第 38 回 三重県医学検査学会 日時 :平成 27年 11月 1日(日) 9:25 〜 16:00 (会員証を提出して下さい) 会場:鈴鹿医療科学大学 千代崎キャンパス 一般社団法人 会 長 実行委員長 B棟 三重県臨床検査技師会 山本 幸治 宇城 研悟 ご 案 内 会員の皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 第 38 回三重県医学検査学会を平成 27 年 11 月 1 日(日)鈴鹿医療科学大学千代崎キャンパス において開催します。一般演題 15 題と、昨年度から取り入れた学生演題 2 題の発表、最新の話 題を提供する『ランチョンセミナー』、各分野のトピックスを気軽に聴ける『カフェスイーツ・ セミナー』を企画しました。 特別企画として日本臨床衛生検査技師会 宮島喜文 会長より『“検体採取”から未来を考える。』 をテーマに講演していただきます。 会員の皆様、ご多忙とは存じますが多数ご参加下さいますようお願い致します。 【一般演題の演者の方へ】 1. 発表時間は、口演7分、討論3分です。 液晶プロジェクターは1台で、使用パソコンソフトは Windows 7 です(Macintosh は使用不可)。 ソフトウエアーは Windows 版 Power Point 2003、2007、2010 を使用して下さい。作成したファ イルは USB メモリで保存し当日持参して下さい。 (*前日 10 月 31 日の 16~17 時の間にスライド受付と学会会場での試写が可能です。) 午前の演者は必ず午前 9:00 までにスライドのインストール、動作確認を行って下さい。 午後の演者は必ず午前 11:30 までにスライド受付を行って下さい。 自身の PC を使用される方は事前に連絡して下さい。 2. 次演者は、前者が登壇後に次演者席で待機して下さい。 3. 発表内容は、三重県臨床検査技師会誌に掲載します。当日受付にて CD-R を受け取り、 平成 28 年1月 31 日までに学術部 宇城まで提出して下さい。 【座長の方へ】 1. 次座長は、前座長が登壇後に次座長席にて待機して下さい。 2. 担当のセッションは時間内に終了するように配慮して下さい。 【参加費】 ・三重県臨床検査技師会の会員 無料 ・他県の検査技師会の会員 500 円 ・非会員の方 ・学生 2,000 円 無料 問い合わせ/連絡先: miegakujutsu@yahoo.co.jp 1 < プログラム 9:00 ~ 受 9:25~9:30 開会の辞 > 付 会長挨拶 9:30~10:00 一般演題 第1部 10:00~10:45 特別企画 3題 “検体採取”から未来を考える。 日本臨床衛生検査技師会 10:55~11:35 一般演題 第2部 宮島喜文 会長 8題 (会場1・会場2に分かれて開催) 11:35~11:40 三重県臨床検査技師会 学術奨励賞表彰式 11:45~12:45 ランチョンセミナー(食事付き) (*学会受付時に会場を一つ選択していただきます) 会場3 富士レビオ(株) 会場4 オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス(株) 会場5 アボットジャパン(株) 13:00~13:20 学生部門演題発表 2題 13:30~14:15 一般演題 4題 14:20~15:00 カフェスイーツ・セミナー 15:10~15:50 学術企画 15:50~16:00 閉会の辞 第3部 (4社) 「三重県にける検体採取・検査説明の現状」 2 < 1. 特別企画 学会内容一覧 会場1 > 10:00~10:45 「“検体採取”から未来を考える。」 2. 一般演題(第1部) 会場1 日本臨床衛生検査技師会 宮島 喜文 会長 9:30~10:00 ・遠心条件による凝固検査への影響 長谷川 圭 ・過眠症における主観的および客観的睡眠評価の検討 白本 裕平 ・簡単報告書を用いた医療安全対策への取り組み 山本 麻瑚 一般演題(第2部) 会場1 10:55~11:35 ・大量胸水を主訴とし、子宮内膜細胞診陽性が診断の契機となった腹膜癌の一例 柴田 瞳 ・IC タグを用いた尿検体管理システムおよび全自動尿分取装置の導入効果と今後の課題について 坂崎 由佳 ・当院における時間外尿検査の実態 三ツ橋 健 ・尿沈渣中硝子円柱標準化に向けた取り組みとその効果について 星 雅人 一般演題(第2部) 会場2 10:55~11:35 ・PWV/ABI