(社福)広島県社会福祉協議会 県社協だより 福祉 Vol.86 6 ●地域の人財 「アヲハタ株式会社」 や 「アトム株式会社」 のOBが福祉施設で活躍 (水耕栽培、送迎業務) 特 集 竹原の福祉を担う 企業OB 〜社会的課題解決プロジェクト 「特命チーム」 の取り組みから (第 回) ひろしま 2014.10 竹原 の 福 祉 を 担 う 企業 О B ボランティア団体「エデンの海」の会長を務め、 長崎出身でアヲハタ㈱OBの水摩さんは、高齢者の と。他 に男 性の 企 業 ОBは7人 が雇用 され、朝 食 用条件はいわゆる“いい人” 。OBからの紹介であ 定 年 はなく、辞 める 時 は次の 人( 企 業 ОB)を 紹介することになっているそうです。ちなみに、採 時の食事介助も担当しています。 身体障害者施設「聖恵会」の文化祭などの協力をは れ ば、確 か だ とのこ と。施 設 側 も、働 き 手の 勤 務 外出を企画し、 「中国芸南学園」の夏祭りや近くの じめ、普段は地域の清掃活動等を行っています。 形 態や 様々な要 望に応 える努 力を行い、職員との 時までの4時間 半。水 この関 わりで「 中国 芸 南 学園」のパート 募 集 を 知り、 「エデンの海」の会員でもある木下さんと一 分〜 信頼関係づくりに努めています。 時 の持ち主でもあります。 一緒に考えて、一生懸命聞いてみる。若い頃ならで で働くことは良い刺激や生きがいとなっている」「人 間、利用者と一緒に小松菜の水耕栽培の補助をして 毎 週 月 曜 日 か ら 金 曜 日 までの8 時 これ からは、このよ うに 地 域の 人 財 として、企 業 OBを 施 設・事 業 所 や 地 域 活 動 につな ぎ、組み ている」など、心温まる声でした。 に接することに苦はない、結構楽しい」 「 利用 者と 定年 後、管理栄 養士として趣 味の料理に腕を振 るっていた福岡出身でアヲハタ㈱OBの小嶋さん、 きなかったかもしれないが、これまでの経験が生き います。 切になります。 合 わ せて い く 市 町 域 の 実 情 に 応 じ た 取 り 組 み が 大 「中国芸南学園」の森岡施設長によると、パート 職 が 人いて、全 体の約3割 を 占 めているとのこ 分から約7時 OBつながりで水摩さんから声かけがありました。 最 後に、福 祉 施設で働いてみた感 想 を聞いてみ ました。 「たまにビックリすることもあるが、施設 緒に、利用者の送迎と管理当直を交代で行っていま す。時間 帯は 20 摩 さんは、毎日ウォーキング2万 歩 を目 指 す 健 脚 30 〜社会的課題解決プロジェクト「特命 チ ーム」の取り組みから(第 回)〜 (社会的課題解決プロジェク 本会「特命チーム」 ト「 特 命チーム」推 進 事 業 )の取 り組みをシリー ズでお届けする第 弾 「人材確保班」が取材した福祉施設と地 今回は、 元企業とのつながりを紹介します。 竹原市忠海地区にある知的障害者施設「中国芸 南学園」を訪問し、この施設で働かれている地元 企業ОBである3人の男性にお会いしました。 3人 とも九 州 出 身で、縁 あって竹原に本 社のあ る「アヲハタ 株 式 会 社 」や「ア ト ム 株 式 会 社 」に 就職し、定年後も地元で生活されています。 熊 本 出 身でアトム㈱ OB、民 生委員でもある木 下さん、 「忠海は福祉のまち。子どもたちはそれが 自然で、車 椅子 が普通に街 中を行 き来 するのが当 たり前」とよく言われます。 会 社 時 代に目の前にある「 中国芸 南 学園」に通 う利用者の成長を遠巻きに見守っていたそうです。 社員教育の「社員→地域→株主の順に貢献する」が、 15 6 今 も原 点にあるとのことで、定 年 後 は地 域に恩 返 ※「ぶっちゃん農園」家庭菜園・グループ 菜園、学習菜園、 ふれあい広場等で構 成。ボランティア活動で運営する等地 域貢献型農園 !! ししたいと「ぶっちゃん農園(※) 」を運営し、そ 笑顔で丁寧に応える小嶋さん (左側) 、 温か くインタビューを見守る森岡施設長 (右側) 30 思慮深くインタビューに応える水摩さん (左側)、手振りを交えて熱く語る木下さ ん (右側) 6 の一画をふれあい広場として開放されています。 35 特集 2 福祉ひろしま 動をすると半日で1P、1日で2Pを付与し、10Pごとに表 彰されます。 他に「ボランティア休暇制度」もあります。 ボランティアは、あくまでも社員一人 ひとりの意思によるものなので、会社は そのバックアップをしています。 ボランティア情報を発信するだけでな く、社内報で参加者の体験談を知らせて います。自主的な取り組みをしている社 員の声を載せることで、ほかの社員への 活動にもつながっています。 (総務部総務グループ 奥川洋二チーフ) 後 日、 ジ ャ ム で 有 名 な 地 元 企 業 の「 ア ヲ ハ タ 株 式 会 社 」 を 訪 問 し て、 地 域 社 会 へ の 関 わ り や 企業としての社会貢献活動についてお伺いしま した。 平成21年からは,ポイント制度を導入。ボランティア活 眼 前 に 瀬 戸 内 の 多 島 美 を 眺 め ら れ るアヲハ タ ㈱ 本社は、JR忠海駅そばにあります。社訓 「正 直 務から社内発信、とりまとめを行っています。 信用 和 」をもとに、社 員の行 動 規 範のひとつ に「地域社会との共生」が挙げられています。 竹原市周辺地域からボランティア活動情報を入手し、総 地 域 の 構 成 員 と して ど う か か わ る か その 取 り 組 みをお聞きしました。 ♦社員のボランティア活動を応援♦ ♦アヲハタ株式会社の紹介♦ 昭和7年、みかん缶詰とオレンジマ マレードなどのジャム類の製造を目的 として、広島県竹原市忠海で創業。 町内には、顔見知りの人が多く、地域 とのつながりは今後も大切にしていかな ければならないと感じています。 会社を退職したOBが地域の行事や福祉 施設などで活動、活躍している様子を耳 にすると、とても誇らしく、現役社員に とっても励みになりますね。 (総務部広報企画 田中道彦マネージャー) 事業内容は、ジャム類、調理食品類、 フルーツ加工品他の製造および販売。 グループの従業員は約400人。 ♦OBの活動♦ 昭和49年からOB会を組織。