って意義と利益を期待できる国内外の民間企業をは ポーランド大使館 じめ、さまざまな形態の企業および団体の参加が見 込まれます。つまり、交通輸送セクターはもちろん 欧州サッカー連盟ユーロ2012と その後を見据えたポーランドにおける インフラの近代化と開発 のこと、インフラの近代化に活用できるノウハウ、 技術、設備を提供することのできる日本企業にとっ ても大規模投資のビッグチャンスとなります。 2007年4月18日、欧州サッカー連盟(UEFA)実 行委員会は、ポーランドがウクライナと共同で「欧 州サッカー連盟ユーロ(欧州選手権)2012」を主催 することを決定しました。ユーロ2012の開催は、ポ ーランドにとって近年まれにみる大事業のひとつと なるばかりか、ポーランドにおけるインフラ開発に とって大きな刺激となるものです。また、今後数年 間のポーランド経済にとって有益な牽引力となるこ とが期待されています。 ◎2012年までに見込まれる 主要な近代化プロジェクト ①3つの新スタジアム建設、既存3スタジアムの増 築整備 ②900kmにわたる道路および2000kmにわたる高速 道路の建設・整備 ③1600kmにわたる鉄道の整備および約13駅の建設お よび改築 ④新空港(モドリン)の建設、少なくとも3つの空 ユーロ2012開催期間中、各国から集まるサポータ 港に新ターミナルを建設(ヴロツワフ、ジェシュ ーたちに快適な交通輸送サービスを提供するため、 フ、グダンスク、ポズナニ) ポーランドは道路、鉄道、空港をはじめ、ホテル、 さらにポーランドは16のトレーニングセンターに スタジアムに至るまで大規模な近代化を推進するプ 関するプロポーザルの提出をUEFAに義務づけられ ロジェクトへの挑戦を目前にしています。 ており、それらのトレーニングセンターを2010年6 一連の準備プロジェクトの実現には、投資に当た 月までに完成させなければなりません。 図1 道路インフラの整備状況・計画 一般道 高速道路 既存 2004∼2006年に実現化 グダンスク 2007∼2013年に実現化 2014∼2020年に実現化 2007∼2013年に、コンセッ ションまたはPPPにより 実現化 2007∼2013年実現化に向け 土地等確保予定 シフィエツコ ポズナニ ウッチ ワルシャワ ヴロツワフ カトヴィツェ イェンジホヴィツェ ゴジチキ クラクフ 2008.9 1 図2 鉄道インフラの整備状況・計画 2006年までの予算から近代化を進める 路線 グダンスク 2007年から2013年までの予算から近代化 を進める路線(優先路線) 2007年から2013年までの予算から近代化 を進める路線(非優先路線) 2013年以降の予算から近代化を進める路線 2013年以降の予算から敷設を進める路線 ポズナニ ワルシャワ ウッチ ヴロツワフ カトヴィツェ クラクフ サポーターたちが安全かつ迅速に開催地間を移動 る予定です。道路網の完成により、東西南北が効果 できるように、試合の開催地となる各都市は、増加 的に結ばれ、ポーランドは欧州における地理的利点 する交通量に対応できる道路および高速道路網で結 を存分に活かすことができるようになるでしょう。 ばれなければなりません。したがって、ポーランド ポーランドにおける道路、高速道路の開発は、国道 政府が2012年までに最優先するのは、以下3つの幹 高速道路局の監督のもと行われています。 線道路の建設です。 鉄道インフラに関しては、2012年までに800kmに ①A1幹線道路:グダンスクからカトヴィツェを抜 及ぶ鉄道路線を時速160kmから200kmに適合するよ け、ゴジチキのチェコ・ポーランド国境までを う近代化を進めます。これにより、ユーロ2012のサ 結ぶ。 ポーターたちが迅速に開催地間を移動できるのはも ②A2幹線道路:シフィエツコのドイツ・ポーランド ちろんですが、鉄道の近代化は当然ながら、ユーロ 国境からポズナニを抜け、ワルシャワまでを結ぶ。 2012のためだけに行われるものではありません。近 ③A4幹線道路:イェンジホヴィツェのドイツ・ポー 代化された鉄道は、今後長期にわたり、ポーランド ランド国境ターミナルからヴロツワフ、クラクフ 人をはじめポーランドを訪れる外国の人々の足とし を通り、ポーランド・ウクライナ国境までを結ぶ。 て大いに利用されるでしょう。 ③のA4幹線道路は、共同開催国として試合が繰り また、超高速鉄道の開発が、大きく2段階に分け 広げられるウクライナへの交通の便をよくする意図 て進められます。