MAbPac Protein A カラム - Thermo Scientific ホーム

CHROMATOGRAPHY CONSUMABLES
Product Specifications
Thermo Scientific
MAbPac Protein A カラム
モノクローナル抗体分析用アフィニティーカラム
Thermo Scientific™ MAbPac™ Protein Aカラムは、高速分
析が可能なアフィニティーカラムです。このカラムを使用す
ると、細胞で培養したモノクローナル抗体の濃度を高速かつ正
確に定量することができます。
製品の特長
・無多孔性のポリマー基材に親水性の表面
・リガンドは組み換え(recombinant )した Protein A
・濃度 0 .025 mg/mL ∼ 5 mg/mLの mAb定量
・高速分析が可能で、分析時間は2分
・堅牢性に優れており、2000回注入データあり
・流速2 mL/minでも低圧
はじめに
近年、
モノクローナル抗体(mAb )
は治療用
性に優れており、
良好な再現性が得られま
す。カ ラ ムの フ ォ ー マ ットは 不 活 性な
のタンパク質として注目されています。組
Thermo Scientific PEEK™を使用してお
み換えモノクローナル抗体の開発初期段階
り、
カラムサイズは4.0 x 35 mmです。
では、たくさんの 培 養 細 胞(harvest cell
culture、
HCC )が使用され、生産された IgG
アプリケーション
の濃度をスクリーニングする必要がありま
モ
HCCクローンによる生産効率も含めて、
す。
mAbの濃度測定には、
Protein Aをリガン
ノクローナル抗体には正確な定量が要求
ドに持つアフィニティークロマトグラフィー
されます。ユニークな MAbPac Protein A
が利用されています。MAbPac Protein Aカ
カラムの充填剤は、高速で正確な分離、幅
ラムは、
高速かつ正確に IgGの濃度が測定で
広い濃度で直線性が得られるといった特
きるカラムです。また、
IgGのキャリーオー
長があります。高速で精度の高い分析結
バーを抑制するので、
幅広い濃度範囲で直
果が得られるため、
複数回の注入で再現性
線性が得られます。
を確認したり、
再分析の必要性を低減した
りできます。特許取得済みの親水性ポリ
カラムテクノロジー
マーは高速のマストランスファーを可能
MAbPac Protein Aカラムは無多孔性のポ
にするため、
シャープなピーク形状が得ら
リマーを基材としており、
中心の疎水性ジ
れます。低いバックプレッシャーで高効
ビニルベンゼンの周りを親水性の表面で
率が 得られるため、分 析の オ ー ト メ ー
覆っています。特許取得済みの充填剤は
ション、
ハイスループット、
より正確な定量
高速のマストランスファーを可能にし、 値が期待できます。このカラムのフォー
キャリーオーバーを抑制して効果的な分
離を実現します。組み換えした Protein A
のリガンドは、
アミン基で親水性表面に共
有結合しています。このため、非常に堅牢
サンプルの注入、
マットは、
Thermo Scientific バイオコンパチブルシステムを使用して、
保持、
溶出、
分取を自動かつ高速で行えるようにデザインされています。
mAbの高速濃度測定
モノクローナル抗体の濃度を測定する場合、
高速かつ正確に分析することが重要になり
ます。図1は、
HCCサンプルを10 µL注入して、
MAbPac Protein Aカラムで分析した例
です。カラムに保持されない成分が最初に溶出されます。次に、
低い pH(pH=2.5)を利
用して目的の mAbを溶出させます。高速のマストランスファーは、
効果的な分離をご提
供します。分析時間は、
カラム平衡化を含めて2分です。クロマトグラムの右上に、
IgG抗
体のピーク面積から得られた検量線を記載しています。ユニークな充填剤表面は、
正確
な定量と幅広い濃度範囲での測定(0.025 mg/mL ∼ 5 mg/mL )
を可能にします。
5,200
面積 mAU x min
40
4,000
30
20
10
0
3,000
0
mAU
MAbPac Protein A, 4 × 35 mm
2 mL/min
50 mM リン酸ナトリウム、150 mM NaCl,
5% アセトニトリル(pH 7.5)
移動相B:
50 mM リン酸ナトリウム、150 mM NaCl,
5% アセトニトリル(pH 2.5)
グラジエント: 時間
%A
%B
0
100
0
0.2
100
0
0.21
0
100
0.8
0
100
0.81
100
0
2.0
100
0
カラム温度: 25 ºC
検出:
UV(280 nm)
注入量:
10 µL
サンプル
培養細胞(Harvest cell culture、HCC)
カラム:
流速:
移動相A:
カラムに保持されない成分
20
40
60
80
100
ウサギIgGの量 (µg)
2,000
IgG
1,000
-200
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Min
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
図1:MAbPac Protein Aカラム(4.0 x 35 mm)によるHCCの分析
mAbの精製
アフィニティークロマトグラフィーで濃縮および精製を行
MAbPac Protein Aカラムは、
い、
次にサイズ排除クロマトグラフィーやイオン交換カラムを組み合わせる二次元クロ
マトグラフィー(2D-LC )にも便利です。その固定相は mAbのみを結合および溶出させ
るので、
シャープなピークが得られ、
濃縮が可能です。図2は、
HCCを50 µL注入した場
合のクロマトグラムです。96ウェルプレートに IgGをタイムベーストリガーにより分取
しました。この 時、流 速2 mL/minで200 µL分 取し、分 取した 時 間は0.1 minです。
MAbPac Protein Aカラムを利用して、効果的に HCCを分離、濃縮、精製することができ
ました。
MAbPac Protein A, 4 × 35 mm
2 mL/min
50 mM リン酸ナトリウム、
、pH 7.5)
60 mM NaCl(
移動相B:
50 mM リン酸ナトリウム、
、pH 2.5)
60 mM NaCl(
グラジエント: 時間
%A
%B
0
100
0
0.2
100
0
0.21
0
100
0.8
0
100
0.81
100
0
2.0
100
0
