英語で医療をサポートする医学生チーム 外国人患者がストレスなく医療を受けられる環境を目指して 現役医学部生が立ち上げから運営まで携わる Team Medics(チーム・メディックス)が発足 2015 年7月、医学部有志による、英語で医療サポートを行う 「Team Medics(チーム・メディックス) 」が立ち上がった。 近年の訪日外国人の急激な増加に伴い、医療機関を受診する外国人患者の数が急増している。 しかし、この状況に対して医療機関での外国人患者の受け入れ体制の整備や、多言語での各種情 報の提供が追いついていない。そこで、日本大学や慶応義塾大学などの医学部生らが中心となり、 外国人患者の医療へのアクセスをサポートするための団体の立ち上げを企画。2020 年オリンピッ ク・パラリンピック大会に向けて様々な活動が計画されている。 チームリーダーである日本 大学医学部の鈴木あみさんは、 自身が留学中に病気になり、 医療機関を受診する際に言葉 が通じず苦労した経験から、 日本でも同じように困ってい る外国人がいるのではないか と考えたという。医学生とし て外国人医療に関わっていき たいと大学の教授に相談する 中で、同じように医療英語や 外国人診療に関心のある学生 ・講師陣が集まり、Team Medics 7 月 23 日に東京大学本郷キャンパスで行われたキックオフイベントの様子 設立経緯や活動内容についての説明のほか、参加学生同士のアイスブレイ クなども行われた。 設立に向けての準備が始まっ た。 Team Medics は、2020 年オリンピック・パラリンピック大会での外国人の医療サポートをひと つの目標としている。具体的なサポート活動として、例えば競技会場に急病の外国人がいた場合、 症状や既往歴などを英語でヒアリングして日本語で問診票に記入したのち、適切な医療機関を調 べ、案内するといった流れを想定。現在はそうした活動に必要な知識を身につける場として、月 1~2回の定期勉強会が開催されている。 勉強会では、スーパーバイザーとして講師を招き、英語での基本的な問診の取り方をロールプ レイ形式で学ぶ。メンバーには海外生活や留学の経験がある学生もいるが、全体の語学レベルに はばらつきがある。メンバー同士で互いにアドバイスをし合いながら、ロールプレイや自主的な 学習を行うことで、全体の語学力を向上させていきたいという。今後は大会開催期間中に発生し やすいと想定される熱 中症などの疾患や、日 本と海外の医療制度の 違いなど、より実践的 な知識を勉強会の中で 取り入れていくほか、 国際スポーツイベント や外国人が多く集まる イベントなどで実際に 医療サポート活動を行 うことが計画されてい 勉強会では、自己紹介や日本語の診療科名の英訳、模擬問診などのグループワーク を実施。 る。また、今後の検討 課題としては、ニーズ の高い中国語など、英語以外の言語を話す外国人への対応が挙げられている。 同団体では、医学生の医学英語教育をサポートし、英語でコミュニケーションができる医療従 事者を増やすことも大きな目標のひとつとして掲げている。そのために、関東だけではなく全国 の医学生にこの取組みを広げていきたいとしている。 「地方在住の外国人患者のサポート体制を構 築するためにも、他大学の医学生との連携は欠かせない。多様なバックグラウンドを持つ学生が 集まることでチームが強化され、さらに活動範囲も広がるのではないかと期待しています」と中 心メンバーの一人は語る。活動はSNSやホームページ(http://team-medics.org)を通して発 信するほか、遠方に住んでいるため頻繁に参加できない学生には、動画共有サイトに勉強会の録 画をアップロードするなど、オンラインツールを使って情報共有を図る。 問い合わせ先 問い合わせ先 :Team Medics 事務局(グローバル医療サポートサービス メディフォン事務局/医療シンクタンク JIGH 内) 電話番号 :03-6426-5451 メールアドレス: info@team-medics.org(一般用) media@team-medics.org(メディア用)
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