6 岐阜 県農業技術セ ン ター研 究報告 第 8号 :6∼ 13(2008) イチ ゴの養液栽培 における許容 Na濃 度 に関す る研究 A study on the al10wable range Of sOdium cOncentratiOn in hydroponics Of strawberry 安 田雅晴 ・ 越 川兼 行 Masaharuヽち へSUDA and Kaneyuki KOSHIKANヽ 約 :養 液栽培 にお い て 、培養液 のNa濃 度 がイチ ゴに及 ぼす影 響 を検討 した。NaClを 添加 して2me/1、 4me/1の Na濃 度 と した培養液 で栽 培 した 結果 、生 育、収 量 に及 ぼす影 響 は なか つた。 しか し、Na濃 度 が 高 い ほ どイ チ ゴはNaを 吸収 要 し、低 いNa濃 度 で はNa含 量 が 増加 しな い 葉身 、果 実 にお い て も含 量 が 増加 す る こ とか ら、4mc′ ′ lを 超 え る濃度 で は 生 育 、収 量 が抑制 され る可能性 が示 唆 され た。 また 、使 用す る培養 液 処方 に よ り、イ チ ゴのNa吸 収 が増 減す る こ とか ら、 培 養 液 に高濃度 のNaが 含 まれ る場 合 は 、使 用 す る培 養液 処 方 を選 択 す る こ とに よ り、Naに よる影響 を少 な くす る こ と が可 能 と考 え られ た。 キー ワー ド iイ チ ゴ、養 液 栽 培 、ナ トリウム 、培 養液 緒 言 ゴ イチ の養液栽培は、的確 な培養液管理 を行 うことに 使 用 す る岐 阜 3段 処 方 で 、使 用 した 原 水 の Na濃 度 は 約 0 3me/1で あ っ た (表 1)。 よ り安定生産、多収生産が可能 となることか ら、広 く普 品 種 は 「濃 姫 Jを 供 試 し、高 設栽 培 シ ス テ ム 「岐 阜 及 しつつ ある。 しか し、原水 に不用成分 が 多 く含 まれ る 地域では、的確 な培養液管理が困難 となることか ら、普 県方 式 」 で栽 培 した。 2002年 8月 14日 に定植 し、2003年 5月 30日 まで 栽培 した 給 液 開始 は 9月 24日 、保 温 開 始 及が進んで いない。特に、イチ ゴは耐塩性 の弱 い作物 と は 10月 20日 、加 温 開始 は 11月 10日 、電 照期 間 は 11月 15日 して知 られ てお り、原水 に含まれ る Na濃 度 に 留意す る か ら 2月 28日 と した。 9月 24日 か ら10月 20日 までは全 て 必 要 があ る。 一 般的 に養液栽培 では、30∼ 40ppmが Na の試 験 区でNaClを 添加 してい な い培養 液 を給液 し、 10月 イチ ゴの Naの 限界濃度 21日 以後 、各試 験 区で設 定 した培 養 液 を給液 した。 給 lrt の上 限濃度 とされ て い るが 1)、 につい ては栽培法等によ り原水 の使用量 が異なるため、 回数 は 、 給 液 量 が 晴 天 時 に 2割 程 度 の 排 液 率 とな る よ 明確 に決まっていない。岐阜県 におけるイチ ゴ産地の一 う、 4∼ 8回 /日 の 範 囲 で lll液 感 知 型 給 液 ポ ンプ制 御 と 地域 である西市濃地域 は 、海抜 O nl地 帯 で、原水 に Na した 。標 準 区 の給 液 ECは 、 9月 24日 か ら10月 21日 まで が 50pp■ (2 2me/1)程 度含 まれ てお り、養 llk栽 培導入 の 0 4dS/mか ら0 8dS/mま で経 時 的 に 高 く し、 10月 21日 か ら 障害 となつている。 12月 そ こで、高設栽培 シ ステ ム 「岐阜県方式」いにおいて イチ ゴの Na許 容濃度 を検討 したの で報告す る。 3月 か ら 5月 は0 6dS/mで 管理 した。 Na2me区 は 、標 準 区 に比 べ 、添加 したNaClに 相 当す る約 0 2dS/m高 く管 理 し までは0 8dS/mで 、1月 か ら 2月 ま で は0 7dS/mで 、 た。 Na4me区 は約 0 4dS/m高 く管理 した。 