現在会 員が約260人。 アヲハタ㈱の取り組みは、「社会・環境報告書2014」 http://www.aohata.co.jp/ci001_company/measures/environment.html をご覧ください。 「地域あっての企業」という思いで企業活動や地 域活動を創り出されていることを感じました。 地元を愛することで、愛される ― 現 役 社員の活 躍もしかり、退 職 後の社員 も企業理 念に通ずる地 域での活 動 を 楽 しまれ、竹 原 市 社 協の「 地 域の達 人登録」やボランティアセンターへの活動にエント リー されると、地 域で人つな がりの財 がさらに厚 みを増しそうです。 福祉ひろしま 問合せ先 広島県社会福祉協議会 人材研修課 ☎08 ︱254︱3415 (担当:崎本) 広島県社会福祉協議会 企画課 ☎082︱254︱3412 (担当:平井) 3 2 OBのなかには、地元の地域活動へ の参画や施設・事業所への就業をして いる人もいます。 ♦企業市民としての社会貢献♦ 広島県と「包括的連携に関する協定」を結び、 地域の活性化と県民サービスの向上に努めてい ます。また、アヲハタ㈱のPR施設「アヲハタ ジャムデッキ」は工場見学・ジャムづくり体験 で多くの来場者を受け入れ、賑わっています。 地域の福祉施設と連携し,清掃業務の委託 や株主優待用の物品の購入発注をしています。 また、地元施設の後援会活動への参加や、 フードバンク活動への協力を行っています。 他に、障害者雇用促進の取り組みとして、 特別支援学校からの採用もあります。 実録 今回は庄原市山内町行 里地区の﹃ゆうゆうサ ロン行里﹄のあるエピ ソードを紹介します。 平成24年度から本会の重点事業として全県的に実施展開している “地域のお茶の間づくり事業” (社協型活動総合推進事業) 。普段の暮 らしの中のちょっとした困りごとがある時はもちろん、何かあったと きにも、地域の住民力を活かし、関係専門職等との協働による包括的 な小地域ケアづくりをめざし、現在、県内30地区ですすめています。 感謝の気持ちでサロンに来させ 地域に支えてもらっている。 なで注意し合うのもこのサロン で、被害に遭わないようにみん 6の詐欺の電話があったみたい がカタチになる場所 ン行里』は住民同士の助け合い お茶の間サロン『ゆうゆうサロ になることを何とかしようと解 のよいところです。 の見える(分かる)地域、 歩いて行ける場所でのお ひとりになった時、寂しくなっ 決に向けた具体的な活動を起こ また、誰もひとりにしない地 域づくりをめざして、地域の気 もなっています。 予防対策など福祉活動の拠点に く、 消 費 者 被 害 の 情 報 受 発 信、 いと思いがつながるだけでな 茶の間サロン活動。人と人、思 顔 てもらっています。 を 重 ね る と、 身 体 の こ と な ど 不 安 が 大 き く な り、 た時に、このサロンの意味があ 段 は お 話 を す る サ ロ ン。 イベントをすると地域の 人はたくさん来る。元気な人や 夫婦でいる人はそれでええん 域に話せる場が必要で いです。 これからも地道に続けていきた よ。誰でも必ず必要な時が来る。 す。 こ の 間、 地 域 に ロ ト す。 茶の間づくりがすすんでいま 『ゆうゆうサロン行里』発のお ン の 場 で、 サ ロ ン 以 外 の 場 で、 をつないだりしています。サロ したり、人や活動、サービス等 地 域 で 集 ま る こ と が 少 な く、 孤独を感じていました。サロン 聴くことなんです。 地域の情報や地域の昔話、人生 地 心も豊かになるんですよ。 の 教 訓 な ど を 聞 か せ て も ら い、 普 サロンで私にもできること は、 若 い 人 の 失 敗、 苦 労 の 話、 くなれると思います。 る。その繰り返しで、人は優し 人生には苦しいこと、悲しい こと、喪失感を感じることがあ きました。 ると思う。 すがる思いで暮らしています。 年 サロンの皆勤賞 迫勲六さん に来て、いろんなつながりがで あんしんサポートリーダー 久保賀彰さん あんしんサポートリーダー 山本晴巳さん 誰もひとりにしない 地域づくりをめざして ひろしまの お茶の間づくり episode:2 問合せ先 庄原市社会福祉協議会 庄原地域センター(担当:坂井)☎0824-72-7120 広島県社会福祉協議会 地域福祉課 (担当:河内)☎082-254-3414 4 福祉ひろしま ふれあいサロン物語 第49章 府中町千代町内会 ふれあいサロン「千寿会」編 サロンがあるからつながっている 藤友さんのまなざし 〜サロン世話人からサロン参加者へ〜 今年で15年めを迎えるサロン「千寿会」。 立ちあげの中心となったのは、当時の町内会長で社協の役員でもあった藤友さん。 今は参加者としてサロンに出向く藤友さん流の関わり方のポイントを紹介します! 世話人から参加者へ転身 ココがお見 事! 1.バトンタッチ 一人が長く世話をし続けない。みんなでやる。任せる勇気や思い切りも大事。自分が役を引き受 けたときから、後任の人にあたりをつけておく(笑)。 2.近すぎない寄り添い 後任者に引き継いで終わりにしない。自分にできることをさり気なく(ここがミソ)フォローし続 ける。お互いの得手不得手をカバーし合うやさしい気持ちで。 3.“地域のサロン”のための下地づくり 町内会(各班長)や民生委員に運営にかかわってもらい、それぞれが持っている情報を共有する 等して、地域のサロン活動として浸透させる。 もともとは、連れ合いを亡くした人たちのための居場所づくりとしてスタートしましたが、今、孤立化 は決して他人事ではなく、身近なご近所さんをはじめ地域全体が抱える課題だと、藤友さんの表情が少し 険しくなります。また「サロンの歴史の長さも善し悪し」とも。今、参加者が固定化した現状を「何とか したい」と、参加者と世話人が一緒になって、新しい人も入りやすい雰囲気づくりに努めています。さらに、 サロンだけでなく日頃の関係づくり(声かけ等)も大切に。「ふれあいサロン=仲間づくり・つながりづくり」 をモットーとする藤友さんの瞳には、地域への愛情があふれます。 府中町社協 鍜治川さん 「千寿会」に行くと、みんなおしゃべりに夢中なので、大声 を張りあげないといけない(笑)。それくらいみんな月1回 のこの場が楽しみで、満喫している。