印刷できる有機-無機ハイブリッド 熱電材料の開発 九州工業大学 工学研究院 機械知能工学研究系 教授 宮崎 康次 1 従来技術とその問題点 エネルギーハ-べスティング • • • • 光 電磁波 熱 振動 10-4W/cm2 10-4W/cm2 10-5W/cm2 10-3W/cm2 太陽光など 熱電変換 振動 2 従来技術とその問題点 closs-plane 100µm 50µm G. J. Synder, Nature Materials, 2, (2003), 528531 1mm 500µm J. F. Li et al., Sensor and Actuator A, 108,(2003), 97102 SEIKO Z. Wang et al.,Sensors and Actuators A, Vol.156 (2009) 95-102 in-plane Micropelt J. Alexandre et.al, Sensors and Actuators A, 116 (3), pp 501-508 (2004) J. Weber et al., Sensor and Actuator A, 132, (2006), 325-330 C. Navone et al., Journal of Electronic Materials, (2010) Univ. Michigan 3 従来技術とその問題点 エネルギーハ-ベスティングへの熱電発電の 応用では,以下の問題点が挙げられる. ・高価なデバイス製造コスト ・印刷応用では,低い変換効率 Micropelt webpageより 等の問題があり、広く利用されるまでには 至っていない。 4 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術の問題点であった、印刷技術を用い て、加工の低コスト化を達成した。 • 従来は導電度が低く、無次元性能指数ZTが 0.1程度であったが、導電性高分子とハイブ リッド化して、ZT=0.3程度にまで性能を向上 できた。 • 本技術の適用により、大気中で作業できるた め、製造コストが1/5程度にまで削減されるこ とが期待される。 5 新技術の特徴・従来技術との比較 有機材料 PEDOT:PSS S2σ [µW/(cm·K2)] 4.69 k [W/(m·K)] 0.24-0.26 ZT (T=300) 0.42 ・ 高いZT ・ ゼーベック係数に課題 ・ フレキシブル P. Pipe et al., Nature Materials (2013) ,12, 719. 有機‐無機ハイブリッド ZT = 0.41 (n型), 0.31 (p型) ・フレキシブル ・耐熱性も△ ・ゼーベック係数に課題 D. Madan et al., ACS Appl. Mater. Interfaces (2012), 4, 6117. 6 新技術の特徴・従来技術との比較 500 nm 1 µm 導電性材料を隙間に詰める Bi0.4Te3.0Sb1.6 thin film pattern Metal electrode Alumina substrate 低い導電度 1.3 S/cm 500 µm J. Alloys. Compounds, Vol. 462, pp.351-355 (2008) > 300S/cm ZT ~0.3 PEDOT:PSS , PAA 高い導電率 高いフレキシブル性 低コスト 50円(5cm×5cm) ・C. Navone et al., J. Electron. Mater., Vol.40, (2010) 789-793 スプレーコーティング 添加剤なし ・D. Madan et al., J. Appl. Phys., Vol. 109, (2011) 034904. エポキシ添加 → ZT=0.16 ・B. Zhang et al., ACS Appl. Mater. & Interfaces, Vol. 2, (2010) 3170-3178 PEDOT:PSS添加 → ZT~0.1-0.2 7 本技術で作製した熱電薄膜 ゼーベック係数 導電度 > 300S/cm ZT ~0.3 PEDOT:PSS , PAA 高い導電率 高いフレキシブル性 低コスト 50円(5cm×5cm) K. Kato et al., J. Electronic Mater., Vol.42, (2013) 1313. 8 想定される用途 • 本技術の特徴を生かすためには、小型熱電発 電モジュール製造に適用することで製造の低 コスト化のメリットが大きいと考えられる。 • 上記以外に、真空蒸着では作製が難しかった 厚膜(~100µm厚)も生成できる。 • また、達成された導電度に着目すると、熱電材 料以外の機能性材料にも展開することも可能 と思われる。 9 実用化に向けた課題 • 現在、熱電膜生成が印刷で可能なところまで 開発済み。しかし、モジュールなどへの展開 が未解決である。 • 今後、モジュールを作製して実験データを取 得し、発電や冷却に適用していく場合の条件 設定を行っていく。 • 実用化に向けて、さらなるZT向上を確立する 必要もあり。 10 企業への期待 • 未解決のZTについては、新たな材料の導入 により克服できると考えている。 • 具体的な応用技術を持つ、企業との共同研究 を希望。 • また、マイクロ熱電モジュールやマイクロペル チェ冷却モジュールの導入を検討されている 企業には、本技術の導入が有効と思われる。 11 本技術に関する知的財産権 • • • • • • 発明の名称 :熱電変換材料 及びその製造方法 出願番号 :WO2013/141065 A1 (特願2012-064245) 出願人 :九州工業大学 発明者 :加藤邦久、武藤豪志、宮崎康次 12 産学連携の経歴 • • • • 2005年-2006年 2005年-2006年 2006年-2007年 2008年-2009年 JSTシーズ育成試験事業 ふくおかIST 産学官共同研究開発事業 JSTシーズ発掘試験事業 北九州産業学術推進機構 マッチングファンド事業 • 2008年-2013年 NEDO BEANSプロジェクト事業 • 2012年-2013年 ASTEP 探索タイプ事業 13 お問い合わせ先 九州工業大学 産学官連携コーディネーター 山崎 博範 TEL 0948-29 - 7895 FAX 0948-29 - 7899 e-mail yamasaki-h@ccr.kyutech.ac.jp 14
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