の検査を契機に発見された両側鎖骨下動脈狭窄症の 1 例 岸江 知哉 ・当院におけるイベントレコーダーの現状 新谷 麻乃 ・当院で経験した pulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)の一例 前田 奈津江 ・左室後乳頭筋近傍起源心室頻拍に対して高周波カテーテルアブレーションを 松林 正人 施行し興味ある反応を呈した 1 例 一般演題(第3部) 会場1 13:30~14:15 ・当院におけるオーソ VISION®の運用について 仁科 正樹 ・ルミパルス G1200 における HCV コア抗原測定の前処理時間短縮についての検討 古森 由規 ・当院における抗酸菌検査状況 秦 由佳 ・三重大学病院における抗酸菌塗抹検査の精度管理について 伊藤 優佳 3. 学生発表 会場1 13:00~13:20 ・HPLC 及びクーロアレイを用いた脂溶性ビタミン同時定量の試み 吉川 堅斗 ・尿沈渣標本の長期保存方法の検討-Ⅱ 宇佐 美真奈 4. 学術奨励賞表彰式 会場1 11:35~ 5. 学術企画 会場2 15:10~15:50 「三重県における検体採取・検査説明の現状」 ・当院における検体採取の現状 小林 千明 ・三重県における検査説明・相談実施状況アンケート集計報告 森本 ・私はこうした!検査説明という業務拡大への戦略 山本 幸治 3 誠 6. ランチョンセミナー 11:45~12:45 会場3:B 型肝炎検査マーカーの最近の話題 富士レビオ株式会社 福田雅之助 会場4:輸血医療に関わる検査技師に求められるもの オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社 古坊孝志 会場5:急性腎障害における新規バイオマーカーNGAL の意義 アボットジャパン株式会社 7. カフェスイーツ・セミナー <参加企業> 会場2 轟木 亮平 14:20~15:00 シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)、アボットジャパン(株) シスメックス(株)、和光純薬工業(株)、(株)シノテスト 8. 企業展示 <参加企業> 10:00~15:10 シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株)、栄研化学(株)、 (株)BML シスメックス(株)、ベックマン・コールター(株)、積水メディカル(株) 9. 学会進行表 4 < プログラム > 特別企画 座長:山本 幸治(済生会松阪総合病院) “検体採取”から未来を考える。 一般社団法人 会長 日本臨床衛生検査技師会 宮島 喜文 国は持続的な社会保障制度を確立するために、昨年 6 月の国会において「地域におけ る医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」を成 立させた。この中でチーム医療を推進する観点から、「臨床検査技師等に関する法律」 も一部改正され、念願であった“検体採取”が業務に追加された。 さて、戦後の団塊世代が後期高齢者に突入する 2025 年に向け、今後の医療・介護体 制の整備として、地域包括ケアシステムの構築が進んでいる。この中で、医師・看護師・ 薬剤師・管理栄養士・PT・OT など役割は謳われているが、臨床検査や臨床検査技師につ いては全く言及されていない。このような中で、唯一、実現できたものが上記の“検体 採取”である。 今日、この検体採取も第一段階である法律に関する整備が完了し、第二段階として既 免許取得者を対象とした「検体採取等に関する厚生労働省指定講習会」を実施している。 そして、第三段階として、上記の講習会の修了証書を受けた臨床検査技師が診療現場で 実践する時を迎えている。 診療現場においての“検体採取”の具体的な実施方法は、各施設の状況に合わせて対 応するものであるが、医師の具体的な指示があった場合は、拒否することなく、安全性 を確保して、迅速に実施していただきたい。そのことが、臨床検査技師の業績となり、 外部からの高い評価に繋がると確信している。 急速に変化する社会情勢や技術革新の中で、臨床検査は今後も変化を続けるであろう。 そして、患者の正面に向きあう姿勢がなければ、2025 年には臨床検査技師が保健・医療・ 介護の分野での存在価値が問われる事態を招きかねないと危惧している。私達は日々変 化し、進化を続けることが必要である。最後に、私が考える“自らがパラダイムシフト から構築する戦略”を提言し、会員の皆さんと共に考えてみたい。 