Provocative thought ~ PwC Australia日本語ニ ュ ー ス レター ~ オ ー ス トラ リ ア 連邦政府予算案分析 1. 2016/17年度連邦政府予算案 連邦政府予算案(以下、「予算案」)発表前か ら 議論され て い た 世界経済の 見通しや そ の 不安定さに も関わ ら ず 、政府は 2017/18 年度以降の 年率 3%と い っ た 健全な経済成長率や 、安全圏であ る 年率 5.5%の 失業率、そ して イン フ レ 率に お い て は オ ー ス トラ リ ア 準備銀行の ター ゲ ッ ト内に て 管理でき る と 言っ た 、非常に 安定した 経済見込み を 行っ て い る 。 今回の 2016/17 年度予算案では 複数の 大幅な税制改正が 発表され た が 、期待され た よ う な包括的な改革ま でに は 至 っ て い ない 。法人税減税は 盛り 込ま れ た が 、よ り 安定した 税制と 、成長や 投資、イン セ ン テ ィブ を 妨げ ない 幅広い 構造改 革が 必要であ る 。 本予算案では 、多国籍企業と い っ た 大企業に 対し様々な税制上の 高潔性を 高め る こ と を 目的と した 措置が 発表され て い る 。オ ー ス トラ リ ア は 外国資本に 大き く依存して い る こ と か ら 、継続して 投資を 呼び 込み ビ ジネ ス を 行う 為に 魅力の あ る 場所と して 競争力の あ る 税制が 必要と なっ て い る 。一方で、他の 国々と の 関係構築も必要であ り 、透明性の あ る 措置 を 公約す る こ と で 、オ ー ス トラ リ ア に お い て は 平等な税負担が さ れ て い ない と い っ た 誤解が 抱か れ ない よ う に 取り 組む 必要が あ る 。 ス ー パ ー ア ニ ュ エ ー ショ ン (退職年金基金)に 関して 大幅な税制改正が 発表され て お り 、高額所得者を 対象と して い る 。 2. 法人税 法人税率引き下げ へ の 道の り 連邦政府は 今後 10 年か け て す べ て の 会社に 対す る 法人税率を 25%ま で引き下げ る 方針を 示し、経済界は こ れ を 歓 迎す る 意向であ る 。現行の 小規模事業者(広義に は 年間合計売上高 2 百万ドル 未満の 事業者)に 対す る 法人税率は 28.5%であ り 、そ れ 以外の す べ て の 会社では 30%が 適用され て い る 。 以下の 表の と お り 、ま ず は 今後 7 年間で売上高を 基準と す る 対象範囲を 拡大させ なが ら 、す べ て の 会社に 対す る 法人 税率を 30%か ら 27.5%ま で段階的に 引き下げ る こ と に なる 。 事業年度 年間合計売上高の 上限(単位:百万豪ドル ) 2016/17 10 百万ドル 2017/18 25 百万ドル 2018/19 50 百万ドル 2019/20 100 百万ドル 2020/21 250 百万ドル 2021/22 500 百万ドル 2022/23 1,000 百万ドル 2023/24 上限なし Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 1 2024/25 年度に は 法人税率は 27%に なり 、そ の 後も毎年 1%ず つ 引き下げ ら れ 、2026/27 年度に は 最終的に 25%の 税率と なる 。フ ラ ン キ ン グ ク レ ジッ トは 配当を 行う 会社に 適用され る 法人税率に 従っ て 株主へ 分配す る こ と が できる 。 こ の 法人税率の 引き下げ は 税務上の 居住者、非居住者を 問わ ず す べ て の 会社に 適用され 、ま た パ ブ リ ッ ク トレ ー デ ィン グ トラ ス トや リ ミテ ッ ドパ ー トナ ー シッ プ など の よ う な納税義務を 負う そ の 他の 事業体に も適用され る 予定であ る 。 合計売上高テ ス トに お い て は 関連当事者(居住者及び 非居住者)か ら の 売上も含ま れ る こ と に なる 。ま た 、日系企業の オ ー ス トラ リ ア 子会社は 軽減税率を 適用す る 際の 適格性の 判断に あ た り 、海外親会社の 売上も考慮す る 必要性が 生じ る。 連結納税 こ の 3 年の 間、事業体の 買収又は 売却等行う 際、現行の 法律の み なら ず 2013 年 5 月 14 日に 発表され た 控除可能債 務(‘deductible liabilities’)改正法案も考慮しなが ら 、連結納税の 効果を 検討す る 必要が あ っ た 。 今年度の 予算案に お い て 発表され た 新ル ー ル は 、2013 年 5 月 14 日に 遡及して 適用され ず 、2016 年 7 月 1 日以降か ら 適用され る た め 、本改正法案に よ る 影響は あ る 程度緩和され る 。 新た な改正法案では 、連結納税グ ル ー プ の 親会社は 、新規加入企業が 有す る 控除可能債務に 対して 課税所得を 計上 す る 必要が なくなっ た 。そ の 代わ り に 、加入企業の 配賦可能原価(allocable cost amount (ACA))の 算定に お い て 控除 可能債務は 除外され る 。そ の 結果と して 、加入企業の 資産の 税務簿価は 小さくなり 、将来減価償却費と して 損金算入で きる 金額も少なくなる 。こ の 新た なル ー ル は 過去提出され た 予算案と 比べ て 、よ り 簡素化され た もの に なる と 本年度予 算案の 中で公約され て い る 。 連結グ ル ー プ へ の 加入、離脱か ら 生じる 繰延税金負債の 現行の 取り 扱い は 、複雑な計算を 要す る 上に 予期して い なか っ た 結果を 生じさせ る 可能性が あ っ た 。今年度の 予算案では 、改正法案が 国会を 通過した 以降に 生じた 取引に お い て 、 加入、離脱に 関す る 配賦可能原価(ACA)の 計算か ら 繰延税金負債が 除外され る こ と が 発表され て い る 。こ の 変更は 加 入、離脱プ ロ セス に お け る 複雑さを 軽減させ る こ と に なる 。 2014/2015 年度の 予算案の 中に 証券化資産に 関連す る 会計上の 債務に 適用され る 改正法案が 含ま れ て い た 。こ れ は 会計上の 債務が 存在す る 一方で、税務上の 資産が 認識され ない こ と か ら 、連結納税グ ル ー プ もしくは MEC グ ル ー プ (Multiple Entry Consolidated Group)へ の 加入、又は 離脱時に 予期して い ない 結果が 伴う 可能性が あ っ た 。当初の 改正 案は 、2014 年 5 月 13 日オ ー ス トラ リ ア 東部標準時午後 7 時 30 分以降生じる 取り 決め に お い て 、か つ 、グ ル ー プ の 構 成企業が 認可を 受け た 預金取扱金融機関(authorised deposit taking institution (ADI))又は 金融企業であ っ た 場合に の み 適用され る こ と に なっ て い た 。2016/2017 年度の 予算案では 、こ の 証券化資産に 関す る 法案の 適用範囲を 非金融 機関に も拡大し、2016 年 5 月 3 日オ ー ス トラ リ ア 東部標準時午後 7 時 30 分以降生じる 取り 決め か ら 適用され る こ と に なる 。 上記以外で過去の 予算案で発表され た い くつ か の 重要な連結納税に 関す る 改正案は 、現時点では ま だ 施行され て い ない 。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 2 3. グ ロ ー バ ル タッ ク ス 多国籍企業に よ る オ ー ス トラ リ ア での 納税は 継続して 関心の 高い 問題であ る 。今年度予算案の 一部に 盛り 込ま れ た 内 容は 、オ ー ス トラ リ ア 国内お よ び グ ロ ー バ ル でも認識され て い る 、多国籍企業に よ る 「税源浸食と 利益移転(BEPS)」を 対象と した 近年の 傾向か ら 大きく変わ り は ない 。日本の グ ロ ー バ ル 企業の み が 対象と され て い る 状況では ない が 、オ ー ス トラ リ ア に 投資す る 日本企業は 、こ れ ら の ル ー ル を しっ か り と 考慮す る 必要が あ る 。 迂回利益税(Diverted Profits Tax) 政府は 、2017 年 7 月 1 日以降開始す る 事業年度よ り 、40%の 迂回利益税(DPT)を 適用す る と 発表した 。こ の 税制は 、 ATO に 強力な権利を 与え 、多国籍企業が オ ー ス トラ リ ア で獲得した 利益に 対して 適切な納税が 行わ れ て い る か を 確認 し、ATO に 協力的では ない 納税者の 取り 締り を 強化す る こ と を 目的に 、ATO に よ り 強力な権限を 与え る こ と を 意図して い る 。DPT は 、2015 年 4 月 1 日か ら 英国で適用され て い る 、不十分な経済実態(insufficient economic substance)と い う 概念を ベ ー ス に して い る 。尚、政府は 2016 年 6 月 17 日ま でに 審議す べ く、DPT に 関す る 20 ペ ー ジに わ た る コ ン サ ル テ ー ショ ン ペ ー パ ー を 提出して い る 。 主な特徴 オ ー ス トラ リ ア の DPT に お い て は 以下が 提案され て い る 。 ・ 2017 年 7 月 1 日以降の 開始事業年度よ り 、関連取引の 発生タイ ミン グ を 問わ ず 適用と す る 。 ・ グ ル ー プ 収益が 10 億ドル 以上の 多国籍企業の み の 適用と し、オ ー ス トラ リ ア での 収益が 25 百万円未満と なる 比 較的小規模の 事業活動が オ ー ス トラ リ ア で行わ れ て い る 場合に は 対象外と され る 予定。 ・ 不十分な経済実態の 関連会社間取引に よ っ て 、利益に 対し 20%以上の 税金を 減額した 場合に は 、当該関連会社 間取引に て 海外へ 移転され た 利益に 対し 40%の 罰則金が 課され る 。 ・ ATO に 提供され た 情報を 基に 、減税を 目的と して 行わ れ た 取引であ る こ と が 合理的に 判断され た 場合に 適用され る。 ・ 関連会社間取引が 人為的ま た は 不自然であ る と 判断され る 場合、迂回利益を 分析し対応策を 構築す る 権限を ATO へ 付与す る 。 ・ DPT は 前払い 制と し、当該迂回利益の 指摘に 対して 正当な処理と 判断され た 場合に の み 、当該 DPT の 見直しが 可能と なる 。 ・ DPT の 適用対象外と なる こ と を ATO へ 証明す る 為の オ フ ショ ア 関連会社間取引に つ い て 、タイム リ ー 且つ 十分な 情報開示の 責任を 納税者に 課す もの と す る 。 ・ 自己申告制を 採用して い る 所得税と は 異なり 、DPT は ATO に 指摘を 受け た 場合に の み 発生す る 。 DPT 対象取引 今年度予算案に て 提案され た DPT ル ー ル は 、英国で適用され て い る 「不十分な経済実態」の 概念を 基本と して お り 、 当該 DPT の 対象と なる 可能性が あ る 場合に は 、以下の 2 つ の 条件が 重要と なる 。 ・ 当該取引に お い て 実効税額の ミス マ ッ チ が 生じて い る か ・ 当該取引は 、不十分な経済実態を 伴っ て い る か Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 3 実効税額の ミス マ ッ チ 実効税額の ミス マ ッ チ は 、オ ー ス トラ リ ア の 納税者(A 社)が 関係会社(B 社)と ク ロ ス ボ ー ダ ー 取引を 行っ た 結果、当該 取引に 起因す る B 社の 税負担が 、A 社の 減税額に 対しそ の 80%を 下回る 場合に 発生す る 。 実効税額の ミス マ ッ チ を 決定す る 際に は 、オ ー ス トラ リ ア お よ び 取引相手国での 当該取引に 関す る 全て の 所得税が 考 慮され る 。こ の 為、日本の 実効税率が 同等もしくは 高い こ と か ら オ ー ス トラ リ ア と 日本の 間での 取引の み を 考慮す る の では なく、日系の 多国籍企業グ ル ー プ に よ る 第三国と の 取引が 発生す る 場合もしくは 、税優遇措置が 実効税率を 引き 下げ る 場合、実効税額の ミス マ ッ チ が 発生す る 可能性が あ る 。 例え ば 、A 社と B 社の 関連会社間取引に よ り A 社が 100 ドル の 税控除を 行う 一方、B 社が 所在す る 国の 法人税率が 低い 為、B 社は 60 ドル しか 税額が 増額しない 状況を 想定した 場合、B 社の 所在国に お け る 税額が 80 ドル 以下と なる 為、実効税額の ミス マ ッ チ が 発生す る こ と に なる 。 不十分な経済実態 経済実態が 不十分か ど う か の 判断は 、当該取引が 減税の た め に 行わ れ た か と い う 点に つ い て 、ATO へ 提供され た 情 報に 基づ き「合理的な判断」の 可否で決定され る 。しか しなが ら 、税金に 関係しない 財務上の 利益が 減税に よ る 利益を 超え る 場合に は 、当該取引は 十分な経済実態が あ る と み なされ る 。 DPT の 算出方法 関連会社間取引に よ り 実効税額の ミス マ ッ チ が 発生し不十分な経済実態が 見受け ら れ る 場合、ATO は DPT の 査定に お い て 、当該迂回利益の 総額に 40%の DPT レ ー トを 乗じて 算出す る 。 控除額が 独立企業間価格の 金額を 超え る 場合、迂回利益は 控除額の 30%と なる 。そ の 他の 場合、迂回利益金額は 、 ATO が 合理的に 算出した 金額を 基準と す る 。 DPT を 計算す る 際、オ ー ス トラ リ ア 国内外で支払っ た 金額は 税額控除され る 、利息が 加算され る 。 プ ロ セス DPT は 所得税と 異なり 自己申告制では なく、ATO の 査定に よ り 課され る 税金であ る 。(遡及期間は 7 年) DPT の 査定に 関して は 、ATO や 納税者側での プ ロ セス に お け る タイ ミン グ に つ い て 複雑なル ー ル が 提案され て い る が 、 税務長官が 利用可能な情報に 基づ き 査定を 行い 、同査定期間の 限ら れ た 時間内に お い て 納税者に 対応を 要請でき る よ う に 設計され て い る 。 納税者は 、ATO に よ る レ ビ ュ ー 期間完了か ら 30 日以内に 控訴す る こ と が 可能。 一方で、ATO レ ビ ュ ー プ ロ セ ス 期間に お い て は 、納税者は ATO の 見解に 沿っ た 移転価格の 結果を 反映させ る 形での 修正申告を 行う こ と が できる 。当該調整額は DPT 率の 40%では なく、30%に て 課税され る 。(罰則金が 課され る 可能 性が あ る ) そ れ 以外の コ メン ト 残念なこ と に 、連邦政府は BEPS 提言と 整合しない 新た な税制を 導入し、経済協力開発機構(OECD)や G20 の BEPS 行動計画か ら 逸脱して しま っ て い る 。提案され た DPT の 中身は 移転価格の 調整であ り 、ATO は 関連当事者間取引を 利用して 適切な課税所得の 報告を 行っ て い ない オ ー ス トラ リ ア 納税者を 念頭に 置い て い る 。DPT は 、既存の 移転価格 お よ び 一般租税回避防止ル ー ル で許可され て い ない 状況の 中で、ア レ ン ジメン トを 再構築す る こ と を 税務長官に 許可し よ う と 模索して お り 、そ して BEPS 行動計画 8, 9, 10 に 関連す る 推奨の 範囲を 超え て い る 。 こ の 税制に 関して は 、ま だ 多くの 部分が 明確に なっ て い ない 。例え ば 、コ ン サ ル テ ー ショ ン ペ ー パ ー では DPT と オ ー ス ト ラ リ ア の 租税条約義務を ど の よ う に 調整す る か に 関し、DPT の 支払義務及び 支払金額が 外国管轄の 税務当局へ の 納 税に よ っ て 免除さ れ ない だ ろう と 言う こ と 以外、ま っ た く 記述が さ れ て い ない 。こ れ は オ ー ス トラ リ ア の 既存の 移転価格 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 4 税 制 に 基 づ く ペ ナ ル テ ィ と 同 様 の 扱 い で あ る 。 加 え て 、 DPT が 既 存 の 事 前 確 認 に よ る 合 意 (Advanced Pricing Agreements)に ど の よ う な影響を 与え る の か 理解す る こ と が 重要に なる であ ろう 。 ア ン チ ハ イ ブ リ ッ ド法の 実現 予想され た と お り 、オ ー ス トラ リ ア 政府は ア ン チ ハ イブ リ ッ ドル ー ル を 適用す る こ と を 発表した 。同ル ー ル は 2018 年 1 月 1 日以後ま た は 関連法律が 制定され た 6 ヶ 月後の 支払か ら 適用され る 。 同ア ン チ ハ イ ブ リ ッ ドル ー ル 固有の 複雑性、必要と なる 法律改正を 考慮す る と 即時適用でない の は い い ニ ュ ー ス であ る 。 適用が 将来に なっ た こ と に よ り : ・ 納税者は 既存の ア レ ン ジメン トを 評価した り 、再構築す る 時間を 得る ・ 適用前に 関連す る 法規制が 整備・施行され る こ と に よ り 、状況が よ り 明確に なる ・ オ ー ス トラ リ ア でア ン チ ハ イ ブ リ ッ ドル ー ル を 法律化す る こ と で想定され る 実務上と 相互作用上(例え ば 、過少資本 税制、利子源泉徴収税、移転価格、定義、各税制の 適用順位、連結納税など )の 課題に 対処す る た め の 十分な機 会を 財務省や 利害関係者に 提供す る 。 納税者は こ の 法案で影響を 受け る 既存の ハ イ ブ リ ッ ドア レ ン ジメン トを 自由に リ ス トラ ク チ ャ ー できる よ う に なる と 期待し て い る 。多くの 納税者が 今後ア レ ン ジメン トを 見直す 必要が あ る た め に 重要なこ と だ と 考え て い る 。 オ ー ス トラ リ ア 版ア ン チ ハ イブ リ ッ ドル ー ル は OECD の 推奨に 下記を 含め い くつ か の マ イ ナ ー な修正を 含め て い る 。 ・ 推奨 1(金融商品ル ー ル )は 、ハ イ ブ リ ッ ドミス マ ッ チ が 単に 時期ず れ に す ぎ ない であ る 場合、3 年以内の 金融商品に は 適用され ない 。 ・ イン テ グ リ テ ィ問題が 将来に 発生す る 場合を 除き 、任意推奨 2.2(ハ イブ リ ッ ド移転の もと で外国税額控除を 制限)は 直ち に 実行され ない 。 ・ イン テ グ リ テ ィ問題が 将来に 発生され る 場合を 除き 、任意推奨 5(逆ハ イ ブ リ ッ ドの 税務上の 取扱い に 対して 具体的 な推奨を 含む (例え ば 逆ハ イ ブ リ ッ ドの 元での 利益配当の 根拠を 確証す る CFC ル ー ル の 変更、非居住投資家に 関 す る 税務上の 不透明性及び 申告や 報告義務の 導入))は 直ち に 実行され ない 。 ア レ ン ジメン トが ア ン チ ハ イブ リ ッ ドル ー ル の 影響を 受け る か ど う か の 分析は 、詳細に 外国の 税制を 理解す る 必要が あ る た め に 複雑であ る 。しか しなが ら 、ア ン チ ハ イブ リ ッ ドル ー ル は “イン ポ ー トミス マ ッ チ ル ー ル ”の 導入よ り 更に 複雑性 が 増す こ と に なる 。こ の 規範ル ー ル は 、ア ン チ ハ イ ブ リ ッ ドル ー ル を 導入して い ない 管轄で生じる ハ イ ブ リ ッ ドミス マ ッ チ の 利点を 間接的に シフ トす る の を 防ぐ よ う に デ 設計され て い る 。 イン ポ ー トミス マ ッ チ ル ー ル は 融資と 非融資の 両方の 支払い に 対して 適用され る 為、幅広い 影響を 及ぼ す (例: 利息、 ロ イヤ リ テ ィ、賃借料や サ ー ビ ス へ の 支払を 含む 広範囲の 支払が 税務控除され ない 可能性が あ る )。