東日本大震災関連のAFSの動き 2011年 3月11日 (金)に東北地方太平洋沖で発生した地震について、 AFSプログラムや支援の動きについてお知らせします。 地震に伴う留学生来日延期のご報告 このたびの東北地方太平洋沖地震で被災 されました方々に心よりお見舞い申し上げます。 公益 財団法人 AFS日本 協会 理事会は、 このたび、AFS 国際本部とも協議の結果、 3月23日に来日を予定しておりました平成 23 年度年間・セメスタープログラムの来日を大 幅に延期することを決定いたしましたので、 ここに謹んでご報告申し上げます。 新たな来日予定日は 2011年 8月中旬以降 を予定しております。なお、帰国日について は当初予定通りの平成 2012 年 2月初旬で、 変更の予定はございません。 このたびの来日延期の是非を検討するに あたりましては、実施に支障がない地域も多 数あることから、大変難しい判断になりまし たが、各国における震災に関する一連の報 道等が激化するなか、AFS 生派遣国ならび に AFS 生保護者の日本派 遣への不安が非 常に高まっていることに加え、東日本地域 全域において発生しております計画停電の 影響で多くのホストファミリーの皆さま方の 生活や受入れ協力校の運営に支障がでてお り、ここ数カ月間はこの影響が続くと思われ ることから、関係者が安心して異文化交流 を行うことができることを第一義に 5か月先 の 8月にプログラムを延期することを決定い たしました。 関係各位には大変ご迷惑をおかけいたし ますが、何卒事情ご理解、ご賢察のうえ、 来日延期にご協力を賜りますようお願い申し 上げます。 2011年 3月17日 公益財団法人 AFS日本協会 理事長 小川 郷太郎 理事・事務局長 髙田 祐三 「AFS JAPAN AFSでは、AFS 友の会や加盟国などの関係者による支援活動の輪が広がっています。これらの活動を総合 して「AFSJAPAN つながろうプロジェクト」と題し、ホームページの特設ページで活動報告を行っています。 http://www.afs.or.jp/earthquake_updates/ 東日本大震災に対するAFS友の会支援へのご協力のお願い すべてのAFS 関係の皆様に AFS 友の会よりご協力 をお願い申し上げます。 3月11日に東日本を襲った大地震・津波、それに 続く原発事故は、被災地域の留学生・ホストファミリー・ AFS 各支部からは犠牲者を出さずに済んだものの、 避難所での生活を余儀なくされるなど、甚大な物理 的・精神的被害を与えています。 公益財団法人 AFS日本協会の活動を支援するとい う目的で1999 年に設立された AFS 友の会では、こ のたび、多くの方々からの「何か支援ができないか」 という声に応えて「東日本大震災支援チーム」を組織 内に立ち上げ、以下の支援を行うこととなりました。 1、支援金募集 2、避難所生活の方への一時的ホストファミリー提供 AFSに関わるすべての皆様が、それぞれご自分にで きることでご協力くださいますようお願い申し上げます。 ホストファミリーの提供については現地のニーズの 詳細が分かった時点で、改めて具体的にご協力をお 願いしますが、まずは、右記の要領で支援金受付の 準備が整いましたので、皆様の絶大なご協力をお願 い申し上げます。 2011年 3月25日 AFS 友の会会長 藤野隆弘 02 ¦ AFS NEWS 2011 Summer 記 支援金は次の専用口座にお振り込みください。 銀行口座:三菱東京UFJ銀行 虎ノ門支店(普)0150260 口 座 名:AFS 友の会東日本大震災支援基金 田中 章 (エイエフエストモノカイヒガシニホンダイシンサイシエンキキン タナカ アキラ) 使途:被災地区 AFS 支部と協議の上、現地のニーズに合わせて使わせ ていただきます。例えば、ホストファミリー、ホストスクールへの支援、 被災地区からの派遣生とその家族に対する支援などです(なお、本支 援金については寄付金控除適用外となりますのでご承知おきください)。 みなさまの周りのAFSに携わる方々、あるいはお仲間やお知り合いで ご協力いただける方々にも、是非この支援についてお知らせいただけれ ば幸甚に存じます。 なお、この支援策についてのご質問、ご要望等は下記までお願い致し ます。 AFS 友の会 東日本大震災支援チーム長 田中 章(tomo@afs.or.jp) 御礼およびご報告は AFS 公式ホームページに掲載させていただきます。 