5 一般演題(第1部)・会場1 9:30 演題1 座長 広瀬 逸子 (鈴鹿回生病院) 遠心条件による凝固検査への影響 三重大学医学部附属病院 中央検査部 ○長谷川 圭、下仮屋 雄二、坂口 茜、渡邊 真希、関岡 富美子、森本 誠、 中谷 中 凝固検査の遠心時間に対して、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute) のガイドラインでは、血漿中の残存血小板を除くために、室温(18~25℃)で 1500G、15 分以上の遠心処理を行うことが推奨されている。 しかし、大量出血時や手術の際には、迅速な結果報告が要求されることがある。この ような場合、15 分以上遠心することは TAT(Turn Around Time)の延長につながり、治療 に影響することが懸念される。 今回、我々は残存血小板が影響する項目を明らかにし、凝固検査の遠心時間を短縮す ることを目的として検討した。 9:40 演題2 座長 坂下 文康 (三重県立総合医療センター) 過眠症における主観的および客観的睡眠評価の検討 三重大学医学部附属病院 中央検査部1)、精神科神経科 2) ○白本 裕平1)、藤井 忍1)、杉野 百華1)、樋口 恵一 1) 、大沼 秀知1)、 森本 誠1)、元村 英史 2)、中谷 中 1) 反復睡眠潜時検査(multiple sleep latency test:MSLT)は客観的な眠気を判定するこ とができ、眠気を要する患者の病態の診断に必須とされている。当院ではエプワース眠 気尺度(Epworth sleepiness scale:ESS)と合わせて VAS(visual analog scale)を用い て眠気のアンケートも実施しており、これらの主観的睡眠評価と 2 時間おきに 1 日 5 回 記録を行う MSLT による客観的睡眠評価から、特発性過眠症やナルコレプシーと診断さ れた患者及び他の過眠症の病態について比較検討した結果を報告する。 6 演題3 簡単報告書を用いた医療安全対策への取り組み ~リスクの報告がしやすい環境を目指して~ 松阪市民病院 中央検査室 ○山本 麻瑚、宇城 研悟、豊﨑 光代、西村 はるか、辻 佐江子、田畑 隆江、 長島 光治 当院検査室では医療安全対策の取り組みの一環として、平成 26 年 9 月から「リスク 簡単報告書」の運用を開始した。当院全体の医療安全対策で正式な「ヒヤリ・ハット報 告書」は在るが、実際にはインシデントに至らないリスクが多く存在し、日常業務の中 で問題視されることなく、見過ごされている。そこで、「事例、経過、気付いたこと」 を表にし、いつでも誰でも手軽に記載できるように設置した。その結果、インシデント へ繋がるようなリスクに気付くようになり、医療安全について考える機会が増えた。 7 一般演題(第2部)・会場1 10:55 演題4 座長 金山 和樹 (三重大学大学院医学系研究科) 大量胸水を主訴とし、子宮内膜細胞診陽性が診断の契機となった腹膜癌の一例 三重県立総合医療センター 中央検査部 1)、産婦人科 2) ○柴田 瞳 1)、佐藤 翼 1)、小倉 昌弘 1)、草野 五男 1)、田中 浩彦 2) 腹膜癌は初発症状に乏しく、進行癌として発見されることが多い。また、オカルト 癌として原発巣診断に苦慮することも少なくない。 今回、55歳女性、大量の胸水を主訴とし、腹水貯留を認めなかった症例で、原発 巣検索の過程において子宮内膜細胞診陽性の結果が契機となり、腹腔鏡下手術にて腹膜 癌と診断された一例を経験した。文献的考察を加えて、これを報告する。 11:05 演題5 座長 平塚 美子 (遠山病院) IC タグを用いた尿検体管理システムおよび全自動尿分取装置の導入効果と 今後の課題について 三重大学医学部附属病院 中央検査部 一般検査室 ○坂崎 由佳、阿部 久美子、尾崎 洋平、森本 誠、中谷 中 新外来・診療棟移転に伴い、外来患者受診体制の大規模な変更を行った。新体制では これまで以上に検査データをより精確に、より早く臨床に報告することが求められた。 一般検査室では従来の手作業による尿検体の提出確認、受付作業(到着確認)、分注の 一連の操作を、IC タグを用いた尿検体管理システム u-TRIPS 及び全自動尿分取装置 UA・ROBO2000 を導入し、精確性と迅速性の向上を目指した。 今回、これらの導入効果と今後の課題について報告する。 