困難抱えた少女の伴走者に

ないという思いがありまし
一緒にたたかわなきゃとい た「JKビジネス」が、性 形態の人身取引であると厳
いる子はたくさん周りにい
にはなりたくない。本当の 健全なものとして働いてい
さ ん は、
「JKビジネス」
たちの実態を無視する大人 す。「 女 の 子 た ち は み ん な ことを勧告しました。仁藤
す。自身の経験から「彼女 に な っ て い る と 指 摘 し ま 門のケアと支援を提供する
た。私と同じように悩んで う気持ちになる」と話しま 犯罪や児童買春への入り口 しく批判し、被害者への専
るけれど、力になってくれ
(ソーシャル・ネットワー
の 手 口 に つ い て、
「SNS
声上げられない少女に
寄り添って
る大人はいなかった」とふ
性行為を持ちかけられた経
なくて、頼る先をたくさん
キング・サービス)などを
Colaboに寄せられ て欲しいくらい」と悔しい り 返 る 仁 藤 さ ん。「 女 の 子 自立は一人で立つことでは るけど、ほぼ全員が買春や
る相談は、高校中退、親か 思 い も あ り ま す。「 時 間 は たちは自分の置かれている
した。学校でも遅刻や欠席
り昼夜逆転の生活になりま
・秋葉原などの夜の街を歩くスタディツアーや、学校などでの講演による
啓発活動にもとりくむ。著書は『難民高校生』
(英治出版)
『女子高生の裏
か か り ま す が、( 女 の 子 た
あ
う。その一つになれたら」 夫』と思っている女の子は 使って巧妙に女の子たちを
状況をうまく言葉にできな 持つことで可能になると思 験 が あ り ま す。『 私 は 大 丈
らの虐待、恋人からの性暴
ちが)自分から意思を持っ いのに、理解のない大人に
に声を届けてくれるから、
に同行支援をしています。
が 増 え、
「 ダ メ な 子 」 の レ くるのは買春を持ち掛けた くんでいます。夜の街で一
危険な実態
知るところから
になりました。
違 う。『 困 っ た こ と が あ っ
会に)いるということが分
続けて、相談してもらえる
うったえる難しさと支援の ような関係をつくることが し、社会の一員として大人
かってきた」と自分自身や
大事だと思います」と仁藤
が向き合う必要性をうった
必要性を強調します。
人間関係に対する見方も変
一人ひとりが尊重され
る社会に
仁藤さんは「JKビジネ さ ん。 青 年 の 実 態 を 理 解
ス」における買う側の男性
た記憶がないような子が多
と思えた。違う意見の人だ
の考えを言ってもいいんだ
からバイバイではなくて、
者でもないように振る舞う
では自分を押さえ付けて何
受け入れてくれる。それま
ことが無難でいいと思って
そ
と信頼関係を築く中で、自
仁藤さんは著書の中で、 という講師の阿蘇敏文さん
いたけど、それぞれの考え
あ
えるんです。買う側の男性 自身の変化のきっかけが、
で き ま し た。「 一 緒 に 農 作
での「農園ゼミ」にあった
と ふ り 返 っ て い ま す。「 見 業で汗をかきながら(状況 を尊重して付き合っていけ
「おかしいことは『おか
るようになった」
ん。講演やSNSなどで発
ね」
。 ゼ ミ で は 阿 蘇 さ ん だ 信を続けています。昨年
問われると考えるんですよ
う か 』『 そ れ は な ぜ か 』 と い き た い 」 と い う 仁 藤 さ
て い ま し た。『 君 は ど う 思 しい』と言える社会にして
ではなく、ありのままの私 いろんなテーマで議論をし
表した世界各国の人身取引 た目や高校中退という肩書 を)一緒に考えてくれる。
昨年6月、米国務省が発
す」
たちこそ取り締まるべきで 高校卒業認定試験の予備校 身の状況を整理することが
い。買春者ですら優しく見
化 し て い き ま し た。「 自 分
えます。
捉えにくい」と、性被害を
の女の子たちは危険な事と たらすぐに言って』と伝え
