Monthly KIKIN 第 56 巻 第 1 号 1 January 2015 トピックス① 「支払基金サービス向上計画」 の第4次フォローアップ (平成26年度) トピックス② 平成26年11月 特別審査委員会審査委員の改選状況 社会保険診療報酬支払基金 http://www.ssk.or.jp/ 「支払基金メールマガジン」のご案内 もう登録は お済みですか? 1 メールマガジンでは 以下の情報をインターネットメールで提供しています。 ◆ 保険者等(保険者団体を含む)へ配信している情報 レセプトデータおよび請求関係帳票データがオンライン請求システムからダウンロード可能になったという情報 ◆ 医療機関等(診療担当者団体を含む)へ配信している情報 返戻レセプトデータ、増減点連絡書データおよび振込額明細データ等がオンライン請求システムからダウンロー ド可能になったという情報 ◆ 保険者・医療機関共通の配信情報 ①オンライン請求システム等に障害が発生した場合の緊急連絡 ②電子レセプトの記録条件仕様、レセ電の基本マスターおよび電子点数表が更新されたという情報 ③厚生労働省から連絡文書(疑義解釈、保険適用等)が発出されたという情報 ④プレスリリースが発信されたという情報 登録方法 2 メールアドレスの登録は、 「空メールを送信する方法」または「Web 上の登録ページに入力する方法」の いずれかにより行います。 登録方法は、支払基金ホームページでもご案内しています。 支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/)>広報誌・メールマガジン >「支払基金メールマガジン」のご案内 空メールによる登録方法 メールの宛先を右の2次元コード から読み込み、空メールを送信し ます。 または 宛先欄に次のアドレスを直接入力し、 空メールを送信します。 空メールの送信先 toroku@mail.ssk.or.jp Web 上の登録ページからの登録方法 アクセス先を右の2次元コードか ら読み込み、ブラウザにより Web ページにアクセスし、登録するメ ールアドレスを入力します。 または ブラウザに次の登録ページの URL を直接入力して Web ページにアクセスし、登録するメールアドレスを 入力します。 登録ページの URL http://mail.ssk.or.jp/f/interim/register/00001 3 Q&A Q (よくあるお問い合わせ) 1 登録メールを送信したので すが、返信メールが届きま せん。 ドメイン指定受信等を設定されている場 合、返信メールが届かない場合がありま す。「ssk@mail.ssk.or.jp」 か ら の メ ールを受信できるように設定する必要が あります。 Q2 登録しているメールアドレスを変更できますか。 Q3 配信されるメールを選択することはできますか。 配信されるメールに掲載されている「登録内容の変更」でメール アドレスの変更はできません。お手数ですが、現在登録している アドレスを配信停止手続き後に、変更後のアドレスを新規登録願 います。 配信されるメールを選択することはできません。登録された所属 (保険者、保険医療機関)などの情報に基づき、お知らせする内 容を分類して配信していることをご理解願います。 支払基金メールマガジンに関するお問い合わせ先 社会保険診療報酬 支 払 基 金 本 部 広 報 室 広 報 課 TEL 03-3591-7441 内線 752・753 9 時から 17 時 30 分 平日のみ 1 Monthly KIKIN 第56巻 第1号 新春のごあいさつ 社会保険診療報酬支払基金 理事長 J anu a r y 2 0 1 5 CONTENTS 河内山 哲朗 保険者インタビュー 加入者の健康を守り育てる 「山形銀行健康保険組合」を訪ねて 4 トピックス① 「支払基金サービス向上計画」の 第4次フォローアップ(平成26年度) 社会保険診療報酬支払基金 基本理念 ネットワーク 社会保障制度改革について 公益社団法人 日本歯科医師会 副会長 私たちの使命 私たちは、国民の皆様に信 頼される専門機関として、 診療報酬の 「適正な審査」と 「迅速な支払」を通じ、国民 の皆様にとって大切な医療 保険制度を支えます。 1 January 2015 和田 明人 トピックス② 平成26年11月 特別審査委員会審査委員の改選状況 最近の社会保険を取り巻く状況と支払基金へ期待すること 田口 円裕 医学のはなし 知っておきたい病気の豆知識 連載66回 急性腎盂腎炎 |様々な経過をたどる腎臓の細菌感染| 埼玉医科大学総合医療センター泌尿器科 教授 山田 拓己 専務理事就任・退任のごあいさつ トピックス① 「支払基金サービス向上計画」 の第4次フォローアップ (平成26年度) 支部紹介(高知支部) トピックス② 平成26年11月 特別審査委員会審査委員の改選状況 社会保険診療報酬支払基金 http://www.ssk.or.jp/ 「ナンテン」 「南天」 。難を転じるに通じて、家の 鬼門 (北東) や裏鬼門 (南西) に植えら れる事が多い庭木です。ヤツデやヒ イラギとともに昭和の住宅の片隅に はよくありました。 2014年度『月刊基金』 の表紙には、 保険請求の基礎知識 医療保険等の動き・マンスリーノート おたずねに答えて Q&A 医療費の動向 ─診療報酬等確定状況─ 地方自治体が実施する医療費助成事業の審査支払事務を受託 インフォメーション 東日本大震災からの復興への願いを 込めた花 (福島に咲く花) を採用して います。 撮影・文/野口勝宏:花の力で人を 元気にしたいと願い、震災直後から 地元福島の花を撮り続けています。 8 14 15 (平成26年11月6日 全国基金副審査委員長会議(歯科)での講演より) 厚生労働省保険局 歯科医療管理官 Monthly KIKIN 第 56 巻 第 1 号 2 広告は有料にて掲載しています。広告掲載のお申込み方法は 支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/)でご案内しています。 トップページ > 広報誌・メールマガジン > 有料広告募集 16 18 19 20 新 春 の ご あいさつ 新年明けましておめでとうございます。 本年が皆様にとりまして、 輝かしい一年となりますよう心からお祈り申し上げます。 支払基金が関係者の皆様、 国民の皆様に必要とされ、 信頼され、 理解いただける組織 河内山 哲朗 社会保険診療報酬支払基金 理事長 となれますよう役職員全力を挙げて取り組んでまいります。 プトは総数の約 パーセントと見込んでいます。 旧年中は関係者の皆様方には、一方ならぬご支援、ご協力を賜りましたことをまずもって御礼申し上げます。 さて、本年 月には、電子レセプト請求に関する猶予措置が終了いたします。電子化への対応等、医療機関の皆様のご理解とご 協力に感謝申し上げます。引き続き紙レセプト等で請求される医療機関等も幾分かありますので、今年4月に電子請求されるレセ 3 数表」とする作業、ルールへの適・不適を判断する「ロジック」の組み立て作業など、気の遠くなるような地道な取組みを、支払 ピュータチェックがかけられるようになりました。保険診療ルール等は、文章で記述されていますので、それを電子化し「電子点 電子請求の普及は、私たち支払基金の業務を大きく変えてきました。変革の根幹にあるものは、コンピュータシステムです。電 子請求されるレセプトは、形式的な不備や記載もれはもとより、保険診療ルール、医薬品の適応、用量との整合性など幅広くコン 97 2 月刊基金 January 2015 基金職員は有識者やシステムエンジニアの力も借りて行ってまいりました。 その結果としまして、現在では電子点数表を活用したコンピュータチェックの項目数は、医科・歯科合わせて約100万項目に、 医薬品の適応の適否に関しては約 万品目に、医薬品の用量の適否に関しては約2万 000品目になりました。このようなコン まことに大きいと存じております。使命達成のため、皆様のご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。 「適正な審査」と「迅速な支払」を通じて、我 冒頭に申し上げました、私たち社会保険診療報酬支払基金の果たすべき使命とは、 が国が誇る国民皆保険の円滑な運営を支え切ることであります。皆保険の持続可能性が問われる今日、私たちに課せられた責務は 本年は、保険者の皆様、医療機関の皆様、被保険者の皆様にさらに必要とされ、信頼される支払基金となれますよう新たな中期計 画の策定作業を進めていく予定です。策定の過程では、皆様との一層のコミュニケーションを図ることができればと願っております。 遂できる体制の整備や業務運営にも力点を置いて、気を引き締めて取り組んでまいる所存であります。 昨年同様、現場の発想を生かした業務改善の取組みを積極的に進めてまいります。同時に、膨大な作業を事故やミスを起こさず完 を積極的に進めているところであります。業務をよく知る現場職員でなければ思いつかない改善や改革項目がたくさんあります。 「支払基金サービス向上計画 ─より良いサービスをより安く ─」の最終年度となり また、本年は業務の指針としている中期計画、 ます。先に述べました審査の品質向上と、財政状況の厳しい保険者に負担いただく手数料水準の引き下げにつながる業務の効率化 本年も引き続き取組みを継続し、情報発信、説明責任の向上にも努めてまいります。 査委員の方に、従来以上の頻度で会議や意見交換をお願いして、審査結果の品質向上・差異解消・信頼確保に努めているところです。 上に大きくなってきております。