2015/05/06発行 頂門の一針 □■■□──────────────────────────□■■□ わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」3651号 □■■□──────────────────────────□■■□ 平成272(2015 )年5月6日(水) モディ訪中を大々的に奉じる中国:宮崎正弘 私の「身辺雑記」(217):平井修一 学級崩壊の教室か、これが「国会本会議」とは:酒井 充 スターリン批判の勇気:渡部亮次郎 真っ直ぐ立てない子供たち:村島有紀 話 の 福 袋 読 者 の 声 身 辺 雑 記 □■■□──────────────────────────□■■□ 第3651号 発行周期 不定期(原則日曜日発行) 御意見・御感想は: ryochan@polka.plala.or.jp 購読(無料)申し込み御希望の方は 下記のホームページで手続きして下さい。 http://www.max.hi-ho.ne.jp/azur/ryojiro/chomon.htm バックナムバーは http://www.melma.com/backnumber_108241/ ブログはhttp://chomonryojiro.blog.fc2.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━ モディ訪中を大々的に奉じる中国 ━━━━━━━━━━━━━━━ ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆ ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成27年(2015)5月6日(水曜日) 通算第4530号 ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ モディ訪中を大々的に奉じる中国メディア インド各紙は淡々と「答礼訪問、そのあとモンゴルと韓国訪問も重要」と ********************************* インドのモディ首相が14日から3日間、中国を訪問し、習近平主席や李克 強首相と会談するほか、西安と上海を訪問し、中国駐在のインド人らとも 会合をもつ。 中国のメディアに拠れば「モディは中国に学びに来るのであって、奇跡の 経済発展をインドの将来に活かそうという戦略の下、中国のマネジメント や教育など『インドが学ぶべきことが多い』と意気込んでいる」などと書 いている。 また中国の標榜する「シルクロード」にしても、インドはその「プロジェ クト効果を期待しているうえ、インドはBRICS銀行の発展を強く期待 している」等と中国紙は分析した。 ところがインドのメディアは淡々とした論調だ。 「昨年秋の習近平インド訪問への答礼であり、主として双方の貿易拡大は 重要であり、2014年度に700億ドルだったインドと中国間の貿易はこと し、1000億ドルに達するだろう。 それは歓迎にしても、インド側の赤字が400億ドルあり、この格差の是正 が急がれる。また首相は中国訪問のあと、モンゴルと韓国を訪問する」 (ヒンズスタンタイムズ、5月6日)と客観的に首相のスケジュール述べ るに留め、中国のメディアのような熱気がない。 インドが人口で中国を越えるのは2020年頃と見積もられており、同時に国 境紛争を抱える両国が、領土問題に触れずに首脳会談を終えるとも考えら れず、モディが中国でいかなる発言をするかに注目が集まっている。 ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ 宮崎正弘の緊急出版案内です ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ ♪♪ 宮崎正弘の新刊予告 緊急出版です! 『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、予価998円) 5月25日発売予定 予約募集開始しました! http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_noss/378-0590481-1230228?__mk_ja_J P=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&url=search-alias%3Dstrip books&field-keywords=%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%A4%E3% 83%B3%E3%83%95%E3%83%A9%E6%8A%95%E8%B3%87%E9%8A%80%E8%A1 %8C%E3%81%AE%E5%87%84%E7%B5%B6%E3%81%AA%E6%9C%AB%E8%B7%A F ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ 読者の声、どくしゃのこえ READERS! OPINIONS ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ ♪ (読者の声1)明日7日、16:30−18:00 生番組です(ニコニコ動画 バージョンもあり)、討論番組の予定出演者は日下公人、堤堯、高山正 之、志方俊之、馬渕睦夫、関岡英之、福島香織。そしてゲスト 宮崎正弘 (敬称略)です。 テーマ AIIBの中国の表の狙い、浦の野心(仮題) dhcシアターは「スカパー!」ch。547 お問い合わせ(0120)039−888 ♪ (読者の声2)とびっきりの講演会のお知らせです。 記 とき 5月28日(木)18時00分 ところ 神奈川県県民素ポートセンター 304会議室 講師 岡崎浩己(総務省前次官) 遠大 地域の再生と安全安心のまちづくり 予約 定員90人、予約が必要です。 電話 (045)263−0055 主催 自治問題調査会 ♪ (読者の声3)5/2にNHKの番組を見ていると、一般向けにAIIBの解 説を行っていました。