試験 1 調 査項 日は 、給 排液 及 び培 地 内溶 液 のNa濃 度 、イチ ゴ 培養液中の Na濃 度がイチゴに与える影響 各 部位 のNa、 K、 質 と した。 Na、 [目 的] 養 液 栽培 にお い て、培 養 液 にNaClを 添加 す る こ とに よ り、生 育及 び収 量 に影響 を及 ぼすNa濃 度 を明 ら力ヽこす る。 [材 料 及 び方法 ] 試 験 区は 、培 養 液 にNaClを 添カロしない標 準 区、培養液 にNa濃 度 が2me/1と な る よ うにNaClを 添加 したNa2me区 、 培 養 液 にNa濃 度 が 4me/1と な る よ うに ヽaClを 添加 した Na4me区 の 3水 準 と した。 供 試 した 培養 液 処 方 は 、イ チ ゴの 養 分 吸 収 特 性 に合 わせ て 栽 培 時 期 に よ り 3処 方 を Ca及 びMg含 量 、生 育 K、 収 量及 び 果 実 品 Ca及 びⅥg含 量は 、採 取 した各 部位 を 通風 乾燥 し、 希 酸抽 出法 に よ り抽 出後 、原 子 吸光光 度 計 に よ り測 定 した。 表1 120 55 45 65 35 1∼ 2月 120 50 48 37 25 3∼ 5月 120 40 45 20 15 02 水 合ヽ E︶u ”〓 9∼ 12月 原 ― 岐阜 3段 処方 と原水の組成 √ -1 00 P ^― ^― A― ヽ ¬ 一 [結 果及 び考 察 ] ヽ ゝ ぼ 司じで あ った。 Na2me区 の 給 液 Na濃 度 は 18∼ 2 2me/1 で 、 ほ ぼ 設 定 濃 度 で 推 移 した が 、 Na4me区 は 32∼ 図 1 ヽ ヽ ヽ ヽ Nヽn , 標 準 区の 給液Na濃 度 は 、約 0 3me/1で 、原 水 の 濃度 とほ 給 液の Na濃 度 の 推移 4 3me/1で 変動 が 大 き く、特 に 1月 か ら 3月 に設 定濃 度 よ り低 く推 移 した (図 1)。 排液Na濃 度 は、 10月 21日 以降 の平均 で標 準区が 1 3me/1、 Na2me区 が 5 9me/1、 Na4me区 が 10 6me/1で 、3試 験 区 とも 給 液 濃 度 よ り高 か った 。標 準 区 の IIl液 ヽa温 度 │ま 1 3mcr′ 1 培 地 内溶液 のNa濃 度 は 、排 液濃度 に比 べ 12月 5日 以 降 全ヽ E︶= =遇 i一 定 で あ ったが 、ヽ a2me区 は 4∼ 8 me,1、 ヽa4me区 ヽ 16mt lと 、排 llk率 の影響で大 き く変動 した (図 2)。 liア ヒほ の 平均値 で大差 なか つたが 、Na2me区 は3月 中旬 までや や 上 昇 、以 後 下 降す る傾 向が あ り、Na4me区 では 1月 上旬 まで上昇 、以後 下降す る傾 向が あ つた (図 3)。 NヽN , 図2 ま で緩 や か に 9 ng/100gDWま で増 え 、 3月 6日 か ら 4月 一Nヽ一 収 穫 期 間 を通 して 一 定 で あ った。 Na2me区 は 、 3月 上 旬 でNヽ ●一 晨 ヽ一一 守Nヽ〇一 果 実 に お け るNa含 量 は 、標 準 区 が 2ng/100gDW程 度 で 排液の Na濃 度 の 推移 2日 の 間 に67mg/100gDWま で急激 に増 加 した。 Na4me区 で は 、 2月 3日 まで 15ng/100gDW程 度 で あ った が 、 2月 3 日以 後 は 経 H寺 的 に 増 え 、 5月 14日 に は 134mg/100gDWで あ つた (図 4)。 ヽa2me区 及 びNa4me区 でNa含 量が増加 し 期 と近 い こ とか ら、 この時 期 に、イ チ ゴのNa吸 収 が大 き くな つた と考 え られ た。 O Na2m● ― Na輌 o ︵ くoE︶“ 嗜 E 始 め た時 期 は 、培 地 内溶液 のヽa濃 度 が 低 くな り始 めた 1寺 美 標準 栽培 終 了後 の 5月 31日 に採 取 した各 部位 (根 、 クラ ウ ン 、葉柄 、葉 身 、果 梗 )全 て にお い てNa含 量 は 、 Na4me 区 >Na2me区 >標 準 区 の順 に 多 か つた 。 