支払基金では、臨床経験の豊富な医師・歯科医師・薬剤師を審査委員として委嘱しています。審 電子化の進展により、審査事務の効率化や高度化を成し遂げることができましたが、一方で電子的にチェックした項目等を含め た「医学的判断」や「医療の個別性」という人間の目による判断や審査の必要性や重要性は、医学の進歩発展もあり、これまで以 ました。 ピュータチェックの拡充により、全レセプトを電子的にチェックするという、世界にもまれな審査事務システムを作ることができ 3 末筆となりましたが、皆々様のご健康とご多幸を心より祈念申し上げまして新年のごあいさつとさせていただきます。 月刊基金 January 2015 3 1 トピックス 1 ピュータチェックなどを順 次 拡 充する とともに、精緻化を図っています。 のと考えます。 ピュータチェックの寄 与割 合を平 成 サービス向上計画では、医科電子レ セプトの原審査査定点数に占めるコン 職 員 の 審 査 事 務 能 力 の 向 上 を 図 り、 全国の職員が同じ視点(着眼点)で審 ロ 職員の審査事務能力の向上 率化等を考えながら、目標に向けて努 はなく、コンピュータチェック全体の効 (図表1) 業務の効率化に取り組んでいます。 査事務を行うことができるよう職員の すが、単に同割合の向上を目指すので 力していくこととしています。 (図表2) 件 程 度、 請 求 1 万 点 当 た り の 査 定 点 点程度としていましたが、目標 ② 原審査請求点数 万点当たりの査 定点数については、再審査実績で上 位 割を占める保険者とおおむね同 程度の水準を目指すこととしていた 万点当たりの ところ、目標設定時のこれらの保険 割程 点でしたが、現 点となっており、 ・ 者の原審査請求点数 ・ 査定点数は、 在は 度の乖離が生じています。 審査充実の取組みの効果が少しずつ数 実 績 は 向 上 し て お り、 原 審 査 に お け る これらの実績については、目標値と は乖離しているものの、毎年度、その 審 査 分 の 平 均 で み る と、 原 審 査 の 請 求 点、縦覧点検分 ・ 万点当たりの査定点数は突 ・ 数も同時に増加傾向にあり、その要因 100 件 程 度、 請 求 い て 目 標 を 設 定 し、 そ の 低 減 に 取 り 組 支払基金は、 次にわたる審査充実 計 画 を 通 じ、 再 審 査 査 定 の 割 合 等 に つ 万点当たりの 点程度、縦覧点検につい ホ 再審査査定割合 けて努力していくこととしています。 点検および縦覧点検の実績の向上に向 引き続き査定事例を分析・検証のう え、 効 果 的 な 審 査 事 務 を 実 施 し、 突 合 値に表れているものと考えています。 件数 点検分 ・ 件、縦覧点検分 ・ 件、 請求点数 はコンピュータで代替できないレセプ 1 8 月刊基金 January 2015 て は、 請 求 1 万 件 当 た り の 査 定 件 数 で 数で %程 度 で %程度の乖離が生じています。 ところ、現状においては、 目標設定時に 100%となっていた ① 医科・歯科レセプトと調剤レセプ トとの紐付け率については、事実上、 因については、次のとおりです。 標値と実績に大きな隔たりが生じた要 達 成 が 厳 し い 状 況 と な っ て い ま す。 目 5 20 「 支払基金サービス向上計画」の 第4次フォローアップ(平成 年度) 「 『支払基金サービス向上 支払基金は、 計画』 (平成 ~ 年度)―より良いサー ビ ス を よ り 安 く ―」 ( 以 下、 サ ー ビ ス 向 今年度作成した第4次フォローアップ においては、サービス向上計画の数値目 上計画)を策定し、審査の品質の向上と 標と実績の検証を行い、低調であるもの 研修、支部指導・支援などの各種取組 1 1 4 割程度としているところで について、その要因を記載するなど、同 ニ 突合点検および縦覧点検の 査定件数および査定点数 35 万 件 当 た り の 査 定 件 数 は、 突 合 突合点検および縦覧点検の査定状況 について、平成 年 月審査分〜 月 80 2 7 年度には 計画の進捗状況を明らかにしました。そ ハ 医科電子レセプトの原審査査定点 数に占めるコンピュータチェック 年 月 審 査 分 の 平 均 で、 %と 合点検分 ・ %であったものが、平成 年 原審査査定点数に占めるコンピュー タチェックの寄与割合は、平成 年 みを実施しています。 の概要は、次のとおりです。 「支払基金 サービス向上計画」に 基づく改革の取組み ・ 月〜平成 月審査分の平均では な っ て い ま す。 近 年、 コ ン ピ ュ ー タ 点となっています。 ~ チェックを契機とする査定点数が増加 審 査 の 充 実 の た め の 取 組 み と し て、 チェックマスタや電子点数表を活用し 査定点数で 万件当たりの査定件数で たコン ピュータチェックのほか、算 定 トの査定が増加していることによるも 請求 ル ー ル や 点 検 条 件 の 設 定 に よ るコン サービス向上計画の平成 年度の目 標 値 に つ い て、 突 合 点 検 に つ い て は、 6 1 良質なサービスの提供 ⑴ 審査の充実 しているにもかかわらず、寄与割合に 5 9 27 イ コンピュータチェックの充実 26 1 12 4 大きな変化がないのは、全体の査定点 6 1 5 5 4 3 26 6 23 7 4 22 3 26 9 9 27 56 2 1 14 2 1 40 9 5 27 23 3 医科電子レセプトの原審査査定点数に占めるコンピュータチェックの寄与割合(点数表示ベース) (万点) 25,000 20,658 万点 20,101 万点 20,000 18,315 万点 17,135 万点 15,501 万点 15,000 10,000 59.8% (9,271万点 ) 5,000 40.2% (6,230万点 ) 0 人による 目視での チェックを 契機と するもの コンピュータ チェックを 契機と するもの 平成22年5月~ 平成23年4 月 審査分平均 54.9% (9,399万点 ) 人による 目視での チェックを 契機と するもの 43.9% (8,034万点 ) 人による 目視での チェックを 契機と するもの 44.1% (8,871万点 ) 月刊基金 January 2015 43.7% (9,018万点 ) 人による 目視での チェックを 契機と するもの コンピュータ 56.3% コンピュータ コンピュータ 55.9% チェックを (11,640万点 ) チェックを 56.1% チェックを コンピュータ 契機と (11,230万点 ) 契機と 契機と チェックを (10,281万点 ) 45.1% するもの するもの するもの (7,736万点 ) 契機と するもの 平成23年5月~ 平成24年4月 審査分平均 平成24年5月~ 平成25年4月 審査分平均 ※1 コンピュータチェックを契機とする査定についても、職員が確認のうえ、審査委員が審査している。 ※2 平成25年5月審査分は、コンピュータチェックの一部の事例で不具合が生じたため、除外している。 9 人による 目視での チェックを 契機と するもの 平成25年6月~ 平成26年4月 審査分平均 平成26年5月~ 9月 審査分平均 でいます。 また、関係者の指摘に迅速に対応す るため、審査に関する苦情等相談窓口 24 んできました。 平成 年 月からは、保険者に対す るサービスの向上を図る観点から単月 ループの編成により個別事例への対応 ロ 審査に関する不合理な差異の 解消のための方策 に取り組んでいます。 支払基金では、次のような方策を進 め、不合理な差異解消に取り組んでい ます。 の設置および専門分野別ワーキンググ 年度の 24 点検に加え、新たに突合点検・縦覧点 年度については、平成 月審査分における再審 %) に 対 し、 お お む ね 半 減 27 検を実施しています。これを踏まえて、 平成 ・ ~ 9 7 6 %)することを目指しており、 年 5 ・ 12 24 突 合 点 検・ 縦 覧 点 検 を 加 味 し た 実 績 ( 平成 19 ( 26 ・ 図表 2 %となっています。 本部および支部において、チェックマスタ等に 設定されていない医薬品や診療行為等の診療報酬 の算定に関する適否の基準を、点検条件に設定(コ ンピュータチェックシステムに対象条件を登録す る)し、他のコンピュータチェックでは対応できな いチェック項目の組み合わせなどをチェックする。 査 査 定 割 合 の 平 均 に つ い て は、 点検条件の設定による 4 コンピュータチェック 2 ① 算定ルールの適用に係る差異につ いては、外部の専門家を含めた議論 チェックマスタ(診療報酬請求上の算定可否に 関する基準を定義したデータベース)を用いて、傷 病名と医薬品や診療行為の適応に関する対応の適 否や医薬品の用量に関する適否等をチェックする。 等を通じて不明確な事項に関する取 チェックマスタを活用した 3 コンピュータチェック ⑵ 審査に関する不合理な差異の解消 ※電子点数表によるチェック対象項目数(平成 26 年 9 月審査分) 医科 650,725 件、歯科 340,500 件 扱いを整理し、そのうえで、厚生労 ② 医 学 的 判 断 に 係 る 差 異 に つ い て 電子点数表を用いて、他の診療行為に包括され る診療行為や他の診療行為と併算定ができない診 療行為などをチェックする。 