偕行会リハビリテーション病院年報 平成 26 年度版 偕行会グループ紹介 偕行会ネットワーク 偕行会グループ沿革 昭和 54 年 2 月 名古屋共立病院開設 昭和 56 年 8 月 海部共立クリニック開設 平成 9 年 4 月 老人保健施設ケア・サポート新茶屋開設 平成 11 年 8 月 偕行会セントラルクリニック開設 平成 13 年 3 月 医療法人名古屋放射線診断財団設立 名古屋放射線診断クリニック開設 平成 14 年 9 月 偕行会リハビリテーション病院開設 平成 15 年 5 月 老人保健施設かいこう開設 平成 19 年 11 月 医療法人社団仁済会豊島中央病院が偕行会グループ入り 平成 20 年 1 月 東名古屋画像診断クリニック開設 平成 23 年 4 月 偕行会城西病院開設(名古屋市立城西病院を名古屋市より譲渡を受ける) 平成 25 年 8 月 PT.KAIKOUKAI INDONESIA 設立 平成 26 年 6 月 KAIKOUKAI CLINIC SENAYAN 開設 偕行会組織図 病院医療事業部 名古屋共立病院 〒454-0933 名古屋市中川区法華一丁目172番地 TEL:052-362-5151 偕行会リハビリテーション病院 〒490-1405 愛知県弥富市神戸五丁目20番地 TEL:0567-52-3883 偕行会城西病院 〒453-0815 名古屋市中村区北畑町四丁目1番地 TEL:052-485-3777 透析事業本部 透析医療事業部 偕行会セントラルクリニック (医)偕行会長野 名港共立クリニック 駒ヶ根共立クリニック (医)偕行会岐阜 法人本部 中津川共立クリニック (医社)偕行会三重 海部共立クリニック 瀬戸共立クリニック 安城共立クリニック 碧海共立クリニック くわな共立クリニック 豊田共立クリニック (医)名古屋放射線診断財団 半田共立クリニック 駒込共立クリニック (医社)偕翔会 豊島中央病院 さいたまほのかクリニック 静岡共立クリニック 城北共立クリニック 掛川共立クリニック (医)名古屋放射線 診断財団 名古屋放射線診断クリニック 東名古屋画像診断クリニック 在宅医療事業部 老人保健施設ケア・サポート新茶屋 老人保健施設かいこう 訪問看護ステーションきょうりつ 訪問看護ステーションじょうさい 訪問介護ステーションなかがわ ケア・コーディネイトきょうりつ ケアプランセンターさくら ケアプランセンター名港 グループホームちくさ 小規模多機能事業所ちくさ 介護付き有料老人ホームのぞみ 小規模多機能事業所のぞみ デイサービスセンターひかり デイサービスセンターせせらぎ 総合相談窓口 名古屋市北部認定調査センター 偕行会リハビリテーション病院の取り組み ■回復期リハビリテーション病棟での入院リハビリ治療を行います(120 床) ◆リハビリテーション科専門医 2 名、内科・総合内科専門医 3 名、神経内科専門医 3 名、脳神経外科 専門医 1 名、整形外科専門医 1 名(重複取得含む)の 7 名の常勤医師体制で、リハビリに関連した疾 患に対して充実した専門治療を継続します。 非常勤の回診で、内科(循環器) 、精神科医、歯科医もサポートしています。 ◆81名の療法士(理学療法士 42 名、作業療法士 27 名、言語聴覚士 12 名)体制で、365 日の土日、 祝日を含む毎日 2~3 時間の個別リハビリテーションを提供します。(平成 27 年 5 月 1 日現在) ◆病棟専従の医師・療法士・看護師・社会福祉士を配置しています。(回復期リハビリⅠ取得) ◆回復期リハビリテーション認定看護師を配置 ◆脳卒中リハビリテーション看護認定看護師を配置 ◆すべての患者さまに社会福祉士がつき、退院後の生活再構築をサポートします。 ◆医療法人偕行会では、急性期~在宅生活まで病状時期に応じた各施設が充実し、スムーズな連携を 行っています。 ◆同法人の名古屋共立病院との往復連絡便を無料運行しており、患者さまのご家族さまにも利用して 頂く事ができます。 ◆日本リハビリテーション医学会研修施設認定 ◆日本医療機能評価機構認定 病 室 リハビリ室 食 堂 談話室 免荷装置 (ニューアシスト) 言語聴覚療法室 ■外来透析(40 床) ◆腎不全による透析治療を導入された患者さまの、地域での透析治療の継続を主に外来透析を行って います。 ◆透析治療を受けている患者さまで、回復期病棟の入院適応がある患者さまの入院受入れを行ってお り、透析前後にリハビリテーションを実施しています。また、合併症治療や精密検査などは同法人内 の名古屋共立病院でも対応しています。 ◆リフト車両による送迎も一定の範囲内で無料対応しています。 透析室 送迎車 ■リハビリテーション外来 ◆当院では一般外来診療は行っておりませんが、高次脳機能障害や失語症など長期にわたるフォロー が必要な患者さま、痙縮治療のご相談、義肢装具調整のご相談、その他リハビリテーション全般に関 するご相談などを予約制でおこなっています。 年報目次 Ⅰ 巻頭言 ························································································ 1 Ⅱ 特別寄稿 ······· ············································································· 2 Ⅲ 診療概要 ······· ············································································· 4 Ⅳ 資料・統計の部 ············································································ 6 Ⅴ 院内活動報告 · ··········································································· 10 1)医局紹介 2)看護部 ・2 階病棟 ・3 階病棟 ・透析センター 3)リハビリ部 ・リハビリ室 4)診療技術部 ・栄養指導課 ・薬剤課 ・臨床工学課 5)事務部 ・事務課 ・地域医療連携課 6)医療安全管理室 ・医療安全管理室 ・感染対策委員会 ・褥瘡対策委員会 Ⅵ 学術活動・研究会活動 ································································· 26 Ⅶ マスコミ関係資料 ······································································· 29 Ⅷ 巻末資料 ······· ··········································································· 30 Ⅰ 巻頭言 医療法人偕行会グループ 会長 川原弘久 新しい年度を迎え、偕行会リハビリテーション病院の皆様は新たな事業に胸をはずませておられるこ とと思います。