サロン立ちあげから 今日までのサロンと地域への藤友さん流の関わりによると ころ、 “大きいなぁ”と感じるんですよね。これからもこの 大切な場、営みがずっと続くように、 社協も応援します! 藤友さんの笑顔の源は「みんながいる幸せ、喜び」 問合せ先 府中町社会福祉協議会 地域福祉係(担当:鍜治川)☎082-285-7278 広島県社会福祉協議会 地域福祉課(担当:藤岡) ☎082-254-3414 5 福祉ひろしま もっとまるごと福祉共育創造事業 〜子どもから大人まで一緒に取り組み、 お互いさまの関係へ〜 本会では、平成23年度から「もっとまるごと福祉共育創造事業」をすすめています。 この事業は、都市部や中山間地域など各年度で3地区を指定する3年間の指定事業です。住民自 らが地域の中の暮らしのちょっとした困りごとを解決するための応援活動を通して、日頃から大人 や子ども世代が共に学び合い、暮らしを育み合う「福祉共育活動」を拡げ、さまざまな生活場面に おいて、住民同士がお互いさまで助け合える関係「助縁」づくりを目指しています。 今回は、この事業をすすめている2地区の取り組みを紹介します! 暮らしを応援するもっとまるごと応援団 本事業では、まず地区社協(住民自治振興区)、 公 民 館、 社 会 福 祉 施 設、 ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 団 体、 学校、民生委員児童委員、NPO、行政など地域 の関係機関・団体等が一堂に会し、住民自ら暮ら しのちょっとした困りごとを解決する生活応援活 動をすすめていく「もっとまるごと応援団」を組 織化します。そして、定期的に集まる「もっとま るごと応援会議」(以下、応援会議)を開催し、協 働した取り組みを企画展開しています。 お互いに気にかけあえる関係づくりをめざして 安芸太田町・戸河内地区( 年度指定/2年目) また子どもたちは、「訪問先や一緒に回った地域 の人が、自分のおばあちゃんのことを知っていた。 今度会ったらあいさつしたい」と日ごろ地域の人 たちに見守られていることを感じた活動になりま した。 訪問活動を振り返り、「地区の中にひとり暮らし の人が結構おるね」「サロンを身近な場所として、 子どもも地域の主役! 安芸太田町戸河内地区では、常設型「お茶の間 サロンだるま」を拠点に活動展開しています。 たらええね」と、応援会議のメンバーの思いが出 子どもから大人までもっと気軽に集える場にでき 指定1年目は、子どもと民生委員児童委員や自 治振興会など地域の大人が一緒に、町内のひとり 域で暮らす幸せと、その一方でひとり暮らしの大 聞けない声も。訪問活動を通して、住み慣れた地 や買い物に行くのもしんどい時がある…」と普段 会いに来てもらえて嬉しい」「膝を悪くして、病院 た。 てもらいながら、オムライスやゼリーを作りまし たちは、サロンの世話人など地域の人たちに手伝っ カフェ開催に向けて、まずはカゴメ株式会社の 協力で「親子料理教室」が行われました。子ども 2年目の今年は、「だるま」を会場に、子どもた ちが主役の「子どもカフェ」を行います。 変さなどの思いを地域の大人も気づくことができ ました。 カフェの本番では、地域のひとり暮らしの高齢 者を招き、子どもたちの作ったゼリーをふるまい、 訪問先では、子どもたちとの会話で「ひとり暮 らしじゃけぇ人と話す機会も少なくて。こうして 届ける訪問活動を行いました。 されました。 ひとり暮らし高齢者への訪問活動 暮らしの高齢者宅に、子どもたちの笑顔と元気を 25 6 福祉ひろしま 楽しく交流する予定です。 ました。 単にでき、「ゆめのいえ」としても小規模ながら今 応援会議では、「子どもたちがスクールバスなど で 通 学 す る よ う に な り、 地 域 と の 接 点 が 少 な く、 えることで、地域の元気づくりにつなげています。 域のことを知り、「自分たちにもできること」を考 う子どもたちの声や、アルミ缶を持って来てくれ することで「また『ゆめのいえ』に来たい」とい 地 域 の み な さ ん に 還 元 で き る よ う に し て い ま す。 アルミ缶のリサイクル料をそうめん流しやもち つき、また「ゆめのいえ」のメンバーの活動に充て、 なって、さらに活動が拡がっています。 大人も子どもも同じ「地域住民」 ていきます。 問合せ先 安芸太田町社会福祉協議会 ☎08 6︱32︱2226 (担当:戸田) 後さらに拡げていくため、県内の取り組みを伝え 本会では、こうした活動を通じ、地域の中でお 互いに気にかけ合い、助け合える関係づくりを今 まれています。 づき、暮らしを共に育み合う活 動 が県 内で取 り組 大 人 も子 どもも「 地 域 住民 」という同じ目 線で 関 わ り 合いな がら、地 域 や 相 手のことを 知 り、気 「ゆめのいえ」での楽しい交流 までしていたので、それを地域に拡げることにし 活 動 を通じて、子 どもから大 人 までお互いに顔 の見 える関 係 から、お互いを 気にかけあえる関 係 づくりをめざして、戸河内地区では「だるま」を中 アルミ缶回収ボックスの制作は男性サロンのみ なさんに、ペイントは愛着がわくよう子どもたち にお願いしました。保育所や小学校、中学校、行 政や自治振興区の協力を得て、町内7か所に設置 し、地域ぐるみで回収をすすめています。 声もかけづらく寂しい…」「福祉を自然に体感でき る人が増え、新しい出会いにつながっています。 「ゆめのいえ」が人と人とをつなぐ る『共同作業所ゆめのいえ』を地域の社会資源と ☎08 ︱254︱3506 (担当:三口) 広島県社会福祉協議会/広島県ボランティアセンター 庄原市社会福祉協議会比和地域センター ☎0824︱85︱2300 (担当:鹿川) ねた訪問を予定しています。 住民同士の交流を深め顔見知りになる企画を実施 してもっと利用してみては?」といった意見が出 になりました。 「ゆめのいえ」が日ごろ暮らしている比和地域の ことを考える場、そして人と人との交流の拠点と され、「ゆめのいえ」を拠点に活動をすすめること 今後は、自治振興区と連携し、子どもたちと見 守りが必要な人のところへ、アルミ缶の回収を兼 子どもたちによる ペイント 心に丁寧に関係が紡がれています。 