WAN エミュレーション: 精度が重要な理由 リアルタイム オペレーティング システムとデスクトップ/サーバー オペレーティング システムの比較 ホワイト ペーパー: WP077 はじめに WAN エミュレーションの分野では、(ほとんどの顧客にはあまり知られていませんが) 制御/管理の方法が 2 種類あり ます。エミュレーション製品を購入前に評価する人々が、この違いの存在やこれが重要である理由を知らなくても無理 はありません。この違いに関する情報を公表している WAN エミュレーション プロバイダはほとんどいないからです (理由については後述します)。 この違いは、WAN エミュレーション装置で 2 種類のオペレーティング システムが使用されていることに関係します。" リアルタイム" オペレーティング システムとデスクトップ/サーバー オペレーティング システムに基づくオペレーティン グ システムです。このホワイト ペーパーでは、この 2 つの主な違いと、これらの違いが営利組織にとって重要な理由 について説明します。 エミュレーションのリアルタイム オペレーティング システム (RTOS) とは Linux などの汎用オペレーティング システムとは異なり、エミュレーションの RTOS は、アプリケーションに対して同 様の基本的支援は行いますが、重要なエミュレーション処理をリアルタイムに提供することだけに焦点を合わせていま す。これらの処理には、ネットワーク パケットの送受信や、正確な粒度でのジッタ、遅延、その他の障害の処理などが あります。 デスクトップ/サーバー オペレーティング システムの欠点 Windows、Linux、および Mac OSX は、デスクトップまたはサーバーの運用を目的に設計されており、この役割にお いては有効に機能します。ただし、これらのオペレーティング システムは、今日の WAN エミュレーションのニーズに 対応するように設計されているわけではありません。何年も前には、設計者は最終用途としてのエミュレーションを考慮 に入れていなかったと言えます。 これらのオペレーティング システムは汎用性が高すぎ、WAN エミュレーションに必 須と考えられる極めて高い精度には対応していません。ユーザーがエミュレータから報告される結果に基づいてビジネ ス上の基本的な決定を下そうとしている場合、それらの結果は可能な限り正確でなければなりません。 一部の WAN エミュレーション ベンダーは、JAR Technologies が高精度の市販製品であることが必要と考えるもの エミュレータ用に、無料のサーバー向けオペレーティング システムである Linux を使用しています。 次の表に、 RTOS のいくつかの最も重要な側面を示します。また、エミュレーションの要件に対応するために使用される OS とし て Linux を取り上げ、各機能を比較します。 JAR Technologies データシート - All rights reserved.JAR Technologies は英国上場企業 (NI603135) です。 アクション ネットワークからのパケットの受信 これが重要な理由 パケットの受信時に遅延が発生すると、精度が大幅に低下します。 RTOS 以外の OS の問題点 "割り込み" は多くの電子システムの中核を成しています。割り込みは、システムの処理に文字どおり割り込んで目的の処理を実行させる ために使用されます。Linux などのシステムでは、多くの場合、組み込み遅延が発生した後にのみネットワーク ハードウェアからの割り 込みに応答します。この遅延が追加されているのは、複数の割り込みをまとめることができるようにするためです。WAN エミュレーション の観点から言えば、これらの割り込みを遅らせると、ユーザーのデータ パケットをエミュレータに取り込む際の所要時間の増加率がわか らなくなります。 そのため、データ パケットごとに異なる予想外の遅延が発生します。 RTOS の利点 JAR Technologies の RTOS は、受信したネットワーク パケットを処理するため実行しているシステムに即座に割り込み可能です。こ の動作は何度も繰り返し可能であるため、これにより高い精度な測定と確度を提供することができます。 側面 処理能力 これが重要な理由は? すべての処理能力には限りがあります。 WAN エミュレーションの場合、オペレーティング システムが無関係のタスクに費やす時間が減 るほど、実行できるエミュレーション固有の処理が増えることになります。 Linux の問題点は? Linux は、サーバー ベースの処理用に設計された、複合的な機能レイヤを持つビジーなオペレーティング システムです。CPU は、バッ クグラウンド タスクを実行する幾層にも重なる複雑なコードを絶え間なく処理し続けます。最適化されるものはほとんどなく、あらゆるもの が汎用として設計されています。 USB コントローラを例にとってみると、USB デバイスをコンピュータに接続していない場合でも、CPU は新しいデバイスが接続されてい ないかどうかの確認に時間を費やす可能性があります。 RTOS の利点 JAR Technologies の RTOS には無駄がありません。WAN エミュレーションに必要なコンポーネントだけが使用されます。 USB 機器 や大容量のハード ディスクをサポートする機能は不要です。ジョブを実行するために必要なオペレーティング システム コンポーネントだ けがインストールされ、動作します。 