リハビリテーション病院の皆様の御健闘で、当院は全国的にもトップクラスの回復期リ ハビリテーションになったことを確信しています。また経営的にも、偕行会グループの病院の中で唯一 黒字化を果たして頂きました。これも田丸院長の指導の下、職員の皆様の奮闘の賜物と厚く感謝を申し 上げるところです。グループ全体の経営改革に苦闘を強いられていた小生に大きな励ましを頂きました。 偕行会にとって名古屋共立病院・偕行会リハビリテーション病院・偕行会城西病院は機能的には急性期 から慢性期までのシームレスな医療体制が完成しましたが、経営的には未だ完成しておりません。今年 度は名古屋共立病院の大幅な赤字削減、偕行会城西病院の黒字化が果たさなければなりません。具体的 には院内誌「かいこう」で呈示しました政策を中心に行ってゆくことになりますがリハビリテーション 病院の努力をモデルにしなければならないと思います。 昨年は田丸院長と赤坂部長と小生で上海交通大学の仁済 病院グループを訪問し提携の話をしてきました。まもなく 中国から研修生が来日すると思いますが、その後 5 年間に 渡ってリハビリテーション病院から指導のための中国出張 を御願いすることになります。このような事業ができたの もリハビリテーション病院の高い技術・技能が評価された からだと思います。また日本の多くの回復期リハビリテーション病院でこのような取組をしているとこ ろはありませんので、リハビリテーション医療のグローバル化を果たしたという点では突出していると 思います。未だ発達していない中国でのリハビリ医療の主導権を握りたいというのが仁済病院の狙いな ので、その点でも大きく貢献できることと思います。これを出発点として、仁済病院側は介護分野にも 乗り出すでしょうから、次は在宅医療部へ指導の話が来るかもしれません。現在中国からインバウンド の患者の確保に努めていますが、日本のより優れたリハビリテーション医療を求めて中国からのインバ ウンドの患者が当院を訪れることを期待しているところですが、この提携の中からその機会が得られる のではないかと期待しています。派遣された職員の皆様の努力に期待したいと思います。 今後人口減少に伴って、日本の医療マーケットは縮小し、小さな自治体では自治体病院の消失もあり えます。日本の医療は自然に厳しい状況に追い込まれます。その状況の中でも偕行会グループが生存し 続けるような創意を職員全員で作り上げようではありませんか。 1 Ⅱ 特別寄稿 衆議院議員 医療法人偕行会 岡本 顧問 充功 偕行会リハビリテーション病院の年報が作成されると伺い寄稿させていただきました。昨年までは透 析室で毎週木曜日の診療をさせていただいていたこと、良いスタッフに囲まれ、患者さまとの交流の機 会もあり、夢のような勤務であったと懐古しています。皆さんのご協力に改めて感謝いたします。とり わけ寒い中、お手伝いいただいた皆様を含めご支援いただいたこともお礼申し上げます。 昨年は急な選挙となり休職させていただくことになりま した。その際には透析室を中心にご迷惑をおかけしました。 また、患者さまにも申し訳なかったと考えています。一方で 再び国政に復帰をさせていただきました。ご支援いただいた 皆様にもこの場を借りて改めてご挨拶させていただく次第 です。ありがとうございました。約 2 年間にわたり貴院で勤 務させていただいたことは、新たなステージで必ずや生かせ るものと考えています。 さて偕行会リハビリテーション病院は、120 床という回復期リハビリ 病床と 40 床の透析病床をもつ海部南部の医療機関として重要な役割を 果たされています。回復期リハビリにおいては、海南病院などの急性期 病院と協力の上、その役割を果たされており、なくてはならない病院の 一つと既になっています。特に透析医療を安定的かつ安全に提供してい ることは、リハビリを必要とする透析患者さまにとって頼りの拠点です。 透析を受けられている患者さまは、脳血管障害や冠動脈疾患のリスクも 高く、そうした疾患を起因としてリハビリが必要となる方が安心して療 養ができる環境となっていることは強みであると思います。 今後とも厚生労働省は医療病床の機能分化を進めていきますし、病床 ごとの平均在院日数の短縮を通じて医療費適正化を進めていくものと 考えられます。そういった中で独自性を発揮する要素のあるこうしたリ ハビリと透析の連携を、今後とも大切にしながら、地域医療への貢献を お願いできればと考えています。 2 一方で病床数 120 床という回復期リハビリ病院が、厳しい競争下にあることも事実です。リハビリテ ーション病院がいくら病床を増やしたいと思っても、今の医療法の下では勝手に病床数を増やすことは できません。外来診療をしたり、診療科を増やしたりするためには地域の医師会などの理解が不可欠で す。こうした様々な制約がある中、外来機能がなく、病床数も限られる状況下でその自律的な経営を貫 くには田丸院長はじめとするスタッフの皆様の献身的な努力が不可欠です。大変なこともあると思いま すが、一層のチームワークをもって患者さまの回復と利便、さらには QOL 向上のために医療を極めら れることを望みます。 私は日本の医療提供体制の向上並びに患者さまの「よかった」の声を聴くべく努力を惜しまない決意 ですし、とりわけ西尾張地方の医療環境改善に今後とも邁進していきたいと考えています。最後になり ますが、今後とも皆様のご協力のもとリハビリテーション病院がさらに発展されますことをお祈り申し あげます。 3 Ⅲ 診療概要 平成 26 年度の診療概要 偕行会リハビリテーション病院 院長 田丸 司 「われわれは愛知の端っこにいるのではない。日本のど真ん中の病院にいるのだ」 今年の当院のスローガンとして、職員集会にて発表したものです。常々目の前の小さな事にこだわ ってしまいがちですが、大きな視点で診療に取り組みたいと思っております。新年度を迎え新たに多く の職員が入職しており、気分も新たに回復期リハビリ、透析医療ともに、さらに一層地域診療において 貢献していく所存です。関係スタッフの日常の努力に感謝申し上げるともに、関連医療機関の関係各位 の皆さまにおきましては、引き続きご指導いただきますようよろしくお願い申し上げます。 【回復期リハビリ病棟 この 1 年】 ○設備と人員の拡充 回復期リハビリの病棟はここの所増加傾向にありますが、当院は平成 14 年の開院から常に当地区で のリハビリ医療を担ってまいりました。