教育研究業績 平成27 年 5 月 1日 氏名 水野由香里 研究分野 経営学 学位 修士(経営学) 研究のキーワード 組織論・組織間関係論・戦略論・イノベーション 教育上の能力に関する事項 事項 1 教育方法の実践例 1) 担当授業後、アンケート調査の実施 2) ケースメソッド教授法の導入 年月日 概要 2005年4月より 各回の授業後、アンケート調査を実施している。 アンケート項目は、①5段階評価で授業の理解度を 答える項目(教えようとしたことが受講生に伝 わっているかどうか確認するため)、②①で回答 した理解度にとどまった理由(認知尺度だけで は、受講生がどの程度理解できたのか、もしく は、できなかったのか、講師側が確認することが できないため)、③授業で理解したこと(授業内 容を正しく理解しているか確認するため)④理解 できなかったこと(どの点・項目で理解を妨げて いるのかを確認するため)、⑤質問やコメント、 である。また、次回の授業のはじまりには、アン ケート調査のフィードバックを行い、受講生が理 解していない項目や誤って理解している点に関し て指摘し、復習している。コメント(要望を含 む)・質問に関しても、何らかの返答をするよう にしている。 2007年10月よ 授業の学習目的に合致したケース教材を作成した り り、テキストの事例を活用してディスカッション を行うケースメソッド方式を実践している(多く の場合、講義とケース教材を活用したディスカッ ションをセットにして授業を設計している)。ビ ジネススクールでのケースメソッド方式と異る点 は大きく2点ある。一点目は、予め講師側がディス カッションのトピックや方向性を構造化すること である。それは、確実に学習目標に到達させるた めである。二点目は、ディスカッションするため の設問を授業開始前に提出させ、事前に5段階で評 価し、コピーした設問シートを返却することであ る。また、ディスカッション時には、コピーして 返却された設問シートに色を変えた筆記用具で記 入させている。これによって個人が考えたときの 思考と集団で考えたときの思考の違いが可視化さ れる。多面的に物事を見る目・視点を養うことを 助けるためである。学士課程学生に対してケース メソッド教育を実施することにより、大きく2つの 効果が期待される。それは、専門知識を深く理解 することと、ディスカッションを通じて、社会人 基礎力を養うことである。 3)Project Based Learning の実践 2011年4月より 2011年度から実施している講義・外部講師による 講演・視察・演習・実践を伴う産学連携型の授業 である。授業の到達目標は、プロサッカーチーム (大宮アルディージャ)と合同で運営するファミ リーサッカースクールの開催と、プロ野球チーム (埼玉西武ライオンズ)とのプロモーションの実 践(2012年度はAR技術を活用した野球スタジアム でのプロモーションの実践)である。これらの目 的を達成するために、講義では、目標の共有と確 認、チーム・ビルディングやプロジェクト・マネ ジメントの基礎となる知識を取得した。続いて、 エンタテイメント産業運営担当者やプロサッカー チームのプロジェクト担当者から、「プロジェク ト運営におけるホスピタリティーを通じた学び」 というテーマでご講演いただき、後者に関して は、『週刊サッカー・マガジン』の記者から取材 を受けた(2011年7月12日号掲載)。視察として は、子どもと接する際にどのような点に注意する 必要があるのかを、テーマパークの視察を通して 確認した。また、野球スタジアムの視察を通し て、動線上の工夫や、イベントをマネジメントす る上でのヒントをいただいた。受講生は、演習と して、プロサッカーチームやプロ野球チームでの ボランティア活動やインターンシップなどを通し て、プロジェクト・マネジメントの経験を積むの である。このような事前準備を行い、プロサッ カーチームのコーチと合同で実践するファミリー サッカースクールの運営(学祭開催時のイベン ト)と、プロ野球チームとのプロモーション (2012年3月11日)の実践に結びつけた。 2 作成した教科書,教材 1) 中小企業大学校用テキスト ①「パルステック」というブランド-技術と柔軟 性を兼ね備えたテスターメーカーの挑戦 - ②株式会社ワークス-業態転換・新事業開発に果 敢に取り組む企業の軌跡- ①2000年 ②2006年 ① 中小企業診断士 更新研修用 テキスト ② 中小企業診断士 養成課程用 テキスト 2) 『産学連携マニュアル(連携構築編)』(平 成23年度改定) 2004年 東京都中小企業振興公社多摩センター発行の産学 連携の支援や場の提供のための「入門書」であ る。この一部を執筆している。また、2011年3月に は改訂版が発行され、内容確認を行った。 3) Management of Technology Video MOTV「イノ 2004年 ベーションの世紀:アメリカの革新」シリーズ 12巻シリーズのビデオ教材である。「イーストマ ン・コダック」、「半導体の歴史」、「シリコン バレーの歴史」のビデオ教材の制作に協力した。 4) 『IM(インキュベーション・マネージャー)活 動支援マニュアル』 2006年 独立行政法人中小企業基盤整備機構が管理・運営す るインキュベーション施設(BI)に常駐するイン キュベーション・マネージャー(IM)向けの支援 マニュアルを作成した。 5) ケース教材「「価格破壊」に泣いたマクドナ ルド -2001年から2007年までの業績回復の軌跡 -」 6) ケース教材およびティーチング・ノート「虎 ノ門韓国料理店のランチタイム」 2008年 低価格戦略を成功させるための事業戦略を考える ための教材である。 サービスの4つの特性から発生する制約を克服する 方法について考えるための教材である。 7) ケース教材およびティーチング・ノート「有 限会社 桂花本店その1 ~店舗展開と店舗管理 ~」 2008年 2008年 8)ケース教材およびティーチング・ノート「株式 2009年 会社 小林ソフト」 事業を拡大する際の方法を考えるための教材であ る。直営店での展開かフランチャイズでの展開か という大きな命題を抱えている点を指摘してい る。 1回限りではない継続的なビジネスの特性や、ミド ルマネジャーが現場を統率する留意点(Part Ⅰ)、職場と人材のミスマッチを防ぐこと、長期 雇用を継続すること(PartⅡ)、業態が異なる事 業展開(非関連多角化)、会員募集型事業におい て、利益を生むサービス・プロフィット・チェー ンの仕組み(PartⅢ)、フランチャイズビジネス よりも自由度の高いライセンス方式のビジネスモ デル、商圏に合致したビジネスモデル(PartⅣ) を考えるための教材である。 無形性や異質性、同時性の性質が高いエンタテイ メントのビジネスをどのように運営するのかを考 える教材である。 9) ケース教材およびティーチング・ノート 「Universal Studio Hollywood」 2009年 10) ケース教材およびティーチング・ノート 「Saint Paul Saints」 2009年 ニッチ市場を狙う企業の戦略について考えるため の教材である。 11)ケース教材およびティーチング・ノート 「Steingenberger Frankfurter Hof」 2009年 ドイツの観光産業、ホテル経営の実態を知るこ と、ホテルにおける総支配人の役割や仕事を理解 するための教材である。 12) ケース教材およびティーチング・ノート 「Steingenberger Insel Hotel Konstanz」 2009年 この教材の目的は、サービス現場の人材育成につ いて考えること、ホテルの総支配人のリーダー シップについて考えること、サービス現場のイノ ベーションについて考えることである。 