年 次 報 告 - Asian Development Bank

アジア開発銀行 2009 年次報告 V O LU M E 1
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
Tel +63 2 632 4444
Fax +63 2 636 2444
information@adb.org
www.adb.org
アジア開発銀行駐日代表事務所
東京都千代田区霞が関 3-2-5
霞が関ビルディング 8 階
年次報告
Tel 03-3504-3160
Fax 03-3504-3165
www.adb.org/JRO/
財務局
Fax +63 2 632 4707
+63 2 632 4120
SWIFT Address ASDBPH MM
V O LU M E
1
アジア開 発 銀 行
アジア開発銀行について
謝辞
年次報告 2009 の理事会作業部会
経済発展のサクセス・ストーリーが脚光を浴びる一方で、アジア太平洋地域には世界の貧困層の 3 分の 2 が、
また生活費が 1 日 2 ドル未満の人々が 18 億人、そのうち 9 億 300 万人は 1 日 1.25 ドル未満で暮らしていると
されます。
Richard Edwards(部会長)• Md. Aminul I. Bhuiyan • Paul Curry • Xiuzhen Guan • Dereck Rooken-Smith • 渡部 康人
発行人
Ann Quon
編集・クリエイティブ・マネージャー
マニラに本部を置くアジア開発銀行( A s i a n D e v e l o p m e n t B a n k 、A D B 、加盟国・地域数 67 、うち域内
48 )は、アジア・太平洋地域から貧困がなくなる日の実現をめざし、全ての人々に恩恵が行き渡る(インクルー
シブな)経済成長、環境に配慮した持続可能な成長、地域統合を通じて、途上加盟国の貧困削減と人々の生活の
向上を支援しています。A D B が行う支援の具体的手段は、政策対話、融資、出資、保証、無償援助、技術協力な
どです。
Carolyn Dedolph Cabrera
編集長
Muriel S. Ordoñez
編集
Carolyn Ahmad • Jenny Bennett • Bonnie Jo Collins • Joanne Gerber • Lynette Malley • Dan Mausner • Toby Miller
Ma. Priscila del Rosario • Nancy Sixsmith • Teri Temple • James Unwin • Karen Williams • Eric Van Zant
コピーエディター
Ma. Cecilia Abellar • Ma. Guia de Guzman • Leticia de Leon
アート・ディレクター
Anthony Victoria
表紙および本文イラスト
Smruthi Gargi Eswar
デザイン・制作
Vicente Angeles • Rodel Bautista • Cecilia Caparas • Ronnie Elefaño
写真クレジット
10 渡部 康人 ; 12–13 ADB 写真ライブラリ ; 22 Salman Yusuf; 32 Ariel Javellana; 39 James Hutchison;
© 2010 Asian Development Bank
努 め て い る が、A D B の 出 版 物 に お い て は 発 行 日 の
相違、データの情報源や解釈によりデータが異なる
ことがある。掲載データの使用によって生じるいか
な る 結 果 に 対 し、A D B は 一 切 の 責 任 を 負 う も の で
はない。
本書における特定の領土や地理的地域の指定ある
いは言及、または「国」という用語の使用は、いかな
る領土や地域の法的状態に対する A D B の見解を示
すものではない。
45 James Hutchison; 47 Kaarmanbek Kuluev; 48–49 James Hutchison; 55 Raul del Rosario; 56 Lei Kan;
アジア開発銀行
マニラ
A D B は本書で用いられるデータの正確性の確保に
57 Raul del Rosario; 64–67 Ian Gill; 70 Sekhar Bo nu; 74 Eric Sales; 75 James Hutchison;
2010 年 4 月 6 日
アジア開発銀行
77 Kiran Pandey; 85–86 Eric Sales; 87 Ian Gill; 89 Agence France-Presse; 90 ADB 写真ライブラリ ;
91 Ian Gill; 94 ネパール駐在員事務所 ; 95–97 Eric Sales
制作統括
総務会議長殿
広報局
拝啓
『年次報告 2009 』は、植物油ベースのインクと再生紙を使用している。製紙工程において塩素は一切使用していない。
拝啓 アジア開発銀行協定第39条およびその付則第13項に従
い、特別基金の諸活動に関する報告を含む『2009年度年次報
告』を、理事会を代表して総務会に提出いたします。本年次報告
には、付則第 15 項に規定される財務諸表も含まれています。
本書では「ドル」
「 $ 」という場合には米ドルを指す。
敬具
総裁・理事会議長
黒田東彦
『年次報告 2009 』は CD-ROM を配布しているほか、ADB のウェブサイト( www.adb.org )からダウンロードすることができる。
年次報告
V O LU M E
1
09
アジア開発銀行
目次
記録
4
1 総裁・理事会議長挨拶
6
2 理事会
8
3 政策と戦略の概要
14
4 効果的な組織の実現
18
5 セクターおよびテーマ別の
ハイライト
30
6 2009 年の融資業務
34
7 中央・西アジア
40
8 東アジア
50
9 太平洋
58
09
年 次 報 告
10 南アジア
68
ADB の連絡先
120
11 東南アジア
78
用語解説・略語
122
12 ノンソブリン業務
88
13 財務と管理
92
14 付録
98
ADB年次報告2009 (英語版)は2分冊となっている。
第1分冊が主な報告であり、第2分冊には財務諸表と統計付録が含まれている。
アジア開発銀行
4
記録
(単位:百万ドル)
1966–2009
2006
2007
2008
2009
業務活動(A+B+C+D+E+F)
170,925
8,389
10,770
11,329
16,078
(1+2)
A.融資(金額)
155,893
2,205
117,356
1,299
80,400
112,182
1,166
77,076
519
6
85
4,655
127
3,239
38,537
1,264
29,317
38,522
1,259
29,302
15
5
15
7,264
64
5,992
33
4,420
5,542
26
4,061
75
1
1
375
6
358
1,272
44
1,338
1,272
44
1,338
–
–
–
9,516
77
7,623
55
5,234
6,972
38
4,743
10
1
30
640
16
461
1,893
36
1,618
1,893
36
1,618
–
–
–
10,124
81
8,360
57
6,472
6,839
45
5,878
300
2
54
1,222
10
540
1,764
35e
2,043
1,764
35e
2,043
–
–
–
13,230
93
11,020
64
7,898
10,577
57
7,449
134
2
–
309
5
449
2,210
47e
2,201
2,210
47e
2,201
–
–
–
g
B. 無償援助 c, f, (金額)
5,191
315
530
41
673
39
809
48
1,113
64
C. 保証 b(1+2)
3,318
29
708
9
2,610
20
125
3
15
1
110
2
251
3
–
–
251
3
–
–
–
–
–
–
397
2
325
1
72
1
プロジェクト件数 a, b, c
(a+b+c)
1. 通常資本財源(OCR)融資(金額)
融資件数
実行額(金額)
a. ソブリン融資
融資件数
実行額(金額)
b. ノンソブリン融資 公共セクター d
融資件数
実行額(金額)
c. ノンソブリン融資 民間セクター
融資件数
実行額(金額)
(a+b)
2. アジア開発基金(ADF)融資(金額)
融資件数
実行額(金額)
a. ソブリン融資
融資件数
実行額(金額)
b. ノンソブリン融資 民間セクター
融資件数
実行額(金額)
プロジェクト件数 a, b, c
プロジェクト件数
1. 政治リスク保証額
プロジェクト件数
2. 部分信用保証額
プロジェクト件数
D. 貿易金融促進プログラム h
1,000
–
–
–
850
i
E. 出資 b,(金額)
出資 / 株式引受件数
1,714
164
231
12
80
5
123
7
220
5
g
F. 技術協力無償 (金額)
3,809
6,863
240
259
251
239
273
298
267
313
13,297
970
321
1,090
3,164
221
11,318
188
1,979
33
14
565
10
405
4
7
121
6
200
1
7
665
5
425
2
14
2,768
10
396
4
166,179
60,751
93,714
42,123
9,790
219
1,472
14,114k
53,169
53,169
5,576
27,601
8,994
198
1,839
566
55,978
55,978
8,854
31,569
9,245
203
2,208
760
54,890
54,890
9,372
35,672
9,532
210
2,064
1,119
166,179
60,751
10,359
42,123
9,790
219
1,472
(37)
34,159
1,716
29,247
1,347
31,950
1,361
33,479
1,403
34,159
1,716
929
151
121
594
114
–
–
–
956
151
133
617
137
41
–
–
974
151
141
626
142
43
41
–
974
151
149
587
144
43
41
40
プロジェクト件数 a, b
j
協調融資(金額)
プロジェクト件数
ソブリン業務(金額)
プロジェクト件数
ノンソブリン業務(金額)
プロジェクト件数
財源(期末時点)
通常資本財源
授権資本
応募済資本
借入(期中総額)
負債残高
通常準備金
特別準備金
総収入(期中)
保証手数料を特別引当金に充当後の純利益(期中)
特別基金財源
アジア開発基金財源合計 l
技術協力特別基金財源合計 l
日本特別基金財源合計
定期拠出金および追加拠出金
アジア通貨危機支援ファシリティ
アジア開発銀行研究所特別基金財源合計
アジア津波基金財源合計
パキスタン地震基金財源合計
地域協力・統合基金財源合計
気候変動基金財源合計
アジア太平洋災害対応基金財源合計
– = 該当データなし。
974
151m
149
587
144
43
41
40
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
複数の融資を受けるプロジェクトまたは公共融資と民間融資が組み合わされるプロジェクトは 1 件として数える。追加融資はプロジェクトの累積件数には含まれない。複数の基金による無償援助は 1 回のみ数える。
終了した融資、出資、保証、技術協力、無償援助を除く。
マルチトランシェ融資ファシリティからの融資 / 無償援助を含む。
公的機関が資本の 50%超を所有またはその他の方法により経営を支配する企業に対する融資。
本年度の補完的融資で早期に承認された融資を含む。
アジア開発基金およびその他の援助を含む。
直接付加価値協調融資を含む。
2003 年に承認された 1 億 5,000 万ドルを含む(OCR 融資 4,500 万ドルおよび部分信用保証 1 億 500 万ドル)。
ノンソブリン業務のみ。
2006 年以降、協調融資の統計は直接付加価値協調融資(ADB と運営や協力に関する協定のある協調融資)を表す。
2009 年 1 月 1 日時点の準備金の調整に、ASC820/825 の採用に伴う総額 2 億 2,750 万ドルの累積的影響額を含む。
累積財源(コミット済の未発効金額を除く)。
2002 年に貧困削減日本基金に正味 9,000 万ドルが移転された。
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
k
l
m
年次報告 2009
5
表 1 国別支援額(2009 年)
(単位:百万ドル)
融資
国
OCR
中央・西アジア
1,457.0
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
グルジア
カザフスタン
無償 a
ADF
保証
出資
TFFP
技術協力無償 b
合計
718.3
433.5
–
–
–
14.7
2,623.5
–
–
336.4
–
–
–
1.4
337.8
–
140.0
–
–
–
–
1.7
141.7
75.0
–
–
–
–
–
1.0
76.0
–
228.8
–
–
–
–
1.4
230.2
687.8
687.0
–
–
–
–
–
0.8
–
44.5
35.5
–
–
–
1.3
81.3
695.0
245.0
–
–
–
–
2.7
942.7
タジキスタン
–
–
61.6
–
–
–
0.7
62.3
トルクメニスタン
–
–
–
–
–
–
–
–
ウズベキスタン
–
60.0
–
–
–
–
3.8
63.8
東アジア
1,954.9
50.1
54.0
–
–
25.0
31.8
2,115.9
中国
1,954.9
–
9.9
–
–
25.0
24.6
2,014.4
–
50.1
44.2
–
–
–
7.2
101.5
キルギス
パキスタン
モンゴル
太平洋
136.7
95.0
91.0
–
–
–
12.1
334.7
クック諸島
10.0
–
–
–
–
–
0.6
10.6
フィジー諸島
76.7
–
–
–
–
–
–
76.7
キリバス
–
–
–
–
–
–
0.9
0.9
マーシャル諸島
–
–
–
–
–
–
0.2
0.2
ミクロネシア連邦
–
–
–
–
–
–
–
–
ナウル
–
–
–
–
–
–
–
–
パラオ
–
–
–
–
–
–
1.2
1.2
150.5
パプアニューギニア
50.0
95.0
2.0
–
–
–
3.5
サモア
–
–
1.0
–
–
–
1.6
2.6
ソロモン諸島
–
–
29.0
–
–
–
0.7
29.6
東ティモール
–
–
49.0
–
–
–
0.6
49.6
トンガ
–
–
10.0
–
–
–
1.0
11.0
ツバル
–
–
–
–
–
–
–
–
バヌアツ
–
–
–
–
–
–
1.9
1.9
南アジア
2,626.0
752.1
286.2
–
–
40.0
50.7
3,755.0
600.0
427.9
58.5
–
–
–
12.0
1,098.3
–
–
38.8
–
–
–
2.0
40.8
1,811.0
–
2.0
–
–
40.0
19.5
1,872.5
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
–
36.5
–
–
–
–
3.0
39.5
ネパール
–
172.8
172.5
–
–
–
5.7
351.0
スリランカ
215.0
115.0
14.5
–
–
–
8.4
352.9
東南アジア
6,162.7
4,845.3
594.8
248.7
396.8
–
40.0
37.2
ブルネイ
–
–
–
–
–
–
–
–
カンボジア
–
71.7
108.7
–
–
–
7.9
188.3
インドネシア
2,184.2
–
5.0
–
–
40.0
6.3
2,235.5
ラオス
–
0.1
126.6
–
–
–
4.5
131.2
マレーシア
–
–
–
–
–
–
–
–
ミャンマー
–
–
–
–
–
–
–
–
フィリピン
1,176.1
–
4.9
–
–
–
6.5
1,187.5
タイ
ベトナム
地域案件
合計
82.1
–
–
71.8
–
–
1.3
155.2
1,402.9
523.0
3.5
325.0
–
–
10.6
2,265.0
–
–
–
–
850.0
115.0
120.7
1,085.7
11,019.9
2,210.3
1,113.5
396.8
850.0
220.0
267.2
16,077.6
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、TTFP= 貿易金融促進プログラム。
注:
(i)ソブリン融資およびノンソブリン融資の承認については、統計付録 1(ソブリン融資およびノンソブリン融資の承認(国別))および統計付録 10(ノンソブリン投融資の承認と総事業費(国別))
(iii)小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
を参照。
(ii)無償援助と技術協力無償には、外部財源による公的協調支援が含まれる。
a 統計付録 2(無償援助プロジェクトの承認(国別))を参照。
b 統計付録 16(技術協力無償承認(国および地域活動別))を参照。
6
アジア開発銀行
第1章
総裁・理事会議長挨拶
世界経済危機の影響を受け、アジア・太平洋地域の開発途
こうした事態を受け、ADB では 2009 年 4 月に資本を 550
上国では 1997~1998 年のアジア金融危機以来の深刻な事態
億ドルから 3 倍の 1,650 億ドルに拡大することで出資国の合
となっています。アジア・太平洋地域では輸出に対する主要
意を取り付けました。これは ADB 創設以来最大の規模とな
先進国の需要が減少し、域内の個人消費や投資の低迷とあい
る 15 年ぶりの増資であり、開発途上加盟国における貧困の削
まって、2009 年の経済成長率は約 5.2%に低下し、過去 10 年
減という使命を追求する原資となります。この資本増強によ
間で最も高かった 2007 年の 9.5%の半分を若干上回る程度と
り、ADB は支援額を大幅に増大し、開発途上加盟国のニーズ
なっています。
に迅速に応えられるようになっています。2009 年には業務規
アジアは世界経済の回復を牽引しており、同地域の経済成
模は 2008 年の 113 億ドルから 161 億ドルへと 42 %増加し
長率は 2010 年には 7%強に回復する見通しです。これは心強
ました。また、ADB の融資実行額も 2008 年の 85 億ドルから
い予測ではあるものの、水面下には景気回復に対する弱さが
2009 年には過去最大の 101 億ドルに大幅増となりました。
残っています。好調な国がある一方で、依然として景気低迷に
アジア・太平洋地域が引き続き回復基調にあるなか、人々
あえいでいる国もあります。先進諸国が景気後退から完全に
に恩恵が行き渡る(インクルーシブな)成長と環境に調和した
抜け出すまで、観光をはじめとする物品やサービスなど、アジ
持続可能な成長を一層図ることが重要です。アジア・太平洋地
ア・太平洋地域に対する外需はしばらくの間低迷すると予想
域の回復力をさらに高め、グローバル市場との結び付けを強
されます。長期的に貧困を削減するうえで必要となる高い経
め、経済成長のメリットを広く共有するには、地域統合を深化
済成長を達成するには、とりわけ国内・域内の需要を創出する
させなければなりません。また経済成長を促進し、より広範な
ことによって、今後の衝撃に対する回復力を高めることが欠
繁栄を生み出す上で重要な役割を果たすことができるよう、
かせません。
民間セクターを支援していかなければなりません。
景気回復の兆しが見える一方、アジア開発銀行(ADB)の推
計によると、経済成長率が 2007 年のレベルに留まっていれ
ADB の投資の約 65%はインフラに向けられており、重要な
サービスや経済機会へのアクセスを向上させることにより、
ば、1 日 2 ドル未満で暮らす 7,100 万人、1 日 1 ドル 25 セント
未満で生活する 5,400 万人が貧困から抜け出すことができた
のです。今後数年にわたり、特に貧困国では、高い失業率とそ
ADB は、
の社会的影響を実感していくと見られています。経済危機は
出資国やパートナーと連携して
人類の福祉に大きな経済的な負担と長期にわたる影響を与え
かねません。職業の選択肢がほとんどなく、融資をほとんどま
経済回復の恩恵を
たはまったく受けられない家庭では、食事の量や質を落とし
より広く分かちあうよう
たり、子供を退学させたり、治療を先延ばしにせざるを得ない
状況に置かれています。
努めていきます
年次報告 2009
7
主に女性と子どもが恩恵を受けているバングラデシュの都市部のプライマリー・ヘルスケアセンター(ADB は 100 カ所以上を支援)を訪問した黒田総裁
人々に恩恵が行き渡る(インクルーシブな)成長を推進してい
ドルの協調融資を動員しました。
ます。我々のインフラ関連プロジェクトの多くは、地域統合を
2008 年のアジア開発基金の財源補充や 2009 年の一般増
資を受け、ADB は長期的戦略である「ストラテジー 2020」を
完全に実施していく強い使命を有しています。2010 年初旬
促進しており、2009 年における ADB の投資プロジェクトの約
35%は環境の持続可能性を支援しています。2009 年における
ADB の支援総額の約 81 %は、インフラ、金融、教育、環境、地
域協力という 5 つの中核的業務分野に向けられています。
こうした経済危機のなか、2009 年 12 月にコペンハーゲン
で世界の指導者が一堂に会し、気候変動というもう一つの危
には「ピープル・ストラテジー」
(人事戦略)を導入して、我々
に課せられた重大な使命の達成に向け、財源のみならず人材
も確保してまいります。
アジア地域が経済危機を脱する中、ADB は貧困の原因への
機に対する解決策について協議しました。多くの期待にこた
対処、特に貧困層の生活水準の向上に向けて決意を新たにし、
えるほどの進展は見られなかったものの、先進国および開発
出資国やパートナーと連携して経済回復の恩恵をより広く分
途上国の指導者の間で、気候変動、持続可能な開発、社会福祉
かちあうよう努めていきます。
について取り組んでいくこととなりました。
ADB は、気候変動および持続可能な開発に関する業務にお
いて重要な一歩を踏み出しています。まず、ADB の理事会は
新しいエネルギー政策とセーフガード政策という、2 つの重要
な政策を承認しました。次に、金融支援と助言サービスの支援
総裁・理事会議長
を強化しました。例えば、クリーンエネルギー計画では、過去
黒田 東彦
2 年間に再生可能エネルギー、省エネルギー化、クリーン技術
の展開に 28 億ドルを投資し、開発途上加盟国に低炭素型エネ
ルギーの生成と利用への移行を奨励しています。第 3 に、ADB
は他の国際開発金融機関と共に気候投資基金を設立し、低所
得国におけるクリーン技術、気候変動に対する回復力、森林保
護、再生可能エネルギーの分野を支援しています。
2009 年における 161 億ドルの業務のうち、融資とグラン
ト(無償援助)が計 143 億ドル、保証 3 億 9,700 万ドル、貿易
金融促進プログラム 8 億 5,000 万ドル、出資 2 億 2,000 万ド
ル、技術協力 2 億 6,700 万ドルとなっています。また、32 億
8
アジア開発銀行
理事会
第2章
理事会
経済危機に対応し、組織および開発の有効性の向上を図りつつ、業務を監督 ・ 指導する上
で、理事会は引き続き重要な役割を担っており、2009 年、160 億ドル超の業務案件を承
認した。危機に見舞われた加盟国を支援するため、理事会は 30 億ドル規模の「景気循環相
殺政策支援ファシリティ」
(CSF)の創設を支援し、特に貧しい国に対し 4 億ドルを追加供
与することを承認した。また、貿易金融促進プログラムを 10 億ドルに拡大した。ADB の
組織の実効性を高め、出資者や受益者への説明責任を向上させる改革として、非自発的住
民移転、先住民族への配慮、環境に関する政策を改定し、これらをまとめたセーフガード
政策文書などがある。このほか理事会は新たなエネルギー政策も承認した。組織的には、
人事管理を指導する人事委員会を設立した。
年次報告 2009
9
理事会は政策、融資、グラント(無償援助)、保証の承認な
益者に対する説明責任を高めるため、引き続き主要な分野に
ど、アジア開発銀行(ADB)の業務に対する全般的な指示を行
おける改革に重点を置いた。セーフガード政策が承認され、非
う。株主である加盟国を代表する機関である理事会は ADB が
自発的住民移転政策(1995 年)、先住民政策(1998 年)、環境
出資者から与えられた指示を実施しているか監督する重要な
政策(2002 年)に対するこれまでの改定が、セーフガード政策
役割を担っている。
文書として一つにまとめられた。理事会は、アジアで急速に高
理事会は、ADB の組織の有効性を高めるために、直接また
まっているエネルギー需要に応え、低炭素型社会への移行を
促進し、アジア・太平洋地域から貧困をなくすという ADB の
の高まる需要に応えて ADB が業務を拡大するのにあわせて、
ビジョンの達成に向けて、新たなエネルギー政策を承認した。
組織のガバナンスを監督する上で積極的な役割を担ってい
さらに、理事会は ADB の将来的な行動をもたらし、説明責任
る。理事会は ADB の開発効果、対応性、説明責任を高める上で
を高める主要な出版物である、
「2008 年開発効果評価報告書」
肝要となる数々の施策を承認した。
について審議した。
理事会会議では、政策、財務、運営に関する幅広い問題のほ
か、様々なプロジェクトやプログラムが議論された。理事会は
複数の開発途上加盟国に対する新たな支援戦略を承認した。
ADB の内部業務の改善を目的として、理事会は ADB の人事
管理を監督指導するために人事委員会を設立した。
また理事会は ADB の年次財務諸表、2010 年度の予算およ
理事会が承認した総額は、融資、グラント(無償援助)、保証、
び借入プログラム、業務計画と予算枠組み(2010~2012 年)、
貿易金融促進プログラム、出資、技術協力など併せて 160 億ド
職員の給与および諸手当についても審議した。さらにアジア
ル超となっている。このほか、ADB は 30 億ドル超の協調融資
開発銀行研究所(ADBI)の 3 カ年業務計画および 2010 年度予
を動員した。
算を検討した。
理事会は ADB が総務会に対し、資本を 200%増加する一般
増資について提案することを承認した。これは、ストラテジー
国別支援戦略
2020 を実施して、世界経済危機に対処するために必要な資金
を確保する上で重要な措置である。その後、第 5 次一般増資は
総務会で承認された。
経済危機に対処する中で、理事会は ADB の開発途上加盟国
国別支援戦略(Country Partnership Strategy)は、各開発
途上加盟国の課題や優先課題を踏まえたうえで、ADB がこれ
らの国と効果的に協働していく道筋を示すものである。また、
を支援する一連の措置を支持した。理事会は危機に直面した
この戦略を通じて、ADB は戦略実施期間中における当該国の
加盟国が ADB の通常資本財源からの融資を受けられるよう、
開発成果を評価することが可能になる。
短期的な財政支援対策として、30 億ドル規模の景気循環相殺
理 事 会 は、ア フ ガ ニ ス タ ン(2009~2013 年 )、イ ン ド
政策支援ファシリティを創設することを承認した。またアジ
(2009~2012 年)、パキスタン(2009~2013 年)、ネパール
ア開発基金を通じて、特に貧しい加盟国に追加の流動的資金 4
(2010~2012 年 )、パ ラ オ(2009~2013 年 )、バ ヌ ア ツ
億ドルを供与することを承認した。
(2010~2014 年)の 6 カ国の国別支援戦略のほか、ソロモ
世界貿易の縮小と資本市場の逼迫を受け、理事会は ADB の
貿易金融促進プログラムを 10 億ドルに拡大することを承認
ン諸島についての暫定国別支援戦略を承認した
(2009~2011 年)。
した。これは、貿易取引を促進することにより、世界的な景気
後退がアジア・太平洋地域の開発途上国に及ぼす衝撃を和ら
その他
げることを目指すものである。
民間セクターの業務を拡大させるストラテジー 2020 の目
11 月には、フィリピンのマニラ郊外で、ADB の一般増資と
的に沿って、理事会はノンソブリン業務に関して、新たなエク
今後の取り組み、気候変動に対する ADB の業務という二点に
スポージャー管理政策を承認した。同政策はノンソブリン業
ついて、理事会と経営陣による 2 日間にわたるリトリート会
務のエクスポージャーに制限を設けつつ、ADB の格付けを損
合が行われた。
なうことなく、民間セクターの業務を慎重に拡大することを
支援するものである。
理事会は太平洋地域を支援する ADB の新たなアプローチ
も承認した。理事会は地球規模の気候変動がこれらの小規模
な開発途上国に及ぼす影響に対して懸念を示し、太平洋の特
殊な開発環境の中で ADB がこの難題に対処する必要性を強
調した。
理事会は、ADB の組織としての有効性、および出資者や受
理事会
は加盟国からのインプットを提供しており、開発途上加盟国
10
アジア開発銀行
予算委員会
予算委員会は、2010 年から 2012 年までの業務計画と予算
枠組み(WPBF 2010~2012)の策定に向けて総裁が示した計
画方針について議論した。委員会は ADB が直面している開発
課題や新たな取り組み、スリム化された業務プロセス、これ
らの課題に効果的に対処する上で必要となる再編されたスキ
理事会
ル・ミックスを確認した。2009 年 8 月に、委員会は、業務担当
局、戦略・政策局および予算・人事・経営システム局と、危機へ
の対応、景気循環相殺政策支援、民間セクター業務、官民パー
トナーシップ、地域プロジェクト、協調融資、リスクのあるプ
視察を通じて理事会メンバーの加盟国への理解が深まっている
ロジェクトなど、業務計画の進捗状況について討議した。
委員会は、優先業務の範囲、新商品、継続的な取り組みを中
心に、WPBF 2010~2012 の原案の主要点について副総裁と
理事会による視察
協議した。委員会は、WPBF の下で ADB が気候変動のほか、ク
リーンエネルギーおよび再生可能エネルギーに対処する追加
理事会メンバーは二度にわたり域内を訪問し、ADB のプロ
的な環境イニシアチブを推進する計画を評価した。委員会の
ジェクトとその影響を直接視察したほか、政府高官、開発パー
メンバーは、開発効率を高めるには、ADB が開発パートナーと
トナー、民間セクターのリーダーなどの関係者と面談した。
の連携を深めることが必要性であることを強調した。委員会
2009 年 2 月 20 日から 3 月 9 日にかけて、最初の理事会視
察団が中国とモンゴルを訪問した。次の理事会視察団は 7 月 4
日から 10 日にかけてマーシャル諸島とパラオを訪れた。これ
らの視察により、ADB と開発パートナーの関係が強化され、貴
はまた、知識管理の文化の重要性と管理行動計画を適切に実
重なフィードバックを得ることができた。
金第 9 次財源補充(ADF X)および第 5 次一般増資で構想して
3 月 12 日には、理事会グループが体験ツアーの一環として
施することの必要性も重視した。
委員会は 2010 年度予算案を討議した。その際、委員会は本
予算案がミレニアム開発目標(MDG)の達成や、アジア開発基
いる支援レベルの達成のための支援など、ストラテジー 2020
マニラ南部にある国際稲作研究所(IRRI)を訪問した。
を実施するという課題に効果的に対処する上で、ADB がいか
理事会委員会
えを示していると指摘した。委員会は有効性を高め、今後数年
監査委員会
ために継続的な取り組みを求めた。委員会は ADB、独立評価
にスタッフと内部リソースを調整するかについて一貫した考
のうちに必要となる内部リソースを再評価し適切に調整する
局(IED)、アジア開発銀行研究所の 2010 年度予算案が業務計
監査委員会は、ADB の財務報告および内部統制や監査、リ
画に沿ったものであり、理事会の検討に値するものであるこ
スク管理などの各種監査の監督、ADB に関連する汚職・腐敗
とを確認した。委員会は 2009 年 11 月に会合を開き、ADB 本
の防止の取り組みについて、理事会を支援する。
委員会は、ADB の財務諸表、経営陣と外部監査人との協議
内容や分析結果を精査した。また外部監査人の選定プロセス、
部ビルと駐在員事務所の拡張に関する特別資本予算案につい
て協議した。
委員会は 2009 年中に 11 回の会合を開いた。
外部監査人の選定に関する基準の導入に向けた進捗状況、情
報システム・技術戦略Ⅱとその他の IT 関連活動の実施状況等
コンプライアンス審査委員会
をモニタリングした。
委員会は、ADB のリスク管理能力の見直しや ADB における
コンプライアンス審査委員会は、理事会が公認した案件の
リスク管理統合の進捗状況、外部監査人による勧告など、リス
順守状況の審査にあたる監察審査パネル(CRP)の活動内容や
ク管理部の業務をモニタリングした。
審査日程を承認し、理事会が承認した是正措置の実施に関す
委員会は、調査を通して確認された内部統制や政策の脆弱
る CRP のモニタリング報告書案を検討する組織である。委員
性に対する勧告の実施など、監査部公正管理課の業務と調査
会には、必要に応じて会合を開くことが義務付けられている。
結果を詳細にモニタリングした。また内部告発者保護政策の
進捗状況についてもモニタリングした。
委員会は 2009 年中に 13 回の会合を開いた。
2009 年 中 に 委 員 会 は 1 回 の 会 合 を 開 き、2010 年 度 の 業
務計画、アカウンタビリティ・メカニズムによる審査状況、
年次報告書について協議するとともに、CRP から順守状況審
年次報告 2009
11
査案件に関する最新の報告を受けた。コンプライアンス審
委員会は、理事、理事代理または総裁から彼ら自身に関する
査委員会のモニタリング報告は CRP のウェブサイト(www.
実在する利益相反または潜在的な利益相反、およびその他の
compliance.adb.org)に掲示されている。
倫理問題について指針を求められた場合に助言を行う。また
理事、理事代理または総裁に対して、職務に関連した不正行為
開発効果委員会
の疑惑の申し立てがあった場合、検証を行い、適切な対応につ
いて理事会に勧告する。
委員会は 2009 年中に 1 回会合を開き、法務部長の出席のも
と、新メンバーに対して「行動規範」に基づく各自の責任や関
価報告書 11 件、特別評価調査 4 件など、独立評価局(IED)が作
連する手続きを周知徹底させた。
成した主要な独立評価報告書について審議した。このほか、他
の部署が作成した年次評価報告書 2 件、プロジェクト成果評
人事委員会
価報告書 1 件、影響評価調査 1 件、評価結果速報 1 件について
討議した。また、開発効果委員会は、理事会での審議に先立ち
2009 年 6 月 に 理 事 会 は、ADB の 人 事 に 関 す る 戦 略 と 政
2008 年開発効果報告書について検討した。
戦略、政策、リソースに関連した ADB の組織の有効性に関
する 2008 年の調査結果や勧告から、委員会は、ADB の国およ
とモニタリングを行い、理事会に勧告する人事委員会を設立
した。人事委員会メンバーは、ADB の人事に関する戦略と政
びセクターレベルの業務や分野横断的なテーマを評価した。
策の外部評価を見直し、理事会に対してその調査結果を報告
策(特に人員配置、報酬と厚生、その他の関連課題)の見直し
新たな国別支援戦略の策定準備のタイミングに合わせて、国
するとともに勧告を行う。これらの課題は、ADB がストラテ
別支援プログラムおよびセクター別支援プログラムに対する
ジー 2020 に基づく使命を果たすために必要となる優秀な人
評価に関する検討が行われた。委員会では一貫して、開発効果
材を募集し、研修を行い、維持する上で不可欠なものと考え
をもたらす ADB の業務方法の推奨に取り組んでいる。
られる。
委員会は 2009 年中に 11 回の会合を開いた。
委員会は「ピープルストラテジー」
(人事政策)、
「人事実践
計画」など主要な人事イニシアチブについて勧告した。また、
倫理委員会
ジェンダー、誠実性や倫理、説明責任をはじめとする人事管理
に関連する他の事項について協議した。人事委員会は、職員
理事会は 2006 年 9 月に採択した「行動規範」に従って発生
組合(Staff Council)や女性プロフェッショナル職員委員会
し得る倫理問題に対処するため、倫理委員会を設立した。この
(Professional Women’ s Committee)とそれぞれ初会合を開
「行動規範」の規定は、理事会の全てのメンバー(理事、理事代
理および臨時理事代理)と総裁に対して適用される。
いた。
委員会は 2009 年中に 6 回会合を開いた。
理事会
開発効果委員会は地域別支援プログラム 1 件および国別支
援プログラム 4 件の評価報告、セクター支援プログラムの評
12
アジア開発銀行
理事会
総裁・理事会議長
理事
Phil Bowen
Howard Brown
Curtis S. Chin
Marwanto
Harjowiryono
Kyung-Hoh Kim
Torben Bellers
Paul W. Curry
C.J. (Stan)
Vandersyp
Tsuen-Hua Shih
理事代理
黒田 東彦
Dereck
Rooken-Smith
年次報告 2009
13
Ashok K. Lahiri
Michele
Miari Fulcis
坂口 勝一
Siraj S.
Shamsuddin
Md. Aminul
Islam Bhuiyan
Jose
Miguel Cortes
渡部 康人
Marita
Govinda
Magpili-Jimenez Bahadur Thapa
Richard Edwards Xiuzhen Guan
Ursula
Schaefer-Preuss
Bindu N. Lohani
Xiaoyu Zhao
Robert L.T.
Dawson
Chaiyuth
Sudthitanakorn
Eduard
Westreicher
経営陣
C. Lawrence
Greenwood, Jr.
Rajat M. Nag
Yingming Yang
14
アジア開発銀行
政策と戦略の概要
第3章
政策と戦略の概要
出資国は ADB の資本を 3 倍にする一般増資を行うことを承認した。これにより、ADB は
域内で長期的な開発優先課題を推進し、世界的な経済低迷の影響を受けた国々に対する支
援を大幅に増強することが可能になった。2009 年 6 月に、ADB は長期的な戦略の枠組み
であるストラテジー 2020 に沿ったエネルギー業務をより有効に行うため、新たなエネ
ルギー政策を承認した。ADB が支援するプロジェクトの環境および社会に対する影響に
対処するセーフガード政策文書が 2009 年 7 月に承認された。同政策文書は国際的なグッ
ド・プラクティスを取り込み、他の国際開発金融機関の政策とその調和を図っている。
2009 年 10 月に ADB は、ストラテジー 2020 で謳われる民間セクター関連業務の拡大
が、ADB のリスク負担能力内に収まるよう、ノンソブリン業務に関するエクスポージャー
管理政策を承認した。
年次報告 2009
第 5 次一般増資
2009 年 4 月 29 日、ADB 加盟 67 カ国の圧倒的多数が第 5 次
15
セーフガード政策文書
2009 年 7 月 20 日、ADB は ADB の業務における環境および
一般増資(GCI V)を承認し、ADB の資本は 3 倍に増強された。
社会的な影響への対処を示すセーフガード政策文書(SPS)を
今回の 200%の増資は、1994 年に 100%の増資が行われて以
承認した。SPS は、環境、非自発的住民移転、先住民への配慮に
来のものであり、最大の規模となった。GCI V により、ADB は
関する従来の 3 つのセーフガード政策を一つにまとめ、その
2008 年に採択されたストラテジー 2020 を実行することや
一貫性および整合性を高めるものである。同政策は、共通の目
域内における長期的な開発の優先課題を推進することが財務
的および政策の原則を定めるとともに、政策実施プロセスを
面で可能になる。また GCI V により、ADB は世界的な景気低迷
示している。また、ADB が支援するプロジェクトにおける環
境および社会的な影響及びリスクに対する借入国または借入
アジア・太平洋地域における社会・経済発展および貧困の削減
者に求める特定の要件を提示している。
において積み重ねてきた成果が失われることを防ぐことにも
SPS は国際的なグッド・プラクティスを取り込み、他の国際
つながった。
開発金融機関の政策との調和を図っている。また多岐にわた
経営戦略および政策の一貫性の向上
まれるとともに、セーフガードのモニタリングと監督に関す
る融資や最近開発された金融商品においても適切な要件が含
る要件をさらに強化している。SPS は、環境および社会的な影
ストラテジー 2020 に従って、ADB は経営戦略および政策
響およびリスクを管理する能力を開発することをさらに重視
の一貫性の向上に向けて取り組んでいる。これに関連し、ADB
している。さらに ADB のセーフガード政策程度の水準を前提
は業務効果を高める 5 つの取組みおよび 8 つの専門分野をカ
とする ADB プロジェクトへの適用に向けて、被支援国のセー
バーする指示文書の見直しを行った。見直しの結果、従来の業
フガード制度を強化していくことを盛り込んでいる。
務書類にはストラテジー 2020 を効果的に実施する上で十分
に詳細ではなかったり、現状に則っていなかったりしている
ものが見られた。ADB は民間セクターおよびノンソブリン(用
語集を参照)業務、知識管理、農業(持続可能な食品の安全性を
重視)に関する新たな業務計画を完成させ、教育、運輸、金融に
関する新たな業務計画の策定を開始した。
2009 年エネルギー政策
ノンソブリン業務の
エクスポージャー制限の見直し
2009 年 10 月、ADB はノンソブリン業務に関するエクス
ポージャー管理政策を承認した。すなわちノンソブリン業務
(NSO)のエクスポージャーを予想される業務全体の約 15 %
に制限し、NSO の拡大を段階的に行っていくように中期的な
制限を定めている。また単一国における NSO のエクスポー
2009 年 6 月、ADB はエネルギー関連業務がストラテジー
2020 に沿ったものとなるよう、新たなエネルギー政策を承認
した。同政策は、ADB の開発途上加盟国の全ての人に恩恵が
ジャーの上限を 21 億ドルに定めた。この制限は、2014 年に
行き渡る成長に向けて、社会・経済・環境持続性を推進するよ
のエクスポージャーの拡大が、ADB のリスク負担能力を越え
うな形で、信頼できる適切で安価なエネルギーを供給できる
ないよう図るものである。
は約 20%、あるいは NSO の名目資本量の約 60%相当にする。
この新たな政策は、ストラテジー 2020 で構想している NSO
ようになることを目的としている。実施にあたっては 3 つの
国別の制限は、当該国の信用格付けによって異なる。すべ
主要点に重点が置かれている。すなわち、省エネルギーおよび
ての国が公平に供与を受けられるよう国別の制限は、ソブリ
再生可能エネルギーの推進、すべての人がエネルギーを利用
ン(用語集を参照)のエクスポージャー額を差し引き、国内総
できるようにすることおよびエネルギーセクターの改革・能
生産の 10 %を超えないものとなっている。また、国別配分の
力構築・ガバナンス向上の推進である。
最少額は、より小さな国における民間セクターへの介入が意
義あるものとなるよう 2,500 万ドルとしている。
セーフガード政策文書は、
国際的なグッド・プラクティスを取り込み、
他の国際開発金融機関の
政策との調和を図っている
ADB は産業別、企業グループ単位、債務者単位、案件単位で
節度ある制限を設けるとともに、ADB の自己資本比率の枠組
みによってすでに定められている制限と合致するエクスポー
ジャーの定義を導入した。
政策と戦略の概要
の影響を受けている国々に対する支援を拡大するとともに、
アジア開発銀行
16
世界経済危機:ADB の対応
世界経済危機は、アジア・太平洋地域の開発途上国に近年ま
の支援は、主として足の速い資金により財政支援や雇用を創
れに見る深刻な事態をもたらした。主要なグローバル市場にお
出して景況感を高める官民プロジェクトの支援に集中してい
けるアジアの輸出に対する需要が崩壊したことが主因となっ
る。2009 年 12 月 31 日現在、危機対応関連の支援実行額は 40
て危機はアジアにも広がった。域内における貿易の大半は、サ
億ドルを超えた。
プライチェーンを支えるパーツや部品に関連したものだった
ため、輸入も急激に減少した。また、域内における消費や投資
景気循環相殺支援ファシリティ
政策と戦略の概要
の低迷は、これらの問題をさらに複雑化させており、経済成長
2009 年 6 月に、ADB は 30 億ドル規模の景気循環相殺支援
率は過去 10 年で最高値を記録した 2007 年の 9.5 %から大き
ファシリティ(CSF)を設立した。この新しい時限的な財政支
く後退している(2009 年は 5.2 %と予測)。ADB では、2009
援手段は、通常資本財源(OCR)からの借入れが適格となる開
年における地域の経済成長の鈍化によって、経済危機がなく
発途上加盟国を支援するとともに、中所得の開発途上加盟国が
2007 年の高い経済成長が続くとのシナリオと比べて、1 日
1.25 ドル以下で暮らす 5,400 万人、1 日 2 ドル以下で暮らす
7,100 万人が貧困層から抜け出すことができなかったと予測
重要な財政支出を維持できるようにするものである。景気循
している。これは貧困との戦いにおいて深刻な後退となった。
完するものである。景気循環相殺支援ファシリティは、資格や
新たな開発ニーズを支えるための追加財源の動員
第 5 次一般増資がタイムリーに完了し、2008 年 5 月にアジ
ア開発基金の第 9 次財源補充(ADF X)が無事終了したことで、
ADB は経済危機に見舞われた開発途上加盟国のニーズに迅速
に対応することができた。
環相殺支援ファシリティは短期的な融資手段として設計され
ており、長期的な構造改革を支える従来のプログラム融資を補
ニーズの判断、融資額を判断するための供与基準を採択した。
2009 年 12 月 31 日 ま で に、ADB は 5 カ 国(バ ン グ ラ デ シ ュ、
インドネシア、カザフスタン、フィリピン、ベトナム)への景気
循環相殺支援ファシリティによる 25 億ドルの支援を承認し、
2009 年末までに 20 億ドル(承認額の 80%)を実行した。
アジア開発基金(ADF)供与計画額の追加
2009 年 12 月 31 日までに ADB は、危機対応策の支援とし
て 43 件のプロジェクトに総額 88 億ドルを供与し、うち 80 %
に相当する 70 億ドルが 2009 年中に実行された。財源別に
見ると、通常資本財源(OCR)から 76 億ドル(87 %)、残りの
13 %の 12 億ドルが ADF の財源から拠出された。モダリティ
別では、プログラム融資は 40.1 %に相当し、景気循環相殺支
援ファシリティからは約 28.5%を拠出した。ノンソブリン業
務は 20.1%に相当し、11.3%がソブリン向けのプロジェクト
2009 年 6 月に ADB は、財政的に最も厳しい状況に置かれ、
非譲許的財源へのアクセスが困難となった ADF のみ適格国を
支援することを目的に、ADF の供与計画金額に 4 億ドルを追加
する承認をした。成果に応じた資金配分制度に従って、ADF 資
金の配分が行われた結果、2009 年と 2010 年の配分額は総額で
57 億 6,000 万ドルに増加した。さらに、ADF 適格国は、2 年分
の資金配分額を一括前倒しで最大 100 %を受領することが認
による融資とグラント(無償援助)となっている。危機対応策
められた。アルメニア、グルジア、モンゴル、パプアニューギニ
ADB の業務規模および危機対応支援額
通常資本財源およびアジア開発基金による危機対応支援額
(モダリティ別)
(単位:百万ドル)
18,000
1,148
16,000
14,000
12,000
11,329
7,020
プログラム支援
(CSFを除く)
ノンソブリン業務
(TFFPおよび保証、
プロジェクト融資を含む)
3,520
(40.1%)
1,769 (20.1%)
615
10,000
8,000
6,000
(単位:百万ドル)
17,011
16,078
15,863
10,714
4,000
9,058
2,000
OCRおよびADFによる
0
2008
ADBの通常支援
2009
危機対応支援
2010(見込み)
ADBの支援総額
プロジェクト融資
またはグラント
994 (11.3%)
CSF
2,500
(28.0%)
ADF = アジア開発基金、CSF = 景気循環相殺支援ファシリティ、OCR = 通常資本財源、
TFFP = 貿易金融促進プログラム
年次報告 2009
アは、1 年間の利用限度額を超えて、前倒しで供与を受けるこ
とを求め、承認を得た。
協調融資
17
れた報告書「アジア経済見通し」などに代表されている。政策
面で世界金融危機に適切に対処するために、ADB およびアジ
ア開発銀行研究所は、開発途上加盟国の専門家を交えた協議
や意見交換を促進しており、2009 年には他の開発パートナー
と共同するなどして世界経済危機に関するイベントを 20 回近
ADB ではプロジェクトの協調融資の増加にも取り組んでい
る。直接付加価値協調融資(用語集を参照)の総額は 2008 年
の 11 億ドルから 2009 年には 32 億ドルに増加した。増加分の
く開催した。
大半は世界銀行との共同協調融資となっている。自己投資の
る第 1 回南アジアフォーラムを開催した。同フォーラムはマ
2009 年 3 月には、ADB は世界経済と金融危機の影響に関す
ニラで 2 日にわたって開催され、南アジア 7 カ国(バングラデ
シュ、ブータン、インド、モルジブ、ネパール、パキスタン、スリ
的な協調融資の合意に向けて取り組みを強化した。
民間セクターの回復支援
ランカ)から官民セクターの代表者が参加し、世界経済危機の
影響、金融の安定、経済刺激策、各国における社会的保護を確
保するための進行中および計画中の施策について、各国が経験
ストラテジー 2020 では、業務効果を高める取組みの一つ
を共有した。2009 年 9 月には、ベトナムのハノイで貧困や持
として、また、地域が経済危機を乗り越えて次の成長段階に進
続的な開発に対する世界金融危機の影響に関するハイレベル
むための役割として、民間セクターの重要性を強調している。
な会議が開催された。2009 年 10 月初旬には韓国のソウルで
ADB の民間セクターへの危機関連支援は、民間投資のインセ
世界金融危機に対する金融政策に関する国際会議を他機関と
ンティブを提供し、また貿易金融を推進することで景況感の回
共催し、教訓を学ぶとともに、地域金融システムにおいて保護
復を目指している。今回の危機によって企業が貿易に利用でき
を強化すべき分野が確認された。
る融資額は大幅に減少した。この資金不足は、主要な国際的な
銀行が資本の再強化に向かい、リスクの低減を図るなか、特に
開発途上国を直撃した。貿易金融へのアクセスは、世界的危機
による国際貿易への衝撃を和らげる上で不可欠である。2009
年 3 月 31 日、ADB は貿易金融促進プログラムを拡大し、全体
的なエクスポージャーの制限を、当初の 1 億 5,000 万ドルから
10 億ドルに引き上げた。2009 年 12 月末までには、貿易金融
促進プログラムの全体的なエクスポージャーは 2009 年の目標
値である 5 億ドルを上回る 7 億ドル超に達した。この貿易金融
促進プログラムのエクスポージャーによって、域内貿易を中心
に貿易に 19 億ドルの支援を提供した。ADB の貿易金融促進プ
ログラムのポートフォリオの大部分は、バングラデシュやパキ
スタンなどアジアの最も厳しい市場で突出している。同プログ
ADB では、2009 年における
地域の経済成長の鈍化により、
世界経済危機が発生しなかった
シナリオに比べて、
1 日 1.25 ドル以下で暮らす 5,400 万人、
1 日 2 ドル以下で暮らす 7,100 万人が
ラムは地域の開発途上国において積極的に拡大し続ける。
貧困層から抜け出すことができなかった
地域協力、政策助言、知識共有の強化
と予測している。
ADB は無償の技術協力を通じて開発途上加盟国に対する政
策助言を強化した。国別の経済分析やアジア・太平洋地域の経
済見通しについては、2009 年 3 月に発表され、9 月に更新さ
これは貧困との戦いにおいて
大幅な後退となった
政策と戦略の概要
ほか、安定した資金源を確保するために、ADB では資金パート
ナー(中国、イスラム開発銀行、日本、韓国)とよりプログラム
18
アジア開発銀行
効果的な組織の実現
第4章
効果的な組織の実現
ADB は、独立して強化されたプログラムの評価、地域における知識リーダーとしての役
割を発揮する調査、より優れた人事管理などの活動により、開発プログラムの有効性向上
の取り組みを行った。ADB では、すべての業務においてグッド・ガバナンスや健全な業
務実務という原則への持続的な取り組みを通じて、組織の妥当性や成果の強化を図った。
年次報告 2009
概要
ADB は第 5 次一般増資のもと、より効果的な支援を行い、
19
べての業績の指標に関する共通の定義を定めた。ADB は、
「Development Effectiveness Brief」
(開発効果レポート)シ
リーズに、定性的な国別評価と併せてさらなる定量的データ
より優れた成果を出し、より効果的にリソース活用するため
を追加した。成果フレームワークから厳選された指標を用い
に組織的に取り組んだ。ストラテジー 2020 を実施する上で
ることで、ADB は開発効果の評価と一致した概要を作成し
重要な活動には、ADB が資金を効果的に管理し、説明責任を
た。ADB はまた、すべての業務においてジェンダーに関する
果たし、人材を管理し、開発パートナーと自身の専門知識を
課題に組み入れるためのより優れた措置を特定するための
上手に活用し共有することができる効果的な学ぶ組織の構築
ワーキング・グループを設置した。
へと向かうためのイニシアチブがあった。
て戦略、政策、手続き、業務について厳格な評価を行った。経
ADB は、ア ジ ア・太 平 洋 の 開 発 成 果 の 管 理 に 関 す る コ
ミ ュ ニ テ ィ 部 会(Asia-Pacific Community of Practice on
Managing for Development Results)を通して、学習と知識
独立評価局と改称された業務評価部門は、2009 年を通し
の交換を推進することにより、開発途上加盟国における成果
の管理能力の向上を支援した。このコミュニティ部会は公共
通じた重要なテーマであった。ADB の調査部門であるアジア
セクターの管理者、組織、実施機関、実務者間での知識交流を
開発銀行研究所(ADBI)、経済調査局、地域経済統合室、地域・
促進する。コミュニティ部会の事務局として、ADB は「開発
持続的開発局は、
「シームレスなアジア」に関する仕事など
成果マネジメント(MfDR)の理念から行動へ」というグッド・
ADB の加盟国の政策決定者に大きな影響を及ぼしている主
プラクティス事例を公表した。
要な分析と情報を引き続き提供した。
ADB はまた開発途上加盟国においてプログラムを立案・
2009 年には、ADB はストラテジー 2020 を実施する上で
実行する際に、開発成果マネジメントを推進するイニシア
必要となるスタッフの増員に向けて人事管理を向上させたほ
チブに資金を提供した。ADB は 2009 年 10 月にコロンボで
か、業務プロセスを簡素化して、開発途上加盟国とのパート
開催された、開発成果の管理の組み込みに関するアジア地
ナーシップを強固にし、融資の実行手続きを改善した。今後
域 フ ォ ー ラ ム(Asia Regional Forum on Mainstreaming
10 年間にわたって ADB の業務における民間セクターの役割
Managing for Development Results)を 支 援 し た。同
が増加することから、信用リスク管理を改善し、ノンソブリ
フォーラムは開発途上国に、特に結果に基づく予算の策定
ン業務の位置づけを強化した。
ADB が真の差別化を実現するために
開発成果の管理
といった開発成果の経験と現在の障害について討議する機
会を提供した。ADB は経済協力開発機構(OECD)開発援助
委員会(DAC)の開発成果の管理に関するグローバルパート
ナーシップ、開発成果の管理に関する国際開発金融機関の
ワーキング・グループなどの、世界および地域のイニシア
チブに参加した。
2009 年 9 月に、開発成果(MfDR)に対するアプローチの
管理を制度化し、開発途上加盟国が ADB の方法を取り入れる
ための能力開発を支援し、世界および地域の開発成果に関す
るイニシアチブ(MfDR)について他の組織とパートナーシッ
プを構築するために、ADB の経営陣は新たな行動計画を承認
した。
2009 年を通じて、ADB は開発成果の重視をさらに進め
た。すなわち、組織全体の成果フレームワークにおける定期
的なパフォーマンス・モニタリングや行動計画、2 回目の開
発効果の評価(2008 年における ADB の成果をカバー)、ユー
開発効果の評価では、
ザーフレンドリーな経営情報システムによる国別支援業務の
ストラテジー 2020 の
計画・モニタリング・報告のためのより高度なツールの使用
実施の進捗状況が評価され、
などにより推進された。
ま た ADB は、2007 年 お よ び 2008 年 の 開 発 効 果 の 評 価
に関する勧告を実施した。すなわち、関係者からのフィー
ドバックを成果フレームワークに組み込み、セクター全体
か ら の ア ウ ト プ ッ ト を 簡 略 化 し、部 局 全 体 に わ た っ て す
ADB の業務における
開発成果管理アプローチを
組み込むことが重要な要素とされた
効果的な組織の実現
営説明責任の強化と ADB の内外で学んだ教訓の普及に関す
る独立評価局の勧告をモニタリングすることが、2009 年を
アジア開発銀行
20
援助効果アジェンダの進展
ADB は、国内競争入札への当該国の調達システムの利用、平
行するプロジェクト実施組織数の減少、援助予測可能性の
ADB は、援助効果に関するパリ宣言の大半の目標の達成
向上という目標の達成に向けて進んでいる。ADB は、プログ
に向けて大きな前進を見せた。開発途上加盟国の政策やプロ
ラムに基づくアプローチの利用、共同ミッションの実施、共
グラムと足並みを揃える必要性に照準を定め、ADB は国家
同の国別分析作業への取組みについて、2010 年の期限まで
の優先分野に沿った援助フロー、調和化された技術支援、当
にパリ宣言の目標を満たすために努力していく必要がある。
該国の公共財政管理制度の活用との目標を達成した。また、
2009 年 3 月には、ADB は、各国政府がパリ宣言に関する各
2008 年開発効果レビュー
効果的な組織の実現
2008~2020 年の長期戦略(ストラテジー 2020)の中で定められた目標の達成に向け、ADB はアジア・太平洋地域における
開発への貢献度や組織としての活動成果を測定する組織全体の成果フレームワークを採択した。ADB は開発効果レビューを通じ
て、成果フレームワークに関する進捗状況を毎年報告している。2008 年の開発効果評価は ADB の組織全体の成果報告書として
は 2 回目である。
2008 年評価では以下を確認している。2007 年の成果に比べて、成果指標の大半は目標達成に向かっており、ADB は全体的と
して開発効果が改善している。またプロジェクト成果報告、知識の創造と共有、協調融資、業務を通じたジェンダーの組み込み、
組織内におけるジェンダーの平等など強化を必要としている分野を浮き彫りにしている。見直し結果に呼応して、ADB は数々の
期限を定めた是正措置を実施していく。
2008 年開発効果レビュー 成果の概要
ADB 加盟国
ADF 加盟国
貧困と人材開発の成果
順調
潜在的な退行
その他の成果指標
順調
順調
ADB 業務
ADF 業務
順調
順調
順調
順調
アジア・太平洋地域単位の成果(レベル 1)
成果区分
主要セクターのアウトプットと成果への貢献度(レベル 2)
業務の有効性(レベル 3)
業務の質およびポートフォリオ成果
資金の動員
ジェンダーの組み込み
業務の戦略的フォーカス
知識管理
パートナーシップ
順調
潜在的な退行
停滞または退行
停滞または退行
順調
順調
潜在的な退行
潜在的な退行
順調
順調
潜在的な退行
潜在的な退行
停滞または退行
停滞または退行
順調
順調
組織の有効性(レベル 4)
人事
予算の適切性
業務プロセスおよび手順
順調
潜在的な退行
停滞または退行
グループの指標の 50%以上が、基準値や以前の期間を上回る改善を示している
成果はプラスとマイナスが混在。改善または停滞あるいは後退を示す指標が同数となっている
グループの半数以上の指標が、2 つ以上前のレビューから停滞または後退している
ADB = アジア開発銀行、ADF = アジア開発基金
* ADF は、譲許性の高い条件で、ADB 業務に利用できる財源である。
年次報告 2009
国の行動計画作成を支援するために、開発の有効性に向けた
21
開発効果に関する独立評価
能力開発ファシリティ(Capacity Development Facility for
Development Effectiveness)という共同ドナーイニシアチ
ブを開始した。
ADB の業務評価局は 2004 年 1 月に組織上独立し、ADB 理
事会の直属組織となったが、
(ADB スタッフ、経営陣および
理事会、他の国際金融開発機関の評価担当部局などとの広範
アカウンタビリティとコンプライアンスの確保
なコンサルテーションを含む)2008 年の評価では、同局の評
価機能はまだ改善の余地があるとの結論に至った。これを受
ADB のアカウンタビリティ・メカニズムは、ADB の支援
プロジェクトによって影響を受けた人々が、苦情を訴え、
け、業務評価局は 2009 年 1 月 1 日、独立評価局(IED)となっ
た。これにより、独立評価局局長の選定、任命、業績評価に対
する経営陣の役割は縮小し、IED は外部からの影響を受ける
決策を模索するための、独立したフォーラムを提供してい
ことなく自立して業務を行えるようになったほか、人材獲得
る。このメカニズムには、スペシャル・プロジェクト・ファ
における更なる自立性と、予算の編成・執行面でも更なる自
シリテーターによる協議フェーズと、独立したコンプライア
主性と柔軟性が確保された。また理事会は、IED に関する最
ンス・レビュー・パネルが主導する遵守審査フェーズの 2 つ
新政策の中で、国際的に受け入れられた原則に準拠すること
の機能を有している。ADB が支援する業務によって被害を
を IED に義務付けるとともに、その評価が公平かつ独立し、
受けたあるいは被害を受ける可能性のある人々は、協議や
信頼性が高くタイムリーで有効なものとなり、すべてのス
合意促進を通じ、問題の解決策を求めて、スペシャル・プロ
テークホルダーとの緊密な連携を確保するよう求めている。
ジェクト・ファシリテーターに対して異議申し立てを行うこ
アカウンタビリティの観点から、独立した評価の目的は、
とができる。特定の状況下では、影響を受ける人々が、ADB
ADB が正しいことを行い、リソースを適切に配分および使
が政策や手続きを遵守していない結果被害がもたらされた
用し、意図された成果を達成できているか評価することであ
と考える場合、パネルに対して違反申し立てを審査するよう
る。この測定のひとつの方法は、プロジェクトおよびプログ
求めることができる。メカニズムは ADB の開発効果に貢献
ラムの成功率である。ADB のプロジェクトおよびプログラム
し、プロジェクトの質の向上を図れるよう考案されている。
の成功率(承認年別)の長期的傾向は、付録 15 に示されてい
特別案件促進部(OSPF)は 2009 年に 13 件の新しい異議
る。同付録の図表には、プロジェクトおよびプログラムの国
申し立ての適格性を審査した。内 4 件は OSPF の適格基準に
合致しており、優先事項として処理された。また、OSPF は、
別とセクター別の成功率も示されている。
独立評価局は、ADB の支援の持続可能性と開発効果を推
苦情処理に関する書籍の出版などプロジェクト特有の苦情
進するための教訓およびベスト・プラクティスを蓄積してい
処理メカニズムに関する調査および情報の普及を行った。コ
る。これには、政策、戦略、実務、手続きの策定に関する措置
ンプライアンス・レビュー・パネルは、中国の「福州環境改善
の勧告、リソース別の開発効果の評価がある。また、ADB の
プロジェクト」に関連して審査依頼の申請を受けた。2009
業務のメリットを維持するために勧告のフォローアップ評
年 12 月 31 日現在、同審査は継続中である。同パネルは、パ
価が行われている。
キスタンのチャシュマ右岸灌漑プロジェクトの第 3 ステー
独立評価局は、他の国際開発金融機関の評価担当部署と評
ジや、スリランカ南部輸送開発プロジェクトに対する理事会
価業務・活動を連携させ、学んだ教訓と適切なモニタリング
が承認した是正措置のモニタリングを継続した。
と評価の枠組みが確実に具現化されるように、新たな業務を
2009 年を通じて、OSPF と監察審査部(OCRP)は、アカ
見直している。
ウンタビリティ・メカニズムに関する情報の普及や、情報
独立評価局の勧告を受けてアクションが取られたかにつ
パンフレットの改定・翻訳・配布、オリエンテーションやト
いても、より厳格なモニタリングシステムが 2009 年に運用
レーニングセッションの実施などの、アウトリーチ活動を
開始された。独立評価局の勧告に従ってどのような措置が
継続した。OCRP は、国際金融機関の独立したアカウンタビ
講じられているのかモニタリングするため、経営陣の対応
リティ・メカニズムとの協力を促進するために、グローバル
に関する記録システムが説明責任のための仕組みとして機
な実践コミュニティを設立し、バーチャルなネットワーク
能している。同システムによって、ADB の経営陣が評価結
の一環として、他の国際金融機関や数多くの二国間機関と
果とそれを踏まえた勧告を意思決定にどのように組み込ん
連携している。
でいるかを評価することができる。同システムは、評価勧告
への広範な電子アクセスを提供している。また同システム
によって、ADB のオーナーシップを推進するとともに、講
じられた措置の有効性をシステム的に把握することができ
る。開発効果が確実に向上するように、独立評価局は、特に
効果的な組織の実現
ADB 業務の政策および手続違反の申し立てを行い、問題解
22
アジア開発銀行
豊かな暮らしの実現に向けて
パキスタンでの水供給および公衆衛生に関するプロ
するとともに、その貢献度をより正確に測定することが可能に
ジェクトは、独立評価によってその効果が明らかとな
なった。
り、改善点を浮き彫りにすることも可能になった。
同調査は 115 のコミュニティから無作為に抽出した 1,301
の受益家庭(プロジェクト対象地区のコミュニティの 10 %)
と、プロジェクトの対象外の 115 のコミュニティから無作為
パキスタンでは ADB が資金提供した「パンジャブ州水供給
に抽出した 1,301 の家庭とを比較した。これらの 2 つの母集
および公衆衛生に関するプロジェクト」により、一人の女学生
団は、飲料水の供給へのアクセスを除いて、すべての社会経済
が重労働から解放された。
「外から水を運ぶときの背中の痛み
的属性において極めて類似していた。
効果的な組織の実現
や頭痛に悩まされなくなった。高校に通うことができ、自分の
ADB の支援により、飲料水へのアクセスが大幅に改善した
将来を考えることができようになった」と彼女は語っている。
こと、そして何より女性や少女が遠方から水を運ぶ時間と苦労
パンジャブ州では、水供給および公衆衛生に関する 3,800
から解放されたことが分かった。
「家に水道が引かれたことで、
万 ド ル の プ ロ ジ ェ ク ト が 2003 年 に 完 了 し、335 の コ ミ ュ
娘たちは水を汲みに長い距離を歩かなくてすむようになった。
ニティの約 90 万人を取り巻く環境が改善された。また村落
水の質や安定供給に満足している」とファイサラバード地区の
共同給水施設および公衆衛生に関する 5,000 万ドルのプロ
ある女性は語っている。
ジェクトも 2007 年に完了し、788 のコミュニティの約 230
時間と労働力が節約されたことで、少女(14~17 歳)の高
万人に同様の便益がもたらされた。
校就学率は 8.2%上昇し、プロジェクト対象地区における学校
ADB の独立評価局は、ラワルピンディなどの地方の少女が
労働から解放されたほか、320 万人の人々が綺麗な水を利用
の中退率も最貧困層においても大きく低下した。
出来ることになり、生活が改善したと評価した。
労率は改善せず、下痢の発生率や規模にも著しい改善は見られ
独立評価局は、同プロジェクトの健康、就学率、就労率、労
その一方、安全な水へのアクセス向上によっても、女性の就
なかった。村落共同給水施設と公衆衛生プロジェクトにより、
働時間への影響を調査測定した。プロジェクト対象地区外で
家庭の水へのアクセスは向上したが、下水道や固形廃棄物の管
類似の環境にある家庭と比較することで、改善の度合いを評価
理にはそれほどではなかった。
同調査は、今後のプロジェクトによる ADB の投資効果を高
めるには、水供給と安全な下水処理の相乗効果を生み出すよう
に設計することであると結論付けている。
「家に水道が引かれたことにより、
娘たちは水を汲みに長い距離を
歩かなくてすむようになった」
村落の水道敷設によって女性はきつい仕事から解放された
―パキスタン・ファイサラバード地区の母親
年次報告 2009
23
温室効果ガス排出とエネルギー・セクターにおける ADB の業務
温室効果ガスは大部分がエネルギーに由来して排出される
判明した。エネルギー・セクター全体における ADB 支援のク
ことから、エネルギー業務は汚染管理の上できわめて重要で
リーンエネルギー・プロジェクトの割合が 26 %から 42 %に
ある。同時に、エネルギー利用は経済発展においても重要な役
高まり、
(政府保証のない)民間セクター向けのエネルギー・
割を果たすことから、ADB は同セクターへの投資を最優先に
セクターの支援は 12 倍に拡大した。この評価により、ADB が
行っている。温室効果ガス排出が気候変動を加速していると
エネルギー・セクター向け支援において温室効果ガスの効果
いう世界的な懸念に対処するため、ADB のストラテジー 2020
的な投資をますます重視していることが分かった。
と 2009 年エネルギー政策では、開発途上加盟国が自国経済
この評価により、エネルギー効率化に対する投資を推進す
を低炭素型成長軌道に乗せるため、ADB が支援することの必
る上で、ADB がエネルギー・セクター全体の広範な改革ではな
く、エネルギー・セクターの事業体への支援をより重視してい
ることが分かった。ADB としては開発途上加盟国における再
てによるメタンガスなどの温室効果ガスの放出を抑え、公共輸
生可能エネルギーのコスト削減への支援を目指しており、開発
送システムを近代化し、違法な森林伐採に対する取り締まりを
途上加盟国がより適切な技術を導入できるよう支援し、機器
支援することになっている。
の現地生産の助長やスケールメリットを活用することにより、
この任務を遂行するため、独立評価局は最近バングラデ
これを達成しようとしている。最後に、この評価は、開発途上
シュ、中国、インド、パキスタン、フィリピン、ベトナムに対
加盟国に対する ADB の今後の支援のあり方として、クリーン・
する ADB のエネルギー・セクターへの支援を評価した。これ
コール(石炭)
・テクノロジー導入による増加コストの軽減、適
らの国々は、エネルギー・セクターへの ADB 支援が国全体へ
切で安価な再生可能エネルギー技術の利用促進、メタンガス
の支援の 80 %を占めている。2001 年から 2005 年までの期
回収プロジェクトへの積極的な取組み、産業部門における省
間と、2006 年から 2008 年までの期間を比較したところ、こ
エネルギー化プロジェクトへの支援の注力、計画されたエネル
の評価によって、クリーンエネルギー・プロジェクトに対す
ギー・セクター投資の温室効果ガスの影響の調査などで、温室
る年間融資額が 4 倍の約 6 億 7,000 万ドルに増加したことが
効果ガスの効果的な投資を推進するよう勧告した。
完了した融資の成果をモニタリングすることの重要性を強
を評価し、実験的な方法を用いて、ADB の業務の開発の影響
調した。
を評価した。
(P22「豊かな暮らしの実現に向けて」を参照)。
独立評価局の業務計画は、ストラテジー 2020 およびアジ
業務文書に関するタイムリーなフィードバックの提供に
ア開発基金の第 9 次財源補充(ADF X)に基づいている。同
加えて、独立評価局は、リアルタイムの評価も継続して実施
計画は、変化する ADB の業務環境を考慮し、業務部局および
した。ベトナムにおいて継続中の「災害被害の緊急復旧計
開発途上加盟国による自己評価を推進している。独立評価局
画」のほか 2008 年から 2009 年にかけての世界金融危機に
は、戦略全体との一貫性を確実に高めるため、ADB の政策お
対する ADB の対応を検討した。このように、独立評価局は、
よびプログラムに一層インプットを提供するようになった。
信頼性の高い、タイムリーな、戦略的なハイレベルの評価を
地域規模でのハイレベルによる評価の実施および ADB 業務
継続して実施するとともに、業務部局および開発途上加盟
部局内での自己評価の強化が継続的に行われている。独立
国による自己評価を推進し、その妥当性を確認した。
評価局はまた、開発途上加盟国が投資を評価し、モニタリン
