損害防止サーキュラー No. 02-03 回転軸動機器に使われる海賊版部品 はじめに 世界中で多くの製造業者がいろいろな種類の非原型(海賊版)の機関や機械部品を提供しています。これらの部品は 本来の製造業者の仕様通りに作られているかも知れませんが、通常品質的にはは原型の部品と同様ではありません 。原材料や強度といった重要な特質が使用目的や条件に合わないことがあります。回転部品は特に破損が起きやす いのです。次に述べる事態は、船舶の予備部品を扱うには慎重でなければならないことを物語っています。実際に起 こった予備部品に関するトラブルの経験は、今年発行されるガード・ニュースの記事で更に詳しくお伝えします。 事故の経緯 ある冷蔵船が最近補機のひとつの破損を経験しました。求められる最大出力は、貨物の状況にもよりますが、この種 類の船舶ではしばしば臨界の出力です。この事件では、船は本来の航路を離れ損傷査定のため港に入ることを余儀 なくされました。また、貨物の適切な輸送温度を確実に維持するため、船はポータブル発電機を賃貸しなければなりま せんでした。 後に損傷査定の際、6番接続ロッドのボルトが割れてロッドがクランクシャフトから外れていたことがわかりました。ピス トン、ライナー、ベアリング、シリンダー・ブロック、ベッド・プレートも激しく損傷していました。破損の程度は相当なもので、 修理費は代替えの機関の費用に等しいと見積もられました。機関を修理する決断が下され、修理費に加えて、ポータ ブル発電機セットの使用料と本船の2週間の休航が発生しました。 破損の原因は、6番ユニットの接続ロッドの底のボルトが1本通常の運航状況で破損したらしく、働かなかったことだと わかりました。問題のボルトは乗組員が事故のたった15日前に解体修理した際取り付けたものでした。そのボルトに は刻印がなかったことが判明し、ボルトの製造業者によれば、これらのボルトには、上部に製造業者のロゴがスタンプ されてあるはずでした。 3本のボルト(破損したボルト、非原型のボルト、そして原型のボルト)が冶金学的分析のために船級協会に送られま した。この分析結果は、非原型の2本のボルトはメーカーが求める張力の必要条件と比較してオフスペックであり、強 度も相当劣ることをはっきり示しました。当然ながら材質分析の結果も、非原型のボルトの素材構成は原型のボルトの ものと異なっていたことを示しました。 For more information regarding the Gard loss prevention products, please contact: Vice President Harald Fotland, ph: +47 55 17 40 67 or email harald.fotland@gard.no , or Loss Prevention Manager Trygve C Nøkleby, ph.: +47 55 17 41 11 or email trygve.nokleby@gard.no. © Gard AS, April 2003 gardyourship 事故の教訓 この事故は、機関を解放修理する際製造者が承認する予備部品を使用していれば避けられた事故でした。機器製造 者や特許を受けた下請け業者から直接購入する予備部品は、市場に出回っている非原型の部品よりも高価でしょう。 しかし、製造業者承認の部品のほうが、特に重大な構成部品に用いられる場合は、使用期間や信頼性からも、また耐 用年数に至るまでに、破損してそれによって高額な損失を蒙る危険を大きく減らす意味からも、長い目で見れば有利で す。 予備部品の製造元や納入元は時にははっきりしない場合もあるでしょう。しかし、その場合はなおさら、その部品が適 切な品質であり、船級協会と製造業者の条件に一致したものであることを確認する責任が受取人にあります。 ターボ・チャージャーに非原型の部品を使用する危険に関する手引きとしては、ガード・サーヴィス損害防止サーキュラ ー01-01号、ターボ・チャージャーの破損もガード・サーヴィスのウェブサイトwww.gard.noでご参照ください。 For more information regarding the Gard loss prevention products, please contact: Vice President Harald Fotland, ph: +47 55 17 40 67 or email harald.fotland@gard.no , or Loss Prevention Manager Trygve C Nøkleby, ph.: +47 55 17 41 11 or email trygve.nokleby@gard.no. © Gard AS, April 2003 gardyourship
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