13) ケース教材「Miki Travel Agency」 2009年 フランスという労働市場環境が日本と大きく異な る状況下で、経営管理者らは、どのような労働環 境を整備すべきかを議論するための教材である。 14) ケース教材「Musse Munchen International」 2009年 MICEビジネスが成立するモデルについて議論する ための教材である。 15) ケース教材「Grand Hotel Kempinski Geneva」 2009年 サービス品質を維持し、ブランド力を高めるため の欧州の老舗ホテルの挑戦を取り上げた教材であ る。 16) ケース教材「Accor Hotel Academy」 2009年 グローバル展開するホテルチェーンが、各店舗で のサービス品質を維持する仕組みを取り上げた教 材である。 17) ケース教材「Ukrop's」 2009年 アメリカ・バージニア州において小売を展開する 企業が激化する競争環境の中での差別化を図った 教材である。 18) ケース教材「1・800・Mattress」 2009年 19) ケース教材およびティーチング・ノート 「株式会社 グリーンハウス ~アジアの海外 マーケットとグリーンハウスの経営戦略~」 2009年 アメリカ・ニューヨーク州でマットレスを販売す る小売業者が、顕在的・潜在的顧客ニーズを創出 するプロセス、そのための同社の人材育成を取り 上げた教材である。 創業社長から2代目社長への経営のシフト(Part Ⅰ)や、企業の多角化、それに伴う資金調達方法 の検討、さらには、非上場の意思決定(PartⅡ) を扱った教材である。 伝統を受け継ぐ老舗企業が、市場の変化に対応す るためにどのような経営を行っているのか、そし て、サービスの付加価値を事業戦略として実践す ることを考えるための教材である。 20) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 美濃吉 日本で唯一の美的文化産業(富 士山型経営)を目指して ~伝統とは革新の連続 ~」 21) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 美濃吉 ~守破離で突き進め!~」 22) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 吉野家ホールディングス ~危機を乗り 切る経営哲学~」 23) ケース教材「重光産業 株式会社」 2009年 24) ケース教材およびティーチング・ノート 「ピュア・サポートグループ」 2009年 25) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 再春館製薬所」 26) ケース教材およびティーチング・ノート 「株式会社 熊本菓房」 2009年 27) ケース教材「日本通運 株式会社 東京旅行 2009年 支店」 28) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 ストロベリーコーンズ/株式会社 いち ごホールディングス -ホスピタリティーとIT戦 略-」 29) ケース教材およびティーチング・ノート「タ 2009年 ニザワフーズ 株式会社 -外食産業のマルチフ ランチャイズとチェーンストア経営-」 30) ケース教材およびティーチング・ノート「西 2009年 洋フードコンパスグループ 株式会社 -フード サービスとグローバル経営-」 31) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 モスフードサービス -モスバーガーの 経営理念-」 事業改革などのイノベーションを起こし、成果に 結びつける手法や(PartⅠ)、それを牽引するた めに、従業員のモチベーションを高める仕組みづ くりや、現場発のボトムアップから発生するイノ ベーション(PartⅡ)、さらには、店舗間のサー ビスクオリティーを維持する(PartⅢ)題材を 扱った教材である。 環境の変化に対する企業の適応行動(PartⅠ) や、計数管理の具体的手法(PartⅡ)、組織が不 測の事態に直面した時に、経営者がどのように組 織の建て直しを行うのか(PartⅢ)という題材を 扱った教材である。 飲食店チェーンの海外展開や、その事業展開を支 える人材育成を考えるための教材である。 医療・福祉の現場の改革のプロセス(PartⅠ)や 中間管理職の育成方法(PartⅡ)、医療・福祉の 現場におけるサービス・プロフィット・チェーン の仕組みを考えるための題材である。 顧客の声を事業に生かすために仕組みや、従業員 のモチベーションを高める仕組み、単一事業のみ 手がけている組織体における組織構造のあり方を 考えるための題材である。 同社が新たに開発したお土産品のマーケティング 方法について考えるための教材である。 顧客の個別のニーズに合致した商品をカスタマイ ズするために必要な要件を考えるための教材であ る。 起業する際の留意点を考え(PartⅠ)、競争環境 が激しい市場における競争戦略および店舗のオペ レーション、さらにはITシステムが果たす役割に ついて(PartⅡ)考えるための教材である。 企業の事業転換(第二創業)や、フランチャイズ ビジネスの形態、日本とアメリカのフランチャイ ズビジネスを巡る環境の違いを考えるための教材 である。 組織の硬直性が高い状態でミドルが変革を起こす 時に乗り越えるべき壁、その乗り越えるための方 法(PartⅠ)や、新たな事業展開の際に留意すべ き点、さらには、飲食業がグローバルな事業展開 をするためのチャンスとリスクについて(Part Ⅱ)考えるための教材である。 フランチャイズビジネスの業態や、フランチャイ ザーの上場について考えるための教材である。 32)ケース教材およびティーチング・ノート「A航 2009年 空会社の対応」 リレーションシップ・マーケティング(顧客満足 度、顧客のロイヤリティー)、企業の利益と顧客 の便益について考えるための教材である。 33) ケース教材およびティーチング・ノート「日 2009年 本三景 松島島巡り観光船企業組合」 観光の需給バランスの変化にどのように対応する か、そして、観光地への集客のための関係者関係 の構築について考えるための教材である。 企業の事業戦略が環境の変化に適応するプロセス や、業務改革の進め方(PartⅠ)、百貨店業界の 統廃合、組織文化の異なる企業間の統合について (PartⅡ)考えるための教材である。 34) ケース教材およびティーチング・ノート「J. 2009年 フロントリテイリング 株式会社」 35) ケース教材およびティーチング・ノート「あ 2009年 る旅館経営者の成長の軌跡」 36) ケース教材およびティーチング・ノート「医 2009年 療法人同仁会(京都九条病院)」 37) ケース教材およびティーチング・ノート 「真田ホテル宿泊部長の述懐」 2009年 38) ケース教材およびティーチング・ノート「日 2009年 本さわやかグループ(ホワイト急便)」 39) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 湯元舘 -「私」の経営-」 40) ケース教材およびティーチング・ノート「セ 2009年 ントラルスポーツ 株式会社」 41) ケース教材およびティーチング・ノート「株 2009年 式会社 とり鉄 -外食産業における生き残り方 -」 42)ケース教材およびティーチング・ノート「魔 2010年 術食品工業間股份 有限公司 ~モスバーガー、 台湾での展開~」 43) ケース教材「京都試作ネット ~“5%ルー 2011年 ル”の実践~ 」 44) ケース教材「新米経営者の経営判断」 2011年 45) ケース教材「中間管理職という仕事」 2011年 経営者の役割や、事業拡大に伴う間接業務の増大 とその対応方法(PartⅠ)、社長の意思決定や組 織の理念を組織に浸透させる方法、アイディアや 理念を具現化する・行動に結びつけること(Part Ⅱ)、業務の標準化とその運用、策定した制度が 機能しない理由(PartⅢ)、マニュアルを形骸化 させないための方法、人材育成(組織を牽引する ミドルマネジャーの育成)方法(PartⅣ)につい て考えるための教材である。 