犬の胆石症 - ハート 動物病院

Heart Animal Hospital
犬の胆石症
症例報告
∼あなたの大切な家族が手遅れにならないために・・・∼
ハート動物病院
Heart Animal Hospital
症例
7歳6ヶ月齢 チワワ 雌 1.45kg体重
便が緩いとの主訴で来院。
体温38.9℃ 若干の黄疸を認める。
食欲はあるが元気がなくなってきている
ということで血液検査、X線検査、糞便検
査を実施。
• 糞便検査に異常所見なし。
•
•
•
•
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血液検査(生化学)
GPT(U/l)
GOT(U/l)
ALP(U/l)
GGT(U/l)
BUN(mg/dl)
Cre(mg/dl)
Glu(mg/dl)
>1000
608
2918
84
8.5
0.2
63
正常値
17-58
13-32
20-156
5.0-14
10.0-28
0.5-1.5
65-118
TP(g/dl)
ALB(g/dl)
T-Bil(mg/dl)
Na(mEq/l)
K(mEq/l)
Cl(mEq/l)
CRP(mg/dl)
4.8
2.4
4.6
134
3.3
93
2
肝数値の上昇、特にT-Bilの上昇が顕著に認められる
低たんぱく血症、低血糖症が認められる
炎症マーカー(CRP)の上昇が認められる
正常値
5.5-7.2
2.6-3.3
0.3-0.9
141-152
4.4-5.6
105-115
<1.0
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X線検査①
• 肝臓周辺に石灰化像
を確認。
• 超音波検査により精
査を行った。
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X線検査②
• 前の図と同様の所見が認められる。
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超音波検査
• 胆管部に結石を認め
る。
• 胆石の大きさ5.5mm
• 胆嚢も拡張している。
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外科的摘出
• 本症例は黄疸も認められ急性の胆管閉
塞が疑われたため緊急手術を行った。
• 胆嚢は著しく拡張していた。
• 胆石の摘出を行い胆管の洗浄を行った。
• 術後は入院のもと治療を行い翌日から食
欲も安定しており便も改善傾向が認めら
れた。
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血液検査(生化学)∼術後1ヶ月
GPT(U/l)
GOT(U/l)
ALP(U/l)
GGT(U/l)
BUN(mg/dl)
Cre(mg/dl)
Glu(mg/dl)
100
32
299
21
15.2
0.3
87
正常値
17-58
13-32
20-156
5.0-14
10.0-28
0.5-1.5
65-118
TP(g/dl)
ALB(g/dl)
T-Bil(mg/dl)
Na(mEq/l)
K(mEq/l)
Cl(mEq/l)
CRP(mg/dl)
6
3.1
0.6
148
4.5
116
0.6
正常値
5.5-7.2
2.6-3.3
0.3-0.9
141-152
4.4-5.6
105-115
<1.0
肝数値、低たんぱく血症、低血糖症、炎症マーカー(CRP)の
正常化が認められる
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胆石症とは
《症状》
・症状を伴わないことも多い
・症状がない場合は摘出は適応外
・但し、エコー検査や血液検査は定期的に!
・胆石→胆管閉塞や胆嚢破裂
・嘔吐・腹痛・発熱・黄疸などの症状
・外科的な対応が必要
・感染がある場合は抗生剤投与
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胆石症《原因》
• 高脂血症の犬ではムチンの過剰分泌が
起きやすいため、胆石が形成されやすい。
• 遺伝的要素
• 胆汁うっ滞
• 胆嚢の運動性低下
• 感染
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最後に
• 胆石症は症状が出たときには緊急な状
態になっていることが多い疾患です
• 普段からの定期的な健康診断を行い早
期発見を心がけ予防治療をしていくこと
をおすすめ致します。
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参考
• ハート動物病院診察室