少なくとも最初の説明はまともで、AIIB設立に 関して、以下の様に伝えていました。 ・既に日本と米国が中心となり、特に日本の出資額、影響力が大きいアジ ア開発銀行(ADB)がある。 ・ADBは、債務国に対する厳密な審査があり、特に、下記3点を重視し ている。融資金の回収が出来るか? 融資をした事業は環境に悪影響を及 ぼさないか? 融資した事業は、近在の諸国に対し問題はないか? ・中国の言う、AIIB設立の理由は、「ADBは融資するまでに時間が かかるので、AIIBは素早く融資を行う」ということ。 NHKですから「AIIBは審査をまともにやらないで融資を行う」とは 明確に言いませんでしたが、少なくともコメンテーターは、その様に理解 するような説明でした。 コメンテーターから、「金が返せなくなってもいいのか?」「環境に影響 を及ぼすかどうかは重要だが、無視していいのか?」「近隣諸国に迷惑か けたらまずいだろう?」というような意味のコメントがありましたので。 あのNHKの理解ですら、ADBではまともに審査が通らない様な案件に 対処する為に中国がAIIBを設立しようとしている、という事のようです。 つまりADB=銀行、AIIB=ヤミ金 という事ですね。 「もともと、金は返す気が無い」 「環境影響は全く気にしない。」 「近隣諸国の都合など、元々考えてもいない。」 さすが「中国が集金し、中国による、中国の為の銀行」の面目躍如ですね。 そうでいながら、「まともな銀行を運営している日本が、ヤミ金に手を出 すべきでない」という結論にならないところがNHKらしいところです。 結論は曖昧模糊としていましたが、少なくとも、どんどん推進すべきだ、 とはさすがに言っていませんでした。儲かりさえすればヤミ金に手を出し てもよい、と考える様な卑屈な悲惨業界、じゃなくて産業界や夜盗、じゃ なくて野党には負けずに、官邸には頑張って頂きたいと思うGWです。 (NS生、千葉) (宮崎正弘のコメント)5月4日、アゼルバイジャンのバクーで開催され たADB(アジア開発銀行)の年次総会で、麻生財務相は、AIIBを横 目に、融資枠の50%拡大を宣言しています。 日本の巻き返しが始まったということです。 ♪ (読者の声4)米議会上下両院ジョイントセッションでの安倍首相の演説 は素晴らしかったですね。 日本の方向性を決定するものになればと思います。 特に最後の部分、 Ladies and gentlemen, the finest asset the U.S. has to give to the world was hope, is hope, will be, and must always be hope. Distinguished representatives of the citizens of the United States, let us call the U.S.-Japan alliance, an alliance of hope. Let the two of us, America and Japan, join our hands together and do our best to make the world a better, a much better, place to live. Alliance of hope.... Together, we can make a difference. ファンタスティックです。 リズムの有る良い英語です。 change を使わずに、 make a difference を使った、英語道達人・松本道弘氏を思い出させる「斬れる英語」でし た。外務省も頑張りましたね。 3日に青山繁晴氏のラジオ番組(https://www.youtube.com /watch?v=CLeDZ-ye6MU)をユーチューブでききましたが、安倍首相の硫黄 島訪問(2013/4)の話でまたまた涙してしまいました。 もしかしたら第2次安倍政権は英霊が支えているのではとふと感じてしま いました。 ところでここベトナムの話ですが、ベトナムで最も高いビルはハノイにあ るカンナムハノイランドマークタワーなんですが、韓国系資本です。現 在、そのビルは売り出し中。一階のメインテナントだったマレーシア系の 百貨店パークソンがでていったことがきっかけなのでしょうが、本国経済 の状況が大きく影響しているのではと思います。 建設時には、人身事故が多発し、何度も建設が中断したいわくつきのビ ル。現在、日産テクノなど企業も入居しています。入居後に23階にすれば 良かったと後悔したとか・・笑。家賃は高くはありません。 このベトナムで最も(背が)高いビルの購入者にはゴールドマンサックス などが上っています。(R生、ハノイ) (宮崎正弘のコメント)ベトナムに於ける韓国勢の進出ぶりには目を瞠ら されますが、フィリピンでも韓国企業の猛烈なる進出ぶりを目撃すると、 いったい自国の経済を軽視しても、外国で稼ぐほうが重要という韓国企業 の考え方が、まったく理解できませんね。 ハノイのロッテのホテル、デパート、ショッピングモールにそこら中にあ るロッテリア。 フィリピンではクラーク基地の跡地が住宅街と企業団地に変貌し、韓国タ ウンが出来ています。焼き肉レストラン、マッサージ、カラオケ、クラー クには仁川との直行便も跳んでいました。 昨日までフィリピンへ行っておりましたが、驚きの連続でした。 ━━━━━━━━━━━━ 私の「身辺雑記」(217) ━━━━━━━━━━━━ 平井 修一 ■5月3日(日)、国辱無念日、弔旗掲揚。遥か東、ワシントン府に拳を突 きつけ、苦情憲法を呪う。今はそれくらいにとどめておく。中共という共 通の敵には「昨日の敵は今日の友」であたるしかないからな。まことに 「戦時にあっては敵、平時にあっては友」だ。 この米国独立宣言について当時「屁理屈はいくらでもつけるからね」と苦 笑する人もいたとか。英国と戦争して独立するほどの不都合はないだろう に、という声もあったのだろう。ウクライナのロシア語系住民、スコット ランド、沖縄など、怨念をかかえて被害者意識を蓄積し、独立すればいい ことがあると思う人々は結構いる。