庄原市・比和地区( 年度指定/3年目) アルミ缶回収を通じて地域のことを知り、考える 地域の人に手伝ってもらい オムライスの完成! 庄原市比和地区では、子どもも大人も一人ひと りが地域の一員として、普段暮らしている比和地 24 そこで「自分たちにもできること」を考え、ア ルミ缶回収なら、小さな子どもから高齢者まで簡 福祉ひろしま 7 2 2 カゴメ株式会社の協力による 「親子料理教室」 一人を支える輪を地域に広げる 〜個別支援と地域支援を一体的に〜 ◆Aさんの事例を通して、個別支援と地域支援のあり方を考えます。 Aさんの困りごと 80代男性のAさん。同居していた妻が入院となり、 ひとり暮らしをすることに。金銭管理がうまくでき ず、介護サービスの継続にも支障がでるようになり ました。 そこで、担当ケアマネジャーから社協へ相談があ り、「かけはし」の利用開始。しかし、認知症状が目 立つようになり、物忘れが増えてきました。 地域とつなぐ そこで、Aさんの支援を考える関係者が集まるケー スカンファレンスに、地域のキーマンである民生委 員や隣人の町内会長にも参加してもらい、Aさんの状 況等を説明。Aさんの在宅生活を考えました。 「できる範囲で声かけや見守りをしていく」 「地域 の他の人にもAさんの状況を知ってもらおう」と民生 委員や町内会長にも協力をしてもらえることに。 住民からの不安の声・ ・ ・ Aさんは、火の消し忘れによるボヤ騒ぎや、朝から 玄関で座り込んでいることがありました。 「火事を起 こされたら困る」「ひとり暮らしは危ないのでは?」 「声をかけていいのかわからない」という近隣住民か らの声があることを、かけはし専門員はホームヘル パーや民生委員から聞きました。 芽生えた見守り 民生委員や町内会長は、地域の寄り合いの場で、A さんの状況を他の住民へ伝えたことで、次第に住民 からの不安の声はなくなりました。「いつかはみんな 経験する道だから」と、前向きにとらえる声もあが りました。そして、住民たちにAさんを見守る意識が 芽生えました。 今回の事例は、住民が、Aさんの抱える生活のしづら さを知り、共有することで、Aさんへの理解が深まりま した。 しかし、地域にはAさんのように、困りごとを抱えた 人が他にもいます。一人の支援にとどまらず、地域全体 に目を向けることは、地域の中で同じように“生活の しづらさ”を抱えているBさん、Cさんの存在に気づき、 支援を考えることにつながっていきます。 単身世帯や高齢者世帯の増加等、家族のあり方の変容 やライフスタイルの多様化に伴い、生活課題が複雑化 し、専門職と地域住民の協働による「地域での支え合い」 思いを受け止め、 資源につなげる 個別支援 Aさんの困りごとや思い ・金銭管理が自分一人では難しい ・物忘れがある(火の元が心配) ・家にいてもさびしい ➡ かけはし・訪問 介護・通所介護・ 病院・地域での 見守り等 Aさんと同じように困っ ている人が、他にもいる のではないか が改めて重視されています。地域での支え合いの意識が 高まれば、困りごとが複雑化・重層化する前に、早期発 見でき、その解決につなげることができます。そのため には、生活の中でのちょっとした気にかけ合いや見守 Bさん ・金銭管理が難しい ・物忘れがある ・買物に困っている り、気づきが支え合いの仕組みづくりの第一歩となりま す。 一人のニーズを受け止めていくこと(個別支援)と、 一人の課題を地域の課題として、地域のみんなで気づ き、考え行動し、地域の福祉力を高めること(地域支援) 見守りボラン ティア活動 Cさん ・金銭管理が難しい ・物忘れがある ・人との関わりが減った 既存の社会資源の活用 新しい活動の創出 ふれあいサロン活動 (お茶の間サロン) を一体的に進めていくことが求められています。 地域支援 問合せ先 広島県社会福祉協議会 地域福祉課 あんしんサポートセンターかけはし ☎082-254-2300 福祉ひろしま 8 発見!! ☆このコーナーは、県内社協ワーカーの取り組みや 思いにスポットをあて、紹介します☆ 社協ワーカー's エピソード 3 “声なき声”に耳を傾け、寄り添 い、必要な支援をつくる、つなぐ 社協ワーカーが求められています。 今回は、「気になる…」からまず 動き、継続的な働きかけから支援 をカタチにしている安芸太田町社 協の前さんのエピソードを紹介し ます。 安芸太田町社協 前 誉宗 事務局次長兼地域福祉課長 福祉活動専門員だった約8年前、地域に気になる人がいました。40代の女性、裕美子さん(仮名) 。裕美子さんの ことは知っていましたが、姿を見かけることはほとんどありませんでした。そこで、同居している両親に、裕美子さ んの様子について聞きました。すると、両親は「裕美子は障害があって、外へ出しても皆の迷惑になるけぇ家のこと をさせとる」と。その状況に「それでいいのか・・・?」ととても悲しくやりきれない気持ちになりました。 それから約1年間、両親に本人の生活や障害の理解について話しをするために何度も通いました。そして本人、両 親と共にこども家庭センターに出向き、療育手帳を取得。両親は徐々に外部の力を借りることができるようになりま した。 その後の半年間は、本人の思いを大切にしながら“社会参加”を目標にして、働きかけを行いました。そして裕美 子さんは作業所(多機能型事業所)へ通うように。また、裕美子さんと同じように地域との関わりが少ない人の“い ちごサロン”を起ちあげました。裕美子さんは、みんなに気を配るなどサロンの中 心的な存在となり、活き活きと楽しみをもって暮らし始めました。 そんな矢先、裕美子さんのお母さんが亡くなりました。お父さんが「あのとき、 前さんが娘のことを気にかけ、話しに来てくれてなかったら、妻がいなくなった今、 外との交流がない娘を、私は一人で面倒をみていくことはできなかったと思う。本 当に、感謝しとるよ」と話されました。今も地域とつながりながら暮らしている裕 サロンにあふれる笑顔 美子さんに、つかず離れず伴走し続けています。 エピソードから学んだこと 「 ほ っ と け な い 」 そ ん な 思 い か ら、 裕 美 子 さんや両親の思いを顕在化した前さん。また、個別 支援だけでなく、裕美子さんと同じような生活課題 を抱える地域の人たちの居場所となるサロンを起ち あげ、地域支援へと展開しています。