標 準 区 のNa含 量 は 、根 が 130mg/100gDWで 最 も多 く、 次 いで クラ ウン 、葉 柄 の順 で 、葉身 、果 梗 は4mg/100gDWで 最 も少 なか った。 S S S S S S 図 3 培地内溶液のNa温 度の推移 果 実 のNa含 量 は 図 4よ り 2 ng/100gDWで あ り、 最 もNa含 量 が少 な い 部位 で あ った。 Na2me区 及 びNa4mo区 は 、 クラ 物体 各 部位 のK含 量 は 、根 及 び クラ ウンで標 準 区 >Na2me ウ ンが 最 (,Na含 量が 多 く、次 い で 、葉 III、 根 、果 梗 の順 区 >Na4me区 の順 に多 く、NaCl添 カロに よるK含 量 の 減 少傾 で 、葉身 は果 実 よ りも少 なか った。 Na4me区 は、Na2me区 向 が 認 め られ た。 葉柄 では 、標 準 区 が 最 もK含 量 多 か つ に比 べ 、葉柄 のNa含 量 が ク ラ ウン と同程度 に多 い 特 徴 が たが 、Na2me区 とNa4me区 では 大差 なか つた。 葉身 及 び 果 あ つた (図 5)。 梗 で は試 験 区間 に 一 定 の 傾 向 は な か つた 。 Ca含 量 は 、 果 実 にお け るK含 量、Ca含 量及 びMg含 量 は 、NaCl添 加 NaCl添 加 に よ る一 定 の傾 向 はな か った。 Mg含 量 は 、根 、 に よる一 定 の 傾 向 は な か った (図 6)。 収 穫終 了時 の植 クラ ウ ン及 び 葉 柄 でNaClを 添加 した 区 が 標 準 区 よ り多 8 か つ た。 N82me区 とNa4me区 の 比 較 で は 、根 でNa2me区 が 150 よ り優 れ 、3月 19日 調 査 でNa4me区 が 優 れ 、 5月 27日 の 調 0 に、NaCl添加 による一定の傾 向は認 め られなかった (表 2)。 0 査 ではNa2me区 が 劣 る傾 向で あ つたが 、各調査 日と も 0 生 育 は 、 12月 11日 調 査 でNa2me区 の 生 育 が他 の試 験 区 ︵ 〓 0“9o一 ヽ“E︼﹃鏑盲 Z 験 区間 に一定 の傾 向は な か っ た (図 7)。 0 多 く、葉柄 でNa4me区 が 多 か っ た。 葉 身及 び 果 梗 で は試 総 可販 収 量 は試 験 区間 で大 差 な か ったが 、 3L収 量 、2L 収 量 は標 準 区 が最 も少 なか った (表 3)。 総 平 均 果 重 は 、 標 準 区 で 192g/個 、 、 Na2me区 で 月 に 平均呆 重が増 大す る傾 向 が あ った。 Na2me区 とNa4me 区 の 比較 で は時 期別 で も大差 なか っ た (図 8)。 呆 実糖 度 は 、 収 穫 始 め か ら 1月 下 旬 ま で 標 準 区 が 高 く、 2月 以 降4月 まで はNaCl添 加 区が や や 高 い 傾 向で あ っ ︵ 〓Q 8 くり じ 劇 伽2 度 重 か った。 標 準 区は 、Na2me区 とNa4me区 に比 べ 2∼ 3 ¨ 仙 知 180g/個 、Na4me区 で 181g/個 で あ り、標 準 区が lg/個 程 た 。 特 にNa2me区 が 高 く推 移 した (図 9)。 酸 度 は試 験 区に よる一 定の傾 向は認 め られ なか つた (図 10)。 以 上 よ り、 培 養 液 中 の Na濃 度 を高 め る こ とに よ り、 根 イ チ ゴはNaを 吸収 し、K及 びMgの 吸収 量 が減 少 す るが 、 4me/1ま で のNa濃 度 で あれ ば 、生 育及 び収 量 へ の影 響 は 図 5 クラウン 葉柄 栽培 終 了時 の 各部 位 の Na含 量 少 な く、養 ftt栽 培 は 可能 で あ る と考 え られ た。 “ ∞ m 500 今ら ■8 t螢じ ] 輌 ¨〓 S8 一 ヽこ 囀● 8 ヽ こ ■ Ⅲ 知 口 D ” , , : 0 S S S S 図6 果実における K、 Ca、 ξ Mg含 量の推移 0■、8 一 ヽ こ ︼ ¨ ¨〓 師 輌 cき ど 9 ヽ E︶ ]“ 8 ■ 2¨ 劉 8 回 ヽ “ 輌 躙 枷 呻 獅 向 m a 彙輌 図7 栽培終 了時の各部位におけ る K、 Ca、 葉身 Mg含 量 iSミ 果梗 N一 ヽり ” Nヽマ 0ヽ0 一 果 実 の Na含 量 の 推移 〇一 ヽ0 図4 卜一 ヽN に3L収 量 で そ の傾 向 は顕 著 で あ った。 