グする能力を構築することを支援した。この関連で、中国に
おいて独立評価局および世界銀行の評価グループが、共同ト
レーニングを実施した。
学習の強化
独立した評価による学習
独立評価局は、バングラデシュ、カンボジア、ネパール、ベ
トナムについて、国別支援プログラムに対する評価を完了
独 立 評 価 局(IED)は ウ ェ ブ サ イ ト や 評 価 結 果 速 報
した。独立評価局は、特定の開発途上国における官民パート
(Learning Curves)、評価結果公表通知(Evaluation Alerts)、
ナーシップ、地方道路、ジェンダーと開発、司法改革に関する
評 価 視 覚 資 料(Evaluation Presentations)、評 価 ニ ュ ー
ハイレベルの特別評価調査を数回行った。また、独立評価局
ス(Evaluation News)と い っ た 知 識 商 品 を 通 じ て 調 査 結
は、太平洋諸国における公共セクター改革に対する ADB 支援
果や教訓を広めている。独立評価局は、評価最新レポート
効果的な組織の実現
要性を盛り込んでいる。特に ADB は開発途上加盟国がエネル
ギー効率を高め、クリーンエネルギーの利用を拡大し、埋め立
24
アジア開発銀行
(Evaluation Knowledge Brief)の発行を開始した。これは開
発途上加盟国とドナーコミュニティの双方の興味を引く課
題に関連した ADB 業務の特定エリアを分析するものである。
との知識提携を強化し、スタッフの教育とスキルを高めるこ
とを目的としている。
同計画の一部は、前年から取り組み始めて 2009 年に実施
第 1 号では、経済成長、エネルギー・セクターにおける ADB
された。その他のものを実施するための施策は、ADB の業務
の業務、温室効果ガス排出の問題、ストラテジー 2020 が重
計画と予算の枠組み(2010~2012)に組み込まれている。
2009 年 11 月に、地域協力・持続的開発局は、実施状況のモ
視する環境に調和した持続可能な成長の相互関係を対象に分
析した(温室効果ガス排出量およびエネルギー・セクターに
ニタリングと報告を行う知識管理の成果に関する枠組みの
おける ADB の業務、P23)。こうした IED のイニシアチブは、
策定に着手した。
開発関係者にとって幅広い懸案事項についての情報をタイム
局の構造は再編成された。独立評価局はまた、品質保証サー
2009 年末にかけて、ADB は毎年行っている「最も賞賛さ
れる知識企業」調査を実施し、2009 年における知識管理に
おいて ADB がどの程度効果的であったか、スタッフの認識
を評価した。スタッフの参加数は前年比で 155%となり、同
ビスを提供し、評価方法論を改善・改良し、知識商品を管理
調査において、特に顧客の知識基盤のプロジェクトやサー
リーに提供し、政策立案者の行動を後押ししている。
2009 年 2 月に、ADB 全体の組織改編にあわせて独立評価
効果的な組織の実現
するために、局長室に戦略・質・知識に関する部署を設置し
ビスの開発と実施、および組織全体を通じた知識の共有環
た。独立評価局はアジア・太平洋地域で生じ得る開発要件に
境の創出において、組織の知識能力の改善が確認された。
適切に対処するために、2020 年までの長期的な戦略の策定
政策立案者からの要請に応じて、アジア開発銀行研究所
は世界危機によるアジアへの影響を調査した。同研究は、
に着手した。
マクロ・プルーデンスの視点に基づいた金融部門のサーベ
知識の創造と共有
イランスと規制、格付け機関の推進、発行要件・規制・税制
の調和といったアジア債券市場の深化、バブルの発生を回
ADB のストラテジー 2020 では、業務効果を高める取組
避するための資産価値動向を考慮した金融政策、域内貿易
みとして、ナレッジ・ソリューションの重要性を強調してい
(サービスを含む)及び投資の自由化の推進、アジアインフ
る。黒 田 総 裁 は 2009 年 7 月 31 日、ADB の 知 識 商 品 や サ ー
ラ投資ファンドの立ち上げ、社会セーフティネットおよび
ビスが引き続き高度な品質を維持しつつ、拡大を続け、開発
公的年金制度の強化、低炭素型経済成長をより費用効率よ
途上加盟国が実践的に使用できるよう図るための、包括的な
く達成しグリーン技術の移転に関する貿易障壁を緩和する
行動計画を承認した。同計画は 4 つの柱からなっている。最
ための政策および戦略を提言した。
初の一つは開発途上加盟国における ADB の業務の価値を高
アジア開発銀行研究所の著名人による一連の講演セミ
めることに照準を定めており、残りの 3 つはそれにいかに取
ナーでは、討論や知識共有が促進された。9 回に及んだ講演
り組むかについてである。同計画は、ADB の業務における
では、国際的に著名な専門家が、国際経済機関の改革、アジ
知識の集中を強め、内部専門部会となる実務コミュニティ
ア・太平洋地域が直面している世界経済危機後の課題、米国
(communities of practice)
に権限を持たせ、外部パートナー
の対アジア貿易政策など、政策・開発課題について講演した。
ストラテジー 2020 に基づく知識管理の強化:行動計画(2009~2011 年)
ADB 業務における知識集中の強化
(地域、国、プロジェクトレベルでの価値向上)
内部部会への権限付与
外部知識パートナーとの提携強化
(知識創造および供給に向けた連携)
(外部の知識との提携と活用)
スタッフの学習とスキル開発の推進
(スタッフの学習機会の向上)
年次報告 2009
ADB 業務における知識集中の強化
ADB では業務に関連した知識を創造し共有するために、ア
25
ため、
「アジア・キャピタル・マーケット・モニター」
(Asia
Capital Markets Monitor)も立ち上げられた。これは、アジ
アの株式、債券、通貨市場の昨今の発展と、今後の見通し、リ
ジア・太平洋地域における動向を把握するための専門知識、
スク、政策的影響について評価する年刊のレポートである。
学術的見地を統合するアプローチに関する能力、大型の譲許
世界金融危機を受けて、季刊レポートとして「アジア債券モ
的融資に関する知識と知見を一体化させる能力などの ADB
ニター」が立ち上げられ、現地通貨建て債券市場をよりタイ
の比較優位を応用した。
地域全体に関して、知識関係部署はアジア・太平洋地域に
おける重大な課題に対する ADB の姿勢を強調した知識を生
ムリーに分析している。2009 年 7 月と 12 月に半期報告書
「アジア経済モニター」が発行された。
各国レベルでは、知識部署は、ADB の国別支援戦略の形成
み出し共有した。これらの商品は、地域の主要関係者が情報
とプロジェクト・デザインの改善にあたって詳細な分析を組
に基づいた決定を行い、積極的な行動を起こすよう支援する
み込むための診断を行った。一例として、
「フィリピン経済
の診断:全ての人々に恩恵が行き渡るような経済成長に向け
て」、
「ネパール:開発における重大な制約」、
「インドにおけ
ADB の知識商品の一覧を参照)。
「2009 年 ア ジ ア 経 済 見 通 し 」
(Asian Development
Outlook)では、世界経済危機の影響を軽減するためにアジア
国家統計局と中央銀行から毎年更新されるマクロ経済デー
タおよび社会データを保存している ADB の検索可能なデー
経済圏で講じられた様々な対策について論じるとともに、ア
タベースである統計データベースシステムは、ADB の業務
る衛生:進歩、格差、相互関連性、課題」などが挙げられる。
ジアの成長をリバランスするための措置を提言した。
「2009
を引き続きサポートした。経済調査局は、国家統計局、企画・
年アジア経済見通し改訂版」
(ADO Update)ではアジアの貿
財務省庁の能力構築に向け、国家統計システムの管理におけ
易自由化、資本の流出入、労働者の移動の拡大と推進をとり
る課題についてのワークショップを開催した。
あげた。
アジア開発銀行研究所と米ブルッキングス研究所による
プロジェクトレベルでは、優れた慣行は文書化され、ブ
リーフやベストプラクティスに関する文書として周知され
会議では、金融規制の原則、新興市場における金融発展と規
た。これらの多くは、独自の評価とともに独立評価局の調査
制、金融の安定と広がりを支えるためのマクロ経済の枠組
に基づいて作成されている。
「知識ショーケース」シリーズ
み、キャピタルフローの国際規制について議論された。地
( The Knowledge Showcase)は、災害管理、公的説明責任な
域協力・持続的開発局とアジア開発銀行研究所は、世界経
どを取り上げており、画期的な考えを示すとともに、議論や調
済の減速がアジア・太平洋地域の貧困と持続可能な発展に
査を促進し、模倣をも奨励している。ADB の内外で読者が増
及ぼす影響に関する会議をベトナムのハノイで開催した。
加している。
同会議は、社会開発と貧困削減に関する第 3 回中国 ASEAN
「ナレッジ・ソリューション」
(Knowledge Solutions)は、
フォーラムと貧困削減に関する第 4 回 ASEAN + 3 ハイレベ
ツールや方法に関して手軽に参照できるガイドとして、開発
ル・セミナーとして役割を果たした。
を推進し、効果を高めるアプローチでもあり、一層の注目を
「2009 年版キーインディケーター」
(Key Indicators)は、
集めた。このシリーズには、さらに戦略策定、管理技術、提携
アジア・太平洋地域における最新の経済、金融、社会、環境的
メカニズム、知識の共有および学習、知識獲得および蓄積に
指標をとりまとめたほか、世界経済危機が中小企業に与える
影響や危機の収束後、企業がいかにより大きなダイナミズム
関するトピックが、シリーズ全 43 版の中に網羅されている。
ADB とアジア開発銀行研究所のスタッフ、コンサルタント、
を促進することができるかについて議論した。報告書「シー
外部有識者による進行中あるいは最近完了した調査・政策
ムレスなアジアに向けたインフラストラクチャー」では、
研究に関するフォーラムである、
「ADB の経済学ワーキング
2010 年から 2020 年にかけてアジア・太平洋地域における
年間のインフラ投資需要は 7,500 万ドルに達すると予測し
パー」、
「アジア開発銀行研究所ワーキングペーパー・シリー
ペーパー・シリーズ」、
「ADB の地域経済統合ワーキングペー
ており、アジア内外の資金を動員するためのインフラファン
ズ」、
「ADB ブリーフ」、
「アジア開発レビュー」は、アジア・太
ドの設立を提唱した。
平洋地域における主要な経済・開発課題に関する議論を引き
「東南アジアにおける気候変動の経済学:地域的評価」で
続き促進した。
は、政策立案者や民間の関係者に対して、東南アジア地域で
はすでに幅広い気候変動適応対策が講じられ始めており、温
室効果ガス排出の世界的な削減に大きく貢献する可能性があ
ることを示した。
アジア地域における開発状況のモニタリングを強化する
実務コミュニティ(Community of Practice)の強化
実務コミュニティは知識を創造し共有することを助ける
だけでなく、ADB のクライアントにもメリットをもたらして
効果的な組織の実現
ことを目指しており、各国のメディアで広く取り上げられ、
知識の源としての ADB のイメージを強化した(付録 14 の
26
アジア開発銀行
いる。セクターおよび特定のテーマにおけるノウハウを、実
プの開発を目指して、知識パートナーシップを構築するため
務コミュニティが有する知識を継続的に共有し、それにもと
のガイドラインに関する業務が開始された。
づいてノウハウを築き、特定の用途にあわせて知識を活用す
ることにより、最新のものとして維持している。
ADB は、農業、食糧の安全、教育、エネルギー、環境、金融、
英国の国際開発省(DfID)および外務省、国際労働機関
(ILO)、イスラム開発銀行(IDB)、国連アジア太平洋経済社会
委員会(ESCAP)や関係政府機関といったパートナーととも
ジェンダー、ガバナンス、健康、地域協力、輸送、都市開発、水
に、国別診断が開発された。国連食糧農業機関(FAO)と協力
などのトピックに係る実務コミュニティを開設した。2009
して、全国統計システムの管理における課題に関するワーク
年には、実務コミュニティの活動に対する支援が急増した。
ショップが開催された。ADB は、シンガポールのリー・クァ
まず、実務コミュニティの成果に貢献する要因を測定する
ンユー公共政策大学院と、情報、知識、人事交流を行う画期的
初めての調査が実施された。次に、大幅な予算の増加やセク
な合意に調印した。
効果的な組織の実現
ターおよびテーマに関する報告に関するガイドラインの簡
アジア開発銀行研究所は、G20 ロンドン首脳会議に参加す
素化、学習に関するフォーラムに向けたブレインストーミン
る東アジア諸国に提言を行うアジアのシンクタンクに関する
グ・セッションの実施、実務コミュニティでの活動結果や教
フォーラムとして機能した。同フォーラムは東アジアにおい
訓を交換するための機会となる会合を開催するなど、不十分
て協調的な行動を求め、欧米に対して金融および財政の健全
な状態を解消し有効性を高めるための支援が行われた。
性を改善するよう促した。
実務コミュニティは、持続可能な食糧安全保障および持続
同研究所は 31 回の能力開発活動を実施し、約 1,500 人(う
可能な輸送イニシアチブや行動計画に関する業務計画など、
ち 3 分の 2 が開発途上加盟国政府職員)
が参加した。研修テー
主要な ADB 文書の作成に貢献した。また開発途上加盟国 4 カ
マは、インフラにおける官民連携、水資源管理、気候変動の適
国における急速なジェンダーの評価、中国における都市イン
応、資本市場の改革、貿易の促進、環境に優しい産業、ミレニ
フラに対するノンソブリン融資に向けた市場分析とプロジェ
アム開発目標および競争的政策について、取り上げた。
クトの特定、パキスタンの環境インフラのコミュニティに対
OECD およびアジア開発銀行研究所による第 10 回アジア
する影響の評価など、プロジェクト策定と実施を支援するた
の資本市場改革に関する円卓会議では、世界経済危機の原因、
めに数々の地域別調査を実施している。
アジア資本市場の発展に対する影響について討論された。
ステークホルダーへの支援活動はより確固たる基盤を築
いている。実務コミュニティのメンバーは、他メンバーが担
スタッフの学習およびスキルの向上
当するプロジェクト管理について助言を提供したり(ベトナ
ムのモンズオン 2 発電所など)、開発パートナーとの強い絆を
スタッフの学習能力は、ストラテジー 2020 を成功に導く
形成している(アジア大気浄化イニシアチブなど)。最後に、
前提となる。技術や専門スキルを更新するだけにとどまら
実務コミュニティは、教育に関するグッドプラクティス調
す、スタッフは知識管理および学習に関する方法および技術
査、都市部交通開発に向けた参考資料、E ニューズレター、水
を取得・習得しなければならない。
に関するビデオドキュメンタリーなど、数々の知識商品を生
み出すことによって、ADB の知識基盤を拡大している。
ニーズに基づく学習プログラムが複数実施された。投資
融資案件のための経済分析、気候変動と ADB による資金支
援、イスラム金融の経済分析に関する学習プログラムも行わ
外部との知識パートナーシップの強化
れた。これらのコースは特別に用意されたものであることか
ら、気候変動とその経済影響のシミュレーションから最新の
ADB は、ADB 自身の開発実務や外部機関の知識から得た
便益からの知見を共有している。知識ハブは重要なツールで
ある。
ADB が支援する水関連ハブの数は 13 から 17 に増加し、
ソフトウェアを活用した計量経済分析の実施といった新たな
スキルをスタッフに提供した。
地域協力・持続的開発局は、6 つのコースを策定した。こ
れは、内部の IT 知識活用能力を向上させ、内部専門部会の成
河川流域管理、気候変動への適応、水質管理、灌漑サービスの
功の秘訣を把握し、知識管理および学習の重要性の理解を深
改革において革新的な解決策を提供した。2006 年に地域的
め、職場で知識を管理し、学習組織を確立し、知識パートナー
な知識ハブが 7 件設立され、クリーンエネルギー、気候変動、
シップの構築の改善を支援するものである。
公的融資、官民パートナーシップ、3R(リデュース(削減)、
リユース(再利用)、リサイクル(再生利用))、持続可能な開
過去および現在のスタッフの知識を記録、保存、共有する
取り組みが行われた。2009 年を通して、スタッフの体験談
発に関するものであり、地域貿易および投資協力については
話と分析スキルを組み合わせる方法が探られた。使われる
2010 年上半期にその成果物が完成する。
アーカイブを構築するため、展示会、説明会、インタラク
現行のパートナーシップを強化し、新たなパートナーシッ
ティブなワークショップが開催され、談話インタビューや現
年次報告 2009
27
場録音が集められた。ADB は現在、主要な印刷物「アジア開
議概要が公開された。このほか、環境評価など、プロジェクト
発 銀 行: 歩 み と 今 後 の 課 題 」
(ADB: Reflections and
の計画・実施期間中に公開が必要な書類も公開された。
Beyond)を通じ、体験談話の訓練を受けたスタッフを多数
273 名(駐在員事務所 106 名含む)のスタッフに対する情
擁している。付属の音声資料「今後の課題:アジア開発銀行
報公開政策の説明が行われた。スタッフ向け開示ハンドブッ
の地域からの話と音」
(Beyond: Stories and Sounds from
クは、新たな種類の文書を記載して更新された。開発途上加
ADB’s Region)は、ADB の本部および現場のインタビュー
を一部音声化したものである。さらには、
「ADB 談話実践者
盟国政府職員 58 名およびカンボジアやベトナムの市民社会
ハンドブック」という商品もある。これにストーリーや体験
談を成功裏に導入したことで、ADB の開発効果の評価、共
ADB は、NGO の ADB フォーラムのネットワークメンバー
30 名に、情報にアクセスする権利と政策の実施状況について
有、活用能力が大幅に向上した。
情報提供した。
団体に対して同政策に関するセミナーが開催された。また
ADB は業務プロセスの変化に適応しユーザーの懸念に対
処するために、引き続き開示情報技術システムの維持・改良
を行った。政策では最大 30 日間が認められているものの、情
知 識 商 品 と 知 識 サ ー ビ ス と し て 撒 い た 種 が、2009 年
の 1 年間をかけて意識と成果の向上につながった。知識管
理 と 学 習 に 関 す る ADB の ウ ェ ブ ペ ー ジ(www.adb.org/
knowledge-management)が整備され、サイトアクセス数
は急伸した。コンテンツと使い勝手が向上し、知識管理と学
習のツール、方法、アプローチなど ADB の業務に対する熱意
報管理ユニット(Info Unit)は外部からの開示要請に平均 4
日で対応した。
ADB のリソースを活用する
人事管理の向上
を生む手段が導入された。達成を示すサクセス・ストーリー
が公表され、他の有益な資料も広く提供された。
「アジア開発
銀行の変革について学ぶ」
(Learning for Change in ADB)
ADB は組織の有効性に対する取り組みとして、人事管理を
継続的に改善している。2008 年に行われた人事戦略の包括
では、学習する組織の特色を示すとともに、ADB が主要な課
的な評価(2005~2007 年)は、ストラテジー 2020 で求めら
題をいかに克服するかを説明しており、世界的な注目を集め
れている成果の達成には ADB の人材管理と業務をリンクす
た。パンフレット、ポスター、ブックマーク、デジタルサイン
ることが重要であることを浮き彫りにした。この評価結果と
を介して、知識を管理する重要性についてのメッセージを発
ライアント、一般人、パートナーへの直接の配布、発表会、記
2008 年のスタッフ意識調査結果を踏まえて、詳細で期限を
設けた人事行動計画が立案された。同行動計画は、第 5 次一
般増資により資金的に裏付けられた 2010 年から 2012 年ま
でのスタッフの増加予測を考慮のうえ、ストラテジー 2020
者会見、メディアインタビューや ADB のウェブサイトでの広
を成功裏に実施するための要員計画の基盤となる新たな戦
告に加えて、ブログ、ツィッター、ソーシャル・ネットワーク
略を立案することが優先事項となった。人事戦略の草案が作
・ サービス、電子チラシ、ポッドキャストなどの近代的ツール
成され、審議のために理事会に提出された。同計画で同様に
を用いて、アウトリーチを拡大し、ステークホルダーの参加
重要なセクションは、人材の機能強化に向けた対策であった
信している。
知識商品の普及は、伝統的かつ近代的な方法をとった。ク
を促進している。
情報開示と透明性
(P92「財務と管理」を参照)。
業務プロセスの合理化
2005 年 4 月に情報公開政策が承認されて以来、ADB は公
ADB は業務プロセスの評価を完了した。これは、国別支援
衆に対するコミュニケーション方法やステークホルダーとの
戦略と融資実行の 2 つの分野の質を損なうことなく、プロセ
情報共有、特に ADB のプロジェクトに関する透明性が大幅に
スの効率化と合理化を図ることを目的としていた。作業部会
高まった。
が設置され、文書の合理化と複雑なプロセスと評価を軽減す
公共および民間のプロジェクトに関する初期情報文書の
るためのオプションが検討された。作業部会の勧告は 2009
うち、97 %は ADB のウェブサイト上で開示された(2006 年
年 11 月に経営陣によって承認された。
は 63%)。また、2005 年の政策の承認以来、開示は年を追う
ADB は、国別支援戦略において、被支援国自身の開発計画
とストラテジー 2020 との接点に改めて焦点を当て、ADB
ごとによりタイムリーなものとなっている。
政策および戦略のペーパー、ADB 理事会の議題や議事録、
戦略や政策、地域別および国別支援戦略に関する理事会の審
のリソースを国家戦略計画のサイクルにより調和させよう
としている。ADB の戦略における他の改善には、担当専門官
効果的な組織の実現
知識管理と学習に対する意識の向上
28
アジア開発銀行
グループによる一括評価や補足資料を簡素化したペーパー
ADB の政策・手続き・規則を遵守することを企図している。
(single documentation platform)の導入による、評価手続
監査を通じて、業務、財務、管理および情報技術業務での有効
きの向上がある。セクターおよびテーマに関する詳細な評価
性・効率性・経済性において改善が見られている。監査部は、
は、国別支援戦略プロセスから切り離され、ADB の知識管理
ADB の新たに指定された外部監査人であるデロイト・アン
機能に統合された。これにより、開発パートナーの参加によ
ド・トウシュ・シンガポールとともに、監査活動の効果的な
り需要サイドからの分析作業が進んでいくことが可能とな
移転や適切な調整を図っている。外部監査人の選定に関する
ろう。
基本指針の策定については、理事会の監査委員会が検討中で
融資実行面での改革としては、プロジェクト概要承認の
ある。同基本指針は 2012 年に予定される次回の外部監査人
単一化(プロジェクトの事前準備の技術協力と融資に係る
の選定に適用され、外部監査人の選定プロセスの透明性をさ
承認プロセスを一体化)、プロジェクト事前準備と融資手続
らに高めることになる。
きのさらなる統合、リスクに基づくプロジェクト業務区分に
監査部は 2009 年に 25 件の監査を完了した。監査は、一部
効果的な組織の実現
よる品質保証の向上(複雑なプロジェクトの管理強化および
の ADB 本部の課、駐在員事務所、および地域事務所が管理す
審査の専門化を含む)などがある。他の改革には、より戦略
る融資、グラント(無償援助)、技術協力が ADB の政策・手続
的でセクターに焦点を当てた専門的な評価、プロジェクト策
きおよび締結された契約事項書に遵守しているかどうか審査
定・準備・実施時のプロジェクト管理マニュアルの活用、コ
した。審査は、財務・管理・業務情報の正確性、信頼性および
ンサルタントの専門知識の動員に向けた無期限契約の導入
適時性が考慮され、融資とグラントの重要な目的の達成が確
などがある。これらにより、融資手続きにかかる平均的な時
認され、業務上の支払いの適切性、資産の保全の観点から行
間は半減する。
われた。
財務および事務管理に関する監査は、本部と一部の駐在
リスク管理の強化
員事務所や地域事務所において実施され、財務データの信頼
性と業務の有効性の評価が行われた。財務部への監査では、
リスク管理ユニットは、2009 年 10 月 1 日付でリスク管理
スタッフの年金基金や投資管理システムを検証した。情報シ
部に昇格した。役割の拡大により、ADB は他の国際開発金融
ステムの監査では、情報システム技術戦略プログラム(第 2
機関を含む市場のベスト・プラクティスに沿うことになり、
期)、開発中のいくつかの IT システム、基幹システムの災害
ADB 業務の一層の効率性と有効性が確保される。
ノンソブリン業務のエクスポージャー制限に関する ADB
復旧試験に関する独立検証およびガバナンスの妥当性の確
認が対象となった。一部のコンサルタント契約について監
政策の見直し(P15「ノンソブリン業務のエクスポージャー
査が行われ、コンサルタントによる請求の信憑性が点検され
制限の見直し」を参照)に関連し、ADB はノンソブリン業務
た。監査部はまた、協調融資業務部( OCO)からの要請、およ
における新たなリスク評価方法を取り入れた。これにより、
び技術協力の協定書 / 覚書に従い、グラントによる信託基金
融資は完全な信用リスク評価に基づいて割り当てられ、ADB
の拠出者に対して 6 件の内部監査証明書を発行した。また監
は潜在的な損失額や予測内および予測外の損失の引当金と
査部は 2009 年を通じて、高リスクの勧告に重点を置きなが
して必要とされる資本額を測定することが可能になる。この
ら、未履行の勧告の進捗状況について継続してモニタリング
方法は、ADB のノンソブリン融資・保証案件における信用リ
を行った。
スク管理を向上させるばかりでなく、新たな取引の価格設定
の際に、信用リスクを考慮するシステムを利用して信用プロ
公正性および汚職防止活動
セスを標準化することで効率性を高められる。また、より効
果的にリスクをモニタリングし、管理するための情報技術プ
2009 年 10 月、ADB は ADB の 汚 職 防 止 政 策 に 従 っ た 調
ラットフォームが含まれる統合リスク管理システムの開発が
査等の活動において独立性と公平性を図るため、監査部か
進行中である。
ら公正管理課を分離して、汚職防止・公正管理部(Office of
監査
Anticorruption and Integrity(OAI)を 設 立 し た。同 部 は、
ADB が資金供給した活動において不正や汚職の疑いがある
場合の通報窓口を務める。また、不正や汚職、共謀行為、強制
ADB の融資、グラント(無償援助)、技術協力業務に対して
行為、利益相反、職権乱用について独立かつ客観的な調査を
は、監査部(OAG)による独立した監査が行われている。ま
行うだけでなく、他の部署と連携して汚職防止政策要件の関
た監査部では、財務、会計、リスク管理、管理業務手続きや情
係者間での意識向上を図る。
報システムについての監査を行っている。監査はリスク評
価を中心に実施され、内部統制・内部ガバナンスを強化し、
公正性の違反および不正行為の報告を奨励する全体的な
取り組みの一環として、汚職防止・公正管理部は、スタッフの
年次報告 2009
29
行動規範を規定する枠組内で、不正行為の通報および内部告
クトにより、インドネシア、モンゴル、タジキスタン、ウズベ
発者保護に関する規定を導入した。この規定は、何よりも内
キスタン、ベトナムで汚職防止の研修会を実施した。同部は、
部告発に関連した報復にどのように対処するかを定め、内部
ADB の全職員に最高水準の公正性と倫理を遵守するように
ADB の継続的な取り組みの一環として、オリエンテーショ
ン・セミナー 18 回と不正・汚職防止啓発ワークショップ 5 回
告発者に対する報復の救済について明確化している。
ADB は ADB が資金提供したプロジェクトまたは ADB ス
タッフに関連した新たな疑惑 194 件の報告を受け、個人 68
を実施した。
名と企業 56 社に対して制裁措置を講じた。アルメニア、カン
ボジア、インド、パプアニューギニア、フィリピン、スリラン
倫理
カにおけるプロジェクト 6 件について、プロジェクト調達関
連評価(旧プロジェクト調達関連監査)が行われた。また、モ
倫理委員会は、行動規範の下で生じ得る理事、理事代理、
および総裁による倫理問題への対処を支援するため、理事会
れた。汚職防止・公正管理部は、2 件の地域技術協力プロジェ
によって 2006 年 11 月に設置された(P11「理事会」を参照)。
効果的な組織の実現
ンゴルで 3 件の限定的なプロジェクトの調達関連評価が行わ
30
アジア開発銀行
セクターおよびテーマ別のハイライト
第5章
セクターおよびテーマ別の
ハイライト
ADB は、組織全体および開発パートナーによる持続可能で全ての人々に恩恵が行き渡る
(インクルーシブな)経済成長を推進する取り組みを支援するため、戦略とセーフガード制
度を強化した。新しいエネルギー政策が低炭素型経済への移行を推進し、インフラ投資の
中心に環境を据えた。アジア・太平洋地域に負荷がかかる中、ADB は政府や金融セクター
が人々へ資金を供給することを支援し、高等教育に対する支援への高まる要望に応えた。
戦略は、開発途上加盟国がミレニアム開発目標を達成し、政策やプログラムにジェンダー
平等への配慮を組み込むよう助けた。
年次報告 2009
ストラテジー 2020 では、ADB の業務は、全ての人々に恩恵
が行き渡る(インクルーシブな)成長に向けた長期的な開発課
31
持続可能なインフラ
題と最も合致した特定の優先度の高いセクターやテーマ分野
エネルギー ADB は、エネルギーの安全保障、ユニバーサル・
に重点を置くことを想定している。これらの優先分野は、開発
アクセス、低炭素型経済への移行を推進する新たなエネル
途上加盟国の現在のニーズを考慮に入れつつ、今後の需要や
ギー政策を承認した。
課題に合わせて適応できるものとなっている。ADB はリソー
スを動員し、開発課題を満たすよう支援を強化した。
気候変動
クリーンエネルギー投資を年間 10 億ドルに増加させる主
要な手段であった省エネルギー化イニシアチブは、過去 2 年
間で 28 億ドルの投資を行い、終了した。この取り組みは、ク
リーンエネルギー・プログラムと呼ばれ、ADB のクリーンエ
ネルギー投資がどの程度温室効果ガス排出を削減したか、時
ADB は、開発途上加盟国の気候変動の課題への対処を支援
するため能力を強化した。ADB は、国際的専門家で構成され
間当たりのキロワットをどのくらい効率化したか、再生可能
るアドバイザリー・グループを設立し、業務の戦略的な指針
した。
エネルギー源から何メガワット生み出したかをモニタリング
運輸 ADB の持続可能輸送イニシアチブは、開発途上加盟国
せ、6 億ドル以上の投資効果が期待できる低炭素化や気候変
が包括的でクリーンなエネルギー効率の高い輸送プロジェク
動耐性を強化する新規のグラント(無償支援)プログラム 40
トおよび政策を立案するための支援を行った。ADB は運輸セ
件以上を承認し、気候変動のプログラム調整ユニットを設立
クターにおけるパートナーシップを拡大し、開発途上国にお
した。また ADB は、気候変動に関するハイレベルの対話を開
ける持続可能な低炭素輸送パートナーシップの立ち上げにつ
催し、気候変動対策の義務について議論し、気候投資基金、地
ながった。ADB は持続可能な低炭素輸送に関する協力につい
球環境ファシリティ、炭素市場を通じて、クリーン技術、気候
て米州開発銀行と覚書を調印したほか、輸送と気候変動に関
変動耐性、森林保護、低所得国における再生可能エネルギーに
するベラジオ宣言に調印した 50 団体のうちの一つに名を連
対する資金を動員した。フューチャー・カーボン・ファンドは
ねた。
2012 年以降の炭素クレジットに対してアップフロントでの
資金提供をしている。ADB は、気候変動に関する画期的な調
水 ADB の水融資プログラムは、引き続き水セクター向けの
査−「東南アジア地域での気候変動の影響」、
「アジア・太平洋
投資増加を促進した。2006 年のプログラム開始以来 4 年が経
地域におけるエネルギー確保状況の向上および炭素強度の削
過した 2009 年末までに、ADB は 80 億ドルを超える水関連投
減」、
「アジア・太平洋地域における農業セクターでの気候変動
資を行った。2009 年には水関連融資に対する承認は 16 億ド
適応性の構築」、
「アジア・太平洋地域における気候変動および
ルに達した。水関連プロジェクトを支援するために設立され
移住」−を完了した。
たウォーター・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシ
リティには、2009 年末までに融資パートナーから総額 4,800
万ドルの拠出が約束された。
ADB は、開発途上加盟国における「トイレから川へ」の公衆
衛生への投資の必要性を強調した。受益国は、アゼルバイジャ
ン、カンボジア、インドネシア、キリバス、パキスタン、パラ
オ、サモア、スリランカ、ウズベキスタン、ベトナムなどであ
ADB は、5 つの地域における
業務の指針となる
気候変動実施計画を完成させ、
6 億ドル以上の投資効果が期待できる
る。ADB は水セクターにおける気候変動適応策に関する支援
も拡大した。
都市開発
ストラテジー 2020 において、都市環境インフラ分
野は高い優先順位となっており、気候変動、貧困の削減、住み
やすい持続可能な都市という喫緊の課題に対応している。都
市関連支援が、ADB の融資に占める比率は増えており、2009
低炭素化や気候変動耐性を強化する
年に承認された関連融資 20 件の総額は 23 億ドルとなった。
新規のグラント(無償支援)プログラムを
ドイツ、スペイン、スウェーデンおよび北欧開発基金が支援
40 件以上承認した
おり、協調融資や民間セクターとのパートナーシップを活用
するアジア都市開発イニシアチブは、16 カ国で業務展開して
セクターおよびテーマ別のハイライト
を含む組織活動の優先順位の草案が作成された。ADB は、5 つ
の地域における業務の指針となる気候変動実施計画を完成さ
32
アジア開発銀行
して、11 都市におけるプログラムと予備的事前調査を承認し
けた地域協力および能力育成のために、東南アジア諸国連合
た。アーバン・ファイナンシング・パートナーシップ・ファシ
(ASEAN)や国連の専門機関(国連食糧農業機関(FAO)と世界
リティ(Urban Financing Partnership Facility)は、環境イン
保健機構(WHO))との連携を深めた。新型インフルエンザの
フラ向け協調融資による投資を提供することを目的としてお
拡大に対し、アジアは対策を十分に整えていた。
り、当初財源としてスウェーデンからグラント資金と保証を
合わせて 8,500 万ドルの拠出を受けることが承認された。
財務およびガバナンス
ミレニアム開発目標
国連のミレニアム開発目標の期限
(2015 年)と世界経済の減速を考慮に入れて ADB は、開発途
上加盟国におけるミレニアム開発目標の達成のモニタリング
と推進のために、150 万ドルを拠出した。
金融セクター開発 2009 年の金融セクターの開発支援のた
ア ジ ア 太 平 洋 経 済 社 会 委 員 会(ESCAP)、国 連 開 発 計 画
めの融資は 4 億 1,000 万ドルにのぼった。これは融資全体の
(UNDP)と連携して、ADB はミレニアム開発目標の 2009 年
約 6%に相当し、金融セクターと資本市場の開発および中小企
進捗報告書をまとめた。報告書は、世界経済の減速がミレニ
業、インフラ、住宅関連インフラ開発に使われた。
アム開発計画に及ぼす影響について論じるとともに、逆行を
セクターおよびテーマ別のハイライト
金融セクター向け技術協力の大半は、融資プログラムまた
防止する方法を提言している。ADB はまた、社会的支援、条件
はプロジェクトの事前準備の案件であり、残りは地域の経済・
付給付、コミュニティ主導型の開発プログラムを通じた開発
金融統合、国際基準および健全な慣行の推進に向けた開発途
途上加盟国に対する社会保護の必要性について論じた。
上加盟国の取り組みを支援した。
と、ADB は、公共財務管理、調達、汚職防止政策における複数
ADB の業務にジェンダーを取り入れる ADB では、2012 年
までの公共セクター向けプロジェクトの 40%、アジア開発基
金のプロジェクトの 50 %に「ジェンダーの配慮」を取り入れ
国のリスク評価をほぼ完了した。ADB は、開発途上加盟国政
ることを目標に設定している。これには、プログラムおよびプ
府がアクラ行動アジェンダを推進する上で実施する能力開発
ロジェクト策定におけるジェンダー関連の分析が含まれる。
政策を支援するため、開発効果向上のための人材育成プログ
ADB は目標を達成し、近年の逆行を食い止める方策を探るた
め、ジェンダーの配慮に関する ADB 内の技術作業部会を設置
ガバナンス 「ガバナンス・汚職防止行動計画(第 2 期)」のも
ラムを支援した。
した。またジェンダーの配慮を行う機会を設けるため、候補プ
人材育成
ロジェクトのモニタリングを行い、地域局のジェンダー専門
教育 ADB は、教育、技術・職業教育および訓練、高等教育の
作成した。
官を増やし、スタッフへのブリーフィングを行い、参考資料を
費用の分担および負担に係る情報技術の良いプラクティスを
ジェンダーと開発に関する行動計画(2008~2010 年)で
集めた一連の知識商品「フォーカス・オン・エデュケーション
は国別支援戦略およびプロジェクトへのジェンダーの配慮
(Focus on Education)」を設置して、開発途上加盟国において
の加速化、開発途上加盟国との政策対話および能力支援の強
高まりつつある教育に対する要望に応えた。ADB は地域調査
化、組織の効果向上を引き続き重点化していく。モンゴルとネ
および能力開発プロジェクト「ダイナミック・アジアにおける
パールの国別ジェンダー評価が実施された。ADB の 11 の駐在
高等教育(Higher Education in Dynamic Asia)」を開始した。
員事務所のジェンダーの専門官は引き続き国レベルでのジェ
保健 ADB は、そのスキルと経験が最大のメリットをもたら
す分野―水および公衆衛生インフラ・プロジェクト、ラオス、
モンゴル、フィリピンにおけるガバナンスおよび健康プログ
ラムの公共支出管理、バングラデシュでの廃棄物管理、他の
開発パートナーと連携した実証型政策提言および政策の支援
など―に支援を集中した。国連児童基金(UNICEF)などと連
携して、ADB は母親、新生児、小児の健康に向けた投資事例の
開発を支援した。国連合同エイズ計画(UNAIDS)と連携した
HIV プログラムでの支援の特定に向けた地域データハブの整
備、世界保健機構(WHO)および世界銀行と連携したアジア太
平洋地域健康観測所(Asia Pacific Health Observatory)の立
ち上げなどを行った。ADB は、伝染病の予防と蔓延防止に向
ADB はインドネシアにおける教育の機会均等を支援している
年次報告 2009
ンダーに適応する計画策定に影響を与え、またジェンダーに
適応するプロジェクトの確実な遂行のために監督している。
33
分野横断的イニシアチブ
農業および食糧安全保障
ADB は農業と天然資源に関する総
環境およびセーフガード
額 4 億 4,300 万ドルの融資 7 件を承認した。1 億 5,400 万ドル
ADB は環境持続性プロジェクト 33 件について総額 37 億ド
ルを承認した。2008 年に比べてプロジェクト件数は 27%増、
融資額は 48 %増となった。また、環境保護および気候変動の
対策と適用に関する技術協力プロジェクト 91 件を承認した。
他の主要な活動は、メコン河流域圏(GMS)における危機
に瀕している生物多様性の保全、約 1 億 2,000 万人の食糧源
された農業・農村開発・食糧安全保障ユニットは、国際農業調
の非融資資金が、3,600 万ドルの協調融資を呼び込んだ。新設
査に関する協議グループのグローバル調査プログラムの一環
として、ADB の地域別調査プログラムを監督し、地域別の農業
調査アジェンダを策定し、アジア・太平洋地域の農業セクター
における気候変動耐性の構築に関する調査を委託した。
および収入源であるサンゴ礁三角地帯(コーラル・トライア
緊急支援および災害リスク管理 ADB はアジア太平洋災害対
ングル)における海洋保全自然保全プログラムへの融資の実
策基金(Asia Pacific Disaster Response Fund)の設立を承認
した。同基金は、政府による自然災害への対応に要する緊急費
用を支援するため、最大 300 万ドルのグラント(無償支援)を
セーフガード政策文書(P15「政策と戦略の概要」を参照)を
行う。インドネシア(地震)、フィリピン(台風)、サモア(津波)
承認した。
に対して無償支援が行われた。
情報技術および通信技術 2009 年末までに、融資 76 件と技
ADB は、開発途上加盟国における
術協力 138 件からなる情報技術および通信技術に関する ADB
の支援プロジェクト 214 件が行われた。これらは、開発途上
ミレニアム開発目標の達成を
加盟国における情報通信技術インフラの改善を支援するもの
モニタリング・推進するために、
で、情報通信技術能力と専門技術の向上、情報通信技術アプリ
150 万ドルの拠出を行った
ケーション、E サービス、コンテンツの開発を支援した。
セクターおよびテーマ別のハイライト
施や、東南アジアに残存する最大の森林の保護に向けたハー
ト・オブ・ボルネオ・イニシアチブの支援などがある。ADB は
34
アジア開発銀行
年の財務業務
2
0
0
9
第6章
2009 年の融資業務
ADB は公募債と私募債によって 104 億ドルを調達した。ADB は融資、グラント(無償援
助)、保証、貿易金融促進プログラム、出資、技術協力を通じた資金支援業務として前年比
42%増の総額 161 億ドルを承認した。協調融資額は約 32 億ドルに達した。また ADB か
ら開発途上加盟国に移転された財源は 2008 年には 43 億ドルであったが、2009 年には
60 億ドルであった。
年次報告 2009
35
授権資本と応募済資本の額はそれぞれ 1,662 億ドルと 608
出を約束している。金融危機の影響に対処するプロジェクト
億ドルであった。通常資本財源のうち、収入および実現利益か
および技術協力を支援することを目指しており、貧困削減日
ら成る総収入は 15 億ドルに達し、うち 10 億ドルは融資ポー
本基金の増額となる。このほか、クリーン技術基金および戦
トフォリオ、4 億 8,980 万ドルは投資ポートフォリオ、4,520
略的気候基金を ADB の管理下で設立することが承認された。
万ドルは出資等から生み出された。
特別基金における 2009 年の拠出および収入によって得ら
れた財源は総額約 44 億ドルとなり、その内訳は、アジア開発
基金(ADF)40 億ドル、技術協力特別基金 3 億 1,370 万ドル、
日本特別基金 120 万ドル、アジア開発銀行研究所特別基金
850 万ドル、アジア津波基金 90 万ドル、パキスタン地震基金
230 万ドル、地域協力・統合ファンド 40 万ドル、気候変動基
金 40 万ドル、アジア太平洋災害対策基金 4,010 万ドルとなっ
ている。
3 つの新しい信託基金と既存の信託基金への拠出に対する
2009 年のコミットメントの追加資金源は、合計で 2 億 9,630
万ドルとなった。3 つの新しい信託基金に対するコミットメ
ントは、合計で 1 億 2,600 万ドルとなった。これには、クリー
ンエネルギー融資パートナーシップ・ファシリティに基づく
ドル、インドにおける貧困削減努力に対する英国の新 5 カ年
(2009~2013)戦略パートナーシップの 2,300 万ドル、複数
ADB は、公募債と私募債を通じて、中・長期的資金 104 億
ドルを調達した。公募債は計 77 億ドルであり、私募債は合計
で 27 億ドルであった。公募債のうち、40 億ドルは 2 件の米ド
ル建てのベンチマーク債によるものであった。
業務概要
ADB は 2009 年に計 161 億ドルの融資業務を承認した(表
・約 132 億ドルの融
2)。これには、111 件(93 プロジェクト)
資、64 件・11 億ドルのグラント(無償援助)、2 件・3 億 9,700
万ドルの保証、1 件・8 億 5,000 万ドルの貿易融資促進ファシ
リティプログラム、5 件・2 億 2,000 万ドルの出資、313 件・2
億 6,700 万ドルの技術協力プログラムが含まれる(図 3、融資
業務の上位被援助国の一覧)。
ドナーによるアーバン・ファイナンス・パートナーシップ・
ファシリティ(Urban Financing Partnership Facility)に対
するスウェーデンによる 8,580 万ドル(うち無償援助 1,380
融資
万ドル)がある。既存の信託基金に対するコミットメントは 1
融資額 132 億ドルのうち、ソブリン融資の合計額は、86 件
億 7,030 万ドルに達しており、そのうち日本は 1 億ドルの拠
のプロジェクトおよびプログラムに対する 104 件・128 億ド
ルとなった。このうち 57 件・106 億ドルが ADB の通常資本財
源(OCR)から、47 件・22 億ドルがアジア開発基金(ADF)か
らの融資であった。それぞれの金額には、マルチトランシェ融
資ファシリティのもと、2009 年に承認された定期的な融資要
表 2 アジア開発銀行による融資業務の内訳
請に基づく 18 件・約 31 億ドルの OCR 融資と、6 件 3 億 2,880
(単位:百万ドル)
2008 年
2009 年
増減(%)
通常資本財源
8,360
11,020
32
アジア開発基金
1,764
2,210
25
10,124
13,230
31
融資
グラント(無償支援)
アジア開発基金によるグラント
707
911
29
その他の無償援助
102
202
98
809
1,113
38
融資および無償援助
10,933
14,343
31
保証
397
貿易金融促進プログラム
850
出資
123
220
79
技術協力
273
267
(2)
11,329
16,078
1,090
3,164
合計
協調融資 備忘事項
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
42
万ドルの ADF 融資が含まれる。全体的には、2009 年に承認
されたソブリン融資の総額である 128 億ドルは、2008 年の
86 億ドルと比べて 48.6%の増加である(OCR 融資は 54.7%、
ADF 融資は 25.3 %増加)。2 件・1 億 3,430 万ドルの国有企業
向けノンソブリン融資が承認された。5 件・3 億 860 万ドルの
民間セクター向けノンソブリン融資も承認された。これは 10
ADB は、
融資、グラント(無償援助)、
保証、貿易金融促進プログラム、出資、
および技術協力プロジェクトを通じて、
計 161 億ドルの資金支援を承認した
2
0
0
9
年の財務業務
炭素回収貯留基金の設立に対するオーストラリアの 1,720 万
資金調達
36
アジア開発銀行
表3
2009 年中の承認額ベースでの主要支援先
(単位:百万ドル)
融資
グラント
ノンソブリン (無償援助)
ソブリン
ベトナム
1,925.9
–
3.5
インドネシア
2,184.2
–
5.0
中国
1,762.1
192.9
インド
1,711.0
100.0
フィリピン
1,056.1
120.0
バングラデシュ
1,027.9
パキスタン
出資
合計
2,265.0
40.0
6.3
2,235.5
9.9
25.0
24.6
2,014.4
2.0
40.0
19.5
1,872.5
4.9
6.5
1,187.5
–
58.5
12.0
1,098.3
940.0
–
–
2.7
942.7
カザフスタン
687.0
–
–
0.8
687.8
スリランカ
330.0
–
14.5
8.4
352.9
ネパール
172.8
–
172.5
5.7
351.0
–
–
–
990.5
30.0
842.7
71.8
12,787.3
442.9
1,113.5
396.8
その他の開発途上加盟国
合計
325.0
技術協力
10.6
地域
年の財務業務
2
0
0
9
貿易融資促進
プログラム
保証
850.0
115.0
850.0
220.0
120.7
1,085.7
49.2
1,984.2
267.2
16,077.6
= 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
全体的に、2009 年には
件・計 12 億ドルの融資が行われた 2008 年と比べて 74.7%の
減少であった。
前年の 86 億ドルから
2009 年中に承認された 93 件のプロジェクトおよびプログ
48.6%増加し、
ラムのうち、67 件(72.8 %)は一般投資案件、25 件(27.2 %)
は特定目的投資案件であった(2004 年以前の特定目的投資案
128 億ドルのソブリン融資が
件 1 件を除く)。経済成長のための案件が最も多く、76 件のプ
承認された
ロジェクトに関連していた。分野別では、公共政策関連が融資
の最大のシェアを占めた(40.1%)。
(表 4)
93 件のプロジェクトおよびプログラムのうちプロジェク
表 4 セクター別業務実績(2008~2009 年)
融資
2008 年
百万ドル
農業・天然資源
教育
607.5
グラント(無償援助)
2009 年
%
6.0
百万ドル
443.5
2008 年
%
3.4
2009 年
百万ドル
%
百万ドル
%
82.6
10.2
174.5
15.7
130.0
1.0
85.0
0.6
27.8
3.4
173.7
15.6
2,567.5
25.0
2,125.9
16.1
259.9
32.1
95.3
8.6
金融
217.8
2.0
510.0
3.9
1.0
0.1
3.5
0.3
保健・社会保障
172.0
2.0
93.1
0.7
15.7
1.9
35.0
3.1
工業・貿易
167.5
2.0
101.0
0.8
10.0
1.2
1.6
0.1
公共政策
1,845.0
18.0
5,306.4
40.1
122.4
15.1
57.0
5.1
運輸・情報通信技術
2,688.1
27.0
2,347.8
17.7
169.1
20.9
355.2
31.9
上水道、都市インフラ
873.6
9.0
808.5
6.1
59.9
7.4
110.4
9.9
マルチセクター
855.0
8.0
1,409.0
10.6
60.5
7.5
107.3
9.6
10,123.9
100.0
13,230.2
100.0
808.9
100.0
1,113.5
100.0
エネルギー
合計
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2009
37
表 5a 協調融資 a(2007~2009 年)
(単位:百万ドル)
2007 年
ソブリン
2008 年
ノンソブリン
計
ソブリン
ノンソブリン
2009 年
計
ソブリン
ノンソブリン
計
シンジケーション
0.0
200.0
200.0
0.0
425.0
425.0
0.0
276.2
276.2
商業融資 b
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
120.0
120.0
公的融資
120.5
0.0
120.5
664.6
0.0
664.6
2,768.0
0.0
2,768.0
合計
120.5
200.0
320.5
664.6
425.0
1,089.6
2,768.0
396.2
3,164.2
ソブリン
ノンソブリン
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 直接付加価値協調融資、アジア開発銀行と運営または協力に関する協定のあるプロジェクトに対する協調融資。純キャンセル額。
b フレームワーク契約に基づく協力的な協調融資。
表 5b 協調融資 a(2007~2009 年)
(プロジェクト件数)
2007 年
2008 年
2009 年
ノンソブリン
計
ソブリン
ノンソブリン
計
シンジケーション
0
1
1
0
2
2
0
3
計
3
商業融資 b
0
0
0
0
0
0
0
1
1
公的融資
6
0
6
5
0
5
10
0
10
合計
6
1
7
5
2
7
10
4
14
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。協調融資の財源が複数のプロジェクトは 1 回のみ数える。
a 直接付加価値協調融資、アジア開発銀行と運営または協力に関する協定のあるプロジェクトに対する協調融資。純キャンセル額。
b フレームワーク契約に基づく協力的な協調融資。
トは 70 件・73 億ドル、プログラムは 23 件・59 億ドルとなっ
た。プロジェクト融資には、セクター別プロジェクト 9 件・5 億
6,700 万ドルが含まれる(2008 年は 4 件・2 億 7,900 万ドル)。
政策に基づくプログラム融資は、景気循環相殺政策支援ファ
シリティに基づく融資を除くと、34 億ドルとなった。これは
2008 年の 24 億 9,000 万ドルから 38.3%の増加となった。
グラント(無償援助)
保証
2009 年には 2 件・3 億 9,700 万ドルの保証案件が承認され
た(表 3)。
貿易金融促進プログラム(TFFP)
ADB は、貿 易 金 融 に 対 す る 取 り 組 み と し て 8 億 5,000 万
ドルを追加承認した。これにより貿易金融促進プログラム
グラント案件の承認は、2009 年には 64 件・計 11 億ドルで
(TFFP)のエクスポージャー制限は 10 億ドルに増加した。開発
あった。そのうち、9 億 1,100 万ドルは ADF から、1,300 万ド
途上加盟国および先進国における多数の商業銀行との連携を
ルは特別基金、1 億 8,900 万ドルは ADB が全部または一部管
通じ、TFFP は 2009 年中にアジアにおいて 19 億ドル相当の貿
理している外部の財源からの支援で、そのうち 3,500 万ドル
易取引を支援した(貿易金融促進プログラムの影響について
は貧困削減日本基金、1 億 5,400 万ドルはそれ以外の二国間・
は、P89「深刻な与信凍結の解除に向けて」を参照)。
多国間の資金源となっている。
64 件のグラント(無償援助)案件のうち、社会開発のため
の案件が最も多く、42 件のプロジェクトに関連していた。
部門の中では運輸、情報通信技術が最大のシェアを占めた
(31.9%)。
出資業務
2009 年には 5 件・計 2 億 2,000 万ドルの出資案件が承認さ
れた(2008 年は 7 件 1 億 2,310 万ドル)。
2
0
0
9
年の財務業務
ソブリン
アジア開発銀行
38
表 6 ノンソブリン業務(2006~2009 年)a,b
表 7 ノンソブリン業務の主な支援国
(1983~2009 年累計額)a,b
(単位:百万ドル)
2006 年 2007 年 2008 年 2009 年
%
450
650
1,522
443
中国
– 民間セクター
2,188
20.4
375
640
1,222
309
インド
– 公共セクター
2,129
19.8
75
10
300
134
インドネシア
出資
919
8.6
230
80
123
220
フィリピン
部分信用保証
768
7.2
110
251
–
72
パキスタン
721
6.7
15
–
–
–
タイ
貿易金融促進プログラム
395
3.7
–
–
–
850
カザフスタン
ノンソブリン承認額合計
375
3.5
805
981
1,645
1,585
スリランカ
– 民間セクター
280
2.6
730
971
1,345
1,451
ベトナム
– 公共セクター
280
2.6
75
10
300
134
バングラデシュ
242
2.3
アフガニスタン
198
1.8
政治リスク保証
備忘事項
協調融資(B ローン)
330
200
425
276
ラオス
– 民間セクター
100
0.9
105
200
200
220
アゼルバイジャン
66
0.6
– 公共セクター
年の財務業務
2
0
0
9
百万ドル
ノンソブリン業務
総事業費
225
–
225
56
ネパール
59
0.5
7,678
3,485
9,992
4,506
グルジア
25
0.2
パプアニューギニア
25
0.2
1,895
17.7
= 該当データなし。
a ADB の民間部門業務局と地域局が行うノンソブリン・プロジェクトを含む。地域局
は 2007 年ノンソブリン業務を開始した。
b 署名前に全額キャンセルされたものを除く。
地域
その他の開発途上加盟国
合計
協調融資
62
0.6
10,728
100.0
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADB の民間部門業務局と地域局が行うノンソブリン・プロジェクトを含む。地域局
は 2007 年にノンソブリン業務を開始した。
b 署名前に全額キャンセルされたものを除く。
協調融資は 2009 年を通して、ストラテジー 2020 の目標
を支援する目的で ADB の主要業務に引き続き組み込まれた。
表8
開発途上加盟国へ移転した財源
2009 年の直接付加価値(DVA)協調融資は、14 案件・約 32 億
ドルとなった(表 5a および 5b)。さらに約 59 億ドルの別個の
間接的付加価値(non-DVA)協調融資が、ADB が支援する 8 件
(単位:百万ドル)
のプロジェクトおよびプログラムに対してパラレルローンの
融資実行額
6,472
7,898
形で実現された。
元本返済 a
(1,923)
(1,891)
支払利息 / 手数料
(1,416)
(1,126)
公的融資に基づく直接付加価値(DVA)協調融資(二国間
および多国間機関によって提供される融資)は、10 件のプロ
ジェクトに対して計 28 億ドルとなった。また商業融資は計 3
億 9,600 万ドルに達し、うち 2 億 7,600 万ドルは ADB が融資
契約上の貸し手(B ローン)となっている 3 件のプロジェクト
に対してであり、1 億 2,000 万ドルは協力的協調商業融資で
ある。
ADB は引き続き協調融資商品を推進した。一例として、
ADB はアジア金融・リスク軽減フォーラムを開催し、豪州の
輸出金融 ・ 保険公社(EFIC)とアジア輸出入銀行フォーラム・
再担保・協調融資に関するワークショップ(Asia EXIM Banks
Forum Workshop on Re-Guarantee and/or Co-Financing)
2008
2009
通常資本財源
純出資
純移転額
57
13
3,190
4,894
アジア開発基金
融資実行額
2,043
2,201
元本返済
(677)
(845)
支払利息 / 手数料
(256)
(261)
1,110
1,095
4,300
5,989
純移転額
合計
( )= 開発途上加盟国からの財源流入。
a 前払い金 670 万ドルを含む(2008 年は 2 億 7,710 万ドル)
を共催した。開発途上加盟国の信用強化商品の管理能力の強
を設定する。こうした協調融資に対するプログラムに即した
化に向けた技術協力地域案件が 2009 年に開始された。
アプローチにより、ADB の協調融資業務に対する予測可能性
ADB は、将来の協調融資業務のパイプラインを効果的に構
が向上しており、共同融資のアップストリームを動かし、協
築するために、協調融資者とのフレームワーク協調融資契約
調融資業務の合理化につながる標準化されたプロジェクト別
年次報告 2009
協調融資契約のテンプレートが利用できるようになる。2009
年末迄には、6 件のフレームワーク合意が発効し、今後 2~3
39
財源の移転
年の融資総額は約 90 億ドルに達する。2009 年に ADB は、中
ADB から開発途上加盟国に対する財源の純移転は、2008
国輸出入銀行とインフラ・プロジェクトに対して今後 3 年間
年の 43 億ドルから 2009 年には 60 億ドルとなった。そのう
で 15 億ドルを協調融資するフレームワーク協調融資契約を
ち通常資本財源(OCR)借入国 / 投資家への財源純移転額は、
締結した。
2008 年の 32 億ドルから 2009 年には 49 億ドルとなった(表
8)。財源純移転額の上位 4 カ国は、インド、ベトナム、フィリ
技術協力業務
267 件の新規プロジェクトおよび 46 件の補完プロジェク
ト を 含 む 313 件・2 億 6,720 万 ド ル の 技 術 協 力 プ ロ ジ ェ ク
トが承認された。これは 2008 年に承認された 298 件・2 億
7,320 万ドルから 2.2%減となる。313 件の技術協力プロジェ
クトのうち、88 件はプロジェクト準備、114 件は能力開発、
71 件は政策および助言、40 件は調査および開発を目的とする
ピン、中国であった。
融 資 実 行 総 額 は 2008 年 の 85 億 ド ル に 対 し て 2009 年 は
101 億ドルであった。そのうち通常資本財源(OCR)からの移転
は 79 億ドル(78%)
、アジア開発基金(ADF)からの実行額は 22
億ドル(22%)となった。融資返済総額は、2008 年の 43 億ドル
に対し、2009 年は 41 億ドルだった。
ものであった。
2
0
0
9
ノンソブリン業務
年の財務業務
ADB は 12 件の金融市場およびインフラストラクチャー・
ノンソブリン・プロジェクト計約 16 億ドルを承認した(表
6)。支援は 5 件の民間セクター融資 3 億 900 万ドル、2 件の
公共セクター・ノンソブリン融資 1 億 3,400 万ドル、5 件の出
資 2 億 2,000 万ドル、信用保証 7,200 万ドルとなっている。
2009 年には、貿易金融促進プログラムのエクスポージャー制
限は 8 億 5,000 万ドル増加し 10 億ドルとなった。
2009 年 12 月 31 日現在の、ノンソブリン業務の融資残高
および未実行約定の合計は約 45 億ドルであり、その内訳は融
資が 26 億ドル、出資が 11 億ドル、保証が 7 億 4,000 万ドルで
ある。ADB のノンソブリン業務のエクスポージャー額はイン
フラ・セクターが計 27 億ドルと最も多く、次に多い金融セク
ターが 17 億ドル、その他は 7,000 万ドルである。
ノンソブリン業務の累積額の最大は中国(20.4%)、次いで
インド(20%)、インドネシア(9%)、フィリピン(7%)となっ
ている。複数国に対する地域案件は全体の約 18%に相当して
いる(表 7)。
パキスタンの発電所。民間セクターの電力利用を目指しており、建設費用は
アジア開発銀行からの融資によりまかなわれる
40
アジア開発銀行
中央・西アジア
年次報告 2009
41
第7章
アフガニスタン、アルメニア、アゼルバイジャン、
グルジア、カザフスタン、キルギス、パキスタン、
タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン
中央・西アジア地域に対する ADB の支援の根幹を成すものは、交通の接続性、
エネルギー安全保障と効率性、都市サービス、金融セクターと政府改革である。
この地における最も重要な交通プロジェクトであるウズベキスタン ~ アフガ
ニスタン鉄道建設計画が承認されたほか、中央アジア地域経済協力プログラム
(CAREC)の 8 カ国によりエネルギーに関する行動計画も承認された。
中央・西アジア
中央・西アジア
アジア開発銀行
42
概要
ドアップ実現に向けて前進した。2009 年のマルチトランシェ
融資の総額は約 30 億ドルだった。
ADB の中央・西アジア支援戦略では、輸送と物流、エネル
ギー安全保障と効率化、都市サービス(上下水道、都市交通)お
よび改革(政府の効率、信用アクセス、資本市場の発展)が重
視されており、デット・エクイティ・ファイナンス、保証、グラ
地域協力
中央アジア地域経済協力(CAREC)の第 8 回閣僚会議がモ
ント(無償援助)などの形により実施される。これらに付随し、
ンゴル・ウランバートルで開催され、加盟国(アフガニスタン、
技術協力(無償援助)の形で、計画策定、プロジェクト管理、モ
アゼルバイジャン、中国、カザフスタン、キルギス、モンゴル、
ニタリング、評価、報告の各スキル研修への支援も実施されて
タジキスタン、ウズベキスタン)間の協力が深まった。同会議
いる。域内協力、環境持続性、気候変動、ジェンダーにも力を
ではエネルギーに関する行動計画が承認されたほか、CAREC
入れている。
プログラムに関する包括的な成果枠組みの導入も合意され
融資実行額は 22 億ドルに上り(表 10)、公共セクター向け
のプロジェクトおよび改革に対する新規融資は 31 億ドルに
達した。
た。CAREC プログラムではまた、実効性に関する年次報告書
が今後スタンダード化していくと見られる。
ADB は、この地域で代表的な交通プロジェクトともいえる
ウズベキスタン(ハイラタン)~ アフガニスタン(マザリシャ
ポートフォリオ実績
リフ)鉄道建設を承認した。同プロジェクトはまた、アフガ
ニスタンを南北に縦断する鉄道網開発プログラムの第 1 弾で
中央・西アジア
ADB は、プロジェクト実施に関する情報管理システムの改
もあり(計 3 フェーズを予定)、中央アジアから南アジアの港
善などを通じクライアントとの協力強化に努めることで、管
湾やコーカサス地方への交通の便を向上することが期待さ
理効果の向上を目指した。十分な成果が上がっていないプロ
れる。鉄道が開通すれば、ハイラタンにおける荷降ろしやト
ジェクトに対しては、
「無延長」方針を適用し、時間・予算の
両面において枠内で収まる管理を徹底化した。事前審査フィ
ルターの明確化、デザインの簡素化、早期調達の推進、セーフ
ガードの遵守、相手先機関の融資手続きのスピードアップに
より、ポートフォリオ成果も向上した。支援形態ではマルチト
ランシェ融資やクラスタープログラム融資を取り入れたプロ
グラム融資が多い。また、プロジェクト開始時から分析作業を
同時に行うようになったことで、実施に係わる時間とリソー
スが増し、長期的パートナーシップや承認プロセスのスピー
表9
ADB は
ウズベキスタンとアフガニスタンを
結ぶ新しい鉄道という代表的な
交通プロジェクトを承認した。
これにより中央アジアと南アジアの
港やコーカサス地方とが結ばれる
中央・西アジア:2009 年に承認されたグラント(無償援助)プロジェクトとその額(国別)
(単位:百万ドル)
国
ADF
その他の財源 a
合計
アフガニスタン
ハイラタン ~ マザリシャリフ鉄道
165.0
–
165.0
水資源開発投資プログラム−トランシェ 1
86.6
3.3
89.9
エネルギー部門開発投資プログラム−トランシェ 2
81.5
–
81.5
CAREC 交通回廊(ビシュケク ~ トルガルト道路)プロジェクト 2 b
22.0
–
22.0
イシク・クル湖持続可能な開発
13.5
–
13.5
40.0
–
40.0
20.0
–
20.0
–
1.6
1.6
428.6
4.9
433.5
キルギス
タジキスタン
危機復興支援プログラム
ドゥシャンベ ~ キルギス境界道路復興(第Ⅱ段階)
(追加)
b
税関システム近代化・インフラ開発
合計
= 該当データなし、ADF = アジア開発基金、CAREC = 中央アジア地域経済協力。
a 外部財源による公的協調融資であってその一部または全体を ADB が管理するもの。
b 融資プロジェクトの無償援助部分。
年次報告 2009
ハイライト
世界経済危機:ADB の対応
• パキスタンでは「経済移行促進計画」の一環である 5 億
アルメニア
ドルの新規のサブプログラムを通じ、経済の安定化や、
電力・金融・農業分野における重要な改革、社会保護制
度を継続支援した
• アフガニスタンでは、電力供給・送電の改善のためにグ
ラント 8,100 万ドルが供与され、パキスタンでは、エネ
ルギー効率化に向けた新規マルチトランシェ融資とし
て、最初のトランシェ 6,000 万ドルが融資された
• 道路・鉄道網の拡張に向けた大規模な支援が始まった。
アフガニスタンのヘラートからタジキスタン、パキスタ
ンへとそれぞれつながる交通網ネットワークの第一段
階として、マザリシャリフとハイラタン(ウズベキスタ
ン)を結ぶ鉄道プロジェクトへのグラント 1 億 6,500 万
• CAREC プログラムでも、貿易政策、輸送、エネルギーの
各分野において地域協力が大きく進展した。CAREC 参
加国により、エネルギーに関する行動計画と成果枠組み
の導入が合意された
• ソブリン融資 39 件、グラント(無償援助)4 件、技術協力
プログラム 51 件が終了し、ポートフォリオの質が大幅
に改善した。成約額および融資実行額は、年間目標をそ
れぞれ 6%と 8%上回った
• 経済危機からの復興策として、融資 8,000 万ドルによ
り、対象を絞った社会保護および雇用創出と重要な公共
支出の維持を支えた
グルジア
• 計 1 億 5,000 万ドルの融資 3 件を通じ、社会保護対策
を維持するとともに、年金・社会保障の支払いをタイム
リーに支援した
カザフスタン
• 景気循環相殺政策支援ファシリティからの融資 5 億ド
ルにより、雇用創出などの社会保護プログラムを補完・
維持したほか、経済危機からの復興プログラムを実施す
るカザフスタン政府に対し、国民および投資家のコン
フィデンス構築を支えた
キルギス
• グラント(無償援助)1,500 万ドルにより、投資家のコ
ンフィデンス回復に向けた改革を支援したほか、政府の
経済危機緩和策を補完した
パキスタン
• 融資 5 億ドルを通じ、社会保護プログラムの拡大と、電
力部門の過剰債務の再建を支援したほか、産業の多様化
ラックへの再積込みの手間が省かれるとともに、アフガニス
タンにおいてもマザリシャリフ空港と環状道路との間で、人
と貨物とを運ぶことになろう。
国別業務概要
アフガニスタン
優先分野
への阻害要因を特定し、経済移行を支援した
タジキスタン
• グラント(無償援助)4,000 万ドルにより、雇用創出、
社会的弱者への社会支援、貧困地域向けの資金支援、教
育・健康機関に対する支援など、重要な社会保護支出を
支えた
2009 年 1 月、国別支援戦略(2009~2013 年)が承
認された。これは国家開発戦略を補完するものである。ADB
町ハイラタン−アフガニスタンへの輸入や人道支援物資の約
は輸送、エネルギー、灌漑向けに 15 億ドルを融資し、制度整備
や能力育成も支援する。大半の支援はマルチトランシェ融資
5 割が通過する―を結ぶ単線鉄道(75km)建設計画として、無
償支援 1 億 6,500 万ドルが承認された。これは西部のヘラー
を通じて行われ、継続性と適時な実施、パートナーシップの向
トや、北隣のタジキスタン、南隣のパキスタンへとつながる交
上をめざす。
通網に発展する。さらに、ADB などからの支援により、北東電
力システムもコミットされた。これにより首都カブールなど
業務の効果 2009 年の支援ポートフォリオは、ソブリン融資
19 件とグラント(無償援助)プロジェクトから成り、計 17 億
ドルとなった。マザリシャリフから、ウズベキスタンの国境の
の都市部で電力が供給されるほか、経済成長や雇用創出効果
が見込まれる。
中央・西アジア
ドルが含まれる
43
44
アジア開発銀行
表 10 中央・西アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2008~2009 年)
契約締結 / 約定
実行額
リスクのある融資
実施中の融資件数
2009 年
2008 年
2009 年
2008 年
(2009 年 12 月 31 日時点) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル)
国
アフガニスタン
2009 年
(%)
2008 年
(%)
11
37.1
53.2
74.3
51.8
18.2
9.1
4
117.0
23.0
119.1
8.0
–
–
10
149.0
31.8
58.5
20.8
–
–
グルジア
3
111.1
69.9
111.4
69.9
–
–
カザフスタン
3
700.9
10.6
542.5
8.3
–
–
アルメニア
アゼルバイジャン
キルギス
7
14.1
9.6
24.0
27.1
–
28.6
パキスタン
42
1,178.9
1,799.7
1,093.3
1,873.2
21.4
16.1
タジキスタン
11
40.5
66.8
67.1
50.0
–
7.7
ウズベキスタン
20
137.8
58.7
125.9
49.0
–
–
111
2,486.3
2,123.3
2,216.1
2,158.1
9.9
10.8
合計
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
中央・西アジア
アルメニア
アゼルバイジャン
優先分野
優先分野 ADB 支援の重点は、運輸、エネルギー、都市サービ
2009 年のアルメニア向け支援は、地方部の交通
と上水サービスのほか、交通回廊開発プロジェクトとしてマ
スに置かれている。交通プロジェクト 3 件に融資が行われ、う
ルチトランシェ融資ファシリティ 5 億ドルが承認された。7
ち 2 件は、道路向けマルチトランシェ融資ファシリティ(5 億
カ年計画では、アルメニアを南北に縦断し、グルジアの高速
ドル)の枠内によるものだった。水道部門では地方都市を対象
道路に接して黒海に達する計 550 キロの高速道路が建設され
にした 6 億ドルのファシリティを承認し、住民 50 万人が恩恵
る。最初のトランシェ 6,000 万ドルにより、一部区間の道路
を受けた。エネルギー部門においても、ADB の支援で送電シ
の改修工事が行われる。首都エレバンでは交通の改良工事が
ステム改善や、電力供給の新しいマスタープラン策定が予定
始まった。
されている。
業務の効果
ADB は、アルメニア政府の要請により、経済危
業務の効果