グ ル ー プ 内の サ プ ラ イチ ェ ー ン お よ び 非金融取引に よ っ て 資金調達され る ハ イ ブ リ ッ トア レ ン ジメン トは 、イン ポ ー トミス マ ッ チ ル ー ル に よ っ て 影響を 受け る 可能性が あ る 。 イン ポ ー トミス マ ッ チ ル ー ル に 関連して 避け る こ と が できない 実務上困難な問題が 多くあ る 。特に 、 ・ グ ロ ー バ ル グ ル ー プ 内の 事業体(複数あ る い は 無制限あ る 可能性有り )に お け る 資金の 流れ を 把握す る こ と 、及び こ の ル ー ル を 実行して い る 管轄全域で控除否認を 分配す る 必要が あ る 。 ・ 納税者の オ ー ス トラ リ ア の オ ペ レ ー ショ ン に 直接関係の ない 支払い の オ ー ス トラ リ ア 国外での 税務取扱い を 理解す る 必要性、及び オ ー ス トラ リ ア に お け る 税務取り 扱い に 影響を 与え る 外国の 法域に お け る 法改正を 把握して お く必 要が あ る 。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 5 税務当局(ATO を 含む )は 何層に もなる 事業体の 個々の 税務上の 取扱い を 完全に 理解す る こ と が 必要であ る (オ ー ス ト ラ リ ア の 収益の 観点か ら 影響が ない 場合でも)。 オ ー ス トラ リ ア 政府は 、政策目標を 逸脱して 不用意に そ の 範囲を 拡張す る こ と なく、意図す る ア レ ン ジメン トを ター ゲ ッ ト と す る 法律を 草案す る の は と て も難しい 。 最後に 、当レ ポ ー トで税制委員会に よ っ て 指摘され て い る 複雑性と ル ー ル 間の 相互作用を 考慮し、政府は 規制上の 自 己資本に 関連して 生じる 税務上の 損金算入/適格可能性(frankable)ハ イ ブ リ ッ ドミス マ ッ チ に 対処す る 最善の 方法を 検 討す る た め に 、見直しに 着手す る よ う 税制委員会に 求め て い る (Term of reference を 参照)。税制委員会は 、利害関係 者と 協議を 行い 、2016 年 7 月ま でに 政府に 報告す る よ う に 求め ら れ る 。こ の 日程は ア ン チ ハ イブ リ ッ ドル ー ル の 適用開 始日に 沿っ て い る 。 過少資本税制の 制限の 変更 事前の 憶測に 関わ ら ず 、過少資本税制の 変更は 今回の 予算案で発表され なか っ た 。 新しい OECD 移転価格ガ イダ ン ス の 採用 連邦政府は 2015 年 OECD が 公表した 改定移転価格ガ イダ ン ス の 採用を 提案して い る 。こ れ に よ り オ ー ス トラ リ ア 納税 者は オ ー ス トラ リ ア の 移転価格ル ー ル に 準拠す る か ど う か 検証す る 際、新 OECD 移転価格ガ イダ ン ス の 内容を 考慮す る 必要が あ る 。 2015 年に OECD が 公表した 変更は 法形式よ り も、経済実態に よ り 焦点を 当て て い る 。2015 年ガ イダ ン ス に あ る 具体的 な変更点は 次の と お り であ る 。 ・ 関連当事者間の リ ス ク 配分を 分析す る た め の フ レ ー ム ワ ー ク ・ 取引の 再構築ま た は 否認が 適切であ る か に 関す る ガ イダ ン ス ・ 無形資産に 関す る 移転価格上の 考慮事項に 関す る 詳細な新た なガ イダ ン ス ・ コ ス ト拠出ア レ ン ジメン トに 関す る 改訂ガ イダ ン ス (費用分担の 取り 決め と して 知ら れ て い る ) ・ 低付加価値の 関係会社間サ ー ビ ス に 対す る 移転価格ガ イ ダ ン ス (例え ば 、日常的な管理サ ー ビ ス ) 新しい ガ イダ ン ス が オ ー ス トラ リ ア の 法律に 組み 込ま れ る と 、移転価格ペ ナ ル テ ィを 課せ ら れ ない よ う 納税者は 移転価 格文書が 文書化基準を 満た す よ う ガ イダ ン ス を きち ん と カ バ ー して い る か ど う か 確認す る 必要が 出て くる 。 4. 税の 透明性 過度の タッ ク ス ア レン ジメン トの 情報開示の 義務化 政府は 経済協力開発機構(OECD)に よ る 情報開示の 義務化の 提言に 関して 、デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ・ペ ー パ ー を 発行した 。 そ れ に よ る と 、税務ア ドバ イ ザ ー ま た は 納税者は 過度の タッ ク ス ア レ ン ジメン トに つ い て 早期の 情報開示(通常は 所得 税申告書の 提出前)を 義務づ け ら れ 、税務当局が 、所得税シス テ ム の 規範を 損なう お そ れ の あ る ア レ ン ジメン トの 情報 を 、タイ ム リ ー に 得る こ と が 可能に なる と され て い る 。 自主的な税務情報開示の 規則 2016 年 2 月に 、税制委員会は 、自主的な税務情報開示の 規則(Voluntary Tax Transparency Code, "TTC")に 関す る 報告書を 政府に 提出した 。2015/16 年度予算案に お い て 、政府は TTC を 税務上の コ ン プ ラ イア ン ス を よ り 強力に 推進 す る た め の 重要な要素と 位置付け て お り 、す べ て の 企業が 2016 事業年度以降 TTC を 採用す る こ と を 奨励して い る 。 委員会が 作成した TTC の 素案は 、企業が 自主的に 税務情報を 開示す る た め の 原則と 「最低限の 基準」か ら 成る もの Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 6 であ る 。委員会は 、コ ー ポ レ ー ト・ガ バ ナ ン ス の 慣行の 変化、法的お よ び 商業環境の 変化、並び に グ ロ ー バ ル な税の 透 明性の 発展など に 応じて 、TTC が 進化して い くこ と を 期待して い る 。 TTC は パ ー ト A と パ ー ト B の 2 部構成と なり 、大規模企業(「TTC 上の オ ー ス トラ リ ア に お け る 売上高」が 5 億ドル 以 上の ビ ジネ ス )に は 両方の 採用を 推奨す る と しなが ら 、中規模企業(TTC 上の オ ー ス トラ リ ア に お け る 売上高が 1 億ド ル 以上 5 億ドル 未満の ビ ジネ ス )に は パ ー ト A の み を 採用す る こ と を 推奨して い る 。 パ ー ト A では 、最低限下記の 情報を 開示す る よ う 企業に 求め て い る 。 会計上の 利益と 税金費用の 調整、及び 納付済法人税ま た は 未払法人税と の 調整 重要な一時差異お よ び 永久差異 オ ー ス トラ リ ア 及び 全世界の 活動に 関す る 実効税率(オ ー ス トラ リ ア 会計基準審議会(AASB)の ガ イダ ン ス に 基づ くもの ) パ ー ト B では 、最低限下記の 情報を 開示す る よ う 企業に 求め て い る 。 税務戦略と ガ バ ナ ン ス へ の ア プ ロ ー チ 納付済法人税の 税貢献概要 国際的な関連当事者と の 取引に 関す る 情報 一部の 大企業は す でに 公に こ の 種の 情報を 報告して い る (例え ば 、採掘産業透明性イ ニ シア テ ィブ 報告書ま た は 欧州 連合税指令報告書)。しか し、そ の 他の 企業では 税務情報の 一般へ の 公開内容及び コ ン プ ラ イア ン ス コ ス トが 大幅に 増 加す る こ と に なる 。報告書で述べ ら れ た 通り 、TTC は 自主的情報開示の 最低限の 基準であ り 、追加的な情報の 開示を 選択す る 企業が 現れ る こ と も期待され て い る 。 報告書では 、誤っ た TTC 情報の 開示に 関す る 監視ル ー ル や 罰則を 追加す る こ と は 推奨して い ない 。しか し、委員会が こ の 結論に 至っ た の は 、オ ー ス トラ リ ア の 会社法の 制裁措置の よ う に 、誤っ た 情報の 開示に 関す る 既存の 法的規制が あ る こ と を 考慮した た め であ る 。TTC に お い て 、企業は TTC レ ポ ー トを 一般に 公開し(例え ば 会社の ウ ェ ブ サ イト上で の 公開など に よ り )、ま た そ の リ ン ク を ATO に 提供す る こ と に よ り 、一般公開され た TTC レ ポ ー トを ATO ウ ェ ブ サ イト上 で閲覧す る こ と も可能に なる 。オ ー ス トラ リ ア 会計基準審議会(AASB)に 期待され る 役割と して は 、企業が TTC で必要 と され る 基準を 満た す た め の ガ イダ ン ス 資料を 作成す る こ と 、一貫性を 確保す る た め 「実効税率」の 用語定義を 確立す る こ と 、評価替・減損・為替換算等に つ い て の 議論を 喚起す る こ と 、など が あ げ ら れ る 。 委員会は 報告書の 結び と して 「TTC は 他国の 税の 透明性に 関す る 措置に 比べ 、よ り 高度でよ り 包括的なもの であ る 。 しか し、TTC は そ の 柔軟性に よ り 企業や 団体か ら の 強い 支持を 受け て お り 、幅広く採用され る こ と が 予想され る 」と 述べ ている。 租税回避行動の 内部告発者の 保護 政府は 、租税回避行動及び そ の 他の 税務問題に 関す る 情報を ATO に 開示した 個人を よ り 適切に 保護す る た め 、新し い 措置を 導入す る 。こ の 新しい 措置は 2018 年 7 月 1 日か ら 実施され 、ATO に 情報を 開示した 個人(従業員・元従業 員・ア ドバ イザ ー を 含む )は 法律に 基づ きよ り 適切に 保護され る 。 情報開示の 要件を満た さない 場合の 罰則を大幅に 強化 ATO に 対す る 情報開示を 行わ なか っ た 場合に 適用され る 最大の 罰則規定に つ い て 、大幅な強化が 提案され た 。こ の 罰則は 「重要なグ ロ ー バ ル 企業」(全世界の 売上高が 10 億ドル 以上)に 適用され る 。