健全な職場運営と会議の生産性(現場リーダー向け)

品川区私立保育園連合会
主催
講義
平成27年度 中堅職員研修会
健全な職場と効率的な会議の進め方
平成27年7月17日(金)
14:00~16:00(120分)
福祉マネジメントラボ
代表 大坪 信喜
〒238-0021
神奈川県横須賀市富士見町3-77
info@fukushi-mng.jp
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1.社会福祉援助技術と組織管理
●色々な人間が色々な障害を持っているが、その利用者の良い面、場合に
よっては悪い面も積極的に受け入れてその利用者を肯定すること。
決して利用者に対して審判的態度を取ってはいけない、というのが
社会福祉援助技術の基本理念である。
しかしながら、
●そうした社会福祉援助技術の考え方が職員同士にも当てはめられ始める
と、職員の様々な価値観や思いを野放しにすることになり、本来、施設
の使命である利用者本位のサービスを効率良く提供するという目標が軽
視されてしまう。
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2.4つの組織風土
秩
有
序
②権威主義的組織
(
①理想的な組織
威圧的・トップダウンのみ
良
トップダウンとボトムアップ
い
がかみ合っている
権力を振りかざし威圧的な
悪
態度を取る
い
スタッフの声に耳を傾け、
都合の良い情報しか入って
の
スタッフからも慕われている
来ない
ル
ー
④烏合の衆
ル
③仲良しグループ
単なる集団・組織的な仕事
が
物事を好き嫌いで判断
はできない
職
スタッフを好き嫌いで評価
●利用してもらえる仕組みを作る
場
仕事を他人任せにして、
で
派閥が出来やすい
場当たり的な仕事の仕方
共
有
)無
コミュニケーション(職場の風通し)
良
3
3.就業規則が職場のルール
(1)服務規律
・職員としてどのような心構えで働かなくてはならないか
・勤務時間中守らなくてはいけないこと
・身なり服装はどうあるべきか
(2)勤怠
・年間の公休は何日あるか
・有給休暇は年間何日支給されるか
・欠勤や遅刻、早退とはどのようなことを指すのか
(3)給与
・基本給、役職手当、扶養手当、資格手当、住居手当、
通勤手当等の諸手当の種類とその額、
・賞与支給基準
・退職金
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4.職場のコミュニケーションとは
(1)上からの下へのコミュニケーション
・指示命令(やらなければならないことを上が指示する)
・指揮統制(こうあるべきということを示し、守らせる)
・情報伝達(上が知っている情報を漏れなく伝える)
(2)下から上へのコミュニケーション
・ほうれんそう(結果の報告、途中経過の連絡、困った
時や迷った時の相談
・意見具申(このようにしたいが、問題ないか)
・提案(こうすればこのような効果が期待できるという
具体的な提案)
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4.職場のコミュニケーションとは
(3)横から横へのコミュニケーション
・連絡(利用者情報の共有など)
・意見交換(目的を達成するため相手の協力を引出す)
・情報交換(知っていることを伝える、知らないことを
教えてもらう)
(4)制度的なコミュニケーション
・朝礼・申し送り(1日の確認。利用者情報の共有など)
・会議・委員会(目的を達成するため英知を集める)
・日報・週報(1日や1週間の仕事の結果を共有する)
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5.職場のコミュニケーションを活性化するために
自 分 自 身 が
知っている
他
知
っ
て
い
る
A 開放された窓
知らない
B 盲目の窓
人
が
知
ら
な
い
C 隠された窓
D 未知の窓
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6.時間管理の重要性
時間はあなたの人生の貨幣である。
あなたが所有する唯一の貨幣であり
それをどう使うかを決められるのは
あなただけだ
カール・サンドバーグ
(詩人・作家・編集者)
人間だれでも平等に1日24時間与えられている
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6.時間管理の重要性
時間は動作の影
●無駄な動きを排除する
●一歩先を考えて行動する
●同時に2つのことを行なうようにする
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7.全国どこの保育所でも労働投下時間に大差はない
1週40時間×52週(年間)
=
2,080時間
(完全4週8休の場合)
100名定員の保育所の平均的な職員数
2,080時間 ×
30名
=
=
30名(保育士配置)
