鳥海研究室 (先端デバイス材料工学) 教授 :鳥海 明 toriumi@material.t.u-tokyo.ac.jp 内線 27120 助教:矢嶋 赳彬 yajima@adam.t.u-tokyo.ac.jp 内線 27161 URL : http://www.adam.t.u-tokyo.ac.jp/top.html 次世代半導体デバイスの創出には,新しいマテリアルのデザインと, それを使いこなす技術と知見が求められている。 IT社会の急速な発展は半導体集積回路の高集積化に支えられています。これはMOSFETを始めとする各素 子の微細化によって達成されてきました。しかしながら,既に数々の物理的な限界が指摘され,それを克服す るため,新しいマテリアルが次々と導入されてきています.電気系ではなくマテリアル工学専攻でのデバイス 研究の重要性がここにあります!当研究室では,高機能な次世代電子デバイスを実現すべく,新しいマテリア ルの物性理解や界面反応の制御に基づくマテリアルのデザインを目指した研究を行っています。例えば・・・ ● 高誘電率ゲート絶縁膜の材料設計 GeはSiよりも高い移動度を持つ優れた半導体ですが, ゲート絶縁膜の制御が難しいために使われてきませんでし た。当研究室では基礎物性解析に基づいたGeに適した新し い絶縁膜,界面形成技術の構築を目指しています。現在, Ge FETでは世界でトップのデバイス特性を報告しており, さらに高度化をめざしています。 2 Peak mobility (cm /Vs) 従来のSiO2 膜を新しい高誘電率絶縁膜(High-k膜)で代 替し『SiO2 換算で0.3nm以下相当』の超薄膜ゲート絶 縁膜の実証を目指しています。また新しい種類の強誘電 体薄膜の形成から,さらにそれを用いた機能デバイスへ の展開を試みています。さらに異種絶縁膜界面に形成さ れるダイポールの形成機構解明も展開しています。 ● Ge CMOSを目指した固相界面場制御 HfO2 SiO2 Si ダイポール + -- + -- 10 nm ▲超薄絶縁膜の界面に 形成されるダイポール ▲多元同時スパッタリング法 による酸化物超薄膜の成膜 ●遷移金属カルコゲナイドFET特性解明 MoS2 に代表される遷移金属カルコンゲナイド薄膜は, 原子レベル単層膜においてエネルギーギャップをもつ半 導体であり,将来のFET材料としてグラフェンとならん で期待されています。当研究室ではこの材料のキャリア 伝導メカニズムの解明とFET応用を目指しています。現 状でも極めて良好なFET特性を示しますが,まずは物性 の基礎的性質を明らかにすべく研究をすすめています。 2000 Ge(111) 表面 1m□ 当研究室 1500 1000 500 0 2004 2007 Year 2010 ▲Ge n-MOSFETの移動度 ▲Ge表面の原子レベル平坦化 ●酸化物薄膜中の電気伝導制御の研究 酸化物薄膜をチャネルとしたFETには、酸化物中の欠陥 を電気的に制御することによって、従来にはない新しい機 能を付加できる可能性があります。そこで導入する欠陥を 制御することによって、酸化物FETの伝導機構の解明と、 それを応用した電子デバイスへの応用を目指しています。 10-5 10-6 Id (A) 10-7 10 VDS=1 (V) -8 ▲単層MoS2膜に おけるnチャネル FET特性。 10-9 10-10 10-11 10-12 -30 -20 -10 0 Vg (V) 10 20 30 ▲パルスレーザー堆積 (PLD)によるVO2薄膜成長 (詳細は上記の研究室ウェブサイトを御覧下さい。研究室の見学には 随時対応 ▲PDA制御により世界最高 性能のTiO2FETの実証 しますので御連絡下さい。) マテリアル工学専攻へ進学を希望する君へのメッセージ 新しい時代のマテリアルを根底から考えていこうとしている君には大きなプライドを持ってほしい。い や、真のプライドを持てるように日々に流されずに努力してほしい。その際に君が使える武器は情熱 (パッション)と若さであろう。しかし僕たちも情熱では決して君に負けない。お互いに沸々と煮えたぎ る熱い情熱を武器にして、新しい時代のしなやかな基盤を作っていこうではないか。僕たちは君に大きな 期待をしている。 ( 鳥海 明 ) パッション 『 情熱を武器に,プライドを持て。』
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