一 方 、 L収 量及 びM 卜N\一 NaCl添 加 に よ り大 玉果 実 が少 な くな る傾 向 が あ つた。 特 0ヽ一 0” ヽN一 収 量及 びA収 量 は 、標 準 区 >Na2me区 >Na4me区 で あ り、 表2 Cm 33 7 3/19 32 34 36 36 48 40 葉数 22 27 26 30 33 7 3 1 3 1 7 46 2 草丈 131 123 127 2 6 8 0 4 20 3 315 313 184 195 25 27 25 30 20 0 168 168 33 42 39 40 標 準 m m 2L L M 874 763 650 791 926 767 971 744 1068 S 2S 609 747 748 269 318 273 A 5 1 3 3 (kg/10a、 B 規 格 :3L:28g以 上 、2L:21∼ 28g、 L:15∼ 21g、 A:15g以 上 の 優 品 、B:10g以 上 の優 品 10 9 10 8 11 3 SPAD 7 0 7 3 50 2 49 1 7 2 50 6 6 6 7 7 7 7 43 43 42 40 40 39 7 5 3 3 4 5 1 1 3 9 5 6 果梗長 Cm 27 25 26 35 37 38 4 9 5 8 1 6 %) ´ ‥外 格 ' 計 42 2063 38 2008 65 1932 葉色 cm 89 95 88 88 88 95 7 4 3 7 30 1 表 3 規格別収量 3L 展開第 3葉 小葉長 小葉幅 cm 23 2 24 7 34 0 mm 24 a Nh 5/27 一 局 m 草 c 株張 m m mm 2 4準 2 4準 a a a N N標 ヽ N標 12/11 試験区 準 標 調査 日 生育調査 456 6030 675 6287 558 6038 ′果 病 ´` 4‐ 総収量 い― ン ツ■■¬ 秀品率 `● 370 413 445 M:10∼ 15g、 S:6∼ 10g、 42 6442 26 6726 68 6551 58 57 59 2S:4∼ 6g FF可 高戸瓦 司 / 8 S20 u・ ●・ ■ 疇 図8 試験 2 図9 旬 別 平均 果重 の 推移 NaClを 添加 した培 養 液処 方 の違 いが イ チ ゴ に与 え る影響 果実 精度 の 推移 / ヽ 図 10 果実 酸度 の 推 移 品 種 は 「濃 姫 」 を供 試 し、 高 ni栽 培 シ ス テ ム 「岐 阜 県方 式」 で栽 培 した。 2003年 8月 20日 に定植 し、 2003年 5月 30日 まで栽 培 した。 給液 開始 は 9月 25日 、保 温 開始 [目 的] は 10月 20日 、加 温 開始 は H月 10日 、電 照 期 間 は 11月 15日 養液 栽培 にお い て、Naを 多 く含 む原 水 を使 用 した場 合 か ら 2月 28日 と した。 給 液 回数 は 、給 液 量 が 晴 天 時 に 2 の 、使 用 す る培養 llkの Rlt方 の違 い がイチ ゴに与 え る影響 害1程 度 の 排 液 率 とな る よ う、 4∼ 11回 /日 の範 囲 で排 71t を明 らか にす る。 感 知 型 給 液 ポ ンプ 制 御 と した 。 カ ネ コ 区及 び [材 料 及 び方 法 ] 給液 E CIま 、9月 25日 か ら11月 5日 まで は0 4dS/mか ら 培 養液 処 方 は 、 カネ コイ テ ゴ処 方 と一 部 改 良 した 岐阜 3段 処 方 (改 )の 2処 方 を供試 した 3段 区 の 0 8dS/mま で経 時 的 に 高 く し、 11月 5日 か ら 1月 21日 ま 4)。 試 験 区 は、 では0 8dS/mで 、1月 21日 か ら 3月 まで は0 7dS/mで 、 4 各 処 方 の 培 養 flkに NaClを 添 加 しな い カ ネ コ 区及 び 3段 月 か ら 5月 は0 6dS/mで 管理 した。 