NHK名古屋ビデオクラブ

NHK名古屋ビデオクラブ 会報
2006年8月号
(8月4日発行)
発行責任:役員会
所在地 〒461-8725 NHK名古屋放送局事業部内
NHK名古屋ビデオクラブのホーム頁 http://ckvc.web.infoseek.co.jp
さ
さ
会長は坂 、副会長に赤塩
ん
ん
お 知 ら せ
クラブ役員の体制固まる
◆8月例会
寺田、水谷両氏の就任で6人体制
日時:8月20日(日) 13時半から
会場:NHKセンタービル901号室
内容:作品鑑賞会
NHK名古屋ビデオクラブ
の今期役員が最終的に
決まり、7月例会の冒
頭で発表された。
今期の役員については
4月のクラブ総会で4
名の役員(赤塩・神野
・中村・坂=いずれも
会長・坂 好治 役員・中村博美 前期からの留任)が決
まっていた。その後、
4役員の協議で「あと
2名は必要」と判断。
新たに寺田、水谷両会
員に就任を要請した結
果、両会員ともこれを
副会長・赤塩慧至 役員・寺田 哮 快諾、6名での構成が
固まった。
これに伴い、新役員会
は会長に坂役員、副会
長に赤塩役員を選任し
た。坂会長が全役員を
紹介したあと経緯を報
告、例会出席者はこれ
役員・神野久雄 役員・水谷義裕 を了承した。
新役員の顔ぶれ
・講師はNHK報道部・斎藤裕一デスク(予定)
・テーマは自由。作品は5分以内
・テープは必ず作品を頭だしして提出下さい
◆クラブ夏季懇親会
日時:8月例会日の例会終了後から
会場:NHKセンタービル地下2階
「さ嘉なや」
会費:4000円
申込:参加申し込みは8月例会当日に
例会会場で受け付けます
会費を添えてお申し込み下さい
懇親会には、NHK報道部、事業部からも関係者に
ご参加頂く予定です。
多数ご参加下さい。
◆9月例会予告
日時:9月17日(日)13時半から
会場:NHKセンタービル901号室
内容:作品鑑賞会
7月の例会
7月のクラブ例会は、16日午後1時半からNHKセンタービル90
1号室に会員27名が出席した開かれた。
冒頭、新役員会の構成が紹介・報告(本面・別項)されたあと中村
役員から①本年度のクラブコンテスト要項の概要(4面)②クラブ
夏季懇親会の開催(本面「お知らせ」
欄)などの連絡があった。また、「ミ
ニミニ映像大賞」事務局から提供され
新役員紹介の例会風景
た「映像の作り方」CDは、希望者多数
のため抽選で10名に配布された。
このあと作品鑑賞会に入り、この日の講師・NHK名古屋局報道部映像取材デス
ク斎藤裕一さんから出品作品12点の講評を受けた。講評後の総評で、斎藤講師
は撮影にのぞむ姿勢など、次の2点を指摘された。
◆撮影途中で一歩引いてみる◆
ふだんから指導している。
作品を見ると花とか鳥とか、皆さん熱心に撮って
いるのがわかる。しかし、自分が撮りたいものに
のめりこんでしまうと、往々にして周囲の状況が
見えなくなる。それを回避するためには、少し高
いところに上ってみる、あるいはしゃがんでみる
など、途中で一歩引いてみることが大事。そうす
ることによって、別な世界が見えてくる。
それによって撮影の中身が変わるし作品の奥行き
も深まる。このことは局の若手カメラマンにも、
◆画面の四隅を生かす工夫を◆
斎藤裕一講師
全般的に、自分が撮りたいものを画面の中央に置い
た構図が目立つが、それを少しずらしてみることも
必要ではないか。そうすることで残りの空間をどう
処理するか、と言う問題が出てくる。
そこで一工夫が必要になり、サイズやアングル、構
図を考えるようになる。これが映像の質を高めるこ
とになる。
◆ニュースの一報はNHKへ TEL052-952-7233◆
E-Mail scoop@tech.nagoya.nhk.or.jp
−1−
話題の映像は 「ほっとイブニング」へ
プロとアマの差は…
ズームやパンのワザ
作品鑑賞会で斎藤講師
映像の基本はフィックス