紛争の火種は消えない。 新憲法の前文については小生は中曽根案が好きだ。この歌、もっと広めた らいい。 「憲法改正の歌」1956年 中曽根康弘作詞 一 鳴呼(ああ)戦いに打ち破れ 敵の軍隊進駐す 平和民主の名の下に 占領憲法強制し 国の解体計りたり 時は終戦6ヶ月 二 占領軍は命令す 若(も)しこの憲法用いずば 天皇の地位請け合わず 涙をのんで国民は 国の前途を憂いつつ マック憲法迎えたり 三 10年の時は永くして 自由は今や還りたり 我が憲法を打ち立てて 国の礎(いしずえ)築くべき 歴史の責を果たさんと 決意は胸に満ち満てり 四 国を愛す真心を 自らたてて守るべき 自由と平和民主をば 我が憲法に刻むべき 原子時代に遅れざる 国の理想を刻まばや 五 この憲法のある限り 無条件降伏つづくなり マック憲法守れるは マ元帥の下僕なり 祖国の運命拓(ひら)く者 興国の意気挙げなばや まあ外食の雄マックバーガーはよろよろし始めたが、外患マック憲法も換 骨奪胎でヘタレ始めた。70年もかかったのは問題だが、仕方がないと思う しかない。 さて、朝は室温22度、快晴、フル散歩。豪邸の塀越しに見えるキョウチク トウの真紅の大きな花は満開、ド派手。サクランボを5つほどつまみ食 い。素朴な味だ。 起床し、あれこれ家事をやって、散歩し、朝食。それから産経を読み、 ネットの記事/論考をチェックする。大体、毎日40本くらい読んでいる。 「これはいい」というのがあれば、小生の感想を加えて紹介、拡散する。 家事8時間、趣味≒天職8時間。毎日、判で押した生活で、あっという間に1 日が過ぎる。 ブログ「Argus Akita」5/1はなかなか良かった。このブロガーは秋田の方 で、欧州方面に強い現役ビジネスマンらしい。大学院以上のレベルだ。 <異例とも思えるオバマの歓待(俳句披露やディナーで料理の鉄人森本正 治起用など)は、AIIB参加でアメリカを裏切ったイギリスに対するあてつ けと見る向きもあり・・・ 米英同盟よりも日米同盟を優先させるかのような昨今の(米英の?)言動 は、アジア太平洋地域での戦略的パートナーとしての日本、さらにオース トラリア、インドとともに対支那のアジア版NATOへの布石と見るのもまん ざら間違いではないだろう。 (アジア重視の)リバランスは時代の大きな転換点に違いない。 アメリカがキューバと国交を回復したことは、欧州を向いていた顔を中米 そして太平洋に向けたことの表れであり、TPPがまずは第一段階だろう。 確かに日本はそれを利用して戦略的パートナーになるべきだとは思うが、 本気でアメリカという国に気を許してはいけないと筆者は思う。 (日本は)敗戦国、従属国からプラグマティックな戦略的パートナーにな るためにも9条改正と核武装(レンタルだとしても)が絶対に必要となるだ ろう。さもなければ日本はアメリカの経済植民地になる。 国内に腐れ左翼と腐れメディアさえいなければ、もっと日本はスマートに 戦略的な動きが可能だろうに・・・。 筆者は自身をリバタリアン(平井:国家による拘束を嫌う自由至上主義) だと思うが、真の保守を自認する人たちは今回の演説を少々忸怩たる思い で聞いたのではないだろうか>(以上) 「少々忸怩たる思い」・・・米国は現在は日本の同盟国だし、かつて死闘 を重ね日本は敗者、米国は勝者になったが、良いか悪いかはともかくも、 双方で歴史の見方が違うのは自然、当たり前だし、同盟で行くのなら歩み 寄れるところまで双方は主張、価値観を抑えざるを得ないからなあ。 ま、その点で安倍氏の演説はいい線を行っていたのではないか。演説は日 米間のトゲ的な(安倍=極右と言った)不信払拭、和解、さらに同盟強化 が目的であり、日本が歴史認識で自己主張を強めて関係が不愉快なものに なったら、それこそ元も子もないし。 ネトウヨ高2レベルのヂイヂもバカではないぜ。「忸怩」で引っかかって いたら「安保」は得られない。 前を向く方がいい。戦後(レジーム)という「♪古い上着よ、さような ら」。「輝く峰」を目指すのが正しいはずだ。同志諸君、青瓦台は陥落し た。中南海はあと一歩で瓦解する。殲滅戦へ、イザ! ■5月4日(月)、朝は室温22.5度、今季最高、快晴、フル散歩。小生の人 相は温和になってきたようで、このところ挨拶を交わす人が増えた。人畜 無害、ま、好々爺か。あっちも涸れたし・・・ 末期的クネ国は安倍演説に打ちのめされている。いささか被害妄想的のよ うだが・・・ま、落ち目だな。 <中央日報5/3【社説】外交安保ライン、遅くなる前に刷新を=韓国 韓国外交が荒波に包まれている。過去史問題に執着する間に北東アジアで 孤立していく様相だ。いわゆる 過去史同盟 を通じて日本を圧迫するパー トナーとみていた中国はいつのまにか名分より実利に(顔を)向けた。 中国は昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に続き、先 月インドネシアのバンドン会議で2度目となる日本との首脳会談に応じた。 韓国政府が「歴史修正主義者」と非難した日本の安倍晋三首相は米国で最 高の歓待を受けた。中国牽制に急な米国の内部事情を活用して日本の立ち 位置を拡大するのに成功した。韓国を気にとめようとしないかのように米 国は日本の手を高く上げた>(以上) いい加減で裏付けの状況証拠もない自称慰安婦の証言。暴力的に拉致され たのが20万人なら、村では大事件だし、最低でも200万人の目撃者がいる はずだが、その報道記事もゼロ、目撃証言もゼロ。現場では10人20人で拉 致を実行した朝鮮人官憲がいるはずだが、その証言もゼロ。 オールフリー。ありもしないことをでっち上げて「謝罪しろ、反省しろ、 賠償しろ」って・・・被害妄想、重度の精神病の世界だ。病膏肓、慢性期 だから絶対治癒しない。安楽死させたいが、放っておけばそのうち消える。 日本でも朝鮮でも慰安婦は本人の意思、あるいは親の意思で選んだ正規の 職業で免許制だった。大金を前借りして、働きながら返済していく。娼婦 ローンだ。 まあ、一種の人身売買だと言えなくもないが、みんなオシンで飯だけは保 証されたが俸給なしの年中無休奉公、一種の奴隷労働もどきが当たり前の 時代だったのだ。