この取り組み はまさに、訪問相談支援(アウトリーチ)から声に ならないニーズをカタチにするコミュニティソー シャルワーカーの果たすべき役割です。 “ひとりの人の生活”に向き合い、支援 とはいえ、 することは簡単なことではありません。前さんは「誰 もが活き活きと暮らしてほしい」という思いを胸に、 自分が「気になること」を見て見ぬふりをせず、あ きらめないで、根気よく関わることを大切にされて います。 人の暮らしには、心の底からのうれしさや楽しさ、 悲しみや苦しみなどさまざまな感情があり、そこに どれだけ共感し、本気で向き合えるか、それが社協 ワーカーにとって重要なことだと思います。 「大切にしていること」 ● 自分のアンテナ「気になることやこうしたら いいかもと思うことがあれば早めに動くように しています」 ● 緊張感「いくら経験を重ねても、余裕しゃく しゃくじゃない。どんなときも相手としっかり 向き合うよう 努めています」 ● 「 お 互 い さ ま 」 が自分だったら ど う か?「 住 民 に 求 め る と き、 いつも自問して います」 「最近どんなですかー?」 問合せ先 広島県社会福祉協議会 地域福祉課 (担当:三戸)☎082-254-3414 9 福祉ひろしま 前さんに 聞きました! 中国・四国中国帰国者 支援・交流センター 「知りたい、 にも行かせてもらいました。近所の子に 「小日本鬼子」 として引き取られましたが、私は大切にされ、学校 くれました。残留孤児の多くは貧しい農家に労働力 証拠が何もなく、参加できませんでした。周りの しました。でも、迷子だった私には日本人である 訪日調査が始まり、哈爾濱からも残留孤児が参加 に私は自分の身元を調べ始めました。1981年、 人 の 証 言 を 集 め、 や っ と 調 査 に 参 加 で き た の は といじめられると、養母は「娘をいじめるな」と文 句を言いに行きました。 しまいました。二人は「この子を連れて帰ったら、 晩、私はなぜか眠れなくて、二人の会話を聞いて してきた家族をずっと探していたそうです。訪日 留され、その後、出身地の呉市に戻り、中国に残 東京に着いて 日目、一人の男性が私に会いに 来ました。父でした。父は戦後シベリアに 年抑 1985年でした。 日本人の子を引き取ったことがばれてしまう」と 調査団の哈爾濱出身者については特に注意深く情 自分が日本人であることをはっきり意識したの は 歳の時でした。養父母が故郷に帰省する前の 話していました。そして翌朝、養父母は「学校を 報を集め、公開された写真を見て、私に会いに来 私の生い立ち」 当センターでは、帰国した中国残留孤児やその 家族の日本での生活を支援しています。今回は志 休まない方がいいから…」と言い出し、養母だけ たのだそうです。私には、その男性が父だという 志茂由美子さん 茂由美子さんのお話を紹介します。 が帰省しました。 たので、血液をとって検査が行われました。そして、 私は、中国の瀋 陽市で生まれまし 幼い頃迷子になって 中学校を卒業し、私は会計の仕事を始めました。 本当は高校で勉強を続けたかったのですが、養母 中国に戻って 人、母は た。家族は父、兄、 私、弟 3 か月後、親子関係が証明されたと 直感がありましたが、証拠となる物が何もなかっ 2 しばらくして、職場 いう知らせが届きました。日本語がわからない私 年以上続き は中国語で手紙を書き、受け取った父は翻訳して くれる人を探して読むという文通が で知り合った主人と 1 学校にも行けず、兄も苦労していました。 探し出し呉市に連れて帰りました。戦後の混乱で 引き揚げて北海道の農場で働いていた兄を、父が き別れた後、ある日本人と知り合い一緒に日本へ 実は、兄も生きて日本に戻っていました。私と生 帰国を決意したのは、「迷子にして申し訳なかっ た。帰って来てほしい」という兄の強い希望でした。 帰国〜日本での生活 国し、1988年に永住帰国しました。 ました。その後、家族全員で呉に半年間、一時帰 1 下の弟を産んです が 亡 く な り ま し た。 結婚し、子どもが ル ピン 人は中国 ぐに亡くなりまし ハ 人を育てるのは大変で、弟 歳になった頃、養母 で子ども になっていました 私は自分の身元が気 のかは分かりません。 れた養父に、身元調 査をしたいとは言い が、優しく育ててく 戦況がひどくなって父は軍に召集され、家には私 と兄の二人 だけになり ました。兄 は 歳、私 は 才でした。ある日街中で「トイレに行く」と言った 出せませんでした。 1980年代初めに養父が亡くなり、それを機 肉親との再会 まま、兄は戻ってきませんでした。迷子になった私 をある中国 人 が連れ 帰 り、子 ども ができない夫 婦 に預けたと聞いています。それが私の養父母です。 養父母は、私を自分の子どものように可愛がって 20 歳の頃 婚約者と の 体 調 が 悪 く、 生 活 の た め に 就 職 を 決 め ま し た。 12 た。家族はその後、哈爾濱に移りました。父一人 2才の頃 瀋陽で 5 人に預けられました。弟たちがその後どうなった 2 11 1 2 4 10 福祉ひろしま は嬉しかったのですが、再婚した父には新しい家 私たち家族は実家の近所に家を借り、呉市での 生活が始まりました。父や兄のそばで暮らせるの 保証もないのに、莫大な借金と家族を抱えて 代 なければなりませんでした。国家試験に合格する 認められず、医師を続けるには、大学に行き直さ りがたいのになと思います。掃除なども大変です。 な時ちょっと手助けしてくれる日本人がいたらあ 順番に回ってきますが、とても可哀そうで、こん ちは同じでした。 りませんでした。でも、一緒にいたいという気持 語のわからない娘、一緒にいても話せることはあ 呼んでくれました。中国語のわからない父と日本 イヨ〜。(お母さんいないよ)」と大きな声で私を てか、父は義母が外出すると「由美子、ママ、メ ても何となく感じました。そんな私たちに気を遣っ 庭があり、居づらい雰囲気は、言葉がわからなく て調べたり、近所の人に話しかけたりして少しず 本語は、日々の生活の中で知らない言葉をメモし ばならず、結局通うことはできませんでした。日 子どもたちが働きに出るために孫を預からなけれ 日本での生活は 年を超えました。帰国後、日 本語を学ぼうと夜間中学に申し込みをしましたが、 ンピュータの仕事を続けています。 