新しい 規定では 、情報開示の 義 務を 満た さない 場合の 最大の 罰金は 450,000 ドル と なる(現行の 最大の 罰金は 4,500 ドル )。例と して 、2015 年に 制定 され た 法律に 基づ く国別報告に 関す る 報告要件を 満た さない 企業に 対して も、こ の 罰則が 適用され う る 。 ま た 、ATOに 必要な報告書を 提出しなか っ た 場合の 罰金も倍増され る た め 、不注意な税務処理等を 行う 多国籍企業に 課せ ら れ る 罰金が 増え る こ と に なる 。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 7 5. 個人所得税 個人所得税率 予算案に お い て 、現在問題と なっ て い る ブ ラ ケ ッ トク リ ー プ (名目所得の 増加に よ り 高い 税率が 課さ れ る こ と )に 対応す る た め 、2 番目に 高い 限界税率であ る 37%の 課税所得レ ン ジの 下限を 現行の 80,000 ドル 超か ら 87,000 ドル 超に 引き 上げ る こ と が 提案され た 。政府の 試算に よ る と 、こ の 措置に よ り 約 50 万人の 納税者が 2019/20 年度ま でこ の 課税所得 レ ン ジに 入る こ と を 避け ら れ る と して い る 。 提案され た 2016/17 年度の 税率は 、下記の 通り であ る 。 課税所得レ ン ジ(単位:豪ドル ) 2016/2017 税率 (居住者) 18,200 ドル 以下 2016/2017 税率 (非居住者) 0.0% 32.5% 18,200 ドル 超 37,000 ドル 以下 19.0% 32.5% 37,000 ドル 超 87,000 ドル 以下 32.5% 32.5% 87,000 ドル 超 180,000 ドル 以下 37.0% 37.0% 180,000 ドル 超 45.0% 45.0% 時限的財政再建税(Temporary Budget Repair Levy)の 延長に 関す る 提案は なく、現行通り 2017 年 6 月 30 日ま で適 用され 、そ れ 以降は 廃止され る 見込み であ る 。(時限的財政再建税は 、180,000 ドル を超え る 個人課税所得部分に 対し 2%の 税率で課され る )。 ま た 、業務関連費用の 控除に 関す る 法案に 関して も変更は 提案され て い ない 。 本年度(2015/16 年度)と 2016 年 7 月 1 日か ら 始ま る 年度(2016/17 年度)を 比較した 、居住者の 課税所得レ ン ジ別の 所得税及び 時限的財政再建税は 下記の 通り 。(メデ ィケ ア 税、メデ ィケ ア 税追加賦課金、 低所得税額控除、そ の 他税 額控除は 除く)。 課税所得 (単位:豪ドル ) 2015/16 年度 所得税 (単位:豪ドル ) 2016/17 年度 所得税 (単位:豪ドル ) 時限的財政再建税 (単位:豪ドル ) 両年度同じ 2015/16 年度合計 (単位:豪ドル ) 2016/17 年度 合計 (単位:豪ドル ) 37,000 ドル 3,572 ドル 3,572 ドル 0 ドル 3,572 ドル 3,572 ドル 75,000 ドル 15,922 ドル 15,922 ドル 0 ドル 15,922 ドル 15,922 ドル 100,000 ドル 24,947 ドル 24,632 ドル 0 ドル 24,947 ドル 24,632 ドル 150,000 ドル 43,447 ドル 43,132 ドル 0 ドル 43,447 ドル 43,132 ドル 180,000 ドル 54,547 ドル 54,232 ドル 0 ドル 54,547 ドル 54,232 ドル 200,000 ドル 63,547 ドル 63,232 ドル 400 ドル 63,947 ドル 63,632 ドル 300,000 ドル 108,547 ドル 108,232 ドル 2,400 ドル 110,947 ドル 110,632 ドル 400,000 ドル 153,547 ドル 153,232 ドル 4,400 ドル 157,947 ドル 157,632 ドル メデ ィケ ア メデ ィケ ア 税は 前年度か ら の 変更は 無く、現行レ ー トであ る 課税対象所得額の 2%が 引き続き 適用され る 。 一方、2016/17 年度に お い て 、メデ ィ ケ ア 税が 非課税と なる 低所得者所得基準が 引き 上げ ら れ た 。背景に は 、消費者 物価指数(CPI)の 増加を 相殺し、低所得納税者が メデ ィケ ア 税を 免除され る こ と を 可能に す る 目的が あ る 。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 8 新所得基準は 、下記の 通り であ る : 未婚者の 場合、21,335 ドル (前年度 20,896 ドル ) 既婚者の 場合、36,001 ドル (前年度 35,261 ドル )、扶養され て い る 子供や 学生に つ い て も、一人に つ き 3,306 ドル の 追加(前年度 3,238 ドル ) 未婚高齢者、及び 年金受給者の 場合、33,738 ドル (前年度 33,044 ドル )、高齢者及び 年金受給者の 夫婦の 場合、 合計で 46,966(前年度 46,000 ドル ) 私的健康保険料及び メデ ィケ ア 税追加賦課金(サ ー チ ャ ー ジ)の 取扱い 私的健康保険料割戻率は 毎年 4 月 1 日に 変更され る 。尚、メデ ィケ ア 税追加賦課金の 所得基準の 凍結は 2021 年 6 月 30 日ま での 延長が 提案され た 。 従っ て 、2016年4月1日か ら 2017年3月31日に お け る 私的健康保険料割戻率及び 、適格な私的健康保険に 加入して い ない 個人に 対す る メデ ィケ ア 税追加賦課金に つ い て は 、下記の 通り であ る 。 課税所得 (単位:豪ドル ) 割戻し率 全額受給対象 区分 1 区分 2 区分 3 未婚者 90,000ドル 以下 90,000ドル 超 105,000ドル 以下 105,000ドル 超 140,000ドル 以下 140,000ドル 超 既婚者 180,000ドル 以下 180,000ドル 超 210,000ドル 以下 210,000ドル 超 280,000ドル 以下 280,000ドル 超 65 歳未満 26.791% 17.861% 8.930% 0.00% 65歳以上 31.256% 22.326% 13.395% 0.00% 35.722% 26.791% 17.861% 0.00% 0.00% 1.00% 1.25% 1.50% 69歳以下 70歳以上 メデ ィケ ア 税 追加賦課金 (サ ー チ ャ ー ジ) 全年齢対象 その他 当初の 予想通り 、政府は 賃貸用不動産の 投資に 関す る 「ネ ガ テ ィブ ギ ア リ ン グ 」の 廃止あ る い は 制限に つ い て の 変更を 発表しなか っ た 。 ま た 、2015/16 年度予算案で発表され た 、所謂「バ ッ ク パ ッ カ ー 税」に 関す る 発表も行わ れ なか っ た 。当初の 発表では 、 オ ー ス トラ リ ア に ワ ー キ ン グ ホ リ デ ー と して 来た 人を 滞在期間に 係わ ら ず 税務上の 非居住者と み なす 規定を 2016 年 7 月 1 日よ り 適用す る 予定であ っ た が 、現在更なる 検討の 対象と なっ て い る 。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 9 6. ス ー パ ー ア ニ ュ エ ー ショ ン (退職年金基金) 退職年金基金は 、今年度予算案に お い て 強く焦点が 当て ら れ た 分野であ り 、多くの 変更が 発表され た 。こ れ ら の 変更 に は 、低所得者へ イン セン テ ィブ や 機会を 提供し退職年金貯蓄を 強化す る と い っ た 案が 含ま れ る 一方で、退職年金貯 蓄へ 影響を 及ぼ しう る 内容が 含ま れ て い る 。下記の 案は 、政府の 退職年金基金改革案の 一環と して 退職年金基金シ ス テ ム の 持続性、柔軟性及び 一貫性の 向上を 目的と して 発表され た 。 税制優遇措置適用可能な拠出限度額の 引き下げ 2017 年 7 月 1 日よ り 、税制優遇措置適用可能な拠出限度額、即ち 、税引前所得か ら の 拠出額を 、年間 25,000 ドル に 引き下げ る (現在は 、50 歳未満の 場合、30,000 ドル 、50 歳以上の 場合、35,000 ドル に 設定され て い る )こ と に よ り 、退 職貯蓄を 制限す る と して い る 。 しか し、過年度に 税制優遇措置適用可能な拠出限度額を 超え て い ない 場合に は 、追加拠出の 機会が 与え ら れ る 。 2017 年 7 月 1 日に 施行予定の 本改正案は 、退職年金基金へ の 累積拠出額が 500,000 ドル 未満の 個人に の み 適用さ れ 、適用の 場合に は 税制優遇措置適用可能な拠出限度額ま で未利用拠出額の 繰越が 可能と なる 。こ れ に よ り 、断続 的労働形態の 個人(女性や 介護人等)が 通常労働形態の 個人と 同等に 退職年金基金へ の 累積拠出額を 積み 立て ら れ る よ う に なる こ と が 狙い と され る 。 控除可能な自主的拠出に 関す る 10%ル ー ル の 廃止 2017 年 7 月 1 日よ り 、75 歳ま で自主的拠出に よ る 所得控除が 可能と なる 。こ れ に よ り 、雇用主と サ ラ リ ー ・サ ク リ フ ァ イ ス (税引き前給与か ら の 拠出)の 取り 決め を 行う 必要が 無くなり 、新た な税制優遇措置適用可能な拠出限度額ま での 控 除が 可能と なる 。 Div293 税基準の 引き下げ 2017 年 7 月 1 日よ り 、政府は 、高所得者の 税制優遇適用可能な年金基金拠出額に お い て 15%が 追加的に 課税(一 般的に ”Divison 293 Tax”と 呼ば れ る )され る 基準を 、300,000 ドル か ら 250,000 ドル に 引き下げ る 。 任意(税引後)拠出額 任意拠出額に お い て 、生涯限度額が 設け ら れ る こ と と なっ た 。新た に 設け ら れ た 500,000 ドル の 生涯限度額に つ い て は 直ち に 実施され 、2007 年 7 月 1 日以降に 拠出され た 全て の 任意拠出額に 適用され る 。