の中には出にくいから、他
害に遭った女の子の声は世 伝えられるかどうかで全然
『危ないよ』と
気 を 強 め る 仁 藤 さ ん。「 被 か ど う か、
からじゃ遅いんです」と語 感じた時に話せる人がいる
ースは多い。被害に遭って る 」 と 言 い ま す。「 危 険 を
理不尽なことをいっぱいさ と支援活動にとりくむよう 多いけど、性被害に遭うケ と り こ ん で 商 品 化 し て い
力などさまざまです。「(女
の子は)自分が何に困って て、被害をうったえられる
とが多いので、支援につな す」
いるのか分かっていないこ ように一緒に支援していま れる。そんな子たちが懸命
仁藤さん自身もかつては
題を整理してから」と言う 困難を抱える少女の一人で
ぐにしても、まず一緒に問
仁藤さん。必要に応じて児 した。高校生の時に家族関
「親からの性的 虐 待の相
などの客引きをする少女た
人でいる少女や「お散歩」
童相談所や行政、病院など 係が悪化し、夜眠れなくな
談では、被害を受けている
ッテルを貼られました。家 り、危険な仕事を紹介する
「( 渋 谷 で ) 声 を 掛 け て 街を巡回する活動にもとり
子でも保護されることにす
う自身の経験から、Col ちに声を掛け相談に乗って の 問 題 を 指 摘 し ま す。「 体
ぎやく たい
ごく抵抗があります。家か にも学校にも居られず、渋 大人しかいなかった」とい
aboでは困難を抱えた少 きました。仁藤さんは、東 を売ってしまう子は、小さ
谷の街で夜遅くまで過ごす
状態にある10代の少女の相談事業や食事提供支援、自立支援を行う。渋谷
な頃から親にかわいがられ
すごく勇気のいること。本 日 々 を 繰 り 返 し て い ま し
た。「 大 人 は 分 か っ て く れ 女につながるために、夜の 京・秋葉原などから始まっ
ら離れて環境を変えるのは
当は引っ張ってでも保護し
1989年東京生まれ。大学在学中に「Colabo」を設立。孤立・困窮
▲少女たちと一緒に支援者への年賀状を書
いている様子(写真提供 Colabo)
交 流 し ま し た。「 反 原 発 運
けでなく、いろんな大人と
本は性的虐待や買春への意
法反対のデモなどにも参加
月に行われた特定秘密保護
識が本当に低い。声を上げ
し、 声 を 上 げ ま し た。「 日
られない子たちの声を社会
動をしているお坊さんや、
る学生が阿蘇さんに会いに
戦争について取材をしてい
来て、そこにいる私たちに
も話をしてくれる。一人一 に 出 し て、 理 解 を 広 げ た
していくためにも、社会に
言は必ず感想を言ったり書 い。少女たちの支援を増や
くよう促されました」
ゼミでの出会いや仲間と これは問題だぞ、大人の果
ていきたい」
の 農 作 業 、 議 論 を 通 し て たす責任が大きいぞと伝え
感覚になれた。自分が(社
「私は私でいいんだという
10
に関する報告書では、日本
の「JKお散歩」が新たな に向き合ってくれた大人」
▲街で女の子の話を聞く仁藤さ
ん(写真提供 Colabo)
社会』
(光文社新書)
。 HP:www.colabo-official.net
(25)
代表
Colabo(コラボ)
の
ゆ め
と う
に
さん
仁藤 夢乃
女子高生サポートセンター
(松浦裕輝記者)
思いや、自身の変化について聞きました。
(12)
2015年3月2日(月曜日)
民 主 青 年 新 聞
(第三種郵便物認可)
困難抱えた少女の伴走者に
性的搾取許さない社会へ
孤立や困 窮 状態にある10代の少女の相談に乗り、一緒に解決
こ ん きゆう
の道を探る「女子高生サポートセンター・Colabo」の代
表、仁藤夢乃さん(25)
。
「JKお散歩」や「メイドカフェ」など
少女の若さや体を売りにした「JKビジネス」について、犯罪や
性被害の温床になると警鐘を鳴らしてきました。活動にとりくむ
け い しよう