62,400時間
サービス品質の違いや経営品質の違いはどこから生まれるか
時間の活用の仕方に他ならない
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8.なぜ現場はいつも忙しいのか
緊
急大
性
緊急でかつ重要な仕事
緊急だが重要ではない
◎
△
緊急ではないが重要
緊急でも重要でもない
△
×
●利用してもらえる仕組みを作る
小
重要性
大
小
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9.会議にはどのくらいの費用が掛かっているでしょうか
○職員の平均年収(年間)
400万円
=
○職員の平均労働時間(年間)
=
2000時間
○職員の平均時給
400万円
÷
2000時間
=
2000円
職員が10人集まって2時間会議をした場合
2000円 × 10人 × 2時間 =40,000円
会議の成果が何もなければ4万円は無駄に浪費されます
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10.時間価値
大 いかに少ない投下時間・投下人数で目標を達成するか
①価値が大きな時間 ②価値ある時間
目
標
達
成
度
目的
>
時間
目的
=
時間
④価値が無い時間
③価値が小さい時間
●利用してもらえる仕組みを作る
目的と無関係に消費された
目的 < 時間
時間
小
短
時
間
長
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11.チーム効率
1+1が必ず2になるか?
ここにひとつの実験があります。
3分間で紙の鎖を作る実験です。
最初は一人ひとりでやってもらいました。
5人の人が平均で10個作れましたので50個の紙の
鎖ができたことになります。
今度は5人が集まって3分間で紙の鎖を作りました。
果たしていくつ作れたでしょうか?
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12.チームで何かを生み出す際の教訓
○何もしない(考えない)人が一人でもいてはいけない
○一人ひとりみんなが自分の役割を理解していないとい
けない
○全体を見て一人ひとりの力を引き出すような働きかけ
をする人(リーダー)がいないといけない
○チームの一人ひとりが目標(目的)を共有して集まら
なくてはいけない
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13.特別養護老人ホームで行った業務量調査
日勤全勤務者業務総合
3%
〇全日勤者が食事介助に
20%の時間を費やしている
6%
20%
4%
5%
6%
6%
12%
7%
12%
9%
食事介助
入浴介助
排泄介助
会議
洗濯
施設清掃
記録作成
フロア巡回
利用者受入れ
おやつ介助
居室清掃
その他
〇同じく入浴介助に12%の
時間を費やしている
〇また、排泄介助にも12%
の時間を費やしている
〇また、会議・申し送りに
は10%の時間を費やしてい
る
10%
1日の総労働投下時間:8時間 × 16人 = 128時間
1日の会議に要した時間:128時間 × 10% = 12.8時間 16
14.福祉施設で良く見かける会議の問題点
●そもそも会議の目的が明確になっていない。メンバー一人
ひとりが目的共有していない
●その会議に出席すべきか否かのメンバーの吟味がされてい
ない
●予定された時間に始らない、予定時間になっても終わらな
い
●議案がない。議事録も取られない。取られていても次回の
会議に活用されない
●報告連絡だけの会議。1対1の話合いになる。他のメン
バーはただメモを取っているだけ
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14.福祉施設で良く見かける会議の問題点
●現場の仕事を引きずって遅刻、途中退席、途中参加が多い
●司会進行が落としどころを持って臨んでいない
●決定されたことが周知されない
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15.会議(委員会)・打合せの種類
①情報伝達会議
連絡事項や報告を伝え
るだけ
一方通行・建設的な議
論にはならないもの
企画検討、業務改善等
朝礼
申し送り
職員会議
経営会議
②意思決定会議
双方向・建設的な議論
に発展しなければなら
ないもの
③意見調整会議
複数職種が集まって立
運営調整会議
場や利害を調整する
各種委員会
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16.なぜその会議は必要なのか(WHY)
●その会議は何のために開かれるのか理解しているか
●その会議は何かを決める会議なのか、単なる連絡事項を伝え
る場なのか、会議の目的を明確にしておく必要がある
(主催者)
●前回会議の議事録を読んで前回までの会議の流れを把握して