AFS日本協会、 日本国内では民間非営利部門の活動の健全な発展を促進するため、2001 年以降公益法人制度改革が 行われてきました。2008 年 12 月に施行されました新制度では制度施行開始から5 年以内に「一般社団・財 団法人」か「公益社団・財団法人」のどちらかに移行しなければ解散と定められたため、AFS日本協会も 2008 年 5 月にプロジェクトチームを立ち上げ数々の申請準備を進めて参りました。そして2010 年 12 月24日に 内閣総理大臣より公益法人の認定を受け、2011 年 1 月4日に「公益財団法人 AFS日本協会」となりました。 高校生の留学団体の中で公益財団法人の認定を受けたのは AFS日本協会が初めてです。 公益法人に 一般法人と公益法人の違い 一般財団法人 公益財団法人 法人法の要件を満たせば、 登記のみで設立可。 一般社団・財団法人のうち、認定法に定められた基準を満たして いると認められる法人を行政庁が認定。 <主な認定基準> 経理的基礎を有すること/技術的能力を有すること/特別の利益を与える行為 を行わないこと/収支相償であると見込まれること/公益目的事業比率が 50% 以上であると見込まれること/遊休財産額が制限を超えないと見込まれること 公益法人の メリット ・認定法上の公益的事業は非課税 ・寄附者は税制上の優遇処置が受けられる (寄附優遇の対象となる「特定公益増進法人」に該当) ・より高い社会的信用を得られる つながろうプロジェクト」 各国からの支援 AFSイタリアより AFSイタリアより、被災地出身または日本協会が選ぶ 留学生 3 名に対して、イタリアでの留学費用の一部(イ タリア国内でかかる関係費用の全額)を免除する形で 受け入れるという支援の申し入れがありました。AFS日 本協会では、これを「AFSイタリア奨学金」として取り 扱い、通常のイタリアの募集とは別枠でご案内をする予 定です(決定次第、当協会ホームページ等でご報告い たします) 。 ビデオレター AFSの動画サイト「AFS WAVE」で、日本→ 世界、世界→日本の動画メッセージをご紹介し ています。皆様からのメッセージもぜひお寄せく ださい。 AFSタイランドより AFSタイランドより、AFS 友の会東日本大震災支援基 金に対して40 万円の寄付をいただけることになりました。 この他にもAFSスイス、AFSコロンビアなどからも支援 の声が寄せられています。 「みちのく応援奨学金」設立 震災により大きな被害を受けた地域の中・長期的な 復興を支援するため、年間派遣生に対する全額奨学金 「みちのく応援奨学金」を設立しました。期間は 2012 年派遣(59 期)から3 年間、人数は各年 3 名を予定し ています。詳細は同封のちらし、または協会ホームペー ジをご覧ください。 http://wave.afs.or.jp/category/6 AFS NEWS 2011 Summer | 03 特集 新理事会、新評議員会スタート 新役員(理事・監事) 2011 年 4 月 1 日現在(50 音順) 理事長 小川 郷太郎 おがわ ごうたろう 三井住友海上火災保険(株)顧問 AFS8 期生 ('61-'62) 副理事長 富澤 和馬 とみざわ かずま 日本ビジネスシステムズ(株)執行役員 AFS19 期生 ('72-'73) 髙田 祐三 たかだ ゆうぞう 小山 哲也 こやま てつや 行政書士小山哲也事務所 所長 ― 馬越 恵美子 まごし えみこ 桜美林大学 経済経営学系 教授 AFS17 期生 ('70 -'71) 吉田 弘和 よしだ ひろかず BNPパリバ 証券会社 税務部長 AFS25 期生 ('78 -'79) 渡部 京子 わたべ きょうこ ― AFS19 期生 ('72-'73) 出口 眞臣 でぐち まさおみ 出口眞臣公認会計士事務所 公認会計士・税理士 AFS10 期生 ('63 -'64) 濱四津 尚文 はまよつ なおふみ 浜四津法律事務所 所長・弁護士 AFS 7 期生 ('60 -'61) 理事 監事 AFS19 期生 ('72-'73) (公財)AFS日本協会 事務局長 理事・監事を退任されました以下の方々のこれまでのご貢献に厚く謝意を表します。