8 演題6 当院における時間外尿検査の実態 市立伊勢総合病院 医療技術部 臨床検査室 ○三ツ橋 健、八木 政子、若林 広美、山田 里子、奥村 真子、 中村 和人 当院は近隣の一病院との輪番制で週一回救急当番を担っており、当検査室においても 日当直体制をとっている。日当直時の緊急検査項目として尿定性検査および尿沈渣検査 を施行しているが、尿検査における知識・技術には技師間で差があるのが現状であり、 尿定性検査における試験紙の理解や尿沈渣検査の鏡検能力など、一定のトレーニングが 課題となっている。今回、当院における時間外尿検査の実態を把握し、スキルアップ体 制の確立に向けて調査を行った。 演題7 尿沈渣中硝子円柱標準化に向けた取り組みとその効果について 鈴鹿医療科学大学 1)、大阪大学医学部附属病院 2)、東京大学医学部附属病院 3)、 東海大学医学部附属病院 4) 、藤田保健衛生大学病院 5) 、愛知医科大学病院 6)、 北陸大学 7)、岐阜大学大学院医学系研究科 8) ○星 雅人 1)8)、堀田 真希 2)、宿谷 賢一 3)、野崎 司 4)、古川 博 5)、 滝 賢一 6)、油野 友二 7)、稲垣 勇夫 8) 近年、硝子円柱における臨床的意義に関する多くの報告があるが、硝子円柱の詳細な 形態基準は未だ明らかではなく、判定のバラツキが大きいのが現状である。我々は全国 の尿検査担当技師 643 人に硝子円柱フォトアンケート調査を実施し、得られた結果から 硝子円柱形態判定フローチャートを作成した。さらに、本フローチャートを使用して、 40 人の硝子円柱判定結果を調査したところ、一定の効果が確認された。本フローチャー トの使用により、施設間・個人間差の収束が期待された。 9 一般演題(第2部)・会場2 10:55 演題8 座長 豊﨑 光代 (松阪市民病院) PWV/ABI の検査を契機に発見された両側鎖骨下動脈狭窄症の 1 例 済生会松阪総合病院 医療技術部 検査課 ○岸江 知哉、大谷 友哉、村林 加奈子、中川 真理子、山中 優香、 福本 義輝、山本 幸治 上腕‐足首間脈派伝播速度(brachial-ankle pulse wave velocity;baPWV)、足関節/ 上 腕 血 圧 比 (ankle-brachial pressure index ; ABI) は 、 末 梢 動 脈 疾 患 (peripheral arterial disease;PAD)を早期発見するための検査法として一般に広く用いられている。 また、冠動脈疾患、脳血管疾患患者では、PAD 発症リスクが高いと言われており、当院 では 2010 年より心臓カテーテル検査を行う患者に対し、PAD の早期診断のために PWV/ABI 検査を行っている。 今回我々は、PWV/ABI の検査を契機に発見された両側鎖骨下動脈狭窄症の 1 例を経験 したので報告する。 演題9 当院におけるイベントレコーダーの現状 伊勢赤十字病院 医療技術部 臨床検査課 ○新谷 麻乃、浅沼 里依子、市川 真嗣、別當 勝紀 不整脈の検出には従来ホルター心電図が使用されてきた。しかし、ホルター心電図は 記録時間が短く、不整脈の検出が困難な場合がある。それに対し、イベントレコーダー は最大 2 週間使用可能であり、不整脈出現時及び自覚症状を有する際に記録が可能であ る。そのために、検出される不整脈も多いと期待される。 当院では 2013 年にイベントレコーダーを導入し、現在までに 43 件実施した。それに よる不整脈検出結果について報告する。 10 11:15 演題 10 座長 浅沼 里依子 (伊勢赤十字病院) 当院で経験した pulmonary tumor thrombotic microangiopathy(PTTM)の一例 松阪市民病院 中央検査室 1) 循環器内科 2) ○前田 奈津江 1)、豊﨑 光代 1)、小阪 絵美 1)、鈴木 文香 1)、宇城 研悟 1)、 長島 光治 1)、諸岡 英夫 2) Pulmonary tumor thrombotic microangiopathy(以下 PTTM)は、肺動脈で微小腫瘍塞栓 により肺高血圧をきたすまれな病態である。血管内膜に付着した腫瘍細胞が局所で tissue factor 等の因子を放出、血栓形成や線維細胞性内膜増生による血管内腔の閉塞 等を生じる。PTTM は進行性の呼吸困難を主訴とすることが多く、亜急性から急性に進行 し肺高血圧から右心不全を呈し突然死をきたすことが多い。このため大多数は原因不明 で剖検での診断がほとんどである。