第1段階は、ワルシャワからポー があります。ポーランド政府はまた、国境に通じる ランド南部の都市であるクラクフ、カトヴィツェを 各道路の整備と2000kmに及ぶ高速道路の建設を計画 結ぶ既存ラインを超高速化することです。第2段階 しています。 は、ポズナニおよびヴロツワフからウッチを通りワ 2020年までに道路インフラは格段に整備され、ポ ルシャワを結ぶラインの敷設です。ポーランドはこ ーランド全土が幹線道路・高速道路網でカバーされ れらの路線に時速300kmから350km(最高速度)で 2008.9 2 走行可能な技術を投入したいと考えています。完成 のうちの3分の2がEU基金から、残る200億ユーロ 時期は、現実的にみて2020年ごろと見込まれます。 が国家予算で賄われる予定です。 ポーランドにおける鉄道近代化事業は、ポーラン 詳細に関しては、駐日ポーランド共和国大使館経 ド鉄道株式会社(株式は100%国庫が保有)の監督の 済部(TEL:03-5794-7020、E-mail:ekonomia@ もと行われます。 poland.or.jp)へご連絡いただくか、下記ウェブサイ 空港に関しても大規模な開発が必要となります。 トでご確認ください。 2012年までにワルシャワから45kmの町モドリンに http://www.tokio.polemb.net/index.php は、6500万ユーロをかけて新空港が建設されます。 http://www.2012.org.pl/ 準決勝のひとつが開催されるグダンスクの空港は http://www.en.mi.gov.pl/ 2012年までに100万ユーロをかけて近代化され、開催 http://www.gddkia.gov.pl/index.php 期間中に見込まれる800万人の利用者への対応を可能 http://www.plk-sa.pl/en.html にします。ヴロツワフおよびポズナニの空港は比較 的小規模な増築整備によってそれぞれ300万人の対応 「ポーランド投資セミナー」開催のご案内 を可能にし、ポズナニ空港においては、滑走路を延 ポーランド情報・外国投資庁(PAIiIZ)のミッシ 長する予定もあります。さらに、ワルシャワ、クラ ョン来日に伴い、 「ポーランド投資セミナー」を開催 クフ、カトヴィツェにある3つの空港の近代化も企 します。ポーランドの投資環境、M&A、税制などに 画されています。 ついてプレゼンテーションが行われるほか、レセプ 建設ラッシュが続くポーランドで、忘れてはなら ションも予定しています。詳細、参加のお申し込み ないのがスタジアムの建設です。決勝前の最終調整 は、お問い合わせ先までご連絡ください。たくさん 地となるポズナニの既存スタジアムは、現在の収容 の皆さまのご参加をお待ちしております。 人数2万4000人を2倍にする必要があります。グダ 日時:9月26日(金)14:00∼17:30 ンスクとヴロツワフには新スタジアムが建設される 場所:国際協力銀行本店9階講堂 とともに、ホジュフおよびクラクフでは既存スタジ お問い合わせ:駐日ポーランド共和国大使館 貿 アムの近代化が図られます。 最も大がかりな建設工事となるのが、オープニン 易・投資促進部(TEL:03-5794-7050、Email:brhtokio@inter.net) グ・ゲームが開催されるワルシャワ国立スポーツセン ターの建設です。センター内にはスタジアムとは別 に、競泳プール、室内競技場に加え、オフィスビルと 高層のターミナル駅が建設されます。各開催地のスタ ジアムに対する投資に関しては各市が、ワルシャワ国 立スポーツセンターの建設に関してはポーランド共和 国スポーツ・観光省が監督機関となります。 個々のプロジェクトの財源は、事業の性質と監督 機関によって異なります。地方スタジアムの建設お よび近代化にかかる費用は、主に本大会の各開催都 市が負担し、3分の1を政府が負担します。鉄道の 近代化にかかわる事業は主として国家予算およびEU 基金から、また、幹線道路および交通量の多い道路 建設は官民協調のもとで、その他の道路は国家予算 で賄われます。 2007年から2013年にかけての国の開発計画では、 約700億ユーロが一連の建設投資に割り当てられ、こ 2008.9 3
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