泌尿器科専門研修プログラム - 大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科

◎
泌尿器科専門研修プログラム
∼大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(泌尿器科)
および関連施設における後期研修の指針∼
泌尿器科は、腎、尿路、副腎、後腹膜、男性生殖器を対象とする外科学の一領域であり、欧米
では主に腫瘍学、前立腺学、結石学、神経学、内視鏡学、手術学などを網羅しますが、我が国で
はさらに腎移植学、雄性学(アンドロロジー)、小児・女性泌尿器科学、性機能学、感染・画像診
断学なども包有しています。近年、それぞれの領域でめざましい進歩がみられ泌尿器科医には、
医師としての基本的能力のうえに、それぞれの領域で一定水準の経験、技術、知識と、より高い
倫理性も要求されます。
本プログラムの基本方針は、
「臨床医としての倫理観、および泌尿器科学の高度な知識と技術を
修得した医師を養成すること」です。2 年間の初期臨床研修ののち泌尿器科専門医をめざす医師
を対象として、大阪大学医学部泌尿器科とその関連施設での 4 年間の専門医教育の具体的内容を
定め、国際的レベルの泌尿器科研修と高い専門性をめざしています。最終的に、日本泌尿器科学
会が認定する泌尿器科専門医の資格が得られるようにプログラムを運営し、国際的にもトップク
ラスの泌尿器科専門医が育成できるよう、充実したプログラムとして発展させたいと考えていま
す。
我々のプログラムの特長は 1)症例の豊富な関連施設、2)泌尿器科各領域の国内最先端を誇る
専門施設が参加施設に含まれていることです。具体的には、個々の研修希望に応じた施設の選択
が可能であり、泌尿器科全般はもとより、癌、腎移植、小児、結石、アンドロロジー(男性不妊)、
女性泌尿器科、排尿機能等のうち興味ある領域を専門施設で一定期間、集中的に研修することが
可能となります。
1.泌尿器科後期研修プログラム参加施設一覧
泌尿器科後期研修病院一覧
泌尿器科医師
数
大阪大学医学部附属病院
26
医誠会東淀川病院
3
市立堺病院
4∼5
市立池田病院
6∼7
市立豊中病院
5∼6
住友病院
7∼8
小松病院
2∼3
大阪警察病院
6∼7
大阪厚生年金病院
6∼7
大阪船員保険病院
3∼4
大阪府立急性期医療センター
7∼8
大阪府立成人病センター
8∼9
大阪府立母子保険総合医療センター
4
大阪労災病院
5∼6
岡谷病院
2
岸和田徳洲会病院
2
健康保険組合連合会大阪中央病院
4∼5
公立学校共済組合近畿中央病院
3∼4
国家公務員共済組合連合会大手前病院
3∼4
国立病院大阪医療センター
6∼7
済生会千里病院
2
東大阪市立総合病院
5
日生病院
3∼4
兵庫県立西宮病院
5∼6
箕面市立病院
3∼4
各施設 1∼2 名
(大阪大学 3 名)、後期研修の受け入れが可能です。
2.泌尿器科後期研修プログラム参加希望の連絡先:
大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(泌尿器科)
診療局長
西村和郎
Tel: 06-6879-3531
Fax: 06-6879-3539
Email: kazu@uro.med.osaka-u.ac.jp
あるいは上記各関連施設泌尿器科部長へ連絡します。(各施設のホームページを参照)
3.後期研修施設の決定法
1.
2.
3.
4.
5.