しか し、2016 年 5 月 3 日午 後 7 時半(当予算案発表日)よ り 前に 行わ れ た 任意拠出は 、限度額を 超え る こ と は できない 。当生涯上限額は 、現在の 任意拠出額年間上限の 180,000 ドル (税制優遇措置適用可能な拠出限度額の 6 倍)、及び 540,000 ドル ま で任意拠出 が 行え る 3 年分一括拠出に 取っ て 代わ る もの であ る 。 拠出対象年齢制限の 引き上げ 2017 年 7 月 1 日よ り 、拠出を 行う た め の ワ ー ク テ ス トの 年齢が 65 歳か ら 74 歳に 引き上げ ら れ る 。こ れ に よ り 、労働形 態に 関わ ら ず 、退職貯蓄を 長期的に 行う 事が 出来る よ う に なる 。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 10 7. 私有事業 本年度予算案の 恩恵を 最も享受す る の が 合計売上高 10 百万ドル 未満の 小規模事業であ る こ と は 明ら か であ る 。しか しなが ら 、売上高 10 百万ドル の 要件は 一般的に 当事会社と (オ ー ス トラ リ ア 及び 海外両方の )関係会社の 売上高合計 に 基づ き判定す る た め 、多くの 日系企業の オ ー ス トラ リ ア 子会社に 対して は 適用され ない もの と 考え ら れ る 。 主な変更内容は 以下の と お り : 上述した 小規模事業に 対す る 法人税率の 段階的な軽減。 非法人小規模事業に 対す る 税率軽減の 拡大。 私有企業み なし配当ル ー ル (Division 7A of the Income tax Assessment Act 1936)の 運用及び 事務管理を 改善す る た め の 修正。 小規模事業に 該当す る 事業売上上限額の 増加 及び 拡大され た 特例。 現行の 資産即時償却法を 含む 簡素化され た 減価償却計算ル ー ル の 利用拡大。 簡素化され た 在庫計算方法。在庫の 価値変動が 5,000 ドル 未満の 場合、年度末の 棚卸を 省略す る 方法を 選択す る こ と が 可能。 税務当局(ATO)の 計算に 基づ い て 予定納税額(PAYG instalments) を 支払う 簡素化され た 支払方法。過大又は 過 少見積に よ り ペ ナ ル テ ィー が 生じる リ ス ク を 防ぐ こ と が 可能。 現金主義で GST を 計上し ATO が 計算した 予定納税額(GST instalments)を 支払う 処理方法の 選択が 可能と なる 。 FBT 免除ル ー ル (FBT 申告年度に 従い 2017 年 4 月 1 日以降適用)など 現在小規模事業に 適用可能なそ の 他の 特例 GST の コ ン プ ラ イア ン ス 費用を 削減す る 簡易版 Business Activity Statements (BAS)の 試験導入(2017 年 7 月 1 日以降の 公表) 8. 金融ア レ ン ジメン トに 関す る 課税制度(TOFA) 政府は 、金融ア レ ン ジメン トに 関す る 課税制度 (TOFA)を 大幅に 改定し、TOFA の 枠組み を 再構築す る こ と に よ っ て 、対 象範囲を 縮小、コ ン プ ラ イア ン ス 費用を 削減し、確実性を 向上させ る と 発表した 。新しい 簡素化され た ル ー ル は 2018 年 1 月 1 日以後開始す る 所得年度か ら 適用と なり 、税制委員会 (The Board of Taxation) と 財務省が TOFA の 枠組み の 完全見直しに 費や した 二年間の 成果を 示す もの と して い る 。 改正案は 4つ の 重要な要素を 含ん でい る : 会計と の つ なが り の 密接化、す なわ ち TOFA ル ー ル での 税務・会計の 既存の 関連性の 強化及び 簡素化 発生主義・実現主義の ル ー ル の 簡素化、TOFA ル ー ル の 対象と なる 納税者の 大幅な減少、TOFA の 下で必要と さ れ る 利益・損失の 見積・繰延処理の 削減、必要な計算の 簡素化 新しい 税務上の ヘ ッ ジ制度に お け る ア ク セス の 簡易化、更に 多様な種類の リ ス ク 管理ア レ ン ジメン ト (資産ポ ー トフ ォ リ オ の リ ス ク 管理を 含む )の 網羅、財務会計へ の 直接的な繋が り の 排除 外国為替での 利益・損失に 対す る 課税制度の 簡素化し、現在の 課税状況を 維持しつ つ 制度を 効率化 政府は 、こ の 改正の 一環と して 、以前発表され た が 未だ 法制化され て い ない 以下の よ う な多くの 改正案を 反映した ポ リ シー を 組み 込む こ と も示唆した : 金融ア レ ン ジメン トに 関す る 課税制度 - 2011/2012 年度予算案で初め て 発表され た 、税務上の ヘ ッ ジ規定の 修正 機能通貨ル ー ル - 2011/2012 年度予算案で初め て 発表され た 、機能通貨を 使用可能な企業の 範囲の 拡大 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 11 外国為替規制に 関連す る 金融ア レ ン ジメン トに 関す る 課税制度 - 2004/2005 年度の 中間経済・財政見通し (MidYear Economic and Fiscal Outlook) で始め て 発表され た 、テ ク ニ カ ル ・コ ン プ ラ イア ン ス 費用の 削減に 関連した 修正 開始日は ほ ぼ 2年後と なる が 、前回の TOFA は 作成に 20年近く要した こ と を 考慮す る と 、政府は 果た して こ の よ う な極 め て 短い タイム フ レ ー ム で対応できる の か 見届け る 必要が あ る 。こ の 様な税制の 変更に は い つ も細部に 落と し穴が 存 在して お り 、こ れ か ら 展開され て い く2年間を 注視して い く必要が あ る 。 資産取得の た め の 資金調達に お け る障害の 除去 政府は ま た 、繰延払や 割賦購入等に 伴う 資産に 関す る 金融ア レ ン ジメン ト、す なわ ち 資産取得の た め 資金調達す る 際 の 主要な障害を 取り 除くと 発表した 。こ れ ら の 修正は 、資産取得の た め の 資金調達の 利用を 、有利子の 貸付又は 投資 に 基づ く金融ア レ ン ジメン トと 同じ方法で取扱わ れ る よ う に 修正し、オ ー ス トラ リ ア の 多様な資本の 利用を 促進す る もの であ る 。こ の 改正案は 2018 年 7 月 1 日か ら 適用と なる 。 9. ア セ ッ ト・ア ン ド・ウ ェ ル ス マ ネ ジメン ト 新“集団投資ビ ー ク ル ”の 導入 ア ジア 地域フ ァ ン ドパ ス ポ ー ト(The Passport)開始へ 向け 、政府は 二つ の 新た な集団的投資ビ ー ク ル (CIV) - コ ー ポ レ ー ト CIV と リ ミテ ッ ド・パ ー トナ ー シッ プ CIV - の 導入を 決め た 。双方と も、税務上は パ ス ス ル ー 媒体であ る 。コ ー ポ レ ー ト CIV は 2017 年 7 月 1 日以降の 年度に 向け て 導入され 、リ ミテ ッ ド・パ ー トナ ー シッ プ CIV が そ の 一年後に 続く予定で あ る 。新 CIV は 、マ ネ ー ジド投資信託と 似た よ う な適格性基準(広く保持され て い る こ と や 主に パ ッ シブ 運用に 従事して い る こ と )を 満た す 必要が あ る 。 マ ネ ー ジド投資信託は 、現在、オ ー ス トラ リ ア で最も一般的な CIV の 種類であ る が 、多くの 外国人投資家に は 認識され て お ら ず 、そ の こ と が オ ー ス トラ リ ア へ の 投資の 妨げ と なっ て い る 。こ の 度の 新た な投資ビ ー ク ル の 導入は 、オ ー ス トラ リ ア の フ ァ ン ド・マ ネ ー ジメン ト産業の 国際競争力の 向上し、ま た 、政府が こ れ ら の 措置を 2017 年の The Passport の 開 始に 合わ せ て 速や か に 実施す る こ と を 約束した 意味で、喜ば しい こ と であ る 。 The Passport は 、対象と す る 集団投資ス キ ー ム を 国境を 越え て 手助け す る 国際的イ ニ シア チ ブ であ り 、投資家保護も 参加地域で保証され て い る 。2013年9月に オ ー ス トラ リ ア に よ り 署名され た 主旨書に よ る と 、The Passport の 目的は 「そ の 地域、ま た フ ァ ン ド・マ ネ ー ジメン ト産業内に お け る 金融市場の 成長と 競争力の 手助け を す る と 同時に 、共通フ レ ー ム ワ ー ク を 作る 事に よ り 、多様な経済圏に お い て 集団投資ス キ ー ム を 提供す る 機会を 模索す る オ ペ レ ー ター が 直面 して い る 規則の 矛盾や 重複と い っ た 問題を 低減させ る 効果が あ る 」と され て い る 。ア ジア 地域は フ ァ ン ド・マ ネ ー ジメン ト に と っ て は 成長分野であ り 、2015 年6月時点に お け る そ の 資産総額は 、分か っ て い る だ け で 4.5 兆米ドル であ る 。新た な集団的投資ビ ー ク ル 及び The Passport、新制度“特定マ ネ ッ ジド投資信託制度(AMIT)(今週に も議会に よ り 制定さ れ る 見込み )に よ り 、オ ー ス トラ リ ア の 資金は 、広い ア ジア 地域全体へ の 足掛か り を 得ら れ る こ と と なる であ ろう 。 国際的に 合意され た The Passportの ル ー ル 及び The Passportの 協力構造を 提示した The Passport協力の 覚書は 、先 週、財務補佐大臣及び 小規模事業担当大臣に よ り 署名が 行わ れ 、2016年6月30日に 成立す る こ と と なる 。そ の 日よ り 、 参加経済各国は 、The Passportを 支持す る 国内整備実施の 為に 、最大18ヶ 月が 与え ら れ る 。The Passportに 準拠した ス キ ー ム の 第一弾は 、2017年に 提供され る と 見ら れ て い る 。