若手が組織を改革することや、組織改革を行う体 制構築の方法(PartⅠ)、組織転換、分業と協業 関係の構築、組織の透明性・円滑なコミュニケー ションがもたらす副次的効果(PartⅡ)、組織規 模が拡大したときに直面する課題、新たな仕組み を組織に定着させる方法(PartⅢ)を考えるため の教材である。 ボトムアップで組織を変革する際の説得のプロセ スや、分業間の連携について(PartⅠ)、サービ スの特性の一つである「消滅性」と消滅性を解消 するためのマーケティングのあり方、組織の分業 構造と調整、役割分担について(PartⅡ)、対象 企業の「強み」や「弱み」を分析し、提供できる サービス、差別化できるサービス、長期に亘る上 顧客をどのようにして囲い込むか、業務が細分化 されているホテルの現場における連携体制の構築 方法(PartⅢ)、企業のリスクマネジメント、実 際に「危機」が発生した際の対処方法について (PartⅣ)考えるための教材である(共著)。 市場地位のリーダーの戦略や、大規模組織におけ る経営理念の浸透方法、事業の多角化について考 えるための教材である。 経営者の会社経営に対する強い意志と、経営方針 発表会などの機会を通して確実に従業員に伝える 手段を持ち、従業員を「巻き込む」ことの重要性 を理解することや、経営者とミドルマネジャーと の関わり(PartⅠ)、業務を効率化し、高いパ フォーマンスを達成するための組織の仕組み、業 務の遂行の方法、新たな制度やシステムを組織に 定着させ、機能させるための仕組み、従業員やミ ドルマネジャーの問題発見能力を高める方法 (PartⅡ)、経営者が財務的感覚を持ち合わせる ことの重要性、ホテル・旅館業界における財務に 関する一般的な常識を理解する(PartⅢ)ための 企業の創業期、しばしば直面する課題や、企業の 事業戦略が環境の変化に適応するプロセス(Part Ⅰ)、企業の資金調達の方法、上場を維持する際 の留意すべき点(PartⅡ)について考えるための 教材である。 顧客ニーズに合致した店舗展開やフランチャイ ザーの役割、フランチャイジーへの支援体制 (PartⅠ)、ある特定の資本の傘下になる際の事 業展開、急激な店舗展開と、適正な店舗展開 (PartⅡ)について考えるための教材である。 ファーストフードの海外戦略や、現地での出店戦 略について考えるための教材である。 一般的には長期的に瓦解することの多い共同受注 の仕組みが機能するための要因とは何かを考える ための教材である。 創業者から企業経営を任された創業一家の事業継 承(PartⅠ~Ⅱ)、新たな事業展開(PartⅢ)を 考えるための教材である(日本ケースセンター コンテンツID:CCJB-OTR-12115-01)。 ケース教材「新米経営者の経営判断」の状況を、 創業者の社長時代に会社を支えた常務取締役の視 点で描いた教材である(日本ケースセンター コ ンテンツID:CCJB-OTR-12116-01)。 46) ケース教材「出羽桜酒造 株式会社 ~日本 2011年 酒業界の復権を目指して躍進を続ける出羽桜酒造 の軌跡を辿る~」 日本の伝統産業の一つである日本酒醸造メーカー の企業理念や事業戦略(PartⅠ)、持続的成長を 続けるための企業努力(PartⅡ)、海外市場を開 拓するための工夫(PartⅢ)について理解するた めの教材である。 47) 『1からのサービス経営』14章 平準化によ る価値創造-セントラルスポーツ- 主な読者ターゲットを学士課程1年次2年次とし た、サービス経営のテキストである。13名の大学 教員がそれぞれの章を担当し、全14章からなる。 2010年 3 教育上の能力に関する大学等の評価 1) 学士課程学生に対するケースメソッド教育を 導入した このプロセスを、竹内伸一・高木春夫監修『ケー スメソッド教授法入門』(2010年)に取り上げて いただいている(井上香織の事例)。 2) ケースリーダーとしてのスキル 文部科学省 研究拠点形成費等補助金「産学連携 による実践型人材育成事業-サービス・イノベー ション人材-」の実地調査(2011年2月)におい て、委員の先生方からケースメソッド教育の有効 性を評価いただいた。 高校生を対象に、ケースメソッド教授法を導入し た模擬授業や、PBLの授業(プロジェクト・マネジ メント)の紹介などを行っている。 3) オープンキャンパスでの体験授業や出張授業 4 実務の経験を有する者についての特記事項 1) 一橋大学大学院 商学研究科 教務補佐員 2) 聖心女子大学 文学部 歴史社会学科 ティーチング・アシスタント 3) ビジネス・ブレークスルー大学院大学 ティーチング・アシスタント 4) 聖心女子大学 文学部 歴史社会学科 非常 勤講師 5) 東京経済大学 国分寺地域産業研究所 客員 研究員 6) 東北大学グローバルCOEプログラム「グローバ ル時代の男女共同参画と多文化共生「法の経済分 析(Law and Economics)の手法に基づく、多文化 交流、男女共同参画の政策効果の分析」プロジェ クトメンバー 7) 国立大学法人 滋賀大学 経済学部 非常勤講 師(集中講義) 8) 早稲田大学ビジネススクール 招聘講師 2001年度 2002~2005年 度 2005年度 2006年度~ 2009年度 2005年度~ 2008年度 2010年度~ 2012年度 担当科目:古典講読 担当科目:国際政治 担当科目:組織行動論 担当科目:国際経済/国際経済演習 国分寺市地域のコンテンツ産業集積に関する調査 研究 プロジェクト「『法の経済分析』の手法に基づ く、多文化交流、男女共同参画の政策効果の分 析」(プロジェクト責任者:吉田浩)のプロジェ クト・メンバー 2011年8月~9 担当科目:サービスイノベーション事例研究 月、2012年8月 ~9月 2013年12月 招聘科目:新製品開発マネジメント 5 その他 1) 文部科学省研究拠点形成費等補助金「産学連 2007年度~ 携による実践型人材育成事業-サービス・イノベー 2009年度 ション人材-」中核メンバー 2) 文部科学省「大学教育・学習支援推進事業 2008年度~ (学生支援推進プログラム」(テーマB)中核メン 2011年度 バー サービスにイノベーションを興す人材を育成する ために、新たな学士課程教育手法と教材を開発し た。前者は、講義とディスカッションをセットに した授業設計をしたこと、後者は、学士課程学生 レベルに合致したケース教材を開発したことであ る。このような教育手法やケース教材は、他大学 にも移転され、現在でも実践され、好評を得てい る。 本学の教育理念に則った教育の質の保証に課題を 抱える学生に対する仕組みとして、「学習・キャ リア支援センター」を設置・運営を行った。 3) FD講習会の主催(計12回) 2007年度~ 2011年度 文部科学省 研究拠点形成費等補助金「産学連携 による実践型人材育成事業-サービス・イノベー ション人材-」の一環として7回、文部科学省「大 学教育・学生支援推進事業(学生支援推進プログ ラム)」の一環として5回主催した。 