W H I T E P A P E R SGI VizServer Systems with NICE Software ® ® プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 September, 2013 はじめに エンジニアリングスタッフと科学サポートスタッフは、 いかなる場所でも使用できるハイパフォ ーマンス・コンピューティング (HPC) に対する要望と、縮小傾向のIT予算とのはざまで苦悩し ています。 また、大企業のIT管理者とシニアアーキテクトは、要求が高まる一方のテクニカルユ ーザにITサービスを提供しなければならないという根本的な変化に直面しています。 シミュレーションモデルとテクニカルデータの急増を背景に、 ストレージとコンピューティング・ リソースの大規模な統合が主流になっています。 データセンターからエンジニアのワークステ ーションにより多くのデータを移行させる必要がある一方で、IT専門家は、 ますます分散され ていく従業員のサポートも行わなければなりません。 これらの状況が、 ワークステーションを、 必要とする場所のすべてに効率的に配置することを一層困難にしています。 さらに、 そうしたイ ンフラは複雑であるため、 トレーニングや利用手順が必要とされ、 ユーザの生産性と収益実現 までの時間に影響を及ぼします。 さらに、IT管理者はたいていセキュリティ上の懸念から、 「知 る必要がある」 ユーザのみにテクニカルデータやアプリケーションへのアクセスを提供します が、 その設定には手間がかかります。 IT専門家は、 どのような方法でコストを削減し、分散された多様なユーザに安全で効率的な サービスを提供したらよいのでしょうか。 モバイルテクノロジを利用して、 エンドユーザのさらな るコラボレーションを促進する方法はあるのでしょうか。 こうした問題への対処方法として、多くの企業がテクニカル・クラウド・ソフトウェアに注目して います。 これらのソリューションは、 クラウド・コンピューティング・テクノロジを活用することで 安全な統合型HPCと3D可視化サービスを提供するため、 インフラのコスト削減とITの迅速で 柔軟な対応に役立ちます。一方でテクニカルスタッフは、困難なエンジニアリング課題の解決 に集中できるようになります。 W H I T E PA P E R TA B L E O F C O N T E N T S 1.0 ハイパフォーマンス・コンピューティングと可視化の傾向 4 2.0 テクニカル・ソフトウェアの制限による6つの問題 5 2.1 低速なデータ転送と長いロード時間 5 2.2 コストのかさむローカルITインフラのアップグレード 5 2.3 人的エラーと非効率なリソース利用 5 2.4 リモートコラボレーションの難しさ 6 2.5 モバイルアプリケーションの劣悪なパフォーマンス 6 2.6 セキュリティ違反とデータ盗難 6 3.0 N ICE Desktop Cloud Visualization™(DCV) ソフトウェアを搭載したSGI VizServer計算サーバ 3.1 NICEのソフトウェア・コンポーネント搭載のSGI VizServer計算サーバ 3.1.1 導入モデル 3.1.2 NICEソフトウェア搭載SGI VizServerシステムのメリット 3.2 NICEソフトウェアソリューション搭載SGI VizServerの概要 6 7 8 9 9 4.0 SGIのハードウェアとグラフィックスカードのサポートについて 10 4.1 SGI® Rackable® Standard Depthプラットフォーム 10 4.2 SGI® UV™ 2000サーバ 10 5.0 NICEソフトウェアについて 11 5.1 NICE EnginFrame™ 11 5.2 NICE Desktop Cloud Visualization™(DCV) ソフトウェア 11 6.0 SGIについて 11 SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 3 W H I T E PA P E R 1.0 ハイパフォーマンス・コンピューティングと可視化の傾向 リモート可視化という概念は、 ハイパフォーマンス・コンピューティング (HPC) 環境においては以前からありましたが、 長 距離のリモート可視化は困難であり、 高価なソリューションでした。 社内ネットワークがユーザのデスクトップやリモート サイトで低速であったり、 可視化サーバが力不足であったりする場合もありました。 リモート可視化・ソリューションの中 には、 ユーザセキュリティ、 ジョブ/リソース管理、 および使いやすさがしっかり統合されたフロントエンドのソリューショ ンが欠落しているために実用的とは言えず、 サポートされていないものもありました。 SGIのハードウェアとNICEのソフト ウェアを適切に組み合わせ、 SGIのリモート可視化・ソリューションを使用すれば、 そうしたこれまでの課題の多くに対処 できます。 HPCと可視化ツールをどちらも提供することは、 これまでになく困難になっています。 