ミャンマー 外国投資の法制度 ゼバスティアン・パヴリータ 2014年4月18日 外国直接投資 外国直接投資 • 主な法源 – – – – – 会社法(Companies Act)、1日1月1914年(その改正を含む) 国有経営企業法、 1989年3月31日 外国投資法、2012年11月2日 外国投資規則、2013年1月31日 外国投資の対象分野に関するミャンマー投資委員会通達(2013年1 号)、2013年1月31日 外国直接投資 • 投資方法は二つ – ミャンマー投資委員会の投資許可(「MIC許可」)を得ずの投資 – MIC許可を得ての投資 MIC許可を得ずの投資 許可を得ずの投資 • 主なメリット – 手続は割と簡単 – 最低投資額は50,000 USDで割と低い • 主なデメリット – – – – – 原則として、サービス業・観光業への投資の場合にのみ可能 土地・不動産の長期的賃貸は不可能 税務優遇措置はない 外国人従業員のためのStay Permitの取得可能性は曖昧 将来に法律又は政策の、外国投資家において不利な変更があっても、 外国投資家は保護されない MIC許可を得ずの投資 許可を得ずの投資 • 会社登録において、 会社登録において、「営業活動」 営業活動」は八つ – 貿易業 (外国人に認められない) – サービス業(MIC許可の対象外) – 産業・製造業(MIC許可が必要、場合によりミャンマー人との合弁が 必要) – ホテル業 ( MIC 許可が必要、場合によりミャンマー人との合弁が必 要) – – – – 観光業(MIC許可の対象外、ミャンマー人との合弁が必要) 宝石業(外国投資家の参入可能性が曖昧) 建設業(MIC許可の対象外、ミャンマー人との合弁が必要) 銀行業(駐在員事務所以外の進出は認められていない) MIC許可を得ずの投資-手続 許可を得ずの投資-手続 • 現地法人または支店の登録手続( 現地法人または支店の登録手続(主な段階) 主な段階): – 申 請 資 料 の 投 資 企 業 管 理 局 ( Directorate of Investment and Company Administration-DICA)への提出 – 約3日以内にDICAが「登録証明書(仮)・営業許可書(仮)」を発行 – その後、DICAが関連の省庁等に本登録について意義の有無を問い 合わせる – 異議はない場合、DICAは申請者に口頭にてその旨知らせる – 申請者は、資本金の前半分を送金し、着金証明書をDICAに提出す る – DICAが「登録証明者・営業許可書」を発行(申請時から今まで約4~ 6ヶ月が経過) – 5年以内に未だ未送の資本金を送金しなければならない MIC許可を得ずの投資-駐在員事務所 許可を得ずの投資-駐在員事務所 • 現地に市場調査、本社との連絡業務等を行う物体を設置し たい外国会社は、「支店」を設立しなければならない – 最低投資額- 50,000 USD – 駐在員事務所の業務を果たしている支店には、所得は生じず、所得 はゼロであるはずだが、監査済決算書を年次に作成して申告しなけ ればならない MIC許可を得ての投資 許可を得ての投資 メリット・デメリット • 主なメリット – – – – サービス業・観光業以外にMIC許可なしで投資はできない 土地・不動産の長期的賃貸可能 税務優遇措置あり 「MIC許可の期間中に事業を国営化しない」という国からの約束が明 文化 – 将来に外国投資家において法律又は政策の不利な変更があっても、 外国投資家はある程度まで保護される • 主なデメリット – 最低投資額がMICの裁量により、割と高い – 手続が面倒 MIC許可を得ての投資 許可を得ての投資 - 手続 • 手続( 手続(簡約) 簡約) – MIC許可と現地法人の登録申請は、手続は別だが同時に行う – 必要資料 – 投資家の情報・財務能力の証拠 – 業績予想 – 賃貸借契約の草案 – 製造制度、販売制度の説明 – 投資額の金額、種類(現金または現物出資)、出資の予定表等 − One stop service? − MIC許可と現地法人の登録証明書・営業許可書がほぼ同時に発行 される − 所要時間:“within 90 days”(外国投資規則第48条) MIC許可を得ての投資 許可を得ての投資 - 手続 • 市場参入: 市場参入 国家において有利な外国投資は理論上全て可能。 実務上、MIC及び関連省庁等の裁量は大きい。 • 外国投資細則及びMIC通達1/2013では、(i)外国投資が禁 止されている分野、(ii)外国投資はミャンマー人との合弁で のみ可能である分野、(iii)その他に条件のある分野が列挙 される • 外国投資が禁止されている分野においても、ミャンマー人と の合弁を前提に例外として外国投資が許される MIC許可を得ての投資 許可を得ての投資 - 手続 • ミャンマー人との合弁が必要な場合、外資・内資の比率は最 終的に関連の省庁の裁量による MIC許可を得ての投資 許可を得ての投資 - 税務優遇措置 • 法源 – 外国投資法第12章 – 外国投資規則第14章 • 全ての優遇措置はMICの裁量による。 MIC許可を得ての投資 許可を得ての投資 - 税務優遇措置 • 主な優遇措置: 主な優遇措置 – 所得税の免除(営業業開始から5年間) – 免除期間の延長 – 国内で製造して輸出した製品による利益について、所得税の50%の 減少 – 建設期間に輸入した機械等について、輸入税及び商業税の免除ま たは減少 – 営業開始から3年以内に輸入した原材料について、輸入税及び商業 税の免除または減少 MIC許可を得ての投資 許可を得ての投資 - 外国人の雇用制限 • 外国人を不熟練労働者として雇ってはいけない • 営業開始から最初の2年間では、熟練労働者の25%はミャ ンマー人でなければならない。その次の2年間では、その分 は50%、再来の2年間では75%に上がる。 • 職業能力開発計画(training plan)を年次にMICに提出しな ければならない 税務 主な税金 • 所得税(法人税、個人所得税) • 商業税 • 印紙税 所得税(法人税) • 法源 – – – – – 所得税法(Income Tax Law)、1974年(その改正を含む) 連邦租税法、2014年(2014 Union Tax Law) 所得税規定(Income Tax Regulations) 所得税規則(Income Tax Rules) 所得税通達(Income Tax Notifications) • 税率 – 25%( ミャンマーで登録されている会社) – 35%(外国会社のミャンマー支店、その他の非居住者) 所得税(法人税) • 課税基盤: 課税基盤 監査済年次決算書に書いてある損益 • 会計基準: Myanmar Accounting Standard(2010年までの IFRSと同じ) • 年度: 年度 4月1日~3月31日(尚、年度は変更できない) • 経費は、事業と関連した且つ事業規模から判断して釣り合い 経費 の取れたものは 課税基盤から控除できる 所得税(法人税) • 損の繰越は3年以内に可能 損の繰越 • 過小資本税制(thin cap rules)は、租税法では存在しない 過小資本税制 • 移転価格税制はない 移転価格税制 所得税(法人税) • 国内租税法においての源泉徴収税率: 国内租税法においての源泉徴収税率 支払いの目的 居住者への支 払い 現地法人または支店の利益 n/a の配当 利子の支払い ロイヤルティー、ライセンス 料の支払い 国内外で購入したサービス 料の支払い 国内で購入した製品の購入 価格の支払い 非居住者への 支払い n/a n/a 15% (final tax?) 15% 20% (final tax?) 2% 3.5% (final tax?) 2% 3.5% (final tax?) 商業税 • 法源 – – – – 商業税法(Commercial Tax Law) 、1990年(その改正を含む) 連邦租税法(2014 Union Tax Law)、2014年 商業税規定(Commercial Tax Regulations) 商業税通達(Commercial Tax Notifications) • VATと似ているが、input taxとoutput taxを相殺できない場 合が多い 商業税 • 課税対象行為 – – – – – 自分の工場で製造したものの販売 ものの転売(Trading) ものの輸入 ものの輸出(列挙されたもののみ) サービスの提供 商業税 • 税率: 税率 列挙された必需品 特別に列挙されていな い製品 タバコ(cigarettes) 自分の工場 で製造した ものの販売 転売 (Trading) ) 輸入 輸出 n/a 5% 5% n/a 5% 5% 5% n/a 100% 5% 100% n/a 5% 50% n/a タバコ(tobacco)、パイ 50% プ、葉巻、betel chewing preparations、 アルコール飲料、ビー ル、ワイン 商業税 • 税率: 税率 自分の工場 転売 ) で製造したも (Trading) のの販売 輸入 輸出 50% 5% 50% 50% 30% 5% 30% 30% 15% 5% 15% 10% 