後期研修委員会において決定します。
後期研修委員会の構成メンバー: 専攻医(後期研修医)代表 2名 関連病院泌尿器
科部長代表 2名 大阪大学泌尿器科診療局長 1 名
専攻医(後期研修医)の研修施設希望調査をもとに後期研修委員会で検討し、決定しま
す。
希望調査は前年度の 9 月∼10 月に行う予定です。
研修施設決定の後期研修委員会は前年度の 12 月に開催する予定です。
4.プログラムの開始、研修施設間のローテーション、研修施設での職位について
基本的には 4 月 1 日開始を原則とし、期間は 4 年間(日本泌尿器科学会の定める専門研修期
間)とし、1∼2年毎に各施設をローテートします。職位は各施設によって多少異なります。
多くの施設において専攻医となりますが、一部の施設は研修年数に応じて常勤医となります。
また、研究志望者は、後期研修期間に大学院生となることも可能です。
5.泌尿器科後期研修終了後
基本的には、各個人の希望に応じて対応する。多くの泌尿器科医は、関連施設において、
常勤医として勤務できます。
研究希望者は大阪大学大学院生、研究生あるいはシニア非常勤医として、基礎研究に従
事できます。また、米国を中心とした留学(2-3年)を積極的に勧めています(例:Johns
Hopkins Medical Institution、Harvard Medical School、NIH, UCSF等)。
一方、大阪府下および阪神間を中心に約70名の大阪大学泌尿器科学教室同窓会会員が開
業医として活躍しており、開業に際しても支援されます。
6.プログラムに参加する後期研修医師としての必要事項
プログラム参加の資格として初期研修で以下の項目が達成されていることが必要です。
一般的事項
(1)患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な関係を構築できる。(患者-医師関係)
(2)医療チームの構成員として、他のメンバーと協調して医療に従事できる。(チーム医療)
(3)患者の問題点を的確に抽出し、問題解決のために行動できる。(問題対応能力)
(4)安全管理の基本を理解し、安全な医療を遂行できる。(安全管理)
(5)患者から正確な情報を収集するとともに、基本的な一般診察ができる。(医療実践)
(6)社会における医師の役割を理解し、種々の法令や倫理に従った正しい行動をとることが
できる。(医療の社会性)
7.後期研修プログラムの実際
(1)研修病院において指導医は以下の教育機会を提供します。
1)患者回診、2)症例検討会(画像カンファレンスを含む)、3)抄読会もしくはセミナー
CPC を含む)4)泌尿器科学会提供の教育プログラムへの参加、5)泌尿器科関連学会(単
位認定学術集会)参加、日本泌尿器科学会総会、中部総会、関西地方会、日本癌学会、日本
癌治療学会、不妊学会、移植学会、EE 学会、アメリカ泌尿器科学会、アメリカ癌学会、ア
メリカアンドロロジー学会、ヨーロッパ泌尿器科学会、国際泌尿器科学会等 6)臨床論文
作成(症例報告を含む)
(2)研修初期は指導医の直接管理下での教育を受けることを原則とします。すなわち、指導医
の監視のもとに外来診療に従事し、指導医とともに主治医となって入院患者の診療にあたり
ます。その後、研修医の技量に応じて、指導医は間接的立場での指導へ変えてゆきます。す
なわち、指導医と密に連絡をとりながら自らが外来診療に従事し、主治医となって入院患者
の診療にあたります。
(3)研修目標と評価項目
日本泌尿器科学会の定める泌尿器科専門医履修項目を以下の研修年数に応じて、修得する
ことを目標とします。
各後期研修年数に応じた履修項目
A 群:研修 1 年
B 群:研修 2 年
C 群:研修 3 年
群
Ⅰ)泌尿器科学基礎
以下の基礎的事項について解説できる。
解剖学
A.尿路の解剖
B.男性内外生殖器の解剖
C.腹部の筋組織、筋膜の構造
D 群:研修4年
自己評価
A(
指導医評価
)
(
)
