特約再保険に係る影響】
○ 保険引受に係る影響は、金融保証特約再保険で、米国住宅市場低迷長期化の影響により、新たに▲9億円の発生保険金
を計上し、上期累計では▲97億円となった
【SIV投資 (Structured Investment Vehicle)】
○ SIV投資に関して、Vetra社の劣後債は8月に償還済みであり、他の銘柄も上期末時点でほぼ全額を減損計上済であること
から、今後損失はほとんど発生しない
<参考>
【米国GSE(政府支援法人)(*)】
(*)米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、米連邦住宅抵当貸付公社(フレディマック)
○ 4社ベースで、上記関連の債券(RMBS保証債、発行債)を571億円保有(6末対比▲60億円)
○ これ以外に、一部の海外保険子会社で、約213億円の保有があることが確認できている
○ 9月末時点で評価損は計上していない(今後も見込んでいない)
【その他】
○ 国内案件のCMBS(Commercial Mortgage-Backed Securities) は、不動産投資リスクとしてABSの枠外としている。残高は53
億円(6月末対比▲1億円)、すべてAAA格(なお、海外案件のCMBSは、すべてVetra社から買受けたもの(残高299億円(6
月末対比▲18億円)、すべてAAA格)であるため、ABSとして扱っている)
○ レバレッジドローンは、 すべて国内案件で残高は88億円(6月末対比▲1億円)、すべて正常債権
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グローバル金融市場の混乱に伴う影響①:CDS、ABS投資
CDS投資
ABS投資
(注) 4社ベース(日新火災、あんしん生命、
フィナンシャル生命は該当無し)
SPLを含む
CDS
10%
海外リース・クレ
ジットカード債
SPL
権等
0%
国内リース、 1%
クレジット
債権等
23%
海外
RMBS
1%
日本国債
6%
ネット想定元本
約7,940億円
(注) 4社ベース
(あんしん生命、フィナンシャル生命は該当無し)
海外
公共事業
12%
投資残高
約3,810億円
内外企業
12%
内外
公共事業
18%
内外企業
71%
米国RMBS
等
19%
海外RMBS
等
16%
国内RMBS
11%
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【CDS投資】
○ ネット想定元本は約7,940億円 。一部銘柄の満期償還等により6月末対比で▲810億円。SPLを含むCDOの想定元本は10
ページの通り
○ 85%以上がAAA格。SPLを含む案件以外では米国RMBSはなく、米国以外の海外RMBSは1%に止まる
○ 内外企業は延べ約1,400社に分散(海外企業比率97%)し、平均21%以上の劣後割合を確保
○ 信用スプレッドが0.1%拡大した場合、評価損は▲20億円程度拡大する構造
【ABS投資】 (※1)
○ 投資残高は約3,810億円。6月末対比で▲140億円
○ 87%以上がAAA格で、かつ分散が効いたポートフォリオとなっている
○ 米国RMBSのビンテージは、2005年以前が3% 、2006年が22%、2007年以降が74%
○ SPLに係るものの保有は無い。米国Alt-Aに係るものは約339億円(ABS全体の6%)
○ 裏付資産別では、国内関連40%、海外関連60%
○ Vetra社からの買受分約1,428億円を含む(米国RMBS等、海外RMBS等、内外企業)
(※1) CDOのキャッシュ投資はなし。CDOのエクスポージャーは全てCDSによるもの
【参考:モノライン保証保険会社保証付CDS、ABS投資】
○ モノライン保証付のCDS、ABS投資は合計で約1,840億円(6月末比▲250億円)。うちCDSは約1,230億円(同▲240億円、主に
裏付資産の償還に伴うもの)(※2)(※3)
○ 82%は海外の公共事業(空港や有料道路等)に係る資産やキャッシュフローを裏付けとする案件
○ モノライン保証は、元本償還をより確実にするための追加信用保全として位置付けており、CDS3銘柄・217億円(※4)、ABS2
銘柄・65億円を除いては、モノライン保証前でも投資適格を確保している
○ なお、モノライン保証付投資については、裏付資産がデフォルトしない限り、モノライン会社が破綻しても元本毀損は生じない(現時
点で、デフォルトは発生していない)
(※2)この他に、東京海上フィナンシャルソリューションズ証券にてモノライン保証付債券の保証残高が約626億円(6月末対比▲49億円)。裏付資産
はすべて海外企業向け貸付でAA格、平均29%程度の劣後割合を確保している(なお、同社ではこの他にモノライン保証のない債券
の保証残高が約155億円ある)