洪水対策プロジェクトが完了したことにより、
機対策として景気回復のための融資 8,000 万ドルを迅速に策
貧困削減と所得増加につながった。政府の推計では、住民 24
定・承認・実行し、同国の社会支出と危機対応を支援した。
万 1,900 人の生活環境が改善したとみられる。ADB の支援に
より、未開発の土地が有効活用されるようになり、上下水道
サービスおよび輸送の接続性が向上した。
中央アジア地域経済協力(CAREC)の
グルジア
第 8 回閣僚会議は、エネルギー分野に
優先分野
関する行動計画を承認するとともに、
CAREC プログラムに関する
包括的な成果枠組みを
定めることに合意した。
実効性に関する年次報告書は
今後 CAREC の標準となるだろう
2007 年の ADB 加盟以来、グルジア向けの ADB の
融資承認額は運輸、都市サービス、危機支援などの分野で計 3
億 3,900 万ドルに達した。2009 年 1 月に ADB の駐在員事務
所が開設した。ADB は融資 2 億 2,880 万ドルを承認した。そ
の内訳は世界金融危機からの景気回復のための 8,000 万ド
ル、自治体サービス(輸送や交通問題対策関連)3,000 万ドル、
交通回廊整備のマルチトランシェ金融ファシリティ 5 億ドル
だった。最初のトランシェ 1 億 1,880 万ドルは、黒海沿いの
港をつなぎ、隣接する国々に抜ける道路建設のための融資と
なった。
年次報告 2009
表 11
45
2009 年中の中央・西アジア:ソブリン融資の承認(国別)
(単位:百万ドル)
国
OCR
ADF
合計
ソブリン
アルメニア
危機復興支援プログラム a
南北道路回廊投資プログラム−トランシェ 1
–
–
80.0
60.0
80.0
60.0
75.0
–
75.0
–
–
–
80.0
30.0
118.8
80.0
30.0
118.8
500.0
–
500.0
187.0
–
187.0
–
–
28.0
16.5
28.0
16.5
350.0
230.0
75.0
40.0
150.0
75.0
20.0
500.0
230.0
150.0
60.0
アゼルバイジャン
水供給および衛生投資プログラム−トランシェ 1
グルジア
成長回復支援プログラム a
地方自治体サービス整備−フェーズ 2
道路回廊投資プログラム−トランシェ 1
カザフスタン
カザフスタン景気循環相殺政策支援
(ジャンビル ~ オブラスト区間)
CAREC 交通回廊(第 1 期)
[西ヨーロッパ ~ 中国西部交通回廊]投資プログラム−トランシェ 2
キルギス
CAREC 交通回廊(ビシケク ~ トルガルト道路)−プロジェクト 2
イシク・クル湖持続可能な開発
経済転換促進プログラム(サブプログラム 2)
国道開発部門投資プログラム−トランシェ 2
パンジャブ州政府効率向上プログラム(サブプログラム 2)
エネルギー効率投資プログラム−トランシェ 1
ウズベキスタン
給水・衛生サービス投資プログラム−トランシェ 1
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、CAREC = 中央アジア地域経済協力、OCR = 通常資本財源。
a ADF 融資 2 件からなる。
パキスタンのシンド州では、給水所に ADB が融資し、村民の健康が改善した
–
60.0
60.0
1,457.0
718.3
2,175.3
中央・西アジア
パキスタン
46
アジア開発銀行
図 1 中央・西アジア:2008・2009 年の国別融資額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
図 2 中央・西アジア:2008・2009 年の国別実行額
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
(単位:百万ドル)
アフガニスタン
アルメニア
17.3
111.4
69.9
グルジア
228.8
110.0
カザフスタン
542.5
8.3
687.0
340.0
24.0
27.1
キルギス
44.5
キルギス
1,099.6
パキスタン
940.0
パキスタン
1,090.0
60.0
130.0
ウズベキスタン
中央・西アジア
0
200
2008年
400
600
800
1,000
タジキスタン
1,200
125.9
49.0
0
2009年
景気回復支援プログラムにより、政府は歳出入
に対するサービスなど、主要な社会ニーズのためのコア支出
を維持することができた。
カザフスタン
戦略的な優先分野は、輸送と水供給である。中央ア
世界経済危機の影響軽減するため、景気循環相
殺政策支援ファシリティによる融資 5 億ドルが承認され、政
府による危機対策支援や、雇用創出に活用された。
カザフスタンでは輸送および
水供給に重点が置かれ、
キルギスではインフラ、投資環境、
地域協力に重点が置かれている
1,000 1,250 1,500 1,750 2,000
2009年
国
融資額
実行額
アフガニスタン
952.3
660.4
アルメニア
223.9
127.2
アゼルバイジャン
660.4
146.4
グルジア
363.8
206.3
1,703.6
1,161.6
648.0
576.2
20,245.8
15,334.2
372.5
290.2
1,290.9
659.9
キルギス
ベイネウ道路の改修についても融資が行われる。
750
(単位:百万ドル)a, b
る 7 億ドルのマルチトランシェ融資ファシリティのもと、ト
カザフスタンを近隣諸国やカスピ海へと接続するアクタウ ~
500
表 12 中央・西アジア:2009 年末時点の国別累計
融資額・実行額
カザフスタン
の隣国とを結ぶ輸送が改善するほか、南北ルートも開通する。
250
2008年
ジア地域経済協力(CAREC)交通回廊 1 投資プログラムに対す
ランシェ 2 件が承認された。これにより、カザフスタンと東西
1,923.3
67.1
50.0
ウズベキスタン
ギャップの解消に対処するとともに、福祉支出や社会的弱者
業務の効果
58.6
20.8
アゼルバイジャン
カザフスタン
優先分野
8.0
215.4
グルジア
業務の効果
119.1
アルメニア
140.0
75.0
アゼルバイジャン
101.0
80.5
アフガニスタン
60.0
パキスタン
タジキスタン
ウズベキスタン
域内全体
合計
20.0
3.0
26,481.3
19,165.2
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは、可能な限り各国に配分している。
b 地域固有のノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
年次報告 2009
キルギス
47
を拡大した。ADB の支援により、地方の飲料水、教育、幼児教育
の整備が推進された。イシク・クル湖に流れ込む未処理の廃水
優先分野
引き続きインフラが優先分野となった。投資環境
対策として、3,000 万ドル規模のプロジェクトが承認された。
の改善に向けた改革も、戦略的なイニシアチブの一翼を担っ
た。地域協力も、ADB のキルギス支援において重要である。
パキスタン
業務の効果 ADB の融資によってインフラ、税務・税関サービ
優先分野
スが向上した。ADB は投資に対する障壁を解消する政策を支援
発、政府の効率向上に重点が置かれた。再生可能エネルギー
新戦略により、エネルギー、運輸、灌漑、都市開
したほか、コンプライアンス費用を低減し、融資へのアクセス
と送電を支援するフランス開発庁との協調融資とマルチトラ
水質の改善
キルギス共和国では ADB プロジェクトにより、村の上
部にある貯水小屋から引かれた配水管により、きれいな
湧き水が手に入るようになった。
込んでいるという問題もあった。
「水道管が設置される前は、村人たちは川の水から感染症に
かかっていた」と現地の病院の看護師であるジャナガルさんは
いう。下痢は日常的で病院は水が不足していたため、看護師た
キルギスの山岳地帯は、中央アジアでも最も豊かな水源を
抱えているにも関わらず、人々は日常生活で使用する水を汲む
行かなければならなかった。
しかし、ADB が資金援助した
「タザスー(きれいな水の意味)
」
ため一番近い川までの数マイルを歩かなければならない。しか
プロジェクトにより、こうした集落に水道管が設置され、キル
し ADB のグラント(無償援助)のおかげで、水は身近なものと
ギスの多くの村がその恩恵を受けることになった。
なりつつある。
典型例であるジョショウルー村には、現在、配水栓 56 本が
キルギス南部の山岳地帯アライ地方にあるジョショウルー
設置され、住民 4,500 人は新鮮できれいな山の湧き水を利用で
村にアブディマナップ氏は家族と暮らしている。ADB が、水供
きるようになった。源泉は雨水や動物の排泄物が流れ込むのを
給・衛生改善プロジェクトの一環として水道管設置を支援す
防ぐためテントで覆われ、そこからの湧き水は配水管を通って
るまで、村人は地元の川の水を利用していた。アブディマナッ
村の最上部に作られた貯水池に流れこむ。貯水池の容量は最大
プ氏は「川の水は悪くはなかったが、雨季になると泥で茶色く
50 万ℓあるので、湧き水が止まっても、村人に 1 日分の水を供
濁ってしまう。そのため川からバケツで汲みあげた水は泥や汚
給することができる。
れが沈殿するまで数時間待たなければならなかった」と説明し
貯水池を管理しているアブダシム氏は湧き水が枯れるとは
ている。また、川に水を飲みに来る牛や羊の排泄物が川に流れ
考えていない。
「水が枯れることは決してないだろう。万一そ
うなったとしても、長期にわたって村に水がない状態にはなら
ないだろう」
なぜなら、川の水を汲み上げフィルターで浄化して村まで
配水するバックアップ・システムによって水の供給が確保され
ているからだ。
配水栓がすぐ近くにできたことで、いつでも水が手に入れ
るようになり、女性にとっては水汲みという大きな問題が解決
した。子供たちも水汲みの時間が減ったおかげで、遊びや勉強
にあてる時間が増えた。彼らは好きなときにいつでも水が手に
入るようになった。
川の水を汲み上げ、
フィルターで浄化して村まで配水する
水汲みの順番を待っているジョショウルー村の人々。水道管が家の近くに
設置されたことで、きれいな水を容易に入手できるようになり、より生産的
な活動に時間を使うことができるようになった
バックアップ・システムによって
水の供給が確保された
中央・西アジア
ちは 3 キロ離れた最も近い川までバケツを持って水を汲みに
48
アジア開発銀行
ンシェ・ファシリティによるエネルギー効率のための支援に
農業、社会保護の各セクターにおける改革を担当した。また、
よって、エネルギー・パートナーシップが拡大した。ADB は、
パキスタンの地場銀行に融資を提供し、国際的銀行に対する
パキスタン・フレンズから、エネルギー分野での国際支援のた
信用状に保証を提供するため、合意を締結した。このほか、民
めのマスタープラン策定にあたり指導的役割を果たすよう命
間セクター初の水力発電プロジェククトに対する国際的な融
じられた。ADB は国際通貨基金のプログラムに基づき、経済
資の動員を支援し、世界銀行と協力して、パキスタン北部の紛
安定化に向けた改革を支援した。ADB では特に、電力、金融、
争地域の被害状況の調査も行った。
21 世紀の教訓
ウズベキスタンでは ADB のプロジェクトにより、学校
ラスターに分け、各クラスターにハブ機能を担うリーダー校を
へのパソコンの導入やインターネット接続が実現しト
選んだ。同校はそのひとつである。
レーニングが行われるなど現代型教育がもたらされた。
このネットワークが完全に稼働すれば、全クラスターに属
する 9,757 校で学ぶ生徒 54 万人が直接恩恵を得ることにな
る。最終的には、5 年間で学生約 600 万人と教師 20 万人がコン
首都タシケント市にある第 94 中学校で、数学を教えるロゴ
ヴァ・ナデージャ・ヴィクトロヴナ先生は、パソコンを使った
中央・西アジア
授業で生徒にマルチメディア学習を指導している。
ピュータスキルを習得することになる。本プロジェクト・コス
ト 4,300 万ドルのうち、3,000 万ドルを ADB が融資した。
リーダー校は、最大 30km 半径内にある近隣校のリソース・
ヴィクトロヴナ先生が教職に就いたのは 1990 年だが、ADB
センターとして機能している。具体的には学生と教師を対象
の基礎教育における情報通信プロジェクトの一環として、IT 研
とするパソコン学習をそれぞれ実施するものだが、教師たちに
修を 2009 年 6 月に終了した。
とっては研修で学んだ知識をすぐに生かす場が与えられるよ
先生は、
「パソコンを使って双方向的な勉強ができるように
なり、生徒の学習スピードがはるかに速くなっている。課題に
うになった。
さらに、同プロジェクトのリーダー校は、その 7 割が地方
ついても、インターネットなどで多くの情報が入手できるよう
や貧困地域に位置している。つまり、プロジェクトによって、
になっている」と指摘している。
5~9 年生の貧しい生徒約 16 万 5,000 人が直接恩恵を得ると
同プロジェクトは政府が推進する「基礎教育開発プログラ
いう特別配慮がなされている。
ム」と連動しながら、学校教育の現場に ICT(情報通信技術)を
少数民族出身の生徒にも配慮するため、教材はカラカルパ
取り入れることを目指している。プロジェクトが開始される
ク語、カザフ語、韓国語、キルギス語、ロシア語、タジク語、トル
2006 年以前は、中学校におけるコンピュータ導入率は約半分、
生徒のアクセス率は 18%にとどまっていた。
「2009 年 9 月にパソコンが導入されて以来、学生 1,700 名
に対する教育内容で既に向上が見られている」と第 94 中学校
クメン語で用意されている。特に遠隔地の学校については、デ
のタマラ・サモイロビッチ教育課長は指摘している。政府では
ロジェクト開始以来、ICT リテラシーは飛躍的に向上している。
ICT 導入にあたり、全国の学校を 11 校程度からなる 860 のク
以前は 8 年生と 9 年生しか使えなかったパソコンが、今は 5 年
ジタル電話回線や携帯電話、無線などあらゆる方法で接続でき
るよう事前にテスト的プロジェクトが行われた。
サマルカンド市第 21 学校のサヨラ・メリコヴァ校長は、
「プ
生から授業で活用されている」と指摘する。今や高等教育では
パソコンが当たり前になっているため、ICT 学習は進学を考え
る生徒にとっても不可欠のものとなりつつある。
「プロジェクトによって、学生は幸先のよいスタートをきっ
ている」とメリコヴァ校長は述べている。
「パソコンの導入で
双方向的な学習ができるようになり、
生徒の学習スピードが
はるかに上がった」
IT 技術の習熟にはげむウズベキスタンの学生たち
―ロゴヴァ・ナデージャ・ヴィクトロヴナ氏(教師)
年次報告 2009
業務の効果
2009 年は投資や改革など融資 11 億ドル分が実
行された。電力プロジェクトにより送電線網の接続性が向上
し、交通プロジェクトでは道路 400km と、地方におけるアク
セスリンク 300 箇所が修復された。また、主要な送金プログ
ラムが貧困層の女性を支援しており、ある地方開発プロジェ
クトでは、電力が供給されて生産性の高い労働時間が増した
結果、生活水準が向上した。ADB が設立を支援したパキスタ
ン・コーポレート・ガバナンス研究所によって、市場効率が向
49
ウズベキスタンでは、
政府職員と ADB 間の交流活性化と
ADB のポートフォリオ・パフォーマンス
改善を受け、財源移転が 2008 年の
2 倍以上となった
上した。セーフガードに関する研修を通じて、ADB の政策の
順守に対する公務員の意識が向上した。
タジキスタン
トルクメニスタン
優先分野
優先分野
タジキスタンについては新しい国別支援戦略
(2010~2014 年 )が 2010 年 初 め に 採 択 さ れ る 予 定 で あ
交通回廊や鉄道の建設をはじめとする輸送に重点
が置かれている。ADB の駐在員事務所が首都アシガバートに
る。道路、エネルギー、投資環境の改革に重点が置かれてい
2010 年に開設予定されており、今後パートナーシップが拡大
る。援助の効率を高め、ドナー間の協調を向上させるため
するとみられる。
業務の効果
トルクメニスタンにおける融資業務はまだ行わ
れていない。
業務の効果
ADB プロジェクトにより、交通の接続性とエネ
ルギー安全保障が向上し、灌漑と洪水防止プロジェクトによ
ウズベキスタン
り農業の生産性が向上した。世界経済危機による影響を受け
た社会支出を維持するため、4,000 万ドルのプログラムが承
優先分野 運輸、エネルギー、衛生、灌漑復旧、水管理などに重
認された。これにより、政府は予算不足に対処することがで
点が置かれている。資金調達の向上も重要である。ADB は民
き、雇用の維持と創出に向けた公共投資に結びついた。ADB
間セクターでの開発の可能性や、地域間の接続性、エネルギー
はドゥシャンベ ~ キルギス国境道路修復プロジェクトを補完
安全保障および貿易の分野で支援した。水供給と衛生の分野
するグラント(無償援助)2,000 万ドルを供与した。これによ
ではマルチトランシェ 3 億ドルの融資ファシリティを供与し
り、中央アジア地域経済協力(CAREC)回廊内の幹線道路が改
たほか、環境的に持続可能な発電および地域交通回廊の準備
善されている。
に着手した。
業務の効果 1996 年以降、ADB は融資 30 件に計 13 億ドル
を拠出した。政府職員と ADB 間の交流が活性化したこと、お
よび ADB のポートフォリオ・パフォーマンス改善を受け、ウ
ズベキスタンに対する財源移転は 2008 年の 2 倍以上となっ
た。穀物生産性向上プロジェクトにより農耕機具が新たに導
入されたため、小麦の生産量がほぼ倍増し、農民の収入が増え
た。また ADB の支援により、安全な飲料水や衛生も提供され
た。小規模マイクロファイナンス開発プロジェクトでは、地方
村落における女性たちの家内工業や小企業事業の立ち上げを
支援した。教科書開発プロジェクトでは、教科書の貸出しとい
う画期的なプログラムが実施され、教科書を必要としていた
教育的効果:ADB の支援により、貧困層の女性にも教育機会がもたらされた
学生のほぼ全員に教科書が行き渡った。
中央・西アジア
に、ADB は他の開発援助機関 11 機関と合同で、国別支援戦略
(2010~2012 年)に調印した。
50
アジア開発銀行
東アジア
年次報告 2009
51
第8章
中国、モンゴル
中国とモンゴルに対する支援は 2009 年、世界金融危機の影響軽減に重
点が置かれた。中国向けの融資は、政府の大規模な財政刺激策を補完し、
2008 年の四川大地震後の復興支援などにあてられた。モンゴルでは、貧困
層を対象とした基本的社会サービスへのアクセス向上を目的とする社会プ
ログラム策定を支援した。ADB は、共同での税関管理、国境輸送整備、貿易
物流などの分野において、中国とモンゴルの協調を推進した。両国の中央ア
ジア諸国、大メコン河流域圏(GMS)地域との貿易・経済協力も促進された。
東アジア
東アジア
アジア開発銀行
52
概要
東アジアにおける ADB 業務は、ストラテジー 2020 に基づ
きつつ、中国とモンゴルにおける世界金融危機の影響への対
応に重点が置かれた。中国では、世界金融危機による経済への
影響を軽減すべく政府が講じた大規模な財政刺激策を ADB の
世界経済危機:ADB の対応
中国
• 輸送、自然資源管理、都市インフラ、環境改善、中小都市
融資が補完するものとなった。金融危機後の復興、輸送におけ
における雇用創出への投資を通じ、政府による一連の景
るエネルギー効率の向上、自然資源の保全、都市および地方の
気刺激策を支援
一体的な開発に向けた支援などに対し、主に融資された。モ
ンゴルでは、ADB は基本的な社会サービスに対する貧困層の
アクセスを向上させる社会プログラムの整備を支援した。ま
た ADB は、ノンソブリン融資やインフラにおける官民パート
ナーシップ推進に努め、中国では再生可能エネルギーに関す
るプロジェクトにおいて一定の進展が見られた。中国および
モンゴルでは、ADB は、金融サービスへのアクセスの向上、社
会サービスの支援、クリーン技術および代替エネルギーの推
進、近隣諸国間の貿易の推進、地域協力の推進に向けた技術協
力を行った。
• 貧困層および脆弱な家庭の金融サービスへのアクセス
を向上し、金融部門の法・規制・監督の枠組み強化のた
め、技術協力のリソースを提供
モンゴル
• 社会福祉改革の促進と社会的セーフティネット構築の
推進に向けて、国際協力機構(JICA)と共同で 1 億 1,000
万ドルを融資した。国際通貨基金(IMF)との 18 カ月に
及ぶスタンドバイ取決めが補完された
東アジア
中国における融資業務は、ソブリン融資が 12 件・計 18 億
• 貧困層向けの教育プロジェクトに対し、アジア開発基
ドル、ノンソブリン融資が 3 件・計 1 億 9,290 万ドルとなった
金(ADF)からグラント 1,700 万ドルを供与。貧困層お
(表 15)。モンゴルに対しては、アジア開発基金からグラント
よび社会的弱者を金融危機の影響から守るため、日本
2 件・計 3,390 万ドルの支援が行われ、うち 1,690 万ドルはア
ジア開発基金の融資と社会分野支援プログラム(4,310 万ド
ル、表 13・15)との関連だった。中国は気候変動、エネルギー
貧困削減基金(JFPR)の無償援助 4 件・計 1,000 万ドル
効率、水資源保全、下水関連の実証的なプロジェクトなど(表
13)に対し各種財源から無償援助 990 万ドルを受けた。モン
を供与
• 銀行部門のリスク管理制度に関する政策・制度整備の支
援として、技術協力 200 万ドルを供与
ゴルはエネルギー保全、初期教育と栄養、金融危機下における
人々の健康保護に照準を定めたプロジェクト 4 件に対し、貧
ハイライト
困削減日本基金(JFPR)から 1,030 万ドルを受けた。技術協力
• 2008 年に発生した四川省大地震によって壊滅的被害を
720 万ドルがモンゴル、および 840 万ドルが地域案件に充て
受けた、道路、橋、校舎を修復するために、四川・陝西の
両省に 4 億ドルが緊急に融資された
• 中国では、再生可能エネルギー、持続可能な交通、都市
開発、自然資源管理などのプロジェクトを通じて、ポー
トフォリオのグリーン化が進んだ
• ADB の民間セクター業務支援のため、第 2 回目のパンダ
債(1 億 4,650 万ドル相当、10 億元)が発行された
• モンゴルに対し、金融危機による社会へのマイナス影響
を軽減し、社会分野において優先度の高い改革を推進
するため、社会分野支援プログラムに融資と無償援助
6,000 万ドルが実施された
の総額は 4,020 万ドルにのぼり、うち 2,460 万ドルが中国、
られた。
知識管理も強化された。プロジェクト案の選別プロセスで
は、提案時点での審査制度が導入され、ピアレビューによって
一定水準の質を確保するとともに、知的生産物とサービスに
ついても、政府との国別プログラム協議を経て、政府と共同で
プログラムが策定された。会議やワークショップ 34 件、出版
物発表 8 件、国際会議 8 件の実施を通じて知識の共有が行わ
れ、知的生産物とサービス 32 件が実現した。
年次報告 2009
53
表 13 東アジア:2009 年に承認された無償援助プロジェクト(国別)
(単位:百万ドル)
国
その他の財源 a
合計
ADF
CCF
エネルギー効率化のための能力開発(追加)b
–
1.2
–
1.2
遼寧省小都市開発実証部門 b
–
–
0.3
0.3
陝西省泰嶺山脈・生物多様性保全と実施 b
–
–
4.3
4.3
白洋淀流域・生態系と水資源の包括的管理 b
–
–
2.9
2.9
河北省小都市開発実施部門 b
–
–
0.3
0.3
山西省総合農業開発 b
–
–
0.7
0.7
山西省小都市開発実施部門プロジェクト b
―上下水道サービスの担当庁・企業の支援
–
–
0.3
0.3
中国
モンゴル
慢性的栄養失調児童の削減
–
–
2.0
2.0
16.9
–
–
16.9
経済危機における貧困層の健康状態の保護
–
–
3.0
3.0
地方、遊牧民、移住者家庭の初期教育
–
–
2.9
2.9
地方の低所得層向けの電力サービスの改善に向けた実証プロジェクト
–
–
2.4
2.4
17.0
–
–
17.0
33.9
1.2
18.9
54.0
社会部門支援プログラム b
貧困層向け教育−金融危機対策 b
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、CCF= 気候変動基金。
東アジア
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 外部財源による公的協調融資であってその一部または全体を ADB が管理するもの。
b 融資プロジェクトの無償援助コンポーネント。
表 14 東アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2008~2009 年)
契約締結 / 約定
国
実行額
リスクのある融資
実施中の融資件数
2009 年
2008 年
2009 年
2008 年
(2009 年 12 月 31 日時点) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル)
2009 年
(%)
2008 年
(%)
中国
66
1,122.9
1,312.0
1,341.7
1,234.3
1.5
1.8
モンゴル
10
53.2
19.0
56.7
26.7
20.0
–
合計
76
1,176.1
1,331.0
1,398.4
1,261.0
3.9
1.5
– = 該当データなし。
ポートフォリオ管理
ADB は引き続き、結果重視型のポートフォリオ管理を行う
とともに、相手国政府の調達や承認プロセスにあわせてプロ
ジェクトの準備体制を改善し、ADB 側手続きを合理化するこ
とで、開発の実効性向上を進めた。ポートフォリオ管理に対す
る駐在員事務所の責任の高まりに伴い、同事務所を強化し、中
国向け融資の実行機能の委託を段階的に実施した。小額の融
資承認が増加し、プロジェクトの完了が遅れたことから、ポー
トフォリオは拡大したが、プロジェクトの管理運営における
目標は達成された。
ADB は政府の調達手続きや
承認プロセスにあわせて
プロジェクト立上げ
プロセスを改善し、
手続き合理化を進めた
アジア開発銀行
54
地域協力
地 域 協 力 プ ロ グ ラ ム で は、中 央 ア ジ ア 地 域 経 済 協 力
(CAREC)、メコン河流域圏(GMS)それぞれにおいて、貿易お
よび経済協力を推進した。うち CAREC では交通・貿易の円滑
化戦略の実施を支援し、税関業務の協力推進、交通回廊の成果
に対する測定・モニタリング、税関システムの一元化といった
も、税関の共同管理、交通開発の調整、電力取引に関する法制
度・政策枠組みの改善、物流の拡大、および国境地帯の市町に
おける都市インフラ開発などの面で、対象を絞ったプログラ
ムを実施した。
国別業務概況
分野で大きな進展があった。中国・モンゴルの 2 国間について
中国
税関業務の協力推進、
第 11 次 5 カ年計画(2006~2010 年)と ADB のストラテジー
交通回廊の成果に対する
2020 の優先項目に合致した内容となった。世界金融危機に
測定・モニタリング、税関システムの
優先分野
国別支援戦略(2008~2010 年)は、中国政府の
より、輸出・投資主導型の成長からサービス業を軸とする消費
主導型経済への転換の緊急性が浮き彫りとなった。気候変動
シングル・ウィンドウ化などで
問題に対処するとともに、環境に配慮した低炭素の成長戦略
大きな進展があった
が、新たな課題として浮上した。
を取り入れることで環境的に持続可能な開発を推進すること
東アジア
表 15 東アジア:2009 年中のソブリン融資およびノンソブリン融資の承認(国別)
(単位:百万ドル)
国
OCR
ADF
合計
ソブリン
中国
四川大地震復興緊急支援
400.0
–
400.0
新疆都市交通・環境改善
100.0
–
100.0
遼寧省小都市開発実証部門
100.0
–
100.0
40.0
–
40.0
貴陽省総合水資源管理(セクター)
150.0
–
150.0
河北省小都市開発実証部門
100.0
–
100.0
安徽省総合交通改善
200.0
–
200.0
蘭州持続可能な都市交通
150.0
–
150.0
陝西省泰嶺山脈・生物多様性保全と実施
鉄道エネルギー効率および安全性向上投資プログラム−トランシェ 1
300.0
–
300.0
山西省総合農業開発
100.0
–
100.0
広東省エネルギー効率および環境改善投資プログラム−トランシェ 2
山西省小都市開発実証部門
22.1
–
22.1
100.0
–
100.0
–
43.1
43.1
モンゴル
社会部門支援プログラム a
都市開発部門(追加)
小計
–
7.0
7.0
1,762.1
50.1
1,812.2
58.6
–
58.6
ノンソブリン
中国
小規模水力発電開発
張北風力発電
地方自治体、一般廃棄物のエネルギー転換
小計
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR= 通常資本財源。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 無償援助を伴う。
34.3
–
34.3
100.0
–
100.0
192.9
–
192.9
1,954.9
50.1
2,005.1
年次報告 2009
表 16 東アジア:2009 年末現在の国別累計融資額・
実行額
(単位:百万ドル)a
国
中国
モンゴル
合計
b
図 3 東アジア:国別融資額(2008~2009 年)
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
融資
実行額
22,959.1
14,905.8
726.7
638.1
23,685.8
15,543.9
1,954.9
1,750.1
中国
50.1
モンゴル
0
a ノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
b ADB の通常支援を卒業した香港、韓国、台湾を除く。
500
2008年
業務の効果
プロジェクトの大半は、開発が遅れていること
から、貧困と環境悪化が深刻化している中国中西部において
実施された。マルチトランシェ融資ファシリティによる鉄
道のエネルギー効率向上プログラムや、河北省のノンソブリ
ン風力発電プロジェクトを通じて、ポートフォリオのグリー
1,000
障壁を特定し、工程表を作成し、プロジェクト候補を特定する
ための、二酸化炭素の回収と貯留に関する調査も始まった。河
2,000
図 4 東アジア:国別実行額(2008~2009 年)
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
1,468.2
1,292.8
中国
58.7
34.7
モンゴル
0
500
2008年
1,000
1,500
2,000
2009年
北省、遼寧省、山西省の小都市に対しては環境的に持続可能で
バランスのとれた都市化を引き続き支援した。
ADB は財政部とともに、持続可能な都市開発を推進する
ためのワークショップを開催した。持続可能な都市化に関す
る ADB 初のイベントである「中国・ADB 知識共有プラット
フォーム」によって、中国と他の開発途上加盟国の間で都市開
発に関する意見交換が進んだ。
モンゴル
世界金融危機の影響に迅速に対応するため、ADB
は他の開発機関とも連携しながら、モンゴル政府による国別
業務の事業計画と短期的な危機対策策定を支援した。危機に
あたり、貧困層保護のための資金を拠出したほか、政府の危機
対応策についても、プログラム実施時期の調整や財源の調達、
全体スケジュール作成優先順位付けの方法について協議し、
これを支援した。
ADB と中国の
知識共有プラットフォームにより、
中国と他の開発途上加盟国の間で
都市開発に関する意見交換が促進した
ADB はモンゴルの貧しい学生を対象に教科書を提供する取り組みを
支援している
東アジア
的な新規プロジェクトに向けて準備作業が始められたほか、
1,500
2009年
ン化が達成された。天津総合ガス化複合発電プロジェクト
(250mw)、西部における太陽熱発電プロジェクトなど、画期
優先分野
55
56
アジア開発銀行
業務の効果 ADB は政府による健康保険制度改革、病院や地
貧困削減日本基金(JFPR)のプロジェクト 2 件を通じて、地
方医療施設に対する融資拡大、医療従事者の地方での業務を
方の貧困層に代替生計手段を提供することにより、コミュニ
奨励するインセンティブ設定を支援した。ADB はまた、家族
ティによる自然資源の管理を推進することを目指した。2008
診療所の法的地位の整備、医療セクターにおける官民パート
年、地方の貧困層による農産物加工産業の支援に無償援助
ナーシップ・イニシアチブの法規制基盤の強化を支援した。教
1,470 万ドルが振り向けられ、食品製造、マーケティング、輸
育面では、最も経済危機の影響を受けた子供たちが学業を続
出のバリューチェーン拡大という、民間セクターの画期的な
けられるよう、無償援助を通じて、政府の資金調達を短期的に
取り組みを支援した。
支援し、長期的には政策改革の継続を支援した。
メタン:ポリューションからソリューションへ
中国における ADB プロジェクトでは、晋城などにおい
ん回収してしまえば、メタンはすすが出ず、酸性雨も引き起こ
て炭鉱から抽出されたメタンガスを安全に回収すると
さないので、クリーンなエネルギー源として石炭や石油などの
同時に、クリーンな代替エネルギー源を消費者に提供し
低質燃料に代わり得る。
ている。
ADB からの融資 1 億 1,740 万ドルにより新技術が導入さ
れ、メタンの生産と利用が拡大した。晋城市で 2004 年に始
まった炭鉱メタン開発プロジェクトでは、炭鉱の縦坑から回収
東アジア
山西省晋城市にある東方玻璃製品有限公司の工場で、ガラ
ス職人はほっと一息ついている。炉に供給する燃料を石炭から
された石炭メタンが発電所(出力 120mw)に燃料を供給し、メ
タンガスとして市内の商工業、住宅に配給されている。
メタンガスに切り替えたことにより、工場内の空気がきれいに
メタンを燃料で走るタクシーを運転する Wei Jiusheng さん
なり、呼吸器疾患の発症率が大きく低下した。炉を改善したこ
にとって、この安価でクリーンな燃料は願ってもないものであ
とにより、1 日当たりの経費も 147.10 ドル(1,000 人民元)削
る。ガソリンで走っていたときは、費用がかさみ、家族を養う
減できるようになった。ガスが常に供給されるようになって炉
ことがやっとだった。自動車をメタンガス燃料車に変えたこと
の温度が安定し、気泡を閉じ込めることなくガラスを均一に溶
で、1 カ月の稼ぎは 440 ドル(3,000 人民元)となり、市内の他
かし、無駄が 20%削減されたからである。
のタクシー運転手の稼ぎを大きく上回っている。大気汚染を軽
工場に熱燃料を供給するメタンは、市の広大な石炭鉱床か
減し、メタンガスの利用を促進するため、その後すべてのタク
ら入手している。メタンは爆発性が高いため、安全確保のため
シーとバスに対しメタンガス燃料車への転換が市当局によっ
には、地下炭鉱から抽出しなければならない。しかし、いった
て義務付けられ、多くの個人乗用車もメタンガス燃料に切り替
えられた。
石炭メタンが広く普及したことにより、家計における貯蓄
も伸びている。1 家庭当たりの年間平均消費額は、石炭の 294
ドル(2,000 人民元)に比べて、ガスは 52 ドル(350 人民元)と
なっている。ガスの供給網が整備されたことで、家計が助けら
れただけでなく、女性にとっては炊事にかかる時間が短縮さ
れた。市政府は市全体にメタンガス供給網整備をさらに進め、
2011 年までに 6 万を超える世帯に、暖房・炊事用石炭メタン
を供給する計画である。
メタンはひとたび回収されれば、
すすが出ず、酸性雨を引き起こさない
ため、よりクリーンな
イーストグラスウェア社の工場では、メタンガスを利用することで、工場内
の空気がきれいになった
エネルギー源となる
年次報告 2009
57
教育は寒いところからやってくる
モンゴルの中等教育施設整備プロジェクトでは、学校の
り 150 の幼稚園施設に教育と発育の機材が提供され、約 3 万人
新設や老朽化した校舎学校施設の改修、教材の提供、教
の子供がその恩恵を受けることになったことから、父兄や教師
師の研修、教育関連政策の見直しなど多くの成果を上げ
からは、過去 20 年で最良の投資とさえ言われている。
ている。幼稚園の入園者数も急増している。
モンゴルでは、30~40 年前に建てられて以降、あまり維持
管理がされていない学校が少なくない。そこでプロジェクト
は、校舎修復として、エネルギー効率の高い暖房システムや
ウランバートルから 135 キロ離れたトゥブにある幼稚園に
トイレを提供するとともに、身体の不自由な生徒のためにス
は、遊牧民族の女の子達が駆け込んでくる。1 月の早朝なら外
ロープを設けるなどの支援を行った。その結果、2007 年まで
気がマイナス 30 度を下回るここでは、子供でも安全な家具や
に ADB が修復の資金援助を行った 136 校に、身体の不自由な
視聴覚機材、玩具を備えた幼稚園は、暖かく快適な場所を提供
学生計 5,994 人が入学した。プロジェクトでは、かねて必要
している。
性が指摘されていた教員研修も行い、貧しい家庭の子供たち
こうした冬の寒さは幼い子供にとっては特に厳しい。ADB
に教科書を無料で配布した。2005~2006 年にこの恩恵を受
が融資する中等教育施設整備プロジェクトでは学校 6 校が新
けた子供の数は、小学生が 72,653 人、中学生が 124,251 人と
設され、子供たちを暖かく迎え入れているほか、幼稚園の入園
なった。
同 プ ロ ジ ェ ク ト は 政 策 面 で も 教 育 を 支 援、2005 年 に 10
年 だ っ た 義 務 教 育 を 2009 年 に 12 年 に 延 長 し、政 府 に よ る
をももたらした。モンゴルでは 1990 年代、旧ソ連が教育制度
への財政支援を中止したため、ADB は困難に直面している教
2006~2015 年教育マスタープランも支援した。2005 年には
ADB と他の開発機関にとって活動の指針となる「教育援助機関
育制度の構築を支援している。
協議メカニズム」が開発され、教育以外のセクターからも、ド
同プロジェクトは、特に農村部や都市の貧困層を対象に、質
の高い初・中等教育へのアクセス拡大を目的として 2002 年に
承認された。
2009 年も、新たに建設された校舎が、幼稚園と小学校との
シフト制で運営され、3,179 人が入学した。プロジェクトによ
ナー調整のモデル例として注目されている。
こうしたプロジェクト経費は総額 6,850 万ドルにのぼった
が、うち ADB は 1,400 万ドルを負担、そのほか日本が 4,500 万
ドル、ノルウェー開発基金が 480 万ドル、モンゴル政府が 470
万ドルを分担した。
旧ソ連による財政支援が中断されたモンゴルの教育におい
て、ADB の支援がその再生に向けた大きな進展の一翼を担っ
たということができる。1995 年に 81%に落ち込んだ小・中学
校の入学率は、2006 年には 95%に回復した。
こうした成功の要因となったのは、関係機関のパートナー
シップと、質の高い教育を実現するために必要な改革を行うと
いう強い意思が存在したことだろう。
モンゴルでは 30~40 年前に
建てられて以来、維持管理がなされて
いない学校が少なくない。
ADB プロジェクトは、
エネルギー効率の高い暖房システムや
トイレを学校に提供するとともに、
身体の不自由な生徒のために
第 2 次教育施設整備プロジェクトのおかげで学校システムの再生が
進んでいる
スロープを設けるなどの支援を行った
東アジア
率が 2002~2003 年の 45 %から 2007~2008 年には約 57 %
に上昇するなど、幼稚園と初等教育に対しても目に見える効果
58
アジア開発銀行
太平洋
年次報告 2009
59
第9章
クック諸島、フィジー諸島、キリバス、マーシャル諸島、
ミクロネシア連邦、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、
サモア、ソロモン諸島、東ティモール、トンガ、ツバル、バヌアツ
太平洋地域における開発途上加盟国 14 カ国に対する ADB の支援規模は、気候変
動対応など、地域固有の課題に対処するため拡大した。これにより、経済・社会イ
ンフラの向上、ガバナンスの強化、民間セクターの成長が促進された。、地域協力
の継続強化、サービスの地域提供、政策面での改善の指針として、太平洋支援戦略
(2010~2014 年)が策定された。
太平洋
太平洋
アジア開発銀行
60
概要
太平洋地域における開発途上加盟国 14 カ国に対し ADB で
は、経済・社会インフラを整備することにより生活水準を引き
上げるとともに、経済力を高め、ガバナンスを強化し、民間セ
クターの成長を推進することを支援している。
ADB は、地域固有の課題に継続対処するなかで新しい手法
も取り入れている。各国からの需要の高まりを受け、融資・非
融資ともに業務が拡大した。2009 年には、太平洋における
ADB の今後の開発業務の有効性を高めることを目的として、
太平洋支援戦略(2010~2014 年)が策定された。
ADB ではハイレベルの協議を頻繁に行うことにより、他の
世界経済危機:ADB の対応
(太 平 洋 経 済 モ ニ
• 季 刊「Pacific Economic Monitor」
ター)をはじめとする経済モニタリングの向上
• 分析報告書「Taking the Helm: A Policy Brief on a
(世界経
Response to the Global Economic Crisis」
済危機に対する政策ブリーフ)を発表
• クック諸島、トンガに対し経済復興支援プログラムを
承認
開発機関との協力を強め、世界経済危機対策の基盤を支え、気
候変動への取り組みを強化しており、米国政府との連携も強
化された。
資案件 5 件、グラント(無償援助)案件 4 件、技術協力案件 2 件
ポートフォリオ管理
タリングや、域内各国と開発援助機関との関係強化、政策対話
ソブリン融資の目標達成率は、契約締結額が 38.7%(4,820
万ドル)、実行額が 84.2%(3,040 万ドル)となった(表 18)。
アジア開発基金(ADF)については、契約締結額が 79.3 %
太平洋
(1,570 万ドル)、実行額が 90.5 %(1,410 万ドル)であった。
が 2009 年に現地駐在員事務所に移管され、より効果的なモニ
への関与改善につながっている。
地域協力
太平洋支援戦略(2010~2014 年)には、地域協力の強化、
太平洋局の契約締結額については、過去 10 年で最高となっ
サービスの提供、政策の改善などへの支援が盛り込まれて
た。技術協力プロジェクトでは、過去 3 年間の平均実施件数は
いる。
82 件となっている。技術協力の減額は 230 万ドルだった。融
脆弱性を抱えた国への関与を高めるため、太平洋地域向け
技術協力プロジェクトが承認された。
「太平洋インフラストラ
クチャー・ファシリティ」の下でインフラストラクチャー・ア
ハイライト
• 新太平洋支援戦略(2010~2014 年)で開発効果の向上
を目指す
• パラオ、ソロモン諸島、バヌアツについて新しい国別支
援戦略が策定され、パプアニューギニアについては国別
ドバイザリー・センターが設立され、太平洋諸国に対し持続可
能なインフラとサービスの開発を支援する。東ティモールの
国境道路とパプアニューギニアの越境インフラに対し、アジ
ア開発基金(ADF)による投資案件が承認された。オーストラ
リアとの共同出資による民間セクター開発イニシアチブによ
り、引き続き事業環境が改善されるとともに、民間セクターの
投資が刺激され、2009 年に第 2 フェーズが承認された。
戦略およびプログラム(2006~2010 年)の中期評価が
実施された
• 融資・非融資業務が大幅に拡大。融資 2 億 3,170 万ド
ル、アジア開発基金(ADF)の無償援助 7,100 万ドル、技
術協力プロジェクト 3,900 万ドル(共同出資を含む)
• フィジー諸島、サモア、ソロモン諸島における自然災害
に対する緊急対応
• 太平洋地域向けの気候変動実施計画により、気候変動投
資と 2015 年までの行動計画の立案・実施の枠組みを加
盟国に提示
ハイレベルの協議を
頻繁に行うことにより、
開発パートナー間の協力を強化し、
世界経済危機に対する
地域の取り組みの基盤が
形成されつつある
年次報告 2009
61
表 17 太平洋地域:2009 年中のグラント(無償援助)プロジェクト承認(国別)
(単位:百万ドル)
国
ADF
APDRF
その他の財源 a
合計
パプアニューギニア
道路網改善による沿道コミュニティの社会経済的便益の供与
–
–
2.0
2.0
–
1.0
–
1.0
道路改良(セクター)
(追加)
–
–
0.2
0.2
道路改良(セクター)
(追加)
–
–
1.9
1.9
緊急支援(追加)
–
–
4.0
4.0
15.0
–
7.8
22.8
サモア
地震・津波災害対策
ソロモン諸島
第 2 次道路改良(セクター)
東ティモール
道路網開発セクター
道路と未来:地域ガバナンスとコミュニティ型インフラ工事支援 b
46.0
–
–
46.0
–
–
3.0
3.0
10.0
–
–
10.0
71.0
1.0
19.0
91.0
トンガ
経済支援プログラム
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、APDRF = アジア太平洋災害対応基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 外部財源による公的協調融資であってその一部または全体を ADB が管理するもの。
b 融資プロジェクトの無償援助コンポーネント。
太平洋
表 18 太平洋地域:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2008~2009 年)
契約締結 / 約定
国
実行額
リスクのある融資
実施中の融資件数
2009 年
2008 年
2009 年
2008 年
(2009 年 12 月 31 日時点) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル)
クック諸島
2009 年
2008 年
(%)
(%)
地域全体
4
4
–
–
2
13
4
–
2
1
1.6
17.0
–
–
0.8
23.6
5.1
–
0.1
0.05
–
6.2
0.1
–
1.6
16.1
9.6
0.02
0.04
0.7
(0.3)
5.3
–
–
0.8
17.4
6.3
–
0.4
0.5
1.3
9.7
–
–
3.6
19.9
2.6
0.1
0.6
0.6
25.0
25.0
–
–
–
–
–
–
–
–
–
50.0
–
–
–
–
–
–
–
–
合計
30
48.2
34.2
30.4
38.4
6.7
3.7
フィジー諸島
キリバス
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
パプアニューギニア
サモア
ソロモン諸島
ツバル
( )= 負数。
– = 該当データなし、
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
国別ハイライト
太平洋支援戦略(2010~2014 年)には、
クック諸島
地域における協力強化、
優先分野
サービスの提供、策の改善支援が
インフラ、公的財産管理に重点が置かれた。世界経済危機の影
もりこまれている
候変動および民間セクター開発への重点を高めた。
国別支援業務計画(2010~2012 年)では引き続き
響を配慮した予算支援プログラムも組み込まれた。ADB は気
アジア開発銀行
62
表 19 太平洋地域:2009 年中のソブリン・
ノンソブリン融資国別承認額
表 20 太平洋地域:2009 年末現在の国別累計融資額・
実行額
(単位:百万ドル)
国
(単位:百万ドル)a, b
OCR
ADF
合計
ソブリン
融資額
クック諸島
クック諸島
経済復興支援プログラム
10.0
–
10.0
第 3 次道路改良(セクター)
(追加)
36.1
–
36.1
緊急洪水復興(セクター)
17.6
–
17.6
23.0
–
23.0
スバ∼ナウソリ上下水道整備
プロジェクト(追加)
パプアニューギニア
民間航空開発投資プログラム
−トランシェ 1 a
国境貿易・投資開発パイロット
プロジェクト
小計
70.0
95.0
–
25.0
25.0
111.7
95.0
206.7
ノンソブリン
27.6
197.8
キリバス
15.1
13.7
マーシャル諸島
78.1
64.2
ミクロネシア連邦
75.1
47.1
5.0
2.3
ナウル
パラオ
サモア
ソロモン諸島
東ティモール
トンガ
ツバル
パプアニューギニア
デジセル社携帯通信拡張
25.0
–
25.0
小計
25.0
–
25.0
合計
55.0
パプアニューギニア
25.0
136.7
95.0
231.7
太平洋
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a ADB による融資 2 件からなる。
インフラ・マスタープランおよびインフラ開発
実行額
326.6
フィジー諸島
フィジー諸島
業務の効果
国
–
–
1,272.0
746.0
159.4
114.6
79.3
65.8
–
–
57.8
52.3
7.8
7.6
バヌアツ
51.3
49.0
地域全体
1.5
176.9
2,184.0
1,564.9
合計
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは可能な限り各国に配分されている。
b 地域固有のノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
業務の効果
スバ∼ナウソリ上下水道整備プロジェクトによ
プロジェクトに対する技術協力により、開発機関間の連携が
り、引き続き給水および衛生サービスの改善が見られた。目覚
向上し、インフラ・セクターに対する支援を促進するととも
しい成果として、大型原水供給本管(10km)の試運転、浄水貯
に、インフラの管理・整備と省庁改革に対する政府の取り組み
水槽(容量 400 万ℓ)の完成、汚水ポンプ場(5 箇所)の改修、
を後押しした。
人口密集住宅地における下水道建設(約 5 km)が挙げられる。
フィジー諸島
キリバス
優先分野 ADB の業務は 2007 年に採択された「Approach
(再関与へのアプローチ)に基づき、給水、
to Reengagement」
う課題を克服し、経済・財政計画の立案・運営に重点を置きな
衛生、道路整備といった業務を引き続き支援した。
優先分野 ADB は、キリバスが貴重な資源と地理的孤立とい
がら、経済成長目標に向けて進展できるよう引き続き支援し
た。経済運営と国有企業の改革を支援するための技術協力が承
認された。
ADB はキリバスが限られた資源と
業務の効果
クリスマス島における土地・人口総合開発プロ
地理的孤立を克服し、
グラムでは、宅地と工業用地の区画と開発に向けた計画を検
経済・財政計画の立案・運営に
討しており、政府による土地分配の改善を引き続き支援した。
重点を置きながら、経済成長目標に
向けた取り組みを推進するよう
引き続き支援した
年次報告 2009
図 5 太平洋地域:国別融資額(2008~2009 年)
(ソブリン・ノンソブリン合計)
図 6 太平洋地域:国別実行額(2008~2009 年)
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
(単位:百万ドル)
クック諸島
10.0
15.5
1.3
5.3
フィジー諸島
76.7
キリバス
キリバス
マーシャル諸島
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
ミクロネシア連邦
ナウル
ナウル
パラオ
9.7
0.8
3.6
パラオ
パプアニューギニア
サモア
(0.3)
クック諸島
フィジー諸島
63
145.0
100.0
パプアニューギニア
2.8
ソロモン諸島
東ティモール
東ティモール
トンガ
トンガ
ツバル
ツバル
バヌアツ
バヌアツ
0
50
100
150
200
2.6
0.1
0.4
0.6
(10)
2009年
0
2008年
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
優先分野
優先分野
政府は 2009 年 3 月に ADB に対する融資返済滞納
10
20
30
40
2009年
社会および民間セクターの開発など、経済運営と
金を清算し、その後の返済も維持している。承認された国別支
アカウンタビリティに引き続き重点が置かれた。ADB はハイ
援業務計画(2009~2011 年)では、公共セクターの改革イニ
レベル対話やプロジェクト実施期間中の緊密な連携を通じ
シアチブを支援し、気候・環境適応計画を策定し、政府の財務
て、米国とのパートナーシップを強化した。
管理を改善するための技術協力および政策助言に重点を置い
ている。
業務の効果
オムニバス・インフラストラクチャー・プロ
ジェクトにより、水供給、衛生、電力インフラの回復を支援
業務の効果
技術協力プログラムは引き続き、公共セクター
のパフォーマンスを改善し、民間セクターの活動に対する環
した。技術協力プログラムは引き続き政府の財務・予算・パ
フォーマンス管理能力強化に向けられた。
境の整備を支援している。ADB は官民セクターの改革、漁業
開発、エネルギー改革、気候変動に関する全国会議の開催を支
ナウル
援し、戦略文書や行動計画の採択を主導した。
優先分野 2008 年 5 月に関与を再開した後、ADB は新しい持
続的開発の国家戦略と歩調を揃えて活動を強化した。
技術協力プログラムは引き続き、
公共セクターのパフォーマンスを改善し、
民間セクターの活動に対する
環境整備を支援している
業務の効果 ADB 業務は、インフラおよび公共セクター運営
の改善に重点が置かれた。
太平洋
2008年
6.3
サモア
ソロモン諸島
35.4
19.9
64
アジア開発銀行
パラオ
業務の効果
実施中の ADB 支援により、山岳地における幹線
道路網および国道の安全性が改善した。また、民間セクターの
優先分野 ADB とパラオ政府は国別支援戦略を策定し、今後
参与と開発への支援を強化するため、官民パートナーシップ
5 年間の協力関係に対する指針が示された。両者は今後、公共
政策の全国的な実施と、HIV/ エイズの予防を含む地方におけ
セクターの有効性の改善、民間セクターの開発の推進、気候変
る保健医療サービスの提供を支援した。医療消耗品の供給・流
動の脅威の管理に取り組んでいく。
通の改善に向けても、民間セクターが活用された。ADB 支援
のプロジェクトにより、財務会計能力とアウトリーチプログ
業務の効果
技術協力は、開発戦略の省庁の予算計画への組
み込み、現行の保健医療サービスを補完する健康保険プログ
ラムが設立されたほか、Nationwide Microbank 社への支援
も継続された結果、同行の支店数は 12 店舗に増加した。
ラムの策定のほか、民間セクターと消費者に対する融資制度
改善に向けた新たな商法の立案を支援した。
パプアニューギニア
優先分野 ADB の国別戦略プログラム(2006~2010 年)の
中間レビューにより、4 つの戦略的優先分野、すなわち公的財
政運営、民間セクター開発、インフラ整備、保健と HIV/ エイズ
について、論理的根拠と妥当性が確認された。
2009 年、同国では ADB 初となる民間セクター案件が承認
され、実行された。全国携帯電話通信網の拡張と改善に合計
1,800 万ドルの融資が実行された結果、特に低所得層におけ
太平洋
る安価な通信サービスへの契約数が増加したほか、遠隔地や
地方において携帯電話サービスへのアクセシビリティと質が
向上した。
2009 年、パプアニューギニアでは
ADB 初となる民間セクター案件が
承認・実行された
太平洋地域における ADB の支援により、パプアニューギニアをはじめ、医療従事者を対象とした研修が推進された
年次報告 2009
65
サモア
業務の効果
アジア太平洋災害対応基金(APDRF)による無償
国別支援戦略(2008~2012 年)では、インフラに
援助 100 万ドルによって、津波被災者に対する政府の医療、避
対する障害の除去、公共サービスへのアクセスおよび実施の
難所、食糧の提供が支援された。電力セクター拡大プロジェク
改善、民間セクター開発の推進という 3 点を柱に、貧困の削減
トによって、一般家庭へのプリペイド型電力計の設置が促進
に重点が置かれている。
された。
優先分野
珊瑚礁の回復
パプアニューギニアの海沿いの村では、ADB が融資す
わかっていないんだ」
る漁業管理プロジェクトが導入したコミュニティ型ア
ナマコやタカセガイ(貝ボタンの材料)、サンゴ礁の魚たち
プローチにより、これまでの破壊的な漁獲慣行に対して
がすっかり姿を消してしまったのは、沿岸部人口の増加と、乱
潮目が変わり始めた。
獲による破壊的な漁業慣行という 2 つのマイナス要因がもた
らしたものだった。
一方、それとは対照的に、西岸のパナカイス村では禁漁区
―この日だけは特別なお祭りのために禁止令が解かれていた
瀬を歩き回っても、小さな貝やホシムシをみつけるのが難しく
なっていた。狭いこの島では、中央に位置する丘陵地帯を越え
が―が設けられている。村ではさらに地元 NGO である Ailan
Awareness の助けを借りて自主的な管理計画を策定し、毒性
て 2 時間も移動すれば島の反対側に到達する。ヤシの木が茂る
の強いデリス根粉末やダイナマイトを使った漁法、夜間につい
海岸では、漁師たちが楽しそうに広げる網の中で、ボラがきら
ても、幼魚までかかってしまうような目の細かい網や懐中電灯
きらと跳ね回っていた。
を用いた漁業を放棄した。
2 つの水辺のこの対照的な光景が示唆しているのは、パプア
パナカイス村で漁業管理委員長を務めるフランシス・ボラ
ニューギニアの沿岸資源が減少していることと、この状況を改
フ氏は、
「小さな魚を獲ることがなぜいけないのか、腹に卵を抱
善しようと現地コミュニティが取り組んでいることである。
えた魚をなぜ放してやるべきかを科学的に説明してもらった」
カビエン港に近い海辺の町では、
「このあたりは、消費地に
近く、交通が便利で、珊瑚礁に対する規制や管理もなかったの
で、魚の乱獲がひどかった」という不満の声が聞かれていた。
「よそからここに来る人たちは、漁獲量を守る重要性など何も
と語る。
海洋資源保護に向けたこうした地域による漁獲量管理の
取り組みは、ADB の長期低利融資 570 万ドルを受けた沿岸漁
業管理開発プロジェクトを通じて生まれた。プロジェクトが
2007 年に終了するまでにこうしたアプローチを取り入れた村
はニューアイルランド島で 7 つ、モロン地方では 17 に上り、さ
らに 37 の村が参加することとなっている。
ADB のポートモレスビー駐在員事務所で所長代行を務める
アレン・リー氏は、
「ADB のプロジェクトの目的は、こうした考
え方を持ち込んで実際にやってみることだった。その目的が果
たされて満足しているが、いずれは島全体に広がってほしい」
と述べている。
長期的な利益を手にするためには短期的な犠牲を払うとい
う英断を下す村が増えれば、かつて豊かだったパプアニューギ
ニアの珊瑚礁にとって、事態が改善する可能性は高いだろう。
「なぜ小さな魚を獲ってはいけないのか、
卵を抱えた魚を放すべきかが科学的に
説明された」
パプアニューギニア・パナカイス村などでは新しい漁法が広がりつつある
―フランシス・ボラフ氏
(パナカイス村漁業管理委員会委員長)
太平洋
パプアニューギニア・ニューアイルランド島では、浜辺の浅
66
アジア開発銀行
ソロモン諸島
業務の効果
緊急支援プログラムに従った復興業務( 2007
年に発生したソロモン諸島地震津波被害への対策)におい
新たな暫定国別支援戦略では、引き続き輸送イン
て進展が見られ、ギゾ島の市街地道路が再開された。ADB
フラ、サービスの改善および民間セクターの開発に重点が置
は引き続き政府に対し、会社法の実施と法人登記制度の制
かれた。
定を支援した。
優先分野
一つの道を歩みはじめて
ADB は、紛争などによって接続性が寸断したり弱体化
洋地域連絡事務所のリシ・アダーは、
「これまで 30 年以上道路
した国に対し、復興支援を行っている。ソロモン諸島に
プロジェクトに従事してきたが、これほどひどい状況は見たこ
おいても、道路や橋梁の再建プロジェクトにより市場や
とがなかった」と話す。
病院にライフラインが提供された。
ソロモン諸島の復興にあたっては、オーストラリア国際開
発庁(AusAID)が地域支援ミッションに追加融資を行ったほ
か、ニュージーランド国際開発機構(NZAID)も復興プロジェ
ソロモン諸島、西ガダルカナルのヴィサレに住むメアリー ・
クトの拡大を推進し、復興に向けた取り組みが重複しないよう
ピュークさんは、週に数回、マンゴーを売るために首都ホニア
配慮もしている。NZAID のマネジャー、ガイ・レディング氏は
ラまでやって来る。往復 80km の道のりは、10 年以上前の紛争
「それぞれが異なるアイディアを持ち寄れば、その中から優れ
によって損傷を受けていたため、移動に約 6 時間かかっていた
が、ADB の紛争緊急復興プロジェクトによって路面と橋梁が
太平洋
修復され、今は 2 時間ですむようになった。
ソロモン諸島では 1999 年から 2000 年にかけて民族紛争が
激化し、ガダルカナル島やマライタ島では橋が爆破されたり、
た成果が得られる」と説明する。
重要な交通のポイントであるタナヴァサ橋は紛争中に爆破
されたが、その後修復され、かつて戦火を交えていた村同士が
信頼と協力で結ばれているという現実を象徴する「平和の橋」
となっている。
島の中心地と地方と結んでいた幹線道路は、大きな損傷を受け
地域海洋安全保障構想(RAMSI)の開発コーディネーターを
た。2000 年 10 月、双方の州が平和協定を締結すると紛争は終
務めるポール・ケリー氏は「プロジェクトは成功例として広く
結したが、あとに残ったのは市場や診療所、学校、農業サービ
知られており、環境には依然弱さが残るものの、当初の目的を
スへのアクセスを失った集落だった。
達成した」と語っている。
「プロジェクトはソロモン諸島の経済
2002 年に始まった修復プロジェクトに携わった ADB 太平
発展にも貢献した。特に地方部では、改修された道路と橋梁の
ネットワークが機能するようになって村々の交流が生まれ、市
場や病院へのライフラインもできた」
次の大きなプロジェクトであるソロモン諸島道路改修プロ
ジェクトは、ADB の紛争後緊急復興プロジェクトを土台とし
て、その成果をより広く普及させるものである。インフラ省に
対する政策助言や能力育成などを行うほか、青少年や学校中退
者、女性グループなどにも道路のメンテナンス作業に加わって
もらい、商業や平和の動脈ともいうべきこれらの道路が少しで
もより長く利用されることを目指している。
「平和の橋」などの重要な交通網が
修復され、村と村が信頼と協力で
結ばれている現実をあらわす
紛争によって分断された村同士が、プロジェクトによって再びつながった
象徴となった
年次報告 2009
東ティモール
67
バヌアツ
優先分野 ADB の業務は、インフラ、行政、東ティモール・マ
優先分野
イクロファイナンス機構(IMFTL)の継続支援などに重点が置
開発およびエネルギーに重点が置かれた。規制環境の改善、金
国別支援戦略(2010~2014 年)では、輸送、都市
かれている。地域技術協力も承認され、インドネシアと東ティ
融へのアクセス改善、国有企業改革を通じて、民間セクターの
モールの国境を越えた連携が強化された。
強化が図られた。
業務の効果
アジア開発基金(ADF)の融資 1,000 万ドルを受
業務の効果 ADB は、金融サービス委員会の制度的枠組みの
けた道路セクター改善プロジェクトにより、老朽化した国道
強化、会社法および破産法の改革、企業登記の近代化、取引の
の修復(約 123km)や、労働集約的な工法による国道のメンテ
ための枠組みの創設などにより、金融サービスへのアクセス
ナンス(47km)、支線道路の整備に対する沿道コミュニティの
を引き続き改善した。
参加が進んだ。
トンガ
優先分野
トンガでは、世界銀行と合同のフィールド・プレゼ
ンスにより、国レベルの交流が推進された。予算支援プログラ
ムに対する無償援助により、世界経済危機の影響が軽減され
るとみられる。
業務の効果 ADB は国有企業(SOE)改革を支援した。改革の
太平洋
成果を比較調査した「Finding the Balance」
(均衡を図る)に
よれば、トンガは国有企業改革においてフィジー諸島やサモ
アより優位にあると評された。
ツバル
優先分野
ADB の国別支援業務計画(2010~2012 年)では、
公共支出および財務運営に重点が置かれた。
業務の効果
ADB は、ツバル海運研修所の改善を引き続き行
い、受講者数の倍増を目指した。無償援助プログラムを通じ
て、税制の大幅な改正をはじめ、財政支出管理の改善を支援
した。
ADB の業務は、東ティモールでは
インフラ、行政、マイクロファイナンスに、
トンガでは予算策定の支援に、
ツバルでは財政支出管理の改善、
バヌアツでは民間セクターの強化に
重点が置かれた
フィジー・スバにあるこの港は、かつて重い貨物の積み下ろしには不向きとみら
れていたが、改良工事が進んだ現在、フィジー諸島最大の港として機能している
68
アジア開発銀行
南アジア
年次報告 2009
69
第 10 章
南アジア
ADB は効果的な支援を行うため主なドナー機関とのパートナーシップを強化する
とともに、世界金融危機の影響を軽減する支援を行った。地域協力・統合の取り組
みを推進し、ポートフォリオ管理に対し、リスク型アプローチを強化した。国別支
援戦略においては、気候変動が柱の一つとなった。
南アジア
バングラデシュ、ブータン、インド、モルジブ、ネパール、スリランカ
70
アジア開発銀行
概要
2009 年は 28 億ドルに増加し、契約締結・約定額は 2008 年の
24 億ドルから 32 億ドルに達した(表 22)。
南アジアにおける ADB の活動実績は引き続き好調だった。
ADB は国別戦略の策定にあたり、パートナーシップを通じて
ドナーとの調和を推進し、支援効果を高めた。
ADB は気候変動を国別支援戦略の柱の一つと位置づけ、世
界経済危機に対しても多大な支援を行った。
ポートフォリオ管理
ADB はポートフォリオ管理において、リスクに基づくアプ
ローチを強化した。同アプローチは、複雑だったり問題のある
プロジェクトやセクターをより重視するもので、具体的には、
プロジェクト実施機関に対する能力開発支援、評価を厳格化
することなどによりプロジェクトの初期段階からの質的向上
と準備の改善、プロジェクト・サイクルの各段階において計画
とのずれがないかをより詳細にモニタリングすることなどが
ハイライト
• ネパールの国別支援戦略の柱の一つに気候変動が組み
込まれた
• 世界経済危機に対処するために、大規模な金融支援を実
施した
• 国別ポートフォリオ評価を行うだけでなく、国別支援戦
略の策定にあたり、主要ドナーとのパートナーシップを
通じてドナー間の調和と支援の効果向上につとめた
• ポートフォリオ管理において、リスクに基づくアプロー
チを強化した
含まれる。その結果、融資実行額は 2008 年の 24 億ドルから
世界経済危機:ADB の対応
バングラデシュ
南アジア
• 政府による景気刺激策を支援したほか、景気循環相殺政
策支援ファシリティを通じて、社会セーフティネットを
改善した
• サービス提供を改善し、社会セーフティネット・プログ
ラムの効率を高め、官民パートナーシップを推進し、公
共支出支援ファシリティを通じて国庫資金管理を強化
した
モルジブ
• 景気回復プログラムを通じて譲許的融資を提供するこ
とで、マクロ経済の悪化を阻止する改革施策を支援し、
持続的成長への回帰を促した
• 技術協力による無償援助を通じて、マクロ経済政策の立
案と開発効果の改善を支援した
ネパール
• ADB の経済危機対策として、アジア開発基金(ADF)の
資金を追加的に供与し、生産性の高いセクターへ集中的
に投資することにより、海外送金と観光収入の落ち込み
ADB は都市部(バングラデシュ・ダッカ)における基礎医療などの社会福祉支出
の維持に貢献している
を補った
年次報告 2009
71
表 21 南アジア:2009 年に承認された無償援助プロジェクト(国別)
(単位:百万ドル)
国
ADF
CCF
その他の財源 a
合計
バングラデシュ
包括的保険セクターの開発
第 2 次初等教育開発プログラム(追加)b
緊急災害被害の復興(追加)b
識字能力向上後の学業継続(追加)b
–
–
–
–
–
–
–
–
2.0
30.0
24.0
2.5
2.0
30.0
24.0
2.5
38.8
–
–
38.8
–
–
2.0
2.0
25.6
–
45.1
70.0
–
12.8
10.0
–
–
–
–
–
–
–
–
–
0.3
–
–
0.8
–
–
2.0
–
–
4.2
1.8
25.6
0.8
45.1
70.0
2.0
12.8
10.0
4.5
1.8
–
–
–
4.2
–
–
–
3.0
7.3
4.2
3.0
7.3
202.2
4.5
79.5
286.2
ブータン
道路網Ⅱ
インド
貧困層における水利用の能力育成・生活改善
ネパール
緊急洪水被害の復興
女性と子供サービスセンターの設立
第 2 次小都市水供給・衛生セクター
教育セクタープログラム‐サブプログラムⅢ
貧困層における法的身分の推進に向けた能力開発
南アジア観光インフラ開発 b
航空輸送能力強化 b
エネルギーのアクセスと効率改善 b
チャッキ製粉所における小麦粉の栄養強化
スリランカ
クリーンエネルギー・アクセス向上 b
生計支援男女平等のための接続性の向上
北東集落復興開発プログラムⅡ(追加)b
合計
南アジア
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、CCF = 気候変動基金。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 外部財源による公的協調融資であってその一部または全体を ADB が管理するもの。
b 融資プロジェクトの無償援助コンポーネント。
表 22 南アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2008~2009 年)
(単位:百万ドル)
契約締結 / 約定
国
バングラデシュ
ブータン
インド
モルジブ
ネパール
スリランカ
合計
実行額
リスクのある融資
実施中の融資件数
2009 年
2008 年
2009 年
2008 年
(2009 年 12 月 31 日時点) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル)
2009 年
2008 年
(%)
(%)
59
6
53
9
17
40
1,209.4
75.6
1,657.1
6.9
94.0
157.4
506.2
18.8
1,154.0
4.5
64.5
611.0
1,068.0
31.0
1,339.8
5.3
73.5
245.6
615.6
4.3
1,507.7
2.7
60.9
249.5
–
16.7
5.7
55.6
5.9
15.0
2.0
–
9.1
50.0
5.0
4.9
184
3,200.5
2,358.9
2,763.2
2,440.7
8.7
7.1
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
ADB は南アジア地域内外に
おける繁栄の共有に向けた
新たなビジョンを模索するため、
第 1 回ハイレベルフォーラムを開催した
アジア開発銀行
72
表 23 南アジア:2009 年中のソブリン融資およびノンソブリン融資の承認(国別)
(単位:百万ドル)
国
OCR
ADF
合計
ソブリン
バングラデシュ
住民参加型の小規模水資源セクター
–
55.0
55.0
中小企業開発
–
76.0
76.0
−プログラム融資
–
70.0
70.0
−プロジェクト融資
–
60.0
60.0
600.0
144.9
744.9
南アジア観光インフラ開発(バングラデシュ、インド、ネパール)
–
12.0
12.0
パドマ川多目的橋設計(追加)
–
10.0
10.0
30.6
–
30.6
150.0
–
150.0
都市公共環境健康セクター開発プログラム
公共支出支援ファシリティプログラムおよび景気循環相殺政策支援ファシリティプログラム a, b
インド
ウッタラカンド州電力セクター投資プログラム−トランシェ 3
ラジャスタン州都市部開発投資プログラム−トランシェ 2
インド・インフラトランシェ融資ファシリティ−トランシェ 2
200.0
–
200.0
全国電力網開発投資プログラム−トランシェ 2
200.0
–
200.0
マディヤプラデシュ州電力セクター投資プログラム−トランシェ 5
166.0
–
166.0
全国国道回廊(セクター)Ⅰ−(追加)
100.0
–
100.0
北東地域州都開発投資プログラム−トランシェ 1
地方道路セクターⅡ投資プログラム−トランシェ 4
ミゾラム州公的財源管理プログラム
ミゾラム州公的財源管理プログラム開発
南アジア観光インフラ開発(バングラデシュ、インド、ネパール)
南アジア
第 2 次インドインフラトランシェ融資ファシリティ−トランシェ 1
アッサム州電力セクター強化投資プログラム−トランシェ 1
30.0
–
30.0
185.0
–
185.0
94.0
–
94.0
6.0
–
6.0
20.0
–
20.0
210.0
–
210.0
60.3
–
60.3
200.0
–
200.0
59.1
–
59.1
経済復興プログラム
–
35.0
35.0
経済復興に向けた能力育成
–
1.5
1.5
教育セクタープログラム(サブプログラム 3)
–
25.0
25.0
南アジア観光インフラ開発(バングラデシュ、インド、ネパール)
–
12.8
12.8
航空輸送能力強化
–
70.0
70.0
エネルギーアクセスおよび効率改善
–
65.0