裸一貫、着の身着のまま、技能ゼロでも大金を前借りで き、親兄弟姉妹に貢献した娼婦は恵まれていたという面もある。苦界と言 われるが、それだけならブラック企業と誰もなり手がなかったろう。 江戸時代のスターは花魁だし、日本では伝統的に娼婦=賎業というイメー ジはあまりなかったようで、斎藤緑雨が娼婦の言葉として「女郎はあんま りだわ、せめてお娼妓さんと言いなさい」を今に残している。「たけくら べ」で緑は花魁になることをまったくためらっていないし、むしろスター になるんだと意気込んでさえいる。 「サンダカン八番娼館」には唐行さんでも故郷に錦を飾った人がいたこと を書いている。「石光真清の手記」では娼婦を「わが娘子軍は支那大陸の こんな奥地にまでも進出していた」などと、その勇猛果敢振りに敬意を表 していた。娘子軍は石光の諜報活動に寄与していたのだ、時には命懸けで。 「失われた時を求めて」には社交界のスターとして高級娼婦を描いてい る。「脂肪の塊」では娼婦の矜持、愛国心を讃えている。 娼婦に対して多くの人々は「憧れつつ、所詮は賎業じゃないか」と思って いただろう。なにしろ庶民の10倍稼いでいた(今でも同様)から、やっか みもあったのだ。アイドルに憧れつつ、思うようにならないと「所詮は河 原乞食じゃないか」と貶すようなものだ。 冷静に考えれば性奴隷なんてありえない。民間業者が娼館を経営し、 「櫂」が生き生きと描いた人材斡旋業者(女衒)もうじゃうじゃいたか ら、軍や国が(衛生と警備以外に)運営に関与する必要はまったくなかっ た。世界中の現在の風俗産業と同じで、強制しなくても娼婦のなり手は いっぱいいるのだ。 クネ国は世界最大の娼婦産地で、世界中に進出した娼婦の稼ぎと合わせれ ばはGDPの10%にはなるだろう。 <韓国政府・女性家族部がソウル大女性研究所に依頼して調査・作成させ た『2010年性売買実態調査』の内容には驚く。 結果は非公開だったが、それを入手した『ハンギョレ21』が2011年11月に スクープした。それによれば、売春産業の規模は最大8.71兆ウォン(約 6300億円)と報告され、韓国GDPの約5%を占めている。 また、同調査では、年間売春件数が4605万件、売春従事者は14万2000人余 であることを明らかにしている>(SAPIO2012年12月号) 米国での韓国女性のイメージは「風俗」だと聞く。戦前の上海ではフラン ス人が(今の価格なら)4万円、ロシア人と日本人が3万円、支那人は2万 円、朝鮮人は1万円。 朝鮮ピー=粗マン=床下手は伝統かもしれない。クネ国名物、キムチと ピーマン・・・可愛そうな国だ。産経5/2から。 <国民は今や「アベ憎し」で洗脳されている。そのゆがんだ感情のせい か、安倍首相は日本統治時代の最後の総督だった「アベノブユキの孫」だ とする怪説が流布され、知日派たちの間で笑い話になっている。1945年の 日本敗戦時、最後の朝鮮総督だったのは陸軍大将で首相と外相の経験もあ る阿部信行。 姓の発音が同じ「アベ」なので祖父と間違われたのだが、ネット世界のブ ラックユーモアならともかく、一部の学者や文化人までが真面目にそう主 張している。 日本非難なら何をやっても言ってもいいという「反日無罪」の一種であ る。マスコミの異常な安倍たたきが韓国社会に無知をもたらしているの だ。(黒田勝弘)> 発狂しまくり、末期症状。行く先は地獄だ。「シンシアリーのブログ」 5/4が京郷新聞の対日外交についての記事を紹介している。 <(韓国)政府に動ける余地はあまりない。日本軍慰安婦問題など過去の 歴史解決を前提条件にしたためである。 朴槿恵大統領は就任当初から慰安婦問題の解決に進展がなければ、首脳会 談が無意味であることを何度も強調した。しかし、慰安婦問題の解決を首 脳会談と韓日関係回復の前提条件として掲げたのは、誰が見ても外交的に は失策である。 慰安婦問題の解決は、韓日関係の中で最も困難な部分である。韓国政府が 要求する「日本は法的責任を認めろ」は、日本の立場では、韓日請求権協 定の根幹を揺るがすものであり、対応することが難しいからである。慰安 婦問題という大きな岩が入り口を防いだせいで、韓日関係は一歩も動けず にいる>(以上) 自縄自縛。親父が作って娘が壊した。クネは自沈し、一点突破全面展開の 可能性を遺産/レガシーとするしかないだろうな。両親を殺され、亭主も いない薄幸の娘、ついに韓国のジャンヌダルクにはなれなかった・・・気 の毒ではあるが、ボタンを掛け違ったのはクネ自身なのだ。アンニョンヒ カセヨ、さよならクネ嬢。 ■5月5日(火)、端午の節句、国旗掲揚、朝は室温23度、今季最高、晴、 フル散歩。 夕べは孫5人そろい踏み、11人で厚切り霜降り和牛の焼き肉パーティ。夜 中に起きたら娘二人が飲んでいて、「ヂイヂに育てられてホントに良かっ た」と、あれこれの思い出を語ってくれた。「いやあ、俺はただのノンベ のキチ○イだから・・・まあ、感謝されるとうれしいけど・・・」。 ちょっとホロリとさせられた。結構小生はイクメンだったようだ。 今朝は皆、多摩丘陵のツツジ寺へ。そこから森林公園へ行き、マックか ジョナサンでランチだろう。カミサンは農協の朝市で筍3本GET。郊外での 暮らしは楽しい。小生は早速茹でながらシコシコとキーを打つ。豚バラブ ロックと奄美から送られてきたさつま揚げなどと煮れば大層旨そうだ。 残ったら土産に持たせよう。 言論サイト、Japan In-depthがネパールで大地震に遭遇した須藤史奈子氏 (映像ディレクター/プロデューサー)のレポートを連載している。汚職 まみれのネパール政府は平時でもほとんど機能していないようだ。国民は 自治会で助け合っているのだという。マスコミが報道しない「不都合な裏 面」。以下転載。 <被災した日のメモを、ロッジのダイニングルームでまとめていたら、被 災状況に関する様々な情報が耳に入ってきた。みんな真剣な表情だ。 私が滞在しているのは標高3,440m、エベレスト街道最大の村、通称「シェ ルパの里」ナムチェ・バザール。