(※3)モノライン保証会社との間で、ヘッジを目的としたデリバティブ取引は行っていない
(※4)このうちの1銘柄・33億円は10ページ記載のSPLを含むCDO
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グローバル金融市場の混乱に伴う影響②:金融保証特約再保険
金融保証特約再保険
【参考】 モノライン各社の格付状況
(注) 引受けは東京海上日動のみ
2008年8月6日現在
SPL SPL以外の
0.5% 米国RMBS 海外企業
3%
CDO
11%
FSA
Ambac
MBIA
その他
4%
Assured
Guaranty
S&P
Moody's
AAA
Aaa
AAA
Negative
Possible downgrade
Stable
AA
Aa3
-
Negative
Negative
AA
A2
Negative
Negative
Fitch
-
AAA
Aaa
AAA
Stable
Negative
Stable
S&P
Moody's
保険金額
約3.3兆円
2008年11月14日現在
FSA
米国地方債
等
82%
Ambac
MBIA
Assured
Guaranty
Fitch
AAA
Aaa
AAA
Watch Negative
Possible downgrade
Watch Negative
AA
Baa1
-
Negative
Developing
AA
Baa1
Negative
Developing
-
AAA
Aaa
AAA
Stable
Possible downgrade
Stable
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【金融保証特約再保険の状況】
○ モノライン保証保険会社からの受再はFinancial Security Assurance社(FSA社)のみ
○ 保険金額は約3.3兆円。6月末対比約▲0.2兆円の減少となっているが、これは償還が進んだことおよび為替要因(円高)等
によるもの
○ 引受内容は、約82%が公共性の高い米国地方債等に対する保証。FSA社は徴税等に係る介入権を有し、債権保全措置
は手厚い
○ 11%はグローバルに分散した海外企業CDO(約89%がAAA格、BB格以下は0.16%に止まる)
○ その他4%は、オートローン債権、民営化事業等(約25%がAAA格、BB格以下は6%程度)
○ 米国RMBSは3%(うちSPLは0.5%、詳細は10ページの通り)である
○ なお、FSA社では、昨今の米国住宅市場低迷による損害率の悪化を受けて、08年8月以降ABS保証の新規引受を停止(同
業務からの撤退を決定)している
○ 08年度第2四半期に米国住宅市場低迷長期化の影響により新たに▲10億円の発生保険金を計上。第1四半期の▲87億円
と合わせて08年度中間期では▲97億円の発生保険金となっている
○ この結果、同社から金融保証特約再保険の引受けを開始した1990年度以降の通算で見たアーンドインカード損害率は約51%
に悪化(6月末時点では約48%)
○ モノライン保険会社大手の格下げが行われた中で、FSA社はAAA格を維持している。ただし、7/21付でMoody’sより「Possible
downgrade」 、10/8付でS&Pより「Watch Negative」が示されている(本再保険取引は、FSA社自体を保証しているわけでは
なく、仮に同社に格下げがあったとしても東京海上日動への直接的な影響はない)
○ なお、11/14付でFSA社の親会社であるデクシア社が、 同社を Assured Guaranty 社(米国のモノライン保証保険会社) に売却
する旨を公表している
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< ご注意 >
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点において行った予測等を基に記載されています。これらの記述は将来の業績
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将来の実績が本資料に記載された見通しや予測と大きく異なることになる可能
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経営企画部 広報IRグループ
E-mail : toshihiko.aizawa@tokiomarinehd.com
Tel
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ホームページ
http://www.tokiomarinehd.com/
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