65.0
135.0
25.0
160.0
–
70.0
70.0
80.0
20.0
100.0
2,526.0
752.1
3,278.1
中小企業貿易融資開発ファシリティ
100.0
–
100.0
小計
100.0
–
100.0
2,626.0
752.1
3,378.1
ジャールカンド州道
ヒマチャル・プラデシュ州クリーンエネルギー開発投資プログラム−トランシェ 2
モルジブ
ネパール
スリランカ
クリーンエネルギー・アクセス向上
東・中北部州道路
コロンボ圏下水道管理
小計
ノンソブリン
インド
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、TA = 技術協力。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a ADB による融資 2 件からなる。
b OCR による融資 2 件からなる。
年次報告 2009
図 7 南アジア:国別融資額(2008~2009 年)
(ソブリン・ノンソブリン合計)
図 8 南アジア:国別実行額 2008~2009 年
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
(単位:百万ドル)
バングラデシュ
592.0
ブータン
1,027.9
バングラデシュ
1,811.0
インド
0
500
2008年
73.5
61.7
ネパール
330.0
149.8
スリランカ
1,551.7
1,655.6
モルジブ 9.3
2.7
172.8
ネパール
31.0
4.3
インド
2,707.6
36.5
15.0
モルジブ
1,068.0
615.6
ブータン
80.0
73
253.0
259.5
スリランカ
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
2009年
地域協力
ADB は南アジア地域協力連合(SAARC)、ベンガル湾多分野
技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)、その他の地域イニシ
アチブを通じ、南アジアの地域協力と統合を支援した。南アジ
索するために ADB が 2009 年 4 月に開催した第 1 回ハイレベ
2008年
1,500
2,000
2009年
表 24 東アジア:2009 年末現在の国別累計融資額・
実行額
(単位:百万ドル)a, b
国
融資
バングラデシュ
ブータン
インド
10,885.3
実行額
7,924.1
256.1
147.6
22,228.2
13,557.2
ルフォーラムでは、域内各国や近隣諸国から財務・外務担当省
モルジブ
152.8
80.8
から関係者が参加し、南アジアの地域協力をさらに進展させ
ネパール
2,473.7
1,777.2
る方向性につき SAARC の事務局が合意した。
スリランカ
4,685.5
3,414.8
40,681.6
26,901.6
ADB が承認した、第 2 次南アジア地域投資プロジェクトは
地域の観光インフラを整備するものとなる。ブータン道路プ
ロジェクトも、地域にとって大きな意義を持つ。域内におけ
合計
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは各国に配分している。
b ノンソブリン(公共および民間)セクター融資を含む。
る交通インフラ・貿易促進プロジェクトも策定された。ADB
は南アジア地域協力連合(SAARC)サミットの決議および
SAARC の事務局の活動への支持として、食料安全保障イニシ
アチブなどに対し技術協力を提供した。ADB は地域協力・統
合に関与している政策調査機関やシンクタンク間のネット
資の商品・サービスに対し 1,580 万ドルを提供するものであ
る。ADB は新しい戦略策定のため、地域支援戦略プログラム
(2006~2008 年)の完了報告書を作成した。
ワーキングも支援した。
ADB は南アジア地域支援業務計画(2010~2012 年)を策
定した。これは、地域プロジェクトと地域的な意義を有する
国レベルのプロジェクトに 16 億ドルの融資を、さらに非融
国別業務概況
バングラデシュ
優先分野
ADB が承認した
第 2 次南アジア地域投資プロジェクトに
より地域観光インフラが整備される
国 別 支 援 戦 略(2006~2010 年 )の 中 間 評 価 が
2009 年 8 月に完了し、戦略の柱(持続的経済成長、包括的な社
会開発、グッドガバナンス)が確認される一方、基礎インフラ
への投資拡大および経済・ガバナンス改革の更なる進展の必
要性が浮き彫りになった。
ADB は同国の経済復興を促進し、社会セーフティネット・
南アジア
ア地域内外における繁栄の共有に向けた新しいビジョンを模
1,000
500
0
74
アジア開発銀行
プログラムの改善に向けた政府の取り組みを支援するため
業務の効果
追加融資を発動し、台風被害からの復興に向けて実施中の緊
成果指標で進展が見られた。セクター・ワイド・アプローチ
ADB による初等教育に対する支援により、主な
急プログラムからの方向転換を行った。また、小規模水資源
により、開発パートナー間の調和が進み、政府の取引コスト
と中小企業への支援を拡大した。承認された融資は 10 件、計
が削減した。高い優先順位がつけられているパドマ川多目的
10 億ドルに上った。
橋建設計画は、ADB の支援によりスタートした。追加融資に
安心できる出産
ADB の資金支援によるパートナーシップが母子の死亡
率は 1,000 人中 65 人、さらに 5 歳未満の子供の 41%が体重不
率減少に取り組んだことで、バングラデシュの都市部の
足(発育不全)であり、特に深刻な状態にある子供は 12%を占
女性は安心して出産できるようになった。
める。妊産婦についても、研修を受けた医療従事者に診てもら
える妊婦は 52 %にすぎず、医療施設で出産できるのはわずか
第 3 子を出産したが、以前の出産時にあったストレスを感じな
15%となっている。
PSKP でプロジェクト・マネジャーを務めるカジ・ヌラン・
ナビ氏は、アクターさんが出産した助産院で 1 日平均 5 件の出
かったという。
産をみており、
「このセンターは、バングラデシュの母子の死亡
カムルナハ・アクターさんは設備の整った医療センターで
「前の 2 人を自宅で出産したときは、とても不安で大変なお
産だった。けれども今回は何の心配もいらなかった」と 29 歳
率と罹患率低下に大きく貢献している」と語っている。
同プロジェクトによりこれまで開設したセンターの数は、
のアクターさんは語っている。彼女が元気な男の子を出産した
基礎医療センターが 116、婦人科医療総合センターが 9 であ
ダッカの医療センターは、ADB がバングラデシュ政府とパー
り、2011 年末のプロジェクト終了まで、更に 41 の医療施設と
トナーシップを組んだ第 2 次都市基礎医療プロジェクトのも
42 の公衆トイレを開設する予定である。
と、NGO プラガティ・サマージュ・カリアン・プロティスタン
南アジア
(PSKP)によって運営されている。
都市部の貧困層に基礎医療サービスを提供するために地方
政府と NGO が連携するという画期的なタイアップによって、
これらの医療センターでは、婦人科以外の治療やワクチン
接種、家族計画や栄養のアドバイスを行ったり、基礎医療に関
する研修教育も実施している。プロジェクトが重視している
のは、最貧層に対する医療で、医療センターが行う無料サービ
彼女のような経験をした女性は、バングラデシュ全国に及ぶ。
スのうち少なくとも 30%が都市の貧困層を対象としているほ
こうした官民パートナーシップにより、全国の 6 つの市自治体
か、深刻な栄養失調状態にある女性や子供には栄養補助剤を処
と 5 つの地方自治体に施設とサービスが提供されている。
方している。スラム街にも出張診療所ができ、医療センターま
このイニシアチブは、過去の ADB プロジェクトを土台とし
で通えない患者を治療している。プロジェクトが支援した医療
つつ、十分なサービスを受けていない人々を対象とするもの
施設での分娩は 10 万件以上となり、500 万人以上がその恩恵
であり、特に出産に関する母子の死亡率の特に高い地域に重
を受けている。
点を置いている。バングラデシュでは 5 歳未満の子供の死亡
パートナーシップでは政府がプログラムの考案・監督を行
い、NGO が医療と家族計画の実際のサービスを提供している。
このプロジェクトには、ADB と英国国際開発庁(DfID)、ス
ウェーデン国際開発協力庁(SIDA)、国連人口基金(UNFPA)
が協調融資により資金を提供した。眼科の基礎医療サービス
提供は、国際 NGO である ORBIS インターナショナルが支援し
ている。
「このセンターは、
バングラデシュの母子の死亡率と
罹患率の低下に大きく貢献している」
ADB が資金提供した医療センターで治療を受ける乳児
―カジ・ヌラン・ナビ氏
助産院のプロジェクト・マネジャー
年次報告 2009
75
より財源が強化され、プロジェクト準備がスピードアップし
ターにおいて能力開発を行うことが、同国政府の第 10 次計画
ている。北東部における穀物生産多角化プロジェクトでは、
や ADB のストラテジー 2020 とまったく合致していることが
弱小農家 25 万人の収入が大幅に増加し、ADB は第 2 フェー
確認され、計画通りに戦略を実施することが提言された。
ズの準備に着手した。
業務の効果
ブータン
ブータンの主要な開発課題はアクセス・ネット
ワークである。道路網Ⅱプロジェクトにより、国内およびイン
ドとの旅客・貨物輸送は拡大した。また、道路網の拡張とアク
2009 年 7 月に行われた国別支援戦略の中間評価
セス可能な越境箇所が拡大し、南部地域と主要市場が統合さ
では、中核的な 4 セクター(道路、電力および地方電化、都
れた。ADB が支援した電化により、貧困層の家庭は収入をあ
優先分野
市インフラ、金融・民間セクター開発)における、プログラム
げられるようになり、ADB の中小企業セクター開発プログラ
とプロジェクトを通じて貧困を削減する戦略と、これらセク
ムに基づくマイクロクレジットにより、小規模な家内工業も
繁栄への道を切り開く
ブータンでは、一般道と国道の改良・延伸により道路の
こうした交通ニーズに対応するため、政府は ADB と手を組
安全性が格段に向上、農家やビジネスマン、輸送業者の
むことにした。ADB は融資 4 件とグラント(無償援助)2 件、計
生活も大幅に改善している。
8,590 万ドルを提供し、一般道や幹線道 346km の建設と改修
を支援した。独立評価によれば、このブータン道路改良プロ
ジェクトにより、車両の運行経費は 19~38 %削減、走行所要
27 歳になるトラック運転手バディール・タマンさんは、
ブータンの険しい山道を運転していて間一髪で大惨事を免れ
た恐ろしい体験を振り返る。
ADB はまた、ブータンとインド国境を結ぶトロンサ∼ゲレ
フ区間(140km)やその他の重要な道路区間(約 100km)の改
修に取り組んでいる。
が ADB によって補修・改良の支援を受けたことで、運転中に危
ブータン交通省によれば、大型車両やバスの事故が大幅に
ない目にあう可能性が減ったという。ブータンを東西に横断す
減ったとの報告もあり、同省でエンジニアを務めるペルブ・プ
る唯一の幹線道であるこの道路には、危険なカーブ地点にコン
ンツォさんは、
「プロジェクトのメリットは計り知れない」と
クリートの柵が設置され、全天候に対応した舗装が施された。
語る。
「まだ危険な箇所は残っているが、それでも妻にとっては私
東西横断道路の改修効果は目に見えて大きい。一部の区間で
が長距離運転をするときにも無事に帰宅できるか心配せずに
は、改修前に 1 日当たり僅か 4~5 台だった交通量は 300~400
すむようになった」とタマンさんは言う。
台に急増したほか、他の区間でも交通量が倍増している。
1960 年代までブータンは自動車が 1 台もなかったが、近年
ブータン西部のワンドゥ近郊で農業を営む 50 歳のテン
は自動車の交通量が急増している。計 4,153km にわたって舗
フィーさんもまた、幹線道路の改良によって大きな恩恵を受け
装道路の整備が行われたが、それでも国土の一部をカバーする
ている。ジャガイモや大根、唐辛子を市場に運ぶのに、かつて
に過ぎず、大型車両の需要増大には追い着かない。
は牛に荷車を引かせて 1 日以上かかったが、今は約 1 時間あれ
ば市場に到着する。
「前は山の牛のような生活をしていたが、今では、仕事は楽
になり、家族と過ごす時間も増えたよ」とテンフィーさんは
語っている。
「長距離運転のときでも、
妻は私が無事に帰宅できるかを
心配しなくてすむようになった」
ブータンのトラック運転手のバディール・タマンさんにとって、幹線道路の
運転がとても安全になった
―バディール・タマン
トラック運転手
南アジア
タマンさんは、ブータンの生命線である東西横断道路 328km
時間も 25%短縮するなどして約 10 万人が恩恵を受けた。
76
アジア開発銀行
立ち上がった。また持続的な法規制や政策整備の支援により、
受けたため、ADB は政府の経済改革プログラムを支援するに
金融セクターが強化された。アクセス向上と電化により、政府
あたり、迅速に実行される融資を承認した。
は学校や医療施設を立ち上げることが可能になり、ADB は貧
困削減やミレニアム開発目標の達成に対して直接・間接的に
業務の効果
貢献した。
な中期的成長を取り戻すため、国際金融機関の支援を受けて
経済における根本的な歪みを是正し、持続可能
いる政府の緊急プログラムに対し、ADB も経済復興プログラ
インド
ム 3,500 万ドルを拠出した。構造改革を支援することにより、
同プログラムはより広範で持続的な開発に向けた前進を促す
優先分野
国別支援戦略(2009~2012 年)により、貧困削
ことで、外的ショックに対する抵抗性を高めた。
減と社会開発がスピードアップすることになるだろう。同戦
略により、インフラ開発とインフラ開発における官民パート
ネパール
ナーシップが推進され、気候変動の適応策と緩和策が支えら
れ、刷新的な融資も増える。成果と知識の創造も強化される
だろう。
優先分野 ADB は、他の開発援助機関を含めた主要ステーク
ホルダーと協議を行い、国別支援戦略(2010~2012 年)を策
定した。これは、多岐に亘る包括的な経済成長、包括的な社会
業務の効果
チャッティスガル灌漑開発プロジェクトによっ
開発、ガバナンスと能力育成、気候変動への適応、環境持続性
て、灌漑インフラおよび農業普及が改善し、水稲は 50 %、小
を推進することで、和平プロセスの成果を維持することを目
麦は 30%それぞれ収穫高が増加したほか、新たな穀物の試験
指している。2009 年 12 月に行われた ADB 支援案件に対する
的栽培も始まった。アッサム州電力セクター開発プログラム
評価会合では、開発効果に重点が置かれた。ADB はアジア開
(2003~2009 年、1 億ドル)では、アッサム州電力公社の再
発基金(ADF)から、プロジェクト 6 件に 3 億 3,620 万ドルの
編、電気料金体系の整備、電気料金請求システムへの融資、送
融資とグラントを承認したほか、技術協力でも無償援助 9 件・
配電ロスの削減が実現した。電力供給の安定性も増し、1,200
580 万ドルを承認した。
の村が送電網に接続された。インド・インフラ・プロジェクト
南アジア
融資ファシリティ(2008~2010 年)のトランシェ 1 ではプ
業務の効果 2008 年 12 月に終了した穀物生産多角化プロ
ロジェクト 24 件に融資が行われ、融資金額の 10 倍近い資金
ジェクトによって、中西部最西部にある 12 の地区で二毛作の
を市場調達した。
生産性が向上した。大規模な社会的動員、革新的な農業普及
事業、加工・マーケティング事業により生産高が増加し、プロ
モルジブ
優先分野 ADB とモルジブ政府は、国別支援戦略に基づき、モ
ルジブの課題である人材能力の向上・経済運営の強化を通じ
て開発効果を高め、官民パートナーシップに重点を置いて民
間セクター開発、エネルギー・交通分野を支援した。この戦略
には、状況が変化した場合でも ADB が迅速に対応できるよう、
条項が加えられている。モルジブも近年の世界不況の影響を
ジェクト参加者にとっても収入が増え、栄養状態が改善した。
ネパールの国別戦略策定における
ドナー間パートナーシップ
ADB のネパールに関する国別支援戦略(2010~2012
年)は、英国国際開発省(DfID)と世界銀行との連携の下、多
様なステークホルダーとの協議を通じて策定された。協議
では、ネパールにおける開発の優先分野について意見を求
インドの国別支援戦略
(2009~2012 年)では、
貧困削減と社会開発促進、
インフラ開発の支援、
官民パートナーシップの推進、
気候変動の適応策の支援、そして
刷新的な融資の促進を目指している
め、プログラムの開発効果がより確実なものとなる方法を
模索した。
2009 年 12 月に開催された第 2 回協議では、各開発援助
機関の国別戦略に関するステークホルダーの意見を紹介
し、実施に当たっての課題を協議した。
こうしたドナー間のパートナーシップは、開発における
重大な制約、ジェンダーの問題、社会的問題や気候変動の評
価など、セクターおよびテーマの評価にまで拡大された。プ
ロジェクトの設計と実施に関し、紛争問題を考慮に入れた
ツール「平和のフィルター」も取り入れられた。
年次報告 2009
77
ネパールでは、ADB の国別支援により和平プロセスの成果維持を目指している
年間あたり新たに 14,963 人の雇用が創出された。コミュニ
プロジェクト 1 億 6,000 万ドル、東・中北部の道路プロジェク
ティ型水供給・衛生プロジェクトは引き続き実施中で、遠隔地
ト 7,000 万ドル、コロンボ圏下水管理プロジェクトに 1 億ド
における水供給と衛生状況の改善、健康・衛生の向上をもたら
ルである。
した。
スリランカ
道路網改良プロジェクトでは、国道 309km と、
洪水により損壊した道路 450km を改良・修復した。道路セ
クター開発プロジェクトによって、地方道 800km が完成し
優先分野
ADB は、国別支援戦略(2009~2011 年)に沿って、
た。EU と協調融資した道路 153km により、国の南部と東部
財政管理、道路、交通、エネルギー、水供給、教育をプロジェク
が結ばれた。ADB は紛争被害を受けた北部および東部の州
ト支援した。長年にわたる分離独立派との戦いが 2009 年半
への開発を継続支援した。水供給および衛生の支援により、
ばに終結したため、ADB は紛争後の開発の取り組みに重点を
200 万人が安全な水を手にした。ADB は中等教育の近代化、
置いた。ADB はプロジェクト 3 件に 3 億 3,000 万ドルの融資
遠隔教育ネットワークの整備、高等教育へのアクセス拡大を
を承認した。その内訳は、クリーンエネルギー・アクセス改善
支援した。
スリランカでは長年にわたる紛争が
2009 年半ばに終結したことにより、
ADB は財政管理、道路、交通、エネルギー、
水供給、教育の開発支援に
重点を置くことができるようになった
南アジア
業務の効果
78
アジア開発銀行
東南アジア
年次報告 2009
79
第 11 章
東南アジア
ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、
地域協力の推進により、この地域における域内プログラム 2 件が重要な節目を
迎え、ADB と東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係が強化された。
東南アジア
ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム
アジア開発銀行
80
概要
ポートフォリオ管理
ADB は世界金融危機の影響を軽減し、自然災害の被害に見
効果的なプロジェクト管理やより緊密なモニタリング、駐
舞われた地域の困難を緩和することを支援した。特に貧困層
在員事務所への権限移譲の促進、体系的な問題に対処するた
や弱者を対象とした交通、電力供給、きれいな水と衛生へのア
め、各国の事情に特化したアクションを引き続き重視したこ
クセス、教育、基礎医療の改善を目指した。ADB の活動では、
とで、ポートフォリオ業績はさらに改善した(表 26)
。
自然資源の持続的利用、公共サービスの拡充、金融セクターと
公共支出管理における改革により重点が置かれた。
東南アジア地域における融資およびグラント(無償援助)
の数は 154 件から 168 件に増加し、純融資額は 111 億ドルと
東南アジア地域のうちインドネシア、ベトナム、フィリピ
なった。2009 年の年間目標達成率は、契約締結が 142 %、実
ンが、2009 年中に ADB の支援を最も受けた上位 5 カ国にラ
行目標額が 168 %であり、2008 年の実績からそれぞれ 72 %
ンクインした(表 3)。
と 58%増加した。技術協力については実施中のプロジェクト
地域協力においても進展がみられ、接続性向上という新し
い分野が拡大された。ADB はプロジェクト開始時の質、ポー
が 200 件であり、総額 2 億 9,320 万ドルとなった。うち 87 %
が「満足」できると評価された。
トフォリオ業績、成果のモニタリング、知識管理の重視を強
化した。
世界経済危機:ADB の対応
カンボジア
• トンレサップ湖流域の貧困層への影響を緩和するため、
緊急食糧支援プロジェクトを修正し、現金収入のための
ハイライト
• 融資額は 2008 年からほぼ倍増の 54 億ドルとなった。
これは承認された融資額全体の 41 %に相当する。世界
東南アジア
金融危機の影響を受けた国を支援し、社会セクター支出
を維持することを目指した
• 景気循環相殺政策支援ファシリティの融資、民間からの
資金調達を高めるための融資と保証を通じ、開発途上加
盟国の危機対応を支援した
• メコン河流域圏(GMS)では、域内の接続性向上のた
め、加盟国間の協調に向けた新たな戦略的ビジョンの
採 択 を 推 進 し た ほ か、東 ASEAN 成 長 地 域(BIMP −
EAGA:ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリ
ピン、成長の三角地域(IMT − GT:インドネシア、マ
レーシア、タイ)におけるインフラ投資案件の実施を加
速した
• 教育、環境、インフラ、金融、地域協力分野への集中と
いう ADB の業務目標を達成するために、ストラテジー
2020 に合わせて業務を大幅に調整した
• 契約締結数 / 約定数および融資実行額は計画を上回り、
ポートフォリオの質が改善した。またプログラム融資を
タイムリーに実行し、成果達成を促進し、開発効果を高
めた
雇用プログラムを拡大実施した
インドネシア
• 公共支出支援ファシリティ 10 億ドルを提供し、商業融
資へのアクセスを支援した
• 景気循環相殺政策支援ファシリティ 5 億ドルによって、
景気循環対策への支出を支援した
ラオス
• 進行中の案件に係る支出を迅速化し、2009~2010 年
に 3,530 万ドルのグラント資金を追加供与することで、
政府予算に対する影響の軽減を支援した
フィリピン
• 景気循環相殺政策支援ファシリティ 5 億ドルをはじめ、
融資 3 件・計 9 億 7,500 万ドルを承認し、政策に基いた業
務実施を通じて政府による危機の影響軽減を支援した
ベトナム
• 景気循環相殺政策支援ファシリティ 5 億ドルを通じて、
特にインフラ、灌漑および交通分野の開発における危機
対応策措置を支援した
• 保証 3 億 2,500 万ドルを通じて、電力セクター向け融資
に民間銀行資金を動員した
年次報告 2009
81
表 25 東南アジア:2009 年中の無償援助プロジェクト承認(国別)
(単位:百万ドル)
国
ADF
APDRF
その他の財源 a
合計
カンボジア
地方の貧困層を対象とする収穫後技術とスキルのブリッジプログラムの試行
第 2 次地方水供給および衛生セクター
技術・職業訓練および研修の強化
トンレサップ流域の貧困削減および小農家開発 b
メコン河地域(GMS)
:カンボジアの鉄道復旧 b
–
21.0
24.5
27.3
–
–
–
–
–
–
2.0
–
–
12.4
21.5
2.0
21.0
24.5
39.7
21.5
–
–
–
3.0
2.0
–
2.0
3.0
23.0
20.0
–
15.0
24.8
–
–
–
–
–
5.8
15.0
3.0
–
–
28.8
35.0
3.0
15.0
24.8
10.0
10.0
–
–
–
–
10.0
10.0
–
–
–
–
–
3.0
1.5
0.4
–
1.5
0.4
3.0
–
–
–
–
2.0
1.5
2.0
1.5
175.6
6.0
67.1
248.7
インドネシア
貧困層向け米作強化
西スマトラ地震災害
ラオス
小都市水供給・衛生セクター
自然資源の持続的管理・生産性向上
ラオス北部におけるモデル健康村の開発
民間セクターおよび中小企業開発プログラム(サブプログラム 2)
高等教育強化
医療セクター開発プログラム
−プログラム無償援助
−プロジェクト無償援助
フィリピン
フィリピンにおけるエネルギー効率化 b
助産婦の起業・金融リテラシー向上 b
アジア太平洋災害対応基金(APDRF)からの台風ケツァーナ(オンドイ)災害支援
ベトナム
タインホア市総合社会経済開発 b
マイクロファイナンス機関の正式承認
合計
東南アジア
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、APDRF = アジア太平洋災害対応基金。
a 外部財源による公的協調融資であってその一部または全体を ADB が管理するもの。
b 融資プロジェクトの無償援助コンポーネント。
表 26 東南アジア:ソブリン融資のポートフォリオ・パフォーマンス指標(2008~2009 年)
契約締結 / 約定
国
カンボジア
インドネシア
ラオス
フィリピン
タイ
ベトナム
合計
実行額
リスクのある融資
実施中の融資件数
2009 年
2008 年
2009 年
2008 年
(2009 年 12 月 31 日時点) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル) (百万ドル)
2009 年
(%)
2008 年
(%)
16
30
15
11
1
43
30.8
721.9
24.1
1,314.1
–
1,782.0
109.7
1,031.2
30.9
632.2
–
390.5
61.1
732.7
37.0
1,317.5
–
1,093.4
106.4
949.6
49.1
653.2
–
264.6
6.3
10.0
6.7
–
–
2.3
5.3
–
11.8
7.7
–
10.3
116
3,873.1
2,194.3
3,241.7
2,022.9
5.2
6.7
– = 該当データなし。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
ADB はプロジェクトの開始時の質、
ポートフォリオ業績、成果のモニタリング、
知識管理の重視を強化した
アジア開発銀行
82
表 27 東南アジア:2009 年中のソブリン融資およびノンソブリン融資の承認(国別)
(単位:百万ドル)
国
OCR
ADF
合計
ソブリン
カンボジア
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア北西部道路改良
–
16.3
16.3
第 2 次金融セクタープログラム(サブプログラム 3)
–
10.0
10.0
トンレサップ流域の貧困削減・小農地所有者開発
–
3.4
3.4
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア鉄道復旧(追加)
–
42.0
42.0
インドネシア
インドネシア・インフラ融資ファシリティ
公共支出支援ファシリティプログラム
景気循環相殺政策支援
PNPM Mandiri(自立型開発)プロジェクトⅡに対する地方インフラ支援
100.0
–
100.0
1,000.0
–
1,000.0
500.0
–
500.0
84.2
–
84.2
資本市場開発プログラムクラスター(サブプログラム 2)
300.0
–
300.0
第 5 次開発政策支援プログラム
200.0
–
200.0
–
0.1
0.1
フィリピンのエネルギー効率化
31.1
–
31.1
医療向上のための信用
50.0
–
50.0
景気循環相殺政策支援
500.0
–
500.0
開発政策支援プログラム(サブプログラム 3)
250.0
–
250.0
地方財政・予算改革プログラム(サブプログラム 2)
225.0
–
225.0
77.1
–
77.1
タインホア市総合社会経済開発
–
72.0
72.0
農作物の品質安全性向上およびバイオガス開発
–
95.0
95.0
再生可能エネルギー開発、ネットワーク拡張、遠隔地集落セクター復興
–
151.0
151.0
500.0
–
500.0
–
100.0
100.0
−プログラム融資
–
20.0
20.0
−プロジェクト融資
–
40.0
40.0
中部地方水供給および衛生
–
45.0
45.0
902.9
–
902.9
4,720.3
594.8
5,315.1
120.0
–
120.0
ラオス
地方分権灌漑開発・管理セクター(追加)
フィリピン
タイ
メコン河流域圏(GMS)
:幹線道路拡張
ベトナム
東南アジア
景気循環相殺政策支援
貧困削減プログラム(第 5 期)の実施支援(サブプログラム 2)
中等教育セクター開発プログラム
モンドン 1 火力発電−トランシェ 2
小計
ノンソブリン
フィリピン
ビサヤベースロード電力開発
タイ
バイオマス電力
小計
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、PNPM = コミュニティ開発のための国家プログラム。
5.0
–
5.0
125.0
–
125.0
4,845.3
594.8
5,440.1
年次報告 2009
地域協力
東 ASEAN 成 長 地 域(BIMP − EAGA:ブ ル ネ イ、イ ン ド ネ
83
カンボジア
優先分野
ADB の国別支援業務計画(2009~2012 年)は、カ
シア、マレーシア、フィリピン)
、成長の三角地域(IMT − GT:
ンボジア政府が 2008 年に策定した第二次国家開発戦略とも
インドネシア、マレーシア、タイ)
、およびメコン河流域圏
合致した内容となった。農業と地方開発における対象を絞っ
(GMS)といった地域プログラムにおいて、それぞれ進展が
た支援、民間セクター、ガバナンス、能力開発、地域経済統合を
みられたほか、東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局との連
通じて、より包括的で多様な経済成長と貧困のさらなる削減
携を深めた。BIMP − EAGA 加盟国は国家間輸送の推進、イン
を目指している。
フラ開発の加速化について合意した。ADB はこれら加盟国が
2010~2011 年に向けたプロジェクトを特定し、優先順位の高
業務の効果
い輸送およびエネルギーのプロジェクト 12 件からなる約 10
に対処できるよう貧困家庭 8 万 9,000 世帯を継続支援した。
億ドルのプログラムを策定し、早期実施することを支援した。
求職のための現金支給プログラムでは、トンレサップ流域の
IMT − GT では、各国政府が接続回廊の実現を加速化するこ
とで合意した。ADB は、優先順位の高いプロジェクト 8 件を特
定し、総額 25 億ドル規模の IMT − GT パイプラインに含める
ことを支援した。IMT − GT では効果的に実施するため、ロー
貧困家庭 24,000 世帯を追加的に支援した。トンレサップ地方
ドマップの中間評価と並行して事業プロセスの評価も行われ
を支援した。
緊急食糧援助プロジェクトでは食料価格の高騰
水供給・衛生セクタープロジェクトでは、安全な水や衛生への
アクセスを拡げ、特に女性や少女の健康改善と利便性の向上
につながったほか、同国におけるミレニアム開発目標の達成
ている。ADB は IMT − GT 地域協力センターを支援し、助言を
インドネシア
行った。
メコン河流域圏(GMS)では、ADB は引き続きインフラ・プ
ロジェクトに重点を置き、地域の経済回廊における交通網の
優先分野
総合的整備を促進させるとともに、越境交通協定及び貿易促
ネシア政府の中期開発計画に完全に合致した内容となり、経
進措置の実施を図った。第 15 回 GMS 閣僚会議がタイで、第 2
済成長の推進、雇用創出、ミレニアム開発目標の達成の加速を
回経済回廊フォーラムがカンボジアでそれぞれ開催された。
目指した。ADB の支援は、世界経済危機の影響軽減に最大の
ADB と ASEAN 事務局は相乗効果を高めるため、覚書の見直
国別戦略プログラム(2006~2009 年)は、インド
重点が置かれた。
ログラムと ASEAN の統合枠組みとの戦略的な比較を行った。
国別業務概況
ブルネイ
業務の効果 ADB が公共支出支援ファシリティおよび景気循
環相殺政策支援ファシリティを通して拠出した 15 億ドルは、
資本流入を維持するために活用されたほか、社会支出の維持
と貧困削減プログラム実施のための一時的な財政拡大を支え
る資金となった。こうした措置と慎重なマクロ経済運営とに
より、同国は世界金融危機を乗り切ることができた。開発政
優先分野
ブルネイは BIMP − EAGA の閣僚会議と高級事務
策支援プログラムでは、一連の措置を通じて投資環境が改善
レベル会議の議長国を務めた。また、地域内で優先するパイプ
され、与信状況が改善し、公共財政管理とガバナンスが強化さ
ライン(案件リスト)として、ブルネイとマレーシア間の接続
れ、最貧困層の地区に対する公共サービスが改善された。
性に関するプロジェクト 2 件を確認したほか、経済の多様化
や公的金融割合を下げることを目指し、金融セクターの育成
のために ADB と連携した。
ADB の地域プログラムにより、
業務の効果 ADB 初となる経費請求可能な技術協力により、
インフラ開発が加速し、
資本市場整備に向けた戦略と行動計画の策定が支援された。
ADB は同国と連携して、経費請求可能な形式での追加の技術
支援も決定した。
ASEAN 事務局との連携を深めるなど、
新たな進展がみられた
東南アジア
しについて話し合い、BIMP − EAGA と GMS における ADB プ
アジア開発銀行
84
図 9 東南アジア:国別融資額(2008~2009 年)
(ソブリン・ノンソブリン合計)
図 10 東南アジア:国別実行額(2008~2009 年)
(ソブリン・ノンソブリン合計)
(単位:百万ドル)
(単位:百万ドル)
71.7
53.8
カンボジア
インドネシア
2,184.2
1,085.0
マレーシア
ミャンマー
ミャンマー
フィリピン
820.0
1,176.1
37.0
52.5
フィリピン
82.1
1,317.5
853.2
タイ
ベトナム
1,925.9
789.7
0
1,003.1
ラオス
マレーシア
タイ
739.9
インドネシア
0.1
ラオス
61.1
113.4
カンボジア
500
2008年
1,000
1,500
2,000
ベトナム
2,500
ラオス
優先分野 ADB の国別戦略プログラム(2007~2011 年)の
東南アジア
中間評価が行われ、ラオスの開発環境に沿った内容が維持さ
れていることが確認された。第 6 次全国社会経済開発 5 カ年
計画(2006~2010 年)の中核セクターである農業、健康、教
育、インフラなどの支援に重点が置かれた。
200
0
2009年
1,118.4
264.6
2008年
400
600
800
1,000 1,200 1,400
2009年
表 28 東南アジア:2009 年末現在の国別累計融資額・
実行額
(単位:百万ドル)a, b
国
カンボジア
融資
実行額
1,072.8
850.5
25,707.5
19,140.9
ラオス
1,211.5
1,171.3
1,414.0
インドネシア
マレーシア
1,997.5
国別戦略プログラム(2007~2011 年)の前半に
ミャンマー
530.9
411.8
おいては、所得増加と貧困削減という目標が達成され、事業環
フィリピン
11,828.9
9,706.9
境でも大きな改善が見られた。地方金融セクター開発および
タイ
5,470.2
4,207.7
ベトナム
8,195.0
3,752.0
56,014.3
40,655.1
業務の効果
銀行セクター改革プログラムを通じて、銀行制度と監督の強
化、国立銀行の資本増強、信用の質的向上、不良債権数の大幅
な減少が見られた。2007 年から 2009 年にかけて民間銀行が
新規参入したことにより、競争性と効率性が高まったほか、農
合計 c
a 地域プロジェクトの融資コンポーネントは各国に配分している。
b ノンソブリン(公共・民間)セクター融資を含む。
c 通常の ADB 支援からはシンガポールを除いている。
業と中小企業向けの資金供給システムの構築が進んだ。
マレーシア
優先分野
マレーシアは BIMP − EAGA と IMT − GT のイニシ
アチブの下、ADB とのパートナーシップを拡大した。この結
マレーシアは地域金融市場の
発展のため、適切な国際的基準と
果、地域において優先順位の高いインフラ・プロジェクトの中
流動性管理の推進に向けて
で実施が急がれる案件リストの形成につながった。これは、地
イスラム金融サービス委員会を
域インフラの整備における民間資金活用の促進に向けた同国
の取り組みの証左となっている。マレーシアは、イスラム金融
支援するなど、ADB と緊密に連携した
年次報告 2009
制度の適切な国際的基準と流動性管理の推進に向けてイスラ
85
ミャンマー
ム金融サービス委員会を支援するなど、地域金融市場の発展
のため ADB と緊密に連携した。また、ASEAN の資本市場の統
優先分野 ADB は開発パートナー・コミュニティと連携して
合実施計画に対する支援についても協議した。
引き続き経済開発をモニタリングしており、適切な時期に事
業戦略を策定する予定である。ミャンマーは GMS の主な会合
と、一部の地域技術協力プロジェクトに参加した。ミャンマー
カンボジアの女性:技術を磨いて稼ぎを増やす
カンボジア各地にある女性開発センターでは、女性たち
女性問題担当大臣のカンサ・ファヴィ氏は、
「問題は貧困と、
が地元の産物を利用した市場向け商品を生産し、収入を
就職の機会がないことです」と指摘する。しかし、女性開発セ
得ることを学んでいる。
ンターが新設されたところでは、タブ ・ ヒートさんのような女
性がお金を稼ぎ、技術を身につける術を学んでいる。
センターは、ADB をはじめとする開発援助機関の支援を受
シェムレアップ州にあるタブ ・ ヒートさんの高床式の木造
住宅は、青々とした水田に面している。だが、心地よいカンボ
ジアの田園地帯での暮らしは、見かけほどのどかではない。
未亡人である彼女は「女手ひとつで 4 人の子供たちを養うこ
とはとても大変なんですよ。特に雨季には」と語る。
「収穫期な
けて、技術や起業についての研修を行ったり、小規模金融への
アクセスも助けている。
センターを所轄する女性問題省によれば、センターは政府
や国際ドナーの関心をひきにくいインフォーマル経済の発展
に対し、少なからず影響を与えているという。
ら食糧や米がありますが、それも 5 カ月しか続かないのでその
女性開発センターは当初、女性たちが持っている技術を高
後は食糧を買うために必要なお金を稼がなければなりません」
めながら、地元で手に入る材料を使って生計を向上することに
カンボジア各地で、夫と死別または離婚したり、夫が州外や
海外に出稼ぎに出ているために留守を預かっている女性は、
焦点を定めていた。
しかし、シエムレアップのリアン・デイにもセンターがオー
プンすると、タブ ・ ヒートさんは敷物の織り方やデザイン技術
フォーマル経済の中に組みこまれ、農業や衣料品工場を除けば
だけでなく、成長著しい観光市場向けに、バッグや財布の製作
正規雇用の口はほとんどない。
方法についても学ぶようになった。
「以前は一つの敷物を織り上げるのに 6 日かかり、売り上げ
は 5 ドルでした。労力がかかるわりには、手にするお金が少な
かったのです」と女性問題省の訓練アドバイザー、オン・サロ
ムさんは指摘する。
「今では、作業スピードにもよりますが 1 日
で 3~4 ドル稼げる人も出てきました。センターでは、マーケ
ティングやデザイン、さらに一般的なビジネスのトレーニング
も実施しています」
タブ ・ ヒートさんは新しい技術を身につけたことで、家から
遠く離れることなく、家族のために必要な副収入を得られるよ
うになった。バッグの製作に使う地元の植物ロムチェックは、
自宅の玄関脇戸口に生えている。
タブ ・ ヒートさんは
新しい技術を身につけたことで、
家の近くにいながら、家族のために
タブ ・ ヒートさんたちは、地元の植物で織物や財布を織って副収入を
得ている
必要な副収入を得られるようになった
東南アジア
同様の問題に直面している。プノンペン周辺では、女性はイン
86
アジア開発銀行
バスを追いかけ、収入を追いかける
パナボ市に、バスとジプニー(中型の乗合いタクシー)
それだけではない。ミンダナオ都市基本サービスプロジェ
のターミナルが新設したことで、観光客の利便性が高
クトの資金供与を受けた市政府が開設したターミナルでは、乗
まっただけでなく、飲み物を売って生計を立てている行
客や貨物の積み込みと積み下ろしがスムーズになった。
商人にとっても商売の場所を確保することで、副収入が
増えている。
行商人(大半は女性)はまず、ADB が日本貧困削減基金によ
る無償援助 100 万ドルにより建設されたリソースセンターで
研修を受ける必要があるが、屋台の使用料は払う必要はない。
センターでは、パナボ市の貧しい女性に、収入を増やす新し
フィリピン南部の都市パナボ市では、ヘレン・ドリノさんは
い方法を教えたり、商品を販売する小さな店舗の開店を支援し
以前、幹線道路を行き来するバスを追いかけ、車内まで乗り込
ている。これまで研修に参加した女性はドリノさんを含め 100
んで商品を売り込んでいた。旅行者相手に飲み物を売る女性の
人以上にのぼる。研修内容には、地元のお菓子や果物の加工、
姿はフィリピンで多く見られる。
アイスクリーム製造、会計や簿記の入門コースなどがある。セ
「これまで、地元のバスやジプニーには専用ターミナルがな
ンターでは市の貧困女性 1,600 人に研修を行う計画である。
かったため、商売のためにはバスを次々と追いかけなければな
43 歳になるドリノさんのような女性は、かつては収入が低
りませんでした。慌しい割には、稼ぎもさほどよくありません
かったため、地元の社会福祉局に出向いては、家族に必要な米
でした」とドリノさんは当時を振り返る。
今では、ドリノさんたち行商人は、ADB の資金供与によって
や魚の干物を支給してくれるよう訴えるしかなかった。しかし
今ではリソースセンターでの研修のおかげで、彼女はセンター
幹線道路沿いに建てられたバスとジプニーの総合ターミナル
の他の女性が作ったお菓子を売って副収入を得ており、
「1 日
に小さな屋台を開き、食べ物、飲み物や土産物をあれこれ広げ
あたりの売り上げは前に比べて 2~6 ドル(100~300 ペソ)増
ている。
えました」という。
さらにセンターには、忙しい女性でも安心して子供を預け
られる保育園を近くで運営しており、2009 年にはこども 37 人
が入園した。
日本貧困削減基金は、ミンダナオの他の 6 州でも、こうした
東南アジア
リソースセンターの建設費用を拠出する予定となっている。
ドリノさんはダバオ・デル・ノルテ州
パナボ市のセンターの
女性が作るお菓子を売って
女性行商人はかつてパナボ市の幹線道路を行き来するバスを追いかけて、
中に乗り込み商品を売り込んでいた
に対する ADB の融資プロジェクトは 1986 年以降、技術協力
プロジェクトは 1987 年以降承認されていない。
副収入を得ている
業務の効果 ADB は、政策ベースの業務と景気循環相殺政策
支援ファシリティ融資 5 億ドルを通じて、世界金融危機の影
響軽減を支援した。ADB は、エネルギーの効率化と、母子を中
フィリピン
優先分野
国別支援戦略プログラム(2005~2007 年)は、引
き続き政府の中期開発計画(2004~2010 年)に沿う内容と
ADB はアジア太平洋災害対策基金の下、
なった。この戦略プログラムでは、財政再建、投資環境の改
フィリピンの台風オンドイの
善、ミレニアム開発目標の早期達成に重点を置いている。ADB
被災者を支援するために
とフィリピン政府は、2010 年から 2012 年までの国別支援業
務計画にも合意した。
無償援助 300 万ドルを提供した
年次報告 2009
87
フィリピンのネグロス・オクシデンタル州では配管が敷設され、貧困層に水を供給している
心とした医療ケアを推進した。ADB はアジア太平洋災害対策
ベトナム
基金(APDRF)の下、台風オンドイの被害者救済として 300 万
ドルの無償援助を行うとともに、パートナー機関とともに災
優先分野
害後のニーズ評価に参加し、台風オンドイとペペンによる被
成長、社会発展、環境管理に重点を置いた。ADB の関与は、輸
害範囲と復興・再建策とを特定した。
送網の強化、管理の改善、電力供給と接続性の強化、民間セク
国別支援戦略と業務プログラムは引き続き、経済
ターの開発、市場に根ざした多様な金融システムの構築、行政
およびガバナンスの効率向上、地域協力・統合を推進すること
で、これら優先事項を達成した。ADB は国有企業改革に向け
優先分野
国別支援戦略(2007~2011 年)は、引き続き長期
的・持続的経済成長と社会発展を目指す政府の政策および行
て、マルチトランシェ融資ファシリティ 6 億 3,000 万ドルを
承認した。
動計画と合致する内容となった。メコン河流域圏(GMS)の幹
線道路拡張プロジェクトは、東西・南部経済回廊の物流コスト
を削減し、政府による都市間の道路網策定を支援した。
業務の効果
ADB は世界経済危機の影響の軽減に向けた政
府の対策を補強するため、景気循環相殺政策支援ファシリ
ティ 5 億ドルを供与した。東西回廊では、ADB が資金支援し
業務の効果 ADB が支援した資本市場マスタープランによ
た道路建設・修復および橋梁建設が完了したこと、越境協定
り、タイ資本市場の機能強化という政府の戦略的方向性の基
の実施、国境手続きの簡素化により、交易と経済が大きく発
礎が築かれた。バンコクの都市交通に関しては、総合発券シス
展した。
テムに関する調査が行われ、大量交通網の拡大に向けた重要
な提言を行った。
ADB は、資本市場の機能強化という
タイの戦略的方向性と、
バンコクの大量都市交通網拡大に
関する調査を支援した
東南アジア
タイ
88
アジア開発銀行
ノンソブリン業務
第 12 章
ノンソブリン業務
世界金融危機の影響で金融は厳しい状況下におかれ、ADB のノンソブリン業務に対する
リスク低減のためのデューデリジェンスは厳格化した。資本市場の停滞という状況を受
け ADB は、民間セクタープロジェクトの一環として貿易金融への大規模なてこ入れも
行った。ADB は、健全な民間セクター開発を支援するため、大きな開発効果が見込まれる
ノンソブリン・プロジェクトに重点を置き、2020 年までに融資総額の半分をノンソブリ
ン業務とすることを目指している。
年次報告 2009
89
ADB のノンソブリン業務は、ストラテジー 2020 が目指す
(PSOD)によるものだが、2009 年には、公共セクター向けノ
目的を実現する上で中核である。ADB では、民間セクター開
ンソブリン・プロジェクト 2 件に対する総額 1 億 9,050 万ド
発と民間セクター業務支援のために、ADB の融資業務におけ
ルの融資が南アジア局(SARD)および東アジア局(EARD)に
る民間セクター業務の比率を 2020 年までに 50%まで引き上
より行われた。民間セクター業務局では、大きな開発効果が
げる。ADB では、大きな開発効果が見込まれるノンソブリン・
見込まれるプロジェクトに融資することで、民間資本へのア
プロジェクト、民間セクターを活性化し、持続可能で包括的な
クセスが制限されている開発途上加盟国を支援している。支
成長を促進するイニシアチブなどに重点を置いている。
援内容は、中央政府の保証がつかない民間セクターの事業体
ADB のノンソブリン業務の大半は、民間セクター業務局
に対するノンソブリン融資、出資、信用補完商品(保証、また
深刻な与信凍結の解除に向けて
銀行が損失や評価損に見舞われ、相互信用を失って融資
と見られる。これは、持続可能な経済成長を長期的に維持し、
も停止するなか、ADB では、貿易金融に対する支援を強
貧困を削減する上で、不可欠のものだ」と指摘している。
化した。
2009 年初め、世界貿易はフリーフォールに陥っていた。銀
昨年 TFFP が支援した取引数は 443 件にのぼり、2004 年の
TFFP 発足以来の取引総数 1,650 件のほぼ 4 分の 1 を占めたこ
とになる。443 件のうち、中小企業向け支援が全体の 59%を占
めたが、この比率も TFFP 開始当初の倍にあたる。さらに、その
行は相互に信用を失い、1930 年の世界大恐慌以来最悪の景気
半数は開発途上加盟国同士の貿易取引が対象となっている。取
後退に対する懸念が世界中を駆け巡り、投資家はリスク回避に
引額は、最小 6,000 ドルから最大 7,900 万ドルまでと幅広く、
動き、かつて活発だった貿易金融のネットワークは停止した。
物品も主要農作物、医薬品、電気製品、油、掘削リグなど多岐に
輸出依存型経済のアジア各国は苦境に陥った。
わたる。
ポートフォリオは、バングラデシュ、パキスタン、ベトナム
が大半を占めたが、その他にアゼルバイジャン、スリランカな
進ファシリティプログラム(TFFP)を 10 億ドルに拡大した。
ども含まれ、アフガニスタン、カンボジア、インドネシア、ネ
2009 年、TFFP で提携関係にある銀行との協力を通じて、アジ
パール、タジキスタンなどでも運営された。
アの輸出業者に対して行われた融資と信用保証により支えら
TFFP の対象となる信用状開設銀行の数は 2009 年、年初の
50 行から 73 行に増加した。貿易相手に対して信用状を確認す
る銀行数は、2009 年に 18 行が参加し、計 89 行となった。TFFP
は 2010 年に規模拡大を目指しており、中央アジア地域の各行
と ADB との交渉が進められている。
れた貿易額は、目標のほぼ倍である 19 億ドルとなった。ADB
のエクスポージャーも前年比 230%に拡大した。TFFP は今後、
2013 年末までに 130 億ドル相当の貿易を創出すると予想さ
れている。
ADB で資本市場・金融セクターを担当するロベルト・ファ
強く待ち望まれた景気回復により、アジアをはじめ貿易量
ン・ツヴァイテン氏は「企業が貿易金融を容易に利用できるよ
は拡大しているが、それに伴って貿易金融に対する需要と供給
うになれば、事業を促進し事業拡大や雇用創出の追い風になる
も急拡大している。ADB では本年の成長率予測について、米国
が 1.6 %、ユーロ圏経済はさらに停滞するなか、アジアの開発
途上国の成長率を 6.6%とみており、TFFP は、アジアの明るい
将来に向けて、ますます重要な役割を果たすと思われる。
「企業が貿易金融をより容易に
利用できるようになれば、
事業を促進し、事業の拡大や雇用創出の
追い風になると見られる」
―ロベルト・ファン・ツヴァイテン
ADB は貧困の削減につながる貿易の拡大において一翼を担った
ADB 資本市場・金融セクター担当ディレクター
ノンソブリン業務
貿易金融が機能しなければ景気回復もままならないとの
懸 念 が 深 ま り、ADB は 1 億 5,000 万 ド ル だ っ た 貿 易 金 融 促
90
アジア開発銀行
ADB は「優良ダム」建設に関する基準を定めている
は ADB がプロジェクトに対して包括的な融資パッケージを
準備し、地場や国際の民間銀行などの金融機関が参加する B
ドルに減少した(貿易金融促進プログラムを除く)。
ノンソブリン業務は、全ての人々に恩恵が行き渡る経済成
ローン(用語集を参照)を含む)などである。民間事業体は、
長、環境に調和した持続可能な開発、地域統合の促進というス
ADB から金融支援を受けるだけでなく、専門知識や指導も得
トラテジー 2020 の 3 つの中心戦略を引き続き支援している。
ることができる。支援は基本的に金融セクターとインフラに
うち環境的に持続可能な成長を支えるものとして、プロジェ
重点が置かれている。
クト 5 件が再生可能エネルギー分野に対するものであり、事
2009 年のノンソブリン業務は、内部リスク環境の改善を
業費合計は 4 億 2,600 万ドルと承認融資総額の 23 %を占め
目的として改訂されたデューデリジェンスの指針と信用手続
た。他のプロジェクトでは、廃棄物管理プロジェクト 2 億ドル
きに基づいて実施された。一方、外部市場環境は世界経済危
(承認融資総額の 11 %)、既存型エネルギー・プロジェクト 1
機を受け、引き続き厳しい経済・金融状況下におかれた。この
億 2,000 万ドル(承認融資総額の 6 %)、TFFP がは 46 %、金融
ような状況下で、理事会は民間セクター・プロジェクト 9 件
セクタープロジェクト 3 件は 13 %、電話通信プロジェクト 1
を承認し、経済・金融危機への直接的対策である貿易金融促
件が 1%だった。
ノンソブリン業務
進プログラム(TFFP)についても範囲と金額を拡大した。TFFP
ストラテジー 2020 が掲げる優先分野のうちインフラ(特
は、貿易と貿易金融の悪化に対応するだけでなく、ADB のス
にエネルギー関連)と金融の 2 つの分野についても、ADB で
トラテジー 2020 が掲げる地域統合アジェンダも支援するも
はノンソブリン業務として重視している。また、官民パート
のである。
ナーシップを通じた戦略的関与においても、再生可能エネル
金融支援の新規承認額は 19 億ドルに達した。その内訳は、
ギーなどのインフラ・セクターに重点が置かれている。例え
直 接 融 資 4 億 4,300 万 ド ル、出 資 2 億 2,000 万 ド ル、部 分 信
ば、インドにおける複数の再生可能エネルギー・プロジェク
用リスク保証 7,200 万ドル、B ローン 2 億 7,600 万ドル、貿易
トを策定、建設、運営する新たな官民合弁事業会社に対する投
金融促進プログラムの融資および保証に 8 億 5,000 万ドルで
資 4,000 万ドルが合意され、風力発電・小規模な水力発電から
あった。プロジェクト 1 件あたりの平均金額は 2008 年(16
スタートする(P91「インドの風力発電を推進」を参照)。ADB
件)の 1 億 5,500 万ドルから、2009 年(11 件)には 9,200 万
は、官民パートナーシップとなりうる、またはその可能性があ
る商業的に実現可能なインフラ・プロジェクトにも融資して
いる。一例が、インドネシアのインフラ融資会社に対する出資
ノンソブリン業務は、
4,000 万ドルと、100%国有の企業に対する公共セクター融資
1 億ドルであり、後者の融資はそのまま、前者の融資会社に再
包括的な経済成長、
融資される。
環境的に持続可能な開発、地域統合という
ニューギニアにおける ADB 初の民間セクターへの介入を含
ストラテジー 2020 の 3 つの開発課題を
め、計 23 の開発途上加盟国でノンソブリン・プロジェクトが
引き続き支援している
こ れ に は 2009 年 に 承 認、契 約 締 結、実 行 さ れ た パ プ ア
実施されている。
年次報告 2009
91
インドの風力発電を推進
ADB の長期融資によって、企業は金融リスクや再生可
能エネルギー投資に伴う巨額の費用を受け入れること
がより容易になっている。
分野における主導的立場の維持を目指している。
同社が ADB から受けた融資額は、ADB のアレンジによる協
調融資を含めると 6,500 万ドル(30 億ルピー)となる。期間は
13 年間で、これにより同社は借入費用を固定することができ、
アーメダナガール、ドゥーリア、サタラサダワガプールといっ
インド西部のマハラシュトラ州の草原では、73 メートルの
「塔」と 26 メートルの「羽」を備えた風力発電機群は、まるで巨
た地区への風力発電投資に対する金利上昇リスクを回避する
ことができる。
大な植物が地面からは生えているように見える。この辺境地帯
「2012 年までに全国民に電力を供給する」というインド
で風力発電機が生み出す電力は約 80mw 分、数千戸の家庭が
政府の目標を実現するには、太陽、バイオマス、小水力、風力
使用する電力を十分に供給することが可能となっている。
エネルギー供給不足の問題をかかえるインド農村部では、
電力使用ピーク時には需要が供給を 20%近く上回ることもし
といった再生可能エネルギー源の開発が必要となる。マハラ
シュトラ州では、州政府はアメとムチを使い分けている。つま
り、風力エネルギーに対しては高めの料金であっても支払う
ばしばだが、マハラシュトラ州一部の村では、1 日のうち電力
が、電力会社に対しては、州の送電網に流れる電力のうち 6 %
供給が停止する時間が 12 時間というところもある。電力がな
以上 を 2010 年中に再生可能エネルギー源から調達すること
ければ、村人は文字通り外界から断絶される。
を義務付け、これを満たすことができない場合には、罰則を課
インドを代表する電力供給会社であるタタ電力では、電力
すというものである。一方、風力発電関連テクノロジーには依
の安定供給のため、発電力の増強に取り組んでいる。電力の安
然として多額のコストがかかり、民間企業にとっては必ずしも
定供給や、低炭素社会に向けたインド政府を支援するという
うまみがある話ではない。
ADB による民間セクター業務融資の後押しもあり、タタ電力
は 200mw 規模の発電力を誇るインド最大の民間風力発電会
キームを通じて、世界的炭素市場に対する途上国の参加を支援
社に成長した。風力発電所の開発をさらに進めることで、この
ADB は、カーボン・マーケット・イニシアチブという融資ス
しているが、タタの Khandke プロジェクトについても、京都プ
ロトコルに準拠したクリーン開発メカニズム(CDM)プロジェ
クトの資格を得られるよう品質管理を支援している。CDM メ
カニズムによって、ADB はタタ電力の予想認証排出削減量の
最大 50 %を購入することで、事業の前払い融資を提供する準
献すると見られる。
電力アクセスが大幅に向上することにより、インド農村地
帯の多くの人の生活は大きく改善すると見られる。タタ電力に
とっては、風力投資の拡大に合わせて、タービン技術の進展に
よって得られる教訓とコスト削減の双方を得られることにな
マハラシュトラ州での風力発電機は地元名物となっており、ADB は低炭素型
経済の実現に向けたインド政府の取り組みを支援している
協調融資
ADB の民間セクター政策では、プロジェクトへの直接融
資は、プロジェクト総経費の 25 %までに制限されている。し
るだろう。
資関連商品を提供しており、特に今般の金融混乱以降、これら
に対する需要は高まっている。ADB の民間部門業務局(PSOD)
では引き続き、金融界との協力関係を緊密化し、これら商品に
対するアクセスを広げていく。
かし、開発効果が非常に高く小額取引が承認される例外的な
ADB は、複数のパートナーと協調融資を動員するにあた
ケースでは、ADB は資金総額に対する直接融資の比率を引き
り、協調融資を活用し、開発途上加盟国に対し、総額 22 億ドル
上げる。民間セクターに対する融資比率のこうした制限を考
のプロジェクト 2 件に関して直接金融 2 億 2,000 万ドルを新
えると、協調融資は、ADB の民間セクターへの支援を拡大する
規拠出した。
上で重要な手段だといえる。ADB は様々な保証および協調融
ノンソブリン業務
備ができる。これらの支払いは、同社の売電収入にも大きく貢
92
アジア開発銀行
第 13 章
財務と管理
財務と管理
ADB がストラテジー 2020 の下で必要とされる人材を採用・確保・管理・育成することを
支援するため、ピープル・ストラテジーが策定された。これにより職員の管理および技能
が向上したほか、業務プロセスの効率化も進んだ。
年次報告 2009
人事
新たな人員配置管理システム
93
ADB では、ADB の職務レベル
に応じた人員の配置を含む様々な側面から職員の雇用を管理
人事管理の改善
ADB は 2008 年 に、人 事 戦 略(2005~
2007)の 包 括 的 見 直 し と 職 員 の 意 識 調 査 と い う 2 つ の イ
ニ シ ア チ ブ を 実 施 し、そ の 結 果 に 基 づ い た 人 事 実 践 計 画
するようシステムの改善を行った。
組織再編
業務環境の変化にあわせて、いくつかの組織再編
(2009~2010 年)が策定された。同計画の目的は、ストラテ
が実施された。組織の信用リスク管理ユニットをリスク管理
ジー 2020 を実行する上で必要な人材の新規採用、維持、管
室に格上げし、汚職防止・内部統制室を新設した。予算・人
理、労働力育成におけるガイドラインとなりうる戦略を作
事・経営システム局内に組織調整ユニットを創設し、人事機能
成することだったが、2015 年までの人事管理の指針となる
を 2 つの課(Division)に統合した。
「ピープルストラテジー」
(Our People Strategy)が作成さ
れ、この目的は達成された。
雇用計画の策定
予算・人事・経営システム局では、雇用計画
報酬と厚生
理事会は、2010 年に実施する給与水準の引き上げについ
の策定に着手した。これは、ストラテジー 2020 を実行する
て、専門職員の給与水準を 1.8%(加重平均ベース)引き上げ、
上で十分な人材を確保するほか、アジア開発基金の第 9 次財
給与水準の引き上げに伴う給与予算 3.4%の増加を承認した。
源補充(2008 年)と第 5 次一般増資(2009 年)が目指してい
また、業績に基づく特別手当額として 160 万ドルが予算から
る ADB 業務の質を一定の水準に維持するためである。これは
配分された。本部の事務担当官と事務職員の給与水準につい
具体的には機構定員を見直すことによって人員数や配置、ス
ては、2.7%(加重平均ベース)引き上げ、引き上げに伴う給与
キル・ミックスにおけるギャップがないかを特定するほか、
予算 6.9%の増加が承認された。現地事務所の事務担当官と事
戦略的分野については組織的な見直しが行われた。
務職員については、経営陣により新たな給与水準が承認され、
職員研修
ADB は、業務プログラムを実施する上で必要な能
力を維持するため、職員研修プログラムの優先順序を見直し、
ストラテジー 2020 の基盤となるグループ型指導力の育成
と、セクターやテーマに基づくプログラムに重点が置かれる
ようになった。その結果、本部および地域事務所の職員を対
象とする研修プログラムの実施件数は計 152 件となり、合計
で職員 4,668 名が 509 の研修セッションに参加した。
0.5~17.7%の昇給が実施される。給与水準の改定は 2010 年
1 月 1 日に発効し、各給与等級の中間点に適用される。
理事会は 2006 年 10 月 1 日以降に雇用された職員につい
て、退職年金制度の受給資格を勤続年数 10 年から 5 年に引き
下げることを承認した。この変更は 2010 年 1 月 1 日から発
効し、2006 年 10 月 1 日以降に雇用された職員について、過
去に遡って適用される。職員は勤続年数 5 年という要件を満
たしていれば、年金の受給資格が認められ、勤続年数が 5 年未
満の場合、雇用の終了時点で給付金を一括して受け取る。
各国の現地事務所、特に単身赴任の勤務地や厳しい労働条
件の勤務地に配属された専門職員に対し、他の国際金融機関
2010~2012 年の職員の増員要求 雇用計画策定の結果、
と比べて競争力を維持するため、再配置パッケージや現地事
ストラテジー 2020 実施のため、ADB はさらに 500 人分の職
務所手当ての改善を行い、2009 年 6 月 1 日に発効した。
員ポジションが必要であることが示された。これは 2012 年
までに 2009 年比で約 20 %増に相当する。2010 年には専門
職員 90 人、事務担当官 86 人、事務職員 74 人が増員されるこ
とになる。
2009 年人材配置 2009 年 12 月 31 日現在、ADB の職員数
は 2,602 名であり、出身国は 67 の加盟国のうち 58 カ国に及
んだ。このうち経営陣が 5 名、専門職員が 927 名、それ以外
の職員(事務担当官・事務職員)は 1,670 名で、523 名(全体
の約 20.1%)が現地事務所に配属している。2009 年の採用・
離職者数は、専門職員がそれぞれ 119 名と 66 名、一般職員
は 154 名と 109 名であった。専門職員に占める女性の割合は
27.8%となった。
2009 年、
本部と地域事務所の
職員向けに 152 の
研修プログラムが用意された。
合計で 4,668 名の職員が
509 の研修セッションに参加した
財務と管理
人員
94
アジア開発銀行
パンデミック対策計画
パンデミック危機管理チームは新型インフルエンザA
(H1N1)の発生に備えるため、本部建物の入口における検査手
順、検査センター、医療ホットラインを設置した。現在システ
ムは稼動していないが、必要に応じて再開できる。
内部管理費
2009 年の内部管理費は、当初予算の 3 億 8,890 万ドルに対
の厚生予算の超過分相殺に充当されたほか、情報システム技
術戦略フェーズⅡの下で進められていた一部の IT プロジェク
トが完了したことにより発生した減価償却に充当された。こ
の減価償却は 2009 年から開始されている。
2010 年の内部管理費予算は 4 億 3,950 万ドルであり、この
中には独立評価局の予算 840 万ドルが含まれる。内部管理費
が 2009 年予算比で 5,060 万ドル(13 %)増額した背景には、
物価の上昇(5 %)と購買量の増加(8 %)が影響している。ま
た、2010 年の予算では、多国間・二国間機関の信託基金の管
理により、ネットで 670 万ドルの受託手数料の収入が見込ま
して 3 億 7,900 万ドルの支出となった。圧縮額 990 万ドルの
れている。
うち、2009 年の最終支出額の 2 %に相当する 770 万ドル が
2010 年に繰り越された。業務予算と管理予算において一部の
予算が計上されている。これは主に、本部施設および現地事務
予算項目で予算が超過したが、同一項目内の付け替えより、予
所の定期的な設備投資、ならびにセキュリティや安全関連の
算内に収めることができた。節減が生じた主な要因は、職員の
支出に充当される。
2010 年予算には内部管理費に加え、650 万ドルの年間資本
欠員のほか、移転関連、出張、事務所占有、契約サービスの経費
が予算を下回ったことによる。これら節減分は、資金需要が高
まった職員の年金基金への追加拠出を行ったことに伴い職員
総務事務
総務部(OAS)は職員の管理技術や専門的な技術の向上を通
じて、引き続き全体的なサービスの実施を改善した。
2010 年の内部管理費予算は
4 億 3,950 万ドルと
2009 年予算から
13%の増額となった。
OAS は 2009 年 5 月、地域協力・持続的開発局とともに持
続可能性に関する報告書を作成した。OAS は環境保健および
安全性管理制度の一環として、環境マネジメントシステム面
では ISO(国際標準化機構)14001 を取得、労働安全衛生マネ
ジメントシステム面では OSHAS 18001 の再認証を受けた。
OAS はエネルギー監査を実施し、グリーン調達手順の指針を
これには独立評価局予算
立ち上げた。これらの活動は米グリーンビル協議会が認証す
840 万ドルが含まれている
を取得するための手段である。
財務と管理
ネパールのバジャン地区の農家と意見交換を行う駐在員事務所の職員
る LEED(エネルギー・環境デザイン・リーダーシップ)の認証
年次報告 2009
95
OAS はまた、OAS はマイクロフィルムプロセスを改善し、
通信・輸送サービスを合理化し、IT 在庫管理を自動化した。
さらに、OAS が担当する各業務について、合理化や自動化に
よる効率向上の判断材料とするため、現在のプロセスをマッ
ピングした。また、eTrip(オンラインによる旅程作成サービ
ス)を立ち上げたほか、多機能プリンターの新規導入により
備品の利用を合理化した。iLink についても情報調整の役割
を強化し、セクターに特化した調査を月刊ニュースレターに
まとめた iLink Digest の発行を開始した。2009 年 10 月には、
ADB の電子文書保管システム(eSTAR)が稼動から 1 周年を
迎え、2009 年 12 月末には 20 万以上の文書データが保管さ
れた。
OAS は救急医療に対処するためにパンデミック危機管理計
画を採択したが、これは 2009 年にマニラを襲った台風被害の
際に、高いレベルで危機対応の準備ができていたことが実証
された。
OAS は駐在員事務所に対する支援として、事務所施設、土
地や資産、自動車保険、安全性、セキュリティに注力し、駐在員
ADB カンボジア駐在員事務所でプノンペン・プラン学習センターを
利用している研究員
事務所に勤務する職員に対する就労規則管理政策が合理化さ
れた。本部建物については修繕プログラムを継続実施し、屋根
付き通路を設置したほか、カフェテリアとキッチンの改修も
した。これらには、ADB の電子メールサービス、支払いゲー
行った。第 3 アトリウムおよび駐車場の拡張に対する承認も
トウェー、データ保存システム、メインフレーム OS、オラク
取得し、スペース拡張の必要性に備えた。
ルのエンタープライズ・リソース・プランニング・プラット
OAS のイベント管理ユニットは 2008 年 7 月の業務開始以
来、120 件を超えるイベントを開催した。
フォーム、およびエンタープライズ・ポータル向けインフラ
の更新が含まれる。ネットワーク回線容量も同様に、駐在員
事務所の接続性を高めるために最適化された。
情報システム技術
情報システム技術部(OIST)は 2009 年、引き続き各種ア
同部は財務報告に関する内部統制の維持にも重点を置い
た。すべての PC に、より強力なアンチウイルスソフトをイン
ストールするなど、駐在員事務所のサーバーおよび ADB の
ネットワークを対象とするセキュリティ措置が強化された。
ワーク、情報技術(IT)のプロセスおよびガバナンスを改善し
ADB のオンラインシステムの脆弱性を評価するため、ウェブ
た。また、情報システムおよび技術戦略Ⅱ(ISTS Ⅱ)の実施を
アプリケーション向けセキュリティソフトも調達された。災
半ばまで終了した。
害復旧テストを定期的に実施し、重要な支払い業務を担当す
ISTS Ⅱ お よ び ス ト ラ テ ジ ー 2020 の 実 施 の 一 環 と し て、
同 部は 2009 年に 数件の IT インフ ラ・プロジェクト を 完了
る職員のためにリモートアクセスを実現した。
ビジネスプロセスの統合化と、スタッフによる適切な情報
へのアクセスにも重点が置かれた。ADB のビジネスプロセス
を単一の電子文書保管システムで管理できるよう、アーキテ
クチャ・イニシアチブの一環として、ビジネスプロセス・モデ
総務部は、環境衛生および
安全管理システムに関する
国際的な認証の更新をはじめ、
職員のマネジメントや
専門技術向上に力を注いだ
リングが導入された。
人材採用および職員管理も自動化が進んだ。24 の駐在員事
務所で会計ソフトが、14 の現地事務所で給与管理アプリケー
ションが改良され、駐在員事務所と本部の業務のシームレス
な統合に道が開かれた。
ADB 初の電子文書保管システムである eStar が完成するな
ど連携技術ソリューションに重点が置かれた。
プロジェクトの中にはビジネスプロセス情報を取り込んだ
財務と管理
プリケーションシステムのインストールを行い、ADB ネット
96
アジア開発銀行
のモニタリング・プロセスを導入した。サービスレベルにつ
いての基準が導入されたことで、ディスバースメント効率は
大幅に向上し、取引量が 15.5 %増加したにもかかわらず、実
行の全プロセスに要する時間は前年比で 8.2%短縮(借入者、
実施機関、業務部局・現地事務所との連絡に要する時間を含
む)された。
2009 年 末 に は、融 資 に 関 す る 実 行 処 理 機 能 は 7 カ 所 の
駐在員事務所に権限委任されている。より小規模なポート
フォリオを抱えた他の 7 カ所の遠隔地の駐在員事務所は、借
入者の実行の要請に対する初期評価を行い、駐在員事務所か
ら会計局に直接実行申請書を電子的に送付することにより、
融資の早期実行を推進した。融資実行における駐在員事務
所の役割が高まったことにより、借入者と実施機関のコミュ
ニケーションも向上した。
同様の取り組みとして、開発途上加盟国の借入者、実施機
バングラデシュをはじめ、駐在員事務所の職員たちも新しい給与体系の
恩恵を得る
関、および駐在員事務所の融資実行担当者の能力開発を支援
するため、会計局は借入者および実施機関の事務担当官ら
1,000 人以上を対象に、36 件の融資の実行と会計の研修セ
ミナーを実施したほか、ニーズを把握し連携を深めるために
ものもあった。オペレーション・ダッシュボードが導入され、
オンライン報告に向けた「ワンストップ・ショップ」が業務部
ADB 内の地域局とのコンサルテーションも行った。
さらに、借入者、実施機関、ADB のプロジェクトチームによ
局に提供された。成果管理システムも導入された。コンサルタ
る融資を処理・管理作業を支援するため、融資に関する会計・
ント調達や出張プロセスも漸次自動化され、財務部に対して
サービスのツールも開発した(eC-LAS)。 eC-LAS はすでに配
は資金管理システムが完成した。
布が開始しており、中国、パキスタン、フィリピン、ウズベキス
こうした新しい IT システムへの移行にあたり、ユーザーサ
タンでユーザー研修も行われている。eC-LAS は中国語に翻訳
ポートも引き続き行われた。本部および現地事務所における
されており、露語版の翻訳も始まっている。現在、融資実行に
財務と管理
研修ワークショップを開催するとともに、ビジネス上の様々
関するウェブサイトに加えて、借入者、実施機関、ADB 職員、
な要請を処理するための改善されたエンゲージメントモデル
その他関連機関を対象とした融資の会計サービス ・ 専用サイ