(敬称略、50 音順) 理事:青池栄、吉川知子、小林啓子、船田千絵、ロバート・フェルドマン、山信彦/監事:堀田緑 新評議員 評議員 2011 年 4 月 1 日現在(50 音順) 学校法人 日本医科大学 財務部長、 (財) 片山哲記念財団理事 青池 栄 あおいけ さかえ 井手 秀彦 いで ひでひこ 第一工業製薬(株) 監査役 AFS11 期生 ('64 -'65) 吉川 知子 きっかわ ともこ ― AFS10 期生 ('63 -'64) 四方 敬之 しかた のりゆき 総理大臣官邸 内閣副広報官 AFS27 期生 ('80 -'81) 遠山 友寛 とおやま ともひろ TMI総合法律事務所 弁護士 AFS14 期生 ('67-'68) 藤澤 秀敏 ふじさわ ひでとし ― AFS13 期生 ('66 -'67) 吉田 誠 よしだ まこと AFS 湘南支部員 ― ― 評議員を退任されました以下の方々のこれまでのご貢献に厚く謝意を表します。(敬称略、50 音順) 赤木千秋、秋沢淳子、大武正樹、形山鮎子、加藤暁子、久保田恵理、坂巻政明、澤邊茫巳、立木靜夫、西川圭輔、西牧宏、 野沢一晴、野田理、藤井徳子、松岡悦子 ・評議員会 …理事・監事を監督 ・理事会 …業務執行、業務に対する最終責任 ・事務局 …理事会に代り実務を執行 ・支部 …地域に於いて法人の目的を 達成するための事業を遂行 ・常任委員会 …理事会の諮問機関 ・コンプライアンス …関係法令遵守のための管理と 委員会 体制整備 ・人事委員会 …人事制度の整備と評価 ※従来通り、事務局を除く全てがボランティアで構成されています ※主務官庁制が廃止され、文部科学省の所管ではなくまりました ※適正な運営を確得するために必要な限度で内閣府の監督を受けます 04 | AFS NEWS 2011 Summer 「公益財団法人設立作業を振り返って」 プロジェクトチーム長 井手 秀彦 公益法人制度改革対策委員会(公 たこともありました。2 年以上にわたりト ます。多くの苦労はありましたが努力が 益法人化プロジェクトチーム)を立ち上 ータル50 回近い検討会を行った結果よ 報われ、このような画期的事業に寄与 げたのは平成 20 年 5 月1日でした。当 うやく全ての準備が整い、昨年 7 月29 することが出来たことは私個人にとって 時運営委員長であった私はチーム長と 日に正式申請を行いました。その後も も貴重な経験であり、大きな達成感を なり、公益財団法人実現にむけた取 公益認定等委員会事務局との折衝は 得ることが出来ました。 組みを開始しました。まずいわゆる「公 続き、ついに昨年 12 月24日に認定取 今回の認定取得については浜四津 益三法」 (平成 18 年 6 月公布)の内容 得、今年 1 月4日に公益財団法人登記 法律事務所(所長は日本協会監事の を理解することからはじめ、我々がや を完了しました。 浜四津尚文弁護士)に絶大なご支援 をいただきました。またチームメンバー るべき事柄の内容と論点を整理し工程 今回の公益財団法人化に伴い、評 表を作成しました。ついで定款と関連 議員会と理事会の職責が変更となった であった遠山友寛さん(現評議員)、 諸規定の作成と組織全体の制度設計 こと、運営委員会を廃止、支部の組 事務局の高田事務局長、重村管理本 にとりかかりました。それまでの寄附行 織的な位置づけを明文規定上で明確 部長、田島絵里さん、鵜池四郎さん 為と諸規定はすべて廃止し、「公益三 にしたこと、内部統制体制の構築とコ には大変なご尽力をいただきました。 法」に沿った新しいものに作り変えなく ンプライアンスの徹底が求められるよう 名前を記して感謝の意を表したいと てはなりません。その後、認可申請書 になったこと、などが組織的に最も重 思います。最後になりましたが、新生 の準備を進めました。毎回のミーティン 要な変更点です。 AFS日本協会の今後の益々の発展を グでは大体 3 ∼ 5 時間かけて検討作 公益財団法人化は日本協会の設立 業を行いましたが、ある時期は集中的 (昭和 30 年)と財団法人の設立(昭 に連日オフィスで夜遅くまで検討を重ね 和 55 年)に続く歴史的な出来事であり 祈ってやみません。 公益法人化を記念して、 下記の奨学金を設立しました。 公益財団法人設立記念奨学金 希望者はフリーダイヤル(0120-51-0173)または 本奨学金は、2011 年 1 月 4 日に公益財団法人 AFS ホームページ(www.afs.or.jp)で詳しい資料と申込書 日本協会が設立されたことを記念して設置されました。 を請求のうえ、AFS 年間派遣プログラム第 59 期(2012 高校時代に新しい体験をしたいという志をもち、日本 年出発)の一般選考(6 月 19 日の A 日程または 7 月 の高校生交換留学プログラムの派遣先国としては AFS 24 日の B 日程)に応募してください。 