RTOS は目前のタスクに最適化され、無関係の不要な処理に時間を費やすことはありません。RTOS の簡素化された特性は、実際の ネットワークのリアルタイム特性と WAN エミュレーションの要件への対処に優れていることを意味します。 このようなハードウェアの解放により、顧客は市場の同種のエミュレータに比べてはるかに強力で複雑な WAN エミュレーション シナリ オを作成することが可能となります。顧客には、装置内のソフトウェアが目的のタスク専用であることがわかります。 側面 タイミング精度 これが重要な理由は? たとえば、ユーザーは、パケットを 35.3 ミリ秒遅延させる必要がある場合に、厳密に 35.3 ms の時点でパケットがネットワーク上に出 力することを確約する必要があります。この時点でパケットが出力されない場合、エミュレーションを実行する以前に、エミュレーションは 不正確であることになります。 Linux の問題点は? 複数の割り込みをまとめる Linux の特性により、Linux は低いタイマー分解能で動作するようには設計されていません。 Linux が 35.3ms 経過したと認識した時点で、(コンピューティングの観点から) 通常はこれよりも長い時間が経過しています。Linux は タイマーを読み取るのに適した時間まで待機する必要があるため、実際の経過時間は Linux がタイマーの読み取りを待機する時間に よって決まります。 ユーザーがパケットを 35.3ms 遅延させるたびに、実際に発生する遅延は一定ではありません。つまり、最初の試行 では 36.3ms、次の試行では 37.5ms、その次の試行では 40.1ms というように、遅延時間が毎回異なる可能性があります。 一定の遅延を発生させることが目的であっても、エミュレーションでは実際には各データ パケットで制御できないレベルのジッタが発生し ます。データにジッタを追加することが目的である場合も、エミュレーションではユーザーが要求したものとは異なる不明な範囲のジッタが 発生します。 RTOS の利点 JAR Technologies のタイマー システムは、要求された時間どおりに割り込みが発生するようにプログラムされています。タイマーは即 座に処理され、タイマー通知からコードへの入力までの時間を測定できるため、結果として発生する処理は非常に精度の高いものとなり ます。 まとめ: ビジネス/ミッション クリティカルな商用アプリケーションに不可欠 決定的時間に瞬時に対応できないと、パケットを受信し、WAN の状態 (遅延やジッタなど) を適用し、実際のネット ワークを正確に再現してパケットを再発行することは不可能になります。 JAR Technologies は、ユーザーがデータ パケットを 35.3 ミリ秒遅延させたい場合、実際に厳密に 35.3 ミリ秒遅延 させると明言できます。 JAR Technologies の WAN エミュレータは、専用のオペレーティング システムで実行されるため、顧客はより複雑な 処理を実行できます。必要に応じて、エミュレーションを詳細にすることも単純にすることもできます。これに加え、十分 に余裕のある処理により、各装置は新たな要件や顧客が今後必要とする可能性のある機能に確実に対応できます (別のハードウェアのコストは不要です)。 JAR Technologies は、非常に正確な結果が得られる高精度の装置を提供します。他の目的のために設計されたオ ペレーティング システム上に構築されたエミュレーションは、これに対抗できません。 顧客が WAN エミュレータにリ ソースを費やしたいのであれば、顧客のニーズ向けに設計されているわけではないオープン ソース ソフトウェア上に 構築されたエミュレータの購入を選択する必要はないと思います。また、JAR Technologies は、最新のソフトウェア ア ルゴリズム、ハードウェア ソーシング、オペレーティング システム仕様を使用しており、市場の同種のエミュレータと比 べても、競争力のある価格設定で顧客の要望を実現します。 詳細 Shamrock WAN エミュレータの詳細については、JAR Technologies の Web サイトを参照してください。Shamrock の機能セット、操作、オープン XML 通信形式に関する詳しい情報をご覧いただけます。 Shamrock が御社でどのように役立つかについての説明が必要な場合や、Shamrock の詳細に興味をお持ちの場合 は、下記の連絡先までお問い合わせください。 JAR Technologies について JAR Technologies は、ネットワークの品質保証ツールとエミュレーション ツールを設計、製造するトップレベルの企業 です。当社の目標は、顧客がネットワーク関連の問題に直面する前に、IT プロフェッショナルによってそれらの問題が 検出され、修正できるようにすることです。 実際の IP ネットワークで新しい製品またはサービスに影響を及ぼすと考えられる問題を、アプリケーション開発の早 期に明らかにすることでこれを実現します。そのため、コストのかかる修正や回収を行うことなく、問題を軽減できます。 ネットワーク上のアプリケーション: その情報をいち早く ビットリーブ株式会社 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚3-2-15 第 2 ベルプラザ6F TEL:03-6276-0880 FAX:3320-5900
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