はた社会保険労務事務所便り - はた社会保険労務士事務所

平成 24 年 12 月号
はた社会保険労務事務所便り
特定社会保険労務士
羽田 未希
連絡先:〒174-0044
東京都板橋区相生町 14-1-1005
電話&FAX : 03-6906-4868
e-mail:info@hata-sharoushi.com
URL: http://hata-sharoushi.com/
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【中 退 共 の退 職 金 減 額 へ】
足 している積 立 金 の上 積 みに充 てる案
も検 討 しています。
基 礎 退 職 金 に追 加 して加 入 者 に支
給 している「付 加 退 職 金 」を減 額 する案
も有 力 。運 用 益 が出 た場 合 、半 分 を受
給 者 に支 給 しているが、支 給 する割 合
を下 げることで積 立 金 に充 当 するもの
です。
厚 労 省 は中 小 企 業 の企 業 年 金 であ
る厚 生 年 金 基 金 制 度 は廃 止 の方 針 を
決 めました。財 政 が健 全 な厚 年 基 金 の
一 部 には中 退 共 の制 度 を改 革 し、移 行
先 として検 討 したいとの声 も出 ています。
厚 生 労 働 省 は、中 小 企 業 退 職 金 共
済 制 度 (中 退 共 )が、運 用 難 で深 刻 な
積 立 て不 足 に陥 っていることから、退 職
金 の減 額 について検 討 を始 めました。
今 年 度 中 に、予 定 運 用 利 回 りの引 下
げと対 処 策 、付 加 退 職 金 の減 額 など、
具 体 策 について結 論 を出 す方 針 です。
厚 生 労 働 省 は中 長 期 にわたり持 続
可 能 なしくみに改 めなければ、継 続 的
な制 度 として維 持 できないため、退 職
金 減 額 等 の改 革 はやむを得 ないと判
断 しました。
(平 成 24年 11月 )
中 退 共 はバブル経 済 崩 壊 後 の株 式
市 場 の低 迷 で運 用 実 績 が悪 化 し、11
年 度 末 時 点 で1741億 円 の累 積 欠 損
金 を抱 え、運 用 難 で深 刻 な積 み立 て不
足 に陥 っています。05年 に17年 度 まで
の財 政 健 全 化 計 画 をたてたものの、11
年 度 末 時 点 の累 積 欠 損 金 は計 画 の目
標 値 である1023億 円 を大 幅 に上 回 っ
てしまいました。
改 革 の具 体 策 として、予 定 運 用 利 回
りを現 在 の1%から0.8%程 度 まで引 き
下 げることを検 討 しています。02年 に
3%から1%に引 き下 げた時 には、毎 月
1万 円 の掛 け金 で10年 納 付 した人 のケ
ースで退 職 金 は約 14万 円 減 。運 用 利
率 の引 き下 げにあわせて、毎 月 の最 低
掛 け金 を現 在 の5千 円 から増 やして不
【解 説 】中 小 企 業 退 職 金 共 済 制 度 (中
退 共 )とは
中 小 企 業 の従 業 員 を支 援 するための
国 の退 職 金 制 度 。1959年 設 立 で、現
在 は約 36万 の事 業 所 が加 入 し、加 入
者 は約 324万 人 。自 前 の退 職 金 支 給
が手 薄 な中 小 零 細 企 業 が加 入 してい
ます。加 入 企 業 は毎 月 、掛 け金 を納 め、
従 業 員 は会 社 を辞 めたときに退 職 金 を
もらえ、制 度 に加 入 する事 業 主 は税 制
優 遇 のほか、掛 け金 の一 部 で助 成 を
受 けられます。
【今 後 重 視 される安 全 衛 生 分 野 におけ
る取 組 み】
労 働 災 害 の増 加 、高 止 まりから、労
1
働 基 準 監 督 署 )は、かなり強 い危 機 感
を持 って安 全 衛 生 に関 する監 督 指 導 を
行 っています。社 会 保 険 労 務 士 会 での
研 修 においても、注 意 喚 起 されている
ほどです。
万 が一 、労 働 災 害 が発 生 してしまっ