カ ネ コNa区 及 び 3段 培 養液 のNa濃 度 が 約 4me/1と な る よ うにNaClを 添加 Na区 は 、 添加 したNaClに 相 当す る約 0 4dS/mを 、添加 し X、 (表 した カ ネ コNa区 、3段 Na区 の 4水 準 と した。 な い試 験 区 よ り高 く管理 した。 10 調 査 項 目は 、 給 排 llkの Na濃 度 、 イ チ ゴ各 部位 の Na含 量、生 台、収 量及 び果 実 品質 と した。 Na含 量 は 、採 取 し にお い て 、NaClを 添加 した試 験 区が 添加 しな い試 験 区 よ た 各 部位 を通風 乾燥 し、希 酸抽 出法 に よ り抽 出後 、原 子 り多 く、NaClを 添加 した試 験 区では 3段 Na区 >カ ネ コNa 区で あ った。 3段 Na区 は 、 カ ネ コNa区 に比 べ 、根 及 び ク 吸 光光度 計 に よ り行 つた。 ラ ウンで は 17倍 の含 量 で あ っ た が 、葉 柄 で は29倍 、葉 表4 身 では 39倍 、果梗 では 37倍 と地 上 部位 ほ どそ の 差 が 大 カ ネ コ イチ ゴ処 方 と 3段 処方 (改 )の 組 成 きか った 。 また、ヽaclを 添加 してい な い試験 区で も、葉 身 を除 い て 、3段 区 のNa含 量 は カネ コ 区の約 120 34 50 60 30 カネコイチゴ処方 岐 阜 9∼ 12月 3段 1∼ 2月 処方 3∼ 5月 120 55 120 49 120 39 36 44 49 65 33 17 35 15)。 13 J 。 ・・・・・ ・・・・ 全 ヽ こ 撻嘆聖 原 水 の影響 で 、規 定 され て い る処 方 と少 し異 な る w 。 カネコ ‐● カネコNa +3段 -3段 [結 果 及 び考察 ] Na 約 0 3me/1で は ぼ一 定 で あ っ た。 カネ コNa区 及 び 3段 Na区 の 給 液Na濃 度 は 、 11月 下旬 か ら 2月 まで と 5月 は設 定濃 度 の 4 0me/1 10/1 程 度 で推 移 した が 、 3月 と 4月 は設 定 l● よ り少 し低 い 、 は4 0me/1ま で 給 液 Na濃 度 が 経 時 的 に 高 くな っ たが 、 こ 3段 Na区 の 排 液 Na濃 度 は 、 10∼ 2 0me/1で 推 移 した。 カネ コNa区 及 び 3段 Na区 のlllttNa 11 1/1 2/1 3/1 4/1 給 液 の Na濃 度 の 推 移 ● カネコNa Na -3段 -3段 合ヽ こ 慨 瞑 遇 度 も低 く推 移 した (図 11)。 12/1 0カ ネコ れ は給 液 ECが 0 8dS/mlキ にNa濃 度 が 4 me/1と な る よ うに 設 計 したた めで あ り、給 液 ECが 低 い 生 育初期 は給 lltNa濃 11/1 図 3 4me/1程 度 で 推移 した。 試 験 開 始 時 よ り11月 下旬 ま で カ ネ コNa区 及 び 濃 度 は 1月 上旬 まで経 時 的 に約 10me/1ま で 高 ま り、以 後 は 8∼ 12me/1で 変 動 した。 3段 ヽa区 はカネ コNa区 よ り、 や や 高 く推移 す る 日が 多 か つた (図 12)。 果 実 にお け るNa含 量 は 、 カ ネ コ 区及 び 3段 区で 、約 10/1 2 mg/100gDWで 収 穫 期 間 を通 して ほ ぼ 一 定 で あ っ た 。 11/1 図 カ ネ コNa区 は 、1月 上 旬 の 30mg/100gDWま で経 時的 に 増 12/1 12 1/1 2/1 3/1 4/1 5/1 排 液 の Na濃 度 の 推 移 え 、以 後 は20∼ 30mg/100gDWで 推 移 した。 3段 Na区 は 、 4月 上 旬 の 140mg/100gDWま で 増 え、 以 後 は 減 少 し90∼ 量 で あ つた (図 13)。 3段 区 で 7∼ 12ng/100gDWで 推 移 し 試験 区間 の 差 は な か っ た。 