D.骨盤部の筋組織、筋膜の構造
E.腹膜と後腹膜の概念
F.腹部と骨盤部の脈管
G.腹部と骨盤部の神経
H.外科解剖の理解と手術への応用
発生学
A.尿路・性器の発生
B.尿路の先天性疾患を発生学的理解
C.性器の先天異常を発生学的理解
腎生理学
A.尿生成の機構
B.体内酸塩基平衡と腎の役割
生殖生理
A.性ホルモン調節機構
B.精細管の微細構造と精子の成熟過程
C. 勃起の機構
D. 射精の機構
B(
)
(
)
A(
)
(
)
B(
)
(
)
Ⅱ)外来診療における研修目標
一般目標
ブライマリーケアー・スクリーニングを含む外来診療を、以下の諸点に留意して適切に実施
することができる。
群 自己評価
指導医評価
① 適切な問診をとる能力 を有すると共に、患者心理を理解して問診する態度を身につける
(問診)。
A(
)
(
)
② 必要にして十分な検査を選択し、実施する能力を持つ(検査)。
B(
)
(
)
③ 問診、症状、所見による診断ならびに鑑別診断を行う能力を持つ(診断)
C(
)
(
)
④ 疾患の内容、程度を把握し、専門的な外来治療を行う能力を持つ(治療)
B(
)
(
)
⑤ 他の医療従事者と協力して、患者の社会復帰のための問題を見出し、解決のための指導、
助言する能力を養う(リハビリテーション)
B(
)
(
)
⑥ 救急疾患、外来診療に伴う偶発症に対する診断能力や、対応能力を身につける(救急、
偶発症)
C(
)
(
)
行動目標
1)外来の受入れ、文章の作成など
① 疾患の内容・程度から、外来診療、入院診療および手術の適応を定めることができる。
B(
)
(
)
② 他診療科、他病院との協調ができる。
B(
)
(
)
③ 外来診療器械の取り扱いに精通する。
B(
)
(
)
④ 薬剤の適切な使用および取り扱い、処方箋を書くことができる。
B(
)
(
)
⑤ 診断書など文章の作成ができる。
B(
)
(
)
⑥ 紹介医に対する返答ができる。
B(
)
⑦ 患者や家族に説明し十分な同意を得る。
B(
)
2)問診
① 主訴、現病歴に応じた適切な問診
A(
)
② 家族歴、既往歴、生活歴、生活環境を系統的に記録できる。
A(
)
③ 患者がわだかまりなく話せる雰囲気をつくることができる。
A(
)
④ 問診の結果から疾患群の想定ができる。
B(
)
⑤ 鑑別に要する検査法の体系化ができる。
B(
)
(
(
)
)
(
)
(
)
(
(
(
)
)
)
3)診断ならびに検査
次の検査を実施あるいは指示し、所見を判定することができる。
A. 泌尿性器の理学的検査(腎・腹部触診、前立腺触診、陰嚢内容触診、神経学的検査など)
A(
)
(
)
B. 検尿(生化学的、顕微鏡的および細菌学的) B(
)
(
)
C. 血液生化学
B(
)
(
)
D. 内分泌検査(下垂体、副腎、精巣、上皮小体(副甲状腺)検査)
B(
)
(
)
E. 尿道分泌物、前立腺液、精液の検査
B(
)
(
)
F. 生検(腎、膀胱、前立腺、精巣)
B(
)
(
)
G. ウロダイナミックス(尿流測定、膀胱内圧測定、尿道内圧測定など)
B(
)
(
)
H. 内視鏡検査(尿道膀胱鏡検査、尿管カテーテル法など)
B(
)
(
)
I. X線検査(KUB、IVP、DIP、RP、AP、各種膀胱造影、尿道膀.胱造影、血管造影、
CTなど)
B(
)
(
)
J. 超音波画像診断法(腎、前立腺、膀胱、陰嚢内容など)
B(
)
(
)
K. 核医学画像診断法(レノグラム、腎シンチ、骨シンチ、副腎シンチ、上皮小体(副甲状腺)
シンチなど)
B(
)
(
)
L. 腎機能検査(クレアチニン・クリアランス、分腎機能検査など)
B(
)
(
)
M. MRI診断
B(
)
(
)
4)鑑別診断
次の各症候に対し適切な鑑別診断ができる。
A. 排尿痛
B. 疝痛発作
C.
E. 尿閉
F. 尿失禁
G.
I. 遺尿
J. 膿尿
K.
M. 多尿
N. 乏尿
O.
Q. 腹部腫瘤
R. 陰嚢内腫瘤
S.