4) 文部科学省「大学生の就業力育成支援事業」 協力メンバー 2010年度~ 2011年度 同事業の一環として、学士課程学生の就業意識を 高めるために、『楽しいお仕事の本』の執筆・制 作・発行に携わった。 職務上の実績に関する事項 事項 1 資格,免許 2 特許等 3 実務の経験を有する者についての特記事項 年月日 概要 1) 財団法人 中小企業総合研究機構 登録調査 研究員 2004年度 2) 社団法人 先端技術産業戦略推進機構 登録 調査研究員 3) 独立行政法人 中小企業基盤整備機構 リ サーチャー 2004年度~現 在 2005~2007年 度 4) 財団法人 機械産業振興協会 調査事業 委 員 2007年5月~ 2008年3月 調査事業「国内中小製造業におけるネットワーク の創発と取引多様化戦略」の委員として、企業イ ンタビューへの同行や、報告書執筆などを行っ た。 2008年12月 ケース教材を活用し、経営者としての役割や事業 戦略についてのディスカッションを行った。 学士課程学生に対するケースメソッド教育に関す る報告とパネルディスカッションを行った。 4 その他 1) 長野県観光部観光企画課主催 旅館経営者向 け研修講座講師 2) 慶應義塾大学大学院経営管理研究科主催 文 部科学省「特色ある大学教育プログラムシンポジ ウム ケースメソッドに期待できるもの ~多種 教育領域での実践コラボレーション~」シンポジ ウム2009 パネリスト 3) 西武文理大学サービス経営学部主催 座談会 「「中竹スタイル」に学ぶ-新たな学部生教育の スタイル」司会 2009年3月 2009年11月 成果物「「失われた10年がもたらした地域内モノ づくりの仕組みの変化-多摩地域の事例-」『国際 分業パターンと企業間連携』所収 調査研究の遂行や取りまとめ テキスト作成や調査研究の実施 早稲田大学ラグビー部の監督(当時)を務める中 竹竜二氏に、チーム構築のノウハウと、プレー ヤーに考えさせ、気づかせるリーダーシップに関 する座談会を行い、司会を務めた。 文部科学省産学連携による実践型育成事業-サー ビス・イノベーション人材育成-」で西武文理大 学の取り組みの報告を行った。 4) 西武文理大学サービス経営学部主催 文部科 学省産学連携による実践型育成事業-サービス・ イノベーション人材育成-中間報告会 報告 2009年3月 5) 日本ケースセンター主催 第2回CCJケースメ ソッド研究会 講師 2010年3月 ケースメソッドを実践する大学教員や実務家など を対象とした研究会において、講師を引き受け た。 6) 西武文理大学サービス経営学部主催 文部科 学省産学連携による実践型育成事業-サービス・ イノベーション人材育成-最終報告会 報告・デ モ授業講師・パネリスト 7) 日本経営学会誌の査読 2010年3月 最終報告会において、報告(2部構成となってお り、プロジェクトの報告の後、学生を投入した ケースメソッド教育のデモ授業を実施した)と、 パネルディスカッションでは、パネリスト役を務 めた。 日本経営学会の学会誌『日本経営学会誌』の査読 を務めた。 8) 社団法人狭山青年会議所主催 「地域経済を 語り合う若手経営懇談会」コーディネーター 2011年3月 9) 社団法人狭山青年会議所主催,経営革新塾 講師 2011年5月 10)Global COE of Tohoku University YOSHIDA Project“An Empirical Study on the Effectiveness of Gender Equality and Multicultural Exchange Policies Based on an Economic Analysis of Law”, Chairperson. 11) 第51回日本経済経営系ゼミナールプレゼン テーション大会 審査員 2011年9月 プロジェクトメンバー(東北大学吉田浩教授、東 北大学経済研究科博士課程大澤理沙氏)の報告の 司会を務めた。 2011年9月 中央大学にて、日経ビジネス誌が後援する大学の ゼミナールを対象にしたプレゼンテーション大会 予選会の審査員を務めた。 12)企業戦略としての男女共同参画,東北大学 GCOE第37回月例研究会 報告(東北大学) 2012年7月 13)第52回日本経済経営系ゼミナールプレゼン テーション大会 審査員 東北大学グローバルCOE「グローバル時代の男女共 同参画と多文化共生」のプロジェクトメンバーと して「企業戦略としての男女共同参画」の報告を 行った。 日本大学にて、日経ビジネス誌が講演する大学の 2012年9月 14)第53回日本経済経営系ゼミナールプレゼン テーション大会 審査員 2013年9月 ゼミナールを対象にしたプレゼンテーション大会 予選会の審査員を務めた。 法政大学にて、日経ビジネス誌が講演する大学の ゼミナールを対象にしたプレゼンテーション大会 予選会の審査員を務めた。 15)UC Berkeley Hass School “California Management Review”の Reviewer 2013年12月 16)2014 Academy of Management Annual Conference のReviewer 2014年1月 17)科学研究費助成採択「組織間関係の視点から 検証するオープン・イノベーションの研究」 2014年4月 若手研究B/2013年4月~2015年3月,研究代表者, 研究課題番号:25780240 18) 科学研究費助成採択「産学連携の生態系研究 資源動員正当化とダイナミックケイパビリティの 総合的分析」 2014年4月 基盤C/2013年4月~2016年3月,研究分担者,研究 課題番号:25380554 19)第54回 日本経済経営系ゼミナールプレゼン テーション大会 審査員 2014年9月 明治大学にで、日経ビジネス誌が後援する大学の ゼミナールを対象にしたプレゼンテーション大会 予選会の審査員を務めた。 研究業績等に関する事項 2010年5月 4名の青年会議所のメンバーによるパネリストを迎 え、地域経済や地域社会に関するディスカッショ ンのコーディネータを引き受けた。 青年会議所主催の経営革新塾(全9回)に亘る講師 を引き受けた。 著書,学術論文等の名称 単著・ 共著の別 発行又は 発表の年月 発行所,発表雑誌等 又は発表学会等の名称 概要 (著書) 1『経営学論集79集 日本企 共著 業のイノベーション』 2009年9月 千倉書房 2『1からのサービス経営』 共著 2010年4月 碩学舎 3『『現代日本の社会・経済 共著 戦略としての男女共同参画~ 社会制度に対する経済・経 営・統計学的アプローチ ~』』 2012年3月 河北新報出版センター 2008年9月に日本経営学会にて研究報告を行った 際の研究報告のまとめをしたものである。サービ ス・イノベーションを促進もしくは阻害する組織 的要因を考察している。 本章には、主に2つの学習のポイントがある。第 一は、企業が事業環境や顧客ニーズなどの変化 に、どのように対応するのかについて、セントラ ルスポーツの事業展開から確認することである。 第二は、フィットネスのビジネスモデルに着目し ている。フィットネスは、事業運営するまでの店 舗開発に、何億円もの初期費用を投入する。この 費用をどのようにして調達し、投資費用を回収す るのかについてのビジネスモデルを考える。 吉田浩編著,「第3章 企業戦略としての男女共 同参画」(P.71-P.107) 東北大学グローバルCOE吉田プロジェクトの成果 報告の一つである。女性の雇用を巡って、解決す べき課題も多く確認される一方で、企業が女性の 雇用に対する制度や措置を推進し、成果を出して いるケースが確認される。