情報システム 第8回 2009年12月9日 インターネットの技術 今日の内容 • インターネットの技術 – 常時接続・ブロードバンド接続 – ダイアルアップ接続 – LANの技術 固定IPアドレスと動的IPアドレス • 固定IPアドレス – 常時接続サービスに申し込むと割り当てられるグ ローバルIPアドレス – 他のユーザーは使えない専用のIPアドレス – IPアドレスが変わらないが別料金が必要であることが 多い • 動的IPアドレス – DHCPサーバなどを用いて現在接続しているユーザに 対して割り当てるIPアドレス – 接続の度にIPアドレスが変わる可能性があるためサー バは設置できない(ダイナミックDNSで回避可能) ダイナミックDNS • ドメイン名とIPアドレスの変換を行うDNS サーバにIPアドレスの変更機能を付加した もの • 接続の度にIPアドレスが変わっても、ドメ イン名との対応付けを随時変更すれば サーバの設置も可能 FTTH • シングルスター方式 – 一本の光ファイバを占有・各世帯にMC(メディアコンバータ) – 設置コスト高いが高速 • アクティブダブルスター方式 – – – – 一本の光ファイバを共有・各世帯にONU リモートターミナルで分岐(分配する装置) 基地局にOLT 設置コスト安いが速度が低下する可能性がある • パッシブダブルスター方式(PON) – – – – 一本の光ファイバを共有・各世帯にONU 光スプリッタで分岐(光を分岐する・電源いらない) 基地局にOLT 設置コスト安いが速度が低下する可能性がある 集合住宅の接続方式 • 建物まではFTTH • 建物内は、 – LAN • LANケーブルを配線 – VDSL・HomePNA • 電話回線を使う • ADSLより高い周波数を使って高速、安定した通信を実現 • VDSLは最大100Mbs、HomePNAは最大10Mbps – FWA • 無線を使う方式 ADSL • 既存の電話回線を利用して高速通信を実現するDSL技術 の一つ • 下りと上りがAsymmetric(非対称) • 規格名称(速度はいずれも最大値) – G.992.1(G.dmt) • 8Mbps(上りは1Mbs) • 新しい拡張規格(Annex A.ex, Annex C.x)で12Mbps(上りは1Mbs) – G.992.2(G.Lite) • 1.5Mbps(上りは512kbps) • 低速だが干渉が少ない – 付帯規格Annex A(北米), B(ヨーロッパ), C(日本) • 日本ではAとCが使われている – Annex Cは日本のISDNの影響を抑える仕組み 最近のADSL • 高速化 – 下り40Mbps以上 • Quad Spectrum規格 – 下り50Mbps • eXtremeDSL MAX • サービスごとに対応機器が決まっている ので指定された機器を使う – 規格が違えばADSLモデムも違う • 複数規格に対応したADSLモデムもあるがすべてに 対応したものはない PPPoE • ADSLでは通常、Ethernetで自宅のパソコンと局 内の装置(BAS)が接続(ADSLモデム~DSLAM を介する) • 認証のためにPPPをEthernet上で使用 – IPアドレスはIPCPで割り当て – IP over PPP over Ethernetとなる • PPPoEを使わずDHCPによるIPアドレス割り当て を行うADSL接続サービスもある ダイアルアップ接続 • 電話回線経由で必要な時だけRASに接続 – アナログ回線 • 一般電話+モデム • ADSL – デジタル回線 • ISDN • PIAFS • 定額料金により「常時」接続 • PPP – PAPまたはCHAPで認証 • 暗号化なしがPAP、暗号化ありがCHAP – IPCPでIPアドレスを動的割り当て Ethernet • 100Base-TX ← 現在の主流 – 100Mbps – カテゴリ5のLANケーブル(より対線) • 1000Base-T – 1Gbps – エンハンストカテゴリ5のLANケーブル • ほかにも光ファイバを用いる規格などが ある Ethernetの通信 • 同一セグメントのすべてのコンピュータ に向けデータを送信 – セグメント=Ethernetにおいてデータが到達 し得る範囲 – HUB(ハブ)で拡大 • リピータハブ(電気信号を増幅するだけ) • スイッチングハブ(宛先を見て判断) • 自分宛のものだけ処理する • 自分宛かどうかはMACアドレスで判断 MACアドレス • MAC=Media Access Control • 機器固有の情報 – NIC(Network Interface Card)ごとにメーカー が付ける • 「物理アドレス(Physical Address)」とも 言う 例:00-16-A9-9D-6C-17 無線LAN • IEEE802.11gが主流 – 2.4GHz帯(ISMバンド)を使用するため免許 が丌要 • アドホックモード – 1対1 • インフラストラクチャモード – アクセスポイントが必要 無線LANの規格 • IEEE802.11b – 2.4GHz帯、最大11Mbps • IEEE802.11a – 