講評中の斎藤裕一講師
6月に続いて2度目の登板となっ
た斎藤裕一講師。6月例会の出席
者が少なかったこともあって、開
口一番「先月より出席者が少なか
ったらどうしようかと心配した」
と、冗談交じりに会場を和ませた
あと、講評が始まった。
今回も時おりホワイトボードに図
示しながら、構図など撮影につい
て丁寧な指導を受けた。
今回強調されたのは、「映像が上
手く見えるのはフィックス撮影。
この撮影法に関してはプロもアマ
もあまりウデの差は出ない。差が
出るのはズームやパンのスムーズ
さ」と指摘、「人にはそれぞれ楽
な身体の回転方向がある。その方
7月の鑑賞会作品 講評:斎藤 裕一講師
向へパンすると撮りやすい」とし
たうえで、身体の動かし方につい
て具体的に実演しながらの説明が
あった。
◆4−5回練習してから◆
また、パンやズームに際しては、
だらだらパンや稲妻(ガクガク)
ズームは避けるべきとしながら、
注意点として次の2点を指摘され
た。
①撮影現場でいきなりスタートす
るのではなく、頭と最後をキチン
と決めて4−5回練習してからス
イッチを押す。
②頭と最後は必ず10秒ほどのフ
ィックス撮影をする。
青色罫線内は斎藤講師が講評用紙に記入さ
れたもの。罫線外は関連講評要旨。
浜名湖花博 3:00 辻井 政治
※基本はフィックスと教えられた作品です
※雨の切り替えのカット、インサートショットを意識してください
三脚無しでのフィックス撮影は見事。だらだらとズームやパンが無いのも
良い。前半(晴天)から後半(雨)への切り替えにひと工夫あると言うこ
となし。
新緑の赤目四十八滝 1:30 田上 八郎
※撮影したいものを画面のどこにおくのか考えてください
※ファインダーの四角に気を配ってください
自分が撮りたいものを、画面の中央ではなく四隅のどこかに配置するこ
とで、雰囲気が変わる。画面内の余分なものは切り捨てるアングルやサ
イズも大事。
俺の夏祭り 4:10 寺田 哮
※同じようなサイズの編集はNGです
※人ものの企画や作品では、思い切ってアップに挑戦してください
編集は絵と音を切り離して扱える。ズーム撮影に失敗したな…という
場面は、音だけ活かしながらフィックス映像のカット変わりで見せる
手法もある。
掘川端わらべうた 2:47 水谷 義裕
※歌が入っているので、歌詞の切れ目で編集すると見やすくなります
※カットの長短でメリハリを
※リズムが大切です
作品の意図は判るが、カットが短すぎるため理解する前に次のカットへ
移っている。短いカットをつなぐ場合は、どこかで長めのカットを使っ
てホッとさせてほしい。
長谷寺 3:10 赤塩 慧至
※カメラ位置が数多く変化していて良く撮れている
※サイズの変化に気をつけてください
花を見ている人は、その表情のアップが欲しい。アップが撮れなければ
背後の姿の方がよい。アップがあると編集も楽になる。ハイアングル、
ローアングルなどカメラポジションの変化は今後もチャレンジを。
−2−
鑑賞会作品
講評:斎藤 裕一 講師
しょうぶが咲く頃 4:18 寺井 寿一
※大ロングで公園の大きさや花の数を見せることが必要です
※同じようなサイズの編集はNGです
※人物の方向性も注意してください
池のカモを見る子供のカット(中ロング)の次は子供のアップ。その次
はカメラが子供の目になるので、子供がいる方角からカモを狙うのが
常道。カットつなぎに使った頁めくりは効果が上がっていない。
NPO法人のPRビデオ(未完成) 4:00 坂 好治
※人の頭が切れているのが気になりました
※足の不自由な少女の足を強調する必要は無いのではと思います
登場する少女たちがどんな家に住んでいるのか、食事風景や洗濯物が
干してあるようす、その周囲で子供たちが遊んでいる…そんな生活観
が見える絵があると良いのではないか。
大地の塔 5:00 青山 富美男
