当日配布資料(700KB)

国立大学法人香川
国立大学法人香川大学
香川 大学
医学部医学科
教授 和田健司
本発明技術のポイントと想定される用途
発明のポイント:
発明のポイント:
極めて簡便な固体触媒の調製法
貴金属使用量を大きく低減
製品の貴金属汚染の抑制
想定される用途:
アルケニルシラン類製造プロセスへの適用
より広範な有機合成反応への展開
低環境負荷
低オペレーションコスト
希少金属の高効率利用
生成物の金属汚染の抑制
背景:アルケニルシラン類の有用性
重合可能
重合可能
有機・無機
有機・無機
ハイブリッド化
変換可能
変換可能
Si O
医農薬中間体
・ファインケミカル原料
有機・無機複合材料
背景:アルケニルシラン類の有用性
アルケニルシランは玉尾酸化、檜山カップリング、プロトン化、
ハロゲン化など様々な変換に付すことができる。
玉尾酸化
檜山カップリング
最近の特許からの活用事例
シリル官能化ポリオレフィン製造 (特開2014-508198)
シリル基は、容易に修飾され、且つポリオレフィンを更に架橋するために
用いることができるので、シリル官能化ポリオレフィンは、新たな物理的及び
化学的特性を提供するだけでなく、他の官能化ポリオレフィンを製造する
ための前駆体として使用することもできる。
アミノシラン開始剤及びそれを用いた官能化ポリマー (特開
2014-507405) アルケニルシランから誘導されるアルケニルアミノシラン
類を活用し、タイヤに使用するためにゴム組成物に導いている。
アミノシラン被覆されたモレキュラーシーブ (特開2013-151422 )
電子デバイスの封入ゲッター材料開発に活用
従来技術とその問題点
量論量の有機金属試薬が必要
量論量の有機金属試薬が必要
原料が高価
原料が高価
量論量の強塩基等が必要
量論量の強塩基等が必要
E. Colvin, Silicon in Organic Synthesis, Academic Press, New York, pp 44−60 (1988).
従来技術とその問題点
脱水素シリル化反応・・均一系錯体触媒を使用
cat. [Rh(cod)2]BF4
PPh3
HSiMe2Ph +
SiMe2Ph
11%
SiMe2Ph
o
50 C, 2 h
+
77%
原料によっては、ヒドロシリル化の併発が抑制できない
R. Takeuchi, et al., Organometallics 15 (1996) 2098.
従来技術とその問題点
ルテニウム、
ルテニウム、ロジウム等
ロジウム等の錯体触媒を
錯体触媒を使用する
使用する場合
する場合の
場合の問題点
1)触媒製造プロセスが複雑で、高環境負荷・高コスト
2)触媒の分離回収・再利用が困難、生成物に金属が混入が
3)一般に化学的・熱的に不安定であり取り扱いが困難
4)配位子あるいは添加剤として有害で反応後の分離回収が
困難なホスフィンの使用が必要
⇒実用・
実用・環境の
環境の双方の
双方の面で本質的に
本質的に問題あり
問題あり
固体触媒の活用
触媒の分離・回収、繰り返し使用が容易
金属種による生成物の汚染を最小化できる
背景:和田らによる固体触媒開発事例
Ph Me R
+
HO
Ph
O
Ar
H
Me
O
R
+
O
Ar
Chem. Commun. 2009, 4112.
2
廃棄物をほとんど副生しない多様な有機合成反応に有効
廃棄物をほとんど副生しない多様な有機合成反応に有効
しかし、貴金属種の一部しか機能していない場合がある
しかし、貴金属種の一部しか機能していない場合がある
本発明技術:簡便な固体触媒技術
・再使用可能
・貴金属リーチフリー
極めて簡便な固体触媒の調製法を開発
極めて簡便な固体触媒の調製法を開発
(操作としては金属源と金属酸化物を混ぜる
だけで、高活性固体触媒を「その場」調製)
金属使用量を低減
金属使用量を低減
製品の貴金属汚染を抑制
製品の貴金属汚染を抑制
開発触媒の活性比較
Ir(acac)3
10%
担体成分
0%
通常法による
固体触媒
34%
35%
開発触媒
90%
0
20
40
Yield (%)
60
80
100
開発触媒の再利用性の検証
fresh
78%
2ND use
34%
34%
84%
3RD use
84%
0
20
40
Yield (%)
60
80
100
幅広い適用範囲
本発明技術の特徴・従来技術との比較
従来触媒技術(Rh錯体触媒など)
和田らによる
和田らによる固体触媒技術
らによる固体触媒技術
① 触媒製造プロセスが複雑で、コストが高
く、触媒製造時に多量の還元剤や有機溶
媒等の使用を必要とする場合が多い。
① 触媒製造
触媒 製造プロセスが
製造 プロセスが単純
プロセスが 単純で
単純 で 、 コストが
低 く 、 触媒製造時の
触媒製造時 の 廃棄物は
廃棄物 は 極 めて少
めて 少 な
い。
本発明:さらに簡便化
② 有害なホスフィン等が用いられている。 ② 添加剤を
添加剤を必要としない
必要としない。
としない。
③ 一般に化学的・熱的に不安定で、取り ③ 触媒は
触媒は安定な
安定な金属種および
金属種および金属
および金属酸化
金属酸化
扱いが困難である。
物 であり
であり、
、化学的・
化学的 ・ 熱的に
熱的 に 安定で
安定 で 、 空気中
で問題なく
問題なく取
なく取り扱うことができる。
うことができる。
④ 触媒の分離回収・再利用が困難で、生 ④ 触媒をろ
触媒をろ過等
をろ過等によって
過等によって容易
によって容易に
容易に生成物か
生成物か
成物への重金属の混入が問題となる。
ら分離して
分離して回収
して回収し
回収し、再利用することができる
再利用することができる。
することができる。
貴重な
貴重な金属の
金属の利用効率を
利用効率を高め、重金属に
重金属に
よる生成物
よる生成物の
生成物の汚染を
汚染を抑制できる
抑制できる。
できる。
本発明:さらに高活性化・
貴金属使用量削減
⑤ ヒドロシリル化が併発する。
⑤ ヒドロシリル化
ヒドロシリル化を完全に
完全に抑制。
抑制。
実用化に向けた課題
触媒調製過程の最適化による
触媒調製過程の最適化による
さらなる高性能化
適切な水素捕捉剤の適用
適切な水素捕捉剤の適用
適用できる反応の範囲の拡大
適用できる反応の範囲の拡大
企業様への期待
汎用性の高い、簡便な固体触媒調製技術
汎用性の高い、簡便な固体触媒調製技術
であり、以下の分野で新プロセスの開発、
改善を検討されている企業様との
共同研究を希望しております。
医薬品原料の合成
電子デバイス材料等の有機無機
複合体の合成
高分子材料添加剤の合成
本技術に関する知的財産権
発明の名称 :金属錯体への金属酸化物の
添加による固体触媒の製造方法
出願番号
:特願2014-002456
:特願
出願人
:国立大学法人香川大学
発明者
: 和田 健司 ・ 束田 深志
・ 細川 三郎 ・ 阿部 竜
お問い合わせ先
国立大学法人香川大学
社会連携・知的財産センター
Phone 087-864-2522(代表)
(代表)
Fax087-864-2549
e-mail: ccip@eng.kagawa-u.ac.jp