これらのケースでは、 女性の雇用に対する措置を福利厚生的な意味合い や、女性の雇用に関する現代的潮流に対応した結 果からではなく、企業戦略の側面から女性就労者 の働き方の多様性を容認し、人材を登用・活用す る。これらの点に関して事例を挙げながら確認し ている。 (学術論文) 1「中小企業間ネットワーク 単著 の一考察 多摩地区および広 域多摩地区の事例から」 2000年3月 一橋大学大学院商学研究 本論文は、企業間関係に焦点を当て、その中でも 科修士論文」 特に中小企業間のネットワークやそのメカニズム について研究したものである。中小企業間のネッ トワークに対するサポートシステムや社会インフ ラを整えるためのあるべき形や、企業間ネット ワークと地域コミュニティーとの関わりについ て、ネットワーク拡大の余地と地域コミュニ ティーの育成という観点から考察している。 2「中小企業の知識共有ネッ 単著 トワーク」(査読付論文) 2004年9月 財団法人商工総合研究 中小企業間のネットワークにおいて、「知識共有 所,『商工金融』,第54 ネットワーク」を機能させるために、どのように 巻9号,pp.36-47. して3つのジレンマ(利己主義、フリーライ ダー、知識移転の効率的最大化の妨げ[ Dyer and Nobeoka, 2000])を克服しているのかに着目す る。それは、単独では達成することのできない稀 少な価値を達成しているためである。 3「地域の社会的文脈を辿る 単著 -浜松地域の「埋め込み」プ ロセスの解明-」 2005年1月 一橋大学大学院一橋研究 編集委員会,『一橋研 究 』 , 第 29 巻 4 号 , pp.17-35. 4「場のメカニズムの変化を 単著 もたらした中核企業の役割」 (査読付論文,2005年度日本 経営学会賞受賞(論文の 部)) 2005年3月 日本経営学会,『日本経 同論文は日本経営学会の学会賞受賞論文である。 営学会誌』,第13号, 同論文では、場を「取引関係の中心的役割を果た pp.17-33. している中核企業が自社の事業戦略を遂行するた めの手段として意図的に設定する空間である」と 定義した。この場の特徴は、当初は中核企業主導 で、コーディネーションを実践するが、後に参画 企業が自律性を持ち、自発的な調整メカニズムが 働くところにある。 5「「失われた10年がもたら 単著 した地域内モノづくりの仕組 みの変化-多摩地域の事例」 2005年3月 財団法人中小企業総合研 究機構,『国際分業パ ターンと企業間連携』, pp.77-122. 6「取引交渉力が弱い主体の 単著 企業行動-直接取引をえぐる 関係構造とメカニズムの分析 -」 2007年12月 西武文理大学サービス経 企業の生産財の品質は、必ずしも取引交渉力に結 営学部研究紀要,第11 びつくとは限らない。そこで同論文では、直接取 号,pp.73~85. 引関係において、生産財の品質は定評があるもの の、取引交渉力に関しては、相対的に弱い主体に 焦点を当て、取引交渉力を高める企業行動に着目 した。一つの企業行動としては、間接的に取引交 渉力を強めている現象が確認され、その関係構造 を読み解いている。 浜松地域を分析の対象にして、地域経済・産業活 動の背後に存在するネットワークメカニズムや社 会的文脈(social context)に着目している。そ のメカニズムを解く鍵は静岡大学工学部の卒業生 ネットワークにあった。 1990年代の環境の変化の前後において、①地域の モノづくりの仕組みに如何なる変化を生じさせた のか、そして、大企業のモノづくりの仕組みの変 化を受けて、②なぜ域内中小企業は事業の仕組み を転換させることに成功したのであろうか、とい う2つの課題に取り組んだ。 7「サービス・プロダクト・ 共著 イノベーションを誘発する組 織的要因の考察」 2008年12月 『西武文理大学サービス 本研究は、サービスを創造し、リードする人材、 経営学部研究紀要』,第 いわゆる「プロダクトを作り出す天才」をどのよ 13号,pp.15~32. うに創出するか、その人的マネジメントをどのよ うに行うべきなのかについて、組織能力という観 点から検討したものである。組織能力を達成した 具体的事例の考察を通して、「プロダクトを作り 出す天才」のマネジメントに重要な要素は何かを 探っている。 8「企業城下町中小製造業に 単著 おける取引拡大の論理的解釈 (試論)-ネットワーク理論 から見た取引拡大の意味とは -」 2009年6月 『西武文理大学サービス 財団法人機械振興協会経済研究所における調査事 経営学部研究紀要』,第 業『国内中小製造業におけるネットワークの創発 14号,pp.43~54. と取引多様化戦略』において筆者が分担した本報 告書の原稿での残された課題に取り組んだ研究で ある。企業城下町に拠点を置く中小製造業におけ る取引拡大の現象を、ネットワーク理論をベース に論理的な解釈を試みた。 9「マルチ・ブランド戦略を 単著 取るフランチャイジーの取引 交渉力」 2011年7月 『西武文理大学サービス 本研究では、フランチャイザーとフランチャイ 経営学部研究紀要』,第 ジーの取引交渉力の観点からフランチャイジーの 18号,pp.43~55. マルチ・ブランド戦略を取り上げた。フランチャ イジーは「現地適合」による情報の非対称性を保 有すること、出店に関する意思決定を持つことで フランチャイザーに対する取引交渉力を担保す る。「現地適合」による情報の非対称性の度合い は、特に海外展開の際に大きい。 10「高度に専門化した機能別 単著 組織における分業と協業-医 療組織の場のマネジメント -」 2011年12月 『西武文理大学サービス 本研究では、一般的に「コントロール不全」が発 経営学部研究紀要』,第 生しやすい医療組織において、京都九条病院で 19号,pp.43~56. は、なぜ「コントロール不全」を解消することが できたのか、そして、その論理を「分厚い記述」 を通して解明しようとしたものである。 11「サービス組織の組織能力 単著 を高めるマネジャーの認識に 関する研究」 2011年12月 『西武文理大学サービス 本研究では、サービス組織におけるマネジャーに 経営学部研究紀要』,第 焦点を当て、マネジャーに「与えられた役割」 19号,pp.29~42. 「働く意欲を高める要因」に関する定量的調査を 通して、人的側面からサービス組織の組織能力を 高めるための要素を検討したものである。定量的 調査を通して4つのインプリケーションが得られ た。 12 "Strategic 単著 Contribution of Gender Equality and Diversity in a Company" 2012年3月 GEMC journal no.6, Tohoku University GCOE Program, March 2012, pp.92-102. 東北大学グローバルCOE「グローバル時代の男女 共同参画と多文化共生」のプロジェクトメンバー としてのアウトプットである。女性の就労を巡っ ては、M字型就労等の現状課題が指摘されてい る。結婚や出産期を経ても働き続ける女性の就労 支援やM字型就労形態を容認した上での女性の労 働支援が確認できる。それぞれのタイプを事例を 通して確認した。結論は、企業は、男女共同参画 を実現するための女性の就労を、福利厚生のため でしていることが確認された。 13 「組織のライフステージ 単著 をたどる組織の成功要因‐協 立電機の事例から‐」(査読 付論文) 2013年4月 『赤門マネジメントレ ビュー』12巻4号, pp.283~326. 本研究は、組織のライフサイクルの各ステージを 順調に辿って成長を遂げてきたと理解される事例 を通じて、各ステージを辿り成長を続けた成功要 因と、アプリオリではない組織の外部要因をどの ように組織のライフサイクルモデルに位置づける ことができるのかを検討した。