平成15年度税制改正要望 法人に関わる芸能報酬等の源泉徴収制度の撤廃を ① 中立でない 、芸能の差別税制である ② 簡素でない 、経営圧迫の無駄、無理税制である ③ 芸能は信用できない?− 根 拠 の な いことである ④ 芸能の社会・経済的な位置は大きく変わり、 社 会 発 展 に 大 き く 貢 献している 制度撤廃は、税制の原則に則った、 税収にも“中立”なものであり、 手続きの“簡素”化に繋がる合理的なものである ■法人源泉税撤廃に向けての動き■ 06 月 25 日 文化庁長官に関係5団体名で要望書提出 07 月 30 日 音楽議員連盟会長に関係6団体名で要望書提出 [アンケートお願い時に同封のもの] 09 月 30 日 文部科学省が平成 15 年度税制改正要望に初めて芸能法人源泉の撤廃をあげる 09 月 20 日 自由民主党税制調査会に芸団協として要望書を提出 11 月 13 日 自由民主党平成 15 年度予算・税制に関する協議会 11 月 13 日 自民党税制調査会総会 09 月 20 日 田野瀬良太郎文部科学部会長ほかに説明 11 月 13 日 自民党税制調査会に文部科学部会が提案説明(田野瀬部会長/斉藤斗志二議員) 09 月 28 日 公明党ヒアリング 09 月 29 日 相沢英之自由民主党税制調査会会長に面談 12 月 04 日 民主党ヒアリング 0 中旬 与党 税制改正大綱を決定 下旬 政府 税制改正案を決定 〒163-1466 東京都新宿区西新宿 3-20-2 東京オペラシティタワー11F (社)日本芸能実演家団体協議会・芸能文化情報センター tel:03-5353-6606 fax:03-5353-6614 infope@geidankyo.or.jp ①中立でない、芸能の差別税制である 芸能分野がなぜこのような差別を受けなければならないか。法人の事業収入、例えば劇団公演料 から10%の天引きを受けなければならないか。 一般の企業間取引にはこのような制度はありません! 主催者 芸能法人 公演の 委託 公演の実施 劇 団 舞踊団 税務署 公 演 料 の 1 0 % を源泉徴収(先取り) [ 支払時] 公演料の 90% オーケストラ 等 [ 申告時] 還 付 ■ 法 人 源 泉 が 課 せ ら れ る 対 象:11項目(所得税法 174 条:内国法人に係る所得税の課税標準) 金融・証券関係(うち8項目) 匿名組合契約 馬 主 利子・利息・給付補てん金・利益・差益等 利益分配 競馬の賞金 芸 能 の 役 務 の 提 供 に 関 す る 報 酬・料金 芸 能 映画又は演劇の俳優その他政令で定める芸能人の役務の提供を内容と す る 事 業 に 係 る 当 該 役 務 の 提 供 に 関 す る 報 酬 又 は 料 金(不特定多数の者 から受けるものを除く。 ) ● なぜ芸能に関する項目が入っているのか? ● 制度の撤廃によって税収が減ることはない [ 税収に中立] ● 存続させるべき理由は何なのか 公 平 税制の 基本原則 中 立 簡 素 経済力が同等の人には同等の負担を求 税制が個人の選択や企 税制の仕組みをできる める「水平的公平」と、経済力のある人に 業の経済活動に強い影 だけ簡素にし、納税者 はより大きな負担を求める「垂直的公平」 響を与えないようにする に理解しやすくする 近年では「世代間の公平」が一層重要に 芸 団 協 緊 急 ア ン ケ ー ト (02 年9月実施) 芸能にかかかわる法人(株式・有限会社・特定非営利活動法人)を対象に郵送 送付数:2074 件 回答数:228 件 [回答率 11.0%] ②経営圧迫の無駄、無理税制である 公演実施ごとに天引きされた源泉税は申告時に法人税と相殺される。緊急アンケートによると一団体平均 して源泉された税金の83 .8%、約900 万円が還付されています(2001 年度)。この間、キャシュが不足し、 多くの団体は銀行などの借入でしのいでいます。源泉徴収・支払と還付の手続きなどの無駄な作業、無理 な借金を強いる、無駄・無理な制度といえます。利子は国税庁が払ってくれるのでしょうか? ■ 還 付 率・ 借 入 で 補 填 の 割 合・ 不 足 補 填 手 段 [芸団協緊急アンケート] 83.8 % 還 付 率( 平均) 不足補填手段 (33.3%) (31.0%) (14.3%) (7.1%) 3.2% 不明 銀行・金融機関等から 役員・所属メンバー等から 公的機関から (有効回答数 133 団体中) 借入で補填 85.7% 借 入 金 還付率 100%が 82 団体 75.9 % 税・借入金等の支払い繰り延べ 会社資金から (他事業・資産等から充当) 110 法人/回答 145 件 12.7% ③芸能は信用できない?−その根拠は? 財務省は芸能は信用できないと、この税制を今から約40年前に導入し、さらに規制を存続させようとしてい ます。これは本当でしょうか。根拠はどこにあるのでしょうか。 国税庁が発表する法人税の課税事績で不正発見割合の高い10業種を毎年発表していますが、芸能事 業所は出ていません。芸能が信用できないということが根拠であるならばそのデータを公表していただきた い。緊急アンケートによると90.7%の法人が、その税務を公認会計士・税理士に委託し、88.0%が青色申 告を行っているなど、法を遵守する健全な経営を行っています。 ■芸能法人の税務はしっかりと行なわれている [芸団協緊急アンケート] 法人税の申告方法 青色申告 法人税納付状況 2001 年度 税理士・会計士等に委託 委託している 88.0 % 白色申告 4.4 % 71.6 % 2000 年度 75.1 % 90.7 % 委託年数(平均) 19.4 年 ■芸能法人の税務に関する現状 ■ 不 正 発 見 割 合 の 高 い 1 0 業種 [芸団協緊急アンケート] 税制申告方法 青色申告 88.0% 白色申告 4.4% 無回答等 納税した 2001 年度 納税しない 無回答等 納税した 法人税 納付状況 2000 年度 納税しない 無回答等 7.6% 71.6% 25.8% 納税した 1999 年度 納税しない 無回答等 置いている 76.4% 20.0% 3.6% 87.6% 経理担当者の有無 納税計算・手続の委託 置いていない 無回答等 委託している 76.4 % 1999 年度 2.7% 75.1% 22.2% 2.7% 11.6% 0.9% 90.7% (平成 13 事務年度における法人税の課税事績について /国税庁) 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 業種目 パチンコ バー・クラブ 廃棄物処理 書籍・雑誌販売 土木工事 一般土木建築工事 職別土木建築工事 貨物自動車運送 水産食料品製造 管工事 不正発見 割合(%) 不正申告1件 当たりの不正 脱漏所得金額 (千円) 49.4 47.2 33.9 32.8 29.4 27.2 25.7 25.1 24.9 24.2 45,250 10,462 19,416 5,721 11,486 13,990 8,397 8,621 15,280 6,616 前年 順位 2 1 5 3 6 4 10 - ④ 芸能の社会・経済的な位置は大きく変わり、社会発展に大きく貢献している 40年前の導入時と現在では芸能の社会・経済的な位置は大きく変わっており、社会発展に大きく貢献して います。制度導入時に比べると、芸能実演家の数で4倍、芸能興行団の数で5倍に成長し、公立文化施設 の数は24倍と成長をしました。また、平成13年度のサービス業売上高の伸び率をみても興行場、番組供給 会社が10%台の伸びでトップ10に入っています。 総理府の調査によると「心の豊かさ」を求める回答が過去最高の 61%を記録しました。また東京都の調査で はこの分野への投資の経済波及効果は建設を上回るとでています。国民が求め、経済発展にも貢献する 文化芸術への税規制の撤廃をお願いいたします。 ■興行場と興行団数の推移 [ 参考] 実 演 家 数 実演家数 芸能組織数の推移=事業所統計より 芸能実演家数の推移=国勢調査より 250,000 組織数 200,000 2500 2000 1583 1825 73,487 150,000 41,845 1134 1000 538 360 367332 318407 333402 450456 747 536 100,000 868 547 523 517 436 427 485 36,810 466 33,790 50,000 0 57 60 63 66 69 72 劇場・興行場 75 78 興行団 64,465 53,727 1338 1500 500 1702 1934 81 86 91 96 02 年 94,172 26,795 26,810 22,544 16,589 22,780 30,565 60 65 114,173 85 90 125,570 49,610 0 55 70 音楽家 興行場法に基づき登録されている興行場等はほとんど大きな変化 はなく推移しているが、興行団(劇団、楽団、舞踊団等)につい ても1969 年から大きなトレンド変化を示している。 111,501 67,615 75 80 95 年 俳優・舞踊家等 65年に約 57000名であった実演家は、70 年には 83000 名と45% 増を示しており、それ以降、急速に増加している。 館数 公立文化施設数推移 2,500 非加盟館 公文協会員館 [ 参考] 公 立 文 化 施 設 数 の 推 移 2,000 652 622 593 1,500 579 588 579 590 587 584 575 1,000 563 559 565 514 483 1,139 1,277 1,315 99 98 97 95 94 89 93 88 1,078 1,218 862 92 87 808 91 740 90 708 763 680 86 645 548 607 523 577 494 85 459 989 1,009 84 384 152 83 384 433 367 430 339 152 82 155 79 138 78 144 77 154 76 139 75 141 74 276 308 118 73 117 72 250 71 63 70 69 197 221 68 61 178 67 1965 0 53 140 66 74 82 110 81 500 1,338 392 96 393 156 80 戦争で壊滅的な打撃を受けた芝居小屋などの公演施 設の穴をうめるため、地方公共団体が 1955 年頃から 文化会館等を建設してきた。 地方の時代、文化の時代と言われた 80 年代以降に、 貸しホール中心から自主事業実施へと流れが変わる。 その多くは興行団への委託公演で、1998 年には年間 15000 公演を数え、全国の公演数の 10%を超えるシ ェアにまで発展している。 西暦 ■心の豊かさか,物の豊かさか(内閣府:国民生活世論調査 2002.6) 今後の生活の仕方として,心の豊かさか,物の豊かさかについて聞いたところ, 「物質的にある程度豊かになった ので,これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい」と答えた割合が60.7%と過去最高 の数値を示している。 総数 男性 女性 文化芸術に関わる活動がより促進されていくことによって、 国 民 の“心の豊かさ”“ゆとりある生活”へのより広く、深い貢献ができる。 私どもはそう考えます。
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