長崎県立西彼杵高等学校 た も え 萌多が丘だより 平成26年5月23日 平成二十六年度 始業式 第62号 校長訓示 いよいよ、新しい平成26年度が始まりました。 今日から、それぞれが新しい学年に進級したところですが、心の準備は大丈夫ですか。覚悟はできましたか。春休みの間に、昨年度の振り 返りは充分にできたでしょうか。新しい年度に向けた、新たな目標はもう決まりましたか。 新3年生にとっては、いよいよ高校生活最後の年となります。言うまでもなく、これからの自分の進路を決定するという自分の長い人生 に於いて、とても重要な一年となることは間違いありません。自分なりの「 志 」をしっかりともって、努力を積み重ねてもらいたいと思 います。もちろん、何事も自分の思い通りになるとは限りません。目の前に大きな壁が立ちはだかることもあるでしょう。現実の厳しさに 涙を流して天を仰ぐこともあるかもしれません。しかし、大切なことは、その時です。その苦しい時こそ、どのような自分があり得るか、 その中から、どのように新たな「 志 」を持ちうるのかということが最も大切なことなのではないでしょうか。苦しい時が伸びる時なので す。努力することは決して人を裏切りません。目には見えないかもしれない人間の根っこのところで、自分を何倍も強く、大きくしてくれ るはずです。それが豊かな人生に繋がるのです。その意味でも、今年一年は自分という人間を、来たる社会へ旅立つ前の、大きく成長させ る年でもあります。今年こそ、一人一人にとって、本校の校訓である「 誠実、克己、気迫 」の真の意味が問われることとなるでしょう。 3年生各人の健闘を祈ります。 新2年生は、中堅学年として、勉強はもとより、部活動や学校行事などに於いても、この西彼杵高校の代表としての責任が問われること になります。新しく入ってくる1年生の、良き模範となって頂きたいと思います。 西彼杵高校の生徒は非常に挨拶が素晴らしく、ボランティア活動も盛んな学校だと聞いています。他者を大切にする精神に富んだ生徒た ちがたくさんいるという素晴らしい学校です。他者を大切にすることができるのは、自分自身を大切にしているからだと思います。3年生 と同じように、自分なりの未来へ向けた「 志 」をしっかりと見つめ、日々学びに努力して、昨年よりも何倍も青年として成長して欲しい と思います。 さて、年度の冒頭に当たり、私は、皆さんに、次の詩を紹介したいと思います。茨城のり子という詩人の「自分の感受性くらい」という 詩です。有名な詩なので、知っている人もいるかもしれません。 私たち弱い人間は、自分がうまくい かない時は、すぐ誰かの、何かのせい 自 にしてしまいがちです。人のせいにし 分 たり、友人のせいにしたり、はたまた の 親や兄弟などの近親のせいにしたり・ ひ 感 よ 受 ・・。最後には、暮らしや時代のせい わ 茨 性 な にまでしてしまう・・・。 木 く 志 しかし、そのようにいつも何かの、 の ら に り す 誰かのせいにしているということは、 子 い ぎ な 「わずかに光る(自分の)尊厳 」を か 放棄することに他ならないのだとこ っ た の詩人は言います。 尊厳 とは、こ こでは自分自身の 生きている価値 とか 存在証明 というほどの意味でしょう。自分がうまくいかないことを何かのせいにしてしまうことは、自分が自分であることを放棄 することと、自らの存在を投げ出すことだというのです。では自分が自分であることの根本は、何かといえば、自分の心の感受性であるの だと。自分が自分であることの究極の存在証明は、自分自身の思想も含めた感受性であると詩人は言います。大変重たい言葉です。これほ ど自分自身を厳しく見つめる言葉はそう多くはありません。どうか、この一年は、自分自身の心としっかりと冷静に向き合って、自分自身 の感受性を大切にして、自分なりの目標に向かって、自分なりの志を、みんなと力を合わせながら、日々 研鑽して欲しいものと思います。この学校の先生方は、県下でも指折りの素晴らしい先生方ばかりです。 分からないことや、辛い時には、先生方に相談してください。そしてこの年度の終わりには、一回りも 二回りも成長した自分に出会いたいものです。 皆さんの健闘を祈ります。 