本症例は背景に膀胱癌治療後のリンパ節転移があり、 心電図検査で肺塞栓症を疑い、心臓超音波検査では著明な右心負荷所見を確認した。し かし造影 CT 検査などで肺動脈に明らかな血栓や塞栓も認められず、肺自体に異常所見 もなかったために生前に確定診断がつかなかった PTTM を経験したので報告する。 演題 11 左室後乳頭筋近傍起源心室頻拍に対して高周波カテーテルアブレーションを 施行し興味ある反応を呈した 1 例 三重ハートセンター 診療支援部 臨床検査科 1)、循環器内科 2)、放射線科 3) ○松林 正人 1)、内田 文也 1)、柿本 将秀 1)、辻井 正人 1)、加藤 真史 2)、 小坂 祐紀 3)、平本 裕也 3)、水崎 繁 3) 左室乳頭筋近傍に起源を有する心室性不整脈は、特発性左室起源心室不整脈の約 10% を占め、その心臓電気生理学的特徴が明らかにされつつある。しかしながら、頻度が少 なく、その複雑な解剖学的構造などから不明な点も多い。今回、高周波通電中に生じた 二方向性心室頻拍、数回の通電後に生じた、Clinical VT と異なる QRS 波形を呈する心 室頻拍の発生など、興味ある所見を呈した症例を経験し、若干の知見を得たので報告す る。 11 一般演題(第3部)・会場1 13:30 演題 12 座長 丸山 美津子 (三重大学医学部附属病院) 当院におけるオーソ VISION®の運用について 独立行政法人国立病院機構 三重中央医療センター 臨床検査科 ○仁科 正樹、羽根 頼子、鈴村 章 当院は総合周産期医療を担う病院である。輸血検査は用手法で行っていたため、技師 間での結果判定の違い、手技の迅速性、効率化に苦慮していた。そこで 2015 年 3 月オ ーソ VISION®が導入され、輸血検査の運用が見直された。自動化にするにあたり、用手 法で問題となっていた事項が解消され、新機能であるユーザー定義プロトコール(UDP) により業務の迅速性、効率化が行えるか検討したので報告する。 13:40 演題 13 座長 佐野 智紀 (市立四日市病院) ルミパルス G1200 における HCV コア抗原測定の前処理時間短縮に ついての検討 独立行政法人国立病院機構 三重中央医療センター 臨床検査科 ○古森 由規、山口 健太、仁科 正樹、鈴村 章 HCV コア抗原は輸血後感染症検査項目であり、慢性 C 型肝炎患者の治療効果の確認に 有用である。当院では、これまで HCV コア抗原の検査を外部委託しており、NICU におい て新生児への採血量が多く、問題となっていた。2015 年 4 月より HCV コア抗原の測定が 可能な分析装置「富士レビオ ルミパルス®G1200」を導入した。そこで、今回われわれは 検体の必要最少量と検体の前処理時間の短縮、およびその運用方法について検討したの で報告する。 12 13:50 演題 14 座長 石黒 千晶 (伊勢赤十字病院) 当院における抗酸菌検査状況 三重県立総合医療センター 中央検査部 細菌検査室 ○秦 由佳、高羽 桂、東 薫、高橋 あけみ、海住 博之 我が国において、結核は年々減少傾向にあるが逆に非結核性抗酸菌症は増加傾向にあ り、抗酸菌検査の重要性は増している。当院での抗酸菌検査は、塗抹検査以外は委託し ているが、平成25年 7 月より LAMP 法を用いた結核菌群核酸同定検査の院内実施を開 始した。抗酸菌検査の当院での現状や傾向を報告するとともに今後の展望や検査の有用 性を考えた。 演題 15 三重大学病院における抗酸菌塗抹検査の精度管理について 三重大学医学部附属病院 中央検査部 1)、医療安全・感染管理部 2) ○伊藤 優佳 1)、若林 真衣 1)、安田 和成 1)2)、戸松 絵梨 1)、 中澤 恵子 1)、中村 明子 1)2)、森本 誠 1)、田辺 正樹 1)2)、 中谷 中 1) 抗酸菌には、感染防止のために早期の対応が必要とされる結核菌を始めとして、臨床 的に重要な菌種が数多く含まれている。精度の高い抗酸菌検査結果を迅速に診療科へ報 告するためには、日々の継続的な精度管理が重要である。今回、当院で実施している抗 酸菌塗抹検査の精度管理について報告する。 13 学生部門発表 13:00 演題名 座長 中西 繁夫 (鈴鹿中央総合病院) HPLC 及びクーロアレイを用いた脂溶性ビタミン同時定量の試み 鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 医療栄養学科 臨床検査コース ○吉川 堅斗、寺田 真幸珠、中村 果穂、山本 晴紀、森本 高史、上田 春菜、 当田 理恵、永井 未由、森下 芳孝 近年、脂溶性ビタミンがもつ抗酸化作用が癌などの疾患と関連していることが注目さ れている。