2009年9月号 2010年11・12月合併号 ネットスーパーは第二次参入ブーム! ~ 収 益 ビ ジ ネ ス に 転 換 す る カ ギ を 探 る ~ 食品スーパーの2010年上半期売上高は前年比4.3%減で連続マイナスは14年目に突入した。チェーン ストアや百貨店など小売業全体の売上高が減少している中、通信販売や宅配方式の販売は増収を続け ている。特に通信販売は、この10年間、前年比で5%前後から10%前後という高い伸び率で推移しており 今後も市場が拡大するのは確実だ。大手スーパーがいち早く参入したネットスーパーも、最近は地方都 市の中小スーパーにも広がっている。実店舗での販売が落ち込んでいる分を何とかして補いたいという 思惑が見て取れるが、収益面で黒字化することが当面の課題だろう。 ■ネットスーパー利用者の殆んどはリピーター インターネットが一般家庭にも普及し始めた2005年前後に、大手スーパーが次々とネットスーパーに参 入する第一次ブームがあったが、ビジネスを拡大できず撤退したところも多い。一方で高速インターネット 通信網が整備され一般家庭への普及が促進、歩調を合わせるようにインターネット通販の市場規模も拡 大してきた。特にスーパーの主要顧客である主婦層がインターネット通販で買い物をすることに慣れるに したがい、ネットスーパーも徐々に浸透してきているようだ。一般にネットスーパーでは雨の日に売上が 増えると言われるが、これは主婦が雨の日の買い物を敬遠するからだ。一度利用してネットスーパーの 便利さが分かると、小さな子供を抱えている主婦や共働きの女性などは天気に関係なく利用するように なる。実にネットスーパーの利用者の96%がリピーターだという調査結果がある。高齢者にはパソコンの 操作がネックで普及しないと言われているが、家庭へのインターネット普及とあいまってパソコンの操作 経験者も増えている。ネットスーパーは買い物難民救済の手段としても期待できそうだ。 ■ビジネス拡大のポイントは配送料負担 商品の品揃えや価格、選び易さといった商品力はもちろん重要だが、ネットスーパー最大の課題である 配送料を安くしないと顧客は増えない。複数の大手ネットスーパーを見ると、配送回数は1日3回以上、注 文から配送まで時間は最短で3時間程度で配送料は1回あたり315円や525円といった設定が一般的だ が、一部では1回105円を打ち出した例もある。一定額(例えば5,000円)以上の購入で配送料を無料にす る例が多いが、最近では3,000円、2,000円と無料ラインを下げたところもあり、今後は配送料負担をより 軽くする方向にシフトしていくと予想される。また、配送を希望する時間帯が集中する傾向があるので、利 用の少ない時間帯の配送料を安価にして平準化するような工夫も見られる。 ■買い物難民対策に補助金! 経済産業省は、買い物難民対策に取り組む事業者に補助金を出す制度を創設した。対象となる補助 事業としては、「商店のなくなった集落で出店するミニスーパー」や「スーパーと商店街が共同で取り組む 共同宅配」などいくつかの事例が挙げられているが、それらに限定されていないのでアイデア次第だ。複 数の事業者が連携して行う事業に対し1億円を上限に3分の2が補助される。例えば、ネットスーパーを 始める場合に「固定費化しがちな配送コストを宅配業者などと協業して変動費化する仕組みの構築」に 補助金申請してみてはどうだろう?(注意:審査があるので応募すれば必ず採択されるものではない) 申請締切は12月15日、詳しくは経産省HPで→ http://www.meti.go.jp/information/data/c101122aj.html ●お問合せ:「ニュートラル研究所」編集部 http://www.neutral.co.jp/institute 東京都港区赤坂7-9-1トーユー赤坂ビル別館 TEL:03-5575-3655 FAX:03-5575-3654 E-mail:institute@neutral.co.jp ※ 今後、このような情報提供がご不要な場合は、お手数ですが送信停止希望欄にチェックの上、ご返信ください。 □ 送信停止希望 お客様FAX番号: - -
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