働 省 へ の 情 報 提 供 と 協 議 に よ り、 ルールの明確化(疑義解釈の明確化 電子点数表を活用した 2 コンピュータチェック イ 審査委員会の機能の強化 の推進)およびルールの見直しを要 ※ ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)とは、 一般的にはアプリケーションを提供する会社のサーバ に利用者が接続し、サーバ上のアプリケーションを利 用できる仕組み(サービス)のこと。 審査委員長等ブロック別会議、全国 お よ び 地 区 別 の 基 金 医 療 顧 問 等 会 議、 コンピュータによる受付・事務点検チェックに より、患者名もれ、存在しないコードの記録等を 点検する。 なお、オンライン請求では、医療機関が審査支 払機関の ASP を利用して、事前に記載事項等の不 備(患者名もれ、存在しないコードの記録等)を 確認でき、当月に修正が可能となる。 審査委員会間の審査照会の実施などに 受付・事務点検チェック 1 (オンライン請求の場合の ASP) 請することとしています。 電子レセプトチェックの概要 より、本部と支部との間および各審査 委員会相互間での連携強化に取り組ん 図表 1 は、支部から提案のあった事例を支 部間差異検討委員会の地区検討委員 会で検討のうえ、必要に応じて中央 検討委員会で収束を図ることとして います。 ③ 審査取決事項システムおよび分析 評価システムを活用した分析結果に 基づく「差異事例部会」における検 討および支部への情報提供に係る体 制については、支部間差異解消に関 する事項を含めた審査全般の事項に ついて、スピード感をもって検討協 議する組織体制として見直しを図る 図表 3 審査委員と職員の連携強化 審査委員会 職員が特定され審査事務のポイントや医学的知識の指示・指導が容易 内科担当 審査委員 ハ 審査委員と職員との連携の強化 こととし、分析・検証の方法および ていることから、担当審査委員に結果 の確認や次月の審査事務につなげるた めの審査事務のポイントなど、職員が 点検すべきポイントの医学的知識の指 示・指導を受けることにより、より専 門的な審査事務を行うことが可能と なっています。 (図表3) 図表 4 検討事例の選定方法等を含め、審査 委員長会議等で検討しています。 ④ ①および②に基づく情報の共有化 により、審査委員間の見解の統一を 図るとともに、適正な請求のための 関係者への情報提供を推進すること としています。 職 員 は、 審 査 委 員 と の 連 携 を 図 り、 より的確な審査事務を行うため、審査 委員と同様に診療科別に事務を分担し ⑶ 保険者および医療機関に対する サービスの向上 イ オンラインによる請求前資格確認 保険者に請求する前に受給者資格を チ ェ ッ ク す る 仕 組 み と し て、 平 成 年 月からオンラインによる請求前資格 23 整形外科担当 審査委員 産婦人科担当 審査委員 眼科担当 審査委員 審査委員と職員の連携強化 《より専門的に》 内科担当者 外科担当者 整形外科 担当者 産婦人科 担当者 眼科担当者 診療科が特定され、専門的知識の習得が容易になり、的確な審査事務が可能 審査事務担当職員 オンライン請求前資格確認の実施確認の実施申込保険者推移 協会けんぽ窓口数 共済組合窓口数 健保組合窓口数 (実施申込保険者数) (実施率) 共済組合実施率 健保組合実施率 800 35.0% 741 30.9% 700 30.0% 26.1% 600 500 25.0% 23.0% 20.4% 20.0% 426 400 492 334 15.0% 300 10.0% 200 10 外科担当 審査委員 61 100 0 324 3.3% 52 0.7% H23.10 保険者数 協会けんぽ 船員保険 共済組合 健保組合 自衛官 計 1 1 1,078 1,592 229 2,901 8 1 416 0.8% 協会けんぽ 保険者数 9 1 0.8% H24.10 9 1 H25.10 5.0% 248 1 H26.10 0.0% 実施申込保険者数 H23.10 1 0 8 52 0 61 実施率 100.0% 0.0% 0.7% 3.3% 0.0% 2.1% H24.10 1 0 9 324 0 334 実施率 100.0% 0.0% 0.8% 20.4% 0.0% 11.5% H25.10 1 0 9 416 0 426 実施率 100.0% 0.0% 0.8% 26.1% 0.0% 14.7% H26.10 1 0 248 492 0 741 実施率 100.0% 0.0% 23.0% 30.9% 0.0% 25.5% ※保険者数は、平成 26 年 10 月 1 日現在の保険者窓口数です。 ※協会けんぽについては実施率が 100%であることから折れ線グラフの表示はしていません。 また、船員保険および自衛官については、実施申込保険者がないことから縦棒および折れ線グラフの表示はしていません。 月刊基金 January 2015 10 (101.2%) 4,873 平成 24 年度 (103.9%) 5,542 (105.0%) 5,119 平成 25 年度 (106.7%) 5,911 (104.6%) 5,352 10 月に行 平成 23 年度 (97.6%) 5,334 マニュアル、手順書等の整備を (対前年度比) 通知書等数 26 年度と誤処理が相次ぎ、保 (対前年度比) 医療機関等数 および平成 1. 受理状況(月平均) 確認を実施しています。 診療報酬等債権譲渡・差押等処理状況 い、全職員に周知徹底を図りました。 図表 6 月に事務誤処理事故検証 ※ 件数下の( )内は、全体に占めるレセプト件数割合である。 年 平成 25 年度 3 険者等関係者の信頼を失墜したことか 平成 24 年度 ら、平成 平成 23 年度 オンラインによる請求前資格確認の 実施を申し出た医療保険の保険者等 平成 22 年度 26 2 効率的な事業運営 平成 21 年度 委員会を設置し、改めて、支払基金の業 平成 20 年度 10 月審査 平成 19 年度 26 ⑴ 診療報酬等の請求および支払の実施 平成 18 年度 83,557 81,992 (94.6%) 81,648 (95.7%) (98.0%) 87,295 86,693 85,206 (91.9%) (92.5%) (93.8%) ○ 請求支払の着実な実施 全国ネットの決済基盤により、全国 0 85,633 (99.1%) 3,701 (4.3%) 83,610 (99.5%) 1,693 (2.0%) 4,788 (5.4%) 5 年 420 (0.5%) 83,341 は、毎年度増加し、平成 737 (0.9%) 5,588 (6.2%) 務処理全般について、事務処理誤りの防 84,031 85,000 85,694 分においては、 保険者等全体(2901 86,370 止の観点から一連の事務処理のチェック 88,346 7,721 (8.1%) 保険者等)の ・ %に当たる 741 90,000 6,982 (7.5%) 9 体制を検証することとしました。 90,794 25 万 9000 件 の 地方単独医療費助成事業以外 保 険 者 と な り、 約 地方単独医療費助成事業 具体的には、 事務処理誤り防止に向け、 検 証 の ポ イ ン ト を 明 確 化 す る と と も に、 95,000 資格関係誤りに係る再審査を未然に防 地方単独医療費助成事業に係る 審査支払業務の受託の拡大 95,015 93,675 止しています。 (図表4) ⑷ 26 平 成 年 度 に お い て は、 新 た に 7 県、 延べ 事業の審査支払事務を受託しまし 18 全体の件数に占める受託レセプト件数の割合 (万件) 80,000 た。 さらに、福島県の市町村が実施する子 ども医療費助成事業については、東京電 力福島第一原子力発電所事故により、県 26 市町村 59 外へ避難されている方が受診した際にも 現物給付となるよう、福島県内 32 市町村から委託をうけ、平成 月 診 療 分 に お い て、 9 年 月診療分から審査支払事務を実施し 年 (図表5) 都 道 府 県 の 医 療 機 関 か ら 請 求 が あ り、 26 3 のうち ま し た。 平 成 合計件数は 391 件となっています。 図表 5 ⑸ 業務処理の適正化 (事故処理防止に向けた取組み) 年度 支払基金はこれまで、業務処理におけ る誤処理を防止するための方策を策定・ 実行してきたところですが、平成 25 23 2. 支払等の状況(月平均) ① 譲受人又は債権者払 金額 医療機関等数 通知書等数 平成 23 年度 4,552 平成 24 年度 4,680 平成 25 年度 4,940 千円 40,012,202 千円 3,414 40,754,937 千円 3,346 41,870,734 3,385 ② 供託 医療機関等数 通知書等数 41 40 42 ③ 支払保留 金額 医療機関等数 通知書等数 千円 121 5 6 35,871 千円 96 3 4 20,758 千円 96 3 3 34,374 ④ 合計 金額 医療機関等数 通知書等数 金額 千円 千円 4,598 3,513 40,051,707 3,634 千円 千円 4,723 3,513 2,533 40,778,229 千円 千円 4,985 3,444 3,894 41,909,002 ※1受理状況(月平均)の「医療機関等数」および「通知書等数」は、一つの医療機関等について債権譲渡通知書や債権差押命令等が重複して送達される場合、または一通の債権譲渡通知書、 債権差押命令等において複数の医療機関等(同一法人が開設する医療機関、薬局等)の診療報酬等債権が譲渡、差押等される場合があるため一致しない。 ※2受理状況(月平均)の「医療機関等数」および「通知書等数」は、以下の理由により、2.