観光客が多く(「観光客」といっても最 寄り空港から徒歩で10時間以上かかるので、ほとんどがバックパッカー) コンクリートで補強された丈夫な2階建以上の建物が多いので、近隣の村 に比べ被害が少なかったようだ。 みんなが口を揃えて言うのは、こういうことだ。 まず、ネパール政府は 混沌としており、地震から1週間近く経つのに、政府からの支援は皆無、 地元警察や駐屯している陸軍は頑張ってくれているが、世界中から集まっ た支援金について政府からは何も連絡がない。賄賂が横行している現状を 考えると、恐らく今後も期待できないだろう。 ネパール政府については、アウトライン程度の知識しかないのだが、王政 になったり、共産主義が強くなったり、政策の全く違う政党が反政府とい う目的で結託してみたりと「混沌」としている。政権交代以来、地方選挙 はなく、村長さんは不在だそうだ。 それぞれの村では自分たちで作った自治会(日本でいう町内会のようなも のか)で公共設備を管理しているそうだ。実際、これを書いている最中に も、近くに座っているロッジのオーナーの元に回覧板のようなものが回っ てきた。何かと聞いたら、村の貯水槽が壊れたので、その修繕のために積 立金を使っても良いかの是非を問うものだという。「みんなのお金だから ね、こうやって透明にしているんだよ」と「クンブ・ロッジ」オーナーの ペンバさん。 ちょうど良い機会だったので、村では今、何が必要なのか聞いてみた。 「自分たちは良い方だ。近隣のタメ村では、全ての家がダメージを受け、 全壊した家も多く、100軒以上の家が住めない状態だという。自分も昨 日、食料とブランケットを持ってお見舞いをしてきたばかりだ。この辺り では、クムジュン、クンデも打撃を受けている。今日はパウダーミルクを 届けに行く。1キロだいたい850ルピー。50キロくらいあれば、3つの村の1 日分になる。運び賃が一番高いけど、それは自分たちでやるから大丈夫だ」 「ヘリコプターはないのですか?」 「お金を出せは雇える。カトマンズからだと大体3000ドルくらい。それで 400キロの物資が運べる」 「政府のヘリコプターは?」 「政府? ここには政府は存在しない、と思っていいよ。他にも、寺院や 学校など、修理が必要なものが多いが、政府からお金はまわってこないだ ろう。だから、お金を自分たちで調達しなければならないが、資金は限ら れているから元通りになるのに時間がかかるだろう。寺院は心の拠り所と してだけでなく、集会場としての役割を持つ。それが今、なくなってし まった状態だ」 聞き方を変えてみた:「私たちには一体何ができるのでしょうか?」 「もし寄付を考えてくれているのなら、大きな団体に寄付するのではな く、村の自治会の銀行口座に振り込んで欲しい。ネパール政府にお金を渡 しても、土に水をかけるようなものだろうから」 では、その自治会は、本当に信用できるのだろうか? 自分の体験談を話 すと、まず、前出の回覧板の件を聞く限り、お金の流れは透明なようだ。 もうひとつの体験談。インタビューを終え「何かできることがあたら遠慮 なく言ってください」とペンバさんに伝えると同時に若者のグループが やってきた。どうやら、ペンバさんが所有するネットカフェのコンピュー ターを貸して欲しいという事らしい。 ペンバさんが私の方を向いて「もし手助けをしたいということなら、英語 で支援金募集の文句を書いてあげてくれるかい?」「もちろん!」私は若 者のグループと共に1階のネットカフェへ。 タメ村の青年代表ミンマさんのフェイスブックのページに支援金募集の情 報を英語で打ち込んだり、写真を選んで入れたりなど作業をしていたら、 後ろにどんどん人が集まってきた。銀行口座の数字が間違っていないかと か(ネパールの「1」は「9」に見える)、写真はこっちの方が良いのでは ないか、とか。一致団結しているのが、ひしひしと伝わってきた。 世界中で募金活動が行われている。ニューヨークでも、私がメディアのボ ランティアをしている団体、FGFH(ファッション・ガールズ・フォー・ ヒューマニティ)が、オークションを予定している。 今月いっぱい、ネ パールへの早期手数料タダというキャンペーンをしている金融機関もある と聞いた。 支援金を寄付するのであれば、地域に密着している団体や、自治体に直接 行うという選択もあるかもしれない、と考えさせられた。(注:この記事 は震災直後の現地の人たちへのインタビューをベースにしています。募金 や寄付はあくまで個人の判断で行うようお願い致します)>(以上) 「政府? ここには政府は存在しない」・・・何ともはや、戦乱の中東や 北アフリカのように安全を含めた行政サービス、統治がネパール地方部に はないようだ。 日本外務省によると「2013年11月19日、憲法制定のための議会再選挙が実 施され、2014年1月、議会が開会し、同年2月にスシル・コイララ「ネパー ルコングレス党」党首が首相に選出され、同月25日にコイララ首相率いる 第1党ネパールコングレス党及び第2党「共産党UML」による連立内閣が発 足し、新憲法制定に向けた協議が進められている」。 また、日本からの支援についてはこう記している。 1 我が国政府は,4月25日ネパールにおいて発生した地震による大規模な 被害を鑑み,ネパール政府を支援するために,合計1,400万ドル(約16億 8,000万円,5月1日付実勢レート)の緊急無償資金協力を実施する予定です。 2 4月27日,10億円規模の支援を実施する旨発表したところですが,その 後の現地における緊急人道ニーズ増大に鑑み,支援規模を拡大するものです。 3 我が国としては,今回の支援を迅速に実施すると共に,今後ともネ パールの復旧・復興に至るまで,切れ目のない効果的な支援を可能な限り 行っていく考えです。 ゾンビのような共産主義者がかなり勢力を持っているようだ。ネパール共 産党統一毛沢東主義派(マオイスト、毛派)、ネパール共産党統一マルク ス・レーニン主義派(共産党UML)がいる。甚だしい時代錯誤、無知蒙昧! ウィキによれば―― <ネパールの政府機構は非常に複雑である。官僚機構は内閣の各大臣 (Minister)に直結しておらず、首相、そしてその下におかれたChief Secretary(直訳すれば官房長官あたり)が統括している。 