そこで我々は、HPLC 及び電気化学分析を原理とするクーロアレイ(サーモフ ィッシャー社製)を用いてビタミン A、D、E、K からなる脂溶性ビタミンについて、同 時定量を試み、若干の知見を得たので報告する。 演題名 尿沈渣標本の長期保存方法の検討-Ⅱ 鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部 医療栄養学科 臨床検査コース ○宇佐 美真奈 1)、井上 亜耶 1)、蛯原 仁鈴 1)、奥原 彩也香 1)、中野 つづり 1) 、 西山 理紗 1)、恒川 航治 1)、寺澤 圭祐 1)、星 雅人 1) 我々は、昨年度に同様の発表を行ったが、S 染色標本においては染色性の低下を認め、 生標本と比較して十分な染色性を担保することが出来なかった。本研究では、新規尿沈 渣保存液を開発し、一部の成分を除いた無染色、S 染色標本を長期間に渡り、良好な染 色性を持ち保存可能となったので報告する。本研究の成果は、今後貴重な尿沈渣成分の 保存による教育的効果および同一標本を用いた精度管理等に寄与することが十分期待 される。 14 学術企画 15:10~15:50 テーマ 座長:上森 昭 (松阪中央総合病院) 「三重県における検体採取・検査説明の現状」 我々臨床検査技師を取り巻く環境は日々刻々と変化し続けている。医療のみならず社 会全体から強く求められる存在であり続けるためには、時代のニーズに逸早く対応して いくことが重要であり、その意味では日本臨床衛生検査技師会が“今”力を注いでいる 臨床検査技師による「検体採取」と「検査説明」という業務をいかにルーチン化してい くかということが大きな課題となっている。 「当院における検体採取の現状」 小林 千明 伊勢赤十字病院 医療技術部 臨床検査課 「三重県における検査説明・相談実施状況アンケート集計報告」 森本 誠 三重大学医学部附属病院 中央検査部 「私はこうした!検査説明という業務拡大への戦略」 山本 幸治 済生会松阪総合病院 三重県臨床検査技師会 医療技術部 検査課 学術奨励賞表彰式 11:35~11:40 受賞者 齋藤 麻菜美 (鈴鹿中央総合病院 中央検査科) 受賞演題 「下痢原性大腸菌の従来法による検出と病原遺伝子検索との相関について」 共同演者:別所 裕二、武野 潔 受賞者 長谷川 圭 (三重大学医学部附属病院 中央検査部) 受賞演題 「血液検査の精度向上への取り組み ~ISO15189 認証取得のための精度管理~」 共同演者:下仮屋 雄二、渡邊 真希、坂口 茜、池尻 佑子、関岡 富美子,森本 誠、中谷 中、和田 英夫、登 勉 15 11:45~12:45 テーマ ランチョンセミナー 会場3 「B 型肝炎検査マーカーの最近の話題」 富士レビオ株式会社 学術サービス部 福田 雅之助 〔はじめに〕 B 型肝炎検査マーカーの測定項目は、C 型肝炎マーカーよりも多くの検査項目がラインナップされており、各検査項 目の臨床的有用性をよく理解し、診断目的に応じて検査することが必要である。B 型急性肝炎と慢性肝炎の鑑別には IgG 抗体のみを捕らえる HBc 抗体検査での低力価、高力価判定が有用であることが示されている。B 型慢性肝炎の治 療方針は、治療ガイドラインが示され、2014 年度 B 型肝炎の治療ガイドラインでの B 型慢性肝炎の治療基本指針では、 核酸アナログを使用し、HBs 抗原陰性化を目指すと示されており、HBs 抗原検査が臨床診断上更に重要性を増してき ている。しかし、完治は困難であり、2016 年度からは新生児への HB ワクチン接種がスタートされることになる。 〔 HBc 抗体検査の臨床的有用性〕 HBc-IgM 抗体は HBV 感染初期に 3~12 ヵ月間、一過性に高力価で出現するため、B 型急性肝炎の診断に有用である。 HBc-IgG 抗体は、感染の比較的早期から血中に出現し、ほぼ生涯にわたって持続する。したがって、HBV 感染者の有 無を含め、既往感染を確認する検査である。また、HBc-IgG 抗体低力価の場合は一過性感染の急性肝炎、高力価の場 合は持続感染の慢性肝炎と解釈される。HBV 再活性化対策として、 「免疫抑制・化学療法により発症する B 型肝炎対策 ガイドライン」に沿った免疫抑制剤や抗がん剤などの使用に際して、HBs 抗原、HBs 抗体とともに HBc 抗体を測定す ることが示され、HBc 抗体の臨床的有用性が高まりつつある。 