ば か も の よ 自 分 で 守 れ 自 分 の 感 受 性 く ら い わ ず か に 光 る 尊 厳 の 放 棄 時 代 の せ い に は す る な 駄 目 な こ と の 一 切 を そ も そ も が 暮 ら し の せ い に は す る な 初 心 消 え か か る の を な に も か も 下 手 だ っ た の は わ た く し 近 親 の せ い に は す る な 苛 立 つ の を し な や か さ を 失 っ た の は ど ち ら な の か 友 人 の せ い に は す る な 気 難 し く な っ て き た の を み ず か ら 水 や り を 怠 っ て お い て ひ と の せ い に は す る な ぱ さ ぱ さ に 乾 い て ゆ く 心 を 平成二十六年四月八日 長崎県立西彼杵高等学校長 福 田 鉄 雄 平成26年度 第67回 入学式 校長式辞 暖かな春の陽射しに、角力灘の海の青が一段と輝く、今日のこの佳き日に、西海市長代理 総務部長 富永敬二 様をはじめ、多数の御来賓の 御臨席をあおぎ、ここに、西彼杵高等学校 第67回入学式 を挙行できますことを、大変うれしく、光栄に存じます。 ただいま、平成26年度入学生53名の入学を許可いたしました。 新入生諸君、入学おめでとう!教職員、在校生一同、みなさんの入学を心より歓迎いたします。また、保護者の皆様におかれましては、9 年間の義務教育課程を終了し、本日めでたく高等学校への入学を迎えたお子様の、清々しく成長したその姿を御覧になられ、誕生の日から今 日までの子育ての日々を振り返りながら、親としての感慨もひとしおであろうと拝察いたします。心よりお祝いを申し上げます。 さて、本校は、昭和21年、長崎県最後の旧制中学、長崎県立西彼杵中学校として設置認可された、本県でも有数の伝統と実績のある高等 学校です。本日入学された1年生が3年生となる再来年度には、創立70周年を迎えます。人間で言えば「古希」にあたるこの長きにわたる 歴史の中で、本校は実に有為な人材を、長崎県だけでなく、全国に輩出してまいりました。人口減少の中で、現在規模は小さくなってはおり ますが、その命脈は、脈々と生き続けております。 さて、本校を自ら選び、入学した皆さんには、これからの生活を、未来への希望に満ちた三年間にしてほしいと願ってやみません。私たち 西彼杵高校の職員一同は、そのために、みなさんを全力で導き、応援していく所存です。 石川啄木という有名な歌人に、次のような歌があります。 【不来方のお城の草の上に寝て空に吸われし十五の心】 不来方(こずかた)のお城とは、岩手県の盛岡城を指します。十五歳の啄木は、貧しくつらい生活を強いられていたある日、不来方城の草 原に寝ころんだところ、自分の心が空に吸われていくように、どんどんどんどんと広く、高みに登っていったという青春期の心を、大人にな ってから回想して詠んだ短歌です。十五歳の、少年から青年にさしかかる時だからこそ感じることのできる大志を抱く心を、実によく詠み込 んだ歌だと私は思います。どこまでも自分の心が、理想を目指して空の高みに登っていく。やっと少年の時に終わりを告げ、まさに青春の入 口に立つ者の、今ここから、一人の青年として、一人の人間として、自分はこれからどのように生きていくのか。自分はどのような人間とし てあるべきなのか。言いしれぬ不安や恐れを抱きながらも、一歩一歩大人に近づいていく自分自身の、未来へ向かっての理想や希望が、どこ までもどこまでも空に向かって、吸い込まれていくように上昇していく。そのような想いをつづった歌だと思います。今のみなさんの心と、 とても近い想いを代弁していると言えるのではないでしょうか。 今、みなさんは、まさに少年の心との決別の時を迎えているのです。そして青年としての新しい自分との出会いの時を迎えているのです。 今、入学に際し、私がみなさんに望むことは、「 理想を掲げよ 」ということです。「 自分自身の志を立てよ。」ということです。自分はど のような人間になりたいのか。自分自身は、どのような生き方をしていきたいのか。そして、それを実現していくためにこそ、学問があるの です。本校で学ぶことの意義があるのです。 角力灘の向こうにある水平線では、空と海が一つになります。まさに天海合わさる広遠な高みに、各自の理想を掲げながら、日々研鑽して ほしいというのが願いです。もちろん、青春ははじまったばかりです。失敗することもあるでしょう。悔しくて涙を流すこともあるかもしれ ません。しかし、大切なことは、失敗しないことではなく、失敗をしても、自分自身を投げ出さず、そこから大切なことは何かを学び、さら に自分自身をより大きく、より高く、成長させていくことです。そのためにこそ、人は学ぶのだといっても過言ではありません。若いときに は往々にして、自分は一人であると孤独感にさいなまれることがあります。しかし、この学舎には、友がいて、そして先生方が見守っている ことを忘れないでください。 本校の校訓は、「 誠実・克己・気迫 」であります。 「 誠実 」とは、真摯に、真剣に自分自身の心と向かい合うことです。