U. 勃起および射精障害
B(
)
(
頻尿
D. 排尿困難
二段排尿 H. 尿線の異常
混濁尿
L. 血尿
無尿
P. 尿道分泌物
性器発育異常
T. 男性不妊
)
5)治療
① 次の各疾患について十分な知識を持ち、必要に応じて適切な治療方針をたて、外来で
治療可能な疾患に対して対応する。
1. 腎および腎盂の先天異常
A.単腎症
B.低形成、異形成腎
E.海綿腎
F.馬蹄鉄腎
I.重複腎盂
J.先天性水腎症
2. 尿管の先天異常
A.重複尿管
B.異所開口
E.大静脈後尿管
F.巨大尿管
3. 膀胱および尿膜管の先天異常
A.膀胱外反
B.膀胱憩室
C(
)
C.単純性腎嚢胞
G.骨盤腎
K.腎杯憩室
C(
)
C.尿管瘤
G.尿管狭窄
C(
)
C.尿膜管開存
尿道の先天異常
C(
A.尿道憩室
B.尿道上裂
C.尿道下裂
E.尿道狭窄
F.前部、後部尿道弁
5. 精巣の先天異常
C(
A.停留精巣
B.精巣転位
C.単精巣症
6. 陰茎および陰嚢の先天異常
C(
A.包茎
B.埋没陰茎
C.倭小陰茎
7. 腎、尿管損傷
C(
A.皮下損傷
B.開放性損傷
C.尿管膣痩
8. 膀胱∼尿道損傷
C(
A.膀胱損傷
B.膀胱膣痩
C.尿道損傷
9. 陰茎損傷
C(
A.陰茎折症
10. 精巣損傷
C(
A.精巣損傷
11. 副腎腫瘍
C(
A.原発性アルドステロン症
B.クッシング症候群
D.副腎癌(原発性、転移性)
E.内分泌非活性腫瘍
12. 腎腫瘍
C(
A.腎細胞癌(腎癌)
B.腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)
13. 腎盂および尿管腫瘍
C(
A.悪性腫瘍
B.良性腫瘍
14. 膀胱腫瘍
C(
A.悪性腫瘍
B.良性腫瘍
15. 尿道腫瘍
C(
A.悪性腫瘍
B.良姓腫瘍
16. 前立腺腫瘍
C(
A.前立腺肥大症
B.癌
C.肉腫
17. 精巣腫瘍
C(
A.悪性腫瘍
B.良性腫瘍
18. 陰茎腫瘍
C(
A.悪性腫瘍
B.良性腫瘍
19. その他の腫瘍
C(
A.神経芽細胞腫
B.後腹膜腫瘍
C.尿膜管腫瘍
D.エンドメトリオーシス
20. 上部尿路結石
C(
4.
(
D.嚢胞腎
H.回転異常
)
(
)
D.膀胱尿管逆流
(
)
)
(
)
D.尿道直腸痩
)
(
)
)
)
(
)
D.陰茎前位陰嚢
(
)
)
(
)
)
(
)
)
(
)
)
(
C.褐色細胞腫
)
)
(
C.良性腫瘍
)
(
)
)
(
)
)
(
)
)
(
)
)
(
)
)
(
)
)
(
)
)
(
)
)
A.腎結石
B.尿管結石
21. 下部尿路結石
C(
)
(
)
A.膀胱結石
B.尿道結石
22. その他の結石関連疾患
C (
)
(
)
A.腎石灰症
B.尿細管性アシドーシス
C.高カルシウム尿症
D.高蓚酸尿症
E.高尿酸尿症
F.シスチン尿症
23. 上皮小体(副甲状腺)疾患
C(
)
(
)
A.原発性上皮小体(副甲状腺)機能充進症
B.二次性上皮小体(副甲状腺)機能充進症
24. 性分化異常
D(
)
(
)
A.真性半陰陽
B.クラインフェルター症候群
C.男性(仮性)半陰陽
D.女性(仮性)半陰陽
25. 性成熟異常
D(
)
(
)
A.思春期早発症
B.思春期遅延症
C.低ゴナドトロピン性類宦官症
D.高ゴナドトロピン性類宦官症
26. 男性不妊症
D(
)
(
)
A.特発性男性不妊症
B.続発性男性不妊症
27. 非特異性感染症
C(
)
(
)
A.単純性腎孟腎炎
B.複雑性腎孟腎炎
C.膿腎症
D.腎周囲炎
E.単純性膀胱炎
