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Mule のこれだけは!
∼ Shigetoshi Yazaki ∼
はじめに
このガイドでは, 画面上で編集ができる mule と呼ばれるエディタのこれだけは知っておきた
い!ことを解説する. 一言でいうと mule とは, ワークステーション上でのエディタである (パソ
コン (MS-DOS) 上でのエディタは Vz-Editor や Mifes が有名). そして , 便利である. 文書の編
集作業はもとより, 電子メールのやりとりも出来てしまう. ここでは, これだけできれば , 当面は
大丈夫だということのみを列記した. 導入用に書いたものなので, 不完全なガイドであり, 説明が
不備な用語が出てくると思う. しかしまずは, 動かしてみることが大事. 更なるステップアップは
x6 の参考文献を参照されたい3 .
目次
x1
Mule の起動
1
x2 キー操作
x2.1 とにかく終了 : : : :
x2.2 カーソルの移動 : : :
x2.3 文字・行の消去 : : :
x2.4 カーソルの大きな移動
x2.5 ファイルの入出力 : :
x2.6 検索・置換 : : : : : :
2
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
2
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
2
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
3
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
3
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
3
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
4
x3 日本語変換
4
x4 画面の分割
4
x5 電子メール
x5.1 Mule でメールの送信 (mail) : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
x5.2 Mule でメールの受信 (rmail) : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
5
x6 参考文献
7
x1
5
6
Mule の起動
編集したいファイル名が test としたら, 次のように入力すればよい.
% mule test &
もし最後の「 & 」(アンパーサンド ) を打たないと, バック・グラウンド での実行モード
にならず , 他のコマンドが入力できなくなる. こうした場合は , 次のような操作をすれ
3 このガイドは , 平成 8 年度夏学期「非線形数理学 II・演習 (基礎科 3 年・山田道夫教官) 」, 平成 9 年度夏
学期「計算数理特別演習 (数学科 3 年・山田道夫教官) 」及び , 平成 9 年度冬学期「総合科目・数理科学 III(文
系・北田均教官) 」の補助資料として作成した (1996.5.23/1997.5.16/1997.10.29 矢崎成俊@東大数理).
Shigetoshi Yazaki 1996
c .
1
x2
キー操作
2
ばよい.
% Ctrl + z
これは, コントロール・キー Ctrl を 押しながら z キーを押すという意味である (こ
の作業は, unix の他のコマンドに対しても適用できる). 以降, 同様に表記していく. す
ると,
Suspended
もしくは, 機種によっては,
Stopped
と表示される. 次に,
% bg
と打てば , mule はバック・グラウンド ・モードになり,
[1] mule test &
などと表示され , もとのプロンプト「 % 」が復活するであろう.
また, 新たにウィンド ウを立ち上げたくないときには,
% mule -nw test
とする (No
x2
Window).
キー操作
この節では , 編集するうえで必要な操作を述べる.
x2.1
とにかく終了
Ctrl + a は , コントロール・キー Ctrl を 押しながら a キーを押すという意
味である.
Ctrl + a , Ctrl + b は , コントロール・キー Ctrl を 押しながら a キーを押
し , 続けて Ctrl を 押しながら b キーを押すという作業を表すものとする.
Ctrl + g
コマンド の終了. 助けて∼! というときに押す.
Ctrl + x , Ctrl + c
mule の終了.
x2.2
カーソルの移動
Ctrl + f
カーソルを1文字分右へ移動 (Forward).
Ctrl + b
カーソルを1文字分左へ移動 (Backward).
Ctrl + p
カーソルを1文字分上へ移動 (Previous).
Ctrl + n
カーソルを1文字分下へ移動 (Next).
x2
キー操作
3
Ctrl + a
カーソルを行頭へ移動 (Ahead).
Ctrl + e
カーソルを行末へ移動 (End).
x2.3
文字・行の消去
Ctrl + d
カーソルのある文字を消去.
DEL
デ ィリート・キーを押す. カーソルの直前の文字を消去.
Ctrl + k
カーソルのある文字から行末までを消去して記憶.
Ctrl + SPACE
変換領域の先頭マーク.
Ctrl + w
先頭マークからカーソル位置まで削除して記憶.
Ctrl + y
消去や削除した記憶をカーソル位置に復活.
x2.4
カーソルの大きな移動
Ctrl + a は , コントロール・キー Ctrl を 押しながら a キーを押すという意
味であった.
ESC , b は , エスケープ・キー ESC を 押して離して b キーを押すという作業
を表す.
エスケープ・キー ESC を押すと, 一番下の画面に,
ESCと表示されるので, 続けて目標のキーを押す.
Ctrl + v
次のページへ移動.
ESC , v
前のページへ移動.
ESC , >
ファイルの最後へ移動2 .
ESC , <
ファイルの先頭へ移動3 .
x2.5
ファイルの入出力
Ctrl
+
a は , コントロール・キー Ctrl を 押しながら a キーを押すという意
味であった.
Ctrl + a , b は , コント ロール・キー Ctrl を 押しながら a キーを押し ,
一旦離して b キーを押すという作業を表すものとする.