本校の入口には、第二代校長 森永種夫先生の、「 静かに思えば、 今日も悔いあり 」ということばを刻んだ碑があります。一日一日を大切に、自分自身をごまかさずに、自分の足りないところを見つめ、常 に悔い改めていくところに、真の成長があります。冷静に自分自身と向き合う「 誠実 」の尊さを、本校で学んでもらいたいと願っています。 「 克己 」とは、自分自身の弱い心に打ち勝つということです。人は誰でも、自分自身の我執や欲望と闘わなければならない存在です。自 分自身の甘えや弱い心を、鍛えて克服していく。とても難しいことではありますが、その己に打ち克つという強い意志を育てていくために 「 学び 」はあるのです。それは同時に、他人への思いやりや優しさを育てることにも通じていくはずです。 最後に「 気迫 」であります。「 気迫 」とは、何事にも屈せず立ち向かっていく強い精神力のことです。 自分の理想や志を実現しようとする間には、幾多の困難や失意を経験することでしょう。青春期は、傷つき、悩む時代でもあります。しかし、 その辛苦の時にこそ、人は成長するのです。その苦しいときにこそ、気迫と情熱をもって乗り越えていってほしいと思います。 以上 校訓に即して私からの期待を述べましたが、改めて、伝統校の生徒としての誇りと自覚を持ち、豊かな未来を切り拓くために、自ら学 び、考え、行動できる逞しい人間へと成長すべく、日々主体的に、研鑽努力を積み重ねてくれることを願っています。 最後になりましたが、保護者の皆様へお願いいたします。私ども教職員一同、かけがえのないお子様をお預かりする責任の重大さを痛感し、 皆様の御期待に応えられますよう、全力を尽くして参る所存ですが、子供たちの健やかな成長のためには、保護者の皆様のお力添えが、どう しても必要でございます。保護者の皆様には今後、ますます、本校の教育活動に御支援と御協力を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいた します。 新入生諸君、本校での三年間が、空と海が織りなす角力灘の美しい水平線のように、若者らしい広大な夢と希望に満ちた、実り多きもので あることを心から願い、入学式の式辞といたします。 平成二十六年四月八日 長崎県立西彼杵高等学校 校長 福 田 鉄 雄 新入生代表挨拶 歓迎挨拶 まばゆい若葉に、彩りを添えて花咲き誇る春爛漫の この佳き日に、私たち新入生五十三名は、今この西彼 杵高等学校へ入学いたしました。 私たちは、義務教育を終え、新しい環境の中でそれ ぞれに夢や目標に向かって歩もうとしています。これ から始まる高校生活に不安や緊張もありますが、それ 以上に人との出会いに大きな楽しみを感じています。 高校とは何をするべきところなのか。私は自分の目 標を見つけ実現するために、 常に学び続ける場である と思います。 また、これからの社会においては、自主性・コミュ ニケーションそして責任感が必要になるでしょう。そ のため、まず学習面では、授業で基礎的な学力をしっ かり身に付け、さらに発展的に考えられるように努力 していきたいと思います。そして、体育大会やセミナ ー研修などの学校行事を通して、あいさつ・礼儀作 法・集団行動の仕方を学び、先輩方やクラスメートと の関わり合いを大切にしていきたいと思います。ま た、 本校が行っているボランティア活動や職場体験で は、地域の方々と接する中で、得るものがたくさんあ るはずです。それらの活動にも、積極的に取り組んで いきたいと思います。 しかし、今の私たちは、まだまだ未熟です。一人で 悩んだり、失敗したりすることがたくさんあると思い ます。その時々で先生方や先輩方にアドバイスしてい ただけると嬉しいです。もちろん、私たちも何事にも 失敗を恐れず、チャレンジ精神で、思い切り力を発揮 していくつもりです。 最後になりますが、これから始まる高校生活は、ま だ分からないことばかりです。これから先生方や先輩 方にいろいろとお世話になると思いますが、どうぞ私 たち新入生をよろしくお願いいたします。 簡単ではありますが、新入生代表の挨拶とさせてい ただきます。 穏やかな日差しが校庭を暖かく包み、春の息吹が感 じられるこの佳き日に、西彼杵高等学校の一年生とな られた五十三名の皆さん、ご入学おめでとうございま す。 受検、オリエンテーション、部活動紹介を経て、い よいよ皆さんの高校生活が始まります。新しい制服に 身を包み入学された皆さんは、期待と不安の気持ちで 一杯だと思います。全く知らない先輩方やクラスメイ ト、そして何が始まっていくのか分からない高校生 活。しかし、それは自分だけではありません。誰もが その不安を抱えていると思います。