F.複雑性膀胱炎
G.間質性膀胱炎
H.尿道炎
I.急性前立腺炎
J.慢性前立腺炎
K.急性精巣上体炎
L.慢性精巣上体炎
M.精巣炎
N.亀頭包皮炎
O.細菌性ショック
28. 尿路・性器結核
C(
)
(
)
A.尿路結核
B.精巣上体結核
C.前立腺結核
29. 性感染症
C(
)
(
)
A.淋菌感染症
B.クラミジア感染症
C.性器ヘルペス感染症
D.尖圭コンジローマ
E.(早期)梅毒
F.HIV感染症
30. 寄生虫疾患
C(
)
(
)
A.ブイラリア性乳糜尿症
B.トリコモナス感染症
C.カンジダ感染症
31. 尿路機能障害
C(
)
(
)
A.神経因性膀胱
B.二次性膀胱尿管逆流症
C.夜尿症(夜間遺尿症)
D.神経性頻尿
E.尿失禁
32. 尿路閉塞性疾患
C(
)
(
)
A.上部尿路閉塞性疾患
B.下部尿路閉塞性疾患(前立腺肥大症を含む)
33. 腎不全
C(
)
(
)
A.急性腎不全
B.慢性腎不全
34. 腎性高血圧
C(
)
(
)
A.腎血管性高血圧
B.腎実質性高血圧
35. 腎血管性病変
C(
)
(
)
A.腎梗塞
B.腎動脈瘤
C.腎動静脈痩
D.腎動脈狭窄
36. その他の腎疾患
C(
)
(
)
A.腎下垂(遊走腎)
B.特発性腎出血
37. その他の尿管および後腹膜疾患
C(
)
(
)
A.後腹膜線維症
38. その他の膀胱疾患
C(
)
(
)
A.膀胱異物
B.膀胱痩
C.膀胱憩室
D.出血性膀胱炎
E.放射線性膀胱炎
F.膀胱脱(瘤)
39, その他の尿道疾患
C(
)
(
)
A.尿道狭窄
B.尿道異物
C.尿道憩室
D.尿道脱
40. その他の陰嚢内容の疾患
C(
)
(
)
A.精巣水瘤
B.精索水瘤
C.精液瘤
D.精索静脈瘤
E.精巣捻転症
41. その他の男性器疾患
D(
)
(
)
A.性機能障害(勃起、射精障害)
B.形成性陰茎硬化症(ペイロニー病)
C.持続勃起症
D.血精液症
②
患者に対し、治療の目的、方法、結果、予後、合併症について正しく情報を伝え、助言
ができる。
C(
)
(
)
③ 患者の生活指導ができる。
C(
)
(
)
④ 患者、家族に対し医療上の教育ができる。
C(
)
(
)
6)リハビリテーション
尿路変向術後の患者、神経因性膀胱の患者、透析の患者などに適切な助言ができる。
C(
)
(
)
7)経過観察
C(
)
(
)
定期的な経過観察の必要性ある疾患または病態を理解し、通院計画を立案できる。
8)救急・偶発症
D(
)
(
)
外来で可能な救急処置ができ、診療に伴う偶発症に対処できる。
(尿閉、血尿タンポナーデ、ショックなど)
Ⅲ)入院診療における研修目標
一般目標
主治医として泌尿器科領域の基本的臨床能力を持ち、入院患者に対して全身、局所管理が適切
に行える。
行動目標
1)主治医としての基本的能力
入院患者について次のことが適切に行える。
①正確かつ詳細な問診を行い、記載する。
A(
)
(
)
②全身、局所の診察を行い、その所見を記載する。 A(
)
(
)
③必要な一般検査を選択し、また結果を判定できる。A(
)
(
)
④患者の病態の考察と分析を行い、適切な治療計画を立てる。
A(
)
(
)
⑤病因についての考察と分析が行える。
A(
)
(
)
⑥同科、あるいは他科の医師と立ち合いで診察(対診)する必要性を判断し、実行する。
A(
)
(
)
⑦必要な与薬、処置などの治療を行い、経過を観察し記載する。
A(
)
(
)
⑧ 退院時期の判定を適切に下し、退院後の指導をする。A(
)
(
)