平成 24 年度診療報酬改定から回復期リハビリⅠの取得をして おり、職員の充実と教育体制、および設備面での見直しを続けてきております。平成 26 年度診療報酬 改定では、引き続き回復期リハビリ1を取得しつつ、さらにリハビリセラピストのマンパワーの確保を 務めており、平成 26 年度から全患者に、365 日のリハビリ体制と平均 6 単位(2 時間)を賄う人員が確 保できるようになりました(充実加算、休日加算取得)。さらに病棟専従の医師、医療相談員等含め、 回復期リハビリ病棟Ⅰの基準を満たしつつ、持続的に発展できるように進めてきました。 平成 27 年春の入職者にてリハビリセラピスト総数としましては、80 名を超えており、一部退院後の リハビリ等へのサービス拡充にも振り向けることができると考えております。医師体制も充実してきて おり、平成 27 年春に 2 名の常勤医師(山川医師、松原医師)を迎えることとなりました。専門医とし ましては、リハビリテーション科専門医 2 名のほか、内科・総合内科専門医 3 名、神経内科 3 名、脳神 経外科 1 名、整形外科 1 名(重複取得含む)となり、リハビリに関連した疾患に対して充実した専門治 療を継続できると思います。リハビリテーションの専門指導としては、平成 26 年半ばより、クラシー ドメディカル(兵庫医科大学リハビリテーション講座道免和久教授)のご指導をいただくこととなり、 今後より専門的な教育体制を確立していく所存です。 設備面でも未使用であった場所の改変などにより、当初想定していなかった職員数にも対応できるよ うになりました。引き続き新たなリハビリ機器や手法の導入など検討しており、この地区でのリハビリ 医療に貢献できるよう努めてまいります。 4 入院患者動態としましては、平成 26 年度は総入院数として例年の通り 600 名ほどの患者さまにご利 用いただくこととなりました。詳しくは資料統計としてまとめておりますので、ご参照いただければ幸 いです。特に海部地区在住の患者様が増加してきており、今後も地域医療の一助となるように努力して いく次第です。 【透析センター この 1 年】 透析センターでの外来利用者は、この一年間は同様の推移となっておりましたが、特に回復期リハビ リ入院での透析患者の受け入れを続けており、回復期リハビリの可能な透析施設としての役割をになっ てきております。医療法人偕行会として、炭酸泉の治療や、ハイパーサーミアなど新たな機器の活用が 始まっており、当院としましても、透析医療の一旦として役割を果たしていく必要があると考えており ます。 【第 9 回日本臨床コーチング研究会学術集会開催】 平成 26 年 8 月 31 日名城大学ホールをお借りして、第 9 回日本臨床コーチング研究会学術集会を開催 いたしました(大会長:田丸 司) 。全国から多数の参加者に来ていただき、盛会にて終了いたしました。 当院は発足後より当研究会事務局として活動しております。参加、ご協力いただいた皆さまには御礼申 し上げます。 【海外戦略 この 1 年】 平成 26 年 10 月中国上海を中心とした医療グループ、 仁斎医療グループの視察のため、川原会長、李先生、赤 坂リハビリ部長と小生で、上海市、常熟市を訪問しまし た。中国では急激な都市化が進み、今後高齢化とともに リハビリ、介護分野での社会インフラが必要とされると 考えられております。医療法人偕行会は、海外戦略とし てすでにインドネシアでの現地クリニックの実績もあり、 日本型医療インフラを海外へ展開する機会も増えてくる と考えております。リハビリ分野としても国際的な視点 を持ち、取り組みを進めて行きたいと思っております。 5 Ⅳ 資料・統計の部 1) 入院患者総数 平成 26 年度の入院患者総数(平成 26 年 4 月 1 日~平成 27 年 3 月 31 日入院分)は、589 名でした。 700 600 10 28 314 315 122 74 500 400 6 48 225 その他 廃用疾患 292 脳血管疾患 300 整形疾患 200 292 100 186 243 236 H25年度 H26年度 0 H23年度 2) H24年度 入院患者年齢 入院患者の年齢は、整形外科疾患 79.3 歳、脳血管疾患 72.5 歳、廃用症候群 79.3 歳、全体で 75.5 歳 でした。 全国平均 75.5 全体 75.7 廃用症候群 79.3 脳血管疾患 72.5 整形外科疾患 79.3 0 20 40 6 60 80 100 3) 患者住所地別 4)紹介元病院住所別 39名 6.6% 11名 21名 1.9% 3.6% 12名 2.0% 18名 3.1% 32名 5.4% 13名 2.2% 142名 24.1% 62名 10.5% 243名 41.3 % 111名 18.8% 333名 56.5 % 112名 19.0% 29名 4.9% 中川区 名古屋市その他 海部郡 津島市 県内その他 その他県外(住所不定含む) 港区 弥富市 愛西市 あま市 三重県 名古屋市内 愛知県内 県外 5)転院までの期間と在院日数 全国平均 26.7 72.3 当院入院までの日数 在院日数 全体 35.4 73.2 廃用症候群 36.0 71.0 脳血管疾患 44.2 整形外科疾患 81.8 24.9 0 20 64.6 40 60 7 80 100 120 140 6) FIM(機能的自立尺度評価:Functional Independence Measure) FIM運動項目 80.0 67.5 70.0 60.0 59.0 54.0 53.4 50.0 41.7 41.0 40.0 入 院 時 30.0 20.0 退 院 時 50.7 入 院 時 退 院 時 入 院 時 退 院 時 46.4 入 院 時 退 院 時 10.0 0.0 整形 脳血管 廃用 全体 FIM認知項目 40 30 26.4 27.4 19.2 20 10 入 院 時 退 院 時 21.6 入 院 時 退 院 時 21.4 22.9 入 院 時 退 院 時 22.3 入 院 時 24.1 退 院 時 0 整形 脳血管 廃用 全体 FIM合計 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 94.9 83.1 80.4 75.0 63.1 60.2 入 院 時 退 院 時 整形 入 院 時 73.6 退 院 時 入 院 時 脳血管 退 院 時 廃用 8 68.7 入 院 時 退 院 時 全体 7) 退院患者総数 平成 26 年度の退院患者総数(平成 26 年 4 月 1 日~平成 27 年 3 月 31 日退院分)は 592 名でした。 