カラム温度: 25 ºC
検出:
UV(280 nm)
注入量:
50 µL
サンプル:
培養細胞(Harvest cell culture、HCC)
カラム:
流速:
移動相A:
カラムに保持されない成分
2,500
分取したIgG
2,000
1,500
mAU
2
1,000
500
0
-500
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Min
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
図2:MAbPac Protein Aカラム(4.0 x 35 mm)によるHCCの中のモノクローナル抗体の精製
図3は、
一次元目に Protein Aカラムで分取および精製した mAbを、
二次元目に Thermo
3
Scientific MAbPac SCX-10(10 µm )で分析した場合のクロマトグラムです。この分析
にはpHグラジエントバッファーを使用し、
pH 5.6 ∼ 10.2のグラジエントを行いました。
クロマトグラムより、
精製した IgGのバリアントを検出することができました。一次元目
および二次元目の分析には、
Thermo Scientific Dionex™ Chromeleon™データシステ
ムを使用しました。このソフトウェアを使用すると、
HCCの二次元分析をオートメー
ション化できます。
20.0
10.50
17.5
10.00
15.0
9.00
10.0
7.5
8.50
5.0
8.00
2.5
7.50
0.0
-4.0
10.0
pH
mAU
9.50
pH実測値
12.5
MAbPac SCX-10, 10 µm, 4 × 250 mm
1 mL/min
CX-1 pH gradient buffer A、
10倍希釈(pH 5.6)
移動相B:
CX-1 pH gradient buffer B、
10倍希釈(pH 10.2)
グラジエント: 時間
%A
%B
0
100
0
1
100
0
31
0
100
34
0
100
34.1
100
0
40
100
0
カラム温度: 30 ºC
検出:
UV(280 nm)
注入量:
100 µL
サンプル:
精製したIgG
カラム:
流速:
移動相A:
7.00
12.0
14.0
16.0
18.0
20.0
Min
22.0
24.0
26.0
28.0
6.50
30.0
図3:MAbPac SCX-10およびリニアーpHグラジエントバッファーを利用した、mAbのチャージバリアントの分析
再現性
図4で示すように、
MAbPac Protein Aカラムは非常に再現性のよいデータをご提供しま
す。2000回以上注入を行って、
保持時間、
ピーク面積値、
シンメトリー係数にほとんど変
化がありませんでした。ロットの異なる MAbPac Protein Aカラムでも、
良好なカラム間
の再現性が得られるように、
厳しい仕様に基づいて製造されています。それぞれのカラ
ムは、
テスト後に QAレポートと共に出荷されます。
MAbPac Protein A, 4 × 35 mm
2 mL/min
50 mM リン酸ナトリウム、150 mM NaCl,
5% アセトニトリル(pH 7.5)
移動相B:
50 mM リン酸ナトリウム、150 mM NaCl,
5% アセトニトリル(pH 2.5)
グラジエント: 時間
%A
%B
0
100
0
0.2
100
0
0.21
0
100
0.8
0
100
0.81
100
0
2.0
100
0
カラム温度: 25 ºC
検出:
UV(280 nm)
注入量:
20 µL
サンプル:
ウサギIgG、1 mg/mL
カラム:
流速:
移動相A:
1,400
1,200
1,000
mAU
800
#2011
#1811
#1611
600
#1411
#1211
400
#1011
#811
#611
200
#411
#211
#30
-50
0.00
0.25
0.50
0.75
図4:再現性および堅牢性
1.00
1.25
Min
1.50
1.75
2.00
2.25
2.50
注入回数#
保持時間
(min)
面積
(mAu*min)
(min)
30
211
411
611
811
1011
1211
1411
1611
1811
2011
0.80
0.78
0.80
0.80
0.80
0.80
0.80
0.79
0.81
0.79
0.79
7.96
7.93
7.88
7.97
7.58
7.77
7.78
7.50
7.50
7.78
7.77
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
PWHH
仕様
MAbPac Protein A
親水性の無多孔性ポリマー
リガンド
Protein A
粒子径
12 µm
バインディングキャパシティ
~3.5 mg IgG/g resin
ローディングキャパシティ
100 µg IgG(流速 2 mL/min)
Product Specifications
基材
仕様と推奨のパラメーター
カラム
粒子径
(µm )
流速
(mL/min )
耐圧
(psi )
温度限界
(℃)
pH 範囲
IgG ローディング
キャパシティ(µg )
MAbPac Protein A
12
≤ 2.5
≤ 1000
≤ 30
1.9∼7.5
≤ 100
オーダーインフォメーション
※図3の pH gradient buffer A、Bについては、お問い合わせください。
詳細
製品番号
MabPac Protein A, Analytical column, 4 × 35 mm
082539
注意 : 本製品を2日以上ご使用されない場合、冷蔵(2 ∼ 8℃ )で保管してください。
Ⓒ 2014 Thermo Fisher Scientific Inc. 無断複写・転載を禁じます。
ここに記載されている会社名、製品名は各社の商標、登録商標です。
ここに記載されている内容は、予告なく変更することがあります。詳細については、販売代理店にお問い合わせください。
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
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TEL 0120-753-670 FAX 0120-753 -671
〒221-0022 横浜市神奈川区守屋町3 -9
E-mail : Analyze.jp@thermofisher.com
www.thermoscientific.jp
販売店
E1409