※切り替えのカットを考えてください
※サイズにメリハリをつけましょう
万華鏡の絵はこういう撮り方しかないだろうと思う。全般的には、アッ
プはアップ、ロングはロングでキチンと見せた方がよい。きれいな映像
だったので尚更その点がもったいなかった。
腹話術発表公演の裏側 4:55 西川 嘉子
※場面転換を意識してください
※自分なりの構成を作ると撮影しやすくなります
控え室での練習風景、受付の様子、ステージでのリハーサルなど、
話があちこちに飛んで、全体像が見えてこない。撮影前に全体の流
れを把握しておくことが大事。
くじゃくさぼてんの開花 3:54 岩田 勝美
※ロングショットの犬の表情など上手くできた作品です
※ただ、サボテンの花なので、サボテンらしさを出せば更にいいと
思います
(花の開花をコマ撮りしたのは)機械さえセットすれば撮れるが、
前半は花、花、花の流れだったので、?と見ていた。途中で自身の
撮影風景や犬が出てきたりして全体像が見えホッとした。
立山 雪の大谷 5:00 山下 一郎
※撮影位置が制限されているときほどサイズを意識して撮りましょう
※欲張らないことも必要です
「欲張る」と言うことは、ひとつの画面の中に山があって、雲があっ
て、人がいて…そんなカットのこと。そんな絵があっても良いが、自
然を表現するには雲だけのカットとかがあってもいいのではないか。
鳥と遊ぶ 4:50 大谷 和子
※何を見せたいかをしっかり考えることが重要です
※この作品の場合、中ロングはあくまでツナギです
※もっとアップに挑戦しましょう
いろいろな鳥を見せる作品では、往々にしてアップから入るが、鳥の群
れのロングから入っているのは新鮮。羽を広げた孔雀の羽の裏側は見た
くない。鳥の名前の看板もいらない。
−3−
2006年度 クラブコンテスト作品募集要項
多数応募下さい
1.応募作品 一人1点
作品テーマ 自由(但し他の公募コンテスト入賞作品は除く)
作品時間 5分以内(5分以上の作品は失格とします)
使用テープ MiniDV S-VHS VHSのいずれかを使用
テープ録画 作品の前に10秒以上の黒または白の無録画部分を入れてください
カラーバーを使用するときは、この無録画部分の前に入れてください
これらの部分は作品時間に含みません
頭だし 応募テープは必ず無録画部分の頭だしをしておいてください
氏名明記 テープ及びケースには必ず氏名を明示してください
2.募集期間 11月19日(11月例会予定日)∼12月17日(12月例会予定日)
3.応募票 応募作品には応募票を添付してください
応募票は11月号会報に同封して郵送します
4.応募方法 次のいずれかの方法
A.11月または12月の例会日に持参して提出する
B.募集期間中に郵送で提出する
郵送先は11月号会報でお知らせします
5.審査 NHK名古屋放送局報道部の講師陣(三氏を予定)
6.発表 2007年3月例会席上
7.表彰 最優秀賞 1点
優秀賞 1点 ※左記の3賞はいずれもNHK名古屋放送局長表彰
佳作 数点
(佳作作品の点数は応募作品数に応じて締め切り後に
決定します)
努力賞 1点 NHK名古屋ビデオクラブ会長表彰
(努力賞の選考基準は下欄を参照下さい)
8.その他 ・ハイビジョンによる撮影・編集・録画の作品は審査段階では
4:3のスタンダード映像となりますので予めご了承下さい
・応募作品テープは2007年1月例会日に返却します
・3審査員による応募作品の講評一覧は結果発表会当日に配布します
努力賞の
選考基準
右の要件を
満たす作品
1.過去5年以内のクラブコンテストで入賞経験が無い人の作品
2.今回、惜しくも選に漏れた作品
3.今年度の例会出席回数、鑑賞会への出品回数をそれぞれ1点として計算した
ものにコンテスト審査での獲得点数を加えた点数を総点数とし、総点数が
最も高い人の作品
新入会員紹介
高室 宏継 さん
〒480-0103
