トピック またもや預金準備率の引き上げ ~年内利上げは遠のいたか~ 大勢が先週末の利上げ発表を有力視していたが、金融 引き締め策の手段として、またもや預金準備率の引き上 げが選ばれた。中国人民銀行(中央銀行)は 10 日夜、今 年 6 回目となる預金準備率の引き上げを発表。これにより 直ちに利上げが発表される可能性は弱まったという見方 が広まった。だが、11 日に発表された今年 11 月の消費者 物価指数(CPI)は前年同月比で 5.1%上昇。市場予想を 超える物価高が示されており、株式市場は今後も利上げ 懸念を引きずりそうだ。 ■約 3500 億元の流動性を吸収■ 預金準備率は今月 20 日で 0.5 ポイント引き上げられる。 四大国有商業銀行の預金準備率は 18.5%だが、これは 今月 15 日までの措置。このため今月 20 日以降も 18.5% にとどまることになる。一方、こうした一時的な措置を適用 されていない中小規模銀行などでは、今月 20 日から預金 準備率が現行水準よりも 0.5%高くなる。専門家によると、 今回の預金準備率の引き上げで、約 3500 億元に上る流 動性が吸収される見込みという。 ■引き上げの背景■ 預金準備率が頻繁に引き上げられる背景には、過剰な 流動性がある。最新の金融統計によると、11 月末のマネー サプライ M2 は、前年同期比 19.5%増の 71 兆 300 億元。 年内に伸び率が目標水準の 17%に低下することはないと いう可能性が濃厚だ。 銀行融資では 11 月の貸出残高の増加額(貸出純増額) が約 5640 億元という高水準に達した。年間の貸出純増額 の目標は 7 兆 5000 億元だが、すでに 1-11 月で 7 兆 4400 億元。目標額を上回るのは確実視されている。 ここ 2 カ月の銀行融資と海外資金の流入にともなう 人民元マネタリーベースの増加は政府当局者の予想を 上回っていると、中央財経大学・中国銀行業研究中心 の郭田勇・主任は説明。この 1 カ月ほどで 3 回も預金 準備率を引き上げたのは、銀行の融資能力を削減し、 過剰な流動性を吸収するのが目的と指摘している。 このほか四大国有商業銀行など一部の銀行を対象と した一時的な預金準備率の適用が、今月 15 日で終了す ることを指摘する声もある。このままでは封じ込めら れていた流動性が解放されることになり、こうした事 態を防ぐため、預金準備率が引き上げられるという。 「預金準備率の引き上げは、利上げに対する人民銀の 慎重な姿勢を示している」と、JP モルガン・チェースの王黔 チーフエコノミストは指摘。インフレ抑制、特に食品価格の 上昇を抑えるうえで、利上げは短期間で効果を示さないこ とから、流動性の吸収と融資管理に集中する方を人民銀 は選択したと説明している。 また、王チーフエコノミストによると、利上げはさらに多く の海外資本を中国本土に呼び込み、過剰流動性という状 況が悪化することにつながるという。これも人民銀が預金 準備率の引き上げを選んだ理由と説明している。人民銀・ 貨幣政策委員会の李稲葵・委員も、王チーフエコノミストと 同じ見解。利上げは銀行の業績や企業の資金調達コスト への影響も懸念されると補足している。 ■利上げの可能性■ 「ここ数週間で食品、野菜の価格上昇は落ち着いてきて おり、年内の利上げは可能性が低くなった」と、中信嘉華 銀行の廖群チーフストラテジストは語っている。金融引き 締め策の手段として預金準備率が選ばれたことから、利上 げは遠のいたという見方が全体的に優勢。このため短期 的には株式市場にポジティブに作用するという意見も多 い。 一方、香港上海匯豊銀行(HSBC 銀行)の屈宏斌チーフ エコノミストは、「11 月の CPI が市場予想を上回れば、来週 にも 0.25%ほどの緩やかな利上げが発表されるだろう」と 予想。このほかにも年内利上げを警戒する声も聞かれる。 このように短期的な予想はさまざまだが、中長期的には 利上げが実施されるという見方は有力なようだ。UBS の王 涛エコノミストは今後数年で金利水準が正常化に向かうと 予想。12 カ月以内に人民銀は金利を 100 ベーシスポイント (bp)ほど引き上げると見込んでいる。また、中国光大銀行 の盛宏清ストラテジストは今後 3 四半期に 50~100bp の利 上げが実施されると予測している。 一方、過去最高の水準にある預金準備率だが、さらに引 き上げられる可能性があると、交通銀行・金融研究中心の 鄂永健・研究員は予想。それによると、国内の資金需要は 旺盛であるうえ、海外資金の流入も続くなか、公開市場操 作による流動性の吸収は困難であり、2011 年末までに 3~ 4 回ほど預金準備率が引き上げられる可能性があるとい う。 