いるか
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17.その会議では何を決めるのか(WHAT)
●議案は事前に準備され、メンバーに周知されているか
●メンバーは議案に関係する現場の情報を集めて出席している
か
●その会議で決定するためのたたき台(資料)は準備されてい
るか
●単なる連絡事項の伝達なら集まらなくても良いのではないか
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18.その会議ではだれがメンバーなのか(WHO)
●安易に代理出席を認めていないか
●本当に必要なメンバーだけで構成されているか(何のために
座っているかわからないような人が含まれていないか)
●出席者数が多すぎないか(できるだけ全員を集めようとして
いないか)
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19.その会議はどこで開催されるのか(WHERE)
●集中できる場所か(子供たちがそばにいないか)
●現場から呼ばれてすぐに出ていけそうな場所か
●内線電話が入ったり館内放送が聞こえてくる場所ではないか
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20.その会議はいつ開催されるのか(WHEN)
●現場業務に支障を来さない時間帯か
●職員が疲れ切っている時間帯ではないか
●頻度が多すぎはしないか
●本当にその日に開催しなければいけないのか
●会議時間は2時間以上と長すぎではないか
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21.その会議はどのように運営されるのか(HOW)
●雑多な議案で構成されていないか
●議長(司会進行者)は会議の落としどころを持って臨んでい
るか
●遅刻、中抜け、途中出席を厳しく律しているか
●隣同士二人だけで話し始める人たちを注意しているか
●最後まで一言も発言しない人に発言を促しているか
●園長一人が話すだけで後は下を向いてメモしているだけに
なっていないか
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会議の運用
①議長が場を支配する
今日の会議の目的と目標を明示する
時間通りに開始する。時間通りに終了する
ルール違反を注意する
②議長は事前に落しどころをイメージ
結論を踏まえて全ての出席者から意見をもらう
多くの人の意見を聞いて自分が考えてきた結論に問
題がないかを探っていく
自分が考えてきた結論に固執しない
関係部署の全体最適を考えた結論に導くこと
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会議の運用
③遅刻・途中退席・電話取次厳禁
皆が議論に集中できるよう環境整備に気を遣う
④時間を見ながら議案を進める
2時間で必ず結論を出す
この場で結論が出ない議論に時間をかけない
場合によってはメンバーへの宿題にする
⑤次の会議に連続性を持たせる
議事録を1週間以内に提出させる
議事録の点検を行う。議事録を踏まえて次回の議案
を作成する
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22.会議をしていて困る人(ルール違反)
●隣同士で話し出す人たち
周りの迷惑、議論に集中できない
●話が長い(要領を得ない)人
いつまで聞いていればいいのかわからない
●何も発言しない人
出席している意味がない
●終わりの方になって議論を根底から覆す人
すでに決まったことを根底からひっくり返し、積み上げて
きた合意がパーになる
●会議が終わった後にあれこれ言う人
会議で合意した後で終わってから色々言う。当然、結論を
自分の部署のスタッフに伝える事もない
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23.会議の質を上げる振り返りアンケート
●会議参加への当事者意識を向上させる
●発言できない、しない人がどんなことを考えているかを
把握する
●議長(司会進行役)の反省材料とする
●会議がより活性化するようなアイデアを募る
●不要なメンバーか否かの参考にする
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24.マネジメントサイクル
Action
(調整)
問題点を改善して
次の会議につなげる
会議のあり方を見直す
メンバーを見直す
Plan
(計画)
目的を明確にして
5W1Hで会議を
企画する
Do
(実施)
目的通りに会議を
回す
参加者は自分の
役割を果たす
Check
(評価分析)
会議は目的通り
進行できたか
結論は出たか
議事録の作成・振返りンケート
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