国の上層部から下部に至るまで賄賂が蔓延し、例えば道路予算があっても 政治家が懐に入れることに執心し、側近が咎めるとその口封じに賄賂を送 り、さらにそれを見ていた者への賄賂に使われ、予算の数分の1ほどしか 工事に回らないため、地方の町などでは道路事情が非常に悪い> わが国民の税金による援助資金はどこへ行くのか。大震災でネパールの政 治家どもは焼け太り?書き入れ時? 世界はこういう国の方が圧倒的に多 いのかもしれない。なんか脱力してしまう。(2015/5/5) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 学級崩壊の教室か、これが「国会本会議」とは ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 酒井 充 上西小百合衆院議員が国会を「病欠」した前後の行動が問題視されて維新 の党を除名されたのは記憶に新しい。上西氏は平成27年度予算案の採決を 行った3月13日の本会議を「病気」で欠席した。前夜には複数の飲食店を 訪れており、国会議員としての責任感の欠如を白日の下にさらした。 維新幹部に限らず、与野党各党は「けしからん」の一色に染まった。そう いう国会議員たちは当然本会議に毎回出席しているのだろう。 ところが、驚くべきことに衆院は本会議の議員の出欠を公式に記録してい ない。憲法56条1項には「両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出 席がなければ、議事を開き議決することができない」とある。 「国民の選良である議員が本会議を休むはずがない」との前提で、「3分 の1以上の出席」は目視で判明できるということなのだろう。 一方、衆院のさまざまなルールを定めた衆院規則の第106条には、以下 のような記述がある。 「出席議員が総議員の3分の1に充たないときは、議長は、相当の時間を 経て、これを計算させる。計算2回に及んでも、なほ、この定数に充たな いときは、議長は、延会しなければならない」 これは通常は出席者数を正確には確認していないことを意味する。国会議 事堂の入り口には、議員の名前を記した「登院ランプ」がある。ボタンを 押すと名前の部分が光り、登院したことを表す。ただ、ランプはあくまで 議員の登院を示すだけで、本会議に出席した証拠にはならない。 出席どころか、各議員の法案に対する賛否を確認する術も限られている。 衆院本会議の採決には複数の方法がある。いわゆる重要法案の採決は、 議員名が記された白票(賛成)か青票(反対)の札を投じる記名投票で行 うので、各議員の行動を把握できる。 ただ、一般的な法案は議長が目視で過半数か否かを確認する「起立採決」 か、議長が満場一致と認めた「異議なし採決」で可決されることが大半 だ。この場合、個々の議員の賛否はいちいち確認していない。 ちなみに参院は平成10年から「押しボタン」による採決を導入しているの で、デジタル化で各議員の法案への賛否は一目瞭然(りょうぜん)だ。議 員が自席に着席し、名前を記した「立て札」を立てると出席が確認できる 仕組みにもなっている。 では、実際の本会議の出欠、議場での国会議員の振る舞いはどうなってい るのか。4月16日午後1時から約2時間行われた衆院本会議を記者席から 観察してみた。その実態は、絶句するほかなかった。 (【】内の数字はおおよその時刻/目視で数えた空席の概数) 【12時55分】 本会議開会5分前。さっそく民主党のベテラン議員が堂々と携帯電話を操 作している。衆院規則で携帯電話の本会議での使用は禁じているのに。開 会前だからいいということか。机の下で隠れるようにタブレット端末を操 作する民主党中堅議員もいる。 【13時0分/20】 川端達夫副議長が議場に入り、開会を宣告。町村信孝議長(後に辞任)は 体調不良で欠席し、川端氏が議事を代行する。衆院規則第104条は「議長 が会議を開くことを宣告するまでは、何人も議事について発言することが できない」としているが、場内はざわついたままだ。 安倍晋三首相はひな壇席に座る。最初の議題は「都市農業振興基本法案」 の採決。農林水産委員会の江藤拓委員長(自民)が委員会の議事結果を報 告。全会一致の「異議なし」で可決。 【13時5分/30】 引き続き、大手電力会社の送配電部門を発電部門から切り離す「発送電分 離」を平成32年4月に実施するための「電気事業法改正案」と、29年 をめどに都市ガスの小売りを全面自由化することなどを盛り込んだ「ガス 事業法改正案」の審議に入る。 宮沢洋一経済産業相による法案の趣旨説明が始まる。それが何かの合図の ように10人以上が一斉に離席し始めた。 上西小百合衆院議員が国会を「病欠」した前後の行動が問題視されて維新 の党を除名されたのは記憶に新しい。上西氏は平成27年度予算案の採決を 行った3月13日の本会議を「病気」で欠席した。前夜には複数の飲食店を 訪れており、国会議員としての責任感の欠如を白日の下にさらした。 維新幹部に限らず、与野党各党は「けしからん」の一色に染まった。そう いう国会議員たちは当然本会議に毎回出席しているのだろう。 ところが、驚くべきことに衆院は本会議の議員の出欠を公式に記録してい ない。憲法56条1項には「両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出 席がなければ、議事を開き議決することができない」とある。 「国民の選良である議員が本会議を休むはずがない」との前提で、「3分 の1以上の出席」は目視で判明できるということなのだろう。 一方、衆院のさまざまなルールを定めた衆院規則の第106条には、以下の ような記述がある。 「出席議員が総議員の3分の1に充たないときは、議長は、相当の時間を 経て、これを計算させる。計算2回に及んでも、なほ、この定数に充たな いときは、議長は、延会しなければならない」 これは通常は出席者数を正確には確認していないことを意味する。国会議 事堂の入り口には、議員の名前を記した「登院ランプ」がある。ボタンを 押すと名前の部分が光り、登院したことを表す。