ユーザ事例 クラウド対応型データセンターの構築 Parentix は、従来のアプリケーション ホスティング型のモデルから、Cisco Unified Computing System を活用した Software as a Service(SaaS; サービスとしてのソフト ウェア)型モデルへとデータセンターを移行しました。 概要 課題 Parentix は、中小企業向けに、ビジネス アプ お客様の名称:Parentix 社 リケーションのホスティングを提供しており、 業界区分:サービスプロバイダー Microsoft および Exact Software の Windows 所在地:オランダ 課題 ソリューションを専門に扱っています。2000 年 ● 成長を加速し、新たな事業を展開すること に創立された Parentix は、最近数年間で収 ● データセンターにおける電力消費量を削減すること 益を 50 パーセントも伸ばす急成長を見せて ● 顧客満足度を向上させること います。 ソリューション ● Cisco Data Center 3.0 のビジョン、アーキテクチャ、 テクノロジー ● Cisco Unified Computing System 成果 ● 柔軟性を増強したプラットフォームにより、拡張に対し ても迅速に対応 ● 消費電力の低減により、運用コストを削減 ● 自動化により、顧客満足度を向上 同社の最優先事項は、顧客満足度の向上お よびコストの削減と同時に、現在の急成長を 維持し、さらに成長を加速させることです。し かし、この目標を実現するためには、同社が アムステルダムに所有している 2 つのデータ センターを見直す必要がありました。これらの データセンターでは、さまざまなサービスや顧 客向けに、それぞれ専用のサーバやコン ポーネントを使用する構成になっていたから です。 「標準化され、統合された環境がなければ、我々が望むスピードでビジネスを成長させることはでき ません」と述べるのは、Parentix の最高経営責任者 Pieter Gabes 氏です。「クラウドを取り入れる ことで、お客様により柔軟なサービスを提供したいと考えました。それは、業務効率を高めることで もあります。同じプラットフォームでより多くのお客様にサービスを提供し、社員を増やすことなくより 多くのビジネスを行いたいということです。」 Parentix ではデータセンターを賃借しているため、そこで使用できる電力量は契約により制限され ています。2 つのデータセンターのどちらも、その消費電力量がほぼ限界に達していましたが、3 番 目のデータセンター開設は避けたいと考えていました。つまり、同じ電力消費量でより多くの業務を All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 1 of 6 ユーザ事例 行うためにも、データセンター資産の仮想化が必要だったのです。しかし、完全な仮想化は不可能 と考えられていました。パフォーマンスに関して次の 2 つの問題があったためです。 1 つ目の問題は、Exact Globe を始めとする、小規模企業向けの ERP(エンタープライズ リソース プランニング)ソリューションで必要とされる I/O パフォーマンスを、仮想プラットフォームでは実現で きないということでした。2 つ目の問題は、財務アプリケーションや ERP アプリケーションでのトラン ザクション処理は、非常に大きな帯域幅を周期的に必要とすることがあり、それをサポートするため には仮想プラットフォーム全体に 10 ギガバイト接続を実装する必要がある、ということでした。 ソリューション Parentix は、仮想化推進のために特別に設計された次世代データセンター プラットフォームであ る、Cisco Unified Computing System™(UCS)を基盤とする新たなアーキテクチャを導入するこ とを決断しました。Cisco® 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトが、すべてのブレードと シャーシに対するネットワーク接続機能と管理機能を提供します。 UCS は、Cisco Data Center 3.0 ポートフォリオに不可欠な要素であり、統合、仮想化、自動化と いう 3 段階を通じてデータセンターを進化させるアーキテクチャを実装します。Parentix は、同社の 成長を管理するため、より体系化された方法を探し求めていた際に、Cisco Data Center 3.0 の アーキテクチャに対するビジョンと、使用可能なテクノロジー ソリューションを知り、強い感銘を受け ました。 「当時、新型の Intel の Xeon 5600 プロセッサを使用できる 唯一のプラットフォームが UCS でした。この事実により、そ れまでは仮想プラットフォーム上で運用することを望んでいな かった当社のシステムを、UCS 上で運用することができると 確信するに至りました」 – Parentix のテクニカル ディレクタ、Vincent Kemp 氏 実際のところ、UCS を購入するという Parentix の決断は、このソリューションが提供するパフォー マンス指標のみに基づいて行われました。大胆な移行ですが、革新的なアプローチを選択する同 社らしいやり方でした。「オランダで Cisco UCS プラットフォームへ移行した企業は、当社が初めて でした。