支払等の状況(月平均)の「④合計」欄の「医療機関等数」および「通知書等数」とは一致しない。 ①当月処理の対象とならない次月以降処理分の債権譲渡通知書等が含まれている。 ②当月処理において、効力が発生しない後着の債権譲渡通知書等を受理している。 ③債権譲渡通知書等を受理しているが、該当月の診療報酬等の請求がなく処理していない。 ※3本表の各区分の数値は月平均で四捨五入しているため、合計と不一致の場合がある。 11 月刊基金 January 2015 約 万か所の医療機関等から請求され 万 8000 る毎月約 8000 万件のレセプトを適 正に審査のうえ、全国約 か所の保険者へ請求し、医療機関等へ 着実な支払を実施しています。 この請求に際しては、診療報酬等に 関して、支払基金が債権譲渡通知書ま た。 請求方法および移行時期を把握しまし レセプト件数が増加する一方、職員 定員については、段階的に削減を実施 ロ 職員定員の削減 しており、平成 年度においては、ピー び未確認の約 600 の医療機関に再度 で ▲ 1887 人( ▲ ク時の平成 さらには、平成 年 月末現在にお いてもなお、移行時期等が未確定およ 移行確認票を送付し、猶予期限後の請 %) を 削 月までに本部で 施しています。 回、支部では ⑵ 審査に現れない審査の 意義の見える化 回実 平成 年度においては、審査委員会の 存在を通じた効果の一つとして、支払基 考えられる医療機関については、関係 かつ、診療報酬の返還が困難であると 保 険 医 療 機 関 の 指 定 取 消 し が 行 わ れ、 厚 生 労 働 省 等 に よ る 指 導 監 査 に よ り、 ているのに対して、保険者等からの再 また、支払基金から保険者へのオン ライン請求件数の割合が約 %となっ プト電子化の勧奨を行っています。 要な書類を送付することにより、レセ 移行確認票の回答に記載された「移 行する診療月」の3か月前に移行に必 引下げとなります。 こ れ は、 平 成 年 度 決 算( ・ 円 ) と比較して▲ ・ %(▲ ・ 円)の 平成 年度は全レセプトの平均手数料 について、 ・ 円としました。 であったのに対して、HIRAについて 審査の訴訟に関する調査の結果、支払 基金については、創設以来 年間で 件 しました。 %(▲ ・ 円)と比較して▲ 円)となりました。 ・ 審査評価院(以下「HIRA」という。 ) 年の 年間で が担当した審査に関する訴訟件数を調査 は、平成 件の訴訟があ このことを踏まえると保険者代表、診 療担当者代表および学識経験者の三者構 成からなる審査委員会の審査について は、保険者および医療機関双方の納得を 得やすいとの指摘が行われているところ であり、右記の結果は、審査委員会の存 ⑴ 広報 療報酬の審査支払をめぐる紛争の予防と られます。 支払基金では、保険者団体、診療担当 者団体等との各種打合せを開催しまし ⑶ 関係団体との打合せ会の開催等 談会を実施しており、支払基金に対する 月〜平成 た。具体的には、平成 年 意見をいただいています。平成 年度は せることを目的に、報道機関の方との懇 在が保険者と医療機関との間における診 ⑶ 総コストの削減のための取組み いう点からも、医療保険制度の効率的な 支部における職員の審査事務を支援す 医療保険を支える支払基金の存在意義 が理解されるよう、本部・支部が一体と る体制や、減少する紙レセプトの請求 業務の改善のための取組み イ 総コストの削減に向けた 支払に係る業務を効率的に処理するた 平成 年度からは、支払基金の役割や 事業運営等を理解いただくとともに、今 方 法、 手 順 を 工 夫、 改 善( 業 務 改 善 ) 後の広報活動を含めた事業運営に反映さ ます。 するかという発想を重視し、そうした 26 提案が生まれやすい体質を目指してい を実施しています。 運営に寄与しているのではないかと考え 3 情報公開および説明責任 金がしばしば比較される韓国の健康保険 団体等の意見を踏まえつつ、診療報酬 %にとどまっているという状況 がオンラインで請求されるよう保険者 にも働きかけを実施しています。 26 なって、支払基金の取組みに関する広報 (図表7) ⑷ 手数料水準の引下げ の支払を保留することなどにより対応 イ 審査および請求支払に係る 基盤の整備 ⑵ 効率的な事業運営のための しています。(図表6) 審査等の受付件数のオンラインの割合 ・ 年度と比較すると、累計 求方法および移行時期を把握しまし 減しています。 (図表8) 6 りました。 た。 10 その結果、平成 年度での全レセプト の平均手数料は、ピーク時の平成 年度 たは債権差押命令等を受理した場合 2 1 90 平成 年度においても、コスト削減 という目的はもとより、いかに仕事の 業務フローの見直し 効率的な事業運営のために、本部ま たはブロック中核 支部がブロック内 25 82 1 02 9 25 7 25 60 88 26 80 1 28 31 26 支部へ集約して処 3 65 11 め、ブロック中核 2 79 25 理を行っています。 2 42 26 11 ロ レセプト等の電子化に 向けた取組み 平成 年 月に、約 万の医療機関 に移行確認票を送付し、猶予期限後の 26 27 23 11 60 は、 第 三 債 務 者 と し て 対 応 す る ほ か、 6 決算(107・ 9 26 を踏まえ、保険者からの再審査の申出 29 1 は約 26 26 13 23 12 月刊基金 January 2015 年 せん。本年度においても、業務の範囲に 事業の展開も視野に入れなければなりま サービスの向上を図るためには、新たな 月の間で、本部で 回、支部で延べ 15 管掌別オンライン請求状況 151,811 件 17,392 件 169,203 件 89.7% 管 掌 協会けんぽ 共済組合 健保組合 公 費 等 計 再審査等受付 件数 オンライン件数 (再掲) 537,835 76,566 301,404 114,919 1,030,724 オンライン件数 割合 455,242 31,445 41,464 50,091 578,242 84.6% 41.1% 13.8% 43.6% 56.1% レセプト件数および職員定員の年度別推計 (人) (百万件) 6,500 6,078 6,098 6,089 6,321 6,321 6,292 6,213 6,161 6,321 6,254 6,163 6,321 6,321 6,321 6,321 6,321 6,117 5,916 職員定員 5,714 5,000 平成 26 年度には、ピーク時の 平成 13 年度と比較すると、累計で ▲ 1,887 人(▲ 29.9%)。 566.4 540.4 529.6 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 863.7 856.9 840.3 833.4 830.5 900 レセプト件数 800 700 4,559 4,434 年度 「 『支払基金サービス向上計画』の第 4 次フォローアップ」の詳細については、支払基金ホームページからご覧いただけます。 (支払基金ホームページ http://www.ssk.or.jp/ > 支払基金のご案内 > 支払基金サービス向上計画・事業計画等) 600 4,310 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 ※ 1 各年度のレセプト件数は、当年4月~翌年3月審査分である。 ※ 2 職員定員は、一般会計分である。 月刊基金 January 2015 1,000 950.2 936.8 907.9 883.5 793.2 799.8 789.8 786.7 750.5 5,514 760.6 5,410 739.4 712.6 5,309 724.1 697.4 5,184 680.5 5,059 657.5 650.4 4,934 631.5 4,809 601.3 4,684 582.7 5,500 13 384 回 開 催 し ま し た。 ま た、 関 係 団 登録業務の軽減 4,000 体の支払基金への見学会についても対応 ⑶ 諸外国の審査機関等との情報交換 計 4,500 10 平成 26 年 10 月処理 手作業による 登録 6,000 関する要望などの「制度等の見直しに関 支払基金は、診療報酬の審査支払の専 門機関として諸外国の関係者の視察団等 を行っています。 図表 7 しています。 を受け入れるとともに、蓄積されたノウ 月には第 6 する要望」 を厚生労働省に提出しました。 ハウを活かしながら、積極的に情報交換 月に第 年 26 ⑷ 保険診療と審査を考える 国 民 皆 保 険 を 支 え る 支 払 基 金 の 存 在、 とりわけ、審査の現状や審査委員会が担 フォーラムの開催 回を宮城 年 7 1 3 平成 年 月には、HIRAから国際 シンポジウムにおける講演の依頼があ り、当該シンポジウムに出席し、支払基 う役割について広く国民に理解していた 回を福岡市で開催することとしていま だくため、平成 県仙台市で開催し、平成 26 27 施設基準情報の登録状況 (平成26年5月2日~14日) 電子データによる 登録 図表 8 金の出席者が講演を行うとともに、支払 10 基 金 理 事 長 と HIRA 院 長 の 間 で 意 見 交換を行いました。 また、平成 年 月には、ベトナム社 会主義共和国保健省のファム・レ・トゥ アン保健副大臣をはじめとする一行が支 払 基 金 を 訪 問 し、DPC の 仕 組 み や 電 子レセプトの画面審査について、活発な 意見交換を行いました。 