科 目 名 スクーリング単位 2 単位 刑 事 政 策 担当教員 伊 藤 康一郎 日 程 第 2 期 7/13(木)~ 9/14(木) ◆授業の目的・到達目標 刑事法学の領域において、刑事政策は、刑法学、刑事訴訟法学という解釈学を実証面 から支える分野として発展してきた。その分野の理論と実践について、犯罪の「原因論」 と「対策論」を両軸に理解を進め、現代社会の犯罪問題を考察する基盤となる知識を獲 得することが、本科目の到達目標である。 ◆授業の概要 犯罪の原因を探る犯罪学(いかにして犯罪は発生するのか)と、犯罪への対策を考える刑事政策(い かにして犯罪を減少させるか)を合わせて、広義の刑事政策と呼ぶ。 本授業では、この広義の刑事政策について、まず導入として、①刑事政策を学ぶ、②犯罪の原因(犯 罪生物学・犯罪心理学・犯罪社会学)、③犯罪統計と暗数(発生しても警察等に認知されない隠れた犯罪 の数)の各単元により、犯罪への対策を考える前提となる知識を学ぶ。 その後の各単元は、犯罪への対策について、④刑事司法のシステム(警察・検察・裁判・矯正・更生 保護)、⑤死刑(生命を剥奪する刑罰)、⑥自由刑(自由を剥奪する刑罰。懲役等)、⑦財産刑(財産を剥 奪する刑罰。罰金等)、⑧犯罪者の処遇 ― 施設内処遇、⑨犯罪者の処遇 ― 社会内処遇、⑩非行少年の処 遇の順番で学んでゆく。 また、最終の単元である⑪被害者対策では、近年の刑事政策が、旧来の犯罪者中心の思考から被害者 中心の思考に転換している動向を学ぶ。 基本的な論点について通説的な説明を心掛けるが、近年、注目される変化が起こっているテーマにつ いては、その動向にも触れて、受講者の知的好奇心に応えたいと思う。 ◆授業の計画 第 1 単元 刑事政策を学ぶ 第 2 単元 犯罪の原因 第 3 単元 犯罪統計と暗数 第 4 単元 刑事司法のシステム 第 5 単元 死刑 第 6 単元 自由刑 第 7 単元 財産刑 第 8 単元 犯罪者の処遇─施設内処遇 第 9 単元 犯罪者の処遇─社会内処遇 第⓾単元 非行少年の処遇 第⓫単元 被害者対策 ◆学習指導 刑事法学の領域の科目、とくに刑法を合わせて学ぶことが望ましい。理論面でも実践面でも近年発展 の目覚ましい分野なので、予習・復習においては、犯罪白書等で最新の情報を補い学習を進めてほしい。 ◆成績評価 科目試験により最終評価する。 ◆教 材 授業はレジュメを中心に行う。 ◆参考・推薦文献 大谷 實『刑事政策講義』(弘文堂、2009 年) 川出敏裕・金 光旭『刑事政策』(成文堂、2012 年) 法務省法務総合研究所『平成 28 年版犯罪白書』(日経印刷、2016 年)
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