ただ、ランプはあくまで 議員の登院を示すだけで、本会議に出席した証拠にはならない。 最前列に座る民主党の若手女性議員は、真っ先に自民党議員の席へ。ある 自民党議員は野党議員の席を訪ね、書類を片手になにやら話し合いを始め る。与野党議員間の立ち話が実に多い。 連れだって外に出ていくケースも多数。本会議は「原則」議員が全員出席 するので、約束なしでもその場で直接話し合いができる好機なのか。それ にしても、全く場所をわきまえていない。 別の民主党女性議員は、民主党→維新の党→自民党の議員を次々と訪問。自 民党国対幹部は所在なさげに議場内をウロウロ。自民党幹部は次々と席を 離れはじめる。宮沢氏に対し「元気出せ!」の掛け声がかかり、笑いが起 きる。緊張感は全くない。 次第にやじさえ飛ばず、ざわつきだけが議場内に漂う。開会前に机の下で タブレットを操作していた民主党議員は、ついに机の上で堂々と操作を始 めた。 【13時10分/40】 宮沢氏の趣旨説明が終わる。自民党中堅が足を組んで文庫本らしきものを 読み始めた。衆院規則は「議事中は参考のためにするものを除いては新聞 紙及び書籍等を閲読してはならない」と定めているが…。 自民党の田中良生氏が質問に立つ。このころになると、外に出ていく者が さらに増える。維新若手議員は雑誌を開いたまま、頭を揺らし始めた。何 分たってもページはめくられない。 民主党重鎮は明らかに深い眠りに入った。岡田克也代表と枝野幸男幹事長 は自席に着席し、じっと聞き入っている。 【13時20分/50】 首相が答弁し、続いて宮沢氏が答弁する。携帯やタブレットを操作する者 多数。自民党中堅は「歩きスマホ」のまま外へ。 【13時25分/60】 民主党の田嶋要氏が質問に立つ。場内を動き回る議員が減り始める。離席 を反省したのかと思いきや、今度は眠り出す人が圧倒的に増えた。それに 伴い、場内のざわつきも収まる。 少なくとも30人以上が寝ている。先輩たちに比べ、お行儀の良かった当選 1回生だが、演壇の目の前の席で舟をこぐ自民党議員も。最前列の民主党 女性議員は相変わらず場内を行ったり来たりで、自席にほとんどいない。 【13時35分/80】 首相と宮沢氏が答弁。複数の自民党幹部も深い眠りにつく。睡眠、読書、 スマホ操作と、思い思いの時間を過ごす議員が増える。 この日は週刊文春と週刊新潮の発売日。そのためか、コピーを含め雑誌を 読む人が多い。よほど「議事の参考になる記事」が掲載してあったよう だ。自民党席の後方(ベテラン勢)に空席が目立つようになる。 【13時50分/100】 維新の鈴木義弘氏が質問に立つ。いつの間にか岡田、枝野両氏がいない。 菅直人元首相の姿も消えた。 開会から約1時間が経過した時点で、一度も「席を立たない」「寝ない」 「関係ない本を読まない」「携帯・タブレットを使わない」といった当た り前のことを貫徹している人は早くも100人以下に。 【14時15分/150】 首相が答弁。場外へ消える議員が急上昇。 【14時20分/180】 公明党の国重徹氏が質問。公明党席から大きな拍手が起きる。これにビ クッと体を動かし、驚いたように目覚める者多数。まるで目覚まし時計の よう。 【14時30分/200】 首相と宮沢氏が答弁。引き続き共産党の藤野保史氏が質問。とうとう谷垣 禎一幹事長ら自民党三役席はすべて空席。全議員475人の4割以上が議 場にいない状況に。 【14時50分/190】 首相が答弁。4月14日に福井地裁が関西電力高浜原発3、4号機(福井 県)の再稼働を認めない仮処分決定を行ったことについて初めて言及した。 「原子力規制委員会の田中俊一委員長から、いくつかの点で事実誤認があ り、新規制基準や審査内容が十分に理解されていないのではないかとの明 快な見解が示されている」 「世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発につい て、その判断を尊重し、再稼働を進めていくのが政府の一貫した方針だ」 この時点で72人(川端氏を除く)の民主党席は約半分が空席。閣僚も数 人しかいない。「脱原発」に力を入れる菅元首相の姿もない。 【15時00分/180】 議事が終了し、川端副議長が散会を宣告。終わりぐらいは着席していよう との心理か、空席が少しだけ減る。本当に少しだけ。 川端氏が退席するのを前列の議員の多くは立って見届けるが、後方席の議 員はそそくさと退席し始める。衆院規則219条は「散会に際しては、議員 は、議長が退席した後でなければ退席してはならない」と明記している が、ベテランの順法精神は相当低いようだ。 ◇ 以上が、憲法で「国権の最高機関」と位置づけられた国会のごくありふれ た日常の一コマだ。記者席からは本会議場を一望できず、移動しながら目 視で数えたので欠席数は正確ではない。 ただ、最初から最後まで「席を立たない」「議事と関係のない本を読まな い」「携帯電話・タブレットをいじらない」といった当たり前の規則を 守った人は、どうみても全体の1割(47人)以下だった。無法者の集まり かと見まごうほどだ。 学校でさえ出欠を確認するのは当たり前だ。授業中に勝手に席を立って しゃべったり、教室を出ていったり、授業と関係ない本を読んだり、携帯 電話をいじったりしている生徒を国会議員はよしとするようだ。 ましてや国会議員には、税金で年間3000万円以上の歳費が支給される。本 会議への皆勤出席は最低限の責務であり、重篤な病気や国際会議出席など の外遊などを除いて本会議に出ない選択肢はあり得ない。もし形式的な本 会議への出席に意味がないというなら、ルールを変えて別のまともな議論 の場を設けたらいい。 後方支援に参加する自衛隊の海外派遣には国会の事前承認が必要だといっ た議論が行われているが、その肝腎の国会の実態は目を覆うばかりだ。国 会議員は何かあると「国会の品位」を声高に主張する。悪い冗談にしか聞 こえない。(政治部)産経ニュース【政界徒然草】2015.5.5 ━━━━━━━━━━ スターリン批判の勇気 ━━━━━━━━━━ 渡部 亮次郎 子どもの頃、恐ろしかったのは進駐軍だったが、それより恐ろしかったの はソヴィエトのスターリンだった。