が最大のネットワークを有している中南米諸国への留 学を希望する若者を支援し、将来国際的に活躍する 人材を育成することと、青少年の国際相互理解と国際 友好を促進することを目的としています。 対象 日本全国の高等学校・高等専門学校・専修 学校高等課程および中学校在学者で、中南米 諸国(アルゼンチン、コスタリカ、チリ、パナマ、パラ グアイ、ブラジル、ホンジュラス、エクアドル、ボリビア、 メキシコのいずれか 1 カ国)への留学希望者。 ● 人数:1 名 ● 金額:プログラム参加費全額 AFS NEWS 2011 Summer | 05 AFSの動き AFS の価値をみんなで発信する 動画サイト「AFS WAVE」がオープン! AFS では、2010 年 11 月に動画専用サイト「AFS WAVE」を開設しました。 ホストファミリーの声、外国人留学生の声、派遣生の声、帰国生の声、ホストス クールの声、ボランティアスタッフの声など、AFS に関わる様々な人の声を集め、 動画にのせて発信しています。 現在サイト内では約 200 の動画を紹介していますが、今後、さらにコンテン ツを充実させていく予定ですので、ぜひご覧になってみてください。そして、興 味を持った声を、口コミで、さらに Twitter や Facebook 等のサービスを利用して、 ぜひ皆さんからも周りの人たちに発信していってください。皆さんが撮影した動 画の投稿もサイト上で受け付けています。 動画サイト「AFS WAVE」http://wave.afs.or.jp/ AFS ホームページがリニューアル AFS のホームページが、2011 年 3 月1 日にリニューアルオープンしました。留 学プログラムやホストファミリー募集情報はもちろん、AFS のボランティア活動 やイベントの告知なども紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。 AFS 日本協会ホームページ http://www.afs.or.jp/ 浅草∼上野を AFS グッズを 身につけて散策 学生 AFSday2011@東京 2011 年 2 月13 日、ふだんは派 遣、受入、広報、大島 インターナショナルキャンプ、多摩支部、神奈川支部と、 東京周辺でさまざまな活動をしている学生ボランティアが 集まり、AFS グッズを身につけて浅草と上野を散策しまし た。上野動物園の正門前で団体入場券を配っていたとき、 30 名ほどいたので目立っていたらしく、皆が入園したあと、 「AFS ってなんですか?」というお声かけをいただきまし た!こんなときのために、リーフレットを用意していたので、 お渡しできました。一方、浅草でも動物園内でも、完全な 観光地になってしまうと、みなさん自分の観光に忙しいご 様子、チラシやリーフレットをお渡しするような雰囲気で はありませんでした。なかなか難しいものです。学生の親 睦、 という面では、 参加した学生ボランティアから「楽しかっ た」という感想がきかれ、 企画側としてうれしいかぎりです。 AFSday で出会った方と AFS、この記事を読んでくださっ た 方と AFS の つ な が りが、これからますま JENESYS 広島フォーラム 「10 年後のアジアと私」 日本政府の強力なイニシアティブによりスタートした「21 世紀東アジア青少年大交流計画(通称 JENESYS プログラ ム)」。2010 年の短期プログラムは、昨年までの 7 カ国に カンボジア、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、 ラオスが加わり、計 13 カ国の生徒が来日しました。 このプログラムの一環として、12 月16 日(木)にアセア ン 10 カ国の生徒と広島市立舟入高等学校の生徒による フォーラムを広島国際会議場で開催しました。このフォー ラムでは AFS 帰国生でもある秋葉広島市長(当時)のご挨 拶や各国紹介プレゼンテーションのほか、日本を含む各 国代表 2 名が「10 年後のアジアと私」をテーマとしたパネ ルディスカッションを行いました。全編英語ながら活発に 意見が交わされ、会場の参加者も真剣に耳を傾けていま した。セッション後は、会場に設置した国別ブースで各自 交流を楽しみました。 セッションは全編英語 で行われました す深くなりますように。 ※活 動レポートより抜 粋。 全文はホームページで紹 介しています AFS ロゴの入ったパーカー を着たり、AFS フラッグを 持って練り歩き 06 | AFS NEWS 2011 Summer 会場内には 10 カ国の 国別ブースを設置 日豪大学生交流プログラム >> げだと思います。