ワークステーションの管理コストの 上昇、 ファイルサイズの増大、 リモートワーカーの増加、 その結果として生じるコラボレーションへのニーズにより、IT専 門家はサービスの提供方法の再検討を余儀なくされています。 まず挙げられる傾向は、 ワークステーションの管理コストの上昇と停滞するIT予算です。 例えば石油・ガス市場では、 ハ ードウェアとソフトウェアのコストが1台のワークステーションだけで1万1,000ドルに達します。1 しかしながら、 ガート 2 ナー社の調査によれば、 2012年のIT予算はおおむね横ばいでした。 この傾向は継続すると予想されていることから、 IT幹部は戦略的なプロジェクトに資金を投じるか、 ワークステーションとソフトウェアをアップグレードするか、 どちらか 一方を選択しなければなりません。 とはいえ、 デジタルモデルとシミュレーションはより詳細になり、 さらに高解像度のグラフィックスが必要になっているた め、 ワークステーションとソフトウェアのアップグレードは必須です。 このアップグレードにより、 ファイルは50 GBに達する 3 上、 容量は毎年増え続けるため、 多大なコストを伴います。 テクニカルスタッフはそれらの最適化されたモデルを使用 して、最終生産物の正確性と精密性を向上している一方で、IT幹部は大量データを管理しながらデータを安全かつ迅 速な方法で確実に送信することに苦心しています。 別の傾向として、 デザインが複雑性を増していることから、 複雑な業務をアジアへアウトソーシングして人件費を削減し、 4 即戦力となる人材を発掘することが挙げられます。 ただしアウトソーシングには、 リモート環境からアクセスでき、 複数 のユーザロケーションでモデルとデザインを同期できるソフトウェアが必要です。 一方で、 アウトソーシングを行っていない企業でもモバイル・コンピューティングの増加が見られますが、 これはさらに課 題を増やすものでしかありません。 より多くのテクニカルスタッフが高機能なモバイル端末を使用するようになれば、社 外でHPCと可視化アプリケーションの双方にアクセスすることを求めるようになるでしょう。 つまりIT管理者は、 グラフィ ックスをノートパソコンで素早く容易にレンダリングできる完全なHPC機能を備えたソフトウェアを提供する必要があり ます。 将来的な成功のためには、 IT専門家はいつでもどこでも使用できるHPCと可視化ツールを提供できる必要があります。 NICEソフトウェアソリューションを搭載したSGI® VizServer®システムは、 優れたリモート可視化のユーザ利用を実現 します。 ユーザは、 Webポータルを使用してこのソリューションを日々のワークロードに組み込むことで、 バッチスケジュー ラジョブやシステムリソースを管理できるようになります。 また、 計算のアクセラレータとして同じGPUデバイスを使用しな がら、 1つまたは複数のビジュアライゼーション・セッションを起動することもできます。 以下は、 保護された企業ネットワークをサポートするエンタープライズ・ソリューションの導入例です。 リモート環境また は社内のユーザは、 Webポータルにアクセスして、 ユーザのデスクトップとSGI VizServerシステム間でビジュアライゼー ション・セッションを起動できます。 1 2 3 4 4 Bryant, S. (March 7, 2012). CAD/ucation. CAD training – “a worthwhile investment?” Howlett, D. (January 18, 2012). ZDNet. “CIO IT budgets flat in 2012” say Gartner but…. Jackson, M. (June 5, 2012). Datanami. “Optimizing visualization workloads.” Gartner, Inc. (December 21, 2010). Gartner Says “India Still No. 1 Destination for Offshore Services.” SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 W H I T E PA P E R 2.0 テクニカル・ソフトウェアの制限による6つの問題 管理者やシニアアーキテクトが、 従来型のデザインやエンジニアリング・ソフトウェアに関して直面している課題としては、 低速なデータ転送と長いロード時間から、 セキュリティに関する懸念まで、 主に6つ挙げられます。 2.1 低速なデータ転送と長いロード時間 長時間に及ぶソフトウェアのロード、 より多くのメモリを必要とする大規模なモデル、 ネットワークの混雑は、 エンジニアの 生産性を低下させます。 ソフトウェアやモデルのロードの待ち時間が非効率的で時間のロスとなるため、 より制限された 条件リソースでプロジェクトを遂行しなければなりません。 