支払基金は、サービス向上計画の最終 年度を迎えるにあたり、その進捗状況を 踏まえ、 今後とも同計画を着実に実施し、 関 係 者 の 皆 様 方 の 信 頼 を 得 ら れ る よ う、 審査の質の向上と業務の効率化を推進し てまいります。 26 す。 4 医療保険制度に貢献する 公的な役割 ⑴ 診療報酬改定をはじめとする 医療保険制度改正に係る円滑な対応 平成 年度の診療報酬改定時に、厚 生労働省の地方厚生局等から発出され る施設基準情報を電子媒体により受領 し、医療機関基本情報管理システムへ 登録するシステムの開発を行い、業務 処理の軽減を図りました。(図表9) ⑵ 審査支払制度等の 見直しに関する提言 支払基金として、保険者および医療機 関 の ニ ー ズ に 的 確 に 応 え、 よ り 一 層 の 図表 9 26 4 500 トピツクス TOPI CS 2 平成26年11月 特別審査委員会審査委員の改選状況 支払基金では、厚生労働大臣の定める診療報酬請求書(医科40万点以上の高額レセプト等)について審 査を行うため、基金本部に社会保険診療報酬請求書特別審査委員会を設置し、審査委員を委嘱しています。 審査委員の任期は、厚生労働省令によって2年と定められており、今般、平成26年11月13日付けをもっ て審査委員の任期が満了となりましたので、同年11月14日付けの委嘱状況等についてお知らせします。 1 審査委員の選任方法 社会保険の公的重要性を理解し、厳正・公正な審査を期待できる最適任者 を委嘱するため、「社会保険診療報酬請求書特別審査委員会審査委員選任基 準」を定め、診療担当者を代表する者、保険者を代表する者については、各 所属団体からの推薦により、また、学識経験者については、支払基金の「社 会保険診療報酬請求書特別審査委員会学識経験者審査委員選考協議会」にお ける協議を経て、真に審査委員としてふさわしい識見と専門知識を有し、そ の職責を十分果たし得る最適任者を選任し、理事長が委嘱しています。 2 審査委員の委嘱状況 審査委員定数は 54 名(各代表同数)としており、医科 51 名、歯科3名が 委嘱されました。 特別審査委員会審査委員の委嘱状況 区分 三者構成 医科 歯科 合計 診療担当者代表 17 1 18 保険者代表 17 1 18 学識経験者 17 1 18 51 3 54 合 計 ※任期 平成 26 年 11 月 14 日~平成 28 年 11 月 13 日 新任・再任 新任 22% 再任 78% 新任 :12 名 再任 :42 名 年齢 審査委員経験年数 65歳以上 70歳未満 60歳未満 40.7 16.7 % 平均 医科 :61歳 歯科 :61歳 20.4 % 42.6% % 60歳以上 65歳未満 10年以上 29.6 6年以上 10年未満 50.0% % 6年未満 平均 医科 :6年 歯科 :5年 今回の特別審査委員会審査委員の改選にあたり、診療団体(日本医師会、日本歯科医師会) 、保険者(全国健康保険協会 本部、健康保険組合連合会、共済組合連盟)の皆様をはじめ、ご協力いただいた関係団体の方々に、御礼申し上げます。 15 月刊基金 January 2015 支部 31名 歯科 4.5万件、 4.1億円 取扱件数・金額 45名 取扱件数と金額【平成26年9月診療分】 医科 20.9万件、 42.0億円 調剤 11.4万件、 9.6億円 支部の取組み 職員数 (医科37名・歯科5名・調剤3名) 審査委員数 電子レセプト請求 歯科 83.4% の割合(%) 医科 97.5% 調剤 99.9% 今後は、この「審査事務充実グループ」 を中心として、職員と審査委員の連携を一 眼点の拡大を図っています。 報交換の窓口となり、審査事務における着 ル」を活用し、ブロック内の他支部との情 ブロック審査事務充実グループ照会ファイ リーダー的役割を担っており、 「中国・四国 また、各診療科グループから「審査事務 充実グループ」として選定した各2名が います。 の他診療科」の診療科グループを設置して 目的として、 医科では「内科系」「外科系」「そ 高知支部では、職員の審査事務能力の向 上と審査委員会への積極的な働きかけ等を 支部概要 層強化していくこととしています。 根本 堅 審査の充実については、DPC等医科入 職員で明るく前向きに努力しています。 を課題として、南国土佐の風土のように全 当支部は、 「審査の充実」 「コミュニケー ション」 「マニュアルに基づく適正処理」 支部長 院分の点検能力の涵養とシステムチェック を活用した突合・縦覧点検の充実がポイン トです。 また、さまざまな場面における情報交換 はIT化の時代には特に不可欠で、審査委 員、職員、関係方面とのコミュニケーショ ンを強化させるよう取り組んでいます。 適正な業務処理については、マニュアル の整備に併せ、コンプライアンス意識の向 上を心がけています。 さらに今後も、審査委員、職員ともに力 を合わせ、関係者の皆様の信頼に応えられ るよう事業運営に取り組んでまいります。 せん」の取組みや、研修としては、同じレ 結果により自分の弱点を認識する「同一レ セプトを複数職員が同時に点検して、その を用いて自ら検証を行っています。 単位に審査事務上のポイントを整理した表) 子事務点検記録票」のチェック表(医療機関 終的には医療機関ごとに作成している「電 また、関係方面への働きかけとして、支 払基金の業務処理に理解を深めていただく 査・再審査結果の差異防止に努めています。 再審査分の処理については、同一の審査 委員・職員が担当する一貫処理により、原審 セプト研修」 、職員を講師とした「DPC 研修」などを行っています。 に記録し、効果的なPDCAとしています。 学会なども積極的に開催しています。 当支部の審査委員会は、土曜日・日曜 日を含めて原則 日間開催し、審査委員 審査委員会の状況 よう、保険者打合せ会や学生による基金見 突合点検・縦覧点検の充実については、別に 時間を設け集中して点検を行うとともに、今 を踏まえた取組みの検討を行っています。 ループ」を設置し、毎月それぞれの点検の特性 年度から「突合点検・縦覧点検ワーキンググ じて直接相談しながら取組みを検討し、最 「PDCA管理票」に記入された検証結果 は必ず上長がアドバイスを記入、必要に応 個々の職員については、担当する医療機 関の審査実績を把握し「PDCA管理票」 支部長のコメント DPCレセプトについては、再審査査定 事例を参考に事前に抽出を行う「仮疑義付 5 支部紹介 高知 こんにちは、高知支部です。 今回は高知支部の取組み、 職員からのメッセージ等をご紹介します。 20 月刊基金 January 2015 が審査に従事しやすい環境づくりに努め ています。 再審査は、月初 日間確保し、適正な 処理を行っています。 第二次審査については、 時半からの 開催とし、意見交換が活発に行える環境 を整えています。 らの質疑の対応を通じて審査事務能力の 医療顧問は、審査委員会の円滑な運営 や審査委員間の意見調整のほか、職員か 審査委員会の会期前に主任審査委員と の打合せ会、審査委員会初日に審査運営 向上に努めています。 がるよう、 「同一レセプト研修」や 「DPC研修」 を 実 施 す る と と も に、 「理 解 度 の 把 握」 の フ ォ ローアップなども行っています。 単月・突合・縦覧点検に算定日情報など、昨 今の審査事務は複雑多様化しており、審査事務 がITを活用したものになったとはいえ一苦労 です。 に持ち寄り、ざっくばらんに楽しくワイワイ。相席も OK ! 委 員 会、 最 終 日 は 第 二 次 審 査 を 開 催 し、 べ物等を購入したら、あらかじめ確保しておいたテーブル席 引き続き審査研究会等の各種部会を開催 しかし、審査事務充実グループには、システ ム構築に長けた者が数名おり、私もその一員に ひろめ市場の楽しみ方は、それぞれ好きなお店で好みの食 また、関係方面とは、県医師会主催の 基金・国保審査委員の合同会議(地方厚 なっています。 しています。 加わるべく勉強中なので、本部が作成した支援 60 店舗が所狭しと軒を連ねており、大きな屋台村のように 生 支 局 高 知 事 務 所 も 同 席 ) お よ び 基 金、 ツールを十分活用しつつ、支部独自の効果的な 当支部における医科の審査事務は 名で担当 しており、私は審査事務充実グループの内科系 を担当しています。 市場内は、和洋中様々な飲食店、土産物店や雑貨店約 国保審査差異解消のための打合せ会を毎 ③高知の基礎知識・芸術・文化を「ひろめる」 審査研究会においては、審査実績等の 報告後、医科、歯科、調剤に別れて関係 「ひろめる」 システムを構築して、より精度の高い審査事務 を行い、また一方で、審査委員との連携をより ①高知の新しい観光スポットとして、高知の衣食住文化を 回開催して審査基準の統一に努め 強化し、関係方面からの信頼に応えられるよう ②高知の人情・人となりを「ひろめる」 審査事務充実グループの主な役割とは、月例 の審査事務充実グループ打合せ会の開催、再審 【基本コンセプト】 年各 職員 査査定事例の検証、新たなDPCレセプト仮疑 顕 (ふかおひろめしげあき) の屋敷があったことに由来し、また、 通知、特別審査委員会の審査結果、審査 市川 秀司 審査事務に取り組んでいきたいと考えています。 「ひろめ」は、この地にかつて土佐藩の家老、深尾弘人蕃 ています。 14 義付せんの貼付事例および点検条件登録事例の を代表する観光&食事スポットです。 専門部会事例の協議などを行い、非常に 職員の声 検討等であり、さらに職員の知識の向上につな 設され、平日は地元客で、休日ともなると観光客で賑わう高知 小 規 模 で あ る が ゆ え、 支 部 内 で の 審 査 情報の周知徹底はしやすく、支部が抱え 基本コンセプトも表しています。 