き、そこで知り合った人たちのおかげで、今はコ 子は医学の道をあきらめました。職業訓練校に行 後半から大学に行き直すという決断はできず、息 中国で孤児になった に な っ て 思 い ま す。 はないかと、この年 私の人生はまぁ まぁ幸せだったので われ、日本では中国人と言われます。私は何人だ われます。とても複雑です。中国では日本人と言 一回でも休むと「中国の人は掃除に来ない」と言 帰国は嬉しかったものの、言葉のわからない日 本での生活は楽ではありませんでした。長男は中 てしまいました。 に、自分の生い立ちについて聞く機会も永遠に失っ ほとんど理解できず、大事な家族を亡くすと同時 のわからなかった当時の私は、父の話も兄の話も ごせた時間はあまりにも短いものでした。日本語 あとで調べたりします。 書 い て く だ さ い と お 願 い し、 ゆ っ く り 考 え た り、 ちは親切で丁寧です。どうしてもわからない時は、 しまいます。日本の役所の窓口や病院の看護師た 族を呼ぶよう言われたのか?」と逆に心配させて ないし、「病院について来てほしい」と言うと「家 手続きなどで子どもに仕事を休ませるのは申し訳 周囲に迷惑をかけないよう、自分でできること は自分でするよう心掛けています。ちょっとした る方が早いように感じます。 んでいく事はとても嬉しいことです。子どもたち はちょっと寂しいです。でも、家族が日本に馴染 挨拶する程度で話をすることはできません。それ ま す。 日 本 で 育 っ た 孫 た ち は 中 国 語 が わ か ら ず、 学の道は、孫娘が引き継ぎ、今医大で勉強してい 息子があきらめた医 こ と も で き ま し た。 帰国して肉親に会う とはいえ、優しい養 人生を振り返って 国では大学病院の勤務医で、結婚して安定した生 には希望のある生活を送ってほしいと思います。 才の若さで亡くなり、その 活を送っていたので、日本に連れて帰るつもりは ただ、帰国者の中には、貧しい農村に引き取ら れ、読み書きができない人もいます。私の知人も 広島県社会福祉協議会 中国・四国中国帰国者支援・交流センター ☎082︱250︱0210 (担当:橋本) 問合せ先 父 母 に 引 き 取 ら れ、 ありませんでした。ところが、当時の上司に「日 そうです。公営団地に住んでいるのですが、掲示 才で亡くなりました。二人と一緒に過 本は医学が進んでいる。留学したくても簡単には 板や回覧板に書いてあることがわかりません。ゴ 翌年父も で き な い の だ か ら、 行 か な け れ ば も っ た い な い 」 ミの出し方もよく間違います。悪気はないのです 兄が難病にかかって ろう。私もわかりません。考えたくありません。 当時、呉市には中国語がわかる人もおらず、日 本語を学べる学校もなかったので、帰国して か つ覚えましたが十分には話せません。最近は忘れ 20 と 言 わ れ、 私 た ち と 一 緒 に 帰 国 し ま し た。 し か お孫さんの成人祝い 25 が、説明書きが読めないのです。町内会の役員も 52 月 後、 私 た ち は 広 島 市 に 引 っ 越 し ま し た。 翌 年、 2 し、帰国してみると中国での医師免許は日本では 福祉ひろしま 11 84 教えて! 総務部門の「ここが知りたい!」 第3回めの「ここが知りたい!」は、ホームページのアクセシビリティについてです。 Q 1)ホームージを改修しようと思いますが、「障害者差別解消法」が制定され、アクセシビリティへの対 応を今までよりも強化する必要があると聞きました。 アクセシビリティとは何ですか? A 1)ホームページのアクセシビリティとは、探したい情報に簡単にたどりつける「利用のしやすさ」をい います。 Q 2)誰もが利用しやすいホームページとは、具体的にはどのようなものですか? また、アクセシビリティへの対応は義務ですか? A 2)アクセシビリティを高める例としては次のようなものが挙げられます。 【色の組み合わせ】 【文字の大きさ】 文字の大きさを大中小と切り替える機能(ボ 文字と背景色の明るさの差を大きくします。 タン等)を付加します。視野が狭い人は、小さ ただし、赤と緑、黄と白、青と黒等は色覚障害 な字の方が見やすいこともあります。 のある人や高齢者には区別がしにくいことが多 いため組み合わせには注意が必要です。 【リンクの箇所をわかりやすく】 リンクであることを示したい箇所は、色を変 背景色を切り替える機能を付けることもアク セシビリティを高めます。 更したり(赤色以外)、下線を引きます。 ※色覚障害は、赤色の識別が難しい人が最も多いため 【動きはゆっくり】 文字やイラストが動いたり、画面が自動でス 【画像の説明文を掲載する】 視覚に障害のある人が使用する「読みあげソフ ト」にも対応できるよう、交通アクセス等の画像 クロールする場合には、動くスピードを遅くす ることや、静止した状態でも見れるように配慮 することが必要です。 を掲載する場合は、別に文章でも説明します。 アクセシビリティの高いホームページを 作ることは、努力義務です。しかし、「障害 【スクロールは少なく】 者差別解消法」制定に関わらず、だれもが必 マウスの操作が難しい人に負担にならないよう、 要な情報をできるだけ簡単に収集するために必要な 画面の横のスクロールはなくし、上下のスクロー 配慮です。 ルも少ないレイアウトを工夫します。 この他にもさまざまなWebアクセシビリティがあ また、キーボードだけで操作できるホームペー りますので、専門家と相談しながら必要な要素を取り ジは、アクセシビリティがより高くなります。 入れてみてください。 問合せ先 広島県社会福祉協議会 総務課 ☎082-254-3411 福祉ひろしま 12 (広島県社会福祉協議会 会長 山下三郎) は「 とですが、一方で少子化は深刻な問 くなったおかげで、誠に喜ばしいこ の歯止めには程遠く、国を挙げての 市政を進めました。しかし、少子化 て安心はつかいち」をスローガンに 年後に日本の人口一億人程度 を維持」を目標に掲げて少子化対 題となっています。 ・ 倍の約 93 68 億人近 億万人 世界の人口は表1のとおり、昭和 (1950)年には 億人でした 年間で んと高くなると、少子高齢社会から %に激減、 が、 現在は ています。 