もし、困ったこと や悩んでいることがあったら、遠慮せずに、是非友人、 先輩、先生方に相談しに来てください 私が皆さんに心がけて欲しいことは、「何事にも積 極的に取り組むことです。」高校生活は自分の進路を 実現するための大切な時期です。ただ毎日を消極的に 過ごしていては全く意味がありません。何事にも積極 的に挑戦しましょう。たとえ、その行動の結果が失敗 だったとしても、その積極的な姿勢が皆さんを成長さ せてくれると信じています。是非このことを心に留め ておいてください。 さて、三年間の高校生活を送るにあたって少しだけ 主な行事について紹介しておきたいと思います。ま ず、六月に行われるセミナー研修です。これは、西彼 杵高校の伝統的な行事で、挨拶、礼法、生活態度をし っかりと身に付け、西彼杵高校生としての意義を高め ることが目的です。また、西彼杵高校の伝統である黒 潮校歌も、ここで本格的に教わります。たいへん厳し い研修ですが、終わった後の達成感は、強く印象に残 ると思います。また、この研修は私たち三年生が指導 を行いますので、頑張ってついてきてください。 次に、体育大会や文化祭です。これらは、学年、ク ラス一丸となって取り組んでいくものです。体育大会 では、去年からチーム数が二つに減ってしまいました が、皆さんも積極的に参加して活気あるものにしてい きましょう。他にもたくさんの行事がありますが、こ のように西彼杵高校は、皆さんのために様々な可能性 を生み出してくれます。しかし、その可能性を実現で きるかどうかは皆さんしだいです。これから三年間、 充実した学校生活を送れるように頑張ってください。 皆さんが、様々な可能性を広げてくれることを期待 して歓迎の言葉といたします。 平成二十六年四月八日 新入生代表 来海 日向 平成二十六年四月八日 生徒代表 尾下 潤一 新入生代表宣誓 平 成 二 十 六 年 度 濵新 崎入 生 代 大表 聖 平 成 二 十 六 年 四 月 八 日 右 、 宣 誓 い た し ま す 。 す校し 。生て 活規 を律 送を る守 こり と、 を充 誓実 いし また 高 動 に 日 々 励 み 、 西 彼 杵 高 生 と の 実 践 を 心 が け 、 勉 強 や 部 活 実 」 「 克 己 」 「 気 迫 」 の 校 訓 今 後 の 高 校 生 活 で は 、 「 誠 入 学 を 許 可 さ れ ま し た 。 長 崎 県 立 西 彼 杵 高 等 学 校 に た だ 今 、 私 達 五 十 三 名 は 、 入学者オリエンテーション(黒潮校歌の紹介) 2・3年生部活動生による 黒潮校歌 の紹介 4月4日(金) 黒潮校歌 に圧倒される1年生 平成26年度の主な行事予定 月 行 事 1学期中間考査(5/9~13) 5 開校記念日(5/20) 高総体(5/30~6/6) セミナー研修(1年生:5/12,13、5/17,18) 6 1学期期末考査(6/25~7/1) 高校生さわやか運動強調週間(7/7~11) 三者面談(3年生:7/22~31) 7 夏季補習(前期 7/22~25) 夏季学習合宿(7/28~8/1) 平和学習登校日(8/9) オープンスクール(8/10) 8 授業開始(8/25~) 夏季補習(後期 8/18~21) 9 月 行 事 高校生さわやか運動強調週間(10/14~17) 10 がんばらんば国体(10/12~22) 新体操 於:西海市(10/19,20) 文化祭(11/2) 11 職場体験(2年生)、校外進路学習(1年生) 2学期期末考査(11/26~12/2) 12 1 3年学年末考査(1/23~28) 修学旅行(2年生:1/27~30) 2 体育大会(9/7) 2学期中間考査(9/25~30) 三者面談(1・2年生:12/15~26) 冬季補習(12/25~27) 冬季学習会(1/5~7) 3 耐寒競歩大会(2/6) 1・2年学年末考査(2/17~23) 卒業式(3/1) 高校生さわやか運動強調週間(3/3~6) 皐月(さつき) <五月> 五月のことを「皐月」とも言います。旧暦の五月は、新暦では6月から7月に当たる梅 雨の季節です。「さつき」という読みは、6~7月が田植をする月であることから「早苗 月(さなへつき)」と言っていたものが短くなったものだそうです。また「皐月」は、花の 名前でもあります。今、校内のあちこちに「さつき」が咲き始めています。もう夏が始ま っているということでしょうか。 今年度も、学校内外での生徒たちの様々な活動を取り上げて、お知らせしていきたいと考えております。 ご意見・ご感想などありましたら、このアドレス nishisonogi-h@news.ed.jp までお知らせください。
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