キス - うおいち

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■■株式会社うおいち メールニュース Vol.315
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―――――――――――――――――――――――――――2012.7.21
いつも株式会社うおいちを ご愛顧いただきどうもありがとうございます。
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◆◆「旬の魚」 No.54
キス
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国内で一般的にキスと呼ばれているのは「シロギス」のこと。日本人の食生活
に古くから馴染み深く、特に天ぷらをイメージする人も多いでしょう。
年間通して市場への入荷はありますが、産卵期の春から夏にかけて入荷量が増え、
スーパーでもお目にかかる機会が増えます。そんな初夏の代表魚をご紹介します。
● シロギスの写真
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/disp_guide.asp?id=80&file=2
■ 分布・生態
シロギスは、北海道南部以南の日本全国の沿岸、朝鮮半島、台湾、フィリピンに
分布しています。浅い砂地に群れをつくって生息しており、ゴカイやエビ、貝など
底生生物を餌とする肉食です。夜は砂の中にもぐって寝ます。外敵が近づいてきた
時や驚いた時にも砂の中にもぐり、目だけを出します。なるたけ敵と争わない平和
主義者なのです。
春から夏にかけて、水温 20℃を越える頃から産卵を始めます。産卵の時間帯は主
に日没直後から真夜中にかけてです。6~10 月には産まれた稚魚が沿岸各地で見ら
れ、生後 1 年で全長 10cm、2 年で 14cm、3 年で 20cm 前後に成長します。生後 1~
2 年で成熟し始め、5~6 年生き、全長 30~40cm まで大きくなります。
分布図
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■ キスの仲間達
シロギスはスズキ目スズキ亜目キス科キス属に分類されます。キス科の魚は世界
に 3 属 31 種が知られ、そのうち 1 属 4 種(シロギス・アオギス・モトギス・ホシ
ギス)が日本に分布しています。全国で見られるシロギスと違い、アオギスやモト
ギス、ホシギスは九州や沖縄以南にのみ生息しています。
その名の通り、アオギスは青みがかった体色をしています。かつては東京湾にも
分布していましたが、今日では九州や台湾などで生息するのみとなっています。
産卵・生息場所の消失、水質汚染の影響により個体数が大幅に減り、絶滅の危機
にさらされているのです。
日本に生息するキスは大きくなっても全長 30~40cm ほどですが、オーストラリア
近海に住むキスの仲間、ダイオウギスは最大で 70cm まで成長します。日本では
まずお目にかかることはありませんが、これだけ大きいと 1 匹で家族分のおかず
がまかなえますね。
■ 愛される釣り魚
主に刺網・底曳網・定置網などで漁獲されますが、釣り魚としても人気が高い
です。砂浜での投げ釣りや船釣りで手軽に獲ることができます。江戸時代には、
夏の夜に屋台船を浮かべてキス釣りが行われ、風流な遊びとして町民から武士に
至るまで楽しまれました。アオギスが多く生息していた頃は、脚立釣りも行われて
いました。アオギスはシロギスより警戒心が強く、用心して船に近付きません。
そこで、浅い浜辺に脚立を立て、その上で釣るわけです。もはや今では見かけられ
ない光景です。昔は「キス釣は八十八夜から」と言われていたそうです。その頃
になるとたくさん釣れるという意味ですが、獲りすぎを防止する資源保護の観点
から見ても、うまいこと考えられていたのです。
■ 海の女王
スマートボディに淡い体色のキスは、「海の女王」・
「海の鮎」なんて素敵な呼び名
があります。キス科の魚は細長い円みを帯びた筒形の体型をしており、長く尖った
口先は小さなおちょぼ口のようにすまして見えます。小さなお口で気取って食事を
すると思いきや、砂底に棲む生物をごそごそと口先全体で探して食べます。砂底に
突っ込んで食べやすいように、上あごが下あごより長くなっていますが、実は小さい
時は表層で暮らしているため、動物プランクトンを食べやすいように下あごの方が
上あごより長くなっています。大きくなるにつれ、上あごが伸びてくるのです。
体は金色に近い黄色で、腹側は乳白色になっています。光があたると虹色に光り、
保護色になります。見るからに容姿端麗で上品さが感じられます。
■ Kiss をするキス?
可愛らしい小さな口が、キスをする様に見えることよりキスと呼ばれているので
しょうか?いいえ、口付けの kiss とは何の関係もありません。
キスという名前の由来は定かでなく、色々な説があるようです。日本各地の海岸で
見られることより「岸(きし)」から変化したという説。キスの淡白な味わいを表し
て「潔い(いさぎよい)」から転訛したという説。性質が素直で飾り気のないという
意味の言葉「生直(きす)」が語源となった説。散らばってもすぐに一つの群れに戻る
ことより「帰す(きす)」が語源となった説。などなどこれだけの諸説があるのは、
それだけ各地で姿が見られ馴染みがあったからではないでしょうか。
また、地方名として現代使われている「キスゴ」が本来の呼び名で、魚を表す「ゴ」
がとれて「キス」になったとも言われています。
■ キスを食べる
シロギスは淡い体色から想像できるように、淡白な味わいのする白身魚です。
脂肪が少なく柔らかな白身は 1 年通して味が良いですが、特に産卵期にはあっさり
とした中にもほんのり脂が感じられます。
丸のままより開いて頭をとった状態で売られているのが、スーパーなどの店頭では
よく見られます。生だけでなく冷凍でも多く流通しており、後は揚げる状態までに
加工した冷凍食品もよく売られています。
身にくせがなく、塩焼きや一夜干し、天ぷら、フライ、吸い物の具、マリネなど
多様な料理法に合い、味付けもアレンジがききます。新鮮であれば、ぜひ刺身で
頂きたいものです。少し手間を加えて焼き霜造りや昆布締めにすると、より繊細
な味わいを楽しむことができます。骨は揚げて骨せんべいにすると、ちょっとした
お酒のアテにぴったりです。
■ おいしいレシピ
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● キスのピカタ
開きを使ってお手軽なピカタを作りました。溶き卵に青ノリやゆかりを混ぜると
和風に、すりおろしニンニクやカレー粉、パセリを加えると洋風にアレンジでき
ます。
料理写真
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/disp_recipe.asp?id=334
【材料(2 人分)】
キスの開き・・・4 枚
塩・胡椒・・・適量
小麦粉…適量
卵…1 個
パルメザンチーズ…大さじ 1 杯
オリーブオイル・・適量
付合せ用野菜・・・適宜(今回はルッコラ、プチトマトを使用)
【作り方】
①キスの開きに塩・胡椒を振りかけ、置いておく。
②卵を溶き、パルメザンチーズを入れて混ぜる。
③①に小麦粉を薄くまぶし、②にくぐらせる。
④オリーブオイルを熱したフライパンで両面焼く。
⑤焼き上がれば、付け合せ野菜と一緒に盛り付けて完成。
■旬の魚のバックナンバーはこちらから
http://www.uoichi.co.jp/uoichi_info/main_bknum_fish.asp
参考:現代おさかな事典 (株)エヌ・ティー・エス
食材魚貝大百科 (株)平凡社
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