を構築した。
トも開発が始まっている。
融資、グラント(無償援助)、技術協力
の実行
財務報告
会計局は特に金融商品の市場評価について、会計方針を
会計局(CTL)は引き続きサービスを向上した。融資、グラ
改定した。米国会計基準(USGAAP)から国際財務報告基準
ント、技術協力の実行に関する業務プロセスは見直しと簡便
(IFRS)への移行の可能性を考慮し、国際財務報告基準に関す
化が行われ、効率性が大きく向上した。ディスバースメント
る予備調査を開始した。会計局は、職員研修チームと連携し、
の成果をモニタリングするため、ベンチマークを設けて、実行
IFRS に関する職員の研修を強化している。
ADB では、コーポレートガバナンス向上に向けて財務報告
に関する内部統制を 2008 年から始めているが、これに対する
オペレーションダッシュボードの
経営陣の主張と外部監査人の認証を会計局がサポートした。
2009 年の主張および認証は、外部監査人のデロイト・トゥ
導入により、各部局に
シュの無限定意見とともに終了した。この取り組みによりス
オンライン報告のための
価、テスト技術に関する研修が強化された。
「ワンストップ・ショップ」
が提供された
タッフの内部統制に対する意識が高まり、内部統制、リスク評
会計局は情報システム技術部(OIST)の支援を受け、駐在員
事務所における業務の効率性、データの信頼性、内部統制を向
上するために、財務・管理会計システムを導入した。2009 年
年次報告 2009
12 月 31 日現在、27 ある駐在員事務所・地域事務所のうち 24
カ所で同システムが使用されている。会計局はアジア太平洋
支出実行における駐在員事務所の
カーボン・ファンド、フューチャー・カーボン・ファンド、融
役割が増加したことにより、
資パートナーシップ・ファシリティ、気候変動基金といった
借入者と実施機関の
新しい信託基金に対しても会計事務を支援し、ADB が信託基
金の資金管理者としての受託責任を確実に果たせるよう努め
97
コミュニケーションが向上した
ている。
財務と管理
職務レベル間での職員配置する管理システムの改善がなされている
98
アジア開発銀行
第 14 章
付録
付録 1
加盟国、資本金および議決権
付録 2
2009 年中に採択された総務会決議
100
付録 3
2009 年中に理事会が検討した政策、戦略および財務書類(抜粋)
100
付録 4
総務会
101
付録 5
理事会および議決グループ
103
付録 6
理事会委員会
104
付録 7
アジア開発銀行研究所諮問委員会
105
付録 8
組織図
106
付録 9
歴代の総裁および副総裁
107
99
付録
付録 10 2009 年内部管理費および 2010 年予算の概要
108
付録 11 加盟国別経営陣および職員数
109
付録 12 駐在員事務所の定員数
110
付録 13 駐在員事務所(RM)数およびその職員数の推移
111
付録 14 ADB の主な知識成果物
112
付録 15 ソブリン業務の評価
118
年次報告 2009
99
付録 1
加盟国、資本金および議決権
(2009 年 12 月 31 日現在)
加盟国
加盟年
応募済資本 a
(構成比%)
議決権 b
(構成比%)
加盟国
加盟年
応募済資本 a
(構成比%)
議決権 b
(構成比%)
域外
域内
アフガニスタン
1966
0.031
0.323
オーストリア
1966
0.310
0.546
アルメニア
2005
0.271
0.516
ベルギー
1966
0.310
0.546
オーストラリア
1966
5.264
4.510
カナダ
1966
4.759
4.106
アゼルバイジャン
1999
0.405
0.622
デンマーク
1966
0.310
0.546
バングラデシュ
1973
2.787
2.528
フィンランド
1966
0.310
0.546
ブータン
1982
0.006
0.303
フランス
1970
2.117
1.992
ブルネイ
2006
0.320
0.555
ドイツ
1966
3.936
3.447
カンボジア
1966
0.045
0.334
アイルランド
2006
0.310
0.546
中国
1986
5.862
4.988
イタリア
1966
1.644
1.614
クック諸島
1976
0.002
0.300
ルクセンブルク
2003
0.310
0.546
フィジー諸島
1970
0.062
0.348
オランダ
1966
0.933
1.045
グルジア
2007
0.311
0.547
ノルウェー
1966
0.310
0.546
香港
1969
0.495
0.695
ポルトガル
2002
0.310
0.546
インド
1966
5.760
4.906
スペイン
1986
0.310
0.546
インドネシア
1966
4.955
4.262
スウェーデン
1966
0.310
0.546
日本
1966
14.198
11.657
スイス
1967
0.531
0.723
カザフスタン
1994
0.734
0.885
トルコ
1991
0.310
0.546
キリバス
1974
0.004
0.301
英国
1966
1.858
1.785
韓国
1966
4.583
3.965
米国
1966
14.198
11.657
キルギス
1994
0.272
0.516
ラオス
1966
0.013
0.309
マレーシア
1966
2.477
2.280
モルジブ
1978
0.004
0.301
マーシャル諸島
1990
0.002
0.300
ミクロネシア連邦
1990
0.004
0.301
モンゴル
1991
0.014
0.309
ミャンマー
1973
0.495
0.695
ナウル
1991
0.004
0.301
ネパール
1966
0.134
0.406
ニュージーランド
1966
1.397
1.416
パキスタン
1966
5.945
5.055
パラオ
2003
0.003
0.301
パプアニューギニア
1971
0.085
0.367
フィリピン
1966
2.168
2.033
サモア
1966
0.003
0.301
シンガポール
1966
0.310
0.546
ソロモン諸島
1973
0.006
0.303
スリランカ
1966
0.528
0.721
台湾
1966
0.991
1.091
タジキスタン
1998
0.782
0.924
タイ
1966
3.716
3.271
東ティモール
2002
0.009
0.306
トンガ
1972
0.004
0.301
トルクメニスタン
2000
0.230
0.483
ツバル
1993
0.001
0.300
ウズベキスタン
1995
0.613
0.789
バヌアツ
1981
0.006
0.303
ベトナム
1966
0.310
0.547
66.619
67.623
33.381
32.377
100.000
100.000
注:小数点以下の処理により合計が一致しない場合がある。
現在、第 5 次一般増資への払込みが行われているため、加盟国の持分比率および議決権は払
込み応募期間中、随時変動する。
a 応募済資本とは、ADB の資本に対する加盟国の応募済持ち分をいう。
b 各加盟国の総議決権は、基本議決権と比例議決権からなる。各加盟国の基本議決権数は、全
加盟国の基本議決権と比例議決権の合計の 20%を全加盟国で均等に配分した議決権数で
ある。各加盟国の比例議決権数は、当該加盟国が保有する ADB の株式の数と同じである。
付録
域内小計
域外小計
合計
アジア開発銀行
100
付録 2
2009 年中に採択された総務会決議
決議番号
件名
採択日
334
規則第 5 条に関する決定
2月 9日
335
規則第 7 条(B(
)a)の修正
2月 9日
336
授権資本の増加および当該募集
4 月 29 日
337
財務諸表、財務管理に関する経営陣報告書、および外部監査機関の報告書
5月 5日
338
純利益の分配
5月 5日
339
第 43 回年次総会(2010 年)の開催場所と日時
5月 5日
340
理事選出手続き
5 月 16 日
341
グラントによるアジア開発基金財源の使用に関する法的枠組みの創設
6 月 10 日
付録 3
2009 年中に理事会が検討した政策、戦略および財務書類(抜粋)
件名
審議日
人事戦略(2005~2007 年)の包括的見直し
1 月 20 日
通常資本財源(OCR)規模の見直し
2月 3日
本部勤務の事務担当官 / 事務職員(NO/AS)の給与および諸手当の改定
3月 4日
第 5 次一般増資
4月 6日
年次財務諸表
4月 7日
融資手数料の改定および 2008 年純益の配分
4月 7日
世界経済危機への対応−景気循環相殺支援ファシリティ(CSF)の設置
6 月 16 日
アジア開発基金(ADF)による危機対策−供与額の追加配分
6 月 16 日
エネルギー政策
6 月 18 日
ノンソブリン業務にかかるエクスポージャー限度額の見直し
6 月 19 日
2008 年の開発効果レビュー
7 月 14 日
セーフガード政策文書
7 月 20 日
業務計画と予算枠組み(2010~2012 年)
9 月 21 日
紛争終結後のスリランカにおける業務方法
9 月 28 日
ノンソブリン業務にかかるエクスポージャー上限の見直し
10 月 7 日
専門職員(PS)の給与および諸手当の改定
10 月 20 日
太平洋地域に対する支援方法(2010~2014 年)
11 月 19 日
付録
2010 年借入プログラム
12 月 10 日
2010 年予算
12 月 17 日
アジア開発銀行研究所(ADBI)3 カ年業務計画(2010~2012 年)と 2010 年予算
12 月 17 日
特別資本予算案:ADB 本部ビルおよび一部駐在員事務所の拡張
12 月 17 日
年次報告 2009
101
付録 4
総務会
(2010 年 2 月 2 日現在)
Rustam Azimov
(ウズベキスタン)
議長
Patrick Pruaitch, MP
Elena Salgado Méndez
(パプアニューギニア)
副議長
(スペイン)
副議長
加盟国
総務
総務代理
Omar Zakhilwal
Abdul Qadeer Fitrat
Nerses Yeritsyan
Musegh Tumasyan
オーストラリア
Wayne Swan, MP
Bob McMullan MP
オーストリア
Josef Pröll
Günther Schönleitner
アゼルバイジャン
Samir Sharifov
Shahin Mustafayev
バングラデシュ
Abul Maal A. Muhith
Md. Musharraf Hossain Bhuiyan
ベルギー
Didier Reynders
Gino Alzetta
ブータン
Wangdi Norbu
Nim Dorji
ブルネイ
Pehin Dato Abdul Rahman Ibrahim
Mohd Roselan Mohd Daud
カンボジア
Keat Chhon
Aun Porn Moniroth
カナダ
Lawrence Cannon
James A. Haley
中国
Xie Xuren(謝 旭人)
Li Yong(李 勇)
クック諸島
Wilkie Rasmussen
Kevin Carr
デンマーク
Susan Ulbæk
Martin Bille Hermann
フィジー諸島
Josaia Voreqe Bainimarama
Sada Sivan Reddy
フィンランド
Ritva Koukku-Ronde
Pasi Hellman
フランス
Christine Lagarde
Ramon Fernandez
ドイツ
Gudrun Kopp
Rolf Wenzel
グルジア
Kakha Baindurashvili
Zurab Pololikashvili
香港
John Tsang Chun-wah
Norman Chan
インド
Pranab Mukherjee
Ashok Chawla
インドネシア
Sri Mulyani Indrawati
Armida Alisjahbana
アイルランド
Brian Lenihan, T.D.
Michael J. McGrath
イタリア
Mario Draghi
Carlo Monticelli
日本
菅 直人
白川 方明
カザフスタン
Bakhyt Turlyhanovich Sultanov
Ruslan Erbolatovich Dalenov
キリバス
Natan Teewe
Atanteora Beiatau
韓国
Jeung-Hyun Yoon(尹 増鉉)
Seongtae Lee(李 成太)
キルギス
Marat Abdyrazakovich Sultanov
Kanat Kubatovich Asangulov
ラオス
Somdy Douangdy
Somphao Phaysith
ルクセンブルク
Luc Frieden
Arsène Jacoby
マレーシア
Dato’ Sri Mohd Najib Bin Tun Haji Abdul Razak
Tan Sri Dr. Wan Abdul Aziz bin Wan Abdullah
モルジブ
Ali Hashim
Ahmed As-ad
マーシャル諸島
Jack J. Ading
Amon Tibon
ミクロネシア連邦
Finley S. Perman
Lorin Robert
モンゴル
Bayartsogt Sangajav
Purevdorj Lkhasuren
ミャンマー
Hla Tun
Daw Myo Nwe
ナウル
Kieren Keke, MP
Tim Drown
ネパール
Surendra Pandey
Rameshore Prasad Khanal
オランダ
空席
Yoka Brandt
付録
アフガニスタン
アルメニア
102
アジア開発銀行
加盟国
総務
総務代理
ニュージーランド
Bill English
John Whitehead
ノルウェー
Ingrid Fiskaa
Henrik Harboe
パキスタン
Shaukat Tarin
Sibtain Fazal Halim
パラオ
Kerai Mariur
Marino Rechesengel
パプアニューギニア
Patrick Pruaitch, MP
Simon Tosali
フィリピン
Margarito B. Teves
Amando M. Tetangco, Jr.
ポルトガル
Fernando Teixeira dos Santos
Carlos Costa Pina
サモア
Nickel Lee-Hang
Tupaimatuna lulai Lavea
シンガポール
Tharman Shanmugaratnam
Peter Ong Boon Kwee
ソロモン諸島
Snyder Rini
Shadrach Fanega
スペイン
Elena Salgado Méndez
José Manuel Campa Fernández
スリランカ
Mahinda Rajapaksa
P.B. Jayasundera
スウェーデン
Joakim Stymne
Anders Bengtcén
スイス
Beatrice Maser Mallor
Jurg Benz
台湾
Fai-nan Perng
Ming-Chung Tseng
タジキスタン
Matlubkhon S. Davlatov
Kh.Kh Tagoimurodov
タイ
Korn Chatikavanij
Sathit Limpongpan
東ティモール
Emilia Pires
Joao Mendes Goncalves
トンガ
Feleti Vaka’ uta Sevele
Aisake Eke
トルコ
İbrahim H. Çanakcı
Memduh Aslan Akçay
トルクメニスタン
Guvanchmurad Geoklenov
Muhammetgeldi Atayev
ツバル
Lotoala Metia
Minute Alapati Taupo
英国
Douglas Alexander
Michael Foster
米国
Timothy Geithner
Robert D. Hormats
ウズベキスタン
Rustam Azimov
Galina Saidova
バヌアツ
Sela Molisa
George Singara Maniuri
ベトナム
Nguyen Van Giau
Nguyen Van Binh
付録
年次報告 2009
103
付録 5
理事会および議決グループ
(2010 年 2 月 2 日現在)
理事
理事代理
代表される加盟国
Phil Bowen
Dereck Rooken-Smith
オーストラリア、アゼルバイジャン、カンボジア、ミクロネシア連邦、
グルジア、香港、キリバス、ナウル、パラオ、ソロモン諸島、ツバル
Howard Brown
Torben Bellers
カナダ、デンマーク、フィンランド、アイルランド、オランダ、
ノルウェー、スウェーデン
Curtis S. Chin
Paul W. Curry
米国
Marwanto Harjowiryono 1
C .J. (Stan) Vandersyp
クック諸島、フィジー諸島、インドネシア、キルギス、ニュージーランド、
サモア、トンガ
Ashok K. Lahiri
Md. Aminul Islam Bhuiyan
アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、インド、ラオス、
タジキスタン、トルクメニスタン
Michele Miari Fulcis
Jose Miguel Cortes 2
ベルギー、フランス、イタリア、ポルトガル、スペイン、スイス
坂口 勝一
渡部 康人
日本
Siraj S. Shamsuddin 3
Marita Magpili-Jimenez 4
カザフスタン、モルジブ、マーシャル諸島、モンゴル、パキスタン、
フィリピン、東ティモール
Jaejung Song 5
空席
韓国、パプアニューギニア、スリランカ、台湾、ウズベキスタン、
バヌアツ、ベトナム
Chaiyuth Sudthitanakorn 6
Govinda Bahadur Thapa 7
ブルネイ、マレーシア、ミャンマー、ネパール、シンガポール、タイ
Eduard Westreicher 8
Richard Edwards
オーストリア、ドイツ、ルクセンブルク、トルコ、英国
Yingming Yang 9
Xiuzhen Guan 10
中国
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
2009 年 8 月に Ceppie K. Sumadilaga の後任として就任。
2009 年 8 月に João Simo-es de Almeida の後任として就任。
2009 年 7 月に Marita Magpili-Jimenez の後任として就任。
2009 年 7 月に Siraj S. Shamsuddin の後任として就任。
2010 年 2 月に Kyung-Hoh Kim の後任として就任。
2009 年 11 月に Md. Saad Hashim の後任として就任。
2009 年 8 月に Siew Juan Aw の後任として就任。
2009 年 2 月に Sebastian Paust の後任として就任。
2009 年 9 月に Wencai Zhang の後任として就任。
2009 年 8 月に Fangyu Liu の後任として就任。
付録
104
アジア開発銀行
付録 6
理事会委員会
監査委員会
開発効果委員会
Kyung-Hoh Kim(委員長)
Ashok K. Lahiri(委員長)
Curtis Chin
Eduard Westreicher
Chaiyuth Sudthitanakorn
Torben Bellers
Michele Miari Fulcis
Marita Magpili-Jimenez
Dereck Rooken-Smith
Govinda Bahadur Thapa
C. J. Vandersyp
渡部 康人
予算委員会
倫理委員会
Yingming Yang(委員長)
Marwanto Harjowiryono(委員長)
Phil Bowen
Phil Bowen
坂口 勝一
Howard Brown
Marwanto Harjowiryono
Ashok Lahiri
Jose Miguel Cortes
Yingming Yang
Paul Curry
コンプライアンス審査委員会
人事委員会
Eduard Westreicher(委員長)
Siraj Shamsuddin(委員長)
Howard Brown
Curtis Chin
Siraj Shamsuddin
Kyung-hoh Kim
Chaiyuth Sudthitanakorn
坂口 勝一
Md. Aminul Islam Bhuiyan
Richard Edwards
Tsuen-Hua (James) Shih
Xiuzhen Guan
年次報告 2009 作業部会
Richard Edwards(委員長)
Md. Aminul Islam Bhuiyan
Paul W. Curry
付録
Xiuzhen Guan
Dereck Rooken-Smith
渡部 康人
年次報告 2009
105
付録 7
アジア開発銀行研究所諮問委員会
(2009 年 12 月 31 日現在)
青木 昌彦
国際経済学連合(IEA)会長、日本
K.M. Chandrasekhar
政府官房長官、インド
Gang Fan
国民経済研究所所長、中国
Victor H. Frank, Jr.
アジアプログラム基金総裁、米国
Eric Girardin
エクス・マルセイユ第 2 大学(地中海大学)経済学教授、フランス
Andrew MacIntyre
オーストラリア国立大学クロフォード経済政治学研究大学院学長、オーストラリア
Jong-Wha Lee
ADB チーフエコノミスト
アジア開発銀行研究所歴代所長
河合 正弘(2007 年 1 月 ~)
Peter McCawley(2003 年 1 月 ~2007 年 1 月)
吉冨 勝(1999 年 1 月 ~2003 年 1 月)
Jesus P. Estanislao(1997 年 12 月 ~1999 年 1 月)
付録
アジア開発銀行
106
付録 8
組織図 1
総務会
(2010 年 2 月 28 日現在)
理事会
監察審査部 2
B. Purdue 事務局長
独立評価局
3
H.S. Rao 局長
総裁
黒田 東彦
事務総長
R. Nag
アジア開発銀行研究所
河合 正弘 所長
監査部
K. Moktan 部長
特別上級顧問(インフラ・水担当)
A. Thapan
汚職防止・公正管理室
P. Pedersen 室長
副総裁
(知識管理・持続的開発担当)
U. Schäfer-Preuss
地域協力・持続的開発局
X. Yao 4 局長
経済調査局
J. W. Lee
チーフエコノミスト
協調融資業務室
近藤 理 室長
戦略・政策局
坂井 和 局長
副総裁
(業務 1 地域担当)
X. Zhao
南アジア局
C. Lawrence Greenwood, Jr.
東アジア局
バングラデシュ
駐在員事務所
P. Heytens 所長
中国
駐在員事務所
R. Wihtol 所長
J. Hovland 局長
インド
駐在員事務所
H. Kim 所長
モンゴル
駐在員事務所
A. Ruthenberg 所長
ネパール
駐在員事務所
B. Hitchcock 所長
東南アジア局
千賀 邦夫 局長
カンボジア
駐在員事務所
P. Kamayana 所長
アフガニスタン
駐在員事務所
C. Steffensen 所長
ラオス
駐在員事務所
(空席)所長
J. Limandibrata 室長
アゼルバイジャン
駐在員事務所
(空席)所長
フィリピン
国内事務所
N. Jain 所長
広報局
A. Quon 主任ディレクター
カザフスタン
駐在員事務所
G. Li 所長
タイ
駐在員事務所
J. Verbiest 所長
キルギス
駐在員事務所
L. Wu 所長
ベトナム
駐在員事務所
小西 歩 所長
付録
欧州代表事務所
A. A. Monari
所長
駐日代表事務所
中森 邦樹
所長
北米代表事務所
C. W. Maccormac
所長
パキスタン
駐在員事務所
R. Stroem 所長
太平洋局
(空席)局長
タジキスタン
駐在員事務所
尾城 真理 所長
太平洋地域連絡調整事務所
E. Zhukov 所長
ウズベキスタン
駐在員事務所
樋口 和彦 所長
南太平洋地域事務所
R. K. Leonard 所長
民間部門業務局
P. Erquiaga 局長
パプアニューギニア
駐在員事務所
C. Andrews 所長
東ティモール特別連絡事務所
L. Pochard 所長
1
2
3
4
経営陣および幹部職員の一覧は www.adb.org/About/management.asp を参照。
監察審査部が理事会に報告。
独立評価局が開発効果委員会を通じて理事会に報告。
コンプライアンス統括責任者を兼務。
官房
R. L. T. Dawson 官房長
中央・西アジア局
J. Miranda 局長
リスク管理室
B. Lohani
K. Gerhaeusser 局長
インドネシア
駐在員事務所
J. Nugent 所長
特別案件促進部
R. May 部長
副総裁
(財務・管理担当)
S. H. Rahman 局長
スリランカ
駐在員事務所
R. Vokes 所長
地域経済統合室
(空席)室長
副総裁
(業務 2 地域担当)
中央業務サービス部
H. Sharif 部長
法務局
予算・人事・経営システム局
玉川 雅之 局長
総務部
C. Rajendran 部長
会計局
H. Jung 局長
財務局
柏木 幹夫 局長
情報システム技術部
S. Chander 部長
年次報告 2009
107
付録 9
歴代の総裁および副総裁
(2009 年 12 月 31 日現在)
総裁
渡辺 武
1966 年 11 月 24 日 ~ 1972 年 11 月 24 日
井上 四郎
1972 年 11 月 25 日 ~ 1976 年 11 月 23 日
吉田 太郎一
1976 年 11 月 24 日 ~ 1981 年 11 月 23 日
藤岡 眞佐夫
1981 年 11 月 24 日 ~ 1989 年 11 月 23 日
垂水 公正
1989 年 11 月 24 日 ~ 1993 年 11 月 23 日
佐藤 光夫
1993 年 11 月 24 日 ~ 1999 年 1 月 15 日
千野 忠男
1999 年 1 月 16 日 ~ 2005 年 1 月 31 日
副総裁
C. S. Krishna Moorthi
1966 年 12 月 19 日 ~ 1978 年 3 月 31 日
A. T. Bambawale
1978 年 4 月 1 日 ~ 1985 年 10 月 28 日
M. Narasimham
1985 年 11 月 1 日 ~ 1988 年 7 月 31 日
S. Stanley Katz
1978 年 4 月 1 日 ~ 1990 年 9 月 28 日
In Yong Chung
1988 年 8 月 1 日 ~ 1993 年 7 月 31 日
William R. Thomson
1990 年 10 月 1 日 ~ 1994 年 6 月 30 日
Günther G. Schulz
1983 年 4 月 1 日 ~ 1995 年 6 月 30 日
Bong-Suh Lee
1993 年 8 月 1 日 ~ 1998 年 7 月 31 日
Pierre Uhel
1995 年 7 月 1 日 ~ 1998 年 11 月 24 日
Peter H. Sullivan
1994 年 7 月 6 日 ~ 2000 年 9 月 20 日
Myoung-Ho Shin
1998 年 8 月 1 日 ~ 2003 年 7 月 31 日
John Lintjer
1999 年 1 月 18 日 ~ 2004 年 1 月 16 日
Joseph B. Eichenberger
2000 年 12 月 15 日 ~ 2005 年 12 月 23 日
Geert H.P.B van der Linden
2003 年 9 月 1 日 ~ 2006 年 8 月 31 日
Khempheng Pholsena
2004 年 4 月 5 日 ~ 2007 年 4 月 4 日
Liqun Jin
2003 年 8 月 1 日 ∼ 2008 年 7 月 18 日
付録
108
アジア開発銀行
付録 10
2009 年内部管理費および 2010 年予算の概要
(単位:千ドル)
2009 年
項目
振替 a 後
予算
2010 年予算
実績
A. 総務会
1,629
1,629
1,300
2,250
B. 理事会
25,140
25,140
24,226
25,952
理事室
14,850
14,850
14,540
14,847
アカウンタビリティ・メカニズム
2,328
2,328
2,103
2,742
独立評価局
7,962
7,962
7,583
8,363
C. 業務経費
295,474
295,474
292,418
336,383
給与
150,541
145,869
145,869
168,388
諸手当
88,103
92,232
92,232
100,240
職員能力開発費
4,400
4,639
4,639
5,330
移転費
6,544
6,346
4,754
7,813
コンサルタント費
21,629
22,131
22,131
25,630
出張費
23,883
23,883
22,439
28,540
会議費
374
374
354
442
D. 管理費
67,896
67,896
67,040
77,230
通信費
6,479
6,479
6,066
7,906
19,047
17,587
17,587
20,372
図書費
1,150
1,150
1,097
1,235
事務用消耗品費
1,708
1,708
1,505
1,584
事務所費
事務用設備・維持サポート費
契約サービス費
保険料
減価償却費
雑費
E. 合計(予備費除く)
F. 予備費
G. 減:信託基金からの振替資金
純 IAE
5,683
5,897
5,897
7,172
15,502
14,808
14,728
17,719
3,037
3,272
3,272
3,572
14,597
16,302
16,302
16,934
693
693
584
736
b
390,139
390,139
384,984
3,901
3,901
0
(5,172)
(5,172)
388,868
388,868
H. IAE 予算の繰越
–
–
I. 繰越後の純 IAE
388,868
388,868
(5,981)c
379,003
7,700e
386,703
441,815
4,418
(6,745)
439,488d
–
439,488
付録
( )= マイナス、IAE = 内部管理費。
– = 該当データなし、または計算されていない、"0" = 無視しうる範囲、
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 振替は、当該予算分類の予算超過分を埋めるため、各予算項目の当初金額を超過しない範囲で、予算項目間で行った。
b 日本特別基金(142 万 6,000 ドル)および日本奨学金プログラム(8 万 3,000 ドル)に関連する 150 万 9,000 ドルの支出を含む。一般に認められた会計原則、および記録・報告要件に準拠するた
め、財務諸表に組み込まれた以下の調整項目を除く。(i) 退職後医療給付(508 万 3,000 ドル)、(ii) 年金給付債務の費用に関する保険数理上の査定額(1,819 万 5,000 ドル)、(iii) 予算繰越による
支出(462 万 2,000 ドル)、(iv) 累計有給休暇(185 万 4,000 ドル)、(v) 未払い再定住 / 帰国手当引当金(257 万 8,000 ドル)および退職手当(60 万 5,000 ドル)、(vi) その他の調整額(18 万 6,000
ドル)。調整済み管理費総額は、財務諸表に示すとおり 4 億 1,810 万 8,000 ドルで、その内訳は、OCR1 億 9,363 万 8,000 ドル(2 億 1,603 万 5,000 ドルから前受手数料 2,239 万 7,000 ドルを差
引いたもの)、ADF2 億 56 万 4,000 ドル、日本特別基金および日本奨学金プログラム 150 万 9,000 ドルである。
c この金額(598 万 1,000 ドル)は、本年度中に信託基金管理に要したと思われる総経費の推定額を示している。
d 純 IAE の 2010 年予算の内訳は、独立評価局(IED)向け 836 万 3,000 ドル、および IED 以外の ADB 向け 4 億 3,112 万 5,000 ドル。
e 2006 年、理事会は、純 IAE 予算の最大 2%の次年度への予算繰越を、2007 年予算から導入することを承認した。これに従い、770 万ドル(2009 年純 IAE 予算の約 2%)が 2010 年に繰り越さ
れた。
年次報告 2009
109
付録 11
加盟国別経営陣および職員数
(2009 年 12 月 31 日現在)
加盟国
経営陣
専門職員
事務担当官 /
事務職員
加盟国
合計
経営陣
専門職員
事務担当官 /
事務職員
合計
域外
域内
オーストリア
0
8
0
ベルギー
0
6
0
6
カナダ
0
43
0
43
デンマーク
0
6
0
6
フィンランド
0
5
1
6
3
フランス
0
28
0
28
0
0
ドイツ
1
35
2
38
21
21
アイルランド
0
1
0
1
イタリア
0
16
0
16
ルクセンブルク
0
2
0
2
オランダ
0
15
0
15
6
ノルウェー
0
4
0
4
5
ポルトガル
0
3
0
3
スペイン
0
8
0
8
スウェーデン
0
9
0
9
135
スイス
0
5
0
5
7
12
トルコ
0
5
0
5
0
0
0
英国
0
32
0
32
0
41
1
42
米国
0
5
8
13
0
1
14
15
0
27
0
27
モルジブ
0
0
0
0
マーシャル諸島
0
0
0
0
ミクロネシア連邦
0
0
0
0
モンゴル
0
3
11
14
ミャンマー
0
2
0
2
ナウル
0
0
0
0
ネパール
1
6
27
34
ニュージーランド
0
15
0
15
パキスタン
0
22
39
61
パラオ
0
1
0
1
パプアニューギニア
0
1
7
8
フィリピン
0
31
1,231
1,262
サモア
0
1
0
1
シンガポール
0
8
0
8
ソロモン諸島
0
0
0
0
スリランカ
0
11
21
32
台湾
0
5
0
5
タジキスタン
0
2
9
11
タイ
0
10
9
19
東ティモール
0
1
3
4
トンガ
0
3
0
3
トルクメニスタン
0
0
0
0
ツバル
0
0
1
1
ウズベキスタン
0
5
16
21
バヌアツ
0
1
0
1
ベトナム
0
5
26
31
3
577
1,665
2,245
アフガニスタン
0
0
11
11
アルメニア
0
0
5
5
オーストラリア
0
52
7
59
アゼルバイジャン
0
0
4
4
バングラデシュ
0
8
46
54
ブータン
0
3
0
ブルネイ
0
0
カンボジア
0
0
中国
1
59
40
100
クック諸島
0
0
0
0
フィジー諸島
0
2
11
13
グルジア
0
1
5
香港
0
5
0
インド
0
69
44
113
インドネシア
0
36
37
73
日本
1
130
4
カザフスタン
0
5
キリバス
0
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
総計
1
119
2
122
2
350
5
357
5
927
1,670
2,602
付録
小計
小計
8
110
アジア開発銀行
付録 12
駐在員事務所の定員数 a
(2009 年)
国
専門職員
事務担当官
アナリスト・
現地事務職員
合計
駐在員事務所
バングラデシュ
8
15
23
46
14
21
24
59
ネパール
3
13
12
28
スリランカ
4
12
8
24
アフガニスタン
7
7
7
21
アゼルバイジャン
1
4
1
6
カザフスタン
3
5
6
14
キルギス
2
5
3
10
インド
パキスタン
10
18
20
48
タジキスタン
3
5
6
14
ウズベキスタン
3
5
7
15
アルメニア
–
2
3
5
グルジア
–
2
3
5
トルクメニスタン
–
3
3
トルコ
–
1
–
1
11
19
21
51
4
6
4
14
中国
モンゴル
カンボジア
5
9
7
21
12
15
16
43
ラオス
4
8
5
17
フィリピン
4
3
4
11
タイ
7
5
3
15
インドネシア
ベトナム
12
14
10
36
太平洋地域連絡調整事務所(シドニー)b
3
5
4
12
南太平洋地域事務所(フィジー諸島)
5
4
8
17
パプアニューギニア
3
4
5
12
c
付録
東ティモール特別事務所
小計
2
2
1
5
130
209
214
553
代表事務所
欧州
2
1
2
5
日本
2
1
2
5
北米
2
1
2
5
小計
6
3
6
15
本部 d
756
314
912
1,982
総計
892
526
1,132
2,550
a
b
c
d
本部からの出向ポストを含む。
ナウル、ソロモン諸島およびバヌアツを兼轄。
クック諸島、フィジー諸島、キリバス、サモア、トンガおよびツバルを兼轄。
ヤング・プロフェッショナルおよび理事会を除く。
年次報告 2009
111
付録 13
駐在員事務所(RM)数およびその職員数の推移
駐在員事務所数および職員数
2001
2002
2005
2006
2007
2008
2009
17
18a
20b
22
23
23
23
24
25
RM 定員総数
279
317
361
389
437
448
490
520
553
・事務担当官(NO)職員数
RM における専門職員(PS)
169
190
223
240
270
267
300
321
339
65
72
80
87
107
96
112
119
130
事務担当官(NO)
104
118
143
153
163
171
188
202
209
現地事務職員(AS)
110
127
138
149
167
181
190
199
214
ADB の定員総数
2,055
2,116
2,187
2,229
2,310
2,340
2,381
2,498
2,550
・事務担当官(NO)職員数
ADB の専門職員(PS)
1,020
1,071
1,153
1,189
1,253
1,271
1,304
1,378
1,418
729
759
791
797
824
824
836
875
892
駐在員事務所(RM)数
専門職員(PS)c
専門職員(PS)d
事務担当官(NO)
e
2003
2004
291
312
362
392
429
447
468
503
526
1,035
1,045
1,034
1,040
1,057
1,069
1,077
1,120
1,132
ADB の定員総数に占める RM の定員数の割合
13.6
15.0
16.5
17.5
18.9
19.1
20.6
20.8
21.7
・事務担当官(NO)職員総数に占める
ADB の専門職員(PS)
RM の PS・NO 職員数の割合
16.6
17.7
19.3
20.2
21.5
21.0
23.0
23.3
23.9
現地事務職員(AS)
専門職員(PS)
a
b
c
d
e
8.9
9.5
10.1
10.9
13.0
11.7
13.4
13.6
14.6
事務担当官(NO)
35.7
37.8
39.5
39.0
38.0
38.3
40.2
40.2
39.7
現地事務職員(AS)
10.6
12.2
13.3
14.3
15.8
16.9
17.6
17.8
18.9
東ティモール特別事務所を含み、タイ駐在員事務所を除く。
タイ駐在員事務所、アゼルバイジャン駐在員事務所、南太平洋地域事務所(フィジー諸島)および太平洋地域連絡調整事務所(オーストラリア・シドニー)を除く。
出向職員を含む。
ヤング・プロフェッショナルおよび理事会を除く。
現地採用の事務担当官と事務職員の区別は 2003 年に導入された。
付録
112
アジア開発銀行
付録 14
ADB の主な知識成果物
2009 年、ADB 各業務局によるきわめて多くの調査によって得られた知識が多数の知識成果物に反映された。このほか、多数の技術協力・地域技術協力報告書を通じ知識の普及も行
われた。さらに知識関連の 4 部局(アジア開発銀行研究所、経済調査局、地域経済統合室、地域協力・持続的開発局)
、独立評価局・広報局、4 地域局(中央・西アジア局、東アジア局、太
平洋局、東南アジア局)によって、2009 年中に作成されたの成果物は次の通り。
アジア開発銀行研究所
書籍
ADB and ADBI. Infrastructure for a Seamless Asia. Tokyo: ADBI.
ADBI. ADBI: Year in Review. Tokyo: ADBI.
Brooks, D. H., and D. Hummels (eds). Infrastructure’s Role for Lowering Trade
Costs: Building for Trade. Cheltenham, United Kingdom: Edward Elgar.
Kawai, M., and S. Stone (eds.). Asia’s Contribution to World Economic
Growth and Stability. Tokyo: ADBI.
ワーキング・ペーパー
付録
Adhikari, Bhim. Market-Based Approaches to Environmental Management:
A Review of Lessons from Payment for Environmental Services in Asia.
ADBI Working Paper Series No. 134. March.
Athukorala, Prema-chandra and Archanun Kohpaiboon. Intra-Regional Trade
in East Asia: The Decoupling Fallacy, Crisis, and Policy Challenges. ADBI
Working Paper Series No. 177. December.
Basir, Amir Akmar. Payment Systems in Malaysia: Recent Developments and
Issues. ADBI Working Paper Series No. 151. September.
Batten, Jonathan A., Warren P. Hogan, and Peter G. Szilagyi. Foreign Bond
Markets and Financial Market Development: International Perspectives.
ADBI Working Paper Series No. 173. December.
Bhattacharyay, Biswa and Prabir De. Restoring the Asian Silk Route: Toward
an Integrated Asia. ADBI Working Paper Series No. 140. June.
Bhattacharyay, Biswa. Infrastructure Development for ASEAN Economic
Integration. ADBI Working Paper Series No. 138. May.
Börsch-Supan, Axel and Alexander Ludwig. Old Europe Ages. Can it Still
Prosper? ADBI Working Paper Series No. 168. November.
Bosworth, Barry and Aaron Flaaen. America’s Financial Crisis: The End of an
Era. ADBI Working Paper Series No. 142. July.
Bown, Chad and Rachel McCulloch. US-Japan and US-PRC Trade Conflict:
Export Growth, Reciprocity, and the International Trading System. ADBI
Working Paper Series No. 158. November.
Cheong, Inkyo and Jungran Cho. The Impact of Free Trade Agreements
(FTAs) on Business in the Republic of Korea. ADBI Working Paper Series
No. 156. October.
Cho, Dong Chul. The Republic of Korea’s Economy in the Swirl of Global
Crisis. ADBI Working Paper Series No. 147. August.
Das, Ram Upendra. Imperatives of Regional Economic Integration in Asia in
the Context of Developmental Asymmetries: Some Policy Suggestions.
ADBI Working Paper Series No. 172. December.
Dean, Judith M., Mary E. Lovely, and Jesse Mora. Decomposing PRC-JapanUS Trade: Vertical Specialization, Ownership, and Organizational Form.
ADBI Working Paper Series No. 159. November.
Eichengreen, Barry. Lessons of the Crisis for Emerging Markets.
ADBI Working Paper Series No. 179. December.
Greaney, Theresa M. and Yao Li. Assessing Foreign Direct Investment
Relationships Between Japan, the People’s Republic of China, and the
United States. ADBI Working Paper Series No. 161. November.
Gupta, Souvik and Jacques Miniane. Recessions and Recoveries in Asia:
What Can the Past Teach Us about the Present Recession? ADBI Working
Paper Series No. 150. September.
Habito, Cielito F. Patterns of Inclusive Growth in Developing Asia:
Insights from an Enhanced Growth-Poverty Elasticity Analysis. ADBI
Working Paper Series No. 145. August.
Hiratsuka, Daisuke, Hitoshi Sato, and Ikumo Isono. Impacts of Free Trade
Agreements on Business Activity in Asia: The Case of Japan. ADBI
Working Paper Series No. 143. July.
Jitsuchon, Somchai and Chalongphob Sussangkarn. Thailand’s Growth
Rebalancing. ADBI Working Paper Series No. 154. October.
Jonung, Lars. Financial Crisis and Crisis Management in Sweden. Lessons for
Today. ADBI Working Paper Series No. 165. November.
Katada, Saori N. Political Economy of East Asian Regional Integration and
Cooperation. ADBI Working Paper Series No. 170. December.
Kawai, Masahiro and Fan Zhai. The People’s Republic of China-Japan-United
States Integration Amid Global Rebalancing: A Computable General
Equilibrium Analysis. ADBI Working Paper Series No. 152. October.
Kawai, Masahiro and Ganeshan Wignaraja. Asian FTAs: Trends and
Challenges. ADBI Working Paper Series No. 144. August.
Kawai, Masahiro and Ganeshan Wignaraja. The Asian “Noodle Bowl”:
Is It Serious for Business? ADBI Working Paper Series No. 136. April.
Kawai, Masahiro and Shinji Takagi. Why Was Japan Hit So Hard by the
Global Financial Crisis? ADBI Working Paper Series No. 153. October.
Kawai, Masahiro, Peter Petri, and Elif Sisli-Ciamarra. Asia in Global
Governance: A Case for Decentralized Institutions. ADBI Working Paper
Series No. 157. October.
Kawai, Masahiro. Reform of the International Financial Architecture:
An Asian Perspective. ADBI Working Paper Series No. 167. November.
Kawai, Masahiro and Fan Zhai. PRC-Latin America Economic Cooperation:
Going beyond Resource and Manufacturing Complementarity. ADBI
Working Paper Series No. 137. April.
Kim, Soyoung and Doo Yong Yang. International Monetary Transmission and
Exchange Rate Regimes: Floaters vs. Non-Floaters. ADBI Working Paper
Series No. 181. December.
Kumar, Rajiv and Pankaj Vashisht. The Global Economic Crisis: Impact
on India and Policy Responses. ADBI Working Paper Series No. 164.
November.
Liu, Xiangfeng. Impacts of the Global Financial Crisis on Small and Medium
Enterprises in the People’s Republic of China. ADBI Working Paper Series
No. 180. December.
Lu, Ming and Hong Gao. When Globalization Meets Urbanization: Labor
Market Reform, Income Inequality, and Economic Growth in the
People’s Republic of China. ADBI Working Paper Series No. 162.
November.
Ma, Alyson, Ari Van Assche, and Chang Hong. Global Production Networks
and the People’s Republic of China’s Processing Trade. ADBI Working
Paper Series No. 175. December.
Mondeil, Marie and Sununtar Setboonsarng. Enhancing Biodiversity Through
Market-Based Strategy: Organic Agriculture. ADBI Working Paper Series
No. 155. October.
Moon, Hyungpyo. Demographic Changes and Pension Reform in the
Republic of Korea. ADBI Working Paper Series No. 135. April.
Morgan, Peter. The Role and Effectiveness of Unconventional Monetary
Policy. ADBI Working Paper Series No. 163. November.
Nambiar, Shankaran. Malaysia and the Global Crisis: Impact, Response,
Rebalancing Strategies. ADBI Working Paper Series No. 148. August.
Padoan, Pier Carlo. Fiscal Policy in the Crisis: Impact, Sustainability, and LongTerm Implications. ADBI Working Paper Series No. 178. December.
Pomerleano, Michael. What Is the Impact of the Global Financial Crisis on
the Banking System in East Asia? Working Paper 146. August.
Reside, Jr., Renato E. Global Determinants of Stress and Risk in Public-Private
Partnerships (PPP) in Infrastructure. ADBI Working Paper Series No. 133.
March.
Setboonsarng, Sununtar, Jun Sakai, and Lucia Vancura. Food Safety and ICT
Traceability Systems: Lessons from Japan for Developing Countries. ADBI
Working Paper Series No. 139. May.
Spiegel, Mark M. Developing Asian Local Currency Bond Markets: Why and
How? ADBI Working Paper Series No. 182. December.
Staples, Brian Rankin and Jeremy Harris. Origin and Beyond: Trade Facilitation
Disaster or Trade Facilitation Opportunity? ADBI Working Paper Series
No. 171. December.
Stone, Susan and Ginalyn Komoto. Determining Poverty Impacts on Lao
People’s Democratic Republic and Cambodia: Reconciling Household
and GTAP Data. ADBI Working Paper Series No. 141. July.
年次報告 2009
Strutt, Anna and Susan Stone. Transport Infrastructure and Trade Facilitation
in the Greater Mekong Subregion. ADBI Working Paper Series No. 130.
January.
Thorbecke, Willem. An Empirical Analysis of ASEAN’s Labor-Intensive
Exports. ADBI Working Paper Series No. 166. November.
Thorbecke, Willem. An Empirical Analysis of East Asian Computer Exports.
ADBI Working Paper Series No. 160. November.
Titiheruw, Ira S. and Raymond Atje. Malaysia and the Global Crisis: Impact,
Response, Rebalancing Strategies. ADBI Working Paper Series No. 149.
August.
Todo, Yasuyuki, Weiying Zhang, and Li-An Zhou. Knowledge Spillovers
from FDI in the People’s Republic of China: The Role of Educated Labor
in Multinational Enterprises. ADBI Working Paper Series No. 174.
December.
Tsai, Ying Yi. Strategic Choice of Freight Mode and Investments in Transport
Infrastructure within Production Networks. ADBI Working Paper Series
No. 132. March.
Uchikawa, Shuji. Small and Medium Enterprises in Japan: Surviving the LongTerm Recession. ADBI Working Paper Series No. 169. November.
Wall, Larry D. Prudential Discipline for Financial Firms: Micro, Macro, and
Market Structures. ADBI Working Paper Series No. 176. December.
Zhuang, Juzhong and Fan Zhai. Agricultural Impact of Climate Change: A
General Equilibrium Analysis with Special Reference to Southeast Asia.
ADBI Working Paper Series No. 131. February.
リサーチ・ポリシー・ブリーフ
Morgan, Peter. Unregulated Entities, Products, and Markets: Challenges for
Monitoring and Regulation. Research Policy Brief 30. August.
Park, Yung Chul. The Global Economic Crisis and Rebalancing Growth in East
Asia. Research Policy Brief 31. December.
Takagi, Shinji. The Global Financial Crisis and Macroeconomic Policy Issues in
Asia. Research Policy Brief 32. December.
リサーチ・ペーパー
Rocha, Bruno. At Different Speeds: Policy Complementarities and the
Recovery from the Asian Crisis. Research Paper 74. July.
CD-ROM
ADBI. Mainstreaming Climate Change Adaptation into Developmental
Planning.
中央・西アジア局
意識啓発・マルチメディア資料
CAREC Notes February 2009, Issue No. 3. Lessons for Central Asia:
Experience with Regional Economic Cooperation.
CAREC Transport and Trade Facilitation: Partnership for Prosperity
Energy is Life: Bringing Power to Afghanistan
意識啓発・マルチメディア資料
ADB Corporate Brochure
ADB Experts Video Interviews – 31
ADB Review – 12 issues
Country Fact Sheets – 67
Development Asia
In Focus Series
Multimedia Features – 7
News Feature Videos on ADB Impact Stories – 71
Photo Essays – 26
Workers – Public Service Announcement
東アジア局
ADB ブリーフ
Fan Zhai, Tun Lin, Enerelt Byambadorj. A General Equilibrium Analysis of the
Impact of Climate Change on Agriculture in the People’s Republic of
China.
意識啓発資料
2008 East Asia Department Knowledge Management Initiatives
Impact of the Massive Carbon Intensity Cut
Knowledge Showcase: Addressing Energy Efficiency with Virtual Power Plans
PRC Response to the Crisis
The Economic Crisis and China’s Human Resource Challenge
Understanding Urban Water Tariff in the PRC
What Lies Ahead
ポリシー・ブリーフ
Country Gender Assessment
Observations and Suggestions on Improving Environment Management in
the PRC: Environmental Impact Assessment of Development Plans
Observations and Suggestions on Low-Income Housing Policies: Lessons
from International Experience
Observations and Suggestions on Managing International Capital Flow to
PRC
Observations and Suggestions on Rebalancing Growth in PRC:
Macroeconomic Policy Recommendations
Observations and Suggestions on Rebalancing Growth in PRC: Services
Sector Development
Observations and Suggestions on Social Assistance for Migrant Workers
Displaced by the Economic Downturn: Providing a Safety Net and
Foundation for A Strong Recovery
Policy Note on Comprehensive Agricultural Development: Opportunities from
the Current Economic Crisis
Policy Note on the Impact of the Economic Slowdown on the Public
Provision of Social Services
Policy Note on TVET Financing and Management (formerly Policy Note on
TVET Development—Guangdong and Hunan Province, PRC)
Promoting Urban Water Security in the PRC (formerly Policy Paper on
Managing Water Shortages in Urban Areas)
報告書
Biofuels in Asia
Green Benches: What can the People’s Republic of China Learn from
Environment Courts of Other Countries?
Investing for the Future: Education for All in the People’s Republic of China
Mongolia: Country Poverty Assessment
Mongolia: Private Sector Assessment
PRC Quarterly Economic Reports
ワーキング・ペーパー・シリーズ
Walker, George, Tun Lin, and Yoshiaki Kobayashi. Is Flood Insurance Feasible?
Experiences from the People’s Republic of China. ADB Sustainable
Development Working Paper Series No. 5.
Zifa Wang, Tun Lin, and George Walker. Earthquake Risk and Earthquake
Catastrophe Insurance for the PRC. ADB Sustainble Development
Working Paper Series No. 7.
経済調査局
代表的刊行物
Asian Development Outlook 2009
Asian Development Outlook Update 2009
Key Indicators for Asia and the Pacific 2009
報告書
ワーキング・ペーパー・シリーズ
2008 Annual Report
PCP Annual Assessment Report 2009
Adams, C., and D. Park. Causes and Consequences of Global Imbalances:
Perspective from Developing Asia. ADB Economics Working Paper Series
No. 157. April.
Aizenman, J., M. Chinn, and H. Ito. Surfing the Waves of Globalization: Asia
and Financial Globalization in the Context of the Trilemma.
ADB Economics Working Paper Series No. 180. December.
付録
広報局
113
114
アジア開発銀行
付録
Alba, J., D. Park, and P. Wang. Corporate Governance and Merger and
Acquisition Foreign Direct Investment: Firm-level Evidence from Japanese
Foreign Direct Investment into the US. ADB Economics Working Paper
Series No. 147. February.
Alba, J., D. Park, and P. Wang. The Impact of Exchange Rate on FDI and the
Interdependence of FDI over Time. ADB Economics Working Paper Series
No. 164. July.
Alessandrini, M. Alessandrini, B. Fattouh, B. Ferrarini, and P. Scaramozzino.
Tariff Liberalization and Trade Specialization in India. ADB Economics
Working Paper Series No. 177. November.
Ang, A., G. Sugiyarto, and S. Jha. Remittances and Household Behavior
in the Philippines. ADB Economics Working Paper Series No. 188.
December.
Bjornestad, L. Bjornestad. Fiscal Decentralization, Fiscal Incentives, and
Pro-Poor Outcomes: Evidence from Viet Nam. ADB Economics Working
Paper Series No. 168. August.
Cuevas, S., C. Mina, M. Barcenas, and A. Rosario. Informal Employment in
Indonesia. ADB Economics Working Paper Series No. 156. April.
Deolalikar, A., R. Hasan, and R. Somanathan. Public Goods Access and
Juvenile Sex Ratios in Rural India: Evidence from the 1991 and 2001
Village Census Data. ADB Economics Working Paper Series No. 167. July.
Felipe, J., J. S. L. McCombie, and K. Naqvi. Is Pakistan’s Growth Rate Balanceof-Payments Constrained? Policies and Implications for Development
and Growth. ADB Economics Working Paper Series No. 160. May.
Ha, J., Y. Kim, and J. Lee. The Optimal Structure of Technology Adoption and
Creation: Basic Research vs. Development in the Presence of Distance to
Frontier. ADB Economics Working Paper Series No. 163. June.
Hasan, R. and K. Jandoc. Quality of Jobs in the Philippines: Comparing SelfEmployment with Wage Employment. ADB Economics Working Paper
Series No. 148. March.
Hasan, R., R. Magsombol, and J. Cain. Poverty Impact of the Economic
Slowdown in Developing Asia: Some Scenarios. ADB Economics
Working Paper Series No. 153. April.
Hong, K., J. Lee, and H. Tang. Crises in Asia: Historical Perspectives and
Implications. ADB Economics Working Paper Series No. 152. April.
Ito, H., J. Jongwanich, and A. Terada-Hagiwara. What Makes Developing
Asia Resilient in a Financially Globalized World? ADB Economics
Working Paper Series No. 181. December.
James, W. US International Trade and the Global Economic Crisis.
ADB Economics Working Paper Series No. 179. November.
