Frequency-modulating Local Oscillator “OFF点撲滅” へむけて 田村陽一(東大, IoA) NRO, 18-Oct-2011 1 周波数変調局部発振器 (FMLO) による 単一鏡分光観測の高感度化 ! 原理・方法 ! 望遠鏡をつねにオンソースにしたまま、1st LO 周波数を変調しながら、高頻度 (10-100 Hz) でサンプリングする。時系列データを解析して、相関雑音と天体信号を切 り離す。 ! ! 変調方法 ! パターン: “ランダム”, 正弦波, 等速, その他任意のもの。 ! 変調範囲:RF (100GHz) で ~10-500 MHz # 観測対象による 利点 ! 観測効率向上。2倍以上(最大約5倍)改善する可能性あり。 ! 低コスト。大きなハードウェアの入れ換えなしに、実現可能。 ! 必要条件:LOにシンセを使用していること。Gunnはだめ。 ! OTFスキャンと併用することで、3次元分光撮像も可能。 ! 世界中の望遠鏡/ヘテロダイン受信機にご利益。教科書を書き換えられる? 2 開発項目, Block diagram ! ! COSMOS ! SET 情報等を追加 antenna LC ローカルコントローラ (LC) ! ! 1st LO LC (SYNTHE_B) ! 周波数変調機能を追加。 ! 共有メモリより時刻情報を取得 ! 変調パターンは別ファイルで与える 1st LO LC MRG LC は? ! 10 (-100) Hz サンプリング ! 各サンプルに、周波数情報とタイムスタ COSMOS ンプを付与。 ! ! →オフラインでマージするでよい? 分光計 LC は? ! 2nd LO LC 本来は、LO周波数に応じて各チャネルに ! →オフラインで補正する 増設 ! HDD(田村が実験用に購入) ! 解析用マシン ∼ ADC 付随するRF周波数の対応が変わる。 ! ∼ spectrom. LC spectrom. MRG LC DAQ 3 Agilent E8257D - Data Sheet ! たとえば、E8257Dの場合 ! 最速 1 kHz ステップ掃引→ 10-100 Hz で十分。 ! 【注意】周波数が安定するまでの時定数 (settling time) < 9 msec ! 任意のステップパターンをリストで与えることが可能。 ! 周波数を変更するトリガは、GPIB, 外部CMOS/TTL, シンセ内部のクロック(?)で与え ることができるらしい。 4 課題 ! 科学的課題は? ! ! ! カメラ(空間2次元)とスペクトル(周波数1次元)で異なる項目に関連 ! (spectral) baselineの安定性 ! calibration手法(惑星の輝線/吸収線を使う?) ! 大気放射の決定精度(バンド幅がせまい) スペクトルの再現性。線幅の広い輝線や輝線のconfusion。 技術的課題は? ! ハードウェア的には問題なさそう ! ! ASTE, 45m, SPART ともに Agilent E8257D ソフトウェア(制御・解析)が課題 ! (1) COSMOS の改修 ! (2) ローカルコントローラの新規製作(または改修) ! 装置間(変調とDAQ)のタイミングの同期 → 新シンセLCがSHMから時刻情報を取得す るのでOKでは。オフラインマージ時に、時刻-周波数の対応、周波数トラッキングの補正 を考慮すればよいだろう。 ! ! (3) オフラインマージの製作 ! (4) 解析ソフトウェアの製作(CRUSHを利用) 研究・開発費は? ! ASTE 計算機運用経費 + 科研費 (田村) + NAOJ共同開発研究 ! 見積り2パターン→ (a) COSMOS 改修だけ。(b) COSMOS 改修 + LC 製作 5 新シンセLCの基本的な構想 指示書 ・エラー情報 ・SET 情報 ・その他は “SYNTHE_B” 代表的なLO周波数 等と同様 変調パタン記述ファイル COSMOS SHM GPIB/SCPI ・変調パタン記述ファイルを上から順に読み込む ・変調パタン (sweep list) をシンセに送信 ・SHM 時刻を監視 ・100 ms ごとにトリガ ・その他は “SYNTHE_B” 等と同様 変調パターン 変調パターン 変調パターン 記述ファイル 変調パターン 記述ファイル 記述ファイル 記述ファイル 1st LO LC ・SET 情報(観測前) SET情報にしたがっ てファイルを選択 変調パタン記述ファイル ・観測時の情報 時刻 周波数ログ LO 周波数情報 ファイル ・エラー情報 基本的な考え方 ✓ 分光データを OTF と同様のサンプ リングレート (0.1s) で取得 ✓ 1st LO LC がスタンドアロンで動く ✓ 観測周波数との対応づけは、オフラ インマージで実行する ・時刻情報 ・LO 周波数情報 その他の ログ オフライン マージ データファイル (MBFITS) 6 計画 ! Phase 1: シミュレーション・解析戦略 (2011年度) ! (1) ノイズ・ゲイン変動等のデータ測定 ! ! ! (2) 解析ソフトウェア ! 連続波カメラ解析ソフトウェア (CRUSH; Kovacs 2008) を改造 ! または、シンプルな解析ソフトウェアを自作 (3) シミュレーション ! ! ! Allan 分散解析(時間方向・周波数方向) 疑似分光データに雑音源を印加。解析でノイズを除去できるか? Phase 2: ASTE/CATS345 実験系の構築と試験観測 (2012 Spring-) ! (1) シンセ制御系の構築 ! (2) オフラインマージ、解析環境の構築 ! (3) 試験観測とバグ取り Phase 3: ASTE/CATS345 試験観測と (2012 Autumn-) ! (1) 試験観測・科学的観測 ! (2) 追加の開発の検討(サンプリングの高速化、マージ・分光計 LC 改修) 7
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