12/13 審査済 1/2 トピック 当社の概要 商 号 等 本店所在地 加 入 協 会 主 な 事 業 連 絡 先 内藤証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第 24 号 〒541-0043 大阪市中央区高麗橋 1 丁目 5 番 9 号 日本証券業協会、(社)金融先物取引業協会 資 本 金 30 億 248 万円(平成 22 年 3 月末現在) 金融商品取引業 設 立 年 月 昭和 8 年 11 月 ご質問等がございましたら下記部支店までご連絡ください。 リスク等 重要事項のご説明 このレポートは、投資の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を意図したものではありません。投資の決 定はご自身の判断と責任でなされますようお願いいたします。記載された意見や予想は全て作成時点のものであり、 正確性、完全性を保障するものではなく今後予告なく変更されることがあります。引用部分を除いて内容に関する一 切の権利は、内藤証券に帰属します。事前の了承なく複製、譲渡、修正、変更または転送等を行わないようにお願い いたします。 リスクについて <株 式>株価の変動、及び為替相場の変動(特に外国株式の場合)等により損失を生じるおそれがあります。 <投資信託>組み入れた株式・債券など有価証券等の価格変動、及び為替相場の変動(外国通貨建て有価証券 等を投資対象としている場合)などにより投資元本を割り込むおそれがあります。 手数料について <株 式>①対面取引の場合、ⅰ)国内株式は最大で約定代金の 1.2075%(税込み以下同じ、但し最低 2,625 円)。ⅱ)外国株式は、現地手数料として香港市場では最大で外貨建て約定代金の 0.25%(最低 50 香港ド ル)、上海・深セン市場では最大で同 0.50%が必要となるほか、さらに印紙税、取引所税等を加算した額を売 買当日の当社為替レート(香港ドルでは中心レートから買いの場合+15 銭、売りの場合-15 銭、米ドルは同+50 銭、同-50 銭)にて換算した金額に対し、国内手数料が最大 0.84%かかります(但し、買付け時のみ最低 525 円)。②コールセンター取引の場合は、ⅰ)国内株式が最大で約定代金の 0.420%(指値注文の場合、但し最 低 2,100 円)、ⅱ)外国株式は対面取引と同様。③インターネット取引の場合、ⅰ)国内株式は約定代金により 料率が違い、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は当社ホームページでご確認ください。内藤証券 HP:http://www.naito-sec.co.jp/ ⅱ)外国株式の現地手数料は上記取引と同様に必要であり、さらに印紙 税、取引所税等を加算した額を売買当日の当社為替レート(同上)にて換算した金額に対し、国内手数料が 最大 0.42%必要です(但し、買付時のみ最低 525 円)。 <投資信託>商品により異なりますので詳細は目論見書をご覧下さい。 その他注意事項 ◆本資料は、公表されたデータ等信頼できると考えられる情報に基づいて内藤証券が作成し、また記載された見解等の内容は 全て作成時点のもので時間の経過とともに不正確となる場合があり、過去から将来にわたって、その正確性・完全性を保証するも のではありません。内容は今後予告なく変更することがあります。◆本資料に基づいた投資によって発生する損益は全てお客様 に帰属します。内藤証券は、故意または重過失がない限り、責任を負いません。◆本資料により提供される情報の著作権等の知 的財産権は、引用部分を除き、全て内藤証券に帰属します。お客様は、事前に内藤証券の書面による同意なく、本資料の内容 及び情報を、複製、譲渡、修正、変更または転送等の行為をすることができません。 本 店 寝屋川支店 富田林支店 有 田 支 店 高 松 支 店 上海代表処 Succe-s trade Succe-s Dial 大阪市中央区高麗橋 1-5-9 ℡06-6229-6501 東 京 店 東京都中央区日本橋人形町 1-14-8 寝屋川市早子町 10-21 ℡072-822-6333 橿 原 支 店 橿原市久米町 663 富田林市若松町西 1-1887-1 ℡0721-25-1151 和 歌 山 支 店 和歌山市七番丁 17 有田郡有田川町明王寺 234 ℡0737-52-7110 加 古 川 支 店 加古川市加古川町寺家町 45JAビル 7F 高松市丸の内 10-27 井筒ビル 1F ℡087-822-0105 上海市茂名南路 205 号瑞金大厦 1101 succe-s@naito-sec.co.jp 東京コールセンター ℡0800-300-7110e大阪コールセンター ℡0800-500-7110 12/13 審査済 2/2 ℡03-3668-2090 ℡0744-28-4711 ℡073-423-6211 ℡079-456-7710
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