⑨ 上級医への報告、連絡、当直医への申し送り、退院時の外来あるいは関連医療機関への
申し送りを確実に行う。
A(
)
(
)
⑩ 正確な入院病歴を完成し、問題点があれば考察を加える。また医療情報開示に耐えうる
診療録とする。
A(
)
(
)
⑪ 看護師その他の医療従事者との円滑な連携を保つ。 A(
)
(
)
⑫ 患者、家族に対し正しく情報を伝え、了解のうえで医療をすすめる。
A(
)
(
)
⑬ 医療関係法規にのっとった適切な対応をする(診断書、死亡診断書、各種証明書、麻薬の
取扱い、伝染病についての対処、廃棄物の取扱いなど)。
A (
)
(
)
⑭ 院内感染の防止について配慮し、具体的に対応できる。
A (
)
(
)
⑮ 後進の指導に参加する。
B(
)
(
)
⑯ 必要に応じて症例の提示、報告をする。
A(
)
(
)
2)全身管理
入院患者に対して、次の基本的な全身管理が適切に行える。
① 術前術後の全身管理と対応
A(
) (
)
(i)
術前:年齢、性別に関連する特異的事項、既往歴、生活歴、合併症、疾患固有の特殊な
状態、および術前検査の所見を総合して手術時期や術式などを判断し、またリスクおよび合
併症を予測してそれらに適切に対応する。
(ii) 術後:術後の一般的対応ができる。たとえば種々の病態に対応して、輸血、栄養補給、
補液、薬剤(抗菌薬、ステロイドなど)の投与を適切に行い、安静度などを指示する。
② 非手術例の全身管理と対応
A(
)
(
)
(i) 悪性腫瘍の放射線治療および化学療法による合併症の管理。
(ii) その他の疾患(重症感染症など)の管理。
③ 偶発症(発熱、出血、循環不全、呼吸障害、意識障害、ショックなど)に対して迅速かつ適
確な処置がとれ、さらに蘇生術を行うことができる。たとえば、血管確保、気道確保、心電
計によるモニターリングなど。
A(
)
(
)
④ 他科の疾患を併有する場合、その対応と関連科医師との適切な連携をとる。たとえば心疾
患、糖尿病、肝障害、胃十二指腸潰瘍、高血圧、アレルギー性疾患、緑内障、精神医学的疾
患など。
A(
)
(
)
⑤ タ−ミナルケアの経験を持ち、下記のような項目について適切な対応ができる。
A(
)
(
)
(i) 患者の不安と痔痛への配慮
(ii) 患者の家族への配慮
(iii) 転帰の見通し、予後の判断
(iv) 死亡の確認
(v) 病理解剖について家族との折衝
⑥ 入院中の全身的なリハビリテーションに対し理解をもち、関連各科との連携をとる。
A(
)
(
)
⑦ 臨床経過と剖検所見との関係を検討し考察できる。A(
)
(
)
3)専門領域の技術
① 入院患者の治療の項目に設定してある自ら術者となる手術について、患者の術前・術後の
管理が適切に行える。それ以上のレベルの手術については、指導医の監督のもとに管理でき
る。
B(
)
(
)
② 非手術患者については、例えば、次のような専門的治療を主体性を持って施行し、その効
果につき正しく評価できる。
B(
)
(
)
(i) 悪牲腫瘍に対する放射線治療・化学療法および免疫療法、重症感染症に対する適確
な抗菌薬の使用、自己免疫疾患に対するステロイドなどの正しい使用など。
(ii) その他の病態に対する保存的治療
(iii) 疾痛に対する適切な処置
③ 検査については必要に応じて適宜選択し、検査の順序に従って実施し、診断ならびに治療
計画立案に役立てることができる。
B(
)
(
)
④ 救急医療を要する疾患の初期診療が独立して、あるいは必要な他科の医師と協力してでき
る。腎外傷、膀胱外傷、精巣捻転症など。
B(