政敵や邪魔者を何千万人も殺したか ら、敗戦国に遣ってきて、私も殺されるかも知れないと思うと、夢にまで 出てきた。 長じて高校2年の春3月5日に、そのスターリンの死が公表された。 年表で見ると、当時はこれで平和が来ると見たのか、東京証券取引所で は、軍需株を中心に暴落し、スターリン暴落と記録されている。 入る大学を間違えてマルクス経済学者・大内兵衛を総長に戴くところへ 入ってしまった。だが共産党員学生が幅を利かせる学風に反発、子どもな がらに物凄い反共主義者になった。 そうしたところへ3年生の春、3月24日、ソヴィエトで第1書記のニキタ・ フルシチョフがスターリンを公然と批判した。話題にするだに恐ろしいス ターリンを、死後とは言えど、批判するとは、大変な勇気を持った人もい るものだと感服した。 学内の共産党員学生が小さくなった。そのうちの女子学生が口紅を付け始 めたのには笑ってしまった。 1956(昭和31)年3月24日、ソ連共産党第一書記ニキータ・フルシチョフ が政治報告を発表し、スターリン執政期における秘密の一部を暴露し、個 人崇拝がを批判した。 1939年、スターリンは次のように述べた。 「社会主義ソ連邦では既に階級は存在せず、抑圧機構としての国家も存在 しない」。 しかし、数多くのソ連国民が、シベリアをはじめ各地の政治犯強制収容所 で強制労働に従事させられていた。 第2次世界大戦後も、スターリンは国際共産主義運動に君臨していた。 1951年、日本共産党が所感派と国際派に分裂したときも、所感派に軍配を 上げ(スターリン判決)、国際派は涙を呑むより他になかった。 そのスターリンの死から3年が経過した1956年2月、ソ連共産党第一書記フ ルシチョフは、第20回党大会において、外国代表を締め出し、スターリン の個人崇拝、独裁政治、粛清の事実を公表した。 特に、全領土で吹き荒れた大粛清の契機となったキーロフ暗殺に至る陰謀 について詳細に明かされた。フルシチョフは、全ソ労評議長として、ス ターリンに直接仕える立場にあった。 すでに西側の共産主義シンパからソ連とスターリン体制への失望が表明さ れることはあったが、これにより、スターリンは国際共産主義運動の玉座 から決定的に引き摺り下ろされる形となった。 フルシチョフの秘密報告の要旨。 <個人崇拝はマルクス、レーニンによって戒められていたにもかかわら ず、レーニン死後、党と国家の指導者となったスターリンは、自らを対象 とした個人崇拝を許すはおろか奨励し、党生活や社会主義建設に重大な障 害をもたらした。 すでにレーニンはスターリンの指導者としての資質に問題があることを指 摘、彼を書記長職から異動させることを提案していた。 だがレーニン死後、スターリンはこうしたレーニンの忠告に耳を傾けるそ ぶりを見せたため、彼はその後も書記長職に留まった。だが彼はほどなく 本性を現し、党生活の規律を無視して専横するに至った。 1934年の第17回党大会で選出された中央委員・同候補139名のうち、70 パーセントにあたる98名が(主に大粛清の際)処刑された。 党大会の代議員全体を見ても、1,966名のうち1,108名が同様の運命をた どった。彼らに科せられた「反革命」の罪状は、その大半が濡れ衣であった。 スターリンの弾圧はソ連社会の各方面で活躍する活動家、さらにおびただ しい数の無辜の市民に及んだ。彼らに科せられた「トロツキスト」「人民 の敵」その他の罪状は、これまたでっちあげであった。 ヒトラーは権力掌握時からソビエト連邦への攻撃と共産主義の抹殺の意図 を隠さなかったにも拘わらず、スターリンはヒトラー・ドイツに対する防 衛の準備を怠り、それどころか有能な多くの軍事指導者をその地位から追 放、逮捕さらには処刑に追いやった。 「大祖国戦争」(独ソ戦)の初期の戦闘において赤軍が重大な敗退を喫 し、兵士、市民に莫大な犠牲者を生じた責任はスターリンにある。 スターリンの専横ぶりは、第2次世界大戦後のソ連と「社会主義兄弟国」 (東側諸国)との関係にも悪影響を及ぼした。 その最も際立った重大な例はチトー率いるユーゴスラビアとの関係悪化 で、当時両国間に生じた問題は、同志間の話し合いで解決できなかったも のは何一つなかったのに、「俺が小指一本動かせばチトーは消えてなくな る」と言い放ったスターリンの傲慢な態度が原因で両国関係は決裂しユー ゴを敵対陣営に追いやってしまった。> ただし、この演説の内容自体はフルシチョフのオリジナルではなく、政敵 であるマレンコフが考え出した物であり、フルシチョフがそれを横取りし たということも指摘されている。 また、フルシチョフは自分がスターリンの下でどれだけ忠実に働いたのか を隠していた。大粛清に積極的に加担し、自分の出世に利用した点も考慮 する必要があるだろう。 しかし、当時はスターリンに「NO」ということはすなわち「死」を意味す る時代であったわけで、一般国民だけでなく党や政府などスターリンに使 える立場にあるものまで生命の危険にさらされていただけに、何を思おう がスターリンのやり方に従わざるを得なかった。 数年後、もう一度フルシチョフによるスターリン批判が行われた。この結 果スターリンの遺体は撤去され、燃やされた。 時は流れ1987年11月、在任中のゴルバチョフがロシア革命70周年記念式典 でスターリンを批判し、レーニンをもスターリン主義の元凶として批判した。 スターリン神話が崩壊したとは言え、ソ連ではその後も秘密警察(KGB) が国民を監視するという恐怖支配の構図はソ連崩壊まで変わらなかった。 フルシチョフのスターリン批判の直後、ハンガリーで民主化を求める市民 革命(ハンガリー動乱)が起きたが、ソ連軍が出動し、最終的に鎮圧された。 また、構造改革などの影響で既にスターリン主義とは一定の距離を置いて いた西欧の共産党には、スターリン批判は自己に直接影響を及ぼすものと は受け止められなかった。 かつてスターリンが退けた「国際派」が主流となっていた日本共産党も同 様で、スターリン批判と共に打ち出された平和共存の学習の推進を訴えた だけだった。
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