カネ コNa区 及 び 3段 Na区 は、3 Fl上 旬 まで増 え るlll向 は 司じ ︵ 〓Q 8 くり← 劇 佃 2 100mg/100gDW程 度 で 、 カネ コNa区 に比 べ 3倍 以上 のNa含 果 梗 に お け るNa含 量 は 、 カ ネ コ 区及 び で あ つ た が 、3月 8日 採 取 の 果 梗 で は 、 カ ネ コNa区 が 99mg/1008DW、 (図 2 1 *カ ネ コイチ ゴ処 方 は 、 市販 配合 肥 料 を使 用 した た め 、 カ ネ コ 区及 び 3段 区 の 給 液 Na濃 度 は 2倍 と多 か っ た 3段 処 方は 、 カ ネ コ処 方 に比 べNaを 吸収 しや す い ∞一 ヽり 図 13 果実 のNa含 量 の推移 ∞一 \ヾ ∞一 \0 量 は 、根 、 クラ ウン、葉柄 、葉身 及 び 呆梗 の全 ての 部位 ∞一 ヽN 栽培 終 了後 の 6月 2日 に採 取 したイ チ ゴ各 部位 のNa含 ∞一 \一 カ ネ コNa区 の約 2倍 のNa含 量 で あった (図 14)。 ∞一 ヽN一 3 ilNa[二 が 194ng/100gDW■●、 3段 NalKは 11 0 m 5 0 m ︲ 5 処 方 で あ る と考 え られ た。 ゝ ← 劇 佃2 9 ■8 一 栽培 期 間 中、 H月 15日 、1月 14日 、 5月 27日 の 3回 生 育調 査 の行 っ た が 、2処 方 と もNaCl添 加 に よ る一 定 の傾 向は認 め られ な った (表 5)。 カネ コNa区 の 可販収量は、カネ コ区に比 べ 、 12月 、 3 月及び 5月 収量が少な く、1月 及び 4月 収量が 多 く、総 可販収量は約 3%少 なか った。3段 Na区 の 可販収量は、 3段 区に比 べ 、 3月 が 多 く、 4月 及び 5月 が少な く、総 可販収量は約 4%少 なか った。2処 方 ともにNaClを 添カロ した試 験 区がやや少ない傾 向であ ったが 、そ の時期別可 図 14 販収量 の傾 向は一致 しなかった (表 6)。 平均 果 重 は、 カ ネ コ 区が 161g/個 、 カ ネ コNa区 が 果梗 の Na含 量 の 推 移 159g/個 、 3段 区と 3段 Na区 が 156g/個 で 、試験 1で 認 1500 。 0 2 め られ たNaCl添 加によ る小果傾 向は認め られなか った。 果実酸度は、 2処 方 とも 3月 ま でヽaClを 添 」 oし たXが 低 い傾向が認め られたが、 4月 以 降は大差なかった (図 17)。 m m (図 16)。 以上 よ り、3段 処方はカネ コ処方に比 べ 、Naが 吸収 さ m 〓0ど 9 ゝE︶ ︵ 嘔 伽聖 果実精度 は、2処 方 ともNaClの 添加 による影響 は認 め られ なか った れやす い培養液処方 と考 えられ るが、生 育収量へ 及ぼす 影響は、カネ コ処方 と大差 な く、Na濃 度 が4me/1以 下で は実用上問題 な い と考え られた。 根 図 15 クラウン 葉柄 葉身 果梗 栽 培終 了時の 各部 位 の Na含 量 表 調査 日 1 1 株張 試験 区 1支 肇 14 4 28 9 38 6 15 1 25 7 7 5 12 9 17 4 30 3 37 8 44 2 25 9 40 6 11 8 24 1 29 7 43 7 カネ コN8 阜 1皮 40 4 25 1 42 3 451 436 表2 阜 835 918 ス fi「 981 79 81 時期別 可販 収 量 (単 位 _重 亜笙二 __12月 __1月 _ 2月 カネコNa 16 8 8 0 小葉幅 葉色 cm SPAD 64 502 65 498 6 7 49 7 - 68 511 962 779 3月 4月 1798 1656 1056J: 8"_1011_17望 Tめ 0_■ 9■ IIIi 1o41 lo15 た 「 857 J i■ 6 1695 1324 Iijσ 809 - - 49 7 29 5 8 8 11 1 6 4 7 2 50 6 38 4 29 8 37 6 11 0 7 0 39 7 30 4 354 35 2 収量 :kg/10a) 5月 1169 果梗 長 5 9 405 222 433 115 75 386 397 401 213 455 116 76 387 46 6 1+占 1皮 8 0 75 171 76 176 小葉長 cn 37 