〔免疫抑制・化学療法により発症する B 型肝炎対策ガイドライン(2013 年 4 月改訂版)〕 血中 HBV DNA 量が持続的に一定以下となれば ALT 値も正常値が持続し、肝病変の進展や発癌が抑制され、さらに HBs 抗原が陰性化すればより一層発癌率が低下する。したがって治療目標は、核酸アナログ製剤(エンテカビル)の使用に より HBe 抗原陰性化と HBV DNA 量を持続的に低用量に保つことを第一目標とし、最終的には HBs 抗原陰性化を目指す ことが示されている。特に B 型肝炎キャリア、既往感染者が化学療法治療、免疫抑制治療を受ける場合は、HBV 再活 性化による重症肝炎を予防するため必ず B 型肝炎対策ガイドラインに準拠した対策をとることが厚生労働省から示さ れている。ただし、各医療機関では必ずしも B 型肝炎対策ガイドラインが運用されていないケースがあり、HBV 再活 性化による重症肝炎死亡例が報告されている。このガイドライン運用が定着しない理由の一つに、HBcAb、HBV-DNA が 施設内で実施できない、されていない要因がある。この問題要因の解決の糸口の一つとして、HBs 抗原の感度を高感 度化することが有用である点が示されている。 〔最近の話題〕 2015 年 1 月 15 日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会にて B 型肝炎(HB)ワクチンの定期接種化が承認された。 早ければ、2016 年 4 月から新生児に対して定期接種が開始される予定である。WHO は 1992 年に世界中のすべての子 どもに、生まれたらすぐに HB ワクチンを接種するように勧告した。この概念をユニバーサルワクチネーションとい い、2013 年時点では世界 194 か国にてほとんどが実施済みであり、日本を含めて 12 か国のみが未実施となっていた。 今回、HB ワクチンの必要性、ワクチン接種の進め方、さらに検査医学の現場で極めて重要な HBV 院内感染防止などの 取り組み方法についても報告できればと考えている。 16 11:45~12:45 テーマ ランチョンセミナー 会場4 「輸血医療に関わる検査技師に求められるもの」 オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス株式会社 事業統括顧問 古坊 孝志 臨床検査技師としてその役割や責任、プロフェショナルとしての研鑽、卒後教育のあ り方など今後より一層求められることなどについて、私自身の経験を交えて、出来るだ け広い視野で、輸血検査を中心にお話しさせていただきます。 17 11:45~12:45 テーマ ランチョンセミナー 会場5 「急性腎障害における新規バイオマーカーNGAL の意義」 アボットジャパン株式会社 西日本営業部 テクニカルスペシャリスト 轟木 亮平 急性腎障害(Acute Kidney Injury: AKI)とは集中治療室(Intensive Care Unit: ICU)などの重症患者の死亡率改 善を目的とした早期診断・治療のために提案された新しい概念であり、急激に腎機能の低下をきたす広範な臨床症候 群である。 現在、AKI の診断には血清クレアチニンと尿量基準が用いられているが、早期の診断には問題があることが認識され ている。新規バイオマーカーにより AKI の早期診断が可能となれば、AKI の定義、診断、治療を大きく変化させるイ ンパクトを持ちうる。 新規バイオマーカーの一つとして注目を集めているのが尿中 NGAL である。 ICU においては、入院患者・救急を含む外来患者の病状が急変した場合や、術後管理のために入室した時点で、すで に AKI を発症している場合がある。入室時に加え必要に応じて経時的に NGAL を測定することで AKI 発症の原因が継 続しているか、介入により発症の原因が除去されたかを推測できると考えられる。薬剤性腎障害による AKI において は、投薬の変更前後の値を比較することで、原因薬剤の同定の手助けとなるかもしれない。 Haase らは、心腎症候群患者の尿中・血中 NGAL および血清クレアチニン値とその後のイベント発症の関係について検 討し、NGAL(+)/クレアチニン(-)は、NGAL(-)/クレアチニン(-)と比較すると腎代替療法開始は 16 倍、 院内死亡率は 3 倍高い割合を示し、集中治療室入室期間及び入院期間も延長した。