2.2 コストのかさむローカルITインフラのアップグレード ネットワークケーブルとワークステーションのアップグレードには、多大な設備投資が必要です。 ケーブルの敷設、 コア ネットワークのアップグレード、 ワークステーションの買い替えまたはアップグレードには、多大な人件費を含む予算が 必要になります。既存ネットワークのほとんどは100 Mbps接続に対応しているにすぎず、 このような速度では最新のア プリケーションで著しい遅延が発生します。 IT予算の増加の見通しが厳しいことから、他のプロジェクトを犠牲にしてインフラのアップグレードを実施する場合が ありますが、 このような方法はたいてい収益と利益率に悪影響を及ぼします。 これに加えて、 すべてのワークステーショ ンのデザインとエンジニアリング・ソフトウェアに対して必要となる頻繁なサービスパックとアップデートや総所有コスト の制限が難題になる可能性があります。幸いにも、SGI VizServer計算サーバなどのソリューションを利用して既存の インフラを活用すれば、 アップグレードよりも、戦略的なプロジェクトに予算を注ぐことができるようになります。 2.3 人的エラーと非効率なリソース利用 HPC環境では、複数のエンジニアがマルチプロセッサのクラスタを使用して、 より詳細なシミュレーションを実行します が、 ジョブが複雑になるほど、 コマンドラインのパラメータを誤って入力するリスクが増加します。経験の浅いユーザがミ SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 5 W H I T E PA P E R スを犯すと、 ジョブの実行依頼を繰り返したり、生産性を低下させたり、他のジョブに割り当てることができたはずの計 算リソースを無駄にしたりすることがあります。SGIは、 ユーザがエラーを犯す可能性を最小限に抑えるツールを提供し ています。 2.4 リモートコラボレーションの難しさ リモート環境下での共同作業では通常、 エンジニアグループは、完全に同じバージョンのファイルとアプリケーションに アクセスする必要があります。 ファイルがローカルで変更され、 サーバと同期していない場合、 グループ内の他のエンジ ニアが同じデータを参照していない可能性があります。 データの再統合は複雑であるため、誰が最終バージョンのファ イルを保持しているかを把握できなくなる場合があります。 そうなると、誤ったバージョンのモデルに基づいて意思決定 される可能性が生じます。SGIとNICEのハードウェアおよびソフトウェアのソリューションでは、 すべてのモデルが同期 されるため、 グループ内のエンジニアはいつでも同期されたモデルにアクセスできます。 2.5 モバイルアプリケーションの劣悪なパフォーマンス ノートパソコンには、従来型の3DモデリングまたはHPCソフトウェアに必要なグラフィックカードやメモリがないため、 外出先やリモート環境では生産性が低下します。断続的で遅いレンダリングは生産性を低下させ、 エンジニアスタッフ は緊急事態に対応したり、 リモートでジョブを確認したりすることができなくなります。 その結果、 エンジニアがオフィス に戻るまでプロジェクトが大幅に遅延することがあります。NICEソフトウェア搭載のSGI VizServerを使用すれば、端 末のパフォーマンスにかかわらず、3DモデリングとHPCアプリケーションに対して応答性に優れたモバイルアクセスが 実現します。 2.6 セキュリティ違反とデータ盗難 完全なモデルをワークステーションへダウンロードすると、企業はデータ盗難の危険にさらされます。 モデルをUSBドラ イブにコピーすれば、 企業に多額の損害を与える可能性のあるコピー作品を容易に作成できるためです。 しかしながら、 堅牢なデスクトップセキュリティを導入すると、 通常は生産性が低下するだけでなく、 相当の投資も必要になります。 3.0 N ICE Desktop Cloud Visualization™ (DCV) ソフトウェアを搭載したSGI VizServer計算サーバ NICE DCVソフトウェア搭載のSGI VizServerシステムは、Webベースのポータル経由でテクニカルユーザにリモート 3Dモデリングツールを提供することで、GPU共有、 リソース共有、 および安全なデータ保管を実現します。 典型的な3D可視化のシナリオでは、 ソフトウェア・アプリケーションはローカルのリソース (CPU、 メモリなど) を使用し て、 グラフィックコマンドのストリームを、 ワークステーションにインストールされたグラフィックアダプタ (GPU) に送信し ます。GPUはデータをピクセルにレンダリングし、 ビデオシグナルとしてローカルのディスプレイに出力します。 すべてのOpenGL ®アプリケーションは、NICE DCVソフトウェア搭載のSGI VizServerシステムを使用して、 NVIDIA®グラフィックスカードを搭載したリモートのSGIサーバでネイティブに実行されますが、統合および仮想化さ れる場合もあります。 ネイティブなGPUドライバは、 シーンジオメトリとグラフィックス・ステートをリモートの物理GPUで レンダリングします。 