自宅 5, 0.8% 19, 3.2% 有料老人ホーム 8, 1.4% 2, 0.3% 25, 4.2% 2, 0.3% 5, 0.8% サービス付き高齢者住宅 グループホーム 67, 11.3% 特別養護老人ホーム 老人保健施設 病院(一般床) 58, 9.8% 373, 63.0% 病院(回復期) 病院(療養) 10, 1.7% 3, 0.5% 1, 0.2% 14, 2.4% 更生施設(生活保護) 急性期病院(容態悪化) 急性期病院(検査) 急性期病院(予定処置、手術) 急性期病院(胃ろう造設) 8) 退院先 在宅復帰率は、整形外科疾患 88.3%、脳血管疾患 77.1%、廃用症候群 69.6%、全体で 81.7%でした。 0.4% 100% 90% 80% 2.8% 8.9% 3.8% 1.9% 8.8% 13.0% 6.3% 12.0% 14.2% 2.9% 70% 0.2% 2.1% 17.4% 3.4% 1.9% 4.3% 在宅復帰率 (急性転化を除く) 整形・・・ 88.3% 脳血管・・・77.1% 廃用・・・ 69.6% 全体・・・ 81.7% その他 60% 病院(療養) 老人保健施設 50% 40% 有料老人ホーム等 特養 82.6% 71.7% 30% 76.3% 65.2% 20% 10% 0% 整形 脳血管 廃用 全体 9 自宅 Ⅴ 1) 院内活動報告 医局紹介 ■医師体制(常勤医師 7 名) 院長 院長 田丸 名誉院長 司 黒川 石﨑 公郁子 山川 春樹 晋 田丸 佳子 松原 正武 伊藤 博夫 【専門医】(重複取得含む) ・リハビリテーション科専門医 2 名(リハビリテーション医学会研修認定施設) ・内科・総合内科専門医、認定内科医 4 名 ・神経内科専門医 3 名 ・脳神経外科専門医 1 名 ・整形外科専門医 1 名 ■外来透析担当医師 藤岡 恭仁 羽切 ・非常勤医師:松永 正代 齊藤 慎史 10 和洋 Ⅴ 院内活動報告 2) 看護部 2階病棟 2 階病棟の今年度の目標は、 「患者・家族とともに、納得できる看護が提供できる」とし、 「患者・家 族が参加のもと看護計画を立案・実施・評価する」でした。そのためには患者さま、ご家族さまと一緒 に考える事が必要であり、実践できた証として計画表にサインを頂くようにしました。看護師の目標管 理でも全員で取り組んだ事から、サインを頂く事はできました。しかし、サインをもらうという行為に ばかり目が行き、内容の評価や、患者さま、ご家族さまが納得できる看護が提供できたかの評価はでき ず、今後の課題と考えます。 看護助手は、一大イベントである夏祭りの実行委員長も務め、中心となって他職種と協力し、大成功 させました。日々のレクリエーションにおいては係が中心となり、創意工夫を凝らし、季節に合ったレ クリエーションを行っています。看護助手ならではのアイデアが満載であり、患者さまだけでなく、面 会に見えた方や、スタッフ自身も楽しみにしています。入院生活を少しでも楽しく、価値あるものにし て頂けるよう、今後も活発なレクリエーションを行っていきたいと考えます。 今年度は、回復期リハビリ看護師 1 名と、介護福祉士 1 名が見事試験に合格し、当病棟より誕生しま した。回復期リハビリテーション病院の看護師、看護助手として、患者さまのためによりよい看護・介 護が提供できるよう、中心メンバーとしてリーダーシップを発揮してもらえるのを期待しています。 トイレットペーパーの芯を 再利用♪ ★こいのぼり作成★ ★クリスマス会★ 11 Ⅴ 院内活動報告 3階病棟 【病棟目標】 1. 患者・家族とともに、納得できる看護が提供できる(看護の質の向上) 2. 看護実践能力の向上と看護としての感性を磨く(人材育成) 目標1については、患者さまの入院時の看護計画について患者さま・ご家族さまへ説明をして同意を 得てサインをいただく取り組みを行いました。当初は習慣もなく抜けることが多かったですが、一年の 経過を経るなかで件数も徐々に増加し、期中にはほぼ 10 割の患者さまに同意を得られるようになりま した。 目標2については、今年度は看護助手のクリニカルラダーの導入が始まり全員が受審しました。看護 助手の研修にも力を入れた結果、看護助手は 40%、看護師は 62.5%のスタッフが合格をしました。学 習環境についても、今年度より看護助手も e-ラーニングの試聴ができるようになり充実した学習環境を 整えることができました。研修参加やレポート記載の機会も増え、当初は苦手なスタッフも多かったで すが徐々に慣れ、学習意欲も向上してきています。又、介護福祉士国家試験に 3 名のスタッフが合格し たため、資格やラダーで学んだ内容をケアの実践に生かして行きたいと思っています。 次年度はポートフォリオを導入し更に学習環境が整うため今後は各スタッフの意欲が向上し、学びあ える職場環境づくりに取り組んでいきたいです。 目標以外ではレクリエーションにも力を入れました。夏祭りはもちろんのこと、日曜日のレクリエー ションも、普段行っている内容だけでなく、紙飛行機大会や、ひな祭りなど工夫を凝らした内容のもの を行いました。入院生活のリフレッシュを図るために来年度も患者さまが更に楽しめるレクリエーショ ンが開催できるように工夫していきたいと思っています。 夏 ま つ り 12 Ⅴ 院内活動報告 透析センター H27 年度は、 【患者ひとりひとりに対して継続した看護が提供できるためにチームナーシングが確立 できる】を透析看護目標としました。 曜日でチームわけをし、そのチームで責任持って看護を継続できるよう、月チームは、『チームスタ ッフ間で報連相がしっかりでき患者の訴えに的確に対応できる』火チームは、『情報共有を密にし、患 者ケアをしっかり継続できること』をチームの目標として取り組んでいきます。 【外来透析患者動向】 H26 年度は、転入 9 名転出 15 名で、3 月末計 52 名でした。 紹介病院内訳は、法人グループ、海南病院、協立総合病院、ヨナハ総合病院等からの紹介でした。 転出内訳は、死亡 5 名、同グループへの転院 5 名、その他施設転院 5 名でした。 入院透析患者は 1 シフト約 3~7 名/日ほど透析されており、外来透析患者との合計は 60 名前後で推移 していました。 【管理・業務面・安全面】 従来は回診スタッフを固定とし、そのスタッフを中心として患者さまの看護を展開していましたが、 スタッフで業務量格差が生じた点、患者さまへの看護の責任の所在があいまいな点などを反省し、より よい看護を提供するために、次年度は看護提供方式をチームナーシングとすることで合意できました。 レベル 3 以上のアクシデントはありませんでした。 