7 2000 0 9 1 40 0 る こ と は「 産 み、 育 て や す い 社 会 」 子どもがいる世帯が多数派ではな くなり、人々の意識も変わりつつあ %となっています。この表か が、現在はその3分の1近くまで減 以下の子どもは全人口の 戦後の昭和 構 造 の 推 移 表 2 に み ら れ る よ う に、 例を県内に先駆けて提案し可決され 歳児まで」を就学前まで拡大する条 議会に「乳幼児医療費の助成年齢3 ・ 86 性も 歳で世界一の長命となり、男 児保育、延長保育等、さまざまな施 保育料無料、保育園の0歳児・障害 み育てる」ことの支援に少しでも視 歳を超えて世界3位になりま 進み、平均寿命は で し た。 全 国 知 事 会 に お い て「 少 ることにいたしました。 13 策 に 取 り 組 み ま し た。「 子 ど も を 産 %でした 「 国 が や ら ね ば 地 方 か ら 」 と の 思 いで、私は市長在職時の平成 年市 が遠のいていることの表れだと思わ 少し ました。小学校入学までは医療費無 歳 れます。 らわかるように少子高齢化は急速に 14 した。 35 国は過去にエンゼルプランをつく り少子化対策を始めましたが不十分 25 点 を お き、「 暮 ら し い き い き、 子 育 84 (1950)年に 私は5年前に「福祉ひろしま」 号で人口問題を訴え、再び寄稿す 対応ができ難い状況にあります。 両親と住まない家庭で出産し育児の よ る 非 婚 化、 晩 婚 化 が 進 み、 ま た、 8000 料を実現し、さらに幼児3人めから これに比べて日本の人口は本格的 な減少時代に入ります。年齢別人口 2 歳、特に女性は 問題を引き起こしています。 58 13 これは、日本の生活環境が非常に 良くなり医療が充実し食料事情も良 No. 80 6 広島県社会福祉協議会 総務課 ☎082︱254︱3411 問合せ先 強く期待しています。 国、地方、そしてすべての地域を あげて人口問題に対応されることを しないと少子化対策になりません。 築くことができる政策を早急に実施 地方で若者が働き暮らせる、家族を 子 ど も を 育 て や す い 環 境 づ く り や、 国は大都市の人口集中を避けるた め、 企 業、 大 学 を 地 方 に 分 散 さ せ、 めています。 策の一環として推進すべく準備を進 しても市町社協と協力して少子化対 トとして注目されています。本会と 場と地域活性化を融合させたイベン 庄原市、江田島市で新しい出会いの 功されていると聞きます。社協では 体では三原市が婚活支援を進め、成 センター」を発足させました。自治 広島県は本年度より「婚活」支援 のために「ひろしま出会いサポート 産む環境である「結婚」が必要です。 「 子 ど も を 育 て る 支 援 事 業 」 も 必 要ですが、今はそれ以前に子どもを 政策が求められています。 策 に 動 き 出 し ま し た。 江 戸 時 代 に (2004)年には (1967)年には1億人を ,5 9 6 万 人 と な り、 昭 ,0 0 0 万 人 代 で あ っ た 人 口 は 大 正9年に 和 超 え、 平 成 1億2778万人となりました。そ れ以降は、人口減少時代に入りまし 2050年 2030年 少子多死者社会へと向かいます。 65歳以上 日本の都道府県で最も出生率が低 いのは、経済が成長している東京で、 35.4 8.2 4.9 2000年 1980年 1950年 10.3 9.1 14.6 10 37.6 31.6 0~14歳 年 に増加し、2050年には United Nations 掲載データ参照 逆に最も高いのは沖縄です。 20 17.4 23.5 30 再び人口問題を訴える (表2) % 0 5 0 0 2 2 2 2 2 1 1 くになると推計されています。こう 約25億人 親と子の世帯は1980年には %を占めていましたが、 年後の 1982年 中国 4 0 0 3 0 0 2 0 0 1 0 0 0 2 0 0 9 9 0 8 9 0 7 1 9 0 6 1 9 0 5 た。 6000 10億人超す なると水も食料も不足すると言われ 今、日本の政治課題の一つに人口 問題があります。高齢化率がどんど 約68億人 4000 約93億人 1998年 インド 10億人超す 10000 50 歳未満の児童 25 (表1) 世界人口の推移と見通し (単位:100万人) 5 16 3 42 25 今、日本では非正規で働く人の増 加、特に若い人の就職難、収入減に 30 %と発表され、バラ 18 ンスの崩れた人口構造はさまざまな のいる世帯は 36 子 化 非 常 事 態 宣 言 」 が 出 さ れ、 国 福祉ひろしま 13 24 50 64 参照:総務省統計局「人口の推移と将来人口」 福祉団体のワクを超えた つながりから社会貢献活動をつくる 本会(団体振興課)では、 の県種別協議会(以下、 「団体」)の事務局を受託しています。 団体との合同研修会や行事の共催 を始めたところでしたが、本年6 月に逝去されました。 縄手前理事は、本会の関係会議 等 の 委 員 に 多 く 就 任 さ れ、 特 に、 施設職員の福利厚生や人材育成と 援の広がりや効果が期待できると考え、今年度の事業 り組みを紡ぎ重ねることが活動のヒントになります。 現在、期待されている「社会福祉法人による社会貢 献活動」も、団体同士が理解と連携を深め、協働の取 確保に力を注がれました。 計画にすべての団体が「団体間の日常的なネットワー 縄手前理事のこうした活動は、団体同士のつながりづ 各団体では、近年の社会的課題を解決するためには、 個別で対応するよりも、複数の団体で対応する方が支 クづくり」を掲げました。これは、本会事業計画にも くりの一歩でした。 生前のご功績を偲び、心から ご冥福をお祈りいたします。 団体振興課が受託している業種団体(県分) 広島県社会福祉法人経営者協議会 広島県老人福祉施設連盟 がさ 久笠法律事務所 く 呼応し、全県的な取り組みの広がりが期待できるもの です。 