5GHz帯、最大54Mbps、2005年5月から屋外利用可(一部の帯域) • IEEE802.11g – 2.4GHz帯、最大54Mbps、b/g対応機器多 • IEEE802.11n – TGnSyncによりチャンネル幅を2倍の40MHzに – MIMOにより複数のアンテナを用いて帯域を増やす – 4本のアンテナで最大600Mbpsの通信が可能 • 2本のアンテナ20MHzで108Mbps • 3本のアンテナ40MHzで300Mbps その他のLAN接続 • 電力線通信(PLC) – 電気配線を用いてデータを送受信 – 最大150m – HD-PLC • 4〜28MHz, 最大190Mbps – HomePlug AV • 2〜30MHz, 最大200Mbps – UPA • 2〜30MHz, 最大190Mbps – コンセントにPLCモデムを接続すればよい – 電化製品からのノイズにより通信速度は低下 DHCP • IPアドレスを自動的に割り当てる仕組み – ブロードキャストでDHCPサーバに要求 • • • • IPアドレス サブネットマスク ゲートウェイ(ルータ)のアドレス DNSアドレス – を得る – リース期間あり • 過ぎると再度割り当て要求 NAT • Network Address Translation – プライベートアドレスをグローバルアドレス に変換 – NAPT(Network Address Port Translation, IPマ スカレード)で活用 • ポート番号とアドレスを組み合わせて一つのグ ローバルアドレスで複数のプライベートホストを 接続可能に • ISDNルータ、ADSLルータにはNAPT機能がある ポートフォワーディング • 静的NAT・静的IPマスカレードとも言う • NAPTに際して、プライベート側のIPアド レスとポートを固定する仕組み – 丌正侵入される危険性もある • 内部ネットワークからも分離されたネットワーク (=DMZ)を使うと比較的安全 • UPnPではポートフォワーディングを自動 的に設定する 各種サーバー DNSサーバ • IPアドレスとドメイン名の関係を記録したサーバ – ドメインごとに存在する • ルートドメインを起点に検索 – ルートドメインを担当するのは全世界に13台 – 最初に自分が情報を持っていないかどうかを調べ、 持っていなければドメイン名の右側から担当するDNS サーバに次々に問い合わせを行い(再帰的な名前解 決)、結果をクライアント(PC)に返す • 代理DNS機能 – ブロードバンドルータが問い合わせをDNSサーバに中 継 メールサーバ • SMTP – 送受信・中継 – 古くはサーバで直接メールを読み書きしたのでこれだけでよ かった • POP – SMTPサーバに届いたメールを取り出す仕組み – クライアント(PC)にいったん取り込んで利用 • IMAP – SMTPサーバに届いたメールを取り出す仕組み – サーバに置いたまま利用するのが一般的 • Webメール – Webサーバの後ろではSMTP/POP/IMAPサーバが働いている Webサーバ • Webブラウザから要求を受け取り、要求さ れたコンテンツを返す • ブラウザとサーバ間の通信プロトコルが HTTP – HTTPサーバとも言う • 要求に応じて動的にコンテンツを作成し て返す仕組みもある – CGI、SSIなど ポート番号 • IPアドレス→電話番号・住所 • ポート番号→内線番号・個人名 • 代表的な番号(ウェルノウンポート) – – – – – – – – – – – 20:FTPデータ 21:FTP 23:TELNET 25:SMTP 80:HTTP 110:POP3 143:IMAP 443:HTTPS(暗号化されたHTTP) 587:SMTP Submission 993:IMAPS (暗号化されたIMAP) 995:POPS (暗号化されたPOP3) コンテンツ配信技術 WWW • 1989年CERNのTim Berners-Leeが考案 – 「HTML」で記述 • 1993年画像表示可能なNCSA Mosaicが登場 – Netscape Navigator, Internet Explorer • 現在はW3C(World Wide Web Consortium)が 規格(HTMLの文法など)を制定 – HTML 2.0→HTML 4.01へ HTML • 「タグ」を使い文章を構造化 • 他の文書に「ハイパーリンク(リンク)」できる – <a href="リンク先URL">キーワード</a> • 画像を埋め込むことができる – <img src="画像のURL" alt="画像の説明"> • 構造 – 文書型宣言部 – ヘッダ部 – ボディ部 HTMLの基本 • ヘッダ部とボディ部は – <html>~</html> • ヘッダ部は – <head>~</head> – 文書に関する情報(タイトルなど)を記述 • ボディ部は – <body>~</body> – 文書本文を記述 – 段落は<p>~</p>、見出しは<h1>~</h1> XML • W3Cが定めた文章構造記述言語 • タグを独自に定義可能 • XTHML – XMLに準拠したHTML • SVG – ベクトル画像記述言語 • RDF – 何もかも表現し分類や検索を効率化 – 応用例:RSS • 見出しや要約 コンテンツ作成時の注意点 • W3Cで非推奨のタグは利用しない • 文書構造を明確にし、情報にあったタグを利用 する • 表をデザインに使用しない • 見栄えにはCSSを利用する • 画像にはALT属性で説明を付ける • 色遣いや文字の大きさに考慮する • リンクは、リンク先や内容をはっきりとわかる ようにする Webブラウザの技術 • プラグイン – 動画・音声・画像など • Active X – IEのみ • Javaアプレット – ブラウザのみで動作する特殊なJavaプログラム • スクリプト – JavaScript, VBScriptなどWebブラウザの動作を制御する • PHP – サーバーサイドスクリプト • Cookie – Webサーバからの要求に応じてクライアント側に情報を保存する仕組み。 必要に応じてサーバに送信される – 有効期限やドメイン名などの付加情報を設定可能 コンテンツ配信 • ストリーミング再生 – Windows Mediaなど • 音楽配信 – MP3(MPEG-1 Audio Layer 3) • 人間に聞こえない周波数の音を削除してデータを圧縮 – ATRAC3、AAC • IPマルチキャスト – 複数のコンピュータに対して同一のデータを送信す る仕組み フィード • Webページの更新を知らせる方法 • RSS – RDFに基づくが互換性がない複数のバージョ ンが存在 • RSS 0.9/1.0はRDF Site Summary • RSS 0.91はRich Site Summary • RSS 2.0(0.92)はReally Simple Syndication • Atom – RSSの混乱を解消するため登場 ファイル圧縮 • 可逆圧縮 – 元に戻せる – 文書ファイルやプログラムに使用 • 非可逆圧縮 – 元に戻せない – 画像データや音声データにおいて、人間が感じられないデータを削除 してデータを小さくする • 圧縮方法 – ランレングス • 連続する個数で表現 – ハフマン • データのパターンを符号で置き換え – LZ法 • 「辞書」を使って置き換え • GIFで使われるLZWの元 主な圧縮形式 • Zip(.zip) – Windowsでは世界標準 • LHA(.lzh) – 日本国内が多い • StuffIt(.sit) – Mac OSで標準的 • GZIP/GNU zip(.gz) – UNIXで標準的 • 自己伸張形式 – 圧縮解除プログラムを圧縮ファイルに組み込んだもの • RAR(.rar) – 圧縮率が高い→P2Pネットワークでの利用が多い • JAR(.jar) – Javaのデータやファイルを一つのファイルにまとめたもの – 圧縮に使われているのはzip 文書ファイル • テキスト – 英数字、漢字など人間が読むことができる文字のみ で記述されたファイル – メモ帱で編集ができる – 拡張子は.txtなど • PDF – – – – Adobeの文書フォーマット 印刷情報をほぼ正確に再現 Adobe Readerで読むことができる 拡張子は.pdf 画像ファイル • JPEG(.jpg, .jpeg) – – – – 静止画フルカラー 非可逆圧縮でファイルサイズを小さく 自然画像向き プログレッシブJPEG(だんだん見えてくる) • GIF(.gif) – 静止画256色まで – 透過色設定可能 – LZW圧縮 • PNG(.png) – – – – 静止画フルカラー 可逆圧縮 透明度設定可能 Zip圧縮 マルチメディアファイル • 動画 – – – – – – – – MPEG(.mpg, .mpeg)=動画 AVI(.avi)=動画、マイクロソフト QuickTime(.qt, .mov)=動画、アップル Shockwave(.dcr)=動画、マクロメディアDirector Flash(.swf)=動画、マクロメディア、Flash Player RealVideo(.ram, .rm)=動画、リアルネットワークス 3GPP(.3gp)=携帯電話向け、MPEG-4 ASF(.asf, .wmv)=Windos Mediaのファイル形式 • 音声/音楽 – – – – – MP3(.mp3)=MPEG-1オーディオ WMA(.wma)=Windows Mediaのファイル形式 MIDI(.mid, .midi)=デジタル音楽機器のための規格 RealAudio(.ram)=音声ストリーミング用、リアルネットワークス AAC(.aac, .m4a, .3gp, .3g2)=MPEG-4オーディオ P2P • サーバを利用せず、PC同士がファイルをやりと りする仕組み – ピュアP2P • サーバを使わない • Gnutella(LimeWire、Cabos) – ハイブリッドP2P • どこになにがあるかの情報はサーバに • BitTorrent – ファイルをピースに分割して共有 • 暴露ウイルスによる情報漏洩が社会的問題に – P2Pネットワークに流れた情報は回収できない
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