ている再審査査定割合の問題を、現在、 最重要課題として、審査委員、職員一丸 となって取り組んでいます。 新たな出会いや交流も楽しみの一つです。 専門審査委員が少ないことは、支部間 差異が生じる大きな問題と考えられるた て楽しむことができる「平成 め、 他 支 部 や ブ ロ ッ ク の 情 報 を 積 極 的 に 観 光客もみんな一緒になっ 収集し、差異解消を図り、また、地域に た 情 報 の 提 供 に よ り、 国 保 連 合 会 と の 差 お い て は、 国 保 連 合 会、 医 師 会 等 を 交 え 名の小規模の支部で す 。 異解消に努めてまいりました。 名、 審 査 委 員 数 は 当 支 部 は、 職 員 数 審 査 委 員 長、 医 科・ 歯 科 ・ 調 剤 含 め て 小 規 模 支 部 の 利 点 は、 職 員 と 審 査 委 員 と の 間、 各 審 査 委 員 間 で 連 携 が よ り 密 に これからも、小規模支部の利点を生かし、 適 正・ 公 正 な 審 査 に 努 め、 信 頼 さ れ る 審 ひろめ市場は、平成 10 年に高知市の商店街の一角に開 17 取 り や す い こ と が 挙 げ ら れ ま す。 反 面、 月刊基金 January 2015 21 45 査 委 員 会 と な る よ う、 さ ら な る 審 査 の 充 ひろめ市場は地元の人も 三宅 晋 審査委員長 1 実に努めてまいりたいと考えています。 浪漫商店街」です。 31 欠 点 と し て は、 専 門 分 野 の 審 査 委 員 が 少 ないことです。 高知 平成浪漫商店街 「ひろめ市場」 おすすめスポット 2 活発な意見交換が行われています。 審査委員長のコメント 保険請求の 当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィルムの 診断を行った場合のコンピューター断層診断について 事例❶ 医 科 基 礎 知 識 本事例については、初診料の算定がなく、当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィル ムについて診断を行った場合のコンピューター断層診断を算定されていますが、 「診療報酬の算 定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」 (平成26年3月5日保医発0305第3号)の 通知に「初診料を算定した日に限り」と示されていることから、他医撮影のコンピューター断層 診断は算定できないこととなりますので、ご留意ください。 月刊基金 January 2015 今 回 は ①「当 該 保 険 医 療 機 関 以 外 の 医 療 機 関 で 撮 影 し た フ ィ ル ム の 診 断 を 別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 第2章 特掲診療料 第4部 画像診断 第3節 コンピューター断層撮影診断料 E203 コンピューター断層診断 (1) (2) (略) (3) 当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィルムについて診断を行った場合に は、初診料を算定した日に限り、コンピューター断層診断料を算定できる。 行った場合のコンピューター断層診断について」 、②「同一保険医療機関にお 【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号】 いて同一日に別の診療科を初診として受診した場合について」 、③「9歯未満 法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」において、次のように示されています。 の算定について」 、④ 「1 の局部義歯での新製有床義歯管理料「2 困難な場合」 層診断については、平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号「診療報酬の算定方 顎に2箇所以上の暫間固定「1 簡単なもの」の算定について」を掲載します。 当該保険医療機関以外の医療機関で撮影したフィルムの診断を行った場合のコンピューター断 22 同一保険医療機関において同一日に別の診療科を 初診として受診した場合について 事例❷ 医 科 同一保険医療機関において同一日に別の診療科を初診として受診した場合については、平成26年3月5日付け厚生労 働省告示第57号および同日付け厚生労働省通知保医発0305第3号「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留 意事項について」において、次のように示されています。 【告示 平成26年3月5日付け厚生労働省告示第57号】 別表第一 医科診療報酬点数表 第1章 基本診療料 第1部 初・再診料 第1節 初診料 A000 初診料 注1~4(略) 5 1傷病の診療継続中に他の傷病が発生して初診を 行った場合は、それらの傷病に係る初診料は、併せ て1回とし、第1回の初診のときに算定する。ただし、 同一保険医療機関において、同一日に他の傷病につい て、新たに別の診療科を初診として受診した場合は、 2つ目の診療科に限り141点(注2から注4までに規定 する場合にあっては、104点)を算定できる。 (略) 【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号】 別添1 医科診療報酬点数表に関する事項 第1章 基本診療料 第1部 初・再診料 第1節 初診料 A000 初診料 (1)~(12) (略) (13)現に診療継続中の患者につき、新たに発生し た他の傷病で初診を行った場合には、当該新た に発生した傷病について初診料は算定できない。 ただし、 「注5」のただし書に規定する同一保 険医療機関において、同一日に他の傷病(1つ目 の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と 同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のこ とをいう。 )について、新たに別の診療科(医療法上の 標榜診療科のことをいう。 )を初診として受診した場合 (1つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診察を受 けた場合を除く。)は、現に診療継続中の診療科を除く 診療科1つに限り、同ただし書の所定点数を算定できる。 また、診療継続中以外の患者であって、同一日に他の 傷病で2以上の診療科を初診として受診する場合にお いても、2つ目の診療科に限り、同ただし書の所定点 数を算定できる。 (略) 本事例については、単一傷病名で、初診料の注5のただし書に規定する2つ目の診療科において初診を行った場合の点数を 算定されていますが、ただし書きの所定点数を算定できる場合については、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留 意事項について」(平成26年3月5日保医発0305第3号)の通知に「他の傷病(1つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継 続中の疾病と同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のことをいう。)について、新たに別の診療科を初診として受診 した場合」と示されていることから、当該ただし書きに規定する点数は算定できないこととなりますので、ご留意ください。 23 月刊基金 January 2015 9歯未満の局部義歯での新製有床義歯管理料 「2 困難な場合」の算定について 事例❸ 歯 科 6 5 4 380 190 D 2, 068 新製有床義歯管理料については、平成26年3月5日付け厚生労働省告示第57号および同日付厚生労働省通知保医発 0305第3号「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」において次のように示されています。 【告示 平成26年3月5日付け厚生労働省告示第57号】 【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305第3号】 別表第二 歯科診療報酬点数表 第2章 特掲診療料 第1部 医学管理等 B013 新製有床義歯管理料 1 2以外の場合 190点 2 困難な場合 230点 別添2 歯科診療報酬点数表に関する事項 第2章 特掲診療料 第1部 医学管理等 B013 新製有床義歯管理料 (3) 「2 困難な場合」とは、特に咬合の回復が困難な 患者に対する義歯管理を評価したものをいい、次の いずれかに該当する場合をいう。 イ 総義歯を新たに装着した患者又は総義歯を装着 している患者 ロ 9歯以上の局部義歯を装着し、かつ、当該局部義 歯以外は臼歯部で垂直的咬合関係を有しない患者 本事例については、3歯の局部義歯を装着していることから、当該通知により、新製有床義歯管理料の「1 2以 外の場合」の算定となりますので、ご留意ください。 月刊基金 January 2015 24 1顎に2箇所以上の暫間固定 「1 簡単なもの」の算定について 事例❹ 歯 科 2 1 1 200 D 1, 476 暫間固定「1 簡単なもの」については、平成26年3月5日付け厚生労働省保医発0305第3号「診療報酬の算定方法 の一部改正に伴う実施上の留意事項について」において次のように示されています。 