しかし、フォーラム当日に突き付け られたのは圧倒的なディスカッション能力、プレゼ 2011 年 3 月 1日∼ 12 日 ンテーション能力の差でした。ほとんどの班でオース トラリアの学生が主導権を握っていたのが見て取れま JENESYS の一環として初開催となったプログラム。日 本から派遣された 20 名の大学生がオーストラリアでホー した。彼らは非常に鋭い質問にもすぐ切り返しができ るし、話の進め方が非常にうまいです。今回の参加 学生は優秀で、英語能力が非常に高い人ばかりであ ムステイをしながらグループに分かれて現地の大学生と交 流し、終盤には研究テーマ別(環境、農業、青少年育成、 教育)に意見を交わすフォーラムを行いました。 農業班は 20 歳以下の学生が 5 人、とてもフレッシュかつ英語を 流暢に話すことができる面々と、 リーダー、そして私という二人の 「長老」といった構成 員でした。 オーストラリアの学生と話し合い 研 究 テ ー マ ご と に シ ド ニ ー、 キャンベラ、ブリスベンに分か れて滞在しました をする前にはパワーポイントを作 成し、考えをまとめました。深夜 まで手 伝ってくれた班員のおか るのに、このような状況になったことは非常に憂うべ きだと思います。このような時に「彼らは英語が母国 語だから」というのは全く参考にならない意見と言え るでしょう。そのように言い訳してきたことが、今の 国際会議での日本の立ち位置を見るとよくわかると 思います。これから日本を背負う僕らが身につけるべ き能力の一つはこのようなところなのです。 それでもフォーラムは無事に終わりました。我々と オーストラリアの学生は非常にいい形で関係を築くこ とができたと思います。 (佐々木稔) ※参加レポートより一部を抜粋しました 日本の支部ボランティアが、ニュージーランド&タイで交流 AFS ボランティアの相互理解を促進する目的で、派遣と 受入を毎年交互に実施しているボランティア・エクスチェ ンジ。2 月中旬の約 10 日間、ホームステイをしながら現地 支部や事務所、学校などを訪問します。これまでは日本 タイでのみ実施されてきましたが、今年から新たに日本 ニュージーランドのプログラムが加わりました。 今回タイには東京、西三河、名古屋南、広島、松江、 大分支部から計 7 名が、ニュージーランドには札幌、名古 屋北、尾張、岐阜支部から計 4 名が参加しました。 オークランド周辺支部に よる送別会で (ニュージーランド) ニュージーランドボランティア エクスチェンジに参加して 今回、日本協会から派遣していただけたこと、そして大 勢の方の善意で私達の旅が支えられたことに心から感謝 の意を表したい。チームワーク抜群で一緒に過ごした皆さ ん、ありがとうございました。 現地で会った日本からのリターニーは皆素晴らしい生徒 達だった。そして、ご父兄が日本のホストファミリーや支 部の皆さんに感謝してくださり、彼らの、その日本人への 感謝の念が、ホストファミリーが見つからず出発遅延になっ ていた日本人生徒達の受け入れに繋がった。そのことを日 本のボランティアの皆さんにお伝えしたい。 ボランティア・エクスチェンジプログラムは、素晴らしい。 支部員の中には、若い頃に自分も留学をしたかったと思っ ている人も多い。このプログラムを通して今後そうした人 に参加していただければ、国を超えて、AFS 関係者同士 の相互理解と友情の絆を深め、AFS の意義を再認識し、 パートナー諸国の連帯を強めることができると思う。タイ、 ニュージーランド以外の国とでも交流ができれば、素晴ら しいと思う。参加させていただき、ありがとうございました。 (尾張支部 山田聡子) ※参加レポートより一部を抜粋しました ノースショア支部のピクニックに参加 (ニュージーランド) ゾウ乗り体験(タイ) バンコクの AFS オフィスにて (タイ) このプログラムの滞在中の様子は動画サイト 」 「AFS WAVE(http://wave.afs.or.jp/) で紹介しています。 AFS NEWS 2011 Summer| 07 派遣・受入 リターニー 活躍する スイスのビジネススクール「IMD」日本代表 高津 尚志さん た か つ な お し カナダ再訪。留学中に同じ高校に通った親友ダニエルさん とキャロルさんと久しぶりの再会 一瞬一瞬が、 異文化交流の「本番」 世界の人々と繋がってきたキャリアを振り返る 米国に憧れ、英語を学びたい と応 募した AFS からの 答えは、 カナダ仏語圏への派 遣でした。 