報道関係者各位 2012 年 7 月 11 日 京都の民間企業 2 社が共同で放射能測定を開始 ー研究所並みの高性能機種を導入、東日本方面の販路維持に不可欠ー 株式会社山田製油(京都市西京区)と株式会社坂ノ途中(京都市南区)の 2 社が、共同でシンチレーション 式放射能測定器(GDM-20、詳細は後述)を導入し、測定を開始しましたことをお知らせいたします。 「東」と「西」で、放射能検査に大きな温度差。高付加価値型企業は対応に苦慮 東日本では、放射能検査体制を整え顧客に自社商品の安全をアピールする食品メーカーや食品流通業者が増 え続けているのに対し、西日本で放射能検査を行っているところはほとんどないのが現状。放射能対策は、首 都圏に顧客を抱える西日本の企業にとっては大きな課題でした。 山田製油と坂ノ途中は、いずれも日頃から健康や環境への関心が高いお客さまとお付き合いしており、原発 事故後は汚染の実態や対応について多くのお問い合わせをいただいてきました。たとえ西日本産の原料を使用 していても、東日本のお客さまから検査実施の要望が寄せられることもしばしば。しかし西日本では日常的に 検査を行うことのできる施設がないため、そうした声にお応えし、自社商品の安心・安全を保証することがで きないのが大きな悩みでした。そこで同じ問題を抱える 2 社共同で今回の導入に踏み切ったのです。山田製油 は原料や製品、坂ノ途中は農産物や提携生産者の土壌の放射能測定を行い、結果を順次公開する予定です。 高性能機器を万全の態勢で導入 今回設置されたのは「GDM-20」。ヨーロッパを中心に、大学等の研 究機関でも導入されている高性能機種です。日本でも行政機関での導 入が増えています。 GDM-20 スウェーデン・Gammadata Instrument 社製 ヨウ化ナトリウムシンチレーション式 定量下限値(Cs-137、90 分測定時):2 Bq/kg 一般価格:1 台 528 万円 ▲山田製油社員による測定のようす 導入に際しては、担当スタッフが関東・東北で既に開設されている測定所を視察して 機種の選定にあたり、専門学術機関で放射線の専門知識に関する研修を受けるなど、慎 重に準備してきました。社内でも放射能に関する勉強会や機器操作の講習会をたびたび 開催し、全社あげての取り組みとして進めています。 ふたたび高まる関心、やはり西日本で測定のニーズも 他企業や地域住民の方々からの測定を請け負うことも検討していたところ、さっそく複数の問い合わせが寄 せられています。やはり西日本でも測定のニーズがあるといえそうです。また、批判の声も大きい中で福井県 の大飯原発が再稼働し、関西でも原発問題への関心は再び強くなっています。事故から 1 年以上を経た今、福 島第一原発事故の影響の実態を明らかにすることの意義はますます高まっているのです。 京都の小さな企業 2 社ですが、原発事故をきっかけに大きく変化したお客さまの意識に応え、また社会全体 の問題に向き合う先行事例となるべく、今回の活動に踏み出しました。こうした思いを多くの方に知っていた だきたく、このたびリリースをいたします。よろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます。 このリリースに関するお問い合わせはこちらまで 株式会社 山田製油 住所:〒615-8075 京都市西京区桂巽町四番地 TEL:075-394-3276(9-17 時) FAX:075-394-3283 メール:goma@henko.co.jp(担当:藤本) HTU UTH 株式会社山田製油について 山田製油は、自ら「へんこ(がんこ、へんくつ)」を名乗り、長年にわたって高い品質にとことんこだわった ごま製品を生み出し続けている企業です。 「ええもんつこうて、うまいもんつくらなあかん」がポリシー。味と 香りを最大限に引き出すために手間ひまかけた製法はもちろんのこと、安心・安全にも厳しい基準を採用し、 原料から販売に至るまでこだわりを貫いています。そのいっぽう、ごまとイタリアンを融合させたレストラン をオープンしたり、アイディアあふれる新製品を開発したり、ごまの魅力を追求する飽くなき挑戦を続けてい ます。 ▲桂の本社 ▲ごま油製造工程 ▲品質を入念にチェック ▲南丹市“胡麻”でごま栽培も 株式会社坂ノ途中について 坂ノ途中は、 「100 年先も続く農業」を目指して、環境負荷の小さい農業の普及をすすめる企業です。提携農 家さんと「なにを、いつ、どれくらいつくる?」からともに考え、農薬や化学肥料を使わず土の力を大切して 育てられた農産物の販売を行っています。風変わりな社名は、 「険しい坂をのぼっていくような苦労をされる農 家さんたちの、よきパートナーでありたい」という思いからつけられました。 2010 年度・2011 年度きょうと元気な地域づくり応援ファンド採択企業、第 4 回京都文化ベンチャーコンペ ティション京都府知事賞最優秀賞受賞。 ▲農家さんとの密な関係を大切にしています ▲旬のお野菜セット ▲東寺のすぐそばに直営店舗も これまでの取り組み 企業としての姿勢に共通するところの多い両社は、これまでもさまざまな面で協働してきました。昨年の震 災・原発事故後に坂ノ途中が主体となって行った「ハローファームプロジェクト」では、原発事故によって農 地が汚染されてしまった農家さんに関西のあたらしい土地を紹介し、移転をサポートしました。これまでに福 島近郊から 3 組の農家さんが京都に移転し、新たな人生を歩み出されています。これらの農家さんには、山田 製油からすぐれた有機肥料である「ごまの油かす」が無償で提供されます。そうして育てられたお野菜は坂ノ 途中の販路を通してお客さまに届けられ、また山田製油直営レストランでも使われています。
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