ピクセルは圧縮され、 ネットワーク経由でローカル・ディスプレイに送信されます。安全なリアルタイ ムのコラボレーションを確保するため、 ピクセルのストリーム結果は暗号化され、複数クライアントに分散されます。圧 縮率を動的に適応させることで、 あらゆるネットワーク速度で最適な体験が得られます。以下の例をご覧ください。 6 SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 W H I T E PA P E R NICE DCVソフトウェア搭載のSGI VizServerシステムは、企業のプライベート・ネットワークに構築されたSaaS( Software as a Service) により、可視化機能を提供します。 ユーザは使い勝手の良いWebインタフェース経由でソフト ウェアにアクセスするため、簡素性が得られます。 このソリューションは直観的なヘルプとガイダンスを提供しており、経 験の浅いユーザも複雑なITプロセスにかかわらず生産性を最大化できます。 3.1 NICEのソフトウェア・コンポーネント搭載のSGI VizServer計算サーバ •エンジニアが使いやすいセルフサービス型ポータル: エンジニアや科学者は、 セルフサービス型ポータルを使用して 、Webブラウザベースの環境でアプリケーションやデータにアクセスできます。 ポータルは、 ユーザが企業データを紛 失することのないよう、 またIT管理者が企業データの使用を追跡できるよう、 セキュリティ、 監視、 管理機能を備えてい ます。 エンジニアや科学者は、 自身のWebブラウザから直接アプリケーションとデータにアクセスします。 別のソフトウェ アをローカルのクライアントにインストールする必要はありません。 •リソース管理と抽象化層:リソース管理と抽象化層はポータルの下部にあり、 ユーザには見えません。 ユーザ体験を 損なうことなく、 ジョブスケジューリング、 リモート可視化、 リソースプロビジョニング、 インタラクティブ・ワークロード、 および分散データの管理を行います。 この層は、 ブラウザからのユーザリクエストを解釈し、可視化やHPCタスクの 完了に必要なリソースの割り当てを実施します。 また、 スケーラブルなアーキテクチャにより、単一クラスタや共有メモ リサーバだけでなく、 マルチサイトのWAN実装にも対応できます。 •計算リソースとストレージリソース: NICE DCVソフトウェアを搭載したSGI VizServerシステムは、 企業が既に保有 する、 または新たに購入した、 業界標準リソースを活用します。 そのようなリソースには、 SGIサーバ、 HPCスケジューラ、 メモリ、 グラフィカル・プロセッシング・ユニット (GPU) 、 可視化サーバ、 およびアプリケーション・バイナリ、 モデル、 途中 結果を保管するために必要なストレージなどが挙げられます。 これらのリソースはすべて、 Webベースのポータルからリ ソース管理と抽象化層経由でアクセスでき、 エンドユーザのニーズに応じてサービスが提供されます。 NICE DCVおよびEnginFrame™のポータルソフトウェアは、一般的なテクノ ロジ標準に基づいて構築されています。 このソフトウェアは、 ネットワーク・イン フラに適応しているため、企業はネットワークを大幅にアップグレードすること なく、安全なエンジニアリング・クラウドを独自に構築することができます。 また 、 このソフトウェアでは、 テクニカル・アプリケーションとデータを両方ともプラ イベート・クラウドまたはデータセンターで保持するため、 データが保護され、 データをワークステーションに転送してステージングする必要性がなくなりま す。 これらのソリューションは簡素性、 セルフサービス型、 動的、 スケーラブルと いったクラウド・コンピューティングの優れた特長を備え、3D可視化とHPC機 能をあらゆるロケーションのエンドユーザに提供できる、非常に強力なソリュ ーションです。 SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 7 W H I T E PA P E R 3.1.1 導入モデル HPCポータル ユーザが、Webブラウザ経由でアプリケーションとデータにアクセスするHPCポータルモデルは、HPCの並列ジョブ の実行依頼、制御、監視に最適です。 IT管理者とアーキテクトは、HPCポータルの背後で、SGI Linuxオペレーティ ングシステム・ベースのクラスタまたは共有メモリシステムを1台以上構成する ことができます。 オプションの独立型グラフィックスサーバを構成することによ って、可視化プログラムをオンデマンドで実行し、 ポスト処理とシミュレーショ ン機能を提供します。 グラフィックスサーバを、超高速ネットワークでコンピュ ーティング・クラスタに接続し、複数ユーザで共有できるGPU、大規模メモリ、 パワフルなプロセッサを搭載することで、大規模モデルのレンダリングを高速 に処理させることが可能になります。 