8 25 1 12 0 28 6 83 64 51 3 350 222 128 284 84 60 514 284 :ユ Na 940 展 開第 3葉 葉数 29 5 295 147 283 139 カネ コNa 岐阜 カネ コ 生 育調査 草丈 cm カ ネコ カネ コヽa 5 草高 5 年 内収 量 15月 収量 可販 収 量計 940(100%) 6364(100%) 7304(100%) __10メ び i百 聟り__Q?pi(p員 り_il∞ (pひ と i“ て そ , 981(107%) d6π 硫 5700( 95%) 6681( 96%) `ibbi, 6944tiも ' NNヽり NNヽマ 17 劇Nヽめ 総 合考察 イチ ゴは、耐塩 性 の弱 い 作物 と して知 られ て い るが 、 図 NN\劇 NN\一 NNヽN一 NNヽり NNヽマ NNヽ0 NNヽN NNヽ一 劇NヽN一 図 16 果実精度の推移 果実 酸度 の 推移 びMgの 吸収 を阻 害 してい るか は判 然 とせ ず 、更 に 高濃度 のNaで の 試 験 、塩 化 物 イ オ ンの 動 向把握 等 が 必 要 で あ る Na濃 度 が 2 me/1ま で は生 育及 び収 量 へ の影 響 は な く、 間 と考 え られ る。 題 の な い 濃 度 で あ る こ とが 明 らか とな つ た 。 ま た 、 4 や 収量 が減 少す るがそ の 程度 は数 %程 度 であ り、実栽 培 一 方 、試 験 2に お い て 、 カ ネ コ イ チ ゴ処 方 は 岐 阜 3 段 処方 に比 べ 、植 物 体 にお け るNaの 蓄積 を抑制 した。 岐 阜 3段 処 方 は 、イ チ ゴの養 分 吸収 特性 に合 わせ て栽 培 時 上 では 問題 な い と考 え られ た。 また 、果 実 の 大 き さ、果 期 に よ り 3処 方 を使 用す る処 方 で 、 カ ネ コイチ ゴ処方 に 実 品質 につ い て は試 験 1と 試 験 2で 傾 向 が 異 な った が 、 年 次変 動等 を考慮 す る と、影響 は殆 どな い と考 え られ た。 比 べ 、果 実 のヽa含 量 の増 加 で差 が 顕 暑 とな っ た 1月 下 旬 ― 以 降 の 処 方 は 、ヽを基 準 にす る と、Ca及 びЧgの rヒ 率 ■ ● 栽 培 終 了時 の 各 部位 のNa含 量 か ら、イ チ ゴはNaを 吸収 く、 Pの 比率 が 高 い 特 徴 が あ る。 この こ とか ら、 カ ネ コ し、根 か ら蓄積 を始 め 、吸収 量 の増 力日に伴 い 、 クラ ウン、 イ チ ゴ処方 は 、イ チ ゴに過 乗」 のCa、 Mgを 供給 す る処方 で me/1の Na濃 度 では 、試 験 1で は大 差 な く、試 験 2で はや 葉柄 、葉 身 (ま たは 、 ク ラ ウン、果梗 、果 実 )と Naが 順 あ り、Na濃 度 が 高 い 培養 液 の場 合 、過剰 に供 給 され るC. 次蓄積 され る こ とが わか っ た。 上位 の 部位 ほ どNa含 量 が とM8、 低 く、特 に葉身 にお け るNa含 量 が 少 な い こ と、 また 、培 Naと 拮抗 的 に 作用 し、Naの 吸収 を阻 害 してい る と考 え ら 養 液 中 のNa濃 度 を高 め る こ とに よ り、地 下部 よ り地 上 部 れ た。 にお い てNa含 量 の 増加 が 著 しい こ とか ら、イ チ ゴは地 下 部器 官 にNaを 蓄積 す る こ とで障害 の発 生 を抑 制 し、一 定 原 水 のNa濃 度 が 高 い地 域 、特 に 4 me/1を 越 え る濃度 の 地域 で イチ ゴの養 液栽 培 を行 う場 合 は 、イ チ ゴが必 要 と 量 の 蓄積 を超 え る と、地 上 部 でNaが 蓄積 し、障 害 が生 じ す る よ り多 くの 陽イ オ ン を供 給 す る培 養 液処 方 を使 用 す る と考 え られ た。 る こ とがイ チ ゴの 生 育、収 量 に及 ぼす 影 響 を少 な くす る 試験 1に お い て 、NaCl添 カロに よ りNa含 量 が 多 くな つた も しくは 、 そ の どち らか が 、 同 じ陽 イ オ ンで あ る こ とが可 能 で あ る と考 え られ る。 