プラットフォームのテストが可能になる前に、この決断を下したのです」とテクニカル ディレ クタの Vincent Kemp 氏は語っています。「シスコを信頼しているからこその決断でした。そして、そ の信頼は、裏切られることはありませんでした。」 6 台の UCS B200 M2 ブレード サーバ は、極めて高いパフォーマンスと柔軟性を提供しただけで なく、データセンターのエネルギー効率も向上させました。このブレード サーバは Intel の新モデ ル、Xeon 5600 シリーズ プロセッサを搭載しており、アプリケーションからの要求の変化に応じて そのパフォーマンスを変化させることで、電力消費量を最小限に抑えることができます。これらのプ ロセッサは消費電力が少ないため、発生する熱が少なくなり、冷却のために必要なエネルギーも少 なくなります。つまり、エネルギー消費量とコストがさらに削減されるわけです。 処理速度の速い Intel プロセッサのおかげで、SQL サーバ上で動作し、高速の I/O スループットを 要求する Exact Globe のようなアプリケーションを、仮想環境で実行することが可能になりました。 「当時、この新型 Intel プロセッサを使用できる唯一のプラットフォームが UCS でした」と Kemp 氏 All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 2 of 6 ユーザ事例 は述べています。「この事実により、それまでは仮想プラットフォーム上で運用することを望んでい なかった当社のシステムを、UCS 上で運用することができると確信するに至りました。」 Parentix では、UCS を仮想プラットフォームとして使用し、データベース サーバ、電子メール サー バ、そして、Windows アプリケーションのリモート デスクトップ サービスに必要なターミナル サーバ を提供しています。このように複数の異なるシステムを統合することで、運用が容易な標準化され た環境が実現しています。たとえば、特定のサーバの容量を増やそうとすると、以前は、さまざまな 要求に対応するサービス要素を個別に拡張しなければなりませんでした。それが今では、あらかじ め定義されたテンプレートを使って、この作業をはるかに効率的に行うことができます。 「UCS は、当社がデータセンター全体を仮想化し、アプリケーションのすべてをクラウドに移行する こ と を 可 能 に し た 、 最 初 の ソ リ ュ ー シ ョ ン で し た 」 と マ ー ケ テ ィ ング マ ネージ ャ であ る Babs Sturkenboom 氏は述べています。 このデータセンター ソリューションには、VMware vSphere 仮想化ソフトウェアと NetApp ストレー ジ システムも含まれています。2 台の Cisco Nexus® 5000 シリーズ スイッチ により、Parentix は 次のことを実現しました。 ● 同社のデータセンターにある、さまざまなネットワーク、サーバ、ストレージ環境を統合 ● 10 GB イーサネットを使用したユニファイド ファブリックにより、すべてのタイプのトラフィックを単 一のネットワーク上で処理 目的は、容易でコスト効率の高い管理が可能になるよう、データセンターのインフラストラクチャを 簡素化することです。 「当社では、以前はお客様にセットアップ料金を別途請求して いましたが、今では、ユーザあたりの月額料金で、すべてを 含めたサービスを提供しています。お客様はコストを低く抑え ることができるため、当社のサービスは、より魅力的なものと なりました」 – Parentix のマーケティング マネージャ、Babs Sturkenboom 氏 この新しいプラットフォームは、シスコのパートナーにより設計、導入され、シスコはプロジェクト全 体を通じ、それをサポートしました。「特に、ハードウェアのいくつかの納入が遅れ、期限に間に合 わない恐れが出てきたときには、シスコから行き届いたサポートを受けることができました」と Kemp 氏は述べています。「シスコは、納入を早めるため多大な努力を払い、すべてが計画どおり に導入されたのです。」 導入の効果 単一のデータセンター アーキテクチャを採用したことで、Parentix は、そのビジネス モデルを従来 のホスティング型サービスから、クラウドベースの SaaS(Software as a Service)型へと変革しま した。同社では、顧客がオンラインでサービスの注文や管理ができるポータル サイトを新たに作成 しました。ここで最初に利用可能になったのは、オランダの小規模企業で広く使用されている、 Exact Software アプリケーションです。顧客はサービスの設定を自動で行い、すぐに使い始めるこ とができます。Parentix のスタッフの関与を必要としないため、サービスの提供プロセス全体が、以 前よりもはるかに柔軟で、応答性の高いものになっています。 All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 3 of 6 ユーザ事例 この新たなサービス モデルに対応すべく、同社のビジネスは変革を続けています。「当社では、以 前はお客様にセットアップ料金を別途請求していましたが、今では、ユーザあたりの月額料金で、 すべてを含めたサービスを提供しています。