引き合い続く、年明けには大阪に拠点 中村産業 代表取締役社長 中村 剛太郎氏(下) 食品包装ではまだまだ勝負できると語る中村社長。大手総合商社やゼネコンと差別化した提案 力でユーザーの心をつかんでいる。ここ最近千葉県の本社だけでは対応が難しくなってきたとか ――。西日本への販売網を強化するため、年明けには大阪に拠点を設ける。 ――創立は1960年。 中村 以来、日本のユーザーに欧州の包装機を提案しています が、その頃から競合相手と言えば大手総合商社でした。しかし、私た ちでしかできないと思っているのがサービスと部品供給の差別化で す。そう貫いてきたからこそ今があります。20年や30年前の部品が 必要になっても、準備はできています。大手が参入してきても、すぐ には対応できないでしょう。 創業当時、日本のような極東地域に包装機を提供しようとしている 欧州メーカーは、数ある中でも限られます。基盤と将来のビジョンを しっかりと持っている会社であり、そういったメーカーと私たちは付き 中村社長 合ってきました。 ――それを今でも受け継いでいる。 中村 工場の建設についても同じです。近年、大手ゼネコンも“食品エンジニアリング”という専 門の部署を新たに設けて参入し、生産設備や衛生対策を考慮して施工しています。エンジニアリ ング業界は競争が激しさを増しています。しかし、あちらはやみくもにHACCPの取得を推し進め る傾向がありますが、私には疑問があります。 施設全体にHACCPを導入してしまえば、今後、その食品メーカーが新事業を手がける際、柔軟 に対応できなくなるなど足かせになってしまうこともあります。最近では中小のメーカーがPBを手 がけるとか、あるいはコンビニのベンダーになるなど新事業に挑戦する事例は増えています。施 設全体にではなく、部分的にHACCPを導入するという考え方もあるということを私は提案してい ます。そもそも工場内が清潔であるのは当たり前のこと。HACCPに準じた考え方が施設にあれ ば、取得にこだわる必要はありません。 ――食品業界に長く携わってきたという自信を感じられる。今後の展望は。 中村 食品機械や食品包装ではまだまだ勝負できると思っています。今までにない食品加工や 包装スタイルを見つけ出し、提案し続けていきたいですね。今は日本に紹介して間もないシール パック社の包装機の提案に力を入れます。 “売り場を創る”、“売り場に直接訴える”ため、来年2月のスーパーマーケットトレードショー(SM TS)に初出展します。当社にとって未開拓の領域ですが、成功させます。新たな包装スタイルを探 しているスーパーのバイヤーとの商談を期待しています。 シールパック社という新たな主力を得て、忙しさが増してきました。販路も拡大しています。ちょう ど今、大阪に営業所を立ち上げる準備をしており、年明け早々開設します。新たなスタートを切り たいですね。
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