【通知 平成26年3月5日付け厚生労働省通知保医発0305 第3号】 別添2 歯科診療報酬点数表に関する事項 第2章 特掲診療料 第8部 処置 第1節 処置料 I014 暫間固定 (2)「1 簡単なもの」とは、歯周外科手術を 伴わない場合及び歯周外科手術を予定する 場合の固定源となる歯を歯数に含めない4歯 未満の暫間固定をいう。なお、同日又は他日 にかかわらず1顎に2箇所以上行っても1回 の算定とするが、当該処置を行った日から起 算して6月を経過して必要があって当該処置 を再度行う場合は、1顎につき1回を限度と して算定する。 (参考) 【通知 平成26年3月26日付け厚生労働省通知保医発 0326第3号】 別添1 別紙1 診療報酬請求書等の記載要領 Ⅲ 歯科診療に係る診療報酬請求書及び診療報酬明 細書の記載要領 第3 診療報酬明細書の記載要領(様式第3) 2 診療報酬明細書の記載要領に関する事項 (28) 「摘要」欄について キ 処置について (ウ)エナメルボンドシステムによる暫間固 定は、固定を行なった部位及びその方 法を記載する。 本事例については、「摘要」欄の固定を行った部位の記載から、上顎に2箇所の暫間固定「1 簡単なもの」を行っ ているため、当該通知により、当該処置は1回の算定となりますので、ご留意ください。 25 月刊基金 January 2015 Q&&A A このQ&Aは、支払基金に寄せられた「お問い合わせ」の中から紹介しています。 1 支払基金ホームページ関係 Q 審査委員会の毎月の審査状況は公表されてい ますか。 A 支払基金ホームページの「統計情報」に毎月の審査統計情報 を医科、歯科別の審査状況として公表しています。 支払基金トップページ(http://www.ssk.or.jp/) > 統計情報 > 審査統計情報 Q 支払基金ホームページの様式集に掲載されてい る診療報酬請求書を印刷しましたが、公費負担に 係るページが出力されないのですが。 2 A 請求書・明細書関係の診療報酬請求書については、医療保 険と公費負担を同一ファイル内の別シートとして掲載しているた め、シートごとに印刷をお願いします。 オンライン請求関係 Q オンライン請求システムのトップページに「返戻 レセプトがあります。返戻レセプトボタンからダ ウンロードしてください。」と赤色表示されていま すが、ダウンロードしなければならないのですか。 A ダウンロード可能な返戻ファイル(前月請求分での返戻レセ プト)が存在する場合に、本メッセージが表示されます。 支払基金から返戻するレセプトを電子レセプトとして管理す る場合、オンライン請求システムから返戻ファイルのダウンロー ドが必要になります。 なお、返戻ファイルにはダウンロード可能な期間 (5日~月末) があり、期間を過ぎると取得できなくなりますのでご留意願い ます。 月刊基金 January 2015 28 Q 現在使用中の電気通信回線 (IP-VPN接続・ ISDN接続・インターネット接続)を変更する 場合の手続きはどうすればよいのでしょうか。 (例)ISDN接続→IP-VPN接続へ変更の場 合等 Q オンライン請求のパソコンを変更したいのです が、電子証明書(インストールパスワード等)が ありません。どうすればよろしいですか。 A 審査支払機関へ既に提出されている「電子情報処理組織の 使用による費用の請求に関する届出」の再提出(変更届)が必 要です。 なお、回線変更の情報は、翌月5日以降、オンライン請求シ ステムに反映しますので、回線を変更する前月の20日までに 所在地の支払基金支部へ提出願います。 A オンライン請求で使用するパソコンを変更するには「オンラ イン請求ユーザ設定情報」および「電子証明書のバックアップ ファイル」が必要になります。 「オンライン請求ユーザ設定情報」には、 「回線接続に関する 情報」 (ネットワーク ID およびネットワークパスワード等)、 「電 子証明書取得に関する情報」 (ダウンロード時のユーザ ID お よびパスワード、パソコンへのインストールパスワード等)お よび「オンライン請求利用に関する情報」 (オンライン請求ユー ザ ID およびパスワード等)が記載されており、これらの情報 により、変更するパソコンを設定することになります(特に電子 証明書をパソコンへインストールするときにはインストールパス ワードが必須となります) 。 なお「オンライン請求ユーザ設定情報」の紛失等により、イ ンストールパスワード等が不明な場合には、電子証明書の再発 行(有償)が必要となりますので、所在地の支払基金支部まで ご連絡願います。 このように、 「オンライン請求ユーザ設定情報」は、オンラ イン請求を開始した後であっても利用する重要な書類ですので、 大切に保管されますようお願いします。 また、電子証明書は電子媒体等にバックアップされますよう 重ねてお願いします。 ※「電子証明書のバックアップファイル」は、現在使用しているパソ コンから取得することができませんので、セットアップ時および更 新時には、必ず電子媒体等へバックアップを取得するようご留意 願います。 29 月刊基金 January 2015 診療報酬等確定状況 確定件数および金額の状況 平成 26 年 9 月診療分の確定件数は、 総計で 7,828 万件であり、対前年同月比は 6.3%の増となってい 医療費の動向 ます。また、医療保険合計は 6,592 万件であり、 対前年同月比は 5.9%の増となっています。 確定金額は、総計で 9,067 億円であり、対前年 同月比は 5.7%の増となっています。また、医療保 険合計は 7,120 億円であり、対前年同月比は 6.2% の増となっています。 診 療報酬等確定件数・金額の月別推移 9,000 万件 億円 10,000 件数 金額 8,500 9,500 8,000 9,000 7,500 8,500 7,000 8,000 6,500 7,500 6,000 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 9 月 9 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 7,000 件 数(平成26年9月診療分) 種別 合計 医科 歯科 調剤 食事・生活療養費 訪問 件数(千件) 前月比(%) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 件数(千件) 前年同月比(%) 管掌別 32,301 104.8 106.7 17,716 105.5 4,388 107.5 10,186 108.5 263 103.8 12 117.0 船員保険 協会けんぽ 110 103.2 102.3 61 101.4 14 102.7 36 103.7 1 92.8 0 109.1 共済組合 7,909 101.9 104.2 4,357 103.1 1,077 105.0 2,472 105.7 56 101.0 3 117.3 健保組合 25,601 104.7 105.4 13,854 104.4 3,651 105.8 8,087 106.8 171 101.2 9 115.3 医療保険合計 65,920 104.4 105.9 35,987 104.8 9,129 106.5 20,781 107.5 491 102.5 24 116.4 各法合計 12,362 108.4 108.4 6,699 107.2 988 109.6 4,634 109.8 189 99.7 41 119.8 総計 78,282 105.0 106.3 42,686 105.2 10,117 106.8 25,414 107.9 680 101.7 64 118.5 (注1)合計欄は、食事・生活療養費を除く件数とその対比である。(注2)総計欄には、老人保健が含まれている。 (注3)千件未満四捨五入のため、合計および総計が一致しない場合がある。 金 額(平成26年9月診療分) 種別 合計 管掌別 金額(百万円) 協会けんぽ 前月比(%) 医科 歯科 調剤 食事・生活療養費 訪問 前年同月比(%) 金額(百万円) 前年同月比(%) 金額(百万円) 前年同月比(%) 金額(百万円) 前年同月比(%) 金額(百万円) 前年同月比(%) 金額(百万円) 前年同月比(%) 371,580 102.3 106.6 38,454 109.1 65,395 109.0 2,772 101.2 636 船員保険 1,535 104.0 107.3 264,322 98.8 1,118 97.3 137 107.2 261 102.2 17 90.0 2 122.0 117.6 共済組合 79,970 97.3 104.8 56,046 104.1 8,569 106.7 14,680 106.2 523 98.0 152 124.9 健保組合 258,962 101.1 105.1 179,338 104.4 30,088 107.1 47,544 106.8 1,557 97.9 435 117.7 医療保険合計 712,046 101.2 106.2 500,824 105.5 77,248 108.1 127,880 107.8 4,869 99.7 1,224 120.8 各法合計 194,680 100.5 104.2 142,826 103.3 7,346 総計 906,726 101.1 105.7 643,650 105.0 84,594 106.2 36,184 107.8 6,351 97.8 1,973 125.9 107.9 164,064 107.8 11,221 98.6 3,197 123.9 (注1) 総計欄には、老人保健が含まれている。