HPCポータルモデルでは、 テクニカル・クラウド・ソフトウェアのHPCポータル が常駐するWebサーバを複数台で構成することも可能です。 このサーバは、 HTTPSとSOAPのアーキテクチャを基盤とするゲートウェイです。 エンドユー ザは、3D対応セッション向けの可視化サーバと、バッチジョブのHPCスケジ ューラに接続されたHPCコンピュータリソースに、 ブラウザ経由でアクセスし ます。 このモデルは、 コマンドライン・インタフェースにアクセスする機能や、統 計的最適化ツールや製品データ管理(PDM) ツールをはじめとするPython、 Microsoft .NET、 またはJavaツールでHPCサービスを自動化もしくは統合 する機能も提供することができます。 リモート3D「仮想ワークステーション」 このモデルは、 3D可視化に最適です。 また、 リモートユーザが、 データセンターで実行されるOpenGLアプリケーションを 利用するのに理想的なモデルでもあります。 ユーザは、 一般的な仮想デスクトップインフラ (VDI) などのフルデスクトップ にアクセスするか、Webブラウザ経由で個々のアプリケーションとデータにアクセスしますが、3Dのパフォーマンスは従 来型のVDIと比較して著しく向上しています。 「仮想ワークステーション」 モデルは、 主に可視化機能を提供します。 このモデルは、 NVIDIA® GPUを1つ以上搭載した ® SGIサーバで実現します。 NVIDIA GPUは、 サイジングや利用条件によってはユーザ間で共有できる場合とできない場 合があります。 また、 テクニカル・アプリケーションに必要なOpenGLアプリケーション・アクセラレーションを提供してお り、 このアクセラレーションは、 修正を加えることなく、 プライベート・クラウドまたはデータセンターにインストールして実行 することができます。 エンドユーザは、 Webブラウザがインストールされたノートパソコンなどのシンクライアントから作業 します。 シンクライアントはピクセルの表示のみに使用され、 データやアプリケーションの仕組みをローカルに保有する必 要はありません。 そのため、 タブレットを業務や共同作業に使用することも可能です。 データとアプリケーションはデータ センターに保管されますが、 エンジニアや科学者は、 リモートデスクトップへのアクセスによってそれらのデータとアプリ ケーションを使用できるため、 リモート環境での生産力を確保できます。 インストール、 ワークフロー、 サポートサービス NICEソフトウェアを搭載したSGI VizServerの計算サーバは、社内のITスタッフが設計し、 インストールできますが、 SGIプロフェッショナル・サービスでは、工場出荷時でのインストールとテスト、 オンサイトでの構築、簡易トレーニングサ ービスなど、 さまざまなサポートオプションを提供しています。 そのため管理者やアーキテクトは、 ビジネス業務への支 障を最小限に抑えながら、必要なHPCと可視化機能の実現に集中できます。 SGIのサービススタッフは専門知識と経験を生かし、強力なテクノロジをビジネス・ソリューションに実現する支援して います。 そのため、 サービス専門家が数十年にわたり築き上げた、豊富な実績を活用しています。1980年代半ば以来、 8 SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 W H I T E PA P E R SGIはグラフィックス・テクノロジの草分け的存在として形成的役割を果たしてきました。SGIは、信頼できる真の可視化 技術経験とともに幅広い専門知識を提供できる唯一の企業です。 Service Customer Value Proposition Proof of Concept Allows customers to evaluate new approach to visualization with low initial investment. Quickstart Prodives fast ramp to productivity using the new software. More complete employment of software due to increased understanding. Better use of SGI resources Better return on technology investment Site Workflow / Tuning Services Tunes the software for the customer’s workflow, and optimizes software for their environment. •W hen users are located in the same site, or when the users are in different locations. 3.1.2 NICEソフトウェア搭載SGI VizServerシステムのメリット NICE DCV搭載のSGI VizServerサーバは、 以下に示すように、 管理者や利用ユーザに多くのメリットをもたらします。 •実際のユーザのニーズに基づいてリソースをプロビジョニングすることで、 業務効率が向上します。 •Webインタフェース環境を使用し、 利用可能な帯域幅に基づいて可視化性能を最適化することで、 モバイルアクセスを 実現します。 またこれにより、 接続性に左右されない、 HPCと可視化機能を提供します。 •ワークステーションや周辺装置のネットワーク・コンポーネントをアップグレードする必要性を排除することで、 インフラ のアップグレードコストを削減します。 •計算ジョブの実行依頼前にワークフローのガイドとパラメータを提供することで、 リソースの無駄とユーザのエラーを 最小限に抑えます。 •離れたロケーションにいる同僚との共同作業環境を実現します。 各エンジニアは最新のモデルに瞬時にアクセスでき、 そのモデルの状態をリアルタイムに参照できます。 •データとアプリケーションに対してカスタマイズ可能な制限付きアクセスを提供し、 データではなくピクセルを送信する ことで、 データ盗難とセキュリティ違反を回避します。 3.2 NICEソフトウェアソリューション搭載SGI VizServerの概要 SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 9 W H I T E PA P E R 4.0 SGIのハードウェアとグラフィックスカードのサポートについて 4.1 SGI® Rackable® Standard Depthプラットフォーム モデル番号C2108-RP2のSGI Rackableサーバは、Linux®、FDRおよびQDR Infiniband®ソリューション、8コアプロ セッサ、GPU、DDR3メモリをサポートする2U当たり最大16コアの密度のアーキテクチャの場合で、 ノード当たり最大 256 GBのメモリをサポートします。 サポートするNVIDIA®グラフィックスカードは、Quadro® K2000D(1~2ユーザを サポート)、Quadro® K5000(3~5ユーザをサポート)、 およびQuadro® K6000(6~8ユーザをサポート) です。 SGI Rackable 2U Sever, model number CH-C2108-RP2. 4.2 SGI® UV™ 2000サーバ SGI UV 2000サーバは256ソケット (2,048コア、4,096スレッド) まで拡張し、 アーキテクチャ上は262,144コア ( 32,768ソケット) までサポートされます。 シングル・単一システムイメージでグローバル共有メモリを最大64 TBまでサ ポートするため、 データを移動しなくてもプリ処理/ポスト処理、計算・解析処理、可視化を単一マシン上で実行でき、 CAEワークフローのソリューション実現までの時間が短縮されます。 マルチユーザかつ異機種混合のワークロード環 境のコアアロケーションにかかわらず、 ジョブに割り当てられたメモリサイズを柔軟に設定できるため、大量のメモリを 必要とするジョブがコア不足に陥ることがありません。 SGI® UV™プラットフォームがサポートするNVIDIA®グラフィックスカードは、Quadro K2000D(1~2ユーザをサポ ート) およびQuadro K5000(3~5ユーザをサポート) です。 10 SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 W H I T E PA P E R 5.0 NICEソフトウェアについて 5.1 NICE EnginFrame™ NICEのHPCポータル製品であるNICE EnginFrameは、 商用サポートが得られる高度なグリッドポータルです。 このソフ トウェアは、 グリッド対応のインフラ、 HPCクラスタ、 データ、 ライセンス、 およびインタラクティブ・アプリケーションへのアク セスをポータル化して提供します。 アクセス権限のあるユーザであれば、標準のWebブラウザからアクセスできます。 EnginFrameは、 HPCの並列ジョブの実行依頼、 制御、 監視を巧みに処理します。 EngineFrameは、 標準プロトコルを採 用しており、 エンジニアにとって使いやすいため、 設計、 開発、 研究活動をより効率的にするポータルとして浸透することで しょう。 さらに、 アクセスとファイル転送を暗号化することで、 知的財産とインフラを保護します。 5.2 NICE Desktop Cloud Visualization™(DCV) ソフトウェア NICEのリモート3D 「仮想ワークステーション」 製品であるNICE DCVは、 高度なリモート3Dアクセス技術を搭載してお り、 テクニカルなエンドユーザはWebベースのポータル経由で高度な3Dモデリングツールにアクセスできます。 IT専門家 は、 GPUとメモリを複数のユーザセッションで共有させることができます。 データをデータセンター内で安全に保管する ことで、 ロード時間を短縮するとともに、 ユーザのニーズに応じてデータとアプリケーションへのアクセス権限を付与する ように構成することもできます。 