自動車(種類によって) 25% 5% 25% n/a ガソリン、軽油、ケロシン 10% 5% 10% n/a 未加工のチーク材、その 他の硬材 翡翠、その他の宝石 翡翠、その他の宝石が材 料となったジュエリー 商業税 • 税率: 税率 自分の工場で 転売 ) 製造したもの (Trading) の販売 輸入 輸出 天然ガス 8% 5% 8% 8% 石油 5% 5% 5% 5% 列挙されたものを除い て、国内で提供した サービス 5% 商業税 • 課税基盤: 課税基盤 − 売上 − 輸入の場合-1.05 x CIF price plus 輸入税 • 小規模企業(年次売上:15,000,000チャット未満)は商業税 15,000,000 の対象外 • 月末から10日以内に毎月納付しなければならない • 四半期ごと(四半期末から1ヶ月以内)及び年次ごと(年度末 から3ヶ月以内)の申告義務 給与にかかる所得税、雇用者の源泉徴収義務 • 法源 – – – – – 所得税法(Income Tax Law)、1974年(その改正を含む) 連邦租税法、2014年(2014 Union Tax Law) 所得税規定(Income Tax Regulations) 所得税規則(Income Tax Rules) 所得税通達(Income Tax Notifications) 給与にかかる所得税、雇用者の源泉徴収義務 • 税率 – 居住者 0~25%(最高税率は30,000,000 Ks.以上の年次課税対 象所得にかかる) – 非居住者 35% • 居住者 – 年度(4月1日~3月31日)に183日以上に国内滞在した者 – MIC許可を有している会社で働いている外国人従業員は、ミャンマー が源泉となった所得についてのみ課税され、国内滞在期間を問わず 居住者扱いを受ける 給与にかかる所得税、雇用者の源泉徴収義務 • 課税基盤( 課税基盤(居住者の場合) 居住者の場合) – – – – 基礎控除及び子供・配偶者控除を引いた年次給与 基礎控除: 年次給与の20%(最高限度10,000,000 Ks.) 子供控除: 子供一人当たり300,000 Ks. 配偶者控除: 500,000 Ks. • 課税基盤( 課税基盤(非居住者の場合) 非居住者の場合) – ミャンマーが源泉となった給与のみ – 控除等はない 給与にかかる所得税、雇用者の源泉徴収義務 • 所得税の源泉徴収 – 雇用者は毎月、労働者の給与から所得税相当額を天引きし、給与支 払日から7日以内、税務署に転送しなければならない – 給与の総支払額につき、年次に6月30日まで税務署にまとめて報告 しなければならない • 社会保険 – 掛け金が(現在のところ)非常に低い キャピタルゲイン税 • 固定資産、 固定資産、株式等を売却して利益( 株式等を売却して利益(キャピタルゲイン) キャピタルゲイン)が生じ た場合、 た場合、その所得にかかる税率は以下のとおり。 その所得にかかる税率は以下のとおり – 譲渡者が居住者である場合: 10% – 譲渡者が非居住者である場合: 40% – 天然ガス・石油業でキャピタルゲインが生じた場合: 居住・非居住を 問わず、キャピタルゲインの40~50% • 外国の持分会社の株式を売却しても、ミャンマーのキャピタ ルゲイン税(40%)が生じる キャピタルゲイン税 • シンガポールとの二重課税条約が有利 – シンガポール居住者が、ミャンマー会社の株式を35%以下保有し、 且つ、ミャンマー会社の主たる財産は不動産でない場合、ミャンマー 会社の株式を売却してもミャンマーはキャピタルゲイン税を課するこ とはできない。 – シンガポール居住者が、主たる財産が不動産であるミャンマー会社 の株式を出資率を問わず保有し、または、そうでないミャンマー会社 の株式を35%以上保有して売却した場合、ミャンマーのキャピタルゲ イン税は10%を超えてはいけない。 印紙税 • 法源: 法源 印紙税法(Stamp Act)、 1899年(その改正を含む) • 税率( 税率(例): 取引 税率 不動産の売却・譲渡 ヤンゴン等を含む全国において 対価の5% 株式の売却・譲渡 対価の0.3% 不動産の賃貸借 (1年間未満) 賃貸料の1.5% 不動産の賃貸借(1~3年間) 1年間の平均賃貸料の1.5% 不動産の賃貸額(3年間以上) 1年間の平均賃貸料の3% Myanmar sebastian@pwplegal.com +95 (9) 401529445 www.pwplegal.com
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