Jha, S., G. Sugiyarto, and C. Vargas-Silva. The Global Crisis and the Impact
on Remittances to Developing Asia. ADB Economics Working Paper
Series No. 185. December.
Jha, S., Jha, E. Prasad, and A. Terada-Hagiwara. Saving in Asia: Issues for
Rebalancing Growth. ADB Economics Working Paper Series No. 162.
June.
Jha, S., P. Quising, and S. Camingue. Macroeconomic Uncertainties, Oil
Subsidies, and Fiscal Sustainability in Asia. ADB Economics Working
Paper Series No. 150. April.
Jongwanich, J. and N. Magtibay-Ramos. Determinants of Structural Changes
of Food Exports from Developing Countries. ADB Economics Working
Paper Series No. 166. July.
Jongwanich, J. Equilibrium Real Exchange Rate, Misalignment, and Export
Performance in Developing Asia. ADB Economics Working Paper Series
No. 151. March.
Jongwanich, J. Impact of Food Safety Standards on Processed Food Exports
from Developing Countries. ADB Economics Working Paper Series
No. 154. April.
Jongwanich, J., W. James, P. Minor, and A. Greenbaum. Trade Structure
and the Transmission of Economic Distress in the High-Income OECD
Countries to Developing Asia. ADB Economics Working Paper Series No.
161. May.
Joshi, K., R. Hasan, and G. Amoranto. Surveys of Informal Sector
Enterprises—Some Measurement Issues. ADB Economics Working Paper
Series No. 183. December.
Khor, N. and I. Sebastian. Exports and the Global Crisis: Still Alive, though
Not Quite Kicking Yet. ADB Economics Working Paper Series No. 190.
December.
Kim, S., D. Park, and J. Park. Productivity Growth in Different Firm Sizes in
the Malaysian Manufacturing Sector: An Empirical Investigation.
ADB Economics Working Paper Series No. 176. November.
Kim, Y. Jin and J. Lee. Technological Change, Human Capital Structure, and
Multiple Growth Paths. ADB Economics Working Paper Series No. 149.
March.
Maligalig, D., S. Cuevas, and A. Rosario. Informal Employment in
Bangladesh. ADB Economics Working Paper Series No. 155. April.
Niimi, Y. Gender Equality and Inclusive Growth in Developing Asia.
ADB Economics Working Paper Series No. 186. December.
Park, D. Aging Asia’s Looming Pension Crisis. ADB Economics Working Paper
Series No. 165. July.
Park, D. and G. Estrada. Are Developing Asia’s Foreign Exchange Reserves
Excessive? An Empirical Examination. ADB Economics Working Paper
Series No. 170. September.
Park, D. and G. Estrada. Developing Asia’s Sovereign Wealth Funds and
Outward Foreign Direct Investment. ADB Economics Working Paper
Series No. 169. August.
Park, D. and K. Shin. Can Trade with the People’s Republic of China be an
Engine of Growth for Developing Asia? ADB Economics Working Paper
Series No. 172. October.
Park, D. and K. Shin. Saving, Investment, and Current Account Surplus in
Developing Asia. ADB Economics Working Paper Series No. 158. May.
Park, D. and K. Shin. The People’s Republic of China as an Engine of Growth
for Developing Asia?: Evidence from Vector Autoregression Models.
ADB Economics Working Paper Series No. 175. November.
Park, D. and Q. Xiao. Housing Prices and the Role of Speculation:
The Case of Seoul. ADB Economics Working Paper Series No. 146.
January.
Park, D., K. Shin, and J. Jongwanich. The Decline of Investment in East Asia
since the Asian Financial Crisis: An Overview and Empirical Examination.
ADB Economics Working Paper Series No. 187. December.
Raihan, S., B. Khondker, G. Sugiyarto, and S. Jha. Remittances and
Household Welfare: A Case Study of Bangladesh. ADB Economics
Working Paper Series No. 189. December.
Sim, B., M. de Castro, and M. Pascua. An Analysis of Revisions to Annual
GDP Estimates of Six ADB Regional Members. ADB Economics Working
Paper Series No. 184. December.
Son, H. A Cross-Country Analysis of Achievements and Inequities in
Economic Growth and Standards of Living. ADB Economics Working
Paper Series No. 159. May.
Son, H. and E. San Andres. How Has Asia Fared in the Global Crisis?
A Tale of Three Countries: Republic of Korea, Philippines, and Thailand.
ADB Economics Working Paper Series No. 174. October.
Son, H. Equity in Health and Health Care in the Philippines. ADB Economics
Working Paper Series No. 171. October.
Terada-Hagiwara, Akiko. Explaining Filipino Households’ Declining Saving
Rate. ADB Economics Working Paper Series No. 178. November.
Vargas-Silva, C., S. Jha, and G. Sugiyarto. Remittances in Asia: Implications
for the Fight against Poverty and the Pursuit of Economic Growth. ADB
Economics Working Paper Series No. 182. December.
Zhuang, J., H. Gunatilake, Y. Niimi, M. Khan, Y. Jiang, R. Hasan, N. Khor,
A. Lagman-Martin, P. Bracey, and B. Huang. Financial Sector
Development, Economic Growth, and Poverty Reduction: A Literature
Review. ADB Economics Working Paper Series No. 173. October.
学術誌
Asian Development Review Vol. 26 No. 2. December.
Asian Development Review Vol. 26 No. 1. June.
特別研究
Diagnosing the Philippine Economy. September.
Nepal: Critical Development Constraints. July.
The Economics of Climate Change in Southeast Asia: A Regional Review.
April.
独立評価局
報告書 / 報告書シリーズ
Evaluation Information Brief: Lessons from Processing and Ongoing
Implementation of Loan 2273-VIE(SF): Emergency Rehabilitation of
Calamity Damage Project
Evaluation Information Brief: Lessons from the Asian Development Bank’s
Responses to Financial Crises
年次報告 2009
Evaluation Knowledge Brief: Greenhouse Gas Implications of ADB’s Energy
Sector Operations
Impact Evaluation Study: Impact of Rural Water Supply and Sanitation in
Punjab, Pakistan
Special Evaluation Study: ADB Assistance for Public–Private Partnerships in
Infrastructure Development
Special Evaluation Study: Asian Development Bank’s Contribution to Inclusive
Development through Assistance for Rural Roads
Special Evaluation Study: ADB Support for Public Sector Reforms in the
Pacific: Enhance Results Through Ownership, Capacity, and Continuity
Special Evaluation Study: ADB Technical Assistance for Justice Reform in
Developing Member Countries
Special Evaluation Study: The Asian Development Bank’s Support to Gender
and Development, Phase 1: Relevance, Responsiveness and Results to
Date
総務部
意識啓発・マルチメディア資料
iLink Digest
iLink Monthly Summaries for education, environment, finance, infrastructure,
and regional cooperation
Law Link (weekly summaries on publications on law)
Mobile abstraction of TA consultants reports on energy to serve the needs of
the energy CoPs
New acquisitions list
業務報告書
eStar 1-year milestone report citing accomplishments and financial savings
derived
Process improvements actions in vital records management programs
地域経済統合室
書籍
India 2039: An Affluent Society in One Generation (prepared by Centennial
Group)
National Strategies for Regional Integration: South and East Asian Case
Studies
Pan-Asian Integration: Linking East and South Asia
Hamanaka, Shintaro. The Building Block versus Stumbling Block Debate of
Regionalism: From the Perspective of Service Trade Liberalization in Asia.
ADB Working Paper Series on Regional Economic Integration No. 28.
Kim, Soyoung, Jong-Wha Lee, and Cyn-Young Park. Emerging Asia:
Decoupling or Recoupling. ADB Working Paper Series on Regional
Economic Integration No. 31.
Kumar, Rajiv and Manjeeta Singh. India’s Role in South Asia Trade and
Investment Integration. ADB Working Paper Series on Regional
Economic Integration No. 32.
Lee, Chee Sung and Cyn-Young Park. Beyond the Crisis: Financial Regulatory
Reform in Emerging Asia. ADB Working Paper Series on Regional
Economic Integration No. 34.
Lee, Jong-Wha and Ju Hyun Pyun. Does Trade Integration Contribute to
Peace? ADB Working Paper Series on Regional Economic Integration
No. 24.
Madhur, Srinivasa, Ganeshan Wignaraja,and Peter Darjes. Roads for Asian
Integration: Measuring ADB’s Contribution to the Asian Highway
Network. ADB Working Paper Series on Regional Economic Integration
No. 37.
McKibbin, Warwick J. and Waranya Pim Chanthapun. Exchange Rate
Regimes in the Asia-Pacific Region and the Global Financial Crisis. ADB
Working Paper Series on Regional Economic Integration No. 36.
Menon, Jayant and Anna Melendez-Nakamura. Aging in Asia: Trends,
Impacts, and Responses. ADB Working Paper Series on Regional
Economic Integration No. 25.
Menon, Jayant. Managing Success in Viet Nam: Macroeconomic
Consequences of Large Capital Inflows with Limited Policy Tools. ADB
Working Paper Series on Regional Economic Integration No. 27.
Rao, M. Govinda. Promoting Trade and Investment in India’s Northeastern
Region. ADB Working Paper Series on Regional Economic Integration
No. 30.
Rigg, Robert and Lotte Schou-Zibell. The Financial Crisis and Money Markets
in Emerging Asia. ADB Working Paper Series on Regional Economic
Integration No. 38.
Warr, Peter, Jayant Menon, and Arief Anshory Yusuf. Regional Economic
Impacts of Cross-Border Infrastructure: A General Equilibrium
Application to Thailand and Lao PDR. ADB Working Paper Series on
Regional Economic Integration No. 35.
太平洋局
意識啓発・マルチメディア資料
意識啓発・マルチメディア資料
Profiles of Progress: Papua New Guinea
Institutions for Regionalism: Enhancing Economic Cooperation and
Integration in Asia and the Pacific–A Booklet
ポリシー・ブリーフ
報告書 / 報告書シリーズ
研修・指導資料
Aid for Trade in Asia and the Pacific: An Update
Trade Facilitation Handbook: Bridging the Gap Between Policy and Practice in
Asia and the Pacific (with UNESCAP)
ワーキング・ペーパー
Ando, Mitsuyo, Antoni Estevadeordal, and Christian Volpe Martincus.
Complements or Substitutes? Preferential and Multilateral Trade
Liberalization at the Sectoral Level. ADB Working Paper Series on
Regional Economic Integration No. 39.
Capannelli, Giovanni and Carlo Filippini. East Asian and European Economic
Integration: A Comparative Analysis. ADB Working Paper Series on
Regional Economic Integration No. 29.
Capannelli, Giovanni, Jong-Wha Lee, and Peter Petri. Developing Indicators
for Regional Economic Integration and Cooperation. ADB Working
Paper Series on Regional Economic Integration No. 33.
Hamanaka, Shintaro. Re-considering Asian Financial Regionalism in the
1990s. ADB Working Paper Series on Regional Economic Integration
No. 26.
Taking the Helm: A Policy Brief on a Response to the Global Economic Crisis
報告書 / 報告書シリーズ
Capacity Development Series: A Tale of Two CDs—Capacity Development and
Community Development in the Waste, Water, and Sanitation Sector in
Kiribati
Capacity Development Series: Building Capacity Through Participation—
Nauru National Sustainable Development Strategy
Capacity Development Series: Making Things Simpler?— Harmonizing Aid
Delivery in the Cook Islands
Capacity Development Series: Reconstructing A Fragile State—Institutional
Strengthening of the Ministry of Infrastructure Development
Capacity Development Series: The Community Justice Liaison Unit—Bridging
the State-Society Gap
Capacity Development Series: Vanuatu Legal Sector Strengthening Program
Finding Balance: Making State-Owned Enterprises Work in Fiji, Samoa, and
Tonga
Kiribati Social and Economic Report 2008
Kiribati’s Political Economy and Capacity Development
Pacific Economic Monitor (May, August, November issues)
Private Sector Development Initiative Annual Report
Strengthening Pacific Fragile States–The Marshall Islands Example
Sustaining Growth: A Private Sector Assessment for Vanuatu
What Works? Better Policies and Practices for a Better Pacific
付録
Asia Bond Monitor (February, June, September, and November)
Asia Capital Markets Monitor (April)
Asia Economic Monitor (July and December)
Comparative Perspectives on Trans-Pacific Trade, Integration, and
Development (with IADB)
115
116
アジア開発銀行
地域協力・持続的開発局
意識啓発・マルチメディア資料
付録
ADB/OECD Asia-Pacific Newsletter No. 12
ADB Regional Climate Change Responses: Directions for Action, Invitations
for Partnerships
Annual Report on the Governance Cooperation Fund
Beyond: Stories and Sounds from ADB’s Region
Changing Course: A New Paradigm on Sustainable Transport
Community e-Centers Brochure
Community-Driven Development on Infrastructure Corruption (brochure)
Community-Driven Development in Water Supply and Sanitation (brochure)
CSO Web Review – 12 issues (e-newsletter)
GACAP II Progress Report
Improving Results, Improving Lives: ADB’s Water Financing Partnership
Facility
Information Note 1 – Recommendations for Dealing with the Transition from
Disaster Response to Recovery
Information Note 2 – International Experiences and Suggestions on PostDisaster Rehabilitation and Reconstruction
Investing in Sustainable Infrastructure—Improving Lives in Asian and the
Pacific
In the Pipeline: Water for the Poor—Investing in Small Piped Water Networks
Knowledge Management and Learning in ADB
Knowledge Showcases
ADB’s Regional Cooperation and Integration Today
Addressing Energy Efficiency with Virtual Power Plants
Better Air Quality Improves Quality of Life
Beyond Emergency Responses: Ensuring the Legacy of Market-Based
Microfinance Expansion
Bus Rapid Transit in the People’s Republic of China
Complaints from Beneficiaries: A Valuable Resource for Project
Implementation
Improving Regional Cooperation in Energy Today
Institutionalizing Gender Equality at ADB: The Experience of the
Bangladesh Resident Mission
Mapping the Sea: Knowledge for Natural Resources Management
Partnering with Communities for Post-Disaster Reconstruction in Aceh
and Nias Island, North Sumatra, Indonesia
Rebuilding Low-Heritage Villages After Disasters
Rebuilding Traditional Houses After Disasters
Restoring Pedestrian Accessibility in Indian Cities
Speeding Business Application Processes in the Philippines
Tackling Extreme Poverty Using a Household-Based Approach
Transforming Risk-Averse Banks into Microfinance Champions in a PostDisaster and Post-Conflict Environment
Using Economic Instruments to Promote Environmentally Sustainable
Transportation in the People’s Republic of China
When Size Matters—Improving Microfinance Outreach in Aceh
Through a Revitalized Provincial Rural Bank Network
Making Sanitation Everybody’s Business
Management Brief: One Year of ADB Support to the Extractive Industries
Transparency Initiative
Meeting the Water and Climate Change Challenge
Partnership Newsletter – 6 issues (e-newsletter)
Partnership on Sustainable Low Carbon Transport (brochure)
Promoting Sustainable, Low Carbon Transport in Asia (brochure)
Powering the Poor: Projects to Increase Access to Clean Energy for All
Quality, Knowledge, and Innovation for Inclusive and Sustainable
Development: Sector and Thematic Priorities
Restoring Pedestrian Accessibility in Indian Cities
Revitalizing Asia’s Irrigation: To Sustainably Meet Tomorrow’s Food Needs
Social Analysis in Private Sector Projects (brochure)
Supporting the Fight Against Corruption in Asia and the Pacific:
ADB/OECD Anti-Corruption Initiative Annual Report 2008
Under the Weather and the Rising Tide: Adapting to a Changing
Climate in Asia and the Pacific
Video clips from the Forum on Community-Driven Development and Strategy
2020, 3 December 2008, ADB Headquarters, Manila
(4 video clips)
Water for All #17: Water Rights and Water Allocation: Issues and Challenges
for Asia
Water for All #18: India’s Sanitation for All: How to Make it Happen
ブリーフ
Social Protection Project Briefs (21 briefs)
業務報告書
ADB Operational Plan for Sustainable Food Security
Operational Plan for Improving Health Access and Outcomes under Strategy
2020
報告書 / 報告書シリーズ
2009 Sustainability Report
ADB Cooperation with Civil Society—2008 Annual Report
ADB: Reflections and Beyond
A Review of Community-Based Urban Development Programs in India
Avian Influenza Project Progress Report
Building Climate Resilience in the Agriculture Sector
Climate Change in Asia and the Pacific: Implications for Food, Fuel, and
People
Community-Based Development in Water and Sanitation Projects
Country Gender Assessment—Pakistan
Country Gender Assessment—Sri Lanka
Environment Program: Progress and Prospects
Improving Energy Security and Reducing Carbon Intensity in Asia and the
Pacific
Intersections: Gender, HIV, and Infrastructure Operations
International Conference on Community-Driven Development and Rural
Poverty Alleviation: Summary of Proceedings
Institutionalizing Gender Equality: The Experience of the Bangladesh Resident
Mission
Learning for Change in ADB
Legal Empowerment for Women and Disadvantaged Groups
Natural Catastrophe Risk Insurance Mechanisms for Asia and the Pacific
Nature + Nurture: A vignette and a photo essay of the PEP subproject in
PNG, Innovative Actions for Community-Based Water Management and
Education
Poverty and Human Development in Sri Lanka, with References to ConflictAffected Areas
Support to corporate-level MDG monitoring (under Development
Effectiveness Review)
Technical Note on Social Analysis in the Multitranche Financing Facility
The Impact of Community-Driven Development on Infrastructure Project
Corruption, Cost, and Quality
戦略・政策・管理関連文書
2009 Energy Policy
Safeguard Policy Statement (2009)
研修・指導資料
Civil Society Concerns—Briefing Paper for the 42nd Annual Meeting
Financial Due Diligence—A Methodology Note
Good Practice in Cost Sharing and Financing in Higher Education
Good Practice in ICT for Education
Good Practice in the Development of Technical–Vocational Skills
Interacting with Workers’ Organizations: A Primer for ADB Staff
Knowledge Solutions
Asking Effective Questions
Assessing Effectiveness of Assistance in Capacity Development
Building a Learning Organization
Building Institutional Capacity for Development
Building Networks of Practice
Building Trust in the Workplace
Coaching and Mentoring
Collaborating with Wikis
Conducting Effective Meetings
Conducting Effective Presentations
Dimensions of the Learning Organization
Disseminating Knowledge Products
Distributing Leadership
Drawing Learning Charters
Drawing Mind Maps
Enhancing Knowledge Management Strategies
Exercising Servant Leadership
Fast and Effective Change Management
Five Whys Technique, The
年次報告 2009
From Strategy to Practice
Glossary of Knowledge Management
Growing Managers, Not Bosses
Harnessing Creativity and Innovation in the Workplace
Improving Sector and Thematic Reporting
Leading in the Workplace
Learning and Development for Management
Learning from Evaluation
Learning in Strategic Alliances
Learning Lessons with Knowledge Audits
Managing by Walking Around
Managing Virtual Teams
Monthly Progress Notes
Most Significant Change Technique, The
Overcoming Roadblocks to Learning
Primer on Organizational Culture, A
Primer on Organizational Learning, A
Roots of an Emerging Discipline, The
SCAMPER Technique, The
Social Network Analysis
Staff Profile Pages
Understanding and Developing Emotional Intelligence
Understanding Complexity
Value Cycles for Development Outcomes
Wearing Six Thinking Hats
Working in Teams
Writing Weblogs
Knowledge Solutions Compendium (Issues 1–38)
Overview of NGOs/Civil Society—Afghanistan
Overview of NGOs/Civil Society—India
Overview of NGOs/Civil Society—Pakistan
Sector Governance Guidance Note: Electricity Sector Risk Assessment
Sector Governance Guidance Note: Urban Water Supply Sector Risk
Assessment
Sourcebook to Assist the Preparation of Governance Risk Assessments
Strategies for Business, Government, and Civil Society to Fight Corruption in
Asia and the Pacific
Strengthening the Impact of Asia’s NGO Community: Maternal, Newborn,
and Child Health (MNCH) Interventions—Immunization, Asia NGO
Workshop Proceedings
117
報告書
Background Note on the Justice Sector of the Philippines
Building a Sustainable Energy Future: The Greater Mekong Subregion
Migration In the Greater Mekong Subregion: A Background Paper for the
Fourth Greater Mekong Subregion Development Dialogue
Poverty in the Philippines: Causes, Constraints, and Opportunities
Process Map on the Criminal Prosecution of Tax Evasion in the Philippines
Protecting the World’s Oceans: From Vision to Action
Water: Vital for Viet Nam’s Future
戦略・政策・管理関連文書
Greater Mekong Subregion: Energy Road Map for Expanded Cooperation in
the Energy Sector
Greater Mekong Subregion: Transport Strategy for Railway
Indonesia: Private–Public Partnership on Food Fortification
Lao People’s Democratic Republic: Country Strategy and Program Midterm
Review 2007–2011
Lao People’s Democratic Republic: Governance Risk Assessment
Viet Nam: Country Strategy and Program 2007–2010 Midterm Review
研修・指導資料
Economics and Trade in Goods: An Introduction An ADB-ITD Training
Module for the Greater Mekong Subregion
Trade and Investment in Services: An ADB-ITD Training Module for the
Greater Mekong Subregion
World Trade Organization Trade Remedies: A Tool Kit
ワーキング・ペーパー
Frielink, Barend and Mylene Buerano. The Contribution of ADB to the ASEAN
Economic Community Blueprint. ADB Southeast Asia Working Paper
Series No. 3. October.
Roland-Holst, David and Barend Frielink. Trade and Growth Horizons for
Nusa Tenggara Timur and Timor-Leste. ADB Southeast Asia Working
Paper Series No. 4. November.
Trace, Keith, Barend Frielink, and Denis Hew. Air Connectivity in Archipelagic
Southeast Asia: An Overview. ADB Southeast Asia Working Paper Series
No. 2. September.
Trace, Keith, Barend Frielink, and Denis Hew. Maritime Connectivity in
Archipelagic Southeast Asia: An Overview. ADB Southeast Asia Working
Paper Series No. 1. August.
ワーキング・ペーパー・シリーズ
南アジア局
意識啓発・マルチメディア資料
Corridor Chronicles—Profiles of Cross Border Activities in the Greater
Mekong Subregion
Evaluating the Impact of Live Entertainment Performances: Results from the
2007 Hilltribe Concert
Knowledge Showcase: Rebuilding Low-Heritage Villages After Disasters
Plotting the Data and Connecting the Dots: The Role of GIS in HIV Prevention
Radio Drama as an Educational Tool for Ethnic Minority Groups: A 4-Country
Evaluation
Radio Drama for HIV/AIDS Prevention Among Ethnic Groups Across the GMS
Southeast Asian Gender and Development (SEAGEN WAVES) Newsletter
学術誌
Journal of Greater Mekong Subregion Development Studies, Volume 4
付録
Walker, George, Tun Lin, Yoshiaki Kobayashi. Is Flood Insurance Feasible?
Experiences from the People’s Republic of China. ADB Sustainable
Development Working Paper Series No. 5. April.
Wan, Guanghua and Ruth Francisco. How is the Global Recession Impacting
on Poverty and Social Spending: An Ex Ante Assessment Methodology
with Applications to Developing Asia, ADB Sustainable Development
Working Paper Series No. 8. August.
Wan, Guanghua and Ruth Francisco. Why is Access to Basic Services Not
Inclusive? A Synthesis with a Special Focus on Developing Asia. ADB
Sustainable Development Working Paper Series No. 6. April.
Wang, Zifa, Tun Lin, and George Walker. Earthquake Risk and Earthquake
Catastrophe Insurance for the People’s Republic of China. ADB
Sustainable Development Working Paper Series No. 7. June.
118
アジア開発銀行
付録 15
ソブリン業務の評価
表 A15.1
ソブリン業務の国別評価結果 a
(1973~2009 年の評価結果累計)
国
アフガニスタン
アゼルバイジャン
評価対象
プロジェクト
/ プログラム
(件数)
表 A15.2
ソブリン業務のセクター別評価結果 a
(1973~2009 年の評価結果累計)
比率(%)
HS/GS/S
3
100.0
セクター
PS
US
0.0
0.0
農業・天然資源
評価対象
プロジェクト
/ プログラム
(件数)
347
比率(%)
HS/GS/S
PS
US
44.7
40.9
14.4
1
100.0
0.0
0.0
教育
101
73.3
24.8
2.0
106
58.5
33.0
8.5
エネルギー
194
79.9
18.0
2.1
ブータン
13
84.6
7.7
7.7
金融
144
52.1
37.5
10.4
カンボジア
21
85.7
14.3
0.0
保健・社会保障
44
52.3
43.2
4.5
中国
82
86.6
8.5
4.9
工業・貿易
61
60.7
27.9
11.5
バングラデシュ
インド
43
65.1
27.9
7.0
マルチセクター
61
75.4
18.0
6.6
インドネシア
188
63.3
29.8
6.9
公共政策
35
51.4
42.9
5.7
カザフスタン
8
62.5
37.5
0.0
運輸・情報通信技術
231
82.7
11.7
5.6
キルギス
17
82.4
17.6
0.0
上水道、都市インフラ
136
62.5
30.9
6.6
ラオス
42
69.0
26.2
4.8
総計
1,354
63.4
28.6
8.0
マレーシア
57
64.9
29.8
5.3
モルジブ
10
80.0
10.0
10.0
モンゴル
22
68.2
27.3
4.5
ミャンマー
11
63.6
27.3
9.1
ネパール
75
57.3
33.3
9.3
太平洋地域の DMC
100
46.0
35.0
19.0
パキスタン
143
53.8
37.1
9.1
38
34.2
57.9
7.9
パプアニューギニア
フィリピン
119
47.1
36.1
16.8
スリランカ
74
56.8
36.5
6.8
9
88.9
11.1
0.0
64
89.1
10.9
0.0
8
50.0
37.5
12.5
ベトナム
39
82.1
15.4
2.6
卒業国 b
61
86.9
11.5
1.6
1,354
63.4
28.6
8.0
タジキスタン
タイ
ウズベキスタン
付録
総計
DMC = 開発途上加盟国、GS = 成功、HS = 高い成功、PS = 部分的に成功、US = 不成功。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a プロジェクト / プログラム完了報告書(PCR)、PCR 確認報告書(PCRVR)、およびプロジェク
ト / プログラム実績評価報告書(PPER)の評価結果を総合したもの。PCR のほかに PCRVR ま
たは PPER の評点がある場合は、例外なく PCRVR または PPER の評点を採用した。
b 香港、韓国、シンガポール。
GS = 成功、HS = 高い成功、PS = 部分的に成功、US = 不成功、ICT = 情報通信技術。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a プロジェクト / プログラム完了報告書(PCR)、PCR 確認報告書(PCRVR)、およびプロジェク
ト / プログラム実績評価報告書(PPER)の評価結果を総合したもの。PCR のほかに PCRVR ま
たは PPER の評点がある場合は、例外なく PCRVR または PPER の評点を採用した。
年次報告 2009
119
1996
2001
表 A15.3
成功評価のソブリン業務(プロジェクト / プログラム)の財源別比率
100
90
80
成功率(%)
70
60
50
40
30
20
2000
1999
1997
1998
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1987
1986
1985
1984
1983
1982
1981
1980
1979
1978
1977
1976
1975
1974
1973
1972
1971
0
1970
10
承認年
総計
アジア開発基金(ADF)
通常資本財源(OCR)
注:
1973 年から 2009 年の間に評価された完了プロジェクト / プログラムに基づく。
プロジェクト / プログラム実施期間:4~7 年
完了報告書:完了から 1~2 年後
プロジェクト / プログラム評価:完了から 3 年以上後
2002 年のデータはサンプル数が少ない(30 未満)ため、含めていない。
承諾年が 2000 年と 2001 年の数値については、完了ならびに評価するプロジェクト / プログラムが追加されるため、変動する可能性がある。
付録
120
アジア開発銀行
ADB の連絡先
(2009 年 12 月 31 日現在)
アフガニスタン駐在員事務所
インド駐在員事務所
モンゴル駐在員事務所
House No. 126, Street 2
Haji Yaqub Roundabout, Shar-e-now
Next to District 10 Police Department
P.O Box 3070
Kabul, Afghanistan
Tel +93 0 20 210 3602
www.adb.org/afrm
ADB local 5535
4 San Martin Marg Chanakyapuri
New Delhi 110 021, India
Tel +91 11 2410 7200
Fax +91 11 2687 0955
adbinrm@adb.org
www.adb.org/inrm
ADB local 5514
MCS Plaza Building, 2nd Floor
Seoul Street 4, Ulaanbaatar
Mongolia
Tel +976 11 329836/313440/323507
Fax +976 11 311795
adbmnrm@adb.org
www.adb.org/mnrm
ADB local 5505
インドネシア駐在員事務所
アルメニア駐在員事務所
Erebuni Plaza Business Centre
Yerevan 0010, Vazgen Sargsyan 26/1
Armenia
Tel +374 10 546371 to 73
Fax +374 10 546374
www.adb.org/armenia
ADB local 5549
アゼルバイジャン駐在員事務所
6 Bakikhanov street, Bridge Plaza
8th floor, AZ1022
Tel +994 12 437 3477
Fax +994 12 437 3475
adbazrm@adb.org
www.adb.org/azrm
ADB local 5588
バングラデシュ駐在員事務所
Plot E 31, Sher-e- Bangla Nagar
Dhaka 1207, Bangladesh
GPO Box 2100, Dhaka, Bangladesh
Tel +880 2 815 6000 to 6008
+880 2 815 6009 to 6016
Fax +880 2 815 6018 to 6019
adbbrm@adb.org
www.adb.org/brm
ADB Local 5512
カンボジア駐在員事務所
付録
Asian Development Bank
29 Suramarit Blvd. St. 268
Phnom Penh, Cambodia
Tel +855 23 215805 to 806
Fax +855 23 215807
adbcarm@adb.org
www.adb.org/carm
ADB local 5509
中国駐在員事務所
7th Floor, Block D, Beijing China Merchants
International Financial Center
156 Fuxingmennei Ave., Beijing 100031
People’ s Republic of China
Tel +86 10 6642 6601
Fax +86 10 6642 6606
adbprcm@adb.org
www.adb.org/prcm
ADB local 5521
Gedung BRI II, 7th floor
Jl. Jend. Sudirman Kav 44–46
Jakarta 10210, Indonesia
P.O Box 99 JKPSA
Jakarta 10350A, Indonesia
Tel +62 21 251 2721
Fax +62 21 251 2749
adbirm@adb.org
www.adb.org/irm
ADB local 5511
カザフスタン駐在員事務所
Astana Office
12 Samal Microdistrict
Astana Tower Business Center, 10th floor
010000 Astana, Kazakhstan
Tel +7 7172 325053/325054/221619
Fax +7 7172 328343
adbkarm@adb.org
www.adb.org/karm
ADB local 5506
アルマトゥイ事務所
154 A, Nauryzbai batyr str.
KABLAN Business Center, 3rd floor
050013 Almaty, Kazakhstan
Tel +7 727 3300 950 to 952
Fax +7 727 3300 954
adbkarm@adb.org
www.adb.org/karm
ADB local 5342
キルギス駐在員事務所
52 54 Orozbekov Street, 720040
Bishkek, Kyrgyz Republic
Tel +996 312 624195/624192
+996 312 900445/900447
Fax +996 312 624196
adbkyrm@adb.org
www.adb.org/kyrm
ADB local 5542
ラオス駐在員事務所
Corner of Lanexang Avenue and Samsenthai Road
Vientiane, Lao PDR
P.O. Box 9724
Tel +856 21 250444
Fax +856 21 250333
adblrm@adb.org
www.adb.org/lrm
ADB local 5544
ネパール駐在員事務所
Srikunj, Kamaldi, Ward No. 31
P.O. Box 5017, Kathmandu, Nepal
Tel +977 1 422 7779
Fax +977 1 422 5063
adbnrm@adb.org
www.adb.org/nrm
ADB local 5515
太平洋地域連絡調整事務所
Level 18, 1 Margaret Street
Sydney, NSW 2000, Australia
Tel +612 8270 9444
Fax +612 8270 9445
adbplco@adb.org
www.adb.org/plco
ADB local 5589
パキスタン駐在員事務所
Level 8, North Wing, Serena Office Complex
Khayaban-e-Suhrawardy, G-5,
Islamabad, Pakistan
Tel +92 51 260 0351 to 69
Fax +92 51 260 0365 to 66
adbprm@adb.org
www.adb.org/prm
ADB local 5513
パプアニューギニア駐在員事務所
Level 13, Deloitte Tower
Douglas Street
P O Box 1992
Port Moresby, NCD
Papua New Guinea
Tel +675 321 0400/0408
Fax +675 321 0407
adbpnrm@adb.org
www.adb.org/pnrm
ADB local 5565
南太平洋地域事務所
Asian Development Bank
Private Mail Bag or
91 Gordon Street, Suva, Fiji
Tel +679 331 8101
Fax +679 331 8074
adbspso@adb.org
www.adb.org/spso
ADB local 5522
年次報告 2009
スリランカ駐在員事務所
ウズベキスタン駐在員事務所
北米代表事務所
49/14 15 Galle Road
Colombo 3, Sri Lanka
Tel +94 11 238 7055
Fax +94 11 238 6527
adbslrm@adb.org
www.adb.org/slrm
ADB local 5507/5533
1 A. Khodjaev Street
Tashkent 100027, Uzbekistan
Tel +998 71 140 1920/25
Fax +998 71 140 1976
adburm@adb.org
www.adb.org
ADB local 5508
815 Connecticut Avenue, NW, Suite 325
Washington, DC 20006, USA
Tel +1 202 728 1500
Fax +1 202 728 1505
naro@adb.org
www.adb.org/naro
ADB local 5516
タジキスタン駐在員事務所
ベトナム駐在員事務所
107-5, Nozim Hikmat Street
Dushanbe 734001, Tajikistan
Tel +992 372 271895/271897/210558
Fax +992 372 244900
adbtjrm@adb.org
www.adb.org/tjrm
ADB local 5539
Units 701-706, Sun Red River Building
23 Phan Chu Trinh Street
Hoan Kiem District
Ha Noi, Viet Nam
Tel +84 4 3933 1374 to 76
Fax +84 4 3933 1373
adbvrm@adb.org
www.adb.org/vrm
ADB local 5519
アジア開発銀行研究所
〒 100-6008
東京都千代田区霞ヶ関 3-2-5
霞が関ビル 8 階
タイ駐在員事務所
23rd Floor, The Offices at Central World
999/9 Rama 1 Road, Wangmai, Pathumwan
Bangkok 10330, Thailand
Tel +662 263 5300
Fax +662 263 5301
adbtrm@adb.org
www.adb.org/trm
ADB local 5526
121
Tel + 81 3 3593 5500
Fax + 81 3 3593 5571
info@adbi.org
www.adbi.org
ADB local 5503
欧州代表事務所
Rahmhofstrasse 2
60313 Frankfurt am Main, Germany
Tel +49 69 2193 6400
Fax +49 69 2193 6444
adbero@adb.org
www.adb.org/ero
ADB local 5517
東ティモール特別事務所
ADB/World Bank/IFC Building
Avenida dos Direitos Humanos, Lecidere
Dili, Timor-Leste
Tel +670 332 4801
Fax +670 332 4132
lpochard@adb.org
www.adb.org
ADB local 5220
駐日代表事務所(JRO)
〒 100-6008
東京都千代田区霞ヶ関 3-2-5 霞が関ビル 8 階
Tel +81 3 3504 3160
Fax +81 3 3504 3165
adbjron@adb.org
www.adb.org/jro
adbjro@adb.org
ADB local 5518
付録
122
アジア開発銀行
用語解説
略語
B ローン
ADB が資金を供給する A ローンを補完する。通常、ADB 名義
ADB
ADF
CoP
CTL
GMS
ICT
IED
OAI
OAS
OCR
OIST
PSOD
で提供される直接融資のトランシェの形をとる。適格な金融機
関がこのトランシェの範囲内で資金のリスクを負い、ADB に対
する償還請求権を伴わない。
直接付加価値協調融資
融資パートナー間で積極的な調整と正式な合意が行われる協調
融資であって、その動員、管理または協調融資への参加を促進
するという ADB の契約義務(信用補完、シンジケーションま
たは資金管理等)を含め、クライアントに明確な利益をもたら
すもの。
マルチトランシェ融資ファシリティ
スタンドアローン型の大規模プロジェクトの中の時系列コン
ポーネントや、通常より長期間のセクター投資プログラムの一
部(もしくはトランシェ)、金融仲介機関向け信用枠、および保
証などを対象としたデットファイナンスのしくみ。
ソブリン・ノンソブリン
ADB の融資はソブリンとノンソブリンに分類される。ソブリン
融資は中央政府により保証される融資であり、ノンソブリン融
資は中央政府により保証されない融資である。
ノンソブリン業務
地方政府、国営企業、半官半民組織、または民間企業を融資ま
たは投資対象とし、通常は国家による直接的な保証なしに ADB
が資金を提供する取引。
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
アジア開発銀行
アジア開発基金
実務コミュニティ
会計局
メコン河流域圏
情報通信技術
独立評価局
汚職防止・公正管理室
総務部
通常資本財源
情報システム技術部
民間部門業務局
付録
アジア開発銀行について
謝辞
年次報告 2009 の理事会作業部会
経済発展のサクセス・ストーリーが脚光を浴びる一方で、アジア太平洋地域には世界の貧困層の 3 分の 2 が、
また生活費が 1 日 2 ドル未満の人々が 18 億人、そのうち 9 億 300 万人は 1 日 1.25 ドル未満で暮らしていると
されます。
Richard Edwards(部会長)• Md. Aminul I. Bhuiyan • Paul Curry • Xiuzhen Guan • Dereck Rooken-Smith • 渡部 康人
発行人
Ann Quon
編集・クリエイティブ・マネージャー
マニラに本部を置くアジア開発銀行( A s i a n D e v e l o p m e n t B a n k 、A D B 、加盟国・地域数 67 、うち域内
48 )は、アジア・太平洋地域から貧困がなくなる日の実現をめざし、全ての人々に恩恵が行き渡る(インクルー
シブな)経済成長、環境に配慮した持続可能な成長、地域統合を通じて、途上加盟国の貧困削減と人々の生活の
向上を支援しています。A D B が行う支援の具体的手段は、政策対話、融資、出資、保証、無償援助、技術協力な
どです。
Carolyn Dedolph Cabrera
編集長
Muriel S. Ordoñez
編集
Carolyn Ahmad • Jenny Bennett • Bonnie Jo Collins • Joanne Gerber • Lynette Malley • Dan Mausner • Toby Miller
Ma. Priscila del Rosario • Nancy Sixsmith • Teri Temple • James Unwin • Karen Williams • Eric Van Zant
コピーエディター
Ma. Cecilia Abellar • Ma. Guia de Guzman • Leticia de Leon
アート・ディレクター
Anthony Victoria
表紙および本文イラスト
Smruthi Gargi Eswar
デザイン・制作
Vicente Angeles • Rodel Bautista • Cecilia Caparas • Ronnie Elefaño
写真クレジット
10 渡部 康人 ; 12–13 ADB 写真ライブラリ ; 22 Salman Yusuf; 32 Ariel Javellana; 39 James Hutchison;
© 2010 Asian Development Bank
努 め て い る が、A D B の 出 版 物 に お い て は 発 行 日 の
相違、データの情報源や解釈によりデータが異なる
ことがある。掲載データの使用によって生じるいか
な る 結 果 に 対 し、A D B は 一 切 の 責 任 を 負 う も の で
はない。
本書における特定の領土や地理的地域の指定ある
いは言及、または「国」という用語の使用は、いかな
る領土や地域の法的状態に対する A D B の見解を示
すものではない。
45 James Hutchison; 47 Kaarmanbek Kuluev; 48–49 James Hutchison; 55 Raul del Rosario; 56 Lei Kan;
アジア開発銀行
マニラ
A D B は本書で用いられるデータの正確性の確保に
57 Raul del Rosario; 64–67 Ian Gill; 70 Sekhar Bo nu; 74 Eric Sales; 75 James Hutchison;
2010 年 4 月 6 日
アジア開発銀行
77 Kiran Pandey; 85–86 Eric Sales; 87 Ian Gill; 89 Agence France-Presse; 90 ADB 写真ライブラリ ;
91 Ian Gill; 94 ネパール駐在員事務所 ; 95–97 Eric Sales
制作統括
総務会議長殿
広報局
拝啓
『年次報告 2009 』は、植物油ベースのインクと再生紙を使用している。製紙工程において塩素は一切使用していない。
拝啓 アジア開発銀行協定第39条およびその付則第13項に従
い、特別基金の諸活動に関する報告を含む『2009年度年次報
告』を、理事会を代表して総務会に提出いたします。本年次報告
には、付則第 15 項に規定される財務諸表も含まれています。
本書では「ドル」
「 $ 」という場合には米ドルを指す。
敬具
総裁・理事会議長
黒田東彦
『年次報告 2009 』は CD-ROM を配布しているほか、ADB のウェブサイト( www.adb.org )からダウンロードすることができる。
アジア開発銀行 2009 年次報告 V O LU M E 1
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
Tel +63 2 632 4444
Fax +63 2 636 2444
information@adb.org
www.adb.org
アジア開発銀行駐日代表事務所
東京都千代田区霞が関 3-2-5
霞が関ビルディング 8 階
年次報告
Tel 03-3504-3160
Fax 03-3504-3165
www.adb.org/JRO/
財務局
Fax +63 2 632 4707
+63 2 632 4120
SWIFT Address ASDBPH MM
V O LU M E
1
アジア開 発 銀 行
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
Tel +63 2 632 4444
Fax +63 2 636 2444
information@adb.org
www.adb.org
アジア開発銀行駐日代表事務所
東京都千代田区霞が関 3-2-5
霞が関ビルディング 8 階
年次報告
Tel 03-3504-3160
Fax 03-3504-3165
www.adb.org/JRO/
財務局
Fax +63 2 632 4707
+63 2 632 4120
SWIFT Address ASDBPH MM
V O LU M E
2
財 務 報 告
アジア開 発 銀 行
アジア開発銀行について
経済発展のサクセス・ストーリーが脚光を浴びる一方で、アジア太平洋地域には世界の貧困層の 3 分の 2 が、
また生活費が 1 日 2 ドル未満の人々が 18 億人、そのうち 9 億 300 万人は 1 日 1.25 ドル未満で暮らしていると
されます。
マニラに本部を置くアジア開発銀行( A s i a n D e v e l o p m e n t B a n k 、A D B 、加盟国・地域数 67 、うち域内
48 )は、アジア・太平洋地域から貧困がなくなる日の実現をめざし、全ての人々に恩恵が行き渡る(インクルー
シブな)経済成長、環境に配慮した持続可能な成長、地域統合を通じて、途上加盟国の貧困削減と人々の生活の
向上を支援しています。A D B が行う支援の具体的手段は、政策対話、融資、出資、保証、無償援助、技術協力な
どです。
© 2010 Asian Development Bank
A D B は本書で用いられるデータの正確性の確保に
努 め て い る が、A D B の 出 版 物 に お い て は 発 行 日 の
相違、データの情報源や解釈によりデータが異なる
ことがある。掲載データの使用によって生じるいか
な る 結 果 に 対 し、A D B は 一 切 の 責 任 を 負 う も の で
はない。
本書における特定の領土や地理的地域の指定ある
いは言及、または「国」という用語の使用は、いかな
る領土や地域の法的状態に対する A D B の見解を示
すものではない。
本書では「ドル」
「 $ 」という場合には米ドルを指す。
制作統括
広報局
『年次報告 2009 』は、植物油ベースのインクと再生紙を使用している。製紙工程において塩素は一切使用していない。
『年次報告 2009 』は CD-ROM を配布しているほか、ADB のウェブサイト( www.adb.org )からダウンロードすることができる。
年次報告
V O LU M E
2
財 務 報 告
09
アジア開発銀行
目次
経営陣の検討と分析
I. 概要
4
II. 通常資本財源
5
A.
B.
C.
D.
E.
F.
G.
H.
I.
J.
K.
財務報告の基準
財務データ抜粋
財務実績全般
時価方式
業務活動
1. 融資
2. 技術協力
3. 保証
4. シンジケーション
5. 出資
融資財源
1. 資本と準備金
2. 借入
流動性ポートフォリオ
契約上の債務
財務リスクの管理
1. 信用リスク
2. 市場リスク
3. 流動性リスク
4. オペレーショナル・リスク
5. 適正資本
6. 資産負債管理
財務報告への内部統制
重要な会計政策および評価
III. 特別基金
A.
B.
C.
D.
E.
F.
G.
H.
I.
アジア開発基金(ADF)
技術協力特別基金(TASF)
日本特別基金(JSF)
アジア開発銀行研究所(ADBI)特別基金
アジア津波基金(ATF)
パキスタン地震基金(PEF)
地域協力・統合基金(RCIF)
気候変動基金(CCF)
アジア太平洋災害対策基金
IV. 無償援助による協調融資
A. 貧困削減日本基金(JFPR)
B. 日本奨学金プログラム(JSP)
付録:現在価値財務諸表
5
6
6
9
9
9
11
11
12
12
12
12
13
14
15
15
16
20
21
21
21
21
22
22
22
22
25
25
26
26
27
27
27
28
28
30
30
31
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
統計付録
1
2
3
4
5
2009 年のソブリン融資およびノンソブリン融資の承認(国別)
2009 年中の無償援助(グラント)プロジェクトの承認(国別)
セクター別融資の承認(3 カ年移動平均(1968~1971 年− 2007~2009 年)
2009 年中の融資承認(セクター別)
融資のセクター別配分(2009 年、1967~2009 年)
無償援助(グラント)のセクター別配分(2009 年、1967~2009 年)
2009 年中の融資および ADF グラントの承認(国および財源別)
2009 年中の協調融資プロジェクト
2008 年および 2009 年中の融資実行
2009 年中のプログラム融資実行額
プログラム融資・ADF グラントの推移(1999~2009 年)
2009 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費(国別)
2009 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費(セクター別)
ノンソブリン投融資の承認(年度別)
(1983~2009 年)
ノンソブリン投融資の承認(国別)
(1983~2009 年)
6
7
8
9a
9b
10
11
12
13
14 承認済みおよび管理中の融資およびプロジェクト、回覧済みプロジェクト完了報告書(PCRs)、完了済み
プロジェクト、完結済み融資並びに回覧済みプロジェクト・プログラム実績評価報告書(PPERs)の件数
統計付録 15 承認済み融資、締結済み契約および融資実行の金額
統計付録 16 技術協力承認(国および地域活動別)
(1967~2009 年、2008 年、2009 年)
統計付録 17 2009 年中の技術協力の承認(国別)
統計付録 18 承認された技術協力無償援助(セクター別)
(1967~2009 年、2008 年、2009 年)
統計付録 19 融資によるコンサルティング・サービスと技術協力無償援助(セクター別)
(2009 年)
統計付録 20 2009 年中の技術協力(地域案件)
統計付録 21 財源の純移転(通常資本財源とアジア開発基金の合計)
(2007~2009 年)
統計付録 22 財源の純移転(通常資本財源とアジア開発基金の合計)
(1999~2009 年)
統計付録 23 アジア開発基金の財源および約定枠
統計付録 24 技術協力特別基金
統計付録 25 日本特別基金−通常拠出および追加拠出
統計付録 26 日本特別基金−アジア通貨危機支援ファシリティ
統計付録 27 2009 年中の貧困削減日本基金
統計付録 28 ADB が管理する無償資金が供与されたプロジェクト(2009 年中の承認)
統計付録 29 2009 年中の締結済み契約(原産国別)
:プロジェクト融資−通常資本財源
統計付録 30 2009 年中の締結済み契約(原産国別)
:プロジェクト融資−アジア開発基金
統計付録 31 2009 年中の締結済み契約(原産国別)
:プロジェクト融資−通常資本財源とアジア開発基金の合計
統計付録 32 2009 年中のプログラム融資による海外調達供給国への支出見積
統計付録 33 技術協力業務に関する締結済み契約累計金額(原産国別)
:技術協力プロジェクト
統計付録 34 技術協力業務に関する締結済み契約金額(原産国別)
(2007~2009 年)
37
41
43
44
47
47
48
49
52
52
53
53
54
54
55
56
58
60
62
71
71
72
77
78
79
80
81
81
82
83
87
88
89
90
91
92
経営陣の検討と分析
アジア開発銀行(ADB)は、
「貧困のないアジア・太平洋地域」をビジョンに掲げる国際開
発金融機関である。ADB は、アジア・太平洋地域の社会・経済的発展および貧困削減をめ
(以下「設立協定」)により、1966 年
ざして 31 カ国が批准した「アジア開発銀行設立協定」
に設立された。2009 年 12 月 31 日現在の加盟国は 67 カ国で、そのうち 48 カ国が域内加
盟国である。
年次報告 2009
ADB は開発途上加盟国に様々な形の資金支援を行っている。
主な支援形態は、融資、技術協力、無償援助(グラント)、保証
と出資である。これらの財源は、通常資本財源(通常資本財源
(OCR))、特別基金および各種の信託基金である。通常資本財
源(OCR)と特別基金は、ADB が単独で運営管理にあたる業務
5
A. 財務報告の基準
報告の基準
ADB は、米国の一般会計原則(US GAAP)に基づ
いて財務諸表を作成している。1 ADB の会計年度は毎年 1 月 1
日から 12 月 31 日までとする。
ADB が財務管理を行うにあたり、金融資産・負債に関連し
が拠出国に代わってその運営管理に当たる。設立協定には、各
て生じる金利や為替のリスクを最小限に抑えるため、デリバ
財源の独立性を維持することが定められている。
ティブ商品が一部用いられている。具体的には、デリバティブ
ADB はまた政策対話と助言サービスを提供するとともに、
商品を通じ、それぞれのポジションやポートフォリオ全体の
公的資金、民間資金および輸出信用機関との協調融資を通じ
資産 / 負債管理を強化したり、借入コストの引き下げを図って
て資金を動員し、支援による開発効果向上を図っている。ADB
いる。
のプロジェクトに対する協調融資は、外部融資、技術協力およ
び融資プロジェクトの一部を対象とする無償援助
(グラント)
、
デリバティブ全般、仕組みあるいはスワップ付きの借入、市
場性のある投資などの金融商品は公正価値で計上され、融資
および保証やシンジケーションなどの信用補完の形で提供さ
やスワップ前の借入は簿価で計上される。また、市場性のない
れる。
出資は、取得原価から永久減損分を引いた金額、または持分法
により評価する。
通常資本財源
類となっている。通常資本財源(OCR)の財務基盤の健全性
ADB は、米国財務会計基準審議会(FASB)が公表している
財務会計基準書(ASC)トピック 815 号「デリバティブおよび
ヘッジ取引の会計」、820 号「公正価値測定および開示」、82510 号「公正価値オプション」に準拠している。
このうち ASC 815 号は、他の契約に組み込まれたものを含
通常資本財源(OCR)の財源は、私募債や資本市場からの借入、
出資国からの払込済資本金、累積利益剰余金(準備金)の 3 種
は、出資国からのサポートと、健全な財務政策および慣行に
むデリバティブ商品(以下「デリバティブ」と総称)と、ヘッジ
よるところが大きい。出資国からのサポートは、加盟国の資
取引に関する会計および報告基準を定めたもので、事業主体
本の裏付け、および借入国による債務返済の履行実績という
に対し、貸借対照表上の資産または負債のいずれかにデリバ
形に表れている。
ティブを計上することでデリバティブ商品の公正価値を測定
借入金と出資金は、通常資本財源(OCR)からの融資や投
することを求めるほか、ヘッジ会計については特定の基準を
資活動のほか、通常業務の資金にて使われる。通常資本財源
満たした場合に限りこれを認めている。これらの基準と照ら
(OCR)からの融資は通常、経済成長率が比較的高い開発途上
し合わせた結果、ADB のデリバティブ取引の大半は、原金融取
加盟国、民間その他のノンソブリン団体・機関に供与される。
引のヘッジに極めて有効であり、調達コストの削減にも適し
ソブリン融資は、調達コストに融資スプレッドを上乗せして
ていることが明らかになった。一方、ヘッジ会計要件に準拠す
実施され、資金調達経費と融資スプレッドが借手に転嫁され
る場合、ADB の将来の借入、融資、およびヘッジ・プログラム
るパススルー型であるのに対し、ノンソブリン融資は市場慣
に過度の制約がかかってしまい、借入加盟国にとっての借入
行に基づいてプライシングされる。
コストを効果的かつ効率的に下げるという取り組みが奏功し
ADB は、開発途上加盟国やノンソブリンの団体・機関以外
の借手に対して、直接融資を行うだけでなく、ADB 支援プロ
ない可能性が高くなる。このため ADB は、ヘッジ会計を採用
ジェクトに民間資金を呼び込むための保証も提供しており、
公正価値で計上するとともに、デリバティブ商品の公正価値
信用補完商品としての保証に対する需要はますます高まって
の変動は純益の一部として計上している。
いる。
しないこととし、すべてのデリバティブ商品を貸借対照表に
ASC 815-15-24-4 号 と 815-15-25-5 号 は、ASC 815 号 に
従って報告される財務諸表において、通常であれば別個のデ
リバティブ商品として処理(区分処理)されるべき特性を有
1 米国財務会計基準審議会(FASB)は 2009 年 6 月、それまでの FASB ステートメント(基準書)第 162 号に差し替わるものとして、FASB ステートメント第 168 号「FASB 会計基準体
系、及び一般に校正妥当と認められた会計基準(GAAP)の階層」を発行した。この会計基準体系(ASC)は、2009 年 9 月 15 日以降に発行される、中間期および通期の財務諸表に対
し有効となり、非政府の事業体にとっては、米国証券取引委員会(SEC)発行のガイダンス同様、正統性ある会計報告基準となる。また ASC は、非政府事業体にとって、SEC 以外の
現行のあらゆる会計・報告基準に優先する。
経営陣の検討と分析
を対象としている。信託基金は外部から資金供給を受け、ADB
アジア開発銀行
6
する混成金融商品に対し、公正価値での計上を認める内容と
手形、スワップ借入、および全てのデリバティブ商品は、取得
なっている。2009 年 12 月 31 日現在、ADB は借入ポートフォ
原価で計上される。
リオの一部に、比較的小規模のこうした混成金融商品を保有
している。
ADB は大半の借入と関連スワップについて、満期まで保有
することを意図しているため、規約で定める報告として定期