途方に暮れて旅立ったケベック 州では、温かいファミリーとス クールに恵まれ、楽しい一年を 過ごしました。言葉も仏検1級に 合格するまでに上達し、人生の 流れを大きく変えました。 ファミリーとの交流も、四半 世紀を超えました。一昨年、家 族で彼らを訪ねましたが、ホス トシスターの3 歳の息子と、私の 2歳の息子が仲良く遊ぶのを見 るのは何とも嬉しかったです。 さて、最初の就職先、日本興 業銀行では、M&A 担当者として ロンドン、ニューヨークの先輩た ちと連携し、国際的企業買収・ 提携案件に取り組みました。行 内留学制度で、フランスへの2 年の留学とパリ勤務の機会を得 ました。欧州人の長期的思考、 様々な知の活用、異文化尊重の 姿勢などに触れたことは、私の 今に繋がっています。 ボストンコンサル ティンググ ループでも、多くの国際案件に 取り組みました。米企業の日本 進出支援では、米国人顧客とま さに寝食を共にし、事業開始に こぎつけました。彼らとは10 年 を経た今も友情が続いています。 リクルートに移籍後は、コン サルチーム創設に参画しました。 世界的自動車部品メーカー、デ 高津さんのご子息健太朗くん とホストシスターのご子息ジョ ナタンくん。カナダ再訪の数 日間ですっかり仲良しに 08 | AFS NEWS 2011 Summer >> YP30 期 '83-'84 ンソーから「経営理念を30カ国 10 万人の社員に浸透させたい」 との相談を受け、イエズス会調 査などを通じ応えました。宗教 の国際 的な伝 播 過程に学びつ つ、社内の多様な民族、言語、 文化に配 慮した浸 透 活 動を企 画。ケベックや欧州で得た感覚 が、価値を生みました。私も日 米中でデンソー幹部研修の教壇 に立ち、文化を超えた企業人教 育の現場に足を踏み入れました。 そして、昨年末、スイスの仏 語圏・ローザンヌを本拠とする 国際的ビジネススクール、IMD の日本代表に就任しました。年 間100カ国 8,000人の企業幹部 がここで学んでいます。多くの日 本企業もグローバルリーダー教 育で IMD を活用しています。 常勤スタッフ260人のうち日 本人は私だけで、40人の教授陣 も20 以上の国から集まっていま す。共通語は英語で、プロフェッ ショナルで温かみのあるやりとり が交わされます。その輪の中で 仲間と助け合う。メール、電話、 対面、一つひとつが異文化交流 の「本番」です。 IMD が日本企業に貢献できる ことはますます広がるでしょう。 文化、言語、商習慣を超えた事 業展開を担える人材の育成は不 可欠です。色々な場で挑戦を重 ねてきた自分のキャリアを振り 返り、今またある種の異文化教 育に携わっていることに感慨を 覚えます。AFS の1年が拓いた、 私の道なのかも知れません。 原稿執筆中に、東日本を大災 害が襲いました。違いを超えて、 人々が 手 を携えて歩 むことが、 今ほど大 切な時はありません。 異文化交流の 「本番」は続きます。 私も様々な蓄積やご縁を生かし、 貢献していきます。 た か つ なおし 1965 年、愛知県生まれ。早稲田大学高等学院在学中の1983 年にカナダ・ケベッ ク州に AFS 留学。早稲田大学政治経済学部卒業後、1989 年に日本興業銀行に 入行。1993 年にフランスの INSEAD に留学、MBA を取得。その後、ボストン コ ンサルティング グループ、株式会社リクルートを経て、2010 年、スイスに本拠を 持つビジネススクール・IMD の日本代表に。AFS日本協会派遣・受入事業委員。 我が家も ホストファミリー です 8 我が家の次女、 日本語検定1級に合格 ガンの帰国後。本人との約束通り、開封し結果 を電話で知らせました。 「あーよかったー」と、 電話の向こうの声は冷静でしたが、内心はドキド キしていたことでしょう。 ―留学生ヘガンさんからの手紙 宮澤さんファミリー/ 私が日本へ着いたばかりの時には、日 本語があまり上手じゃなかったです。そ れで、友達や家族とあまり話をしません でした。すると、ホストのお母さんが “ヘ ガン!もっとしゃべりなさい。言語は話し ながら習うべきものですよ”とおしゃって くれました。私はその時から、自分の日 本語の実力にかかわらず活発にしゃべり ました。すると、私が間違って言った言 葉をお母さんや、先生、友達が直してく れたり、新しい単語を教えてくれました。 私の周りのみんなが、私の日本語の先生 に変身したのです。