【看護職員の質向上】 看護職員の質向上のための院内クリニカルラダーにおいて、透析室看護師 3 人中、1 人がレベル 2、 1 人がレベル 3 のラダーに合格しました。 【学術面】 透析医学会に 1 演題発表できました。 【外来患者数】 H27 年度末外来患者数 58 名とし、引き続き外来患者さまの獲得を目指すとともに、回復期適応の 入院透析患者の透析受け入れも対応していきます。 13 Ⅴ 院内活動報告 3) リハビリ部 リハビリ室 【PT部門】 PT提供体制 平成 26 年度はリハビリ部として充実加算を取得し、休日、平日とも理学療法の介入量を十分に確保 してきました。今年度は昨年導入した免荷装置(図 1 参照)を最大限活用し重症患者さまに対しても、 早期に、安全に立位・歩行訓練を行い、患者さまの機能向上・ADL 向上に繋げていければと考えてい ます。 教育体制 昨年度、近隣病院との定期的な勉強会や症例検討会に参加し、積極的に発表等を行ってきました。研 究発表も定期的に行っており(学会発表のページ参照)新規に取り組めた職員も増えました。今後の臨 床に生かし、全体のレベルアップに繋げたいと思います。 退院後生活支援 退院時の能力を安全に末永く発揮していただくため、外来リハビリと訪問リハビリを行い継続した支 援を行っていきます。入院中から信頼関係を構築し、入院中には達成出来なかった課題も在宅で行うこ とで達成し、患者さまの QOL の向上を目指していきます。 図 1:免荷装置(ニューアシスト)にて介助歩行を行っている様子 14 Ⅴ 院内活動報告 【OT部門】 365日リハビリ 今年度は日曜日の出勤者を増員したことで、日曜日にリハビリを提供できる患者さまの数が昨年度よ り 1.5 倍増えました。しかし、まだ対象者全員に日曜日はリハビリを提供できていないため、来年度も 平日の業務を調整して、日曜日にリハビリを提供できる患者さまの数を増やしていきたいです。 園芸療法 今年度は 5 月、10 月、11 月に季節の寄せ植えを園芸療法として実施しました。参加者は皆楽しみな がら、作業に取り組んでいました。27 年度春より、新たに園芸スペースを増設します。増設に伴い、園 芸療法の頻度を増やし、その効果について評価を行っていきたいと考えます。 <園芸療法の風景> <壁面緑化を利用した園芸スペース> 高次脳機能評価方の見直し ST訓練室が 1 階に移動したことで、各階に高次脳機能障害の評価や訓練をする部屋を設けることが でき、高次脳機能障害のある患者さまが訓練をより集中して行える環境を作ることができました。 また評価をするにあたり、スタッフにより患者さまへの提示の仕方が違っていたため、評価方法を統 一するためによく使う評価方法の提示の仕方が分かる DVD を作製しました。 また来年度には当院でまだ使っていなかった高次脳機能障害の評価キットを新たに取り入れる予定 です。今後、更に高次脳機能障害の患者さまに対して、より良いリハビリが提供できるようにしていき たいです。 <作業療法での作品> 15 Ⅴ 院内活動報告 【ST部門】 365日リハビリ 今年度は過去最多の 11 名体制となり、365 日リハビリの更なる充実に向けスタートしました。平日 のリハビリ提供量は十分でしたが、問題は土日祝日のリハビリ提供量の少なさにあったため、土日祝日 の人員を増員しました。その結果、土日祝日のリハビリ提供量が平日に近い単位数を取得できるように なり、充実加算の取得も達成できました。今後もこれを継続できるようにし、365 日充実したリハビリ テーションを提供できるよう努めます。 教育体制 院内、院外の勉強会の開催、参加は恒例となり、今年度も継続して行うことができました。また、S T養成校の臨床実習の受け入れも行なっており(平成 26 年度は日本聴能言語福祉学院:1 名、愛知淑 徳大学:1 名、日本福祉大学中央福祉専門学校:1 名)、各メンバーがケースバイザーとして学生を指導 することにより個人のスキルアップに繋げています。院外研修、学会発表も恒例となっています。 嚥下造影検査の実施(下記参照) 嚥下評価、治療手技の一貫として嚥下造影検査を実施しています。今年度は実施件数が合計 320 件で 過去最多となりました。今後も継続して実施し、経口摂取にこだわり、質の高い摂食嚥下リハビリテー ションを目指していきます。 平成 26 年度嚥下造影検査集計 月別 VF 件数 4月 28 件 5月 23 件 6月 31 件 7月 37 件 8月 23 件 9月 30 件 月別 10 月 11 月 12 月 1月 2月 3月 合計 【嚥下内視鏡検査】 今年度末に嚥下内視鏡を購入しました。現在まだ準備 段階ですが、今後は嚥下造影検査では評価しきれなかっ た部分を補うことができると考えており、さらに質の高 い摂食嚥下リハビリテーションを目指す所存です。 16 VF 件数 22 件 22 件 27 件 29 件 25 件 23 件 320 件 Ⅴ 院内活動報告 4) 診療技術部 栄養指導課 栄養管理 今年度より、栄養評価として従来使用している MNA-SF に加え、院内独自の評価ツール(Alb 値、 BMI、体重減少率、喫食量、褥瘡、腹部症状、浮腫 の 7 項目を点数化したもので、0 ポイント~19 ポイ ントに分けられる)を作成し、全患者さまに対し入 院から退院まで 1 ヵ月毎に評価を行いデータベース 化に取り組みました。1 年間で 6 割以上の患者さま の栄養状態が改善したため、さらに分析を行い、管 理栄養士の介入効果を明らかにしていきたいです。 給食管理 新たな取り組みとしては、年 4 回実施している給食アンケート実施時に、委託会社の調理師、栄養 士も同行し直接患者さまに病院給食に対する意見を聴取することができました。また、来年度に向け、 新たな食器の購入とともに美味しそうに見える盛り付け等を検討しています。 勉強会、研修会への参加、専門性の向上 昨年度は勉強会、研修会への参加が多かったですが、今年度は、得た知識を院内で多職種に向け積 極的にアウトプットすることに努めました。 今年度より同法人である名古屋共立病院(急性期病院)、偕行会城西病院(療養型病院)の管理栄養士と の繋がりを強化すべく、3 ヶ月に一度持ち回りで栄養士会議を開催しました。 管理栄養士 1 名は、回復期リハビリテーション病棟協会第 24 回研究大会に 1 演題発表し、自身の 栄養支援を振り返るいい機会となりました。 17 Ⅴ 院内活動報告 薬剤課 今年度、薬剤課としては大きく環境を変化させる一年となりました。 前年度からの変化として、もっとも大きかったことが薬剤分包機、及び散剤分包機の新調です。 このことにより、作業効率が上がるだけでなく調剤室で の業務に係る拘束時間が短縮され、病棟活動の充実を図る ことに邁進出来たかと考えています。 