コントロール・キー Ctrl を 押しながら x キーを押すと, 一番下の画面に,
2 > キーは, シフト・キー Shift を押しながら , 「 > 」のマークのあるキーを押す.
3 < キーは, シフト・キー Shift を押しながら , 「 < 」のマークのあるキーを押す.
x3
日本語変換
4
C-xと表示されるので, 続けて目標のキーを押す.
Ctrl + x , Ctrl + f
ファイルの読み込み (open
Ctrl + x , Ctrl + s
ファイルのセーブ
Ctrl + x , Ctrl + w
ファイルを別の名前でセーブ
Ctrl + x , i
カーソル位置へのファイルの挿入 (Insert
Ctrl + x , b
読み込まれている別のファイルに変更 (Buer).
Ctrl + x , k
読み込まれている別のファイルを削除 (Kill
x2.6
(Save buer).
(Write le).
le).
buer).
検索・置換
Ctrl + s
順方向に文字検索.
Ctrl + r
逆方向に文字検索.
ESC , %
文字列の置換4 .
x3
File).
日本語変換
日本語の入力法はいくつかある. 例えば ,
Ctrl + o
と打つと, 「かんな」と呼ばれる日本語入力環境モードになる. もう一度打つと元 (ア
ルファベット・モード ) にもど る.
東大の教育用計算機センターでは ,
Ctrl + n
と打って, 「たまご 」と呼ばれる日本語入力システムに入る.
それぞれ , 詳しい使い方等は x6 の参考文献を参照されたい.
x4
画面の分割
Ctrl + x , 2
画面の2分割.
Ctrl + x , o
別画面へ移動.
Ctrl + x , 1
カーソルのある画面を1画面にする.
Ctrl + x , 0
分割の解除.
4 % キーは, シフト・キー Shift を押しながら , 「 % 」のマークのあるキーを押す.
x5
電子メール
x5
5
電子メール
x5.1
Mule でメールの送信 (mail)
mule の起動後,
Ctrl + x
の後に「 m 」と打ちリターン . もしくは,
ESC , x
と押すと, 一番下の画面に ,
M-x
と表示されるので, 続けて「 mail 」と入力する. すると, 下のような画面になる.
To:
Subject:
--text follows this line-そしたら x2 のキー操作に従い To: のあとには送り先のアドレス Subject: のあとに
はサブ・メッセージを , そして --text follows this line-- の次の行から本文を入
力する.
例えば , 次のようにする.
To: abcdefg@ms.u-tokyo.ac.jp
Subject: test
--text follows this line-This is a pen.
mule するぞ。mule するぞ。mule するぞ。mule するぞ。
では、また。
本文を入力したあと,
Ctrl + c , Ctrl + w
と打つと, .signature ファイルに書いてある内容が本文のあとに挿入される. 例えば ,
私の今の .signature ファイルの中身は ,
x5
電子メール
6
矢 崎 成 俊 (YAZAKI Shigetoshi)
東京大学大学院数理科学研究科 博士課程○年
Department of Mathematical Sciences,
The University of Tokyo,
3-8-1 KOMABA, TOKYO, 153 JAPAN
E-mail: yazaki@ms326yzk.ms.u-tokyo.ac.jp
Phone : 03-5465-7079 (326), 5465-7038 (402)
です. と , 書きましたが , これは , 長すぎて良くない例. もっと簡潔に2∼5行位におさ
めるのが好ましい. 本文より長い .signature ファイルはヒンシュクです. ともかく
.signature ファイルがなくとも,
Ctrl + c , Ctrl + c
と打ってメールの送信が完了し , メール・モードから抜ける. 送信後, 画面の下に,
Sending...done
と出たら
OK
である.
ここで ,
Ctrl + c , Ctrl + s
と入力したら, メールを送信するのみとなる. メール・モードからは抜けない.
x5.2
Mule でメールの受信 (rmail)
mule の起動後, ESC , x と押すと, 一番下の画面に ,
M-x
と表示されるので, 続けて「 rm 」もしくは, 「 rmail 」と入力すればよい. すると, rmail
モードになる.
x5.2.1
Rmail のコマンド
rmail モードにおいては, 次のコマンドが使える.
n
1つ次のメールを表示.
p
1つ前のメールを表示.
j
最初のメールを表示.
>
最後のメールを表示.
SPACE
次のページを表示.
DEL
前のページを表示.
.
メールの先頭にジャンプ .
x6
参考文献
h
7
今までのメールのリストの表示.
r
見ているメールに返事をだす.
Ctrl + c , Ctrl + y
返事をだすときに相手のメールを取り込む.
f
メールを転送する.
o
メールをファイルにセーブする.
i
o でセーブしたファイルを読む.
d
メールの消去.
u
消去の取消.
q
rmail モードから抜ける.
x6
参考文献
入門
大木敦雄(アスキー)1800 円
{
Mule
UNIX
日本語環境
松田晃一, 暦本純一 [共著] (アスキー)2200 円
{
利用の手引∼増補改訂版
東京大学教育用計算機センター ( 1996 年 4 月)非売品
{