EnginFrameとDCVアプリケーションを共に使用することで、 クラウド・コンピューティングとテクニカル・ソフトウェアの 双方に優れた特長を提供することが可能になります。 IT専門家は、 コストのかさむアップグレードを実施することなく、 ユ ーザの生産性を向上する直観的で強力なソリューションを得られます。EnginFrameソフトウェアは大規模なソルバー 計算を実行させるHPC機能を搭載する一方で、DCVソリューションは複雑で詳細なモデルをリモートで参照するため に必要な3Dモデリング機能を提供します。両方とも使用することで、直観的で使い勝手の良いインタフェースでサービ スを提供しながら、 テクニカルなエンドユーザの計算ニーズを手際良く満たします。 6.0 SGIについて SGIは、設計、開発、研究活動分野での革新性や利益性向上を促進するテクニカル・コンピューティング、 ビッグデータ、 およびクラウド・コンピューティングのソリューションを提供することで、極めて要求の厳しいビジネス課題と技術的な 課題をお客様が解決できるよう支援することに注力しています。SGIは、市場を開拓し、 ローエンド、 ミドルレンジ、 ハイエ ンドのスケールアウトサーバおよびスケールアップサーバとデータストレージ・ソリューション、 ならびに差別化を実現す るソフトウェアを幅広く取り揃えています。 また、大規模なデータセンター向けの受注設計型インフラ製品も販売してい ます。 さらに、製品に関するサポートと専門サービスを世界中のお客様に提供しています。SGIは、企業のお客様が計算 やストレージの要件をより低価格な総所有コストで実現し、 より優れた柔軟性と拡張性を備えた導入を実現できるよ う支援します。 SGIの製品とサービスは、科学界、技術団体、 ビジネスコミュニティにおいて、HPCの計算、 データ管理、可視化などの 困難な課題に対処するために使用されています。 これらのテクニカル・コンピューティングのアプリケーションでは通常 、大量のコンピューティング・パワーとともに、 コンピューティング・システム内と、大規模なデータストレージ装置との間 で、高速かつ効率的なデータ転送が必要とされます。SGIのシステムは、 リアルタイム、 またはリアルタイムに近い速度で 、大量データのアクセス、分析、変換、管理、可視化、保管を実現します。 SGI® VizServer® Systems with NICE Software プライベートクラウドやデータセンターにおける遠隔可視化の実現 11 © 2013 - 2015 Silicon Graphics International Corp. All rights reserved. SGI, UV, Rackable, OpenGL and the SGI logo are trademarks or registered trademarks of Silicon Graphics International Corp. or its subsidiaries in the United States and/or other countries. NICE, EnginFrame and Desktop Cloud Visualization are trademarks of NICE s.r.l. NVIDIA and Quadro are registered trademarks of NVIDIA Corporation. All other trademarks are the property of their respective holders. (10/2015) 〒150-6031 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー31階 http://www.sgi.co.jp 本 西 日 本 支 中 部 支 つ く ば 営 業 東 北 営 業 広 島 営 業 社 社 社 所 所 所 TEL TEL TEL TEL TEL TEL : : : : : : 03-5488-1811(大代表)FAX:03-5420-7201 06-6479-3918( 代表 ) FAX : 06-6479-3919 0565-35-2561( 代表 ) FAX : 0565-35-2189 029-858-1551( 代表 ) FAX : 029-858-1071 022-221-2301( 代表 ) FAX : 022-221-2304 082-258-5037( 代表 ) FAX : 082-258-5038 日本SGIは地球環境に優しい企業へ このカタログは、環境に配慮した植林木を使用しております。 日本SGIは様々なソリューションの提供を通じてお客様の製品の開発・ 設計の過程において発生する紙や燃料等の資源消費量やCO2排出量 の低減を行い、省資源、省エネルギー化に貢献しています。
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