しかしながら、実際は新しいシステムのすべてを使いこ なすレベルにはまだ至っていないのが現状であり、今後の 課題として、医薬品マスター等の整備を行うことでさらな る効率化を図ります。 また業務の一部について、本院である名古屋共立病院の マニュアルに倣い変更することにより、書式、手順等が共通のものとなり、薬剤師同士の連携や、ある いは今後の新人教育等においても、有効に働くこととなるであろうと予測しています。 但し、本院のシステムはあくまでも急性期病院のそれであり、当院とは性質の異なる部分も多くあり、 システムを倣うだけでなく、医療安全の観点からも当院の性質に沿う形に造り替えていくことが望まれ ます。 上記に記したような、薬剤課にとっては所謂「屋台骨」となる部分を確立したことは大きな意義を持 っていると個人的には感じており、これまで薬剤師各々の独自の方法で業務を行うことが多く、マニュ アルの整備もままならなかった現状を考えれば、まさにスタートラインに立つこととなったのが今年度 と言えます。 これらの整備は現段階では薬剤課としての部署単独の動きに過ぎず、業務の効率化が図れたとしても 病院目標である「チーム医療」への寄与ということについては、まだまだ十分な結果が出ていない現状 があります。 幸い、他部署から求められる要望も多くあり、それに伴う業務の拡張が今後果たせるよう、業務に取 り組んでいく所存です。 18 Ⅴ 院内活動報告 臨床工学課 今年度は、医療機器を安全・確実に使用できるように環境整備を中心に活動しました。 Ⅰ.水処理装置(JMS 社製 PF-803B) ○RO モジュールエンドプレート交換 SUS304 から SUS316 へ交換を実施しました。 ○軟水樹脂交換 軟水装置での圧力損失が 0.16MPa まで上昇、後段フィル タへの目詰まりを懸念し、軟水樹脂交換後、圧力損失 0.08MPa となりました。 Ⅱ.B 剤溶解装置(東亜 DKK 社製 BHI-JP) ○送液フィルタ新設 供給装置へのケイ素付着予防のため、送液フィルタ(FLX-21GW×2本)を新設しました。 Ⅲ.ナトリウム活性水精製装置(東亜 DKK 社製 HCA-555) ○圧力スイッチ、手洗いポンプヘッドを交換しました。 Ⅳ.透析コンソール(JMS 社製 GC-110N) ○オンライン HDF 機 2 台追加 40 台中 6 台でオンライン HDF を提供できるようにしました。 Ⅴ.12 誘導心電計 ○日本光電社製 ECG-1350 を新規購入し、3 階病棟へ設置しました。 Ⅵ.心電図送信機 ○日本光電社製 ZS-630P 心電図・SPO2 モニターが可能なタイプを新規購入し、2 階、3 階に設置し ました。 Ⅶ.ポータブル吸引機 ○新鋭工業社製 KS-700 点検用・在宅貸出用として新規購入し透析機械室へ設置しました。 Ⅷ.透析用貯水槽 ○遮熱塗料塗布 夏場の水温上昇防止のため遮熱・高反射率塗料(セラミックコート SE40)塗布し、水温上昇が有意に低下 致しました。 19 Ⅴ 院内活動報告 5) 事務部 事務課 【目標】 1:コスト意識と正確な事務処理で病院経営に貢献します。 2:チーム医療の一員として役割を果します。 3:職員の働きがいのある環境を整えます。 平成 26 年度は目標でもあげてあるようにチーム医療の一 員として、各現場に終日事務職員の配置を行いました。 (2F病棟・3F病棟・地域連携室) 6 月より新人職員 2 名を迎え、1 名病棟クラーク担当・1 名 総務担当に振り分け現場配置の可能な人数となりました。ま た配置により、現場内の事務処理を引く受け専門職の方々に 本来の業務に専念でき、現場業務の効率化が計れるようにな りました。 現場配置に伴い、看護師が行っていた入院オリエンテーシ ョンを事務で引き受け、看護師業務の事務処理軽減につなが りました。 清掃・施設機器管理会社が変更になり、現場の混乱を避ける為事務で清掃依頼・機器故障依頼・集約 を行う事になりました。 総務業務については、職員に貸与しているユニホーム・洗濯袋・ロッカーキーの貸与物の同意書を作 成し、職員管理の一環として行いました。 【活動内容】 平成 26 年請求件数 2989 件・減点件数 59 件(事務的不備 44 件) ・減点比率 0.05% 医師事務補助業務:整形外科医師サマリー代行 140 件 病棟クラーク 1 日配置・地域連携室クラーク 1 日配置 入院時オリエンテーション開始 12/1~ 清掃依頼・設備トラブル窓口設置 9/1~ 職員貸与物同意書作成 20 Ⅴ 院内活動報告 地域医療連携課 【退院に関する支援】 平成 26 年度は MSW5 名の体制で退院支援を行いました。 総退院数は 592 名でした。本年度も全症例に介入し、退院支援を行いました。また、週 1 回の症例検 討も毎週実施し、質の向上に努めました。 21 Ⅴ 院内活動報告 6) 医療安全管理室 医療安全管理室 医療安全管理委員会 【年度別事故報告】 インシデントレポートの意義としてインシデントレポートの提出があれば、少なくともその時点で隠 ぺいの意思がなかったと言うことで、レポートを提出したことでスタッフ間が事故共有をして今後組織 的改善をして再発予防に努めようとする姿勢があると言うことです。 グラフのレポート提出状況をみていただくと年々レポート提出状況が増え職員の医療安全の意識が 高まり安全な医療を患者さまに提供していこうとすることだと思います。 また今年度は事故共有だけではなく各部署で事故の分析、対策ができるようにリスクマネージャーに 「RCA 分析体験学習」の研修に参加していただき、事例分析と対策立案を実践してもらいました。カン ファレンスの時にスタッフとともに事故共有をしてもらい分析・対策立案に大いに役立てていただけた と思います。 【医療安全研修】 医療安全研修も年 2 回実施していますが、今年度は研修場所 事務部, 5名 診療部, 0名 のこともあり前期・後記を各 3 回に分けて実施しました。全職 診療 技術部, 12名 員対象 1 回で実施していた時より、参加人数も多く、勤務の状 況で参加が少なかった看護助手も今年度は多数参加していま リハビリ, 43名 した。 看護部, 35名 今年度は「KYT」 (危険予知トレーニング)年間を通して実施 し、職場の中にひそむ危険要因現象を他職種のグループ体制で、 話し合い、考え合い、分かり合うことで、職員全体で一体とな 22 介護, 26名 Ⅴ 院内活動報告 り危険に対して感受性を高め、問題解決の能力を高める事で、職場の風土づくりもできたと思います。 アンケートの回答にも、 「気付けなかったことに気付くことができた」 「他職種がどの様にとらえてい るか聞くことができた」などの意見も多くありました。 医療安全は、事故リンクナースを中心に5S 活動を病棟でおこなっています。