これまで、団体同 士が互いの活動や課 題を知る機会がな かったことは意識さ 広島県地域包括・在宅介護支援センター協議会 広島県訪問介護事業連絡協議会 広島県身体障害者施設協議会 広島県知的障害者福祉協会 広島県児童養護施設協議会 広島県里親連合会 広島県児童館連絡協議会 広島県社会福祉法人経営青年会 問合せ先 広島県社会福祉協議会 団体振興課 ☎082︱254︱341 (担当:寺西) 〒730-0014 広島市中区上幟町3番25号 レオビル6階 TEL(082)502-0770 FAX(082)502-0771 〒730-0012 広島市中区上八丁堀7番5号 ピロティヒロシマ3階 TEL(082)228-6311 FAX(082)228-6362 E-Mail:mm-law@mbm.nifty.com 弁護士 下川 絵美 弁護士 伊藤 寛之 弁護士 長谷川栄治 弁護士 中原 良子 弁護士 山手 貴文 弁護士 三﨑 和也 弁護士 久笠 信雄 弁護士 水中 誠三 れていませんでした が、これを課題と捉 え、ネットワークづ くりの取り組みを始 めた一人が、本会理 事を7期務め、広島 県知的障害者福祉協 会( 以 下、「 福 祉 協 縄手前理事は、障害のある人の家族会や当事者の会 等との行事企画にも架け橋のような役割を地道に果た であった縄手建さんです。 会」)の会長(社会福祉法人「ゼノ」少年牧場前理事長) 6月開催の 「 里親研修会 」 では、児童養護施設職 員も参加して意見交換が行われました。 されました。また、福祉協会では、今年度、障害関係 6 水中・三﨑法律事務所 10 14 福祉ひろしま ・・・お気軽にご相談ください・・・ ◎パソコン、サーバ等の販売・設置 ◎ネットワークの設計・工事 ◎パソコン、サーバ、ネットワークの保守 ◎消耗品の販売(トナー、コピー用紙等) NTT データ カスタマサービス株式会社 中国支社 営業部 〒732-0816 広島県広島市南区比治山本町 11 番 20 号 TEL:082-252-3306 FAX:082-252-3309 E-mail:chugoku-eigyou@nttdatacs.co.jp 社会福祉法人 若 葉 〒722-2101 広島県尾道市因島大浜町427-9 TEL 0845-24-1000 FAX 0845-24-0783 deai-1@cameo.plala.or.jp ■因島であいの家 ■ドリームズ ■すきっぷ ■かざぐるま ■はばたき ■すまいる 〜「すべての人が地域社会で普通の 生活をする」そんな地域を作る〜 15 福祉ひろしま 健康を考え、健康を進め、健康を広げる S H I R AI S HI 白石薬品株式会社 白石商事株式会社 Tel (072)622-8500 Fax(072)622-8510 〒567-0005 大阪府茨木市五日市1-10-33 私たちは「人と人との出会い」と そこから生まれる「コミュニケーション」を大切にし、 心豊かな社会の発展に貢献します。 旅行のご用命は名鉄観光へ。 広島支店 〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀5-7 TEL:082-227-2281 FAX:082-227-8863 INFORMATION 平成26年8月広島土砂災害 被災者を支える一つのカタチ… 支援金 ⇒ 被災地でさまざまな支援活動を行う機関・団体の活動資金 義援金の各窓口を通じて集まったお金は一括にまとめられ、義援金配分委員会によって被災者の支援に100% 使われるしくみになっています。 【広島県共同募金会の義援金窓口について】 [義援金名]平成26年広島県大雨災害義援金 [募集期間]平成26年12月26日㈮まで [受付方法] 1.口座振込 金融機関 口座番号 口座名義 み かわちょう 広島銀行 三川町支店 普 通 0 6 2 0 9 4 7 社会福祉法人 広島県共同募金会 広島県信用農業協同組合 連合会 本所 普 通 0 0 0 4 7 9 1 社会福祉法人 広島県共同募金会 もみじ銀行 昭和町支店 普 通 3 0 1 3 1 5 5 社会福祉法人 広島県共同募金会 ゆうちょ銀行 00920-5-234852 しょう わ まち 広島県共同募金会(広島県大雨災害義援金) 2.現金書留 宛 先 〒732-0816 広島市南区比治山本町12- 2 (社福)広島県共同募金会 ※宛名に「救助用」と明記してください。 ※郵送料無料取扱い期間:平成26年12月26日(金)まで 3.現金持参 広島県共同募金会及び県内各市町共同募金委員会で受け付けます。 ※税制上の優遇措置(所得税、住民税)を希望される場合は、広島県共同募金会のホームページまたは 電話(082-254-3282)で確認してください。 その他の義援金窓口については、本会ホームページから確認してください。 26 7 県社協への寄付 平成 年 月から 月までに本会へ貴重な浄 財をご寄附いただきました。 紙面をもってお礼にかえさせていただきます。 三浦 淳・恵子 様 〈お知らせ〉 本会で開催する行事について掲載していた 「 information 」は、2014年7月号をもって 終了しました。 で最新情 今後は、本会ホームページの TOPICS 報をご覧ください。 : //www.hiroshima-fukushi.net/ http じぶんの町を良くするしくみ ●福祉ひろしまVol.86 2014年10月 ●発行所/社会福祉法人 広島県社会福祉協議会 〒732-0816 広島市南区比治山本町12-2 広島県社会福祉会館内 TEL082-254-3412 FAX082-252-2133 ●発行人/宇根 孝治 ●URL http://www.hiroshima-fukushi.net/ 平成26年8月19日からの大雨により、広島市安佐南区・安佐北区において大規模な土砂災害が発生し、大きな 被害をもたらしました。 被災地のために何かできることはないだろうか…そんな思いをカタチにする方法のひとつとして「義援金」が あります。 ⇒ 見舞金等、被災者の直接的な支援 義援金 福祉ひろしま インフォメーション 9 ※「福祉ひろしま」の発行費の一部として共同募金助成金、中国新聞社会事業団助成金を活用させていただいています。 ※「福祉ひろしま」の発行費の一部として共同募金配分金、中国新聞社会事業団助成金を活用させていただいています。 福祉ひろしま 14 16
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