(注2)数値は、突合点検による原審査結果を反映したものである。 (注3)百万円未満四捨五入のため、合計および総計が一致しない場合がある。 診療報酬等確定件数・金額の詳細情報については、支払基金ホームページからご覧いただけます。 (支払基金ホームページ http://www.ssk.or.jp/>統計情報>確定状況) 月刊基金 January 2015 30 診 療諸率の状況 図2-1 医科1件当たり点数 図1-1 医科1日当たり点数 点 5,200 点 50,000 49,000 5,000 48,000 4,800 47,000 4,600 46,000 医科入院 4,400 45,000 医科入院外 750 医科入院 44,000 43,000 700 医科入院外 1,100 650 1,050 600 24年2月 4月 10月 25年4月 10月 26年4月 9月 % 医科入院 医科入院外 10月 25年4月 10月 26年4月 10月 25年4月 10月 26年4月 9月 図2-2 医科1件当たり点数の伸び率(前年同月比) 図1-2 医科1日当たり点数の伸び率(前年同月比) 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 ー1 ー2 24年2月 4月 1,000 24年2月 4月 9月 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 ー1 ー2 ー3 24年2月 4月 % 医科入院 医科入院外 10月 25年4月 10月 26年4月 9月 図4-1 調剤1件(回)当たり点数 図3-1 歯科入院外1件(日)当たり点数 点 1,400 点 900 1,300 1,200 800 1,100 1件当たり点数 1,000 700 1件当たり点数 640 620 600 600 1日当たり点数 580 560 24年2月 4月 10月 25年4月 1回当たり点数 10月 26年4月 9月 図3-2 歯科入院外1件(日)当たり点数の伸び率(前年同月比) % 5 4 1日当たり 点数の伸び率 3 2 1 0 ー1 ー2 ー3 ー4 ー5 ー6 24年2月 4月 31 1件当たり 点数の伸び率 10月 月刊基金 January 2015 25年4月 10月 26年4月 9月 500 24年2月 4月 10月 25年4月 10月 26年4月 9月 図4-2 調剤1件(回)当たり点数の伸び率(前年同月比) 9 8 7 6 5 1回当たり 4 点数の伸び率 3 2 1 0 ー1 ー2 ー3 ー4 ー5 24年2月 4月 10月 % 1件当たり 点数の伸び率 25年4月 10月 26年4月 9月 地方自治体が実施する医療費助成事業の 審査支払事務を受託 平成 27 年 1 月診療分から、 東京都および熊本県の一部市町村が実施する医療費助成事業の審査支払事務(被用 者保険分)を受託しました。 平成 27 年 1 月診療分から新たに受託する自治体医療の概要 平成27年1月現在 都道府県 実施主体 区分 法別 難病 83 (経過措置) 東京都 東京都 難病 (本則) 人工透析 熊本県 相良村 子ども 83 自己負担 対象者 入院 入院外 食事 療養費 難病の患者に対する医療等に関する法律に基づ く医療費助成の法制度に移行しない法別51の都 単独疾患(経過措置) 所得に応じて負担上限を設定 (1,000円〜20,000円) 食事標準 負担額の 1/2を助成 難病の患者に対する医療等に関する法律に基づ く医療費助成の法制度に移行しない法別51の都 単独疾患(本則) 所得に応じて負担上限を設定 (1,000円〜30,000円) 対象外 82 現行制度上、公費51と人工透析を合併した者の うち、特定疾病療養受療証を有し、 人工透析を必 要とする腎不全に該当している既認定者。 (全額助成により上位所得者の自己負担分 10,000円も助成) 80 満15歳に達する日以後の最初の3月31日までの 者 (ただし、生活保護法の適用を受けている者は対 象としない) ※入院は対象外(償還払い) 対象 医療機関等 受託年月 都内 医療機関 等 平成27年 1月診療分 自己負担なし 対象外 県内の 医療機関 等 なし 支払基金が受託している医療費助成事業については、 支払基金ホームページにおいて、 新規に受託した医療費助成 事業のほか、 既に受託している医療費助成事業の助成内容の変更についても掲載し、 毎月更新しています。 支払基金 検索 支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/) トップページ > 支払基金のご案内 > 事業内容 > 医療費助成事業関係業務 > 支払基金が受託している医療費助成事業 お詫びと訂正 本誌 2014 年 12 月号に掲載しました 「保険請求の基礎知識」 (P22 ~ P25)の事例 1 において一部誤植がありました。 お詫びするとともに、 次のとおり訂正いたします。 (正)P22 事例 1 レセプト右上部の種別欄 1 医 科 1 社保 1 単独 (誤)P22 事例 1 レセプト右上部の種別欄 4 六 外 1 医 科 1 社 保 1 単 独 2 本 外 月刊基金 January 2015 32 nformation 理事会開催状況 ●11月理事会は、17日 に開催され、議題は次 のとおりでした。 議題 1 公益代表役員の選任について 2 社会保険診療報酬支払基金定款の変更について 3 報告事項 (1) 基金関係功績者に対する厚生労働大臣表彰 (2) 第 4 回「保険診療と審査を考えるフォーラム」の開催 (3) 平成 26 年度給与改定 4 定例報告 (1) 支払基金における審査状況(平成 26 年 9 月審査分) (2) 特別審査委員会の取扱状況(平成 26 年 11 月審査分) 基金本部主催会議等実施状況 審査情報提供検討委員会に係る作業委員会 12 月 1 日(月) 全国基金医療顧問等会議(医科)運営委員会 12 月 4 日(木) 理事会 12 月 15 日(月) 医療機関等からの電子レセプトおよび紙レセプトの受付状況 ●医療機関等からの受付件数(千件) レセプトの種類 総件数 平成26年 (電子および紙) 10月受付分 78,514 医科 41,668 電子媒体 オンライン 11,780 29,887 電子レセプト(95.8%) 歯科 8,019 電子媒体 オンライン 6,592 1,428 調剤 25,503 電子媒体 オンライン 225 25,279 紙レセプト(4.2%) 医科 歯科 調剤 1,162 2,155 7 注 千件未満四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。 保険者等への請求件数およびレセプト電子データ提供の状況 ●保険者等への請求件数(千件) ●レセプト電子データの提供状況 電子レセプト→電子請求 総件数 平成26年 (電子および紙) 電子媒体 11月請求分 78,514 4,674 オンライン 電子レセプト→ 紙による請求 紙→紙 67,082 3,441 3,317 平成26年 11月提供分 保険者数 提供件数(千件) 6,331 74,841 注 千件未満四捨五入のため、合計が一致しない場合があります。 プレスリリース発信状況 11 月 6 日 No.548 平成 26 年 8 月診療分の件数と金額が確定 11 月 7 日 No.549 「平成 26 年度全国基金副審査委員長会議(歯科) 」を開催 11 月 12 日 No.550 審査事務に関する職員の理解度を把握 ― 全国の職員を対象に一斉実施 - 11 月 17 日 No.551 11 月定例記者会見を開催 No.552 平成 26 年 9 月審査分の医科電子レセプトコンピュータチェック効果について 11 月 21 日 No.553 支払基金へ寄せられた『お客様の声』が 5,000 件を超えました 11 月 27 日 No.554 平成 26 年 10 月受付分の電子レセプトの割合 件数で 95.8%、機関数で 83.7% 支払基金ホームページ(http://www.ssk.or.jp/)新着状況 11 月 4 日 支部情報のお知らせおよび診療報酬確定状況を更新 / 医療費助成事業の受託内容について更新 11 月 5 日 保険者の異動について(2014 年 10 月分)を掲載 / 基本マスター(医薬品)を更新 11 月 6 日 統計情報に確定状況および収納状況(平成 26 年 8 月診療分)を追加 11 月 10 日 統計月報(2014 年 8 月診療分)を掲載 支部情報に管掌別診療報酬等確定状況(平成 26 年 8 月診療分)を掲載 11 月 13 日 診療報酬関係通知を掲載 11 月 20 日 月刊基金 11 月号を掲載 11 月 25 日 基本マスター(医薬品)を更新 / 診療報酬関係通知を掲載 / 基金年報(平成 25 年度分)を掲載 11 月 26 日 オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(DPC用) (平成 26 年 4 月版)を更新 レセ電通信(医科)を掲載 11 月 27 日 基本マスター(医薬品)を更新 11 月 28 日 コメントマスターを更新 / 歯科電子点数表の追加予定テーブルを掲載 医科診療行為マスターの新設予定コードを掲載 / 基本マスター(医薬品)を更新 レセ電通信を掲載 オンライン又は光ディスク等による請求に係る記録条件仕様(平成 26 年 4 月版)を更新
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