前者の研究課題に は、組織の長期的戦略を踏まえ、組織成長の機会 に転換するような対策をとったかどうかが組織の 成長に結びついていることを指摘した。後者の研 究課題には、組織のライフサイクルのどの段階に おいても組織として求められる組織的態度や行動 を指摘した。 14 "Make provision for 単著 future growth under adverse circumstances"(査 読付論文) 2013年9月 Annals of Business Administrative Science, No.12, 311326.(doi:10.7880/abas. 12.311) 景気は企業業績に影響を与える。景気後退に夜企 業業績悪化は不可抗力であり、一般的には、投資 を抑制したり、人員を整理したりといった企業行 動が選択される。しかし、協立電機の事例では、 業績悪化の中で、その後の同社の中核となる戦略 の方向性を意思決定した。これが次の景気回復期 において組織の成長に結びついた。状況に耐えう る「備え」(provision)として、組織作りを先 に行っていた。Chandler(1962)は好況期の成長 戦略の後に組織作りの時期が来るとして "Structure follows strategy"と唱えたが、同社 は、Chandlerの主張とは逆の行動パターンを選択 することで、景気後退を成長のターニングポイン トに変えていたのである。 15 「利益相反の可能性を内 単著 在的に抱える協同体が存続す る要件」(査読付論文) 2013年11月 『日本経営学会誌』第32 本研究は、複数企業から構成される利益相反の可 号,pp.82-93. 能性を内包する協同体が、利益相反を起こすこと なく機能するための要件を検討している。京都試 作ネットとの事例から2つの重要な論点が導き出 された。協同体の設計と参画メンバーの便益であ る。前者は、参画目的の共有や協同体文化の醸 成、公式的組織の整備、公式的要件の明確化、参 画メンバーの保有技術の差別化がなされていた。 後者は、京都試作ネットの場は、参画メンバー企 業それぞれにとって、将来のための投資という位 置づけがなされていることである。このような便 益が得られるために、参画メンバーが共同受注に よる短期的利益の追求や機会主義的行動に走る行 為が抑制されていたのである。 16 "Collective strategy 単著 for implementing innovation in SMEs"(査読 付論文) 2014年3月 Annals of Business Administrative Science, No.13,153168.(doi:10.7880/abas. 13.153) 複数社が共同受注することで、中小企業1社では 技術的資源が限られ引き受けられない受注も引き 受けるというcollective strategyは、実際には なかなか機能しない。しかし、京都試作ネットで は、他社が引き受けようとしない注文まで積極的 に引き受けている。その好循環を生む理由は三つ ある。(1)参画時;メンバー企業は利益や時間の 5%程度を新たな取り組みや自社の成長、イノ ベーションの機会に当てる場であると理解する。 (2)試作中;最先端の研究開発に携わることで従 業員はもちベーとされ、企業も関連する情報を得 ることができる。(3)試作後;最先端プロジェク トの受注実績を積むことで、実績がないために受 注できないという中小企業の悪循環を断つことが できる。こうして、京都試作ネットでは、 collective strategyを機能させる好循環メカニ ズムを確立したのである。 2015年1月 Journal of Business and Economics, Vol.6, No.1, 77-89.(doi: 10.15341/jbe(21557950)/01.06.2015/008) This paper considers innovation and R&D in SMEs. Even those with understanding of the important role innovation plays in sustainable development are hampered by scarce financial resources and the uncertainty of immediate returns especially in case of SMEs. To solve this dilemma, we focus on two approaches by SMEs. There are the pursuit of competitive funds for promoting innovation, and Collaboration and complementarity among SMEs in case of Kyoto Shisaku Net which is joint-order system in Kyoto Japan. From the former survey, we found that problems of the shortage of financial resources and maintaining sufficient resource mobilization for innovation cannot be fully accomplished with government aid. The latter survey, we found that the key functional areas of the jointorder system of Kyoto Shisaku Net. 17 "How to implementing innovation and R&D in SMEs"(査読付論文) 単著 (プロシーディングス) 1 「地域資源の制約を克服 単著 する中小企業ネットワーク」 2004年6月 2004年度組織学会研究発 本報告は、産業や分業構造、地域特性、社会資本 表大会報告要旨集, などの地域資源が、比較優位にも制約にもなると pp.209~212. いう前提のもと、後者に焦点を当てた議論を展開 している。本報告のインプリケーションは、「地 域資源が比較優位性を持つか制約となるかは利用 する行為主体に依存すること」「地域資源の制約 を強く認識したネットワークは、それを克服する ために、ネットワーク構成要素「個」の能力と、 ネットワーク全体の連携能力との双方を向上させ てネットワーク効果を達成させていること」であ る。 2「サービス業におけるイノ 単著 ベーションを促進/阻害売る 組織的要因の考察-サービ ス・イノベーションをマネジ メントする組織とは-」 2009年9月 2008年度日本経営学会研 本報告では、 サービス業の「複数組織間」にお 究大会報告要旨集, けるイノベーションを成果に結びつけるために pp.83~86. は、組織内・組織間においていかなる組織的な (マネジメント上の)課題・要因があるのだろう かに視点を当てた報告である。 3「サービス組織における非 単著 正規雇用の働くインセンティ ブと動機付けに関する研究」 2010年6月 2010年度組織学会研究発 本報告では、分析の単位が「正規に雇用されたフ 表大会報告要旨集, ルタイムの従業員」ではない場合が多いサービス pp.161~164. の雇用に焦点を当てている。これまで組織論が暗 黙的な前提としてきた分析の単位を再検討する必 要があるとの認識の下、非正規雇用者に対するア ンケート調査をもとに、分析を行っている。 