The Passportに 関す る 更なる 情報に つ い て は 、PwC「Asian Passports, the coming of age」を ご 覧下さい 。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 12 10.間接税 GST(物品及び サ ー ビ ス 税) 消費者に よ り 輸入され た 低額消費財に 対す る GST の 課税 全州一致で合意が 得ら れ る こ と を 前提と して 、2017 年7月1日以降に 消費者に よ り オ ー ス トラ リ ア に 輸入され る 低額消 費財に 対して GST を 適用す る 改正案が 政府か ら 発表され た 。 当該改正案は 、前年度予算案で発表され た 、非居住者が オ ー ス トラ リ ア の 消費者に 対して デ ジタル 製品や サ ー ビ ス を 提供した 際に 当該非居住者に 対して GST が 適用され る と い っ た 法案に 似た もの で、オ ー ス トラ リ ア 国内での 売上が 年 間 75,000 ドル 以上あ る 海外の 供給者は 、オ ー ス トラ リ ア の 消費者に 低額消費財の 販売を す る 場合、GST の 登録、回 収及び 支払い 義務が 発生す る と され て い る 。 こ れ ら の 課税案に 関して は 、当初の 想定通り に 運営が 行わ れ て い る こ と を 確認し、ま た 国際状況の 変化を 勘案す る た め 、2 年以内に 見直しが 行わ れ る 予定であ る 。 小規模事業者に 対す る GST 優遇措置の 拡大 政府は 、小規模事業者の 年間売上額区分の 上限を 現行の 2 百万ドル か ら 1 千万ドル に 引き上げ る こ と を 発表した 。こ の 変更に よ り 、年間売上額が 1 千万ドル 以下の 小規模事業者は 、GST の 納税を 現金主義ベ ー ス (発生主義ベ ー ス に 代わ り )で行う 選択肢が でき、ま た GST の 納税を 分割払い (GST法上の 規定に よ り )に す る こ と もできる 。 当該改正案は 、小規模事業者の 税負担軽減を 目的と して い る 。 Wine Equalization Tax(WET)の 規範強化に 向け た 改正案 財務省が 2015 年度の デ ィス カ ッ ショ ン ・ペ ー パ ー に お い て 指摘した WETの 不正問題に 対応す る こ と を 目的と して 、WE Tの 払戻限度額の 引き 下げ と 、適格基準の 厳格化が 提案され た 。 払戻限度額は 現行の 500,000 ドル か ら 段階的に 引き 下げ ら れ 、2017 年 7 月 1 日に は 350,000 ドル 、2018 年 7 月 1 日 に は 290,000 ドル に なる 。ま た 、厳格化され た 適格基準は 2019 年 7 月 1 日か ら 適用され る 。現時点では 、適格基準に 関す る 具体的な詳細は 明ら か に され て い ない が 、2015 年の デ ィス カ ッ ショ ン ・ペ ー パ ー に 基づ け ば 、以下の 内容を 含む 改正案に なる と 思わ れ る 。 「ワ イン 製造者」の 定義の 厳格化 バ ル ク ワ イン 、パ ッ ケ ー ジの 無い ワ イン 、ブ ラ ン ド名の 無い ワ イン を 排除す る た め の 適格基準の 制限 WET の 払戻を 受け る た め に WETの 支払実績を 提示す る よ う 義務付け 本改正案は WETの 払戻の 管理に 関し現在認識さ れ て い る 抜け 道を 塞ぎ 、予算案の 最終的な収益に 対す る 影響を 軽 減す る であ ろう と 結論づ け ら れ る 。 関税 オ ー ス トラ リ ア 認定貿易業者(Australian Trusted Trader, 以下オ ー ス トラ リ ア ン ・トラ ス ト・トレー ダ ー ) オ ー ス トラ リ ア 政府が 貿易促進の 一環と して 促進して い る 試験的プ ロ グ ラ ム であ る オ ー ス トラ リ ア ン ・トラ ス ト・トレ ー ダ ー は 、継続して オ ー ス トラ リ ア 政府か ら 全額資金援助を 受け て い る 。当該資金援助は オ ー ス トラ リ ア ン ・トラ ス ト・トレ ー ダ ー を 継続的に 運営す る た め に 必要な人材・プ ロ セ ス の 確保、及び シス テ ム の 向上を 促進す る た め の 630 万ドル の 資本 支出を 含む 。予算案の 発表前に 、移民・国境警備局大臣は 、政府の オ ー ス トラ リ ア ン ・トラ ス ト・トレ ー ダ ー に 対す る コ ミ ッ トメン トを 確約し、ま た オ ー ス トラ リ ア の G20 の 成長戦略達成に 向け て 本プ ロ グ ラ ム が 果た す 役割に つ い て 説明した 。 本発表は 、政府に よ り 分配され た 初期投資の 規模と 相俟っ て 、オ ー ス トラ リ ア 国境警備隊(Australian Border Force, "ABF")は ATT 参加者へ 真の 利益を 提供す る 為の リ ソー ス を 十分確保できる と い う こ と を 保証す る 形と なっ た 。ま た 、 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 13 ABF が 産業と 連携す る 機能へ の 疑い を 抑え 、オ ー ス トラ リ ア ン ・トラ ス ト・トレ ー ダ ー の もと 貿易業者が そ れ ぞ れ に ふ さわ しい 恩恵を 享受できる よ う に なる こ と が 予想され る 。 将来的に 受け ら れ る 恩恵の 例と して 、定期的で効率的なレ ポ ー テ ィン グ 、関税優遇制度、オ ー ス トラ リ ア 及び 海外に お け る 効率的な通関など が あ げ ら れ る 。こ れ ら の 恩恵は 、国際的なサ プ ラ イチ ェ ー ン の コ ン プ ラ イア ン ス コ ス トを 削減し、 通関時の 確実性を 高め ら れ る と 予想され て い る 。 タバ コ 製品の 物品税値上げ 今回の 2016/17 年度予算に お い て 直前ま で明ら か に され なか っ た が 、タバ コ 物品税の 値上げ に つ い て 、こ こ 数週の 間 に 与野党の 支持が 取り 付け ら れ て い た 。将来の 見積もり で 47 億ドル の 税収を 予測して お り 、政府は 2017 年 9 月 1 日 か ら 2020 年ま での 間に 、タバ コ 物品税及び 関税を 年あ た り 12.5%ず つ 引き上げ て い く予定であ る 。 こ れ ら 改正案は 、既存の 12.5%の 増加(過去 4 年間)の 上に さら に 課され る もの で、今後毎年 9 月に 発効され る 予定で あ る 。こ の 変更に よ り 、オ ー ス トラ リ ア に お け る タバ コ 物品税は タバ コ 1本の 値段の 69%近く(現行価格を ベ ー ス に 計算) に なる 。 上記変更に 加え て 、政府は こ れ ら の 新しい 厳格措置を 導入す る た め 、通関法(Customs Act 1901)、及び 物品税法 (Excise Act 1901)に も変更を 加え る 予定であ る 。内容と して 、違法なタバ コ に 対す る 法律施行の 選択肢を 増や す こ と な ど が あ る 。そ れ ら 措置を 強化し、違法なタバ コ の 流通に 対抗す る た め の 追加的な金銭援助と して 、移民・国境警備局の 「タバ コ ス トラ イク チ ー ム (Tobacco Strike Team) 」へ の 援助に 向こ う 2 年間で 770 万ドル が 支給され る 予定であ る 。 間接税に 関す るそ の 他重要事項 政府は 環太平洋戦略的経済連携自由貿易協定(TPP)へ の 署名と 導入を 公約した 。こ れ に よ り 、関連す る 関税 収入が 1.95 億ドル 減少す る 見込み であ る 。TPP導入後の 収入減少が 比較的少額なの は 、TPP 参加各国と の 既存の そ の 他自由貿易協定に よ る もの であ る 。 世界貿易機構情報技術契約に 従い 、政府は 2017 年 1 月 1 日よ り 情報技術製品に 対す る 関税率を 引き 下げ る 予定であ る 。こ の 引き下げ は 相互の もの で、消費者と ビ ジネ ス の 情報技術製品に 関す る コ ス トを 削減す る こ と と なる 。 ア ル コ ー ル 蒸留業者と 低ア ル コ ー ル 発酵飲料(low strength fermented beverages)の 製造者を 対象と した 限定 的な物品税の 払戻し政策が 2017 年 7 月 1 日よ り 導入され る 予定であ る 。こ の 措置に よ り 向こ う 数年間に 発生 す る コ ス トは 900 万ドル の 見込み であ る 。 11.そ の 他の 税制改正案 租税回避特別委員会(Tax Avoidance Taskforce)の 設置 政府は ATO 内の 1,300 業務、新しい 390 名の 専門職員か ら なる 租税回避特別委員会設置の た め 、向こ う 4 年間で 678.9 百万ドル の 資金を ATO に 提供す る 。こ れ に よ り ATO は 多国籍企業、大規模な公開/私有企業グ ル ー プ 及び 富 裕層を 対象に した よ り 強化され た コ ン プ ラ イア ン ス 活動を 実施す る こ と が 可能に なる 。 財務長官に よ る と 、当該対策案に よ り 多国籍企業と 富裕層を 対象と した コ ン プ ラ イア ン ス プ ロ グ ラ ム の た め ATO に 対す る 資金が 55%増加し、ATO が 多国籍企業の 対処に 投入す る リ ソー ス が 43%増加す る 。政府は ATO と 証券投資委員会 (ASIC)と の 間の 情報共有を 強化し、ATO が 必要な情報を 入手可能な状態と なる こ と を 保証す る 。租税回避特別委員会 は オ ー ス トラ リ ア 税務当局長官に よ り 直接指揮され 、長官は 社会へ の 透明性を 保つ た め 政府に 定期的な進捗報告を 行 い 、初回の 報告書は 年度末ま でに 提出が 予定され て い る 。 財務長官の 報道声明では 、予定され る 全て の 支払に 関す る 取り 決め が 公正で適切であ る こ と を レ ビ ュ ー す る 役割と し て 著名な元裁判官に よ る パ ネ ル の 形成など 、特別委員会を サ ポ ー トす る た め 外部専門家が 任命され る 予定と なっ て い る 。