丹羽郡扶桑町柏森平塚32-2
TEL 0587-93-3723
ビデオは30年ほど前からの
趣味とおっしゃるベテラン。
よろしくお願いします。
会員名簿訂正下さい
長谷川 亀一 さん
住所
(正)名古屋市中村区
則武2-19-8
名古屋アイリス二番館
701号室
−4−
ハイビジョン撮影ビデオカメラの講習会
SONYは今秋、ハイビジョン撮影ビデオカメラ
2機種(HDD記録とDVD記録)を発売する。こ
れに先駆け、DVD記録型カメラ(HDR-UX1、価
格は168,000円)の体験セミナーを開催する。
【日時】9月10日①10:30∼②13:00∼③15
:30∼の3回。各回90分【会場】NHK名古屋文
化センター【会費】1050円【講師】浜谷修三
氏【申込】0466-31-5121【定員】各回15名
NHK「おはよう日本」
7月24日、NHKアマビデオ事務局から一通のメールをい
ただきました。NHKの朝の番組「おはよう日本」で放送の
「とれたてマイビデオ」への投稿に関するものです。全文
を掲載してご案内しますので、CKVC会員の皆さんも奮って
投稿下さい。
とれたてマイビデオ
新企画!テーマ作品募集
8月は「夏休み」
【とれたてマイビデオ・新任のご挨拶】
とれたてマイビデオでは、全国の熱心な投稿家の皆様より 「おはよう日本」
NHK各局を通じて、多くの素材提供を戴き、感謝に耐え チーフプロデューサー 石田浩光
ません。 はじめまして。「とれたてマイビデオ」の新
開かれた放送局の名に沿うように、より、一層幅広い投稿
たな担当に加わりました石田です。
家が登場できるような雰囲気を作ろう、と、「おはよう日
私は、今から16年前にNHKに入り、最初はラジ
本」では、毎月、一定の「テーマ」を設定し、その狙いに
オ番組の制作、その後、首都圏のニュースや
沿った映像を募る形を取ってみる事にしました。
旅番組、そして大阪局、岡山局で働いてきま
詳細については、この6月から「おはよう日本」の「とれ
した。
たてマイビデオ」担当に就かれた石田浩光チーフプロデュ
「とれたてマイビデオ」は、地元に暮らす皆
ーサーより、以下のような「提議」が有りますので、ご紹
さんだからこそ撮影できる映像によって、身
介します。
こうした「テーマ立て募集」は、 近な暮らしの豊かさと人間のおもしろさを再
撮影素材を時期的なタイミングを 発見できる素敵なコーナーです。
考えた狙い方を、投稿家の皆さま これからも、どうぞ楽しい作品を投稿して下
へ提案するためにも、意味ある試 さい。よろしく御願いします。
みと、思います。
以下、ご一読の上、奮って、投稿戴けますよう、お願い致します。
【どしどし!投稿をお寄せください!】
「とれたてマイビデオ」は数あるNHKの番組の中でも、 ほっとできる 独特な時間を醸し出す長寿コーナ
ーとして人気があります。
日本には、まだこんな風習を大切にしている場所があり、こんなに心を奪われる風景が顔を見せ、こんなに
素敵な笑顔で暮らす人たちがいるのかと、忘れかけていた ふるさとの豊かさ が思い出されます。
そこで、今回、皆さんからより多くのビデオをお送り頂くためにも、新たな試みに挑戦します。
毎月ひとつのテーマを作り、各地から寄せられた映像を並べてご紹介できれば、ふるさとの
個性 が際立ち、楽しいのではないかと考えました。
シリーズは5日間連続で、もちろん、今まで通り、皆さんの自由な発想のビデオ
もお待ちしています。どうぞお気軽に、NHKまでビデオをどしどしお寄せ下さい。
【8月のテーマは、『子供たちの愉快な夏休み』】
第1回目のテーマは、夏休みの元気な子供
たちの姿を特集したいと思います。
身近な場所や旅先で元気に遊ぶ子供たちの
笑顔はじける映像、 こんな所でこんな遊
びをしている 、視聴者の方々が驚くような、また、懐かしくなるよ
うな、そして、一緒に遊びたくなるような場所はありませんか?