根 、 ク ラ ウン 、葉柄 の 各 部位 は 、K含 量及 びMg含 量 が 少 な くな っ た。 Naイ オ ンがKの 吸収 を阻 害す る こ とは よ く 知 られ てお り、 この 結 果 か らK含 量 及 び Mg含 量 の 減 少 が イ チ ゴのNa障 害 の一 要 因 と推 察 され るが 、李 ら"が トマ トの 水耕 栽 培 にお い てNaClを 添加 した培養 液 で無機 元素 引用 文献 1)池 田秀 男 (1996)最 新 養 lit栽 培 の 手引 き 日本施 設 園芸 協会 2)越 川 兼行 、長 谷 部健 ― ,安 田雅晴 ,後 藤 光 憲 (2000) の 吸収 を調 査 した報 告 で は 、NaClの 添加 に よ り、 トマ ト イ チ ゴの 高 設 ベ ンチ栽培 シス テ ム 1岐 阜 県方 式 Jの 葉 身 及 び 葉 柄 のK含 量 が少 な くな りNa含 量 が 高 くな っ た 開発 (第 1報 )岐 阜農 技研研 報 植 物 体 中 の塩 化 物 イ オ ン濃 度 の上 1 18 3)李 光値 ,喩 景権 ,松 井佳 久 (1992)培 養液 へ の塩化 ナ 昇 に よるKの 栄 養器 官 か ら果 実 へ の移 動促 進 に よ る もの トリウム または硫 酸ナ トリウムの添珈 が トマ トの無機 が 、K含 量 の 減 少 は で 、Na含 量 の 増加 はK含 量 の低 下 を補 うも の で あ っ た と して い る。 ま た 、Mg含 量 へ の 影 響 は な か っ た と して い 元素吸1又 と分配 に及ぼす影響 土肥誌 4)田 中啓文 ,岩 城 弥 生 (1991)ト マ 63 43644 トの幼植 物 に よる る。 作物 に よ りNaに 対す る反 応 が 違 ・ う た め、 一例 で は カ リウム とナ トリウム 取 り込 み の相 互 作用 あ るが 、 この こ とか ら、今 回 の試 験 にお い て 、Naが K及 農 学報 27 711 名城 大 13 ABSTRACT 4me/1 may restrain growih and yield of strawberry whilc IA/e invcstigated thc cmects oF On sodiun cOncentration of ,nutrient solution prescriptions had cFFcct On sodium nutricnt solution On stra、 vber″ by hydroponics grOwth and absOrptiOn of strawborり sO,if the watcr uscd fOr nutricnt yicld or strawberry hardly solutiOn is high sodium cOnccntration morc than 41ne/1,it 、 vcrc not innucncod by nutricnt solutions containing 2,4mc/1 sOdium ch10ridc is possible to dccrcase innucnccs or sodium by choosing but strawbcrry absOrbcd sodium sO as to high sOdium nutricnt sOlution prcscriptiOn conccntration,and nutricni sOlutiOns with sodium ch10ride incrcased solutiOli cOntCnt in blades or fruits,cOntaining sodium by nutrient solutions .vithout sodium ch10ride thcsc results suggested that sodium cOnccntration rr10rc than KEYWORDS Stra、 vbcrry,Hydroponics,Sodium,Nutriont Solution
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