医療現場はリスクの高 い職場環境ですので、5S 活動:整理・整頓・清掃・清潔・しつけを医療安全活動の一環として職種を 問わず参加して連帯感や達成感を得てもらいたいと思います。 【27年度目標】 チームで行う医療安全確保の取り組みとして今後も「5S 活動・KYT」を継続していきたいと思います。 感染対策委員会 平成 24 年度に感染防止対策加算 2 取得し、部署ラウンドや感染リンクナース活動の充実を図ってき ました。 平成 26 年度も院内感染拡大をさせないための感染管理活動を行いました。感染対策連携病院の名古 屋掖済会病院との年 4 回合同カンファレンスも参加できました。院内感染症発生状況は以下のとおりで す。 2015 年 3 月 31 日時点 23 Ⅴ 院内活動報告 インフルエンザは全て A 型の罹患で、内訳は入院患者 5 名職員 6 名で、全員インフルエンザワクチン 接種者でした。1 月,2 月に同時期に複数名インフルエンザが発症したため手指衛生マスク励行等の対策 を再周知し、その後の患者増加は認められませんでした。 全体勉強会では、感染対策部門として「疾患別感染対策(C.D、ノロと結核)」「耐性菌と職業感染予防 対策」を企画、開催することができました。感染対策マニュアルについて、報告菌と報告方法の改訂、 培養検体取り扱いと容器一覧追加ができました。検査結果が迅速に出る、耐性菌もチェックできる利点 から、細菌検査依頼先を外注から名古屋共立病院に変更できました。適切な場面で PPE 着用できるよ う各病棟、1 階診察室、食堂などの場所に、PPE ホルダーを設置できました。 リンクナースの教育について、愛知県看護協会研修「看護ケアと感染管理・基礎編・応用編」、「感染 対策セミナー」、愛知県医療法人協会研修「感染管理研修会」に参加することができました。 リンクナースの活動について、毎月の現場ラウンド活動後の現場へのフィードバックと対策報告が継 続して実践できました。口腔ケアの曝露実験を教育に組み込むことができ、新人、中途採用者全員に対 するオムツ交換、陰部洗浄、口腔ケア時の曝露実験企画実践ができました。各現場で浸漬対策に取り組 むことができました。 【ラウンド風景】 24 Ⅴ 院内活動報告 褥瘡対策委員会 平成 26 年度の持ち込み褥瘡入院平均率は 5.3%でした。前年度 2.62%に比べ持ち込み褥瘡患者の入 院が増えており、入院後褥瘡発生率は 1.42%と前年度の 1.08%に比べ多くなっています。院内での褥瘡 発生に関しては早期に治癒できているため、褥瘡発生前の予防に対するケアを今後とも重視していきま す。 褥瘡発生状況 70 60 患 者 数 50 40 30 20 10 0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 患者数 59 48 46 53 44 41 41 48 44 47 56 43 持ち込み 0 1 1 4 3 3 1 5 3 1 5 3 院内発生 0 0 2 1 0 0 0 0 1 4 0 0 褥瘡発生部位は仙骨部 11 件、踵部 6 件が多く、褥瘡重症度ではカテゴリⅢ3 件、Ⅱ11 件と真皮まで にとどまる浅い潰瘍が多いため、持ち込み褥瘡であっても治癒して退院ができています。日々のケアも 重要ですが、さらにプラス管理栄養士の活躍で摂取栄養量の管理や捕食においてアルギニンを含んだ栄 養剤などの提供を積極的に取り入れており効果を挙げています。 褥瘡発生率 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 持込率 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 0.0 2.1 2.2 7.5 6.8 7.3 2.4 10.4 6.8 2.1 8.9 7.0 院内発生率 0.0 0.0 4.3 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 2.3 8.5 0.0 0.0 25 Ⅵ 1) 学術活動・研究会活動 学会発表 ■第 49 回日本理学療法学術大会 2014 年 5 月 30 日~6 月 1 日 「急性期脳画像所見と回復期病院での下肢装具作成内容との関係 -中大脳動脈領域脳梗塞患者を対象にした検討-」 PT 澤島佑規 足立浩孝 ■第 59 回日本透析医学会学術集会・総会 「透析室における環境清浄度評価」 Ns 林恵美 大竹直江 羽切正代 田丸司 2014 年 6 月 13 日~15 日 ■リハビリテーション・ケア合同研究大会 長崎 2014 2014 年 11 月 6 日~8 日 「在宅医療における痙縮患者とボツリヌス治療」(ランチョンセミナー4) 座長・講師 偕行会リハビリテーション病院 院長 田丸 司 講演演者 すう整形外科 PT 本田貴信 「重度記憶障害患者への家族支援」 OT 安達萌子 小坂奈美佳 「社会復帰を果たしたワレンブルグ症候群の一症例から学んだこと」 ST 小堀恵里 星野智子 鈴木伸吉 「防災訓練時、アクションカードを活用して見えた課題」 Ns 前野利恵 浅井栄一 ■第 30 回東海北陸作業療法学会 2014 年 11 月 15 日~11 月 16 日 「失算・失書を主体とした症例への生活支援の取り組み -地域住民と後方支援者への働きかけを中心に-」 OT 上地朱音 加藤奈美 ■第 30 回東海北陸理学療法学術大会 2014 年 11 月 15 日~11 月 16 日 「脳卒中片麻痺患者における Functional Independence Measure 運動項目と、体幹筋力、 Trunk Control Test および Stroke Impairment Assessment Set との関係について」 PT 佐藤武士 伊藤良太 「当院回復期病棟入院患者における脚伸展筋力測定の再現性について -三菱電機社製ストレングスエルゴ 240 を用いて-」 PT 安藤瑛里 佐藤武士 「短下肢装具の使用の有無及び身体能力と屋内における転倒との関係 -在宅脳卒中者を対象として-」 PT 村田真也 26 Ⅵ 学術活動・研究会活動 「在宅脳卒中者における自宅内外歩行時の下肢装具使用に及ぼす因子の検討」 PT 森戸裕也 村田真也 澤島佑規 ■回復期リハビリテーション病棟協会 第 25 回研究大会 in 愛媛 2015 年 2 月 27 日~28 日 「家族に寄り添う栄養サポートとは~経管栄養患者の退院支援を経験して~」 RD 柳瀬遥 後藤祐子 「在宅復帰へ向けた介入が本人・家族の不安軽減に与える効果」 PT 森田隆司 澤島佑規 「日常生活自立度及び疾患特性が自宅退院後の運動内容に及ぼす影響」 PT 古城徹 田中善大 