私の日本語が次第に 上手になりました。ホストファミリー、そ して福山市立高校、AFS のみなさん!未 熟な私をサポートしてくれてありがとうご ざいます。 広島県福山市 2010 年 3月に韓国から来日した留学生ヘガ ンさんは、日本語検定で見事1級に合格。ホス トファミリー宮澤さんにお話を伺いました。 ―日本語上達のため、どんなサポートをされま したか? ヘガンは常に穏やかで物静かで、何事にも泰 然自若、受験当日も普段と変わらない様子でし た。家族として特別サポートしたことはありませ ヘガン、旅立ちの朝に んが、無口で自分からはあまり話さない子なので、 韓国の文化、家族のこと、好きなアーティスト、 韓流ドラマ、食べ物、学校のことなど、知りたが りの私の好奇心に任せてたくさん質問をしまし た。それが日本語の聞き取り上達の手助けになっ たのではと思います。合格通知が届いたのはヘ (一部抜粋。全文はホームページで紹介しています) ホストスクール 現場の声 帰国後も続く温かい交流 多田聖子先生/徳島市立高等学校 クラスのメンバーみんなで シンガポール生を受け入れ いう授業があったとき、ハイトンさんは さんのやりとりは続いており、3月に東 生徒たちが日常的に感じることのでき 図書館で生徒たちに英語で説明を受け 日本大震災が起こったときも、大丈夫か る国際理解教育という観点から、昨年 ながら一生懸命取り組み、きれいな日本 と尋ねるメールがきたようです。交流を シンガポールの留学生ハイトンさんを3 語の文字でこのプロジェクトを仕上げま 通じて、 「世界はひとつ」ということを生 週間受け入れました(JENESYS 短期プロ した。このことは生徒たちにとって大き 徒たちは実感しています。 グラム) 。彼女は期末考査の英語と化学 な刺激となったようです。さらに古典の で高得点を獲得したり、慣れない自転 先生がこの内容を生徒全員分、印刷・製 車で通学したりと奮闘しながら、日々の 本してくださり、ハイトンさんにとっても 生活を楽しんでいました。自分の名前と 生徒にとっても大切な一冊となりました。 校章が刺繍された体操服は、とても思 い出となるお土産となったようです。 留学生ハイトン さんと多田先生 「世界はひとつ」と実感 生徒には日頃から英語を使ってコミュ 和歌のプロジェクトに挑戦 ニケーションを図ることの楽しさ、人と 古典で「自分の好きな和歌について調 関わることの喜びを感じてほしいと思っ べ、その理由も含めて感想文を書く」と ています。帰国後も生徒たちとハイトン 職員室にて AFS NEWS 2011 Summer | 09 募金活動 募金活動・奨学金 ∼ AFS 支援の動き∼ (1)明治乳業−ブルガリア奨学金 明治乳 業 ( 株 ) のご支 援により 2009 年と 2010 年 に短期日本語研修プログラムに参加した奨学生 8 名 と彼らのブルガリアでの在籍校 3 校の校長先生が、 在ブルガリア日本大使 館 伊藤 誠 大使 公邸に招か れ、2 月 26 日に懇親会が実施されました。大使夫妻 の温かいおもてなしを頂き、奨学生達は日本での体 験や、帰国後も続いているホストファミリーとの交流、 在学校での日本文化紹介の取り組み等を披露しまし た。伊藤大使は彼らの溢れるエネルギーと心温まる 交流に感激され、これからも応援しサポートしますと いう心強い激励の言葉をくださいました。奨学生の 在籍校の一つである、ソフィア市の貿易・金融高校 には日本語の授業はありませんが、帰国した奨学生 達が、クラスや文化祭などを通じて日本での体験を 紹介しており、学内生徒の日本への興味が高まって いることから、日本語授業の導入の検討が始められ ています。日本とブルガリア国交樹立 90 周年及び国 交回復 50 周年記念行事の一環として、両国の文化 交流および関係強化を願い設立された奨学金。奨学 生達は、帰国後も両国間の架け橋となり強い絆を育 んでいます。明治乳業からは 2011 年も支援が継 続 され、6 月には 4 名が来日します。 前列:伊藤大使と校長先生 後列中央:大使夫人 (2)ロイヤルホールディングス(株)からのご支援 ロイヤルホールディングス(株) から、AFS のホストファミリーとボ ランティアの支援のためにと、ロイ ヤルホストで の 食事 割引券 1500 枚が提供されました。2010 年 12 月に日本に滞在していた留学生の ホストファミリー、支 部 のボラン ティア、学生ボランティアに配布さ れました。 帰国前のスリランカからの 留学 生。