ASC 825 号は、事業体にとって公正価値で計上できる金融
資産および負債の範囲を拡大するものである。2008 年 1 月 1
的に計上される未実現損益は最終的に、ADB が取引期間中に
わたって手にする純現金所得・支出に収斂される。
日以降、ADB はこの 825 号を、スワップ後の全ての非混成借
経営陣の検討と分析
入の公正価値の算定に適用した。その結果、スワップ後の借入
時価方式に基づく財務報告書
と関連するデリバティブのすべてが公正価値で報告され、公
ての金融商品を予想キャッシュ・フローの現在価値に基づく
正価値の変動は収益益の一部に計上されるようになったが、
モデルによって測定することで得られる。特定の金融商品(全
時価方式に基づく収入は、全
ADB では引き続き、融資とスワップ前借入のすべてを償却後
てのデリバティブ、スワップ借入、仕組み借入、投資の一部)に
の原価で報告している。
ついては公正価値で計上される一方、融資、その他借入、その
ASC 820 号は公正価値を定義し、公正価値の測定枠組みを
他投資は償却原価で計上されるため、規約に定められた報告
確立し、公正価値測定に関する開示要件を拡大するものであ
における所得は ADB の財務状態の全体的な経済価値を十分に
る。この基準に基づき、さらに ASC 825 号に関する上記の決
映し出さない可能性がある。時価方式に基づくモデルでは、各
定を基に、ADB は、
(信用スプレッドとして)信用リスクを勘
商品についてキャッシュ・フローと割引率を決定するために、
案し、負債の公正価値を算定した。ASC 820 号および 825 号
市場によって裏付けられたデータを用いる。
を採用したことで、2008 年 1 月 1 日時点の利益剰余金の期首
残高は、2 億 2,750 万ドル増加した。
B. 財務データ抜粋
(1)事業主体がデリバティブを使用
ASC 815-10-50 号は、
している方法および理由、
(2)デリバティブ商品および関連す
るヘッジ・アイテムの説明、
(3)デリバティブ商品およびヘッ
および時価方式という 3 つの基準に基づく主な財務データを
ジ・アイテムが事業体の財務状態、業績、キャッシュ・フロー
示したものである。規約報告および ASC 815/825 号以前の方
に与える影響について、財務諸表の読み手の理解を促進する
式による率はいずれも、金利(特に米ドル)の低下が原因で昨
ことを目的に、デリバティブに関する開示要件を拡大するも
年比で下がった。時価方式によるデータでは、投資収益率の増
のである。
加は投資ポートフォリオの未実現利益を示しており、平均収
表 1 は、規約で定められた報告、ASC 815/825 号以前の方式、
益資産の収益率の増加は、融資や融資関連スワップの価値が
補足報告 ADB は、財務状況とリスク管理をより正確に反映
プラスに調整されたためである。損益を巡る議論については、
させるという観点から、これら米国一般会計原則(USGAAP)
C. 財務実績全般の項を参照。
に則った報告に加え、時価方式および ASC 815/825 号以前の
方式の 2 通りの財務報告も補完的に作成している。
C. 財務実績全般
ASC 815/825 号以前の方式に基づく財務報告書 ポート
純損益
フォリオにおいて、未実現損益は通常、市場環境の変動によっ
ている。2009 年は 2,750 万ドルの純損失を計上した。2008
て生じる利益の変化を表し、ポートフォリオ・パフォーマンス
年は 11 億 2,630 万ドルの純利益であった。純利益の減少の主
にとって重要な指標と言えるが、ASC 815/825 号以前の方式
な要因は、不利な ASC 815/825 号を適用したことによる業務
による純利益(営業利益) には、ポートフォリオの未実現損益
利益 2 億 7,970 万ドルの減少および純未実現損益 9 億 1,680
は含まれない。ADB ではこれらの金融商品については積極的
万ドルの減少である。
2
表 2 は 2009 年における財務実績全般について示し
に取り扱っていないため、満期前にリスク事象によってこう
した金融商品の取引を余儀なくされない限り、そのような損
益は生じない。ASC 815/825 号以前の方式による融資、約束
2009 年 の 営 業 利 益 3 は、2008 年 の 6 億 9,980 万
ドルに対して、4 億 2,010 万ドルとなった。営業利益減少の要
営業利益
因は、主として次の通り。
2 営業利益は借入、デリバティブまたは持分法で計上される出資からの未実現損益に対する ADB の比例持分について、公正価値変動による未実現損益前の法定純利益と定義されて
いる。
3 脚注 2 を参照。
年次報告 2009
7
表 1 財務データ抜粋
(2009 年 12 月 31 日現在、単位:百万ドル)
規約報告
2009
2008
2007
2006
2005
収入および支出
959.8
1,358.0
1,442.3
1,210.1
1,036.3
投資から
459.4
677.2
683.2
564.5
377.4
保証から
9.2
6.9
5.1
4.1
4.1
出資から
24.5
3.7
58.9
41.5
3.3
その他財源から
18.6
18.7
18.8
18.7
11.3
収入合計
1,471.5
2,064.5
2,208.3
1,838.9
1,432.4
借入および関連費用
741.7
1,208.4
1,389.8
1,116.3
893.2
管理費
193.6
141.0
127.3
127.7
135.7
115.8
(3.5)
(0.6)
(32.5)
(3.5)
a
損失引当金
その他支出 b
支出合計
実現純利益(損失)
未実現純利益(損失)
純利益
平均収益資産
d
平均収益資産の年間収益率(%)
5.1
14.7
3.3
2.5
0.8
1,056.2
1,360.6
1,519.8
1,214.0
1,026.2
(28.1)
22.9
80.6
16.9
(466.2)
450.6
53.8
(27.5)
1,126.3
765.2
570.1
109.3
54,655
50,394
42,780
37,904
36,092
2.24
1.79
1.50
0.30
23.3
(0.05)
(135.4)
(313.8)c
融資収益率(%)
2.67
3.84
5.00
4.98
4.35
投資収益率(%)
2.93
3.20
4.68
4.18
2.96
借入コスト(%)
2.91
4.11
4.32
4.81
5.04
ASC 815/825 号以前の方式 e
営業利益
420.1f
699.8f
711.4
705.5
415.6
54,828
50,443
42,757
37,859
36,076
平均収益資産の年間収益率 g(%)
0.77
1.39
1.66
1.86
1.15
融資収益率(%)
2.55
4.14
5.14
4.94
4.35
投資収益率(%)
2.87
3.70
4.72
4.27
2.99
借入コスト(%)
1.83
3.29
4.68
4.31
3.75
936.8
101.9
1,159.0
544.1
93.7
平均収益資産
d
時価方式
純利益
平均収益資産
d
56,091
51,575
43,726
39,130
37,948
平均収益資産の年間収益率(%)
1.67
0.20
2.65
1.31
0.23
融資収益率(%)
1.48
9.18
6.40
2.58
(1.18)
投資収益率(%)
4.39
3.51
7.77
5.48
(1.11)
借入コスト(%)
0.32
7.17
5.32
3.51
(1.34)
(
)= マイナス、ASC = 会計基準体系。
アジア開発基金(ADF)に配分された事務管理費および繰延べられた融資開始コストを差し引いたもの。
加盟国への技術協力を含む。
会計原則の変更による累積的な影響を含む。
投資と関連スワップ、融資残高(未返済分の融資取組手数料 / 前払手数料を除く)と関連スワップ、および出資からなる。
ASC 825 号の適用は 2008~2009 年部分のみ。
2009 年 9 月以降、ASC 810/825 号以前の方式による利益は業務利益と定義される。
業務利益は借入、デリバティブおよび持分法で計上される出資からの未実現損益に対する ADB の比例持分について、公正価値変動による未実現損益前の法定純利益と定
義されている。
g 平均収益資産に対する、借入およびデリバティブの純未実現損益前の純利益を示す。
a
b
c
d
e
f
経営陣の検討と分析
融資から
アジア開発銀行
8
• 全体的な融資利益の減少 5 億 1,790 万ドル。この主な内訳
は、金利収入の純減 3 億 6,820 万ドル、資産スワップ・ヘッ
ジ型融資費用(控除後)、その他融資手数料の減少 3,050
万ドル、融資損失引当金の増加 1 億 1,920 万ドルである。
融資残高は増加したものの、米ドル LIBOR および日本円
LIBOR が前年同期比で低下したため、全体的な融資利益は
減少した。
経営陣の検討と分析
• 金利環境の悪化に伴い投資収益率が低下し、投資利益が 1
億 6,250 万ドル減少した。
• 出資利益が 2,820 万ドル減少した。持分法で計算される
• 通 常 資 本 財 源(OCR)に 配 分 さ れ る 事 務 管 理 費 の 増 加
5,260 万ドル。この原因は、福利厚生費の増加 1,490 万ド
ル、給与の増加 1,240 万ドルおよび契約サービス費の増加
420 万ドルである。融資手数料の繰延額は 1,310 万ドル減
少した。福利厚生費の増加は、定期的な年金給付額に関す
る保険数理上の査定額が増加したためである。
• 一部市場で金利が低下したことにより、全体の借入および
関連費用は 4 億 6,960 万ドル減少した。
純未実現損益
2009 年に、ADB は純未実現損失 4 億 6,620 万
プライベート・エクイティ・ファンドからの利益における
ドルを計上した。これは主としてスワップ借入、およびヘッジ
比例持分の実現利益が 2,500 万ドル減少したほか、主に再
取引に用いたデリバティブとの公正価値での調整からなる。
編勘定に関連した減損が 240 万ドルだったことなどよる。
スワップ借入に対する影響は未実現収益 6 億 5,370 万ドル、
これを一部相殺したのが、配当所得の純増 290 万ドルで
デリバティブに対する影響は未実現損失 11 億 1,760 万ドル
あった。
だった。公正価値調整は主として、大半の主要通貨の中長期の
表2
2009 年度および 2008 年度の財務実績全般
(単位:百万ドル)
2009
融資利益
金利収入
損失引当金
その他
借入および関連費用
投資収益
金利収入
実現損益
出資損益(EI)
1,362.0
(517.9)
947.9
1,316.1
(368.2)
3.5
(119.2)
(115.8)
11.9
(738.7)
652.3
(162.5)
677.2
(217.8)
30.5
(4.3)
(11.1)
その他の収益 / 費用(純額)
業務収入
純未実現損益
持分法で計上される出資損益の比例持分による純未実現損益
純損益
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
(30.5)
(469.6)
459.4
(13.1)
通常資本財源(OCR)における事務管理費
42.4
(1,208.3)
489.8
減損
配当所得
増減
844.1
持分法で計上される出資損益の比例持分による実現損益
その他
2008
(24.8)
55.3
23.9
(28.2)
11.9
(25.0)
(8.7)
18.7
15.8
1.2
4.9
(193.6)
(141.0)
(2.4)
2.9
(3.7)
52.6
22.8
11.0
420.1
699.8
(279.7)
(466.2)
450.6
(916.8)
18.6
(27.5)
(24.1)
1,126.3
11.9
42.7
(1,153.8)
年次報告 2009
9
イールドカーブが上方にシフトしたこと、および ADB の信用
たいという借手側の要請に迅速に対応するものである。LBL
スプレッドが狭まったことによる。
融資の場合、借手側にとっては金利や為替リスクを柔軟に管
理できる余地が大きく、ADB にとっても仲介リスクを低く抑
えることができる。2002 年 11 月以降、ADB はノンソブリン
イールドカーブが下方にシフトしたこと、および ADB の信用
の借手に対し、現地通貨建て融資(LCL)を提供していたが、
スプレッドが広がったことであった。また ADB は 2008 年 1
月 1 日から ASC 825 号に基づく非仕組み型スワップ借入につ
2005 年 8 月、これをソブリン主体の借手にも適用拡大した。
2009 年 6 月、ADB はアジア・太平洋地域に波及した世界経
いて公正価額での調整を採用たため、その結果、公正価値調整
済危機に対応するため、景気循環相殺政策支援ファシリティ
の範囲は、全てのスワップ借入も含むように拡大している。
(CSF)を設立した。CSF は、危機の影響を受けた国々に対し、
期限を定めた支援を提供することを目的としており、最大で
D. 時価方式
30 億ドルの融資を行う。
時価方式貸借対照表は、市場環境の変動を勘案した上で、通常
2009 年中に理事
会が承認した融資は、ソブリン融資が 57 件・計 106 億ドル、
ノンソブリン融資が 7 件・計 4 億ドルで、2008 年と比較する
と、ソブリン融資が 46 件・計 69 億ドル、ノンソブリン融資が
15 件・計 18 億ドルだった。2009 年中の融資実行総額は 79
億ドル(うちソブリン融資 74 億ドル、ノンソブリン 5 億ドル)
で、前年度の 65 億ドルから 21%増となった。通常元本返済は
19 億ドル(2008 年は 16 億ドル)で、期限前返済は 670 万ド
ル(2008 年は 2 億 7,710 万ドル)だった。2009 年の期限前返
済については、全額返済が融資 1 件(480 万ドル)、部分返済が
融資 1 件(190 万ドル)だった。2009 年 12 月 31 日現在、貸倒
資本財源(OCR)の金融資産および負債の経済価値を ADB と
して推測した値である。市場相場が立たない金融商品の場合
は、時価は予想される固定のキャッシュ・フローを割引、さら
に適切な金利や為替レートを適用して算出される。時価評価
の結果は、現金化における実際の純実現可能価値と異なる場合
がある。ASC 815/825 号の効果は時価調整の一部であるため、
ASC 815/825 号の効果を取り消せばこの影響が除去される。
時価方式財務諸表については、2009 年 12 月 31 日に終了する
会計年度の規約報告と調整済みであり、時価調整の詳細や分析
については、付録(注:英語版のみ)に掲載されている。
融資の承認、実行、返済および期限前返済
引当金、および未償却の融資開始費用純額を差し引いた累積
E. 業務活動
ADB は、開発途上加盟国の開発ニーズへの対応を支援するた
融資残高は 417 億ドルであり、内訳はソブリン融資が 398 億
ドル、ノンソブリン融資が 19 億ドルだった。
2005 年、ADB は マ ル チ ト ラ ン シ ェ 融 資 フ ァ シ リ テ ィ
め、融資、技術協力、保証、出資等を通じた資金支援を行い目標
(MFF)を設立した。ADB はこの融資ファシリティによって、
達成に努めている。これらの支援は、ソブリン主体およびノン
特定のプログラムまたは投資に対し、一定期間に亘り、複数の
ソブリン主体に供与することができる。ADB はまた、自らの
融資が連続したトランシェという形で資金提供できるように
開発プロジェクトおよびプログラムに対する協調融資を積極
なった。融資トランシェは、融資、保証、出資またはこれらの
的に推進し、公的資金、民間資金および輸出信用資金によって
組み合わせた形で、借手の融資要請に基づき提供される。通常
自らの支援を補完している。
資本財源(OCR)の下で 2009 年に承認された MFF は、10 件・
計 50 億ドルに達した(2008 年は 6 件・計 43 億ドル)。MFF に
1. 融資
2001 年 6 月 30 日まで、ADB の通常資本財源(OCR)からの
融資には、プール方式複数通貨建て融資(PMCL)、米ドル建
プール方式単一通貨融資(PSCL)、市場ベース融資(MBL)の
3 通りの方式があったが、2001 年 7 月 1 日に LIBOR ベースの
融資(LBL)が導入されて PMCL と MBL は廃止され、2002 年
7 月 1 日には、ドル建て PSCL も廃止された。2004 年 1 月に
は、残っているプール方式複数通貨建て融資(PMCL)が日本
円建て PSCL に転換された。LBL 融資は、プロジェクトのニー
ズに即した融資形式を求め、かつ対外債務を効果的に管理し
よる定期的融資要請については、合計 31 億ドルが 2009 年中
に承認された(2008 年は 18 億ドル)。
ADB は、形式的には主権国家または中央政府ではないが、
公共セクターの借手と見なしうる機関に対し、中央政府保証
(ソブリン保証)を伴わない融資の提供を 2005 年 9 月から
行っている。これらの借手には、国営企業、政府機関、地方自
治体および地方政府が含まれる。2009 年中に承認されたソブ
リン保証のない融資は、国営企業に対して 2 件・計 1 億 3,430
万ドルの融資だった(2008 年は 2 件・計 3 億ドル)。
ADB の理事会は 2009 年 6 月、アジア・太平洋地域に波及し
た世界経済危機への対応として、景気循環相殺政策支援ファ
経営陣の検討と分析
2008 年の主として公正価値調整による純未実現収益は 4
億 5,060 万ドルだった。その背景には、主要通貨の短中期の
10
アジア開発銀行
シリティ(CSF)の設立を承認した。CSF は 2009 年から 2010
年 10 月、融資・債務管理強化の一環として、2007 年 1 月 1 日
年にかけて利用可能な、一時的なソブリン融資手段であり、開
以降に交渉されるソブリン・プロジェクト融資について、未実
発途上加盟国における景気循環相殺的な開発支出・政策プロ
行残高全額に対し一律 35 bp の約定手数料が適用されるよう
グラムに対する支援提供を目的としている。2009 年には、ソ
になった。2007 年 4 月、理事会はまた、同年 1 月 1 日以降に交
ブリン融資 5 件・計 25 億ドルが承認され、うち 4 件・計 20 億
渉されるソブリン・プロジェクト融資の未実行残高について
ドルが発効した。
は 10 bp、ソブリン・プログラム融資の未実行残高については
融資状況
免除は、2007 年 1 月 1 日から 2009 年 6 月 30 日までのすべて
50 bp の約定手数料をそれぞれ免除することを承認し、この
経営陣の検討と分析
2009 年 12 月 31 日現在、ノンソブリン融資 3 件が
利払い停止状態にあり、融資残高は 3,840 万ドルとなってい
る(2008 年は 1 件・計 170 万ドル)。
の金利期間に適用される。理事会は 2007 年 12 月、ソブリン・
プログラム融資の 75 bp と、ソブリン・プロジェクト融資の約
定手数料 35 bp を、2007 年 10 月 1 日以降の交渉分より、とも
LBL の融資金利、および景気循環相
殺政策支援ファシリティ(CSF)に基づいて承認された融資の
金利は、6 カ月物 LIBOR と融資期間中固定される融資スプレッ
ドからなる変動金利である。融資金利は 6 カ月ごとに、それぞ
ソブリン融資の融資金利
に 15 bp に引き下げることを承認し、かかる融資に対する免
除の仕組みを廃止した。
ソブリン LBL 融資および景気循環相殺政策支援ファシリ
ティ(CSF)に基づく融資においては、金利割り戻し(リベート)
れの金利改定日に改定されるが、借手側が要請すれば固定金
と追加徴収(サーチャージ)が標準となっている。プライシン
利に変更することもできる。PSCL の融資金利は、前期の平均
グにおけるコスト・パススルーの原則維持のため、ADB は実
借入費用をもとに決定される。MBL の金利は、固定金利ある
際の資金調達コストが LIBOR を下回るか上回った場合、割り
いは変動金利で、MBL の融資金利は、3 月 15 日と 9 月 15 日、
戻しまたは追加徴収によって LBL のソブリン借手にその差額
もしくは 6 月 15 日と 12 月 15 日のいずれかを金利改定日とす
を還元・徴収する。資金調達コストとの差額は、毎年 1 月 1 日
る 6 カ月物 LIBOR に基づき決定される。ソブリン融資につい
および 7 月 1 日、それ以前の 6 カ月間における資金調達コスト
ては 2000 年以降、融資契約に特別の規定がある場合を除き基
との実質平均差額に基づいて設定される。2007 年 7 月 1 日以
本融資金利に加え、融資スプレッド 60 ベーシスポイント(bp)
降、割り戻しと追加徴収は、遡及的に適用されず、その後の金
が全て適用されるようになったが、延滞のない借手に対して
利期間の金利に組み込むことによって借手に転嫁されるよう
は、2004 年から、融資スプレッド 20 bp を免除することにな
になっている。ADB が割り戻し料率に基づいて LBL のソブリ
り、この方針は 2010 年 6 月までの延長が決定されている。理
ン借手に還元した、2009 年の資金調達コストと LIBOR との差
事会は 2007 年 12 月、同年 10 月 1 日以降に交渉されたすべて
額は 8,220 万ドルだった(2008 年は 8,110 万ドル)。景気循
のソブリン向け LBL 融資金利について見直しを行い、基本融資
環相殺政策支援ファシリティ(CSF)に基づく融資につては、
金利に上乗せされる契約上の実効スプレッドを年率 20 bp に
2010 年以降に追加徴収が行われる。
引き下げるとともに、これら融資にかかる金利免除の仕組み
を廃止した。CSF に基づいて承認された融資については、基本
融資金利に加えて 200 bp の融資スプレッドが適用される。
ADB の米ドル建て PSCL および日本円建て PSCL の変動融資
金利は表 3 のとおりである。
ADB は融資開始にかかる事務費用を回収するため、2000
年からソブリン融資について 1.0%の前払手数料(フロントエ
ンド・フィー)を徴収しているが、総務会は 2004 年、同年 1 月
1 日から 2005 年 6 月 30 日までに承認された新規ソブリン融
表3
PSCL 融資金利 a
(年率%)
資全てについて、前払手数料の全額免除を承認し、この政策は
2009 年 6 月まで延長された。2007 年 12 月、理事会は同年 10
月 1 日以降に交渉されたソブリン向け LBL について、前払手数
料の撤廃を承認した。
ADB の約定手数料は、ソブリン・プロジェクト融資が未実
行残高に対し 75 bp の累進約定手数料、ソブリン・プログラ
ム融資は一律 75 bp の約定手数料が適用されていたが、2006
2008
通貨
1.92
1.90
日本円
5.03
6.12
米ドル
1.90
1.98
日本円
4.57
5.64
米ドル
2009
1月1日
7月1日
PSCL = プール方式単一通貨融資。
a 融資金利は毎年 1 月 1 日および 7 月 1 日に決定され、6 カ月間有効である。ま
た、bp の融資スプレッド免除を反映している。
年次報告 2009
11
2. 技術協力
表 4 資金調達コストとの差額
(年率%)
レッドは、ADB が特定の借手やプロジェクトに対し負うリス
ジャカルタ特別州と中部ジャワ州の復興を目的とするジャワ
ク・エクスポージャーの補填を目的に、市場慣行に基づいて決
復興基金に対して、OCR の当期純利益から 1,000 万ドルを拠
定される。ADB はまた、融資開始にかかる事務費用回収のた
出し、2008 年における技術協力グラントとして計上された。
LIBOR ベース融資(LBL)
米ドル
日本円
米ドル
2009 年 1 月 1 日
(0.35)
(0.38)
–
2009 年 7 月 1 日
(0.31)
(0.35)
0.22
( )= マイナス。
– = 該当データなし、
ノンソブリン融資の融資金利
め、市場ベースの前払手数料を課している。前払手数料は取引
額に応じて設定され、通常は 1%− 1.5%の範囲である。ノン
ソブリン融資の約定手数料については、LIBOR ベース融資の
3. 保証
方針に基づき、未実行約定に対し年率 0.50%− 0.75%の範囲
ADB は、プロジェクトとその民間協調融資パートナーだけで
内で約定手数料が徴収される。
は容易に吸収や管理できないリスクについて、適格プロジェ
現地通貨建て融資(LCL)については、当該通貨建て資金調
クトとして保証する 4 ことで、信用を補完する。こうしたリス
達のベンチマーク、または ADB の資金調達コストとリスク
クを軽減することにより、プロジェクトに対する融資が促進
ベースのスプレッドに基づき金利が決定される。
される。ADB は、インフラ・プロジェクト、金融機関、資本市
場、貿易金融に関する案件で保証ツールを活用し、成功を収
2009 年には、4 件・計 7 億 200
めている。こうした保証ツールは一般的に貸借対照表には記
万ドルのプロジェクトに対し、協調融資として公的外部財源
載されないため、オフ・バランスのリスクを伴う。2002 年 12
融資に対する公的協調融資
から 26 億 2,770 万ドルの資金が提供された。うち 1,670 万
月 31 日以降、米国財務会計基準審議会の ASC 460-10 号「他
ドルは ADB が部分的に管理する融資として、26 億 1,100 万ド
者の債務の間接的保証を含めた、保証に関する保証提供者の
ルは協調協定を通じて提供された(2009 年 12 月 31 日現在、
会計および開示」に従って提供あるいは修正された保証につ
ADB が管理する融資については、通常資本資源(OCR)の財務
諸表の注 E(注:英語版のみ)を参照)。
いては、ADB は保証の最初の段階から債務の非偶発的な側面
を認めている。ADB が契約し発効済みの保証に関するエクス
ポージャーの総計は、通常資本財源(OCR)財務諸表注 F(注:
英語版のみ)に開示されている。2009 年に ADB はタイおよび
ベトナムの電力プロジェクトに対し、部分信用保証 7,180 万
ドルと政治リスク保証 3 億 2,500 万ドルをそれぞれ提供した。
4 ADB の保証には、政治リスク保証と部分リスク保証の 2 種類があり、いずれも貸手である民間金融機関および資本市場の投資家のリスク・エクスポージャーを軽減し、協調融資
を容易にするためのものである。政治リスク保証は、具体的に特定される政治リスクに保証を提供するもので、部分リスク保証は、協調融資機関による融資の特定部分を包括的
に保証するものである(商業リスクおよび政治リスク)。これらの保証は、ADB が参加要件を満たすプロジェクトに対してのみ供与される。
経営陣の検討と分析
ノンソブリン融資の融資スプ
1967 年から 1991 年まで、技術協力(TA)の費用は通常資本
財源(OCR)ならびに技術協力特別基金(TASF)、日本特別基金
(JSF)、その他信託基金および無償基金などの技術協力財源か
ら支出されていた。1992 年から 2000 年まで、通常資本財源
(OCR)からの技術協力費用の支出はなかった。ADB の理事会
は 2001 年、4 年ごとに継続される継続的資金供与の枠組みに
則って、OCR の当期利益を優先順位の高い技術協力に供与す
ることを承認した。OCR に対する資金要請額は年によって異
なり、理事会の承認にゆだねられている。2003 年、理事会は
OCR の純利益の TASF への繰り入れや、TASF その他の様々な
資金源を通じた技術協力活動への資金提供を再開した。2008
年 11 月、例 外 的 措 置 と し て、ADB は イ ン ド ネ シ ア・ジ ョ グ
景気循環相殺政策
支援ファシリティ
(CSF)
12
アジア開発銀行
4. シンジケーション
F. 融資財源
シンジケーションを通じて、ADB はその融資や保証にともな
1. 資本と準備金
うリスクの一部またはすべてを他の融資パートナーに移転
し、協調融資を呼び込むことが可能となる 5。すなわち、シン
ジケーションにより、ADB の融資ポートフォリオにおけるリ
スク特性が軽減・分散される。シンジケーションは資金提供の
経営陣の検討と分析
有無に関わらずいずれも可能であり、個別案件、ポートフォリ
オ、および業界の慣行に合致したその他の形式で編成できる。
2009 年中には、3 件のプロジェクトに対し、B ローン 6 を通じ
たシンジケーションとして 2 億 7,620 万ドルが供与された。
2009 年 12 月 31 日 現 在、ADB の 授 権 資 本 は 1,063 万 8,933
株、その価額は 1,661 億 7,910 万ドルである。2009 年 12 月
31 日現在、ADB の応募済資本は 388 万 9343 株、その価額は
607 億 5,110 万ドルである。応募済資本のうち 41 億 1,030 万
ドルは払込済資本金であり、566 億 4,080 万ドルが請求払資
本であった。請求払資本の払込は、通常資本財源(OCR)の下
での借入や保証による ADB の債務を履行するのに必要となっ
た場合にのみ要請できる。ADB の請求払資本について払い込
5. 出資
み請求が行われたことはない。
ADB の設立協定では、ノンソブリン業務を通じて域内の開発
し、総務会は 5 次通常資本増資(GCI V)の決議を採択した。こ
を目的とした民間投資を促進することが使命となっている。
れにより資本基盤は 550 億ドルから 1,650 億ドルに増強され
ADB は、融資や、その他政府保証を伴わない資金供与スキー
る。応募期限は 2010 年 12 月 31 日で、2009 年 12 月 31 日現
ムだけでなく、出資という形でも支援を提供している。設立
在、ADB に対して加盟 4 カ国から総額 42 億ドルの応募があっ
協定では、特別準備金を除いた欠損のない払込済資本、準備
た。その後、さらに加盟 4 カ国から総額 125 億ドルの応募が
金、余剰金を加算した額の 10 %を上限として、通常資本財
あった。
源(OCR)から民間企業に出資することが認められている。
ADB は通常資本財源(OCR)要件の見直しを成功裏に終了
ADB では、中期財務計画および出資資本の適切性について
2009 年末現在、通常資本財源(OCR)出資ポートフォリオの
毎年レビューを行っている。この結果に基づき、総務会は前
総額(払込済み額および払込前額の合計)は 10 億 4,600 万ド
年の純利益の準備金および / または剰余金への配分の承認を
ルであった。これは設立協定で規定された上限のおよそ 68%
行う。さらに、開発途上加盟国における開発活動支援のため、
に相当する。
実行可能な範囲内で、純利益の一部を他の特別基金に委譲す
2009 年中、5 件・計 2 億 2,000 万ドルの出資案件が承認さ
れた(2008 年の実績は 7 件・計 1 億 2,310 万ドル)。2009 年
の出資実行額は 5,870 万ドルであり、2008 年の 1 億 2,570 万
ドルから 53.3%減少した。ADB は出資案件 23 件について、そ
の持ち分の全部または一部を資本配分および売却し、2,710
万ドルを受け取った。持ち分の売却は、ADB が当該投資にお
る。2009 年 5 月、総務会は 2008 年の純利益 11 億 2,950 万ド
ける開発機関としての役割を果たしたのち、ビジネス慣行に
則って、関連企業の安定を損なわないよう行われた。
ルの配分を承認した。これにはジャワ復興基金に関連したコ
ミットメントとして以前に技術協力として計上された 1,000
万ドルおよび特別準備金に対する保証手数料の充当金が含
まれている。内訳は、累積再評価調整勘定への配分としての、
ASC 815 号および ASC 825-10 号に基づく調整による未実現
利益および持分法で算定された出資 4 億 2,700 万ドル、
(2)融
資損失引当金への配分 2 億 9,810 万ドル、
(3)通常準備金への
配分 2 億 6,140 万ドル、
(4)アジア開発貴金(ADF)への配分 1
億 2,000 万ドル(5)技術協力特別基金(TASF)への配分 2,300
万ドルとなっている。
5 ADB にリスクが残るかどうかによって、ADB の偶発債務の有無が決まる。
6 B ローンとは、適格金融機関が資金供給リスクを負うことを条件に、ADB 名義で提供される直接融資のトランシェであって、ADB に対する償還請求権を伴わないもの。ADB が資
金を供給する A ローンを補完する。
年次報告 2009
13
た新たな政策を承認した。この政策は、融資残高および保証残
高、および未実行約定額を含む出資残高の合計額が、ADB の
毀損していない応募済資本、準備金、および剰余金の合計額を
超えてはならないと定められているものである。さらに、総借
入残高が、非借入加盟国の請求払資本、払込済資本および準備
金(剰余金を含む)の合計を上回らないことを定めた方針が承
認された。2009 年 12 月 31 日現在、新たな政策に基づく約定
可能額は融資が 295 億ドル、借入が 58 億ドルであった(2008
年はそれぞれ 292 億ドルと 89 億ドル)。
2. 借入
表5
借入
(単位:百万ドル)
元本合計
ファーストコールまでの平均満期(年)
平均最終満期(年)
市場、手法および償還期間という観点から資金調達源の多様
化を図っている。ADB は 2009 年、この目標を達成するため
に次の戦略を継続した。すなわち、流動性の高いベンチマー
2008
10,358.8
3.8
5.2
9,372.1
3.5
4.4
取引件数
公募
私募
9
35
11
102
4
4
4
6
通貨の種類(スワップ前)
公募
私募
ADB による借入の主目的は、業務資金を可能な限り安定的か
つ低い費用で調達することである。この目的のため、ADB は
2009
長期
短期 a
元本合計 b
340.0
4
1
取引件数
通貨の種類
2,866.6
21
2
a 全てユーロ建てのコマーシャル・ペーパー。
b 年末時点の元本残高は、2009 年および 2008 年ともゼロであった。
ク 債 を 発 行 し て 主 要 な 通 貨 債 券 市 場 に お け る ADB の 高 い
プレゼンスを維持するとともに、臨機応変的な資金、および
ADB が低コストで資金を確保する手段である小口取引や仕組
現地通貨建て債券の発行 ADB は、域内の債券市場発展に貢
み債などの私募発行を通じて資金調達を行うことである。さ
献し、借手に対し適切な現地通貨建て融資を提供すると取り
らに、ADB は現地通貨による債券の発行やスワップ取引を通
組みを続けている。2009 年には、2 回目となる人民元建て「パ
じて ADB のプロジェクトに対して、地域の債券市場の発展お
ンダ債」を発行した(10 億元)ほか、インド・ルピー、インドネ
よび現地通貨による融資の提供という目的を引き続き追求し
シア・ルピア、フィリピン・ペソの現地通貨建て資金を、費用
た。新たに調達された資金はすべて、融資の実行や債務の借
効果の高いクロスカレンシー・スワップを通じて調達した。
り換え等の ADB の業務に必要となるまで、投資運用に充当さ
れる。
2009 年 4 月には、フィリピンと台湾の規制当局の承認を得
て、アジア通貨建て債券プログラムにフィリピン・ペソと台湾
ドルが新たに加わった。
2009 年の資金調達活動 ADB は 2009 年中に 44 件の借入
を行い、中長期資金約 104 億ドルを調達した(2008 年は 94
デリバティブの活用
億ドル)。新たな借入は、オーストラリア・ドル、メキシコ・ペ
スを維持する一方、業務に必要な各種通貨を費用効率よく調
ADB は主要資本市場での借入プレゼン
経営陣の検討と分析
2009 年 12 月 31 日現在の規約報告基準での自己資本総額 ソ、人民元、南アフリカ・ランド、スイス・フラン、トルコ・リ
は、前年 12 月 31 日時点の 152 億 6,950 万ドルから増加して
ラ、米ドルの 7 通貨建てで行われた。2009 年中に行われた借
153 億 1,830 万ドルとなった。増加の主な要因は、期間中の 入の 86.8%に相当する 90 億ドルは米ドル建て、残りの 14 億
他の包括利益の純増 1 億 4,100 万ドル(換算調整額のプラス 1
ドル(13.2 %)は日本円(11.8 %)と人民元(1.4 %)にスワッ
プされた。2009 年中の借入の平均償還期間は 3.8 年であった
億 6,360 万ドル、投資の未実現利益および出資 2 億 2,300 万
ドル、これを相殺するものとしての年金 / 退職後給付債務の調 (2008 年は 3.5 年)。2009 年の借入総額のうち、77 億ドルは
整額 2 億 4,490 万ドル、および ASC 815 号に基づく調整償却
9 件の公募債(米ドル建てのグローバルベンチマーク 2 件、中
額 70 万ドル)、特別引出権(SDR)の価値変動による資本およ
国で発行された現地通貨建て債券 1 件を含む)、残りの 27 億
び準備金に対する正味影響額 7,320 万ドル、および資本の追
ドルは私募債 35 件により調達された。ADB はまた、ユーロ・
加払い込み 510 万ドルであった。これらを相殺するものとし
コマーシャル・ペーパー・プログラムのもとで短期資金 3 億
て、アジア開発基金(ADF)に対する配分 1 億 2,000 万ドル、 4,000 万ドルを調達し、市場でのプレゼンスを強化するとと
技術協力特別基金(TASF)に対する配分 2,300 万ドル、および
もに、短期的な現金ニーズに対応した。2008 年の借入と対比
した 2009 年の借入の詳細は表 5 の通り。
2009 年の純損 2,750 万ドルであった。
2008 年 12 月、理事会は ADB の融資限度枠について見直し
14
アジア開発銀行
図 1 通貨構成に対する影響
借入残高の通貨構成
借入残高の通貨構成
(スワップ後)
(スワップ前)
米ドル
その他通貨a
88.4%
米ドル
経営陣の検討と分析
38.2%
53.5%
その他通貨b
日本円
日本円
8.3%
1.0%
10.6%
a その他通貨には、オーストラリア・ドル、カナダ・ドル、人民元、ユーロ、香港ドル、インド・ルピー、カザフスタン・テンゲ、マレーシア・リンギット、メキシコ・ペソ、新台
湾ドル、ニュージーランド・ドル、フィリピン・ペソ、英ポンド、シンガポール・ドル、南アフリカ・ランド、スイス・フラン、タイ・バーツ、トルコ・リラが含まれる。
b その他通貨には、人民元、インド・ルピー、カザフスタン・テンゲ、フィリピン・ペソ、英ポンド、スイス・フランが含まれる。
図 2 利率構造に対する影響
借入残高の利率構造
借入残高の利率構造
(スワップ後)
(スワップ前)
変動
固定
7.6%
10.7%
変動
固定
89.3%
92.4%
達するため、通貨および金利スワップを完全にヘッジされた
大化に努めている。ADB は設立協定に従い、投資目的での通
形で活用している。2009 年 12 月 31 日現在の ADB の借入残
貨交換は行わない。つまり、投資は受領した通貨と同じ通貨で
高について、その利子および通貨構造に対するスワップの影
行われる。現在、流動資産投資は 21 種類の通貨で運用されて
響は図 1・2 の通り。利子スワップは資産 ・ 負債管理において
いる。
も、負債を融資の金利条件に整合させるために使われている。
ADB の流動資産は、国債等公債、定期預金、銀行等金融機関
の無条件の債務、および一定の範囲内で、信用度の高い社債、
G. 流動性ポートフォリオ
抵当証券および資産担保証券の形で保有されている。流動性
流動性ポートフォリオは、融資実行、債務返済、その他必要経
らに安全性流動性資産、業務用現金、現金クッション、裁量的
資産はリスク条件やパフォーマンス基準の違いによって、さ
費に充当する資金の確保に役立つほか、ADB の収益基盤にも
流動性資産の 4 つに分けられている。表 6 は、売り戻し条件付
寄与する。流動性資産の管理は ADB の「投資要領」に従って行
契約において買い戻した有価証券の受取債権を含み、有価証
われる。その主たる目的は、投資資金の安全性と流動性の維持
券融資契約の下で移転された証券および未決定の売買を除い
である。ADB はこの 2 つの目的を確保した上で、投資収益の最
た、2009 年および 2008 年の年末時点における流動性資産の
年次報告 2009
15
れにより、キャッシュ・フローのニーズが生じる前に適宜借入
表 6 年末時点の流動性ポートフォリオ残高 a
を行うことが可能となるほか、市場においてもプレゼンスを
(単位:百万ドル)
継続維持することで ADB の短期資金調達力が高まる。
2009
2008
10,063.2
9,604.5
201.5
298.2
現金クッション・ポートフォリオ
1,953.2
2,605.9
ADB は通常業務の一環として様々な契約を締結するが、そ
裁量的流動資産
1,246.2
2,622.0
れによって将来的な現金支払い義務が発生することもある。
495.2
626.1
2009 年末・2008 年末時点における ADB の重要な契約上の現
13,959.3
15,756.7
金債務の概要は表 8 の通り。
「長期債務」には、スワップを除く
安全性流動性ポートフォリオ
業務用現金ポートフォリオ
合計
a 流動性ポートフォリオの構成は、継続的な流動性管理の一環として毎年変化
する。
直接的な中長期の借入が含まれるが、未償却の債権発行差益お
よび差損および ASC 815 号適用による効果は含まれない。
「そ
の他の長期負債」には、年金および退職後医療給付等の未払債
務が含まれる。
表 7 流動性ポートフォリオの収益率
(%)
収益率(年率換算)
2009
2008
安全性流動性ポートフォリオ
3.83
6.43
業務用現金ポートフォリオ
0.14
2.03
現金クッション・ポートフォリオ
0.92
2.59
裁量的流動資産
0.34
0.44
4.14
2.83
a
その他のポートフォリオ
a 資金調達費用に上乗せされるスプレッド(12 月 31 日時点)。
表8
契約上の現金債務
(単位:百万ドル)
2009
2008
長期借入金
42,713.4
35,713.5
融資約定の未実行分
22,877.9
20,648.5
出資約定の未実行分
433.4
275.7
1,971.6
1,772.6
748.9
712.7
68,745.2
59,123.0
保証約定
その他長期負債
合計
残高を示したものである。
安全性流動性ポートフォリオの資金は、流動性の緩衝装置
としての主目的が達成されるように運用される。所定のリス
ク許容水準を前提とした総収益の最大化を図るため、現金の
I. 財務リスクの管理
出入りは最小限に抑えられる。同資金は主に株式で調達され、
リスク管理室(ORM)は ADB の信用リスク、市場リスク、オペ
運用実績は、平均運用期間を約 2.2 年とする外部ベンチマーク
レーショナル・リスクの全体的な管理に対して責任を負って
を基準に評価される。
いる。リスクに関する方針や手順を策定し、リスクの測定・監
業務用現金のポートフォリオは、1 カ月分の純現金必要額
視・抑制を行っている。すべてのノンソブリン取引について信
に対応するものである。資金は株式で調達し、流動性の高い短
用度を評価している。具体的には、新規取引についてリスク評
期の金融市場商品に投資される。運用実績は、短期運用に関す
価を行い、開始後も別個のモニタリングを行うほか、不良債権
る外部のベンチマークを基準に評価される。
化した取引の対応を必要に応じ行う。リスク管理室はまた、市
現金クッション・ポートフォリオは、ADB が借り入れた資
場や取引相手の信用の質、金利リスク、為替リスクといった、
金を融資実行まで保有しておく機能を果たす。この資金は短
市場や財務リスクもモニタリングするほか、ポートフォリオ
期金融商品に投資され、運用実績は、短期運用に関する外部の
全体について、制限や集中度合いのモニタリング、融資損失引
ベンチマークを基準に評価される。ポートフォリオは、借入コ
当金の要件を査定し、自己資本を評価する。
ストと投資収益の間で得られたスプレッドを最大化すること
を目指している。
ADB のリスク管理の枠組みにおける他の重要機関として、
監査委員会とリスク委員会がある。リスク管理室は監査委員
裁量的流動性ポートフォリオの資金は、中期的資金調達
会に対して ADB のリスクプロファイルの進捗状況について四
ニーズを支えるために用いられ、中期的な資金調達プログラ
半期報告を提出し、リスク委員会は ADB のリスクについて高
ム実施における柔軟性確保のため、借入により調達される。こ
度なモニタリングを行うとともに、リスクに関する政策や活
経営陣の検討と分析
その他のポートフォリオ
H. 契約上の債務
アジア開発銀行
16
動について総裁に提言を行う。
ADB は使命を遂行するに当たり、信用リスク、市場リスク、
表 10
ADB 内部におけるリスク評価基準
流動性リスク、オペレーショナル・リスクなど、様々なリスク
にさらされている。この部署は、ADB の自己資本を予期せぬ
損失からも保護する方策についても議論している。
ADB 内部における
評価尺度
S&P による
同等の格付け
ADB による定義
経営陣の検討と分析
1
AAA ∼ A
信用リスクが最も低い
2
A−
信用リスクが非常に低い
3
BBB+
信用リスクが低い
4
BBB
信用リスクが低い
信用リスクとは、取引相手が債務不履行(デフォルト)に陥っ
5
BBB −
信用リスクが低い∼中程度
た場合や、信用力が低下した場合に最終的に引き起こされる
6
BB+
信用リスクが中程度
可能性がある損失をいう。信用リスクには、ポートフォリオの
7
BB
信用リスクが中程度
8
BB −
信用リスクが中程度
1. 信用リスク
多くが特定の国、業種、債務者、商品タイプ、個々の取引に集
中配分されて発生する集中リスクが含まれる。出資価値が下
がったり変動するリスクであるエクイティ・リスクについて
もこの部署で論じる。
9
B+
相当の信用リスクがある
10
B
相当の信用リスクがある
11
B−
相当の信用リスクがある
12
CCC+
信用リスクが高い
ADB はソブリン業務、ノンソブリン業務、財務活動におい
13
CCC ∼ C
信用リスクが非常に高い
て信用リスクにさらされる。これらのポートフォリオには、い
14
D
債務不履行状態
くつかの資産クラスが含まれる。ソブリン・ポートフォリオに
は、ソブリン債務および保証が含まれる。ノンソブリン・ポー
トフォリオには、ノンソブリン債務および保証、公開株式とプ
ソブリン・ポートフォリオの信用リスク
ライベート・エクイティ、財務ポートフォリオが含まれる。財
務ポートフォリオには確定利付証券、現金および現金同等物、
リスク管理
デリバティブが含まれる。個々の資産クラスがさらされる信
て借手が融資債務または保証債務の不履行に陥るリスクをい
ソブリン信用リスクとは、ソブリン融資におい
用リスクについては表 9 の通り。数値は担保、その他の信用補
う。ADB では貸倒引当金や保守的な自己資本を維持すること
完、減損引当金の総額を示している。
により、ソブリン信用リスクを管理している。ADB はこれま
ADB は各融資、保証、財務取引相手の評価に当たり、14 段
階の内部評価基準を採用している(表 10)。ノンソブリン取引
で債務不履行に直面したことはほとんどなく、債務不履行に
陥った国が出た場合も、債務国は通常、実情を踏まえて融資の
の評価は通常、当該国のソブリン格付けを上限としている。
返済を行っているため、ADB が通常資本財源(OCR)によるソ
ブリン融資を相殺せざるを得なくなったことはない。
ADB は特定の取引において既知または予想される損失を
相殺するための融資損失引当金と、融資業務の過程で想定さ
表 9 信用リスクへのエクスポージャー
れる通常の損失を相殺するための貸倒引当金とを維持してい
2009 年および 2008 年末
(単位:百万ドル)
項目
ソブリン業務(債務および保証)
ノンソブリン業務
a 債務および保証
b 公開株式
c プライベート・エクイティ
る。融資損失引当金と貸倒引当金の合計額が ADB の予想損失
2009
2008
40,488.1
34,870.7
3,363.9
2,754.2
2,479.5
2,109.7
461.6
238.5
422.9
406.0
16,092.1
17,000.5
a 固定収入
12,794.0
14,097.5
b 現金商品
2,369.6
2,308.4
財務証券
c デリバティブ
エクスポージャー合計
928.4
594.6
59,944.1
54,625.4
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
に相当する。
2009 年の実績
ソブリン信用の質
2009 年、ソブリン・ポートフォリオの加
重平均リスクの評価は、6(BB+)以下の信用格付けを有する
開発途上国に対する実行額が増加したことにより、2008 年の
6.4(BB+)から 6.0(BB+)に改善した(図 3)。
ソブリンの集中
アジアの人口は数カ国に集中していること
から、ADB では人口の多い国に重点を置くことにより、開発
任務を遂行している。インドネシア、中国、インドという借手
上位 3 カ国向けは、ポートフォリオ全体の 65.2%に相当する
(表 11)。
年次報告 2009
17
図 3 ソブリン・エクスポージャー(信用の質別)
2009年 第4四半期
2008年 第4四半期
12: 0.1%
11: 11.5%
12: 12.4%
11: 0.3%
10: 3.3%
1: 23.4%
2: 0.4%
8: 15.3%
1: 24.2%
9: 12.7%
2: 0.6%
5: 17.9%
5: 19.6%
6: 0.1%
7: 23.9%
8: 28.5%
信用の質の改善によって、ポートフォリオ成長
リスク管理室はノンソブリン業務の信用リスク管理に深く
による予想損失の増加が相殺されている。ソブリン・ポート
関わっており、新規プロジェクト案件について、コンセプトの
予想損失
フォリオに関する予想損失は、2008 年の 4 億 2,800 万ドルか
承認時点と融資承認前にも独立した評価をそれぞれ行う。承
ら 2009 年は 1 億 9,310 万ドルに減少した(表 12)。
認後、リスク管理室は、エクスポージャー評価を少なくとも年
に 1 回は行っている。債務不履行に陥る可能性が高い、または
ノンソブリン・ポートフォリオにおける信用および
債務不履行に陥ったエクスポージャーについては頻繁に評価
株式投資リスク
を行っている。こうした評価プロセスにおいて、リスク管理室
は、エクスポージャーのリスクプロファイルに変化が見られた
投資委員会とリスク委員会は、ノンソブリン・
かどうかチェックし、リスク軽減のためのアクションを提言し
ポートフォリオのリスクをモニターしている。投資委員会は
たり、リスク評価を再確認・調整して、共同投資については公
すべてのノンソブリン取引の信用度の評価を行い、副総裁が
正価値の見直しも行う。関連性がある場合、リスク管理室は個
その業務をとりまとめる。リスク委員会は、ポートフォリオ
別規定の評価を行う。リスク管理室が危険にさらされていると
全体のリスクと、信用度が低下した取引を個別にモニタリン
判断した投資は、再編および再生処理のため、業務局からリス
グしている。リスク委員会はまた、ポートフォリオのリスク
ク管理室内の企業再生ユニットに移管されることがある。
リスク管理
管理に関する政策の変更を承認または支持したり、減損引当
出資もノンソブリン・ポートフォリオの管理下にある。公
金の承認を行う。リスク委員会の委員長は事務総長が務めて
開株式について、ADB は投資評価を日々行っている。プライ
いる。
ベート・エクイティへの直接投資について、ADB は年に 1 回以
表 11 国別シェア
表 12
2009 年および 2008 年末
ソブリン・ポートフォリオの予想損失
2009 年および 2008 年末
(単位:特に記載がない場合、百万ドル)
2009
エクスポー
ジャー
インドネシア
9,679.9
中国
インド
2009
2008
%
エクスポー
ジャー
%
23.9
9,831.6
28.2
9,409.5
23.2
8,345.4
23.9
7,299.3
18.0
6,165.2
17.7
フィリピン
5,452.0
13.5
4,293.5
12.3
パキスタン
4,658.5
11.5
4,292.5
12.3
その他
3,988.8
9.9
1,942.4
5.6
国
2008
%
百万ドル
融資損失引当金
(ソブリン業務
ポートフォリオ比)
%
百万ドル
(ソブリン業務
ポートフォリオ比)
2.7
0.0
4.4
0.0
貸倒引当金
必要額 a
190.4
0.5
423.6
1.2
予想損失
193.1
0.5
428.0
1.2
注:0.05%未満は 0.0 と表記される。
a 貸倒引当金必要額は、2010 年 5 月の年次総会における総務会の承認にかけ
られる。
経営陣の検討と分析
10: 5.3%
9: 0.3%
アジア開発銀行
18
上、公正価値の評価を行っている。プライベート・エクイティ・
ファンドについては、ADB はファンドが報告する純資産価値
プライベートエクイティ・ポートフォリオ
プライベート
エクイティ・ポートフォリオは、
(1)ADB が投資先企業の株式
を年に 1 回以上その正当性をチェックしている。ADB の設立協
を保有する直接エクイティ投資と、
(2)ファンドマネジャー
定では、出資について、減損処理前の払込資本金、準備金、剰余
が投資先企業の株式を保有し、運用するプライベート・エクイ
金から特別準備金を差引いた額の 10%を上限としている。ま
ティ・ファンドの株式の一部を ADB が保有する場合の 2 種類
た、リスク管理を目的とし、プライベート・エクイティ・ファン
がある。
ドについては、これら合計額の 5%に上限が定められている。
経営陣の検討と分析
ADB はノンソブリン・ポートフォリオにおける集中リスク
ADB は原価法または持分法のいずれかを用いて、プライ
ベートエクイティ・ポートフォリオの会計処理を行っている。
を管理するために、国別、業界部門別、企業グループ別、債務者
これらの方法を補完するため ADB は、22008 年末時点の全プ
別、個々の取引についてそれぞれ制限を設けている。
ライベート・エクイティに対する評価を 009 年第 2 四半期に
行った。直接エクイティ・ポートフォリオの公正価値は 2 億
2009 年の実績
導入した。うち債務者リスク評価は、借手が債務不履行に陥る
2,460 万ドル、未実現利益は 9,080 万ドルと評価された。投資
実行後における加重平均内部収益率は 17.0%となった。一方、
ファンド・ポートフォリオの公正価値は 2 億 3,210 万ドル、未
実現損失は 5,700 万ドルで、投資実行後の加重平均内部収益率
は 2.4%だった。ファンドの内部収益率が低かったのは、2008
可能性を表すもので、ADB がモニタリングを行う主要格付け
年末時点にエクイティ価値が下がっていたことなどによる。
ノンソブリン融資と保証ポートフォリオ ADB は各ノンソブ
リン融資と保証について、債務者とファシリティのリスク評価
を決定する新たな信用格付けシステムを 2009 年第 1 四半期に
である。2009 年は世界経済が安定化にむかったことなどから、
ADB の加重平均リスク評価は全体的に改善し、年度末時点に
おける加重平均した信用格付けは 7.4(BB)となった(図 4)
。
公開株式ポートフォリオ 2009 年に ADB の公開株式ポー
トフォリオは前年比 93.5%増と、対前年比 70.4%増となった
MSCI のエマージング・アジア・インデックスを上回った(表
13)。
図 4 2009 年代 4 四半期における
ノンソブリン・エクスポージャー(信用の質別)
13: 1.4%
ノンソブリンの集中
ている。このエクスポージャーの合計は 2008 年の 41.2 %か
ら 2009 年には 47.7%に上昇した(表 14)
。各国とも ADB のノ
ンソブリン・エクスポージャーの国別の制限に準拠している。
ノンソブリン・ポートフォリオはエネルギーおよび金融セ
クターが多いが(表 15)、ADB では経済発展におけるインフラ
表 14
国別シェア
2009 年および 2008 年末
2009
14: 4.6%
1: 20.4%
12: 11.8%
4: 1.2%
11: 4.8%
5: 10.1%
10: 12.9%
百万ドル
%
百万ドル
%
中国
796.1
553.3
256.0
221.3
200.3
1,336.9
23.7
16.4
7.6
6.6
6.0
39.7
472.4
401.2
261.6
102.2
203.0
1,313.8
17.2
14.6
9.5
3.7
7.4
47.7
インド
ベトナム
バングラデシュ
その他
6: 8.1%
7: 1.6%
8: 11.4%
2008
国
フィリピン
9: 11.7%
ノンソブリン・エクスポージャーは
中国(23.7%)
、インド(16.4%)
、フィリピン(7.6%)に集中し
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
表 15 セクター別シェア
2009 年および 2008 年末
表 13 公開株式のパフォーマンス
2009
2009 年および 2008 年末
( 単位:特に記載がない場合、百万ドル )
項目
2009
2008
前年比(%)
ADB ポートフォリオ
461.6
238.5
93.5
401.7
235.8
70.4
MSCI エマージング・
アジア・インデックス
2008
セクター
百万ドル
%
百万ドル
%
エネルギー
1,618.9
1,133.2
291.5
320.3
48.1
33.7
8.7
9.5
1,254.2
917.8
278.6
303.5
45.5
33.3
10.1
11.0
金融
投資ファンド
その他
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2009
表 16 ノンソブリン・ポートフォリオの予想損失
2009 年および 2008 年末
2008
%
予想損失
れている。加えて、ADB は企業投資先、預金先、その他の投資
%
デリバティブ取引から生じる取引相手先の信用リスクを
百万ドル
(ソブリン業務
ポートフォリオ比)
122.3
4.9
4.8
0.2
55.6
2.2
69.6
3.3
会(ISDA)による一定水準以上の格付けを有し、担保付契約
177.9
7.2
74.4
3.5
(Credit Support Annex、CSA)に署名している取引の相手先
百万ドル
(ソブリン業務
ポートフォリオ比)
定している。
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 貸倒引当金必要額は、2010 年 5 月の年次総会における総務会の承認にかけ
られる。
軽減するため、ADB は取引相手先に対して厳しい適格要件
を課している。ADB は通常、国際スワップデリバティブ協
のみとスワップ取引を行っている。デリバティブのポジショ
ンは CSA に基づいて毎日値洗いされ、結果として生じるエク
スポージャーは、米ドルと米国財務省証券が担保となる。ADB
はまた、取引の相手先ごとにエクスポージャー上限を設定し、
や金融セクターの重要性に鑑み、これらセクターへのエクス
これらの限度額を現在および潜在的なエクスポージャーに照
ポージャーを高く維持している。過度の集中を防ぐため、ADB
らしてモニターしている。リスク管理室(ORM)では、取引相
ではこれらのセクターについてモニタリングと報告を強化す
手先が担保義務を満たせるよう、必要に応じて担保要求を認
るとともに、これらの分野における専門家を雇用している。
めている。
予想損失
2009 年、ノンソブリン・ポートフォリオにおけ
る予想損失は大幅に増加した。この増加は、債務不履行に陥っ
た金融機関に対して行った融資や保証によるものであった。
2009 年の実績 財務ポートフォリオについて、2009 年の加
重平均格付評価は AA +に安定していた(図 5)。8(BB −)と
評価されたポートフォリオへの投資は、ADB 加盟国のソブリ
財務ポートフォリの信用リスク
ン債への投資によるとみられる。
2009 年 12 月 31 日現在、支払期日を過ぎた、あるいは減損
リスク管理
財務ポートフォリオに影響を与える信用リスク
として、債務不履行(デフォルト)リスクと取引の相手先(カウ
ンターパーティ)リスクがある。債務不履行リスクとは、債券
の発行体が利払いまたは元本償還の不履行に陥るリスクであ
り、取引の相手先リスクとは、取引相手が ADB に対する契約
上の債務の不履行に陥るリスクである。
された確定利付債やデリバティブ、あるいはその他の米国財
務省証券エクスポージャーはなかった(2008 年もゼロ)。
信用リスク:銀行預金
ADB が預金するのは、長期的な信
用格付けが平均 A +以上、または短期的な信用格付けが A-1
および P-1 以上の金融機関に限られる。ADB はまた、こうした
信用格付け以外に潜在的なリスクがあると思われる金融機関
これらのリスクを抑制するため、ADB は取引相手を、2 つ以
については監視対象としてリストアップしている。また、預金
上の一般的格付け機関から一定水準以上の格付けを受けた健
規模についても、取引相手先の自己資本や信用度に応じて制
全な機関に限定している。さらに財務ポートフォリオは、基本
限が設けられている。一般的に、預金の信用リスクは低いとい
図 5 財務エクスポージャー(信用の質別)
2009年 第4四半期
2: 0.4%
2008年 第4四半期
8: 0.7%
2: 1.5%
1: 98.9%
8: 0.8%
1: 97.7%
経営陣の検討と分析
貸倒引当金
必要額 a
的に短期金融市場商品や国債といった保守的な資産に投資さ
先についても、それぞれエクスポージャーの上限を慎重に設
2009
融資損失引当金
19
アジア開発銀行
20
うこともあり、ADB が預金している金融機関の信用格付けは
保が設定されている。
集中
すべて AA−以上となっている。
信用リスク:確定利付債 ADB では確定利付証券について
は保守的な政策を打ち出しており、信用リスクは低いものと
2009 年 12 月 31 日現在、財務信用リスクのエクス
ポージャーは 26 カ国に割り当てられており、米国が最大と
なっている(表 18)。
なっている。確定利付資産のうち 85.6 %が、低リスクのソブ
リン債およびソブリン保証債を担保とする有価証券となって
おり、残りは格付け AAA となっている資産担保証券と抵当証
2. 市場リスク
経営陣の検討と分析
券、および A−以上の社債とに均等に分配されている(表 17)。
リスク管理
このうち抵当証券および社債の信用リスクについては、世界
品に損失が生じるリスクをいう。ADB が直面しうる主な市場
経済情勢の改善を受け、昨年概ね低下した。
リスクには、株価リスク(ノンソブリン・ポートフォリオの項
信用リスク:デリバティブ
デリバティブ取引相手先の信
用リスクは低いものとなっている。スワップ取引相手先の格
市場リスクとは、市場価格の変動により金融商
で前述)、金利リスク、為替リスクの 3 種類がある。
金利リスク
借手の利払いは ADB の資金調達コストと合
付けはすべて A−以上となっている。A−から A +の格付けを
致しているため、業務ポートフォリオの金利リスクは、完全に
有する取引相手先に対する現在のエクスポージャーは十分な
ヘッジされている。したがって、借手側が金利変動リスクを負
担保が設定されており、AA−以上の格付けを有する取引相手
い、ADB の利鞘はほぼ一定に保たれる。
先に対する担保が設定されていないエクスポージャーは、所
ADB は主に財務ポートフォリオを通じて金利リスクにさら
定の閾値まで変化する可能性がある。2009 年 12 月 31 日現
される。ADB は様々な定量手法を用いて、財務ポートフォリオ
在、デリバティブ取引相手先の信用の質が高いことを勘案す
の金利リスクをモニターおよび管理している。すべてのポジ
ると、値洗いされるエクスポージャーの 52%についてのみ担
ションを毎日値洗いし、金利リスク指標をモニターするほか、ス
トレステストやシナリオ分析も行っている。
(金 利 バ
ADB は「デ ュ レ ー シ ョ ン 」お よ び「金 利 VaR」
リュー・アット・リスク)という 2 つの指標を用い、財務ポー
表 17 確定利付債(資産クラス別)
2009 年および 2008 年末
( 単位:百万ドル )
トフォリオの金利リスクを測定している。デュレーションと
項目
2009
2008
ソブリン政府債
4,092.5
4,770.7
ソブリン政府保証債
4,778.7
2,883.2
政府出資企業及び超国家機関
は金利 1%の変化に対して、予想されるポートフォリオの価値
のパーセント変化を示す数値である。金利 VaR とは、金利変動
により所与の期間において所与の信頼度で想定される損失を
2,084.3
4,182.8
示す指標で、ADB はこの指標の算出に当たって 95%の信頼度
格付け AAA の資産担保証券・抵当証券
855.3
761.9
と 1 年の期間を用いており、これは ADB が金利変動により 20
社債
983.1
1,498.9
年ごとに損失すると想定される最低金額を示している。デュ
合計
12,794.0
14,097.5
レーションは ADB の財務ポートフォリオ全体の金利リスク測
定のために用いられるが、金利 VaR は最も金利リスクにさら
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
される安全性流動性ポートフォリオのみに適用される。
為替リスク
表 18 国別シェア
ADB は業務に伴う為替リスクを最小限に抑制
している。業務ポートフォリオと財務ポートフォリオの双方
2009 年および 2008 年末
2009
において、ADB は投融資の通貨と受領資金の通貨を一致させ
2008
国
百万ドル
%
百万ドル
%
るよう求められている。借入資金または投資目的の資金につ
米国
5,123.6
31.8
5,261.1
30.9
いては、同資金がクロスカレンシー・スワップまたは為替先渡
日本
3,107.4
19.3
1,906.8
11.2
し契約によって完全にヘッジされる場合に限り、他の通貨に
オーストラリア
1,951.8
12.1
1,072.4
6.3
ドイツ
1,382.3
8.6
1,412.7
8.3
交換することができる。ただし、ADB の業務が複数通貨で実
英国
722.4
4.5
1,928.2
11.3
フランス
676.4
4.2
1,434.6
8.4
カナダ
642.7
4.0
385.8
2.3
その他
2,485.6
15.4
3,600.9
21.2
注:小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
施されていることから、米ドル建てで報告される ADB は通貨
換算調整による変動にさらされている。
2009 年の実績 本書での市場リスクに関する説明は、ADB の
市場リスクの大半を占めている安全性流動性ポートフォリオ
(PLP)の主要な通貨についてである。安全性流動性ポートフォ
年次報告 2009
リオは ADB の通常資本財源(OCR)の 72 %を占め、うち 95 %
が主要通貨がである。主要通貨には米ドル、日本円、ユーロ、英
ポンド、オーストラリア・ドルおよびカナダ・ドルを含む。
バリュー・アット・リスク 金利リスクと為替リスクを含む
21
5. 適正資本
ADB の最も深刻なリスクは、融資ポートフォリオの大半が債
務不履行になった場合に発生する。信用リスクは予想損失と
合計バリュー・アット・リスクは、2008 年の 8.7 %から 2009
予想外の損失の双方で測定される。予想損失については、ADB
年には 5.3%に減少した。この数字は、ポートフォリオが翌年
は融資損失引当金を保有している。一方、金融機関にとって
5.3%(5 億 1,710 万ドル)以上の価値を失う可能性が 5%ある
ことを意味している。こうした潜在的な損失の可能性は 2009
年、通貨市場が安定して ADB の財務投資の平均残存期間が短
は、組織自身の収入創出能力と資本であるが、ADB もこれに、
依拠している。
この予想外の損失を吸収する資本力があるかどうか測定す
安全性流動性ポートフォリオ(PLP)の主要な金利感
るにあたり、ADB では主にストレステストを用いている。こ
応度は、ポートフォリオの加重期間に反映されている。2009
の枠組みは 2 つの目的を有している。まず、信用ショックに伴
年は 2.3 年間と、変化がなかった。
う収入の損失に対する吸収能力を査定する。これにより、ADB
期間
ストレステスト ADB では、主な安全性流動性ポートフォ
は追加出資や資本金の払い込み請求など、出資国の支援への
リオ(PLP)が金利変動に対してどの程度の感応度があるか測
依存度を減らす。その結果、ADB は出資国を保護するだけで
定している。金利が 2 %上昇した場合、主要な安全性流動性
なく、AAA という信用格付けを支え、ADB の資金調達コスト
ポートフォリオの価値は 4.21 %失われると予想される(4 億
やひいては融資金利を引き下げることになる。
1,280 万ドル)が、ADB の平均的な投資残存期間が短縮した
次に、信用ショック後の融資を拡大する上で十分な収入を
ので、この予想損失は、昨年よりやや小さくなったといえる。
生み出す能力が ADB にあるか測定を行う。たとえば金融危機
ADB では、市場要因において過去に発生した大きな変化が再
の際、開発途上加盟国の中には資本市場へのアクセスが制限
発した場合、主要な安全性流動性ポートフォリオがどのよう
される可能性もあり、開発機関としての ADB の使命はいっそ
に反応するか、シミュレーション分析も行っている。その結
う重要になる。この 2 番目の要件により、ADB はそのような厳
果、ADB の投資は質が高いため、大半のストレスシナリオにお
しい状況下でも融資能力を保持することを確実にしている。
いて、高格付け債券に対する需要が増え、財務ポートフォリオ
が上昇するとみられる。
このストレステスト実施にあたり、ADB は数千にも及ぶ
ポートフォリオのシミュレーションを作成し、それらの 99%
に及ぶほど大きな信用ショックを課す。次に、その後の 10 年
3. 流動性リスク
間の資本融資率(ELR)のモデルを作成し、こうしたショックが
ADB が金融・業務上のコミットメントを遵守する上で十分な
ADB は深刻な信用ショックであっても損失を吸収し、開発融
資金を調達できない場合、流動性リスクが発生する可能性が
資継続に十分な資本を有していることが明らかとなった。
資本に及ぼす影響を評価する。その結果、2009 年を通じて、
ある。ADB は、資本市場に一時的にアクセスできないなどの
理由による流動性低下に備え、資金流動性を充分に維持して
いる。流動性水準と現金需要をつねにチェックし、四半期ごと
6. 資産負債管理
には理事会によるレビューも行われている。
ADB にとって資産負債管理の目的は、ADB の純資産と全体的
な適正資本を保護し、ADB のリスク負担能力の着実な向上を
4. オペレーショナル・リスク
促進し、受容可能な水準の財務リスクを取るための健全な財
オペレーショナル・リスクとは、内部プロセスや人およびシス
した資金調達コストにより、最もリーズナブルな融資条件下
テムの不備・欠陥、または外的事由によって損失が発生するリ
で開発融資資金を借手に提供するとともに、ADB の財務の健
務政策を策定することである。その目的は、最も低くかつ安定
スクである。ADB は様々な種類のオペレーショナル・リスク
全性を保つことにある。資産負債管理は純資産を為替リスク
にさらされているが、健全な内部統制により、こうしたリスク
から守り、金利の純差益を金利の変動から守り、ADB の業務に
は軽減されている。ADB は融資機能における誤りを最小限に
必要な流動性を提供する。ADB はまた、ソブリン融資につい
とどめるため、厳格な取引承認プロセスを採用している。さら
ては借手に費用を転嫁するパススルー方式を一貫して適用、
に、非常事態が発生した場合の影響を軽減するため、業務の継
融資資金調達にあたっては最も費用効率の高い借入金を割り
続、とりわけ情報技術強化にとりくんでいる。
当てている。資産負債管理の目的と慣行は、2006 年に理事会
経営陣の検討と分析
くなったことで、低下した。
信用などのリスクから生じる予想外の損失に対する最後の砦
22
アジア開発銀行
が承認した「包括的資産・負債管理政策枠組み」によって明確
化され、確立された。この枠組みにより、通常資本財源(OCR)
の金融資産と負債を管理する上でガイドラインとなる原則が
あるが、ADB は、公正価値の評価は妥当であると考えている。
財 務 会 計 基 準 審 議 会(FASB)は、2006 年 9 月 と 2007 年
定められ、資産負債管理に関する全ての財務政策(流動性、投
2 月に、それぞれ ASC 820 号「公正価値測定と開示」および
ASC 825 号「金融商品」を公表した。ASC 820 号は公正価値の
資、株式管理、適正資本の各政策を含む)の指針となる枠組み
測定に関する定義と手法を重視しつつ、財務報告目的におけ
が提供された。
る開示要件を拡大するものであり、ASC 825 号は公正価値で
の記帳が許される金融商品の範囲を拡大するものである。こ
経営陣の検討と分析
J. 財務報告への内部統制
れらについては通常資本財源(OCR)の財務諸表の注 B(注:英
語版のみ)でより詳細に論じられている。
ADB の経営陣は、コーポレートガバナンスに関するグローバ
ル・ベストプラクティスに沿い、財務報告への内部統制の妥当
貸倒引当金
性および実効性について評価を実施した。その際、トレッド
引当金の計算手法は、リスクベースのモデルに変更されるこ
ウェイ委員会組織委員会(COSO)が公表した『内部統制の統
とが理事会により承認された。融資の毀損に備える貸倒引当
合的枠組み』で確立された基準を適用した。同評価の一環とし
金には、将来の予想キャッシュ・フローを融資の実効金利で割
て、財務報告への主要な統制が検証された。また、ADB の外部
り引いた現在価額について、経営陣の判断と推定が反映され
2006 年、ADB のノンソブリン業務に関する貸倒
監査人は、ADB が 2009 年の財務報告に対して実効性のある
る。ADB では、最新の情報および状況に基づき、融資の契約条
内部統制を維持したことに同意した。
件に従って受け取るべき金額を全額回収できない可能性が高
いと判断した場合に、当該融資が毀損したとみなす。貸倒引当
K. 重要な会計政策および評価
金の計算はリスク管理室(ORM)が四半期ごとに行う。
重要な会計政策は通常資本財源(OCR)財務諸表の注 B(注:英
いない融資の予想損失を評価する。債務不履行の確率は、過
ADB は内部のリスク格付けシステムを利用して、減損して
語版のみ)に示す通りである。財務諸表に開示されているとお
去の貸し倒れの経験および市場で入手できる各種ツールに基
り、経営陣は、金融商品の公正価値を評価する。この評価は本
づいて算出される。貸倒引当金は、総務会の承認を条件とし
質的に、判断および入手可能な情報に基づいてなされるため、
て、予想損失に対して純利益の配分として資本の部に計上さ
実際の結果が評価と異なる可能性があり、また財務諸表に重
れる。
要な影響を及ぼす可能性もある。
金融商品の公正価値 ADB は、規約報告において、ASC 815
特別基金
号に規定されるとおり、金融商品やデリバティブを公正価値
ADB は設立協定により特別基金の設置と管理を認められて
ベースで記帳している。これらの金融商品には総じて、別途評
い る。こ れ ら は ア ジ ア 開 発 基 金(ADF)、技 術 協 力 特 別 基 金
価され貸借対照表に計上される組込まれたデリバティブ分が
(TASF)、日本特別基金(JSF)、アジア開発銀行研究所(ADBI)
含まれる。公正価値は通常、市場価格に基づき決定される。市
特別基金、アジア津波基金(ATF)、パキスタン地震基金(PEF)、
場価格が容易に入手できない場合の公正価値は通常、容易に
地域協力・統合基金(RCIF)、気候変動基金(CCF), およびアジ
識別可能な市場データを組み入れた市場ベースの価格決定
(プ
ア太平洋災害対策基金(APDRF)である。ADF を除き、各基金
ライシング)モデルを使用して決定されるため、判断および評
の財務諸表は米国で一般に認められた会計原則に従って作成
価が必要となる。
される。ADF については「ADF 規則」に従って特別目的財務諸
ADB の金融商品の公正価値決定に使われる価格決定モデル
表が作成される。
は、識別可能な市場データを使った割引後予想キャッシュ・フ
ローに基づく。ADB はこの価格決定モデルについても、金融
商品の価格を正当に反映しているかどうか妥当性をチェック
している。さらにこのモデルから算出された公正価値は、内部
A. アジア開発基金(ADF)
アジア開発基金(ADF)は、1 人当たりの GNP が低く、債務返
および外部から検証とレビューを継続的に受ける。モデルに
済能力が限られている開発途上加盟国を対象とする譲許的融
は、金利、為替レート、オプション・ボラティリティなどの市
資制度である。この基金はアジア・太平洋地域における貧困
場関連データが使われる。こうした入力データの選別には一
削減と生活水準の向上に特化した譲許的支援の多国間拠出と
定の判断が要求され、その選別が純利益に影響する可能性が
して唯一のものである。域内外のドナー加盟国 32 カ国が ADF
年次報告 2009
に資金を拠出している。また、二国間および多国間開発パート
ナーによる協調融資が ADB の ADF 財源を補完している。
23
(OCR)の融資スプレッドを加えたものと現行の ADF レート
のいずれか高い方を融資条件とする。その他の条件は、通常の
2008 年 8 月、総務会は ADF の第 9 次財源補充(ADF X)およ
ADF 融資と同様である。この新ファシリティからの借入を受
び TASF の第 4 次定期財源補充に関する決議を採択し、2009 年
けられるのは一般に、ADF と通常資本財源(OCR)双方からの
6 月 16 日に発効した。これにより、ADF については 2009 年 1
月からの 4 年間に実施される譲許的プログラムに対する大幅
な増資が実現し、同時に TASF についても追加拠出され、技術
協力業務に資金を供与することとなった。理事会は 2009 年 6
月、ADF 融資のみの国に対し、4 億ドルの追加支援を行うこと
を承認した。増資の総額は 74 億 SDR(特別引出権、約 118 億ド
ル)で、その内訳は ADF X が 72 億 SDR、TASF が 2 億 SDR であ
る。増資の約 37%には、ドナーからの総額 27 億 SDR(約 42 億
借入れ可能国(ブレンド国)のうち、国民一人当たり所得が国
際開発協会(IDA)の適格上限を 2 年以上連続して超えず、かつ
OCR の融資プログラムが実施中の国である。金利は毎年 1 月
件による融資は、その年に承認されるものすべてに同じ金利
が適用され、金利は融資期間を通じて固定される。2009 年に
承認されるハードターム ADF 融資の金利は 1.6%に設定され、
同年中に、このファシリティに基づく融資 5 件が承認された。
ドル)の新規拠出が充当される。
流動性管理 2008 年から、ADF の流動性資産は 2 つのトラン
通貨管理 ADF の通貨管理においては、2006 年 1 月 1 日に発
シェの下で管理されており、これにより財源の最適な利用が可
効した新たなフレームワークが適用されている。これにより、
能になった。それぞれのトランシェの主要な目的は、第 1 トラ
ADF 資金を 15 種類の通貨で管理するという従来の方法は廃
止され、SDR 通貨バスケットに基づくアプローチが導入され
た。すなわち、ドナー国からの拠出金や融資返済金を SDR 構
成通貨以外の通貨で受領した場合は、直ちにいずれかの SDR
通貨に交換され、SDR ベースの流動性ポートフォリオとして
維持される。さらに、借手の新規の ADF 融資に対する債務も、
SDR 建てで決済されるようになった。
ンシェについては、予想される現金必要額に合致した十分な流
動性を確保することであり、第 2 トランシェは、ADF に対する
想定外の需要を満たすために最低限必要な流動性水準と、将来
の約定に利用可能な財源に向けた流動性水準から構成されて
いる。このアプローチにより、透明かつ効率的な方法の流動性
管理が確保される。
重 債 務 貧 困 国(HIPC)向 け 債 務 救 済
ADF の ド ナ ー 国 は、
融資の通貨変換 ADB は 2008 年から、未実行の ADF 融資に
ADB に HIPC 債務救済イニシアチブへの参加を要請した。これ
ついて本格的な SDR アプローチを借手側に提示している。す
に 従 い ADB 総 務 会 は、2008 年 4 月 7 日、ADB が HIPC 向 け 債
わなち、借手に対して融資の未実行部分を SDR 建ての新規融
務救済に参加し、アフガニスタンに対して債務救済を行うこ
資として扱うかわりに、様々な通貨建ての既存債務(実行済
とを定めた総務会決議第 329 号を採択した。アフガニスタン
みで未返済の融資残高)を SDR 建てに変換するという選択肢
の ADF 債務のうち、免除対象となり ADF の収益から差し引か
を与えるというものである。この方針により、融資効果の実
れる想定元本額は 8,150 万ドルである。
現時期が早まり、ADF の未実行融資に伴う為替レートのボラ
HIPC イニシアチブは、最貧国が直面する過剰な債務負担の
ティリティが減少し、他の国際開発金融機関との間や ADF 融
削減を目的として、国際開発協会(IDA)と国際通貨基金(IMF)
資全体の債務ポートフォリオにおいて、一貫した管理フレー
により 1996 年に立ち上げられた。これが恒久的なファシリ
ムワークが提供されるようになる。2009 年 12 月 31 日現在、
ティとならないよう、モラル・ハザードを抑制し、改革プログ
ADF の借入国 30 カ国のうち 17 カ国が転換への合意を表明し
ラムの早期採択を推奨するために「サンセット条項」が設けら
ており、SDR に変換された融資残高は 143 億ドル相当となっ
れている。同条項は数回にわたって延長されており、最新の
ている。
「サンセット条項」
(2006 年末)の適用は、2004 年末時点の
データにもとづいて所得・債務基準を満たした国に「限定」さ
ADF グラントフレームワークの改定とハードタイム・ファシ
リティ 2007 年 9 月、理事会は ADF グラント(無償援助)フ
れている。これまでのところ、ADF 借入国のうち、HIPC 債務救
レームワークの改定を承認した。この改定により、グラントの
債務基準を満たす ADF 借入国は他にもあるが、現時点で、これ
済の資格を得ているのはアフガニスタンだけである。HIPC の
適格国は ADF のみ借入国に限定されるとともに、新たな融資
らの国が HIPC イニシアチブの資格を得ることになるか予想
条件のファシリティ(ハードターム・ファシリティ)が設定
することは不可能である。
された。同ファシリティは、SDR 構成通貨の 10 年固定スワッ
上記政策の下では、ある国に対する債務救済を理事会が承
プ・レートの加重平均から 150 bp を差し引き、通常資本財源
認した場合、債務救済費用にあたる想定元本部分を、実行済
経営陣の検討と分析
に改定され、理事会の文書を通じて周知される。この新融資条
24
アジア開発銀行
みで未返済の融資残高が減少したとして暫定的に記録され、
ADF の収益から差し引かれる。対象国が完了時点の条件を満
たすかどうかは IDA と IMF の理事会が判断する。完了点に到
達した時点で、債務救済は取消不能となる。融資返済予定日に
債務救済が実施されると、HIPC 債務救済のための累積準備金
は減少するが、2009 年 12 月 31 日現在、この取り決めによっ
て帳消しになった累積準備金は 150 万ドルで、残高は 8,000
経営陣の検討と分析
万ドルである。
拠出財源 ADF の第 9 次財源補充(ADF X)でドナー国から
同意を得られた補充額は 74 億 SDR(約 118 億ドルであった。
その内訳は、内部財源からが 43 億 SDR、ドナー国からの新規
拠出が 26 億 SDR、為替変動準備金が 3 億 SDR、通常資本財源
(OCR)純利益からの移転が 2 億 SDR である。ADF X は 2009 年
から 2012 年までの 4 年間を対象とするもので、無条件の拠出
として ADB に提出された拠出証書の金額が、約束された新規
拠出総額の 50%を超えた 2009 年 6 月に発効した。2009 年 12
月 31 日現在、26 のドナー国が計 34 億ドル 7 を拠出しており、
うち 8 億ドルが受領され業務に利用可能となっている。ドナー
国が払い込んだ寄託証書 8 億 8,190 万ドルのうち、8 億 1,100
万ドルは ADF 業務、7,090 万ドルは技術協力特別基金(TASF)
に充てられる。ADF の第 7 次財源補充(ADF VIII)における未払
拠出金の総額は、2009 年 12 月 31 日現在で 1 億 6,140 万ドル 7
(2009 年に業務に当てられた拠出額の詳細については、統計付
録 23 の「追加」欄を参照)となった。
2009 年中に、拠出証書の現金償還の加速化に伴う割引額や
逸失利息の補填額を含む拠出金 9 億 4,520 万ドル(ADF X が 8
億 1,100 万 ド ル、ADF IX が 1 億 2,560 万 ド ル、ADF III が 860
表 19 アジア開発基金(ADF)約定枠
2009 年および 2008 年末
(単位:百万ドル)
2009
ADF VII 約定枠からの繰越金 a
ADF IX 約定枠からの繰越金
b
ADF X 拠出金
ADF IX 拠出金
2008
–
124.4
123.7
–
837.6
–
c
2,976.5
8.3d
161.6
e
3,895.7
112.8
ADF VIII 拠出金
リフローベースの財源
3,345.8
OCR 純利益からの移転
120.0
160.0
融資の減額およびキャンセル分
314.4
1,133.3
拠出証書の現金償還の加速化プログラム
–
63.0
融資実行リスク引当金
–
f
為替ボラティリティ引当金 g
ADF X 約定枠合計
(158.4)
–
15.2
4,862.6
8,371.3
約定済みの融資・無償援助
3,129.4
8,248.7
将来の約定に利用可能な ADF 約定枠
1,733.2
122.6b
( )= マイナス、ADF = アジア開発基金、
– = 該当データなし。
OCR = 通常資本財源。
a 各年度末時点の為替レートによる 8,040 万 SDR の米ドル換算額。
b 各年度末時点の為替レートによる 7,920 万 SDR の米ドル換算額。これは
ADF IX の累積約定枠を反映している。
c 米国による第 3 回分割支払残高と、第 4 回分割支払の 27.59% を表してい
る。按分で行われる徴収額については、適宜発表される。
d 出資約定額として公表されたオーストリアによる第 4 回分割支払の
99.16% を表している。
e (1)11 億 SDR の流動性引き出しおよび(2)為替引当金から拠出された 2 億
7,000 万 SDR の追加流動性を含む。
f 2007 年 12 月の新 ADF 財務フレームワークの採用以前に受領した拠出金お
よび純利益の移転に適用される。
g ADF IX の最終四半期における為替レートの変動による約定枠の不足を補填
するための引当金を表している。
万ドル)を受領し、業務利用可能資金となった。
2009 年 12 月 31 日現在、ADF IX と X の拠出証書の現金償
み財源を活用するよう査定し続けた結果である。2009 年中、
還の加速化に伴う拠出金の割引額を含む約定拠出額の総額は
総額 6 億 1,810 万ドルの拠出証書が現金化され、うち 7,270
365 億ドルに達し(2008 年 12 月 31 日現在は 323 億ドル)、う
ち 336 億ドルが業務利用可能資金となった(2008 年 12 月 31
日現在は 319 億ドル)
。未発効拠出金 29 億ドルは、
(1)未払拠
出金(2)プロラタ・ベースでの拠出権利を行使したドナー国か
らの未払い拠出金(3)拠出証書の現金償還の加速化に伴う割
引額からなる(2008 年 12 月 31 日現在は 4 億ドル)
。2009 年
12 月 31 日現在の業務に利用可能な資金残高は 17 億ドルに増
加した(2008 年 12 月 31 日現在は 1 億 2,260 万ドル)