また、個性あふれる自由研究やスポーツに熱中している子供たちはいま
せんか?未来の科学者や五輪選手を紹介してください。
家族の仕事を一生懸命手伝っている子供はいませんか?
夏に旬を向かえる野菜や果物の収穫、漁や商売の手伝いに汗水流してがんばる
子供たちもぜひ紹介したいと思います。
日本各地では今も、こんな風に元気に過ごしている子供たちがいることを伝え
たいと思います。
どうぞ、よろしく御願いします。
※投稿は、まず地元のNHKへ※
尚、投稿家の皆様からの投稿は、地元NHKへ
の投稿を優先してお願いしております。
まずは、上記のテーマに沿った素材を投稿する場合も、原則
、地元NHKへお送り下さい。
各NHKからは、適時、適切な素材を、東京のアマビデオ事
務局へ送ってもらっています。
公共放送NHKとしての「アマチュアビデオ放送」は、まず
地元NHKでのアマビデオ放送が基礎になっています。
地元NHKをよろしくお願い致します。
-5-
♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯
山下 伸一郎
NHK報道局映像センター(映像取材)
℡ 03−5455−3633
〒 150−8001
♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯♯
VAIOとPremiereで
やって みまし た!
ハイビジョン映像編集
体験報告 その2
坂 好治
5.選択肢は二つ。ファイルの読み込み
オリジナルかプロキシか
【HDVファイルを
プレミアで使うまでの流れ】
HDV撮影映像 (オリジナルファイル)
赤のラインが今
回の設定ルート
プロキシファイル
↓
編集
パフォーマンス
優先
プロキシファイル作成で得た教訓
ここまでの操作を終え、これで保存ファイルが読み込
まれる…と思いきや、次に立ち上がったのが「プロキ
シファイルマネージャー」というウインドウ。
HDV編集に関しては、なにごとも初めてのことだか
ら、とにかく選択を迫られる設定にミスが無いよう進
むしかないが、保存ファイルをプレミア上へ読み込む
だけでこれほどのプロセスがあるとは予想していなか
っただけに、このウインドウが開いたときには、正直
「え∼、まだかよっ!」と思った。が、考えてみれば
操作性優先のためにプロキシファイル方式を指定した
わけだから、どこかでファイル変換が行われるのは当
然のこと。それが、この「プロキシファイルマネージ
ャー」だった。読み込みを指定した6ファイルの変換
が始まり、その進行状況がマネージャー上の画面に表
示される。
結局、6カット7分5秒のHDVファイルを変換する
のに13分30秒かかった。つまり、読み込みたい映
像の元時間の約2倍の時間を要するということ。
これは、重要な教訓となった。
HDVで長時間作品を編集する場合には相当な時間を要
するということがひとつ。もうひとつは、仮に短時間
ものでも、作品作りのためにはどんなカットが必要な
ファイルサイズ
優先
⇒
身軽なプロキシ編集にも選択肢が…
いずれを選択するかは編集者の自由だが、操作性を優
先したいとの観点から、今回はプロキシ編集を選択し
た。このプロキシ編集にも更に選択肢があって、プロ
キシファイルの種類を指定するよう求められる。
ひとつは「編集パフォーマンスの優先」、もうひとつ
は「ファイルサイズ優先」。前者は、プロキシファイ
ルとはいえ、ファイルサイズはオリジナルのHDVフ
ァイルより5∼10%ほど大きくなるが、編集作業の操
作性は従来のDV編集と同じ程度。一方の「ファイル
サイズ優先」は、ファイルサイズこそHDVオリジナル