日本で 大 好 きに なったドリアを食べて、帰 途につきました。 (3)新進からのご支援 1 月 22 日に群馬支部で開催された年間受入留学生の送 別会及び派遣生帰国報告会に、 (株)新進からお漬物と福 神漬、煮豆が提供されました。新進からは「日本の食文化 の代表の 1 つともいえるお漬物を、海外からの留学生に紹 介したい。喜んで食べてもらえると嬉しいです。また、ホス トファミリーへの支援にもなれば幸いです。」とメッセージを いただきました。2009 年 7 月から支援が継続されています。 インドネシアからの留学生シファと豊政 ファミリー。広島空港のロイヤルホスト で食事を楽しみました。 (4)サッポロビールからのご支援 JENESYS 短 期プログラムに参 加し 北 海 道 内 に滞在した東アジアからの留学生とホストファミ リー、札幌支部のボランティアが、12 月にサッポ ロビール ( 株 ) のビール博物館の見学をしました。 見学後、サッポロビール ( 株 ) から全員に清涼飲料 水のセットが提供され、嬉しいクリスマスプレゼ ントになりました。 交通機関各社のご協力で、駅頭で年間派遣募集ポスターの掲示が行われています。 《広報・募金・奨学金のお問合せ先》 TEL: 03 - 6206 -1919(募金直通) FAX : 03 - 3507- 4300 Email : fundraising@afs.or.jp 10 | AFS NEWS 2011 Summer AFS 友の会 かわら版 「AFS 友の会」事務局 〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-22-14 7F 公益財団法人 AFS日本協会内 FAX:03-3507-4300 E-mail:tomo@afs.or.jp ● AFS ホームページでは、イベントのお知らせや報告を行っています。ぜひ、ご覧ください。 ● AFS 友の会では、皆さまからの投稿ならびに、友の会を一緒に運営していただける有志を求めています。ご興味のある方は、上記 事務局までご連絡ください。 AFS 友の会新年会開催 ネットワーキング 11 月の集い 経 済 アナリストのロバート・フェルド マンさん ( 70 USA)に「AFS 留学で広がった、わたしの世 界」と題し、お話いただきました。個人として、グ ローバル市民として、プロフェッショナルとしての三 つの世界が広がり、楽しく、意味のある、充実した 人生となった、と感慨を込めて語られました。今回 は留学生とホストファミリー、支部の方々を含む約 50 名が参加し、講演後のパーティではフェルドマ ンさんを囲んで話が尽きませんでした。 ロバート・フェルドマンさん 帰国直前 留学生ホストファミリー 新年会が開かれました。ゲストスピーカーには認定 NPO 法人「国境なき子どもたち」の寺田朗子会長を お迎えし、カンボジア、フィリピンのストリートチル ドレンの現状と、その子どもたちに手を差し伸べる NPO の活動についてお話いただきました。子ども たちの自立と夢に向けて長年にわたる地道な努力を 重ねてこられた寺田さんにあたたかい拍手が送られ ました。 寺田朗子さん AFS キャリアセミナーに協力 降雪地方で一年を過ごした留学生が帰国する際、 雪による交通機関の遅延などに備え、東京周辺に 滞在するプログラムが5年目を迎えました。今年も 18 名の AFS 友の会会員がホストファミリーとなり、 日本での最後の思い出作りを手伝ってくださいまし た。毎年お引受くださるリピーターのご家族も多く なりました。 ネットワーキングの集い、新年会のレポートは AFS ホームページ Home →イベント&ニュース→AFS友の会レポート でご覧いただけます。 2 月 6 日(日)、東京オペラシティタワー 54 階「東 天紅」で高校生を含む約 100 名が参加し、恒例の WWW 昨年に引き続き学生部と協力し「AFS キャリアセ ミナー」 (2 月 19 日)を開催しました。AFS 友の会 からはマスコミ、出版、IT の各業界で活躍する運 営委員3名が講師として参加し、学生たちと熱のこ もった交流が見られました。 友の会情報を メール配信いたします! tomo@afs.or.jp までご氏名、AFS との関係をご連 絡ください。毎回友 の会イベントのお知らせをメール配信 いたします。 AFS NEWS 2011 Summer | 11
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