お客様はコストを低く抑えることができるため、当社の サービスは、より魅力的なものとなりました」と Sturkenboom 氏は述べています。また、Parentix は将来の成長につながる、新たな販売ルートを見い出しつつあります。手始めに、少数のリセラー パートナーを、顧客のポータル内で検索して選択できるようにしました。 この新しいデータセンターの重要な特長の 1 つは、その並外れたスケーラビリティです。これにより Parentix は、顧客の要件にリアルタイムで応え、サービスやユーザ数の急速な増加にも対応する ことができます。UCS を使用することで、データセンターの処理のピークを効率的に管理し、新たな サービスのプロビジョニングや既存のサービスのアップグレードを即座に行うことが可能になりまし た。 「以前は、データベース サーバの容量を拡張するのに終日かかり、しかもお客様には 2~3 時間 のダウンタイムが生じていました」と Kemp 氏は語っています。「今では、数分間でソフトウェアに追 加のリソースを割り当てるだけで済み、全くダウンタイムが生じないこともあります。」 顧客がはっきりと実感できるもう 1 つの利点は、アプリケーションの高速化です。これはデータセン ターの速度と容量が増加したことによるものです。さらに、サービス品質全般に対する顧客の満足 度も高まっています。可用性が高まったことを顧客が実感しているからです。これは顧客のビジネ スにとって非常に重要なことであり、Parentix にとっては、サービスレベル契約の条件を満たすこと が容易になっているということです。 このシスコ ソリューションを導入して 5 ヵ月後には、Parentix の消費電力量は増加から減少に転 じ、制限を上回る心配もなくなりました。「現在、当社の電力消費量は安定しており、これは大きな 成果です。そして、当社のデータセンターから従来の機器を取り除いていくに従い、電力消費量は さらに減っていくことでしょう」と Kemp 氏は述べています。同社ではまた、サービスの自動化や統 合アーキテクチャ、集中管理システムなどの要素を組み合わせることで、長期的に運用コストをさら に削減していくことも期待しています。 「当社のクラウドへの移行を阻む壁は、もはや存在しませ ん。この新たなサービス モデルによってビジネスをさらに拡 大し、お客様により多くの選択肢と新しいエクスペリエンス を提供することで、顧客満足度を高めていきたいと思ってい ます」 – Parentix 最高経営責任者、Pieter Gabes 氏 次のステップ Parentix は、新しいポータルを活用し、新たなリセラー パートナーと協力しながら SaaS モデルの 開発と推進を続けていきます。同社は、従来のデータセンターの機器を段階的に撤去し、提供中の サービスを新たなプラットフォームへと移行しつつあります。設置スペースが小さいながらも、シスコ のソリューションは、将来のビジネスの成長をコスト パフォーマンスの高い方法でサポートすること ができ、Parentix は新しいデータセンターのアーキテクチャに満足しています。 「当社のクラウドへの移行を阻む壁は、もはや存在しません」と Gabes 氏は述べています。「この 新たなサービス モデルによってビジネスをさらに拡大し、お客様により多くの選択肢と新しいエクス ペリエンスを提供することで、顧客満足度を高めていきたいと思っています。」 All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 4 of 6 ユーザ事例 製品リスト データセンター ● Cisco Unified Computing System ● Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 5 of 6 ユーザ事例 ©2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. Cisco、Cisco Systems、およびCisco Systemsロゴは、Cisco Systems, Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。 本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。 「パートナー」または「partner」という用語の使用はCiscoと他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(0809R) この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。 お問い合わせ先 シスコシステムズ合同会社 〒107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー http://www.cisco.com/jp お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター 0120-092-255(フリーコール、携帯・PHS含む) 電話受付時間 : 平日10:00~12:00、13:00~17:00 http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/ 10.10
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