ファイルの15∼20%と小さくなるが、画質と操作性は
「編集パフォーマンス優先」に比べすこし低くなる。
ここも操作性重視で「パフォーマンス優先」を選ぶ。
⇒
プレミアのプリセット選択が終わると、馴染みのプレ
ミア編集画面が開く。ファイル/読み込みで保存した
HDVファイルを指定しようとすると、従来のSD編
集では見たことがない「ファイル読み込み」ウインド
ウが開き、編集方式の選択を迫られる。選択肢はふた
つ。ひとつはHDVファイル(オリジナルファイル)を
そのまま使って編集作業をすると言う「オリジナル編
集」。もうひとつはHDVファイルを「プロキシ」と
言うファイルに一旦置き換え、そのプロキシファイル
を使って編集する…といもの。
オリジナルファイルは、撮影したHDVの映像ファイ
ルそのものだから、データ量が大きく、いわば、砂利
を一杯積んだダンプカーで細道を小回り運転する(編
集する)ようなもの。
一方、プロキシファイルは、HDVファイルをデータ
量が軽い代用のファイル(プロキシファイル)に一旦
書き換え、それを使って編集するという便宜的方法。
データ量が軽いから、当然、小回りが効く。いわば身
軽な軽トラで走るようなもので編集の操作性が良い。
のかを考えないで撮影し、「とりあえず撮影した全
カットを取り込んで、使うカットは編集しながらゆ
っくり考えよう」という甘い考えは(時間はどれだ
けかかっても構わないというなら話は別だが)通用
しないということ。まして、地面撮りなどを含んだ
全カットをオートキャプチャするやり方は、HDV編集
には不向きな印象をもった。
ただ、プロキシファイルへの変換は編集作業と併行
して行うことが可能…とはなっているが、変換が終
わっていないカットは編集画面上で使えないのだか
ら、実用的ではないと思うが…。また、「ファイル
マネージャー」ではプロキシ編集オプションの設定
画面もあるが、こちらは無視しても構わない。
(ファイルの変換)
プレミア
6.やっと編集作業に…ストレスは無し
プレビューもリアルタイムで
プロキシファイルへ変換でのストレスは、コーヒ
ーブレイクで解消しながら画面を見守る。全ての
変換が終わると、ファイルマネージャー画面は自
動的に消える。これでやっと編集作業開始の準備
が整ったことになる。あとは従来のSD編集と同
じ要領。実験では孫のカットだけを使って編集す
ることにした。
頭にタイトル(7秒)、使ったカットは5ヶ、トラ
ンジションは暗転2ヵ所、ディゾルブとページピ
ールを各1ヶ所の合計4箇所。20秒ほどのカット
にはカメラビュー、モーション、スケールの3種
類のエフェクトをかけた。孫の映像が画面内でク
ルクル動いたり、サイズを変えたり…そんな作品
はナンセンス。暗転やページピーるもアンバラン
ス。が、今回はHDV編集の実験ということで、思い
っきり遊んでみた。それも、そうしたエフェクト
をかけた場合、どれくらい操作性が落ちるのか、
リアルタイムプレビューがどう変化するのかを知
りたかったため。尺は4分30秒。編集途中でタ
イトルやトランジション部分、エフェクト部分な
どのプレビューを試してみたが、レンダリングす
ることなくリアルタイムでモニタリングでき、S
D編集の場合と変わりがない。
編集作業に関してはなんらストレスはなく、プロ
キシファイルを使うということは、こういうこと
かと実感した。
編集が終われば、あとは編集結果の書き出し。い
よいよ最終工程…。(これは次回お伝えします)
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