4 Reexamination of Open 単著 Innovation from the Viewpoint of the Theory of Inter-organization. 2012年10月 Third Asia Pacific Innovation Conference (Soul National University, Korea) 組織間関係論の視点からオープン・イノベーショ ンを再検討する報告を行った。本報告の論点は3 つである。それは、総花的なオープン・イノベー ションの実践で付きまとうリスクや情報の非対称 性の課題をどのように克服するのか、豊富な組織 間関係の研究蓄積を元にオープン・イノベーショ ンの議論を整理すること、Gassmann and Enkel (2004)によるオープン・イノベーションの3つの タイプを事例を通して確認することであった。 5 実務家と研究者の連携プ 単著 ロジェクト「事業の拡大と組 織の成長」 2012年10月 2013年度年次大会報告要 組織学会2013年度年次大会プログラム「実務家と 旨集,pp.145~152. 研究者の連携プロジェクト」(実務家と研究者が 連携し、発展的対話を通じて経営課題を深く考察 する共同研究プロジェクト)の研究成果である。 組織のライフサイクルの各ステージを順調に辿っ て成長を遂げてきたと理解される事例「協立電 機」を通じて、各ステージを辿り成長を続けるこ とができた成功要因と、アプリオリではない組織 の外部要因をどのように組織のライフサイクルモ デルに位置づけることができるのかを検討したも のである。 1「平成18年度 ナレッジリ 単著 サーチ事業 コンテンツ産業 の方向性に関する調査研究」 2007年3月 独立行政法人 中小企業 アニメ制作会社の実態調査を定量的調査と定性的 基盤整備機構 経営支援 調査を踏まえて詳細に分析したものである。同報 情報センター 調査事業 告書は、業界の「常識」を覆した点で評価されて いる。それは、これまで440社程度と言われてき たアニメ制作会社の数が、626社も確認された点 である。 2「文部科学省委託調査 共著 「サービス・イノベーション 人材育成推進プログラム」に かかる平成19年度活動・成果 報告 2008年6月 西武文理大学サービス経 本学が採択された事業の年度報告を行った。既存 営学部研究紀要,第12 研究の整理、研究のフレームワーク、仮説の展 号,pp.3~31. 開、調査内容、調査実施の概要を取りまとめ、成 果の一部を紹介した。 3「ケースメソッド教授法導 単著 入に関する中間報告」 2008年10月 西武文理大学サービス経 これまで、ケースメソッド教育は社会人研修や大 営学部研究紀要,第13 学院大学において活用されてきた教育手法である 号,pp.55~66. ため、学士課程学生の教育方法としてナレッジが 蓄積されていない状況であった。西武文理大学で は、先駆けてこの教育を実践しており、学士課程 学生向けの教育方法としての知見をまとめてい る。 4「ケースメソッド教育方法 単著 を導入する際の学部生教育効 果の検討」 5『平成19年度・20年度 文 編著 部科学省委託調査「サービ ス・イノベーション人材育成 推進プログラム(現・産学連 携による実践型人材育成事業 -サービス・イノベーション 人材-)中間報告書』 2008年10月 西武文理大学サービス経 営学部研究紀要,大13 号,pp.67~79. 西武文理大学サービス経 営学部編,pp.10~27,36 ~51,83~154,169~232. 6『平成19年度・20年度 文 編著 部科学省委託調査「サービ ス・イノベーション人材育成 推進プログラム(現・産学連 携による実践型人材育成事業 -サービス・イノベーション 人材-)中間報告書【別 冊】』 2009年3月 西武文理大学サービス経 実際の授業で活用するケース教材やケース教材を 営学部編,pp.3~31,48 活用する際のティーチングガイド(ティーチング ~118. ノート)をまとめたものである。 7「中小製造業における取引 単著 拡大の論理的解釈(試論)ネットワーク理論からの考察 -」 2009年3月 財団法人機械振興協会経 済研究所,『機械工業経 済研究報告H20-5 国内 中小製造業におけるネッ トワークの創発と取引多 様化戦略』,pp.11~24. 8「文部科学省委託事業 単著 「サービス・イノベーション 人材育成推進プログラム」に かかる本学での取り組み(中 間報告会での報告概要)」 2009年6月 西武文理大学サービス経 3月23日に「サービス・イノベーション人材育成 営学部研究紀要,第14 推進プログラム」(委託事業)で取り組んできた 号,pp.131~159. 1年半の調査や研究の成果を行った。その報告を まとめたものである。 9「半期15回授業における 単著 ケースメソッド教育に関する 報告」 2009年10月 西武文理大学サービス経 ケースメソッド教育の導入に際し、半期15回に 営学部研究紀要,第15 亘って授業が開催されるタイプの科目において、 号,pp.67~80. どのようにケースメソッド教育を進めるのかの知 見をまとめたものである。 (その他) 2009年3月 学士課程学生向けの教育方法としてケースメソッ ド教育に取り組んできたその教育効果と留意点を まとめたものである。 イノベーションに関する既存研究や、調査報告、 学士課程学生に対するケースメソッド教育の導入 に関する実施報告や留意点、FD講習会の報告など を取りまとめている。 財団法人機械振興協会経済研究所における調査事 業のアンケート調査の分析や、域外に展開する中 小企業へのインタビュー調査を元に、ネットワー ク理論からの知見を踏まえてまとめたものであ る。 10『Service Innovation 単著 Project ケースメソッド教 育でイノベーション人材を育 成する-新たな学部生教育 -』 2010年3月 西武文理大学サービス経 文部科学省研究拠点形成費等補助金「産学連携に 営学部編 よる実践型人材育成事業-サービス・イノベー ション人材育成-」で取組んできたプロジェクト の取りまとめを行った冊子である。同冊子は「プ ロジェクト概要」「活動報告」「採択大学間の交 流」「研究報告」「ケース教材開発」「ケースメ ソッド教育の実践」「FD活動」「その他の報 告」から構成されている。 11「サービス・イノベーショ 単著 ン人材育成プログラム最終報 告」 2010年6月 西武文理大学サービス経 文部科学省研究拠点形成費等補助金「産学連携に 営学部研究紀要,第16 よる実践型人材育成事業-サービス・イノベー 号,pp.95~113. ション人材育成-」の3年間の報告会を3月23日に 実施した。その報告をまとめたものである。な お、その報告では、ケースメソッド教育の実践と 称して、クラス・ディスカッションのデモ授業も 実施しており、その報告も同時に行われている。 12「サービス・イノベーショ 共著 ン人材育成プログラム最終報 告会パネルディスカッション 報告」 2010年6月 西武文理大学サービス経 営学部研究紀要,第16 号,pp.95~113.pp.115 ~122. 13「学士課程におけるケース 単著 メソッド教育の実践」 2010年6月 西武文理大学サービス経 これまで筆者が実践してきた学士課程を対象にし 営学部研究紀要,第16 たケースメソッド教育の授業方法や留意点、今後 号,pp.67~80. の課題について取りまとめたものである。 14「組織能力に関する研究」 単著 2011年1月 『西武文理大学サービス 組織能力に関する文献レビューとともに、概念整 経営学部研究紀要』,第 理を試みたものである。