た場 合 、 使 用 者 の安 全 配 慮 義 務 違 反 、
不 法 行 為 を理 由 に、多 額 の損 害 賠 償
や慰 謝 料 を請 求 されるケースもあり、そ
の額 は労 働 者 災 害 保 険 で支 払 われる
額 の3~4倍 ともいわれています。
また、労 災 保 険 のメリット制 が適 用 さ
れず、高 い料 率 の労 災 保 険 料 を支 払 う
ことになります。
会 福 祉 施 設 )」等 が挙 げられています。
これらの業 種 では、業 務 に伴 う発 生 率
の高 い災 害 を防 止 するとしています。
企 業 としては、まず労 働 者 の勤 務 実
態 を把 握 し、労 働 時 間 の管 理 をするこ
とが大 切 です。行 政 による是 正 指 導 ・
是 正 勧 告 、そして様 々な労 使 トラブル
(合 同 労 組 ・ユニオン等 からの団 交 要
求 、多 額 の損 害 賠 償 請 求 、無 用 な裁
判 費 用 、新 たな労 災 ・メンタル不 全 の
発 生 等 )の元 凶 となる恒 常 的 な長 時 間
労 働 を抑 制 する取 組 みをしていきましょ
う。
12月 の税 務 と労 務 の手 続 [提 出 先 ・納
付先]
10日
○ 源 泉 徴 収 税 額 ・住 民 税 特 別 徴 収 税
額 の納 付 [郵 便 局 または銀 行 ]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の
提 出 <前 月 以 降 に採 用 した労 働 者
がいる場 合 >[公 共 職 業 安 定 所 ]
31日
○ 健 保 ・厚 年 保 険 料 の納 付 [郵 便 局
または銀 行 ]
○ 外 国 人 雇 用 状 況 報 告 (雇 用 保 険 の
被 保 険 者 でない場 合 )<雇 入 れ・離
職 の翌 月 末 日 >[公 共 職 業 安 定
所]
本 年 最 後 の給 料 の支 払 いを受 ける日
の前 日 まで
○ 年 末 調 整 による源 泉 徴 収 所 得 税 の
不 足 額 徴 収 繰 延 承 認 申 請 書 の提
出 [給 与 の支 払 者 (所 轄 税 務 署 )]
○ 給 与 所 得 者 の保 険 料 控 除 申 告 書
兼 給 与 所 得 者 の配 偶 者 特 別 控 除
申 告 書 の提 出 [給 与 の支 払 者 (所
轄 税 務 署 )]
◆高 年 齢 労 働 者 増 加 への対 応
まず特 徴 的 なのは、高 齢 化 や改 正
高 年 齢 者 雇 用 安 定 法 の施 行 により、
今 後 も増 えるとされる高 年 齢 労 働 者 に
対 する取 組 みです。
60歳 以 上 の高 年 齢 労 働 者 数 は増 加
のしており、それに伴 って労 働 災 害 に
占 める60歳 以 上 の割 合 、60歳 以 上 の
労 働 災 害 発 生 率 は非 常 に高 い増 加 の
一 途 で、対 策 を強 化 する必 要 があると
しています。
◆改 正 労 働 安 全 衛 生 法 とメンタルヘル
ス対 策
労 働 安 全 衛 生 法 の改 正 (改 正 法 案
は今 国 会 では廃 案 になりましたが)では、
健 康 診 断 時 のストレスチェック制 度 や
受 動 喫 煙 対 策 の推 進 も明 記 され、労
働 者 数 50人 以 上 の会 社 についての重
点 的 な対 策 が検 討 されました。昨 今 の
メンタルヘルスに関 する状 況 を見 ている
と、今 後 も労 働 者 の安 全 ・健 康 管 理 に
対 する国 の施 策 が進 められていくのは
確 実 なようです。
~当 事 務 所 より~
年 末 年 始 のお休 みは12月 29日 から
1月 4日 までとなります。年 末 にかけて
忘 年 会 等 飲 酒 の機 会 が増 えます。暴
飲 暴 食 気 を付 けてください。(羽 田 )
◆対 策 が強 化 される業 種 は?
労 働 災 害 防 止 対 策 を重 点 的 に進 め
る業 種 として、「建 設 業 」「貨 物 運 送 業 」
「第 3次 産 業 (小 売 業 )」「介 護 事 業 (社
2