「独居患者に対する退院支援の在り方について」 MSW 沖和典 澤田昭宏 安井絹代 角田奈美 櫻木英可 草野弘子 「脳血管疾患の再発予防について~疾患指導の現状調査~」 Ns 伊藤祐里香 野嵜朱音 明石明日香 宮崎玲子 ■第 40 回日本脳卒中学会総会 STROKE2015 「効果的なリーダーシップの在り方」 Ns 今井志保 前野利恵 峯田幸美 2) 2015 年 3 月 26 日~29 日 研究会活動 中川区難病医療生活相談事業 2014 年 3 月 3 日 「脊髄小脳変性症の診断と治療について」 田丸 司 海部市民公開講座・骨粗しょう症講演会 2014 年 3 月 29 日 コーディネーター 海南病院整形外科 関谷勇人 「術後リハビリテーションについて」 田丸 司 コラボス名古屋Ⅱ 2014 年 4 月 12 日 (市中在住脳卒中者への装具ボツリヌス併用運動療法研究会) 「難治症例についての試み」 偕行会リハビリテーション病院 田丸 司 講演演者:西宮協立リハビリテーション病院 勝谷将史 石川病院リハビリテーション科 寺本洋一 沖井クリニック 沖井 明 日本臨床コーチング研究会スキルアップセミナー IN 「臨床コーチング基本スキル」 田丸 司 27 さっぽろ 2014 年 6 月 14 日 Ⅵ 学術活動・研究会活動 Stroke Total Care Conference 2014 年 7 月 30 日 【特別講演】 「心原性脳塞栓症とその予防」 国立病院機構名古屋医療センター 統括診療部長 奥田聡先生 【パネルディスカッション】 偕行会リハビリテーション病院 院長 田丸 司 名古屋掖済会病院 神経内科 部長 加賀友継 あずまリハビリテーション病院 副院長 野村昌代 第 9 回臨床コーチング研究会 2014 総会・セミナー・学術集会 大会長 偕行会リハビリテーション病院 田丸 司 【大会長講演】 「臨床コーチングとは」 【コーチング基本セミナー】 2014 年 8 月 31 日 愛知県医師会主催指医講習会 2015 年 1 月 24 日 「メディカルコーチングについて」 田丸 司 3) 研究会活動 Nutrition Care vol.7 no.5 2014 「症例でアプローチ!リハビリテーション栄養のススメ 第 10 回 栄養投与を最優先に考えたリハ栄養ケアプランを立案した症例」 管理栄養士 後藤祐子 28 Ⅶ マスコミ関係資料 ■ナーシング・スキル日本版 動画講義シリーズ 「臨床コーチング入門編」 https://nursingskills.jp/tabid/176/language/jn-jp/Default.aspx 講師:田丸司 【You Tube】 「サンプル講義 臨床コーチング入門編」でも一部視聴できます。 29 Ⅷ 巻末資料 当院概要 診 施 病 職 療 科 設 基 院 員 目 リハビリテーション科・内科 準 回復期リハビリテーション病棟 1 120 床 脳血管リハビリテーション料Ⅰ 運動器リハビリテーション料Ⅰ 他 10 項目 長 田丸 司 総数 219 名 数 医師 7名 薬剤師 2名 看護師 67 名 看護助手 39 名 MSW 7名 事務 8名 理学療法士 42 名 作業療法士 27 名 言語聴覚士 12 名 臨床工学士 4名 管理栄養士 4名 (非常勤職員含む) 平成 27 年 4 月現在 主 な 医 療 機 器 CT装置 X線TV装置 心電計 除細動器 AED 人工透析システム(JMS全自動コンソール) 透析関連機器 心拍・酸素飽和度監視モニター 超音波診断装置I-Look25 ABIフォルム 嚥下内視鏡 一 般 臨 床 検 査 血算検査(他外注対応) 30 生化学検査(一部) 血液ガス 偕行会リハビリ病院への交通 ■ 自家用車を中川区方面からご利用の場合 東海通りを西方向へ西尾張中央道まで直進し、 「竹田」交差点を南へ(左折)3 つ目交差点「神戸南」 を東へ(左折) 。 右側に偕行会リハビリテーション病院 ■ タクシーをご利用の場合 近鉄蟹江駅に近鉄タクシーが常駐しています。 当院まで 15 分 1500 円くらいです。 近鉄タクシー 0567-95-3833 ■公共交通機関のご利用の場合 近鉄蟹江駅から飛島公共バスをご利用下さい。バス停は 「神戸新田(かんどしんでん)」です。 蟹江駅から 13 分です。 愛知県弥富市神戸 5 丁目 20 番地 TEL:(0567)52-3883 FAX:(0567)52-3885 e‐MAIL:info@riha‐kaikou.com URL:http//www.riha‐kaikou.com 公民館分館 行き(近鉄蟹江駅発時刻) 時刻 6 平日 40 土日祝 - 7 8 9 25 00 55 55 35 35 35 公民館 分館 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 45 35 15 55 35 15 55 35 15 45 00 45 30 00 30 00 30 05 35 00 35 40 40 40 40 40 40 45 45 30 35 - - 17 18 19 20 21 22 05 25 02 32 02 42 37 22 54 - 04 - 近鉄蟹江駅前 行き(神戸新田発時刻) 時刻 平日 近鉄 蟹江駅 土日祝 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 19 54 15 39 32 22 22 12 52 32 12 52 32 12 52 22 - 09 09 04 04 09 09 09 09 09 09 14 ■ 名古屋共立病院との往復便のご利用 下記の時間で名古屋共立病院とリハビリ病院の連絡便を運行しております。 共立病院東館 1F ロビー 発 10:00 →着 偕行会リハ病院 発 12:30 →着 共立病院東館 1F ロビー 発 13:00 →着 偕行会リハ病院 発 16:00 →着 ※ただし、日曜は運行しておりません。 10:30 13:00 13:30 16:30 往復便のご利用申込みは偕行会リハビリ病院事務(0567)52-3883 まで 31 当院に関する最新の情報、詳細な情報は、 ホームページ・Facebook でも公開しております。 ホームページ:http://www.riha-kaikou.com/ Facebook:https://www.facebook.com/riha.kaikou こちらの方もご利用いただけると幸いです。 偕行会リハビリテーション病院 平成 26 年度版年報 平成 27 年 6 月 1 日発行 編集・発行:偕行会リハビリテーション病院
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