本原稿は、研究ノートと 17号,pp.63~70. して掲載している。 15「学士課程におけるケース 単著 メソッド教育の実践2010年度 前期報告」 2011年1月 『西武文理大学サービス 「研究拠点形成費等補助金」は2010年3月を以っ 経営学部研究紀要』,第 て終了したものの、その後の研究教育活動を多方 17号,pp.89~101. 面で継続してきた。外部の専門家の方々の意見を 取り入れながら少しずつ改善を重ねてきたその後 の報告を行っている。特に、ケースメソッド教育 の短期的な効果の評価方法に関して報告してい る。 16「学士課程におけるケース 単著 メソッド教育の実践2010年度 後期報告」 2011年6月 『西武文理大学サービス 2010年前期の授業で実践したケースメソッド教育 経営学部研究紀要』,第 で指摘された「今後の課題」の一つを解決するた 18号,pp.153~168. めの実践を記したものである。ケースメソッド教 育が受講生の学びの力となったかどうかを確認す るする手段としてジグソー学習に取り組み、その 報告を行った。 17「中小企業のオープンイノ 単著 ベーション戦略」 (査読付発表) 2011年8月 一橋大学イノベーション チェスブロウ・ヴァンハーベク・ウェスト 研 究 セ ン タ ー 主 催 , IIR (2008)では、より広範囲なオープン・イノベー サマースクール2011 ションの議論を展開している。その一つに、組織 間ネットワークのアプローチからオープン・イノ ベーションを議論する視点が含まれることを指摘 しており、地理的に隣接する企業間の関係を理解 することの重要性も強調している。本報告では、 この点に焦点を当て、「京都試作ネット」の事例 をもとに、チェスブロウ・ヴァンハーベク・ウェ スト(2008)が重要性を指摘する地理的に隣接す る中小企業間のオープン・イノベーション戦略に ついて考察した。 18「オープン・イノベーショ 単著 ンの再検討 -組織間関係論 の視点から-」(査読付発 表) 2012年8月 一橋大学イノベーション 組織間関係論の視点からオープン・イノベーショ 研 究 セ ン タ ー 主 催 , IIR ンの議論を捕らえなおすと、「企業間が時間をか サマースクール2012 けて醸成されてきたものがない中で、企業間の取 引関係構築や知識の移転を円滑に進め、イノベー ションを達成することが可能なのであろうか」と いう問題認識が発生する。このような問題認識に 基づき、組織間関係論の視点から検討しなおした 報告である。 19 "Collective strategy for implementing innovation in SMEs" 2013年11月 ABAS Conference Autumn 単著 文部科学省研究拠点形成費等補助金「産学連携に よる実践型人材育成事業-サービス・イノベー ション人材育成-」の3年間の報告会を3月23日に 実施した際、パネルディスカッションを行ってい る。西武文理大学からは、コーディネータとして 高瀬先生、パネリストとして水野が、その他のパ ネリストとして、慶応義塾大学経営管理研究科の 竹内伸一氏、タニザワフーズの河木智規氏を招聘 した。このパネルディスカッションの様子を記し たものである。 2013 Annals of Business Administrative Scienceに 掲載するための審査の場である。この場で報告を 行い、エディターや編集者らに承認されることに よって、Annals of Business Administrative Scienceへの投稿が許可される。その後、エディ ターの指示に従い修正を行う。その結果、Annals of Business Administrative Science, No.13,153-168.(doi:10.7880/abas.13.153)への 掲載となった。 20 "How to implement innovation and R&D in SMEs"(査読付poster session) 単著 21 "Making provisions is 単著 the key to understand sequential ambidexterity" (査読付発表) 2013年12月 Asia Pacific 中小企業にとって、資源動員の正当化はそれほど Innovation Conference 困難ではないものの、投入する資源動員の量が少 (Taiwan national ないことに対する課題を抱えているケースは少な university, Taipei) くない。その解決方法をタイプに分けて報告し た。本報告のインプリケーションは、補助金の採 択によって金銭面での資源動員の量を解決したと しても、それがイノベーションの抜本的な解決に はなることは少ないこと、資源動員量を単独で解 決するのではなく、差別化された多様な専門性を 持ったメンバーの集合が一つの解となることを確 認した。 2014年12月 Asia Pacific Innovation Conference ( University of Technology, Sydney) O’Reilly and Tushman (2013) questioned how sequential ambidexterity occurs and what the transition looks like. This is the focus of this case study on Kyoritsu Electric Corporation. This research arrives at an important conclusion: the key to whether corporations can face and overcome adversity, and use that adversity to spur organizational growth depends upon whether the company continuously creates “provisions” on a day-to-day basis. This point reminds us of the principle of “preparedness on a day-to-day basis,” espoused by Fujimoto (1997, 2012). Fujimoto stated that the reason Toyota Motor Corporation was able to maintain its competitiveness and increase its competence was because of “the seed of ‘preparedness’ shared by members of the company with regard to competitiveness.” This “preparedness on a daily basis” becomes the “provision,” and the cumulative effect leads to the “selection of positive corporate behaviors that, while difficult, breach the impossible” for overcoming adversity, which is understood to promote organizational growth and lead to innovation.
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