〈知能エレクトロニクス工学科〉 演算時間が画素数に依存しない超高速画像 処理システムの開発 與那嶺 尚弘 (YONAMINE Takahiro) yonamine@sendai-nct.ac.jp 准教授 所属学会・協会 電子情報通信学会 キーワード ① Morphology 演算プロセッサ ②超高速画像処理システム ③組込みシステム 研究課題 ●Morphology を用いた画像処理アルゴリズムのハードウェア化 ●濃淡画像へのハードウェアアルゴリズムの改良 ●汎用高速バスコントローラの IP 化 ●携帯型組込み画像処理システムへの応用 研究シーズ ●Morphology 画像処理専用システムの開発 近年,汎用計算機の処理能力が高くなるにつれて,画像処理を必要とす る医療関係や航空・船舶関係などの分野では,画像の高画質化(画素数増 加)が進んでいる.それに伴い,画像から必要な情報を抽出する計算量が 急激に増加しており,汎用計算機を用いたシステムでは大量のメモリアクセ スやデータ通信の増加が高速演算を妨げる要因となり,CPU のマルチプロ セッサ化やグリッドコンピューティングなどへの関心が高まっている.しかし, 消費電力が増大する問題を抱えている.そこで画像処理専用プロセッサの 開発が必須であると考え,①ハードウェアアルゴリズムの考案,②画像処理 専用プロセッサの設計,③汎用高速バスコントローラの実装,④画像処理シ ステム全体の消費電力の低減,⑤携帯型の組込みシステムへの実装,など を検討している.本研究では Morphologyと呼ばれる手法を画像処理へ適応 させ,そのハードウェアアルゴリズムを考案した(図1).提案したハードウェア アルゴリズムでは画像処理に要する時間は処理対象画像の画素数に依存 しないため,高画質の画像に対しても高速な処理が可能となる.現在,画像 処理プロセッサと PCI バスコントローラを FPGA 上に実装し,安価な汎用計 算機と組み合わせることで,超高速・低消費電力の画像処理システムの一 部の機能は完成している(図2).今後,画像処理システムとしての機能拡張 や処理の高速化,画素数増加などが課題である. 参考文献 1.與那嶺,加藤,鹿股:“処理対象図形の画素数に依存しない Morphology 画像処理プロセッサの提案”,C4-2,第 22 回信号処理シンポジウム 2.丹野,與那嶺,鹿股:“高速度・高密度化を目指した Morphology 濃淡画 像処理プロセッサの設計”,平成 17 年度電気関連東北支部大会,p.327 提供可能な技術 ●ハードウェア記述言語によるディジタル回路設計 ●プログラマブル LSI によるディジタル回路の開発 ●マイコンによる小規模な組込み機器の開発 図 1 画素と機能セルとの対応 図 2 画像処理ボードの概略
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