⑤ 次のような処置、指導を適切におこなうことができる。
B(
自己導尿の指導
バルーンカテーテル留置者には膀胱洗浄法の指導
尿路変更後のストーマ、カテーテルの管理
透析患者に対する水分摂取、食事指導など
)
(
)
)
(
)
Ⅳ)治療
一般目標
泌尿器科領域の基本的治療に関する意義、原理を理解し、適応を決め、手術手技を習得し、
治療前後の管理ができる 。
行動目標
1)手術に関する一般的知識・技能を習得する。
① 疾患の種類と程度および患者の状態に応じて、手術の適応と術式を判断しうる。
C(
)
(
)
② 手術によって起りうる偶発症、および手術後の合併症、続発症、機能障害について、あら
かじめ説明し、同意を得る。
B(
)
(
)
② 術中起りうる変化に対応できる(救急処置、術式の変更など)。
D(
)
(
)
③ 麻酔(局所、硬膜外、脊髄、気管内挿管のうちのいくつか)ができる。
B (
)
(
)
⑤ 手術器械や材料を正しく使用できる。
B(
)
(
)
⑥ 手術に必要な準備を指示できる
A(
)
(
)
(術前・術後処置を含む)。
⑦ 手術介助者を指導し、協調して作業できる。
C(
)
(
)
⑧ 術後の局所および全身の管理ができ、変化に対応しうる。
B(
)
(
)
⑨ 一般外科ならびに内視鏡外科的手技に習熟する。
C(
)
(
)
⑩ 消毒、術中感染と、その予防についての知識がある。 A(
)
(
)
⑪ 手術に関連した事項について、他科あるいは他医と協調して作業ができる。
C(
)
(
)
2)泌尿器科・領域の基本的な手術ができる。
D(
)
(
下記の基準に従って術式を分類する。
第1群:手術法の原理と術式を理解し、執刀医として実施できる。
第2群:手術法の原理と術式を理解し、指導医の下で手術を自ら実施できる。
第3群:手術法の原理と術式を理解し、手術の助手をつとめることができる。
第1群
腎摘除術
腎盂切開術
尿管切開術
尿管切石術
尿管膀胱新吻合術
膀胱高位切開術
腎造痩術
尿管皮膚造痕術
膀胱切石術
膀胱造痩術
前立腺摘除術(前立腺被膜下摘除)
外尿道切開術
包皮環状切除術
陰茎切断術
精巣摘除術
精巣上体摘除術
精巣固定術
精巣水瘤根治術
)
精索静脈瘤根治術
精巣生検術
精管切断(結紮)術
経尿道的膀胱腫瘍切除術
経尿道的膀胱砕石術
経尿道的膀胱異物除去術
経尿道的膀胱生検術
経尿道的前立腺切除術
経尿道的内尿道切開術
経皮的腎造痩術
第2群
副腎摘除術
根治的腎摘除術
腎尿管全摘除術
腎部分切除術
腎盂形成術
腎切石術
ブラッドアクセス造設術
CAPD用チューブ設置術
女子尿失禁根治術
根治的膀胱全摘除術
膀胱部分切除術
前立腺全摘除術
回腸(結腸)導管造設術
精管精管吻合術
経皮的腎砕石術(PNL)
経皮的尿管砕石術
経尿道的尿管切石術(TUL)
第3群
腎盂・尿管の内視鏡的手術
腎血管再建術
腎移植術(自家・生体・死体)
膀胱拡大術
膀胱膣痩閉鎖術
精巣上体(副睾丸)精管吻合術
陰茎プロステーシス挿入術
腸管利用代用膀胱造設術 Continent reservoir造設術
後腹膜腔リンパ節郭清術
上皮小体(副甲状腺)摘出術
人工括約筋挿入術
腹腔鏡下手術(精索静脈瘤・副腎・腎など)
3)泌尿器科領域の基本的な非手術的治療の習得
治療法の原理と方法を理解し、実施できる。
体外衝撃波砕石術(ESWL)
悪性腫瘍に対する全身的化学療法
血液浄化法(血液透析・腹膜透析を含む)
全身的感染症の薬物治療
B(
C(
C(
C(
B(
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