さら に 財務長官は 、特別委員会は ACC(オ ー ス トラ リ ア 犯罪委員会)、AFP(オ ー ス トラ リ ア 連邦警察)及び Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 14 AUSTRAC(豪州取引報告分析セン ター )を 含む パ ー トナ ー と 連携して 活動し、税犯罪を 対処す る よ り 効率的なア プ ロ ー チ を 主導す る ASIC と ATO の 情報共有及び 分析を 改善す る こ と が 可能と なる 新しい 法律が 導入され る 予定であ る と 述 べ ている。 つ い 先週公表され た 納税者に 対す る 4 つ の 注意喚起事項(過少資本税制、昨年法制化され た 多国籍企業租税回避防 止規定の 導入、関連会社間での 通貨ス ワ ッ プ に 関す る ア レ ン ジメン ト、ク ロ ス ボ ー ダ ー の リ ー ス ア レ ン ジメン ト)か ら 明ら か なよ う に 、ATO が 国際的な税務リ ス ク に 非常に 注目して い る タイ ミン グ で今回の 資金増加が 行わ れ て い る 。 12.税制改正案の 今後 ター ン ブ ル 首相が 連邦総督に 両院解散を 向こ う 一週間以内に 嘆願す る こ と が 予測され て お り 、2016 年 7 月 2 日に 総選 挙が 実施され る 可能性が 高ま っ て い る 。選挙が あ る 年の 予算案で発表され る 改正案の 法制化は 複雑化す る 傾向に あ る が 、今年に 関して は 予算案発表後、短期間で総選挙に なる 可能性が あ る 為、法制化へ の 流れ が 更に 複雑と なる 。特 に 今年度予算案に て 発表され た 重要な税制改正案の 数多くが 議会の 解散前に 法制化され ない 為、本予算案は 事実上、 現政権に よ る マ ニ フ ェ ス トを 意味す る こ と に なる 。 税制改正案は 今後の 総選挙の 結果に 大きく影響を 受け る こ と か ら 、二大政党に て 今日ま でに 発表され て い る 、ス ー パ ー ア ニ ュ エ ー ショ ン を 含め た 税制改正案の 比較表は 下記の 通り と なる 。2016 年 5 月 5 日か ら 開始され る 野党と の 討論 を 受け 、総選挙ま での 間、今後更に 様々な改正案が 発表され る こ と が 予測され る 。 対象項目 法人税率 連立政権に よ る 改正案 全て の 法人を 対象に 今後 10 年間 で法人税率を 25%ま で段階的に 引 き下げ る 。 年間合計売上高 10 百万ドル 未満 の 小規模事業は 低税率の 恩恵を 受 け る こ と が できる 。 個人所得税率 名目所得の 増加に 伴う 税負担を 考 慮し、37%の 税率が 適用され る 課税 所得レ ン ジが 8 万ドル 超か ら 8 万 7 千ドル 超へ 増額。 労働党に よ る 改正案 正式な改正案は 発表され て い ない 。 労働党は 以前、法人税率引き下げ を 支持して い た が 、大企業に 対す る 税 率引き下げ に 関して は 支持しない 方 向。 改正案の 発表は 行わ れ て い ない が 、 現政権に よ る 時限的財政再建税の 撤廃を 批判。 非法人の 小規模事業に 対す る 減税 は 今後 10 年間で段階的に 増額。 GST GST 税率等の 基本ル ー ル は 現行を 維持す る 一方、低価格輸入品目へ の GST 課税を 検討。 正式な改正案の 発表は ない が 、GST ル ー ル の 改正は 行わ ない こ と を 示 唆。 多国籍企業の 租 税回避/透明性/ 迂回利益税(DP T)の 導入に よ り 、 オ ー ス トラ リ ア か ら の 意図的な利益 移転は 40%に て 課税。 オ ー ス トラ リ ア に て 多国籍企業が 所 得控除可能と して い る 負債利子の 限 度額に 関して 、対象と なる 企業の 全 世界オ ペ レ ー ショ ン に 占め る 負債比 率へ と 過少資本ル ー ル を 変更。 移転価格 移転価格ル ー ル の 変更を 行い OECD 推奨の BEPS(税源浸食と 利 益移転)対応を 実施。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター オ ー ス トラ リ ア に お け る ハ イ ブ リ ッ ト事 業体と ハ イブ リ ッ ト金融商品の 税制 措置に 関し、企業が 二か 国以上で非 15 OECD の BEPS 対応を 導入す る こ と で、税制委員会か ら の 提言に あ る ハ イ ブ リ ッ ト・ミス マ ッ チ 効果の 無効 化。 ATO へ の 情報開示が 正しく行わ れ なか っ た 大企業に 対す る ペ ナ ル テ ィ ー の 拡充(現行の 100 倍) 新規租税回避特別委員会(Tax Avoidance Taskforce)設立に 伴い ATO へ の 追加資金の 投入お よ び 、 富裕層に よ る 租税回避の 取締り 強 化。 課税処理ま た は 所得控除を お こ なう 機会を 減少させ る た め 、オ ー ス トラ リ ア 国外の 税制と 取扱い を 一致させ る こ と を 示唆。 多国籍企業の 利益移転の 取締り 強 化を 目的と した ATO に 対す る 追加資 金の 投入。 国別報告書(Country-By-Country report)未提出の 大企業に 対す る ペ ナ ル テ ィー の 拡充。(現行ペ ナ ル テ ィ ー 金額の 50 倍) ATO に よ る 、大手非上場企業に 関す る 税務情報の 公開対象と す る 1 億ド ル の 条件を 改め て 導入。 オ ー ス トラ リ ア の 法人、信託及び そ の 他の 事業形態の 実質所有者に 関し て 、公的に ア ク セス 可能なデ ー タベ ー ス の 構築。 スーパーアニュエ ー ショ ン 追加拠出税 15%の 適用対象と なる 高額所得者の 年間所得基準を 30 万ドル か ら 25 万ドル へ 減額。 追加拠出税 15%の 適用対象と なる 高 額所得者の 年間所得基準を 30 万ド ル か ら 25 万ドル へ 減額。 税優遇措置対象と なる 引き 出し時 の 年金残高上限を 160 万ドル に 定 め る。 年金所得が 年間 7 万 5 千ドル を 超え る 場合に 対す る 15%での 課税。 所得控除と なる 拠出額の 上限を 2 万 5 千ドル へ 減額。 所得控除の 対象と され て い た 個人 納税者に よ る 拠出に 関す る 10%ル ー ル の 廃止。 優遇措置の 対象と なら ない 拠出額 の 上限を 生涯 50 万ドル と す る 。 年金拠出目的に お け る 就労資格の 年齢制限を 変更。 低所得配偶者に 対す る 拠出に お け る 納税者本人の 所得基準を 増額。 低所得者の ス ー パ ー ア ニ ュ エ ー ショ ン 拠出額に 対す る 減税ル ー ル の 導 入。 Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 16 退職収入ア レ ン ジメン トへ の 移行に 関す る ル ー ル の 変更。 退職年金支払い に 伴う 課税ル ー ル の 変更。 優遇措置(Anti-detriment payments)の 廃止 タバ コ 税 2017 年 9 月 1 日か ら 4年間に わ た り 毎年 12.5%ず つ 増税。 2017 年 9 月 1 日か ら 4年間に わ た り 毎年 12.5%ず つ 増税。 キ ャ ピ タル ゲ イン 税 変更なし。 2017 年 7 月 1 日以降購入され た 全 て の 資産に 対す る キ ャ ピ タル ゲ イン 課税対象額の 割引率を 25%へ 引き下 げ る。 ネ ガ テ ィブ ギ ア リ ング 変更なし。 2017 年 7 月 1 日よ り 、ネ ガ テ ィブ ギ ア リ ン グ は 新築住宅の み へ の 適用に 限定す る 。 イノベ ー ショ ン 国家イノベ ー ショ ン 科学ア ジェ ン ダ では 以下の 税関連の 改正案が 含ま れる。 ・ 20 万ドル を 上限と した 投資額に 対す る 20%の 税控除や 、1 年以 上、10 年未満の 期間保有され た 投資事業の 売却益に 対す る CGT 課税の 免除と い っ た 、イ ノ ベ ー ショ ン 新規事業立ち 上げ を サ ポ ー トす る 投資家に 対す る 税 優遇措置。* ・ 法人税繰越欠損金適用条件で あ る 「同一事業テ ス ト(same business test)」を 「同種事業テ ス ト(predominantly similar business test)」へ 緩和。 ・ 「Early Stage Venture Capital Limited Partnerships」に お け る 合弁事業パ ー トナ ー に 対す る 10%税控除を 含め た 「Venture Capital Limited Partnerships」に 関す る 改正。* 「Australian Angel Investment Scheme」と 呼ば れ る ス キ ー ム を 導入 す る こ と で以下の 改正案を 検討。 ・ 年間 20 万ドル を 上限と した 投資 額に 対し、50%の 所得控除適用を 可能と す る 。 ・ 20 万ドル の 上限を 満た さない 年 度に お け る 減税措置の 繰越し。 ・ 3 年間以上保有した 新規ベ ン チ ャ ー 事業へ の 資本投資に 対す る キ ャ ピ タル ゲ イン 課税の 免除。 ・ 当該ス キ ー ム に お け る 投資の 結 果発生した 損失額を 、給与所得 か ら 控除す る こ と を 可能と す る 。 ・ 直近の キ ャ ピ タル ゲ イン を 基に 新 規ベ ン チ ャ ー 事業へ 直接投資し た 場合、投資に 対す る キ ャ ピ タル ゲ イン 課税を 繰り 延べ る 。 ・ 減価償却時に お け る 無形資産 の 耐用年数に 関し自己判断が 可能と なる 。 *Note: This measure is already before Parliament. Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 17 今年度予算案での 発表内容お よび 上述の 改正案の 他、連邦政府が 取り 組ん で来た 税制改正案に は 以下が 含ま れる。 税務長官へ の 法的な救済権限の 付与。