NGAL と血清クレアチニンがともに (+)の群は最も強い有害事象発症リスクを示した。 この解析により、血清クレアチニン値を用いた AKI 基準に当てはまらない患者群において も NGAL 値が上昇していれば急性尿細管傷害を起こしている可能性があり、その場合には死亡を含む有事事象のリス クが高いことが示された。Haase らはこの病態をサブクリニカル AKI と呼び、早期の治療介入により医学的な恩恵が 受けられる可能性があると指摘している。 尿中 NGAL は新規マーカーとして血清クレアチニンや尿量基準ではとらえられなかった AKI を早期に診断し、適切 な介入を行うことで AKI の予後改善に寄与できる可能性がある。 18 カフェスイーツ・セミナー 14:20~15:00 司会:上森 昭 (松阪中央総合病院) シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社 「血液検査機器 ADVIA 新シリーズのご紹介」 京野 真 この度、弊社は血液検査機器として ADVIA2120 シリーズを販売してまいりましたが、 一回り小さい ADVIA360 ADVIA560 を発売いたしました。 これまで 2 台並べたいけど場所がない、夜間緊急用に置きたい、などの課題をお持ちの ご施設に是非とも聞いていただけたらと思います。 アボットジャパン株式会社 「アーキテクト・PIVKA-Ⅱのご紹介」 斎藤 正樹 従来から肝細胞癌の診断には主に AFP(α-フェトプロテイン)と PIVKA-Ⅱが使用さ れています。この度、ARCHITECT アナライザー用試薬としてアーキテクト PIVKA-Ⅱを発 売させていただきましたのでご紹介させて頂きます。 シスメックス株式会社 「シスメックスからのご提案:凝固装置の新機能」 清水 信尚 抗血栓療法時のステント留置術、心臓人工弁、シャント(透析患者)等で血小板凝集 能検査の重要性は増している。しかし操作が煩雑であるため実施できる施設が限られて いる。今回、弊社凝固装置 CS シリーズにて新規搭載された血小板凝集能検査を紹介す る。 和光純薬工業株式会社 「CK-MB蛋白質定量試薬の紹介」 松尾 嘉子 心筋障害マーカーであるCK-MBは活性測定法が一般的であるが、CK-MB以外 のマクロCKやCK-BBを測り込んでしまう問題があります。今回それらの問題点を 改善した蛋白量測定試薬「LタイプワコーCK-MBmass」について説明する。 19 株式会社 シノテスト 「亜鉛の有用性について」 野田 範仁 生化学自動分析装置で亜鉛の測定が可能になりました。 微量金属である亜鉛の体内での働きや欠乏症が引き起こす症例をご紹介いたします。 亜鉛検査が広がることで患者様のQOL向上のお手伝いが出来ればと考えます。 企業参加一覧 <ランチョンセミナー> ・富士レビオ(株) ・オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス(株) ・アボットジャパン(株) <カフェスイーツ・セミナー> ・シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株) ・アボットジャパン(株) ・シスメックス(株) ・和光純薬工業(株) ・(株)シノテスト <企業展示> ・シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(株) ・栄研化学(株) ・シスメックス(株) ・ベックマン・コールター(株) ・積水メディカル(株) ・(株)ビー・エム・エル 20 【役員の方へ】 学会当日は、午前 8 時 15 分までに学会会場に集合して下さい。(○印は責任者) 実行委員長 : 宇城研悟 副実行委員長 : 坂下文康(総合司会) 受付・接待 : ○森本 誠 広瀬逸子 西村はるか 小原千津世 中川 藍 浅沼里依子 波部美穂 スライド : ○辻井正人 上阪浩矛 会場・進行・マイク : ○中西繁夫 丸山美津子 会場設営・誘導・弁当 米田 操(学生担当) 平塚美子 加藤淳也 永田恵一 林 美和 藏城寛子 古家充賀 北村淳子 :○別所裕二 海住博之 小倉昌弘 白木美里 土橋友香 健康展担当 :○林 豊 中村小織 広報担当 :○廣森真哉 21 星 雅人 石黒千晶 松本安代 山田里子 中川真理子 永田幸那 大矢知崇浩 梅田耕太郎 金山和樹
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