同法案は 2016 年 4 月 15 日の 国会に て 審議され て い た が 、現在承 認は され て い ない 。 2015 年 11 月 12 日に 署名され た オ ー ス トラ リ ア と ドイツ 間での 新しい 租税条約の 発効。 ビ ッ トコイ ン を含め た 電子通貨に 関す る GST 法の 改正。同改正案に 対す る審議が 開始され る 旨の デ ィス カ ッ ショ ン ペ ー パ ー は 本予算案発表日に 発行され て い る 。 今年度の 予算案では 成長と 公平性に 的を絞っ た 様々な改正案が 発表され た が 、包括的な税制改正案ま では 至っ て い ない こ と か ら 、消費と 投資に お い て 、州税と 連邦税が そ れ ぞ れ 最適な形で且つ オ ー ス トラ リ ア 国内に て 課税さ れ る よう 、本当の 意味での 税制改革に 関して 両政党が 改め て 審議を行うこ と を期待す る 。 PwC Australiaの Japan Service Desk PwCは 、豪州国内企業及び グ ロ ー バ ル に 展開す る 国際的企業に 対して 、会計監査や 税務/法務ア ドバ イ ス 、 M&Aア ドバ イ ス 等の 専門的業務を 提供す る 、豪州国内お よ び 世界最大規模の プ ロ フ ェ ッ ショ ナ ル サ ー ビ ス 組織で す。 PwC Australia Japan Service Desk は 、 オ ー ス トラ リ ア や 太 平 洋 地 域 等 で 事 業 ・ 投 資 活 動 を 行 っ て い る 日系企業に 対して 、き め 細や か な 専門的業務を ご 提供さ せ て 頂く こ と を 目的に 、日本人プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル を 中心と した メン バ ー に よっ て 構成され て お り ま す 。豪州お よび 日本に お け る会計・税務面等での 専門的知識お よび 実務経験、両国に お け る 商慣習及び 文化的側面に 関し て の 深い 理解を フ ル に 活用し 、意思疎通を 含め た 多様な局面に お け る 業務の 提供に 従事させ て い た だ い て お り ま す 。 画一的なサ ー ビ ス に 留ま ら ず 、日本人プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル に よ る 業務コ ー デ ィネ イ トの 下、経験豊か なメン バ ー が チ ー ム を組み 、ク ラ イ ア ン トの 皆様に 最適な解決策をご 提示できる よ うに 取り 組ん でお り ま す 。 日本の PwCグ ル ー プ (あ ら た 監査法人、京都監査法人、PwCコ ン サ ル テ ィン グ 合同会社、PwCア ドバ イザ リ ー 合同 会社、PwC税理士法人)と は 緊密な関係を 築い て お り 、人事交流や フ レ ー ム ワ ー ク /業務ツ ー ル の 共有化等を 通じて 、高い レ ベ ル で の サ ー ビ ス 品質の 標準化を 行っ て お り ま す 。日系企業の グ ロ ー バ ル 展開の 際に は 、日本 及び 豪州の 双方の 専門家チ ー ム が シー ム レ ス に 連携して ご 支援させ て 頂く こ と を 通し、複雑性の 高い 案件に も 柔軟に 対応できる仕組み を構築して お り ま す 。 本冊子は 概略的な内容を 紹介す る 目的で作成され た もの で、プ ロ フ ェ ッ ショ ナ ル と して の ア ドバ イ ス は 含ま れ て い ま せ ん 。個別に プ ロ フ ェ ッ ショ ナ ル か ら の ア ドバ イス を受け る こ と なく、本冊子の 情報を基に 判断し行動され ない よ う お 願い しま す 。本冊子に 含ま れ る 情報は 正確性ま た は 完全性 を 、(明示的に も暗示的に も)表明あ る い は 保証す る もの では あ り ま せ ん 。ま た 、本冊子に 含ま れ る 情報に 基づ き 、意思決定し何ら か の 行動を起 こ され た り 、起こ され なか っ た こ と に よ っ て 発生した 結果に つ い て 、PricewaterhouseCoopers、お よ び メン バ ー フ ァ ー ム 、職員、代理人は 、法律に よ っ て 認め ら れ る範囲に お い て い か なる 賠償責任、 責任、義務も負い ま せ ん 。 © 2016 PricewaterhouseCoopers. 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Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター 18 拠点 シドニ ー 事務所 Darling Park Tower 2 201 Sussex Street Sydney, NSW 2000 下記連絡先ま でお 気軽に ご 相談くだ さい Assurance (会計監査/内部統制等) パ ー トナ ー /JSD責任者 マ ネ ー ジャ ー マ ネ ー ジャ ー Jason Hayes 原澤 哲史 江川 竜平 +61 (2) 8266 5208 +61 (2) 8266 3602 +61 (2) 8266 0231 jason.hayes@au.pwc.com tetsufumi.a.harasawa@au.pwc.com ryohei.a.ekawa@au.pwc.com シニ ア ア カ ウ ン タン ト 比佐 進一郎 +61 (2) 8266 3284 シニ ア ア カ ウ ン タン ト 細田 友貴子 +61 (2) 8266 3153 シニ ア ア カ ウ ン タン ト 神林 徹 +61 (2) 8266 4635 shinichiro.a.hisa@au.pwc.com yukiko.a.yosoda@au.pwc.com toru.a.kambayashi@au.pwc.com Tax and Legal Services (税務・法務関連業務) プ リ ン シパ ル シニ ア コ ン サ ル タン ト 田中 直人 田村 り か +61 (2) 8266 7348 +61 (2) 8266 1639 プ ラ ク テ ィス ア シス タン ト 藤田 聡子 +61 (2) 8266 2874 naoto.tanaka@au.pwc.com satoko.fujita@au.pwc.com rika.tamura@au.pwc.com Advisory (デ ィー ル ・ア ドバ イ ザ リ ー ) デ ィレク ター シニ ア コ ン サ ル タン ト 会川 徹 吉田 浩徳 +61 (2) 8266 0462 +61 (2) 8266 3436 toru.a.aikawa@au.pwc.com メル ボ ル ン 事務所 Freshwater Place Level 19 2 Southbank Boulevard Southbank, VIC 3006 hironori.a.yoshida@au.pwc.com Assurance (会計監査/内部統制等) マ ネ ー ジャ ー ア カ ウ ン タン ト 田中 雄一 高橋 優忠 +61 (3) 8603 1005 +61 (3) 8603 1407 yuichi.a.tanaka@au.pwc.com yuta.j.takahashi@au.pwc.com Tax and Legal Services (税務・法務関連業務) デ ィレク ター マ ネ ー ジャ ー 神山 雅央 嶋田 航一朗 +61 (3) 8603 4383 +61 (3) 8603 5186 マ ネ ー ジャ ー 湯口 浩美 +61 (3) 8603 5734 masao.kamiyama@au.pwc.com koichiro.a.shimada@au.pwc.com hiromi.yuguchi@au.pwc.com シニ ア コ ン サ ル タン ト 西田 恵 +61 (3) 8603 0523 コ ン サ ル タン ト 小島 真未 +61 (3) 8603 0794 コ ン サ ル タン ト 濃添 博紀 +61 (3) 8603 1533 kei.nishida@au.pwc.com mami.a.kojima@au.pwc.com hiroki.nozoe@au.pwc.com Advisory (デ ィー ル ・ア ドバ イ ザ リ ー )/ Consulting (コン サ ル テ ィン グ ) / Asia Practice (ア ジア プ ラ ク テ ィス ) デ ィレク ター ア ソシエ イ ト・デ ィレク ター ビ ジネ ス ア シス タン ト 屋敷 信彦 伊藤 孝幸 菅原 音彌 +61 (3) 8603 0395 +61 (3) 8603 1466 +61 (3) 8603 5363 nobuhiko.a.yashiki@au.pwc.com パ ー ス 事務所 Level 15/125 St Georges Terrace Perth, WA 6000 Riverside Centre Level 15 123 Eagle Street Brisbane, QLD 4000 otone.sugawara@au.pwc.com Assurance (会計監査/内部統制等) / Tax and Legal Services (税務・法務関連業務) マ ネ ー ジャ ー デ ィレク ター マ ネ ー ジャ ー 増田 高志 神山 雅央 (兼任) 嶋田 航一朗 (兼任) +61 (8) 9238 3190 +61 (3) 8603 4383 +61 (3) 8603 5186 takashi.a.masuda@au.pwc.com ブ リ ス ベ ン 事務所 takayuki.ito@au.pwc.com masao.kamiyama@au.pwc.com koichiro.a.shimada@au.pwc.com Tax and Legal Services (税務・法務関連業務) / Advisory (デ ィー ル ・ア ドバ イ ザ リ ー ) マ ネ ー ジャ ー シニ ア ・コ ン サ ル タン ト 寺崎 信裕 吉村 翔 +61 (7) 3257 8240 +61 (7) 3257 5474 nobu.terasaki@au.pwc.com Provocative thought PwC Australia 日本語ニ ュ ー ス レター sho.a.yoshimura@au.pwc.com 19
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