。
2009 年 5 月、総務会は通常資本財源(OCR)の純利益配分
の一環として 1 億 2,000 万ドルを ADF に移転することを承認
した(2008 年は 4,000 万ドル)。さらに、融資減額およびキャ
ンセル分を含む 3 億 1,440 万ドルが ADF の約定枠に含まれ
万ドルは技術協力特別基金(TASF)に移転された。
る。これは、経営陣が融資未使用残額をキャンセルして約定済
7 US dollar equivalent at 31 December 2009 exchange rates.
融資の承認、実行および返済 2009 年中には、45 件・計 22
億 ド ル の ADF 融 資 が 承 認 さ れ た(2008 年 は 36 件・18 億 ド
ル)。2009 年中の融資実行総額は 22 億ドルで、2008 年の 20
億ドルから 7.7 %増加した。2009 年末時点の ADF 財源から
の融資実行累計額は 293 億ドルとなった。同年中の返済総額
は 8 億 4,540 万ドルであった。年末時点での ADF 融資残高は
280 億ドルであった。
融資の状況
2009 年末時点で、ミャンマーに対する 28 件・
元本残高額 5 億 6,020 万ドルのソブリン融資が利払い停止状
態にあり、その額は ADF 融資残高総額の約 2.0%に相当する。
年次報告 2009
投資ポートフォリオの状況
ADF 投資ポートフォリオ 8 の総
額は 2009 年 12 月 31 日現在、57 億ドルとなった(2008 年は
63 億ドル)。このうちおよそ 34%が銀行預金、66%が確定利
付証券に投資されていた。未実現損益を含めた ADF の年間投
資収益率は、2.4%だった(2008 年は 5.2%)。
グラント(無償援助) ADF IX でグラントが導入されたことを
承認されたほか(2008 年は 27 件・7 億 740 万ドル)、32 件・
技 術 協 力(TA)約 定 額(承 認・発 効 済 み )は、
2008 年の 1 億 820 万ドルから 2009 年は 1 億 1,720 万ドルに
増加し、174 件の TA プロジェクトが発効した。2009 年、完了
またはキャンセルされた TA プロジェクトの未実行金額 1,330
万ドルが TA の減少分として除去された(2008 年は 1,560 万
ドル)。2009 年 12 月 31 日までに TA に対する未実行約定額は
2 億 5,890 万ドルに増加した(2008 年 12 月 31 日現在は 2 億
2,270 万ドル)。2009 年に承認された TA 全体のうち、51.2%
が TASF 資金によるものであった。
計 9 億 5,250 万ドルのグラントが発効した(2008 年は 27 件・
5 億 3,980 万ドル)。完了したグラント案件の未実行約定額は
500 万ドルとなった(2008 年はゼロ)。
投資状況
2009 年 12 月 31 日現在、TASF の投資総額は、売り
戻し条件付証券を含めて総額 3 億 2,810 万ドルであり、2008
年末の 2 億 9,570 万ドルに比べて増加した。2009 年には投資
2009 年中に、7 件・
額では増加をみたものの、前例のない低金利環境だったこと
計 2 億 7,950 万ドルの融資プロジェクトに対して、1 億 4,030
などにより、投資収益総額は、前年同時期の 1,090 万ドルから
万ドルの外部財源による公的協調融資が動員された。
250 万ドルに減少した。
B. 技術協力特別基金(TASF)
C. 日本特別基金(JSF)
融資およびグラントに対する協調融資
技術協力特別基金(TASF)は ADB の開発途上加盟国および地
日本特別基金(JSF)は 1988 年、ADB を管理者とし、資金の拠
域レベルの技術協力に対して、無償援助ベースで技術協力を
出に関する合意協定が日本政府との間で結ばれて設立され
提供することを目的に設立された。
た。協定で日本政府は、主として ADB の開発途上加盟国に対
2008 年 8 月、総務会は ADF の第 9 次財源補充(ADF X)お
よび TASF の第 4 次定期財源補充に関する決議を採択した。需
する技術協力業務を通じて、その経済の再構築と新たな投資
要予測と他の財源からの資金調達の可能性を考慮し、ドナー
した。
機会の拡大を支援するため、当初資金を拠出することに合意
は補充総額の 3%を TASF 第 4 次財源補充に拠出することに合
意した。この財源補充は、2009 年から 2012 年までの 4 年間
を対象とするものである(ADF に関連する注を参照)。
2009 年 12 月 31 日 現 在、ADF X お よ び TASF 第
4 次定期補充の一環として、26 のドナーが TASF に総額 2 億
8,800 万ドルを拠出することを約束している。約定総額のう
ち、これまでに 7,090 万ドルの支払いが行われている。
2009 年中、インドが 20 万ドルの直接任意拠出金を拠出
した。さらに、通常資本財源(OCR)の 2008 年の純利益の配
分 と し て、2,300 万 ド ル が TASF に 割 り 当 て ら れ、総 額 2 億
8,800 万ドルの TASF 第 4 次定期補充が行われた。2009 年末
現在、TASF の資金総額は 17 億 1,620 万ドルで、このうち 13
億 9,350 万ドルは約定済み、残りの 3 億 2,270 万ドルが未約
定であった(統計付録 24)。
拠出財源 1988 年の基金設立以来の日本の累積拠出額は、
2009 年 12 月 31 日現在、1,129 億円(約 9 億 7,370 万ドル相
当)となった。内訳は、通常拠出金が 948 億円(8 億 2,290 万
拠出財源
表 20 技術協力特別基金(TASF)
累計財源
(単位:百万ドル)
2009
2008
通常補充拠出金
720.6
432.6
OCR 純利益からの配分
729.0
706.0
89.4
89.2
投資とその他財源からの収益
180.7
178.3
TASF から ADF への移管
(3.5)
(3.5)
直接任意拠出金
合計
(
1,716.2
)= マイナス、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源、
TASF = 技術協力特別基金。
8 再販売条件のもとで購入した証券を含む。
1,402.6
経営陣の検討と分析
受け、2009 年には 27 件・計 9 億 1,130 万ドルのグラントが
業務の概要
25
アジア開発銀行
26
ドル相当)、追加供出金が 181 億円(1 億 5,080 万ドル相当)で
ある。承認済未発効の技術協力を含めた未約定残高は、2009
年 12 月 31 日現在 4,000 万ドルであった。
D. アジア開発銀行研究所(ADBI)特別基金
アジア開発銀行研究所(ADBI)は、開発途上加盟国における効
果的な開発戦略の特定と健全な開発管理のための能力強化を
業務の概要
日本特別基金では、技術協力支援を通じて ADB
の貧困削減業務を支援し続けている。2009 年には、42 件・計
経営陣の検討と分析
4,160 万ドルの技術協力案件が承認され(表 21)、38 件・計
4,230 万ドルの技術協力案件が発効した。技術協力に対する
未実行約定は、2009 年 12 月 31 日現在 9,410 万ドルだった
(2008 年 12 月 31 日現在は 9,580 万ドル)。
目的として、1996 年に ADB の付属機関として設立された。
アジア開発金研究所の運営経費には、ADB が「アジア開発
銀行研究所規則」に則って管理するアジア開発銀行研究所
(ADBI)特別基金が充てられている。日本政府は 2009 年、第
14 次拠出金として 7 億 4,000 万円(800 万ドル相当)を拠出
した。この拠出金は「拠出国からの受領待ち」として計上され
ている。
2009 年 に 承 認 さ れ た 技 術 協 力 全 体 の
16 %、またプロジェクト準備のための技術協力の 28 %が日
本特別基金の資金によるものであった。日本特別基金のセク
2009 年 12 月 31 日現在、為替換算調整分を除いた累積約定
額は 172 億円(約 1 億 4,930 万ドル相当)となった。2009 年
末までに、受領済み拠出金総額のうち 1 億 4,220 万ドルが、シ
ター別承認額は表 21 の通り。
ンポジウム、フォーラム、研修の運営や、研究報告書・刊行物、
セクター別活動
ウェブサイトの作成といった研究・能力育成活動と、それに関
2009 年 12 月 31 日現在、日本特別基金の投資ポー
トフォリオは 1 億 5,850 万ドルであり、2008 年 12 月 31 日時
点の残高である 1 億 9,890 万ドルを下回った。また 2009 年
の投資収益は、低金利だったことなどから、2008 年の 650 万
ドルから 130 万ドルに減少した。
投資状況
連する管理費に使われた。今後のプロジェクトやプログラム
に利用可能な純資産残高(不動産、什器備品具、設備を除く)
は、約 710 万ドルであった。
E. アジア津波基金(ATF)
アジア津波基金は、2004 年 12 月 26 日に発生したインド洋大
表 21 日本特別基金(JSF)
津波の被害を受けた開発途上加盟国の特殊事情に対応するた
Technical Assistance by Sector, 2009
め、2005 年 2 月 11 日に設立された。
百万ドル
%
農業・天然資源
9.3
22
エネルギー
拠出財源
6.5
16
運輸・情報通信技術
6.4
15
た 5,000 万ドルは通常資本財源(OCR)に返還され(2005 年
金融
4.8
12
マルチセクター
4.8
12
教育
2.7
6
公共政策
2.5
6
上下水道、都市インフラ
2.5
6
保健・社会保障
合計
2.1
5
41.6
100
ADB は 6 億ドルを拠出し、そのうち未使用となっ
11 月 に 4,000 万 ド ル、2006 年 6 月 に 1,000 万 ド ル が 返 還
された)、アジア太平洋災害対策基金(APDRF)に移転された
(2009 年 5 月に 4,000 万ドル)。さらにオーストラリアが 380
万ドル、ルクセンブルクが 100 万ドルを拠出した。2009 年
12 月 31 日現在、アジア津波基金の資金総額は 5 億 8,680 万
ドルであり、そのうち 5 億 8,230 万ドルが活用され、残りの
450 万ドルが未約定残高となっている(2008 年 12 月 31 現在
は 4,640 万ドル)。
業務の概要 2009 年中に承認され、もしくは発効した技術
協力・無償援助はなかった。未実行約定は、2008 年末が 2 億
4,830 万ドルであったのに対し、2009 年 12 月 31 日現在の 1
億 1,680 万ドルであった。
2009 年 12 月 31 日現在、ATF の投資ポートフォリ
オ は 9,790 万 ド ル で あ っ た(2008 年 は 2 億 5,130 万 ド ル )。
投資状況
投資収益は、ポートフォリオの縮小、米ドル建て投資の利回り
年次報告 2009
低下のため、2008 年の 910 万ドルから 2009 年は 120 万ドル
27
内の地域協力・統合を支援することにある。
に減少した。
拠出財源 ADB は 2006 年の通常資本財源(OCR)の純利益配
F. パキスタン地震基金(PEF)
分の一部である 4,000 万ドルを地域協力・統合基金に拠出し
パキスタン地震基金は、2005 年 10 月 8 日に発生した大地震
ルであり、そのうち 3,040 万ドルが活用され、残りの 1,250 万
た。2009 年 12 月 31 日現在、同基金の資金総額は 4,290 万ド
ドルが未約定残高となっている(2008 年 12 月 31 日現在は
年 11 月に設立された。同基金は早期復興と再建、および関連
2,460 万ドル)。
開発活動を、投資プロジェクトや技術協力を通じて支援する
ため、緊急無償支援を行う専門基金として機能している。
業務の概要 2009 年中には、技術協力案件 12 件と追加案件
1 件が承認され、計 1,210 万ドルの技術協力案件が発効した
拠出財源 ADB が 8,000 万ドルを拠出したほか、各国拠出分
(2008 年は、技術協力案件 13 件で計 1,050 万ドル)
。2009 年
として、オーストラリア 1,500 万ドル、ベルギー 1,430 万ド
12 月 31 日現在の未実行約定は、2008 年末の 1,660 万ドルに
対して 2,310 万ドルであった。
ル、フィンランド 1,230 万ドル、ノルウェー 2,000 万ドルが
それぞれ拠出されている。2009 年 12 月 31 日現在、同基金の
資金総額は 1 億 4,390 万ドルであり、そのうち 1 億 4,060 万
ドルが活用され、残り 330 万ドルが未約定残高となっている
(2008 年末は 220 万ドル)。
ベルギーとノルウェーからの拠出金は、債務・開発スワッ
プ契約の形で提供された。この合意は、両国に対するパキスタ
投資状況
2009 年 12 月 31 日 現 在、地 域 協 力・統 合 基 金
(RCIF)の投資ポートフォリオは 3,490 万ドル(2008 年 12 月
31 日現在は 3,930 万ドル)であった。低金利環境を反映して、
2009 年の投資収益は 40 万ドルとなった(2008 年は 120 万
ドル)。
ンの融資返済義務を、ベルギーは 990 万ユーロ、ノルウェーは
H. 気候変動基金(CCF)
2,000 万ドルを上限として、それぞれ同基金への拠出に転換
するものである。ベルギーの拠出は 2007 年から 2008 年にか
けて 330 万ユーロずつ 3 回に分けて行われた。ノルウェーの
拠出は 2006 年から 2008 年にかけて 500 万ドルずつ 4 回に
各セクターにおける ADB 自身の支援に加え、開発途上加盟国
分けて実施された。
における気候変動の原因と影響に対する取組みへの投資推進
気候変動基金は 2008 年 4 月に設立され、気候変動に関連する
を目的としている。
業務の概要
2009 年中に承認され、もしくは発効した技術協
力・無償援助はなかった。未実行約定は、2008 年末が 6,620
万ドルであったに対し、2009 年 12 月 31 日現在は 4,940 万ド
ルであった。
拠出財源
ADB は CCF 初動資金として 2008 年 5 月、2007 年
の通常資本財源(OCR)の純利益配分の一部である 4,000 万ド
ルを拠出した。2009 年 12 月 31 日現在、気候変動基金の資本
総額は 4,090 万ドルであり、そのうち 1,420 万ドルが活用さ
投資状況
2009 年 12 月 31 日現在、パキスタン地震基金の投
資ポートフォリオは 4,920 万ドルであった(2008 年 12 月 31
れ、残りの 2,670 万ドルが未約定残高となっている(2008 年
21 月 31 日現在は 3,740 万ドル)。
日現在は 6,130 万ドル)。ポートフォリオが縮小したことか
ら、投資収益は 2008 年の 310 万ドルから 2009 年は 220 万ド
業務の概要 2009 年には、技術協力(TA)および無償援助 12
ルに減少した。
件・計 1,070 万ドルが承認され、発効した(2008 年は技術協
力 1 件・計 300 万ドル)。2009 年 12 月 31 日現在の未実行約
G. 地域協力・統合基金(RCIF)
定残高は 2008 年の 300 万ドルから 1,300 万ドルとなった。
地域協力・統合基金(RCIF)は、アジア・太平洋地域の ADB 加
2009 年 12 月 31 日現在、気候変動基金の投資ポー
トフォリオは 3,920 万ドルであり(2008 年 12 月 31 日現在は
3,890 万ドル)、同年中の投資収益は 40 万ドルであった。
盟国による地域協力・統合に関する活動に対する需要の高ま
りに対応するため、2007 年 2 月に設立された。その主な目的
は地域協力・統合(RCI)の活動を支援するために必要な資金
と知的リソースのプールと提供を促進することによって、域
投資状況
経営陣の検討と分析
の被害を受けたパキスタンの特殊ニーズに対応するため、同
28
アジア開発銀行
I. アジア太平洋災害対策基金
主として技術協力への資金支援を行っていた。さらに近年は、
アジア太平洋災害対策基金は、自然災害に見舞われた開発
融資パートナーシップ戦略 10 と調和に向けた取組みとの整合
途上加盟国に迅速に無償資金を提供することを目的として
性を図るため、ADB は開発パートナーとの共通の合意に基づ
2009 年 4 月 1 日に設立された。
き信託基金を設立し、拠出金を通じて資金を融資するように
ストラテジー 20209 が定める重点セクターを支援し、ADB の
なっている。これらの信託基金は、特定のセクターやテーマ重
経営陣の検討と分析
拠出財源 2009 年 5 月、当初資金 4,000 万ドルがアジア津波
視型の融資パートナーシップの包括的なファシリティの下に
基金から移転された。投資その他の財源からの累積収益 10 万
設立され、技術協力および投資プロジェクトの無償援助部分
ドルを合わせると、同基金の 2009 年 12 月 31 日現在の資金総
に対して資金を供与している。こうした融資パートナーシッ
額は 4,010 万ドルであり、うち 700 万ドルが活用され、残りの
プ・ファシリティとしては現在、水、クリーンエネルギー、地
3,310 万ドルが未約定残高となっている。
域協力・統合、都市開発の 4 種類があり、それぞれのプロジェ
クトを支援している。
業務の概要 2009 年に無償援助 3 件が承認された。2009 年
12 月 31 日現在の未実行約定残高は 700 万ドルとなった。
新たな信託基金に対するコミットメントは 2009 年、総額
1 億 2,600 万ドルに達した。2009 年 7 月に ADB は、クリーン
エネルギー融資パートナーシップ・ファシリティのもとに炭
投資状況 2009 年 12 月 31 日現在のアジア太平洋災害対策
素回収貯留基金を設立することで、オーストラリアと合意し
基金の投資ポートフォリオは 2,960 万ドル、2009 年の投資収
た。豪州側はこの合意に基づき、アジアで増加している二酸化
益は 10 万ドルとなった。
無償援助による協調融資
炭素排出量の回収・貯留を推進するため、約 1,720 万ドルを供
出した。また 11 月に ADB は、インドの貧困削減のための新 5
カ年戦略パートナーシップ(2009~2013 年)を英国と締結、
英国は約 2,300 万ドルを拠出した。さらに 12 月には、ADB
信託基金とプロジェクト特定型の無償援助は、外部財源の無
によってマルチドナーによるアーバン・ファイナンシング・
償資金を動員して振り分け、技術協力や投資プロジェクトに
パートナーシップ・ファシリティが設立された。これに基づ
対して資金を供与する重要な手段である。これらは開発途上
き、都市環境インフラ基金(UEIF)が設立され、スウェーデン
加盟国の能力育成やその他の具体的要請に応える上で ADB の
から総額約 1,380 万ドルの無償援助と、約 7,200 万ドルの保
財源を補完する重要な役割を果たしている。多国間、二国間お
証を提供した。また、ADB クリーン技術基金および ADB 戦略
よび民間セクターのパートナーが、ADB の業務に対して無償
的気候基金についてもその設立と ADB による管理が承認され
援助の形で約 30 億ドルを拠出している(表 22)。2009 年に
ており、世界銀行の気候投資基金から約 7 億ドルがこれら基
ADB 承認プロジェクトに対して行われた無償援助の協調融資
金を通じて移転されることになる。
は総額 2 億 1,820 万ドルで、その内訳は、6,410 万ドルが技術
協力案件 86 件、1 億 5,410 万ドルが投資プロジェクト 23 件
2009 年には、豪州、日本、ルクセンブルグ、スペインより、
既存の基金に対する新規拠出や補充として計 7,030 万ドルが
の無償援助部分に対するものである。
動員された。このほか、フューチャー・カーボン・ファンド 11
ADB が主体的に管理する信託基金の数は 2009 年末時点で
37 となった。うちシングルドナーの信託基金が 22、マルチド
ナー信託基金が 13、多国間ドナーの信託基金が 2 で、貧困削
減、ガバナンス、ジェンダーと開発、開発成果の管理、HIV/ エ
に対する最初の資金拠出国として、ベルギー、フィンランド、
韓国、スウェーデンが、それぞれ 2,000 万ドルを拠出した。
イズ、水、気候、エネルギー、教育、情報・通信技術、貿易・金融
などの様々なセクターや特定のテーマの活動に対し、資金を
供与した。
これら信託基金は当初、ドナー別のチャンネル・ファイナ
ンシング協定を通じて設立され、広範囲のセクターを対象に、
9 ADB、2008 年『ストラテジー 2020:アジア開発銀行の長期戦略的枠組み』マニラ。
10 ADB、2006 年『ADB の融資パートナーシップ戦略』マニラ。
11 開発途上加盟国が実施するエネルギー効率および再生可能エネルギープロジェクトを支援・推奨するプロジェクトと、2012 年以降にかけて温室効果ガス削減に長期的恩恵をも
たらすその他プロジェクトとを対象に、新たな資金源供給のため、ADB により 2008 年に設立された。
年次報告 2009
29
表 22 外部財源からの無償援助:拠出金額と純資産
2009 年 12 月 31 日現在
( 単位:百万ドル )
拠出金額
純資産 a
213.2
6.7
49.2
0.3
125.0
20.1
24.7
256.1
77.3
33.3
1.0
2.2
2.7
589.3
20.9
18.6
367.2
31.5
121.6
14.9
59.5
180.1
48.4
526.7
3.4
2,793.9
29.3
1.9
45.6
0.0
58.2
5.1
2.5
82.3
47.3
3.6
0.0
0.3
0.9
219.3
7.4
15.2
65.2
0.9
37.1
14.6
44.9
73.0
28.5
129.4
0.5
912.9
ADB による管理分
国
豪州
ベルギー
ブルネイ
カナダ
中国
デンマーク
EC(欧州委員会)
フィンランド
フランス
インド
アイルランド
イタリア
日本 b
韓国
ルクセンブルグ
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
ポルトガル
スペイン
スウェーデン
スイス
英国(北アイルランドを含む)
米国
小計
その他
都市同盟
地球環境基金(GEF)
国際農業開発基金(IFAD)
イスラム金融サービス委員会(IFSB)
北欧開発基金(NDF)
民間セクター / 財団
官民インフラストラクチャー諮問ファシリティ
森林信託基金(ベトナム)
国際連合児童基金(UNICEF)
国連開発計画(UNDP)
小計
0.5
85.6
15.0
0.4
11.6
3.0
0.6
17.4
0.2
111.0
245.4
(0.0)
22.2
15.0
–
(0.1)
0.1
0.0
1.8
0.0
0.3
39.2
ADB が管理しないもの
国
スイス
クウェート
小計
総計
19.0
14.0
33.1
–
0.0
0.0
3,072.4
952.2
注:小数点以下の処理により合計が一致しない場合がある。
( )= マイナス、0.0 = 5 万ドル未満。
– = 該当データなし。
a 承認済み未発効の案件を除く。
b 貧困削減日本基金(JFPR)、日本奨学金プログラム(JSP)、情報通信技術日本基金(JFICT)、公共政策トレーニング日本基金(JFPPT)を含む。
経営陣の検討と分析
オーストリア
30
アジア開発銀行
A. 貧困削減日本基金(JFPR)
貧困削減日本基金(JFPR)は、貧困削減とそれに関連する社会
するために資金を活用していくためのより包括的アプローチ
への道が開かれた。これにより、JFPR は、日本の技術協力と無
償援助の中心的ツールとして機能することになる。
開発活動を支援するため、日本政府により 2000 年 5 月に設
立された基金で、ADB が資金支援するプロジェクトにとって
も大きな意義をもつものである。同基金にはこれまで、総額 3
B. 日本奨学金プログラム(JSP)
経営陣の検討と分析
億 9,290 万ドルにのぼる拠出金を受けており、132 件・計 3 億
日本奨学金プログラム(JSP)は 1988 年に設立され、開発途上
3,570 万ドル相当の無償援助案件が承認されている。2009 年
にはこのうち 16 件・計 3,530 万ドルのプロジェクトが承認さ
加盟国の優れた人材に対し、アジア・太平洋地域の精選された
れている。
する分野で大学院課程の研究機会を提供している。
日本は 2009 年 5 月にバリで開催された ADB の第 42 回年
次総会で、金融危機の影響に対処するプロジェクトと技術協
力支援のため、JFPR を通じて 1 億ドルを拠出することを発表
した。2009 年 10 月 6 日に理事会は、JFPR の新たなフレーム
ワークを承認した。これに伴って日本の無償援助と技術協力
(TA)支援が 1 つの傘の中におさまったことで、貧困削減や人
的資源の育成だけでなく、域内機関や地域社会に権限を付与
教育機関において、経済学、経営学、科学技術、その他開発に関
JSP は日本政府が資金を拠出し、ADB が管理運営しており、
2009 年末現在 10 カ国にある 20 の教育研究機関が参加してい
る。1988 年から 2009 年までに、日本政府は 1 億 750 万ドルを
拠出している。35 カ国のメンバー国の学生に対する奨学金供
与件数は、計 2,551 名に達し、うち 2,216 名が課程を修了して
いる。女性に対する供与件数は 878 件となっており、供与の年
平均は 158 名である。
年次報告 2009
31
付録:現在価値財務諸表
スワップ後の借入 スワップ後のこれらの負債の時価には、借
時価方式貸借対照表
市場ベースの評価モデルに市場データを投入して計算する。
入および関係する金融デリバティブ商品の公正価値が含まれ、
時価方式においてマイナス 3 億 1,620 万ドルの調整が行わ
融資と関連スワップ
融資の大半は ADB 加盟国に供与され、
もしくは ADB 加盟国によって保証される。ADB の融資に見合
れたのは、スワップ後の平均借入コストが、ADB が現在新たな
資金を調達する場合の市場金利を上回っているためである。
う市場は存在しないとの考えから、融資の売却は行っていな
時価方式損益計算書
ての経営陣の最善の見積もりを基に計算される。元本の返済
と利子から予想されるキャッシュ・フローは、ADB の調達コ
ストに融資スプレッドを足し合わせたものに相当する市場利
回り曲線により割り引かれる。
時価には適切な信用リスク評価も含まれる。このような内
2009 年の時価方式での純利益は 9 億 3,680 万ドルであるの
に対し、ASC 815 号 /825 号以前の方式による純利益は 4 億
2,010 万ドル、規約報告方式による純損益は 2,750 万ドルで
あった(表 A.2)。
在リスクや支払延滞の可能性をふまえ、融資価額は貸倒引当
金を通じて調整されている。ソブリン融資について ADB は、
時価調整額
元本分割支払いと融資の契約条件と異なる融資手数料との差
9,790 万ドル)は、ADB が保有するあらゆる金融商品の 2009
額に起因する機会損失を除き、損失を被ったことはない。
年中の時価変動を示すもので、金利、為替レートおよび信用リ
時価調整総額 5 億 1,680 万ドル(2008 年は 5 億
調整額のプラス 12 億ドルは、スワップ後の平均融資金利
スクの変動を反映している。この内訳は、すべての金融商品残
が、同様の融資を現在実施した場合の金利よりも高いことを
高の評価による正味調整額が 3 億 9,180 万ドル、為替換算調
示している。
整がプラス 1 億 4,680 万ドル、投資の未実現純益が 2 億 2,300
万ドル(投資収益が 790 万ドル、出資による利益が 2 億 1,510
投資と関連スワップ
規約報告方式と時価方式のいずれの場
合でも、投資有価証券および関連するデリバティブは、入手可
万ドル)、これを相殺するものとして年金・退職後給付債務調
整が 2 億 4,490 億ドルであった(表 A.3)。
能であれば市場価額を基本とした公正価値で計上される。市
場価額が容易に把握できない場合は、市場ベースの評価モデ
金利変動の影響 2009 年中の貸借対照表上の時価調整額は 3
ルに市場データを投入して計算する。調整額の純減 5,940 万
億 9,180 万ドルの純増であった。これは、借入ポートフォリオ
ドルは、関連市場における金利の低下から生じた資産スワッ
の未実現損失が 6 億 1,010 万ドル減少し、投資および出資が
プの未実現損失によるものである。
それぞれ 940 万ドルおよび 1,860 万ドルの利益となり、これ
出資
減少し、その他の資産の未実現損失が 330 万ドル増加した結
を相殺するものとして融資の未実現利益が 2 億 4,300 万ドル
規約報告方式と時価方式のいずれの場合でも、市場価
額が容易に割り出せる出資金は公正価値で計上する。すなわ
果である。
ち、特定のパートナーシップや有限責任事業組合への出資、も
しくは ADB が重要な影響力を行使しうる出資については持分
為替レート変動の影響
法を適用するか、時価の公正な概算値として、コストから減損
益累積額」の一部として反映される換算調整は、時価調整とし
分を差し引いた金額を計上している。
て計上されている。2009 年には、米ドルが他のほとんどの主
規約報告方式では「その他包括的利
要通貨に対して全般的に下落したことが、プラス 1 億 4,680
加盟国からの受取債権
この受取債権は、加盟国が制限を付
けている可能性のある約束手形で構成されている。その時価
は、適切な金利で割引をした約束手形の現金化の予想による
キャッシュ・フローに基づいている。
万ドルの換算調整につながった(2008 年の調整額は、マイナ
ス 1 億 760 万ドル)。
経営陣の検討と分析
い。融資の時価は、金利を含む予想キャッシュ・フローについ
アジア開発銀行
32
表 A.1
2009 年および 2008 年 12 月 31 日現在の時価方式貸借対照表要約
(単位:千ドル)
2008 年
12 月 31 日
2009 年 12 月 31 日
ASC 815/825 号
による
影響の是正 a
規約報告
経営陣の検討と分析
銀行預金
投資および未収金
$
129,843
$
ASC 815/825 号
時価調整
以前の方式
–
$
129,843
$
時価方式
–
$
時価方式
129,843
$
142,238
14,237,703
–
14,237,703
–
14,237,703
15,544,399
買戻し条件の下で移転された証券
551,386
–
551,386
–
551,386
309,358
売り戻し条件の下で購入した証券
335,240
–
335,240
–
335,240
511,756
41,921,783
1,332,310
43,254,093
37,771,871
融資残高および未収利息
貸倒引当金および未償却の正味融資
手数料
(365)
41,922,148
(18,636)
出資
884,440
加盟国からの未収金
142,181
–
(24,668)
–
(18,636)
–
859,772
24,668
142,181
(54,079)
(18,636)
59,088
884,440
641,427
88,102
93,724
24,917,264
23,831,087
スワップからの未収金
借入
24,917,264
(2,759,977)
その他
1,044,854
(226,075)
その他資産
1,520,815
–
22,157,287
2,759,977
818,779
226,075
1,044,854
882,793
1,520,815
–
1,520,815
504,936
合計
$ 85,667,238
$(3,011,085) $ 82,656,153
$ 4,288,951
$ 86,945,104
$80,292,677
借入および未払利息
$ 42,498,198
$
$
142,069
$ 43,204,460
$37,848,839
564,193
$ 43,062,391
スワップの未払金
借入
その他
23,503,343
(2,934,103)
20,569,240
2,934,103
23,503,343
24,867,815
1,294,160
(368,079)
926,081
368,079
1,294,160
1,198,781
スワップ関連担保未払金
735,050
–
735,050
–
735,050
–
買戻し条件付証券にかかる未払金
555,000
–
555,000
–
555,000
301,759
買掛金およびその他負債
負債合計
1,763,223
70,348,974
–
(2,737,989)
1,763,223
–
1,763,223
1,057,481
67,610,985
3,444,251
71,055,236
65,274,675
払込済資本
3,818,297
–
3,818,297
–
3,818,297
3,777,071
未収金の名目純維持価格
(523,220)
–
(523,220)
–
(523,220)
(564,383)
通常準備金
9,789,807
1,228
9,791,035
279,428
10,070,463
10,410,961
特別準備金
218,903
–
218,903
–
218,903
209,723
貸倒引当金
493,162
–
493,162
–
493,162
195,062
剰余金
884,594
–
884,594
–
884,594
894,594
累積的再評価調整勘定
純利益 b − 2009 年 12 月 31 日
純利益 − 2008 年 12 月 31 日
b
その他包括的利益累積額
資本合計
合計
(631,129)
631,129
(36,725)
447,607
–
–
$ 85,667,238
–
–
–
516,787
927,669
–
–
–
94,974
48,485
–
–
15,045,168
844,700
15,889,868
15,018,002
$(3,011,085) $ 82,656,153
$ 4,288,951
$ 86,945,104
$ 80,292,677
(90,802)
42,317
15,318,264
–
410,882
(273,096)
( )= マイナス、ASC = 財務会計基準書。
– = 該当データなし。
a 持分法により計算された出資による未実現(利益)損失の戻入額を含む。
b 保証手数料の特別準備金への割当後の純利益。
–
(48,485)
年次報告 2009
表 A.2
33
2009 年および 2008 年の時価方式損益計算書要約
(単位:千ドル)
2008 年
12 月 31 日
2009 年 12 月 31 日
ASC 815/825 号
による
影響の是正 a
規約報告基準
ASC 815/825 号
時価調整
以前の方式
時価方式
時価方式
融資から
$
959,833
$
–
$
959,833
$
–
$
959,833
$ 1,357,981
投資から
459,367
–
459,367
–
459,367
677,175
保証から
9,180
–
9,180
–
9,180
6,876
出資から
24,527
その他財源から−純額
18,641
収入合計
(18,608)
5,919
18,608
24,527
3,737
18,641
–
18,641
18,685
1,452,940
18,608
1,471,548
2,064,454
–
(18,608)
1,471,548
支出
借入および関連費用
741,665
–
741,665
–
741,665
1,208,391
管理費
193,638
–
193,638
–
193,638
141,047
加盟諸国への技術協力
損失引当金
その他の支出
支出合計
実現純利益(損失)
未実現純利益(損失)
(27)
(27)
–
115,779
–
5,101
–
5,101
1,056,156
–
1,056,156
23,278
–
23,278
(466,215)
b
(27)
–
(115,779)
115,779
–
(115,779)
–
5,101
6,272
1,364,067
(18,608)
466,215
–
–
–
516,787
516,787
損失引当金
–
–
–
(115,779)
(115,779)
447,607
$
420,062
$
516,787
(28,096)
23,278
(18,608)
–
$ (27,545) $
–
940,377
時価調整 c
純利益(損失)
8,357
–
$
23,944
(597,852)
3,467
936,849
$
101,850
( )= マイナス、ASC = 財務会計基準書。
– = 該当データなし。
a 持分法により計算された出資による未実現(利益)損失の戻入れを含む。
b 時価調整には ASC 815/825 号にもとづくデリバティブの未実現損失およびスワップ後借入の効果が反映されているため、ASC 815/825 号の調整の影響は是正されて
いる。
c 時価調整には ASC 815/825 号の調整の影響および持分法により計算された出資の正味未実現損失が含まれる。
表 A.3 時価調整の要約
(単位:千ドル)
損益計算書の影響額
(年度累計)
2009 年 12 月 31 日現在の貸借対照表の影響額
スワップ後の
融資
貸借対照表の時価調整総額
投資 a
スワップ後の
借入
その他資産 b
差引:
前年影響額 c
2009 年
12 月 31 日
2008 年
12 月 31 日
$ 1,249,698 $ (34,724) $(316,195) $ (54,079) $(452,859) $ 391,841
$(257,624)
投資の未実現利益 d
223,028
累積換算調整額
146,798f
年金・退職後給付債務調整額
時価調整総額
(
a
b
c
d
e
f
)= マイナス、ASC = 財務会計基準書。
持分法による投資関連スワップおよび出資に関連する。
加盟国からの受取債権に関連する。
前年度影響額には、前年度に行われたすべての金融商品と持分法で計算した出資に関する累積的時価調整額が含まれる。
売却可能と分類された投資および出資の未実現利益に関連する。
規約報告の「その他包括的利益」に含まれる。
当該期間の累積換算調整および ASC 815/825 号の戻入れによる時価換算影響額に関連する。
e
27,224
(107,617)
(244,880) (259,835)
$ 516,787
$(597,852)
経営陣の検討と分析
収入
統計付録
年次報告 2009
37
統計付録 1
2009 年のソブリン融資およびノンソブリン融資の承認(国別)
(単位:百万ドル)
OCR
ADF
合計
総事業費 a
承認日
ソブリン
アルメニア
危機回復支援プログラム b
–
南北交通回廊投資プログラム(トランシェ 1)
–
80.00
60.00
80.00
60.00
80.00
70.00
–
140.00
140.00
150.00
75.00
–
75.00
100.00
75.00
–
75.00
100.00
参加型小規模水資源セクター
–
中小企業開発
–
55.00
76.00
55.00
76.00
107.30
126.67
9月 4日
9 月17 日
小計
7月 6日
10 月 6 日
給水・衛生設備投資プログラム(トランシェ 1)
小計
10 月14 日
バングラデシュ
都市部の公衆衛生・環境衛生セクター開発プログラム
−プログラム融資
–
−プロジェクト融資
–
70.00
60.00
70.00
60.00
70.00
80.00
9 月28 日
9 月28 日
600.00
–
–
144.85
12.00
10.00
744.85
12.00
10.00
744.85
15.00
12.70
10 月13 日
11 月16 日
12 月 2 日
600.00
427.85
1,027.85
1,156.52
16.26
10.00
3.40
42.00
47.89
10.00
55.30
68.60
公共支出支援ファシリティプログラムと景気循環相殺政策支援
ファシリティ支援プログラム b,c
南アジア観光インフラ開発(バングラデシュ、インドおよびネパール)
パドマ多目的橋の設計(追加)
小計
カンボジア
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア北西部地方道路改良
–
金融セクタープログラム II(サブプログラム 3)
トンレサップにおける貧困削減と小農地所有者の開発
–
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア国内鉄道修復(追加)
–
16.26
10.00
3.40
42.00
–
71.66
71.66
181.79
400.00
100.00
100.00
40.00
150.00
100.00
200.00
150.00
–
400.00
100.00
100.00
40.00
150.00
100.00
200.00
150.00
441.60
187.20
236.50
132.64
439.20
235.85
1,355.00
480.27
2 月19 日
6 月29 日
9 月18 日
10 月22 日
10 月29 日
11 月 6 日
12 月10 日
12 月11 日
300.00
100.00
–
300.00
100.00
967.34
189.31
12 月15 日
12 月16 日
22.06
100.00
–
–
22.06
100.00
66.14
224.75
12 月16 日
12 月18 日
1,762.06
–
1,762.06
4,955.80
10.00
–
10.00
10.00
10.00
–
10.00
10.00
小計
–
8 月24 日
11 月26 日
12 月 8 日
12 月15 日
中国
四川大地震復興のための緊急支援
新疆ウイグル自治区・都市交通・環境改善
遼寧省・小都市および都市部開発実証セクター
陝西省・秦嶺山脈地帯の生態多様性の保全と実証
貴陽・水資源総合管理(セクター)
河北省・小都市および都市部開発実証セクター
安徽省・統合運輸セクター改良
蘭州・持続可能な都市交通
鉄道エネルギー効率化および安全性強化に対する投資プログラム
(トランシェ 1)
山西省・農業の統合的開発
広東省・エネルギー効率化および環境改善投資プログラム
(トランシェ 2)
山西省・小都市および都市部開発実証セクター
小計
–
–
–
–
–
–
–
–
クック諸島
景気回復支援プログラム
小計
10 月13 日
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a 総事業費には、ADB、各国政府、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地域民間企業および金融機関が提供する資金が含まれる。
b ADF 融資 2 件から構成。
c OCR 融資 2 件から構成。
統計付録
アゼルバイジャン
アジア開発銀行
38
続き
OCR
ADF
合計
総事業費 a
承認日
フィジー諸島
道路改良(第 3 期)
(セクター)
(追加)
36.10
17.56
23.00
–
76.66
経済成長回復支援プログラム b
–
都市サービス開発(フェーズ 2)
道路回廊投資プログラム(トランシェ 1)
–
洪水の緊急復興(セクター)
スバ・ナウソリ上下水処理開発(追加)
小計
3 月23 日
8 月27 日
12 月15 日
統計付録
–
36.10
17.56
23.00
72.10
19.99
27.74
–
76.66
119.83
–
80.00
30.00
118.80
80.00
30.00
118.80
80.00
41.50
148.90
–
228.80
228.80
270.40
30.60
150.00
200.00
200.00
166.00
100.00
30.00
185.00
94.00
6.00
20.00
–
30.60
150.00
200.00
200.00
166.00
100.00
30.00
185.00
94.00
6.00
20.00
42.43
219.00
200.00
786.30
270.20
338.80
42.82
185.00
126.96
7.68
28.00
1月 8日
1 月19 日
2 月24 日
3月 3日
4 月13 日
6 月30 日
7月 1日
8月 7日
8 月18 日
8 月18 日
11 月16 日
210.00
60.30
200.00
–
210.00
60.30
200.00
3,300.00
95.00
240.00
11 月27 日
11 月27 日
12 月 2 日
12 月 8 日
–
グルジア
小計
7月 6日
7 月28 日
10 月 6 日
インド
ウッタラカンド州・電力セクター投資プログラム(トランシェ 3)
ラジャスタン州・都市部開発投資プログラム(トランシェ 2)
インド・インフラ・プロジェクト融資ファシリティ(トランシェ 2)
国家送電網開発投資プログラム(トランシェ 2)
マディヤプラデシュ州・電力セクター投資プログラム(トランシェ 5)
国道回廊(セクター)1(追加)
北東地域首都部開発投資プログラム(トランシェ 1)
地方道路セクター(II)投資プログラム(トランシェ 4)
ミゾラム州・公共資源管理プログラム
ミゾラム州・公共資源管理プログラムの開発
南アジア観光インフラ開発(バングラデシュ、インドおよびネパール)
インド・インフラ・プロジェクト融資ファシリティ(第 2 期)
(トランシェ 1)
アッサム州・電力セクター強化投資プログラム(トランシェ 1)
ジャルカンド州・洲道
ヒマチャル・プラデシュ州・クリーンエネルギー開発投資プログラム
(トランシェ 2)
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
59.10
–
59.10
69.30
1,711.00
–
1,711.00
5,951.49
100.00
1,000.00
500.00
84.24
300.00
200.00
–
–
100.00
1,000.00
500.00
84.24
300.00
200.00
1,010.00
1,000.00
500.00
113.54
300.00
300.00
2,184.24
–
2,184.24
3,223.54
500.00
–
500.00
500.00
9 月10 日
187.00
–
187.00
220.00
10 月 7 日
687.00
–
687.00
720.00
(第 1 期)
CAREC 交通回廊(ビシュケク∼トルガルト道路)
(プロジェクト 2)
–
イシク・クル・持続可能な開発
–
28.00
16.50
28.00
16.50
62.50
37.50
–
44.50
44.50
100.00
小計
インドネシア
インドネシア・インフラ融資ファシリティ
公共支出支援ファシリティプログラム
景気循環相殺政策支援
PNPM マンディリに対する地方インフラ支援(プロジェクト 2)
資本市場開発プログラム・クラスター(サブプログラム 2)
開発政策支援プログラム(第 5 期)
小計
–
–
–
–
3 月31 日
6月 3日
10 月 7 日
11 月12 日
11 月16 日
12 月 8 日
カザフスタン
カザフスタン景気循環相殺政策支援
(ジャンビル∼オブラスト区間)
CAREC 交通回廊(第 1 期)
「欧州西部∼中国西部横断回廊」投資プログラム(トランシェ 2)
小計
キルギス
小計
7 月14 日
9 月30 日
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、CAREC = 中央アジア地域経済協力、OCR = 通常資本財源、PNPM = Program Nasional Pemberdayaan Masyarakat(コミュニティ
への権限付与のための国家プログラム)。
a 総事業費には、ADB、各国政府、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元民間企業および金融機関が提供する資金が含
まれる。
b ADF 融資 2 件から構成。
年次報告 2009
OCR
ADF
合計
総事業費 a
39
承認日
ラオス
灌漑の開発・管理の地方分権化セクター(追加)
–
0.12
0.12
0.12
–
0.12
0.12
0.12
経済回復プログラム
–
経済回復に向けた能力開発(TA ローン)
–
35.00
1.50
35.00
1.50
231.00
1.80
–
36.50
36.50
232.80
社会セクター支援プログラム
–
都市開発セクター(追加)
–
43.10
7.03
43.10
7.03
110.00
8.73
–
50.13
50.13
118.73
25.00
12.75
70.00
65.00
95.00
46.50
92.00
93.70
小計
10 月16 日
モルジブ
モンゴル
小計
6 月24 日
11 月18 日
ネパール
教育セクタープログラム(サブプログラム 3)
–
南アジア観光インフラ開発(バングラデシュ、インドおよびネパール)
–
航空輸送能力の強化
–
エネルギー普及・効率向上
–
25.00
12.75
70.00
65.00
–
172.75
172.75
327.20
350.00
230.00
75.00
40.00
150.00
–
75.00
20.00
500.00
230.00
150.00
60.00
500.00
269.30
150.00
110.00
695.00
245.00
940.00
1,029.30
–
25.00
25.00
70.00
25.00
95.00
30.00
112.00
25.00
95.00
120.00
142.00
31.10
50.00
500.00
250.00
225.00
–
–
31.10
50.00
500.00
250.00
225.00
46.50
63.36
500.00
250.00
441.00
1,056.10
–
1,056.10
1,300.86
135.00
–
80.00
25.00
70.00
20.00
160.00
70.00
100.00
188.20
78.00
116.60
215.00
115.00
330.00
382.80
77.10
–
77.10
179.40
77.10
–
77.10
179.40
小計
9 月22 日
11 月16 日
11 月23 日
11 月27 日
パキスタン
経済システム移行促進プログラム(サブプログラム 2)
国道開発セクター投資プログラム(トランシェ 2)
パンジャブ州・政府効率化プログラム(サブプログラム 2)
エネルギー効率化投資プログラム(トランシェ 1)
小計
6 月25 日
8 月26 日
9 月17 日
9 月22 日
パプアニューギニア
試験的境界取引および投資開発
民間航空開発投資プログラム(トランシェ 1 b)
小計
11 月27 日
12 月 1 日
フィリピン
フィリピン・エネルギー効率化
ヘルスケア改善のための与信枠
景気循環相殺支援
開発政策の支援プログラム(サブプログラム 3)
地方政府の財政・予算改革プログラム(サブプログラム 2)
小計
–
–
–
1 月29 日
3 月25 日
8 月24 日
9 月15 日
11 月26 日
スリランカ
クリーンエネルギーとその普及拡大
東・北部の中央州道路
大コロンボ圏・廃水処理
小計
4 月14 日
9 月16 日
9 月28 日
タイ
メコン河流域圏(GMS)道路延伸
小計
12 月15 日
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、CAREC = 中央アジア地域経済協力、OCR = 通常資本財源、TA = 技術協力。
a 総事業費には、ADB、各国政府、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元民間企業および金融機関が提供する資金が含
まれる。
b ADF 融資 2 件から構成。
統計付録
小計
12 月 9 日
12 月 9 日
アジア開発銀行
40
続き
OCR
ADF
合計
総事業費 a
承認日
ウズベキスタン
水供給・衛生整備サービス投資プログラム(トランシェ 1)
–
60.00
60.00
75.00
–
60.00
60.00
75.00
タンホア市・包括的社会経済開発
–
農産物の品質・安全性強化およびバイオガス開発
–
72.00
95.00
72.00
95.00
117.90
110.39
3月 5日
3 月18 日
–
500.00
–
151.00
–
100.00
151.00
500.00
100.00
197.60
500.00
100.00
3 月30 日
9 月15 日
10 月15 日
11 月25 日
−プログラム融資
–
−プロジェクト融資
–
–
902.85
20.00
40.00
45.00
–
20.00
40.00
45.00
902.85
20.00
51.00
50.00
1,143.37
1,402.85
523.00
1,925.85
2,290.26
10,577.01
2,210.31
12,787.32
23,017.83
58.57
34.30
100.00
–
–
58.57
34.30
100.00
591.61
137.10
650.00
192.87
–
192.87
1,378.71
100.00
–
100.00
100.00
100.00
–
100.00
100.00
25.00
–
25.00
273.00
25.00
–
25.00
273.00
120.00
–
120.00
486.00
120.00
–
120.00
486.00
5.00
–
5.00
172.41
5.00
–
5.00
172.41
442.87
–
442.87
2,410.12
11,019.88
2,210.31
13,230.19
23,460.71
小計
10 月 8 日
ベトナム
統計付録
再生可能エネルギー開発および遠隔地セクターのネットワーク拡張と
再建
景気循環相殺支援
貧困削減プログラム実施支援(第 5 期)
(サブプログラム 2)
中等教育セクター開発プログラム
中部地方・給水・衛生
モンズオン第 1 火力発電施設(トランシェ 2)
小計
ソブリン合計
12 月17 日
12 月21 日
ノンソブリン
中国
小型水力発電開発
張北県・風力発電
地方自治体における廃棄物発電
小計
–
1 月13 日
3 月10 日
6月 4日
インド
中小企業における貿易金融開発ファシリティ
小計
9 月30 日
パプアニューギニア
Digicel 社携帯電話網拡張
小計
11 月16 日
フィリピン
ヴィサヤ地方・ベースロード発電開発
小計
12 月11 日
タイ
バイオマス発電
小計
ノンソブリン合計
合計
1 月13 日
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
a 総事業費には、ADB、各国政府、受益者および転借人が負担する資金、公的機関、輸出信用および民間機関による協調融資、株主、地元民間企業および金融機関が提供する資金が含
まれる。
年次報告 2009
41
統計付録 2
2009 年中の無償援助(グラント)プロジェクトの承認(国別)
(単位:百万ドル)
ADF
アフガニスタン
ハイラタン∼マザリシャリフ鉄道
水資源開発投資プログラム(トランシェ 1)
エネルギーセクター開発投資プログラム(トランシェ 2)
小計
小計
ブータン
道路網(第 2 期)
小計
カンボジア
地方貧困層のための収穫後の技術・技能橋渡しプログラムの試験的運営
地方給水・衛生セクター(第 2 期)
技術および職業教育・研修の強化
トンレサップにおける貧困削減と小農地所有者の開発 b
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア国内鉄道修復 b
小計
中国
エネルギー効率化のための能力開発(追加)b
遼寧省・小都市および都市部開発実証セクター b
陝西省・秦嶺山脈地帯の生態多様性の保全と実証 b
白洋淀流域・総合エコシステム・水資源管理 b
河北省・小都市および都市部開発実証セクター b
山西省・小都市および都市部開発実証セクター b
山西省・地下水管理による気候変動への適応 b
山西省・地方女性への経済権限付与計画の試験的運用 b
小計
インド
水に恵まれない人々の能力開発および生計の強化
小計
インドネシア
貧困層に向けた稲作の強化
西スマトラ地震災害支援
小計
小計
ラオス
小都市の給水・衛生セクター
自然資源の持続可能な管理と生産性向上
ラオス北部・健康モデル村の展開
民間セクターおよび中小企業開発プログラム(サブプログラム 2)
高等教育強化
保健衛生セクター開発プログラム
−プログラムグラント
−プロジェクトグラント
小計
モンゴル
児童の慢性的栄養失調の削減
社会セクター支援プログラム b
金融危機下にある貧困層の健康保護
地方民、遊牧民、移住者の子供に対する幼児教育
合計
165.00
86.60
81.50
–
–
–
–
3.30
–
333.10
–
3.30
–
–
–
–
–
–
–
–
2.00
30.00
24.00
2.50
–
–
58.50
58.50
38.76
–
–
38.76
38.76
–
–
38.76
–
21.00
24.50
27.30
–
–
–
–
–
–
2.00
–
–
12.44
21.50
72.80
–
35.94
–
–
–
–
–
–
–
1.20
–
–
–
–
–
–
–
0.25
4.27
2.93
0.25
0.25
0.50
–
–
0.20
–
1.20
8.65
–
–
2.00
–
–
2.00
–
–
–
3.00
2.00
–
–
3.00
2.00
5.00
22.00
13.50
–
–
–
–
22.00
13.50
35.50
–
–
35.50
23.00
20.00
–
15.00
24.80
–
–
–
–
–
5.80
15.00
3.00
–
–
10.00
10.00
–
–
–
–
10.00
10.00
102.80
–
23.80
126.60
–
16.90
–
–
–
–
–
–
2.00
–
3.00
2.89
キルギス
(第 1 期)プロジェクト 2b
CAREC 交通回廊(ビシュケク∼トルガルト道路)
イシク・クル・持続可能な開発
その他の財源 a
英国
165.00
89.90
81.50
承認日
9 月 30 日
10 月 6 日
12 月 3 日
336.40
JFPR
カナダ
オランダ
スイス
JFPR
フィンランド /IFAD
豪州
2.00
30.00
24.00
2.50
2.00
21.00
24.50
39.74
21.50
1 月 27 日
1 月 30 日
2月 3日
6 月 10 日
11 月 10 日
4 月 20 日
9 月 15 日
11 月 13 日
12 月 8 日
12 月 15 日
108.74
MDTF-WFPF
GEF
GEF
MDTF-WFPF
MDTF-WFPF
MDTF-WFPF
ジェンダーと開発
協力基金(GDCF)
1.20
0.25
4.27
2.93
0.25
0.25
0.50
1 月 13 日
9 月 18 日
10 月 22 日
10 月 30 日
11 月 6 日
12 月 18 日
12 月 16 日
0.20
12 月 16 日
9.85
JFPR
2.00
6 月 19 日
2.00
JFPR
豪州 / ジェンダーと開
発協力基金(GDCF)
IFAD
JFPR
JFPR
JFPR
JFPR
2.00
3.00
28.80
35.00
3.00
15.00
24.80
2.00
16.90
3.00
2.89
3 月 20 日
10 月 13 日
7 月 14 日
9 月 30 日
2月 2日
2 月 23 日
8 月 14 日
10 月 1 日
10 月 5 日
11 月 10 日
3 月 16 日
6 月 24 日
7 月 30 日
8 月 28 日
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、APDRF = アジア太平洋災害対応基金、CAREC = 中央アジア地域経済協力、CCF = 気候変動基金、GDCF = ジェンダーと開発協力基金、
GEF = 地球環境ファシリティ、IFAD = 農業開発国際基金、JFPR = 貧困削減日本基金、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金。
a ADB と行政上もしくは協力的な合意を締結したプロジェクトに対する協調融資。
b 融資プロジェクトのグラント(無償援助)コンポーネント。
統計付録
バングラデシュ
包括的保険のためのセクター整備
初等教育開発プログラム(第 2 期)
(追加)b
災害被害に対する緊急復興支援(セクター)
(追加)b
ポスト識字能力−学業継続支援(追加)b
APDRF/CCF
42
アジア開発銀行
続き
ADF
地方低所得層に対する電力サービス向上実証プロジェクト
金融危機対応としての対貧困層教育
小計
統計付録
ネパール
洪水災害に対する緊急復興
女性・子供向けサービスセンター設立
小都市の給水・衛生セクター(第 2 期)
教育セクタープログラムクラスター(サブプログラム 3)
貧困層の法的地位向上に向けた能力開発
南アジア観光インフラ開発 b
航空輸送能力の強化 b
エネルギー普及・効率向上 b
チャッキ製粉工場・小麦粉栄養強化
小計
パプアニューギニア
道路網改善による沿道コミュニティに対する社会経済的恩恵の拡大
小計
フィリピン
フィリピン・エネルギー効率化 b
助産師の起業支援・金融リテラシー向上 b
台風ケツァーナ(オンドイ)に対するアジア太平洋災害対応基金からの支援
小計
サモア
地震・津波災害対応
小計
ソロモン諸島
道路改良(セクター)
(追加)
道路改良(セクター)
(追加)
緊急支援(追加)
道路改良(第 2 期)
(セクター)
小計
スリランカ
クリーンエネルギーとその普及拡大 b
クリーンエネルギーとその普及拡大 b
生計支援と男女平等化の連繋性向上
北東部・コミュニティ復興と開発(第 II 期)
(追加)b
小計
タジキスタン
金融危機経済回復支援プログラム
ドゥシャンベ∼キルギス道路復興(第 II 期)
(追加)b
地方部・税関システム近代化とインフラ開発 b
小計
東ティモール
道路網整備セクター
我々の道路、我々の未来−地方行政およびコミュニティ型インフラ整備
支援 a
小計
トンガ
経済支援プログラム
小計
ベトナム
タンホア市・包括的社会経済開発 b
マイクロファイナンス機関の整備
小計
合計
APDRF/CCF
その他の財源 a
合計
承認日
–
17.00
–
–
2.40
–
33.90
–
10.29
25.60
–
45.10
70.00
–
12.75
10.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
0.30
–
–
0.75
–
–
2.00
–
–
4.20
1.80
163.45
0.30
8.75
–
–
2.00
–
–
2.00
–
–
1.50
–
–
–
3.00
0.40
–
–
3.00
1.90
4.90
–
1.00
–
1.00
–
1.00
–
1.00
–
–
–
15.00
–
–
–
–
0.21
1.87
4.04
7.84
15.00
–
13.96
28.96
–
–
–
–
2.20
2.00
–
–
–
–
3.00
7.28
2.20
2.00
3.00
7.28
–
4.20
10.28
14.48
40.00
20.00
–
–
–
–
–
–
1.60
40.00
20.00
1.60
60.00
–
1.60
61.60
46.00
–
–
46.00
11 月 20 日
3.00
11 月 20 日
JFPR
2.40
17.00
9月 9日
9 月 18 日
44.19
JFPR
JFPR
CEF
JFPR
25.60
0.75
45.10
70.00
2.00
12.75
10.00
4.50
1.80
4 月 21 日
7月 3日
9 月 17 日
9 月 22 日
10 月 12 日
11 月 16 日
11 月 23 日
11 月 27 日
12 月 9 日
172.50
JFPR
2.00
3月 2日
2.00
ACEF-CEFPF
ジェンダーと開発
協力基金(GDCF)
豪州
豪州
EC
EC / 豪州
JFPR
豪州
米国
1.50
1 月 29 日
0.40
3.00
3 月 25 日
9 月 29 日
0.21
1.87
4.04
22.84
–
–
3.00
46.00
–
3.00
49.00
10.00
–
–
10.00
10.00
–
–
10.00
–
–
–
–
2.00
1.50
JFPR
MDTF-WFPF/
NET-WFPF
JFPR
2.00
1.50
–
–
3.50
3.50
911.31
12.70
189.46
1,113.47
10 月 2 日
1 月 19 日
5 月 20 日
8 月 27 日
11 月 12 日
4 月 14 日
10 月 6 日
12 月 14 日
12 月 17 日
7月 6日
7 月 24 日
8 月 12 日
12 月 3 日
3月 5日
10 月 5 日
– = 該当データなし、ACEF-CEFPF = クリーンエネルギー投資パートナーシップ・ファシリティに基づくアジア・クリーンエネルギー基金、ADF = アジア開発基金、
APDRF = アジア太平洋災害対応基金、CCF = 気候変動基金、CEF = クリーンエネルギー基金、EC = 欧州委員会、GDCF = ジェンダーと開発協力基金、JFPR = 貧困削減日本基金、
MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、NET-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティのためのオランダ基金。
a ADB と行政上もしくは協力的な合意を締結したプロジェクトに対する協調融資。
b 融資プロジェクトのグラント(無償援助)コンポーネント。
年次報告 2009
43
統計付録 3
セクター別 a 融資の承認(3 カ年移動平均(1968 ∼ 1971 年− 2007 ∼ 2009b 年)
農業・
融資総額 C
(単位:百万ドル) 天然資源
教育
エネルギー
金融
期間
保健・栄養・
社会的保護 工業・貿易
法律・
経済運営・
公共政策
運輸・通信
上下水道・
廃棄物管理
マルチ
セクター
(融資総額に占める割合)
128.44
199.25
271.92
18.08
19.00
13.75
0.78
0.50
0.82
11.98
25.38
33.06
21.38
18.87
14.69
–
–
–
18.43
10.87
6.27
–
–
–
24.03
21.68
21.48
5.32
3.70
9.93
–
–
–
1971–1973
1972–1974
1973–1975
330.53
428.42
543.15
12.72
16.43
18.52
1.02
0.79
1.28
32.18
26.71
23.03
15.83
15.30
17.49
–
–
–
3.14
6.12
12.65
–
–
–
23.88
21.32
17.68
11.23
13.33
9.16
–
–
0.18
1974–1976
1975–1977
1976–1978
661.29
774.22
940.36
22.81
24.62
25.64
0.73
1.49
2.95
20.74
21.50
21.11
18.07
16.12
14.59
–
–
1.36
11.75
9.80
6.79
–
–
–
16.61
16.97
15.98
9.12
9.36
10.30
0.16
0.14
1.27
1977–1979
1978–1980
1979–1981
1,098.92
1,282.01
1,454.96
27.24
28.44
29.61
5.13
5.56
5.35
22.84
23.74
26.21
12.33
11.97
11.62
1.17
1.41
1.72
6.37
4.39
3.72
–
–
–
12.10
12.39
9.41
11.71
11.12
12.29
1.12
0.98
0.09
1980–1982
1981–1983
1982–1984
1,598.97
1,751.46
1,937.03
31.77
31.23
33.13
4.41
5.19
5.34
27.61
26.60
28.98
11.62
13.27
9.42
2.01
2.91
1.88
2.21
2.86
1.12
–
–
–
11.53
7.52
12.12
8.78
9.46
6.57
0.06
0.96
1.43
1983–1985
1984–1986
1985–1987
1,978.52
2,013.77
2,081.84
32.10
33.76
28.61
5.27
4.95
3.97
24.63
25.26
17.47
8.36
6.72
11.82
2.42
2.02
2.19
1.09
0.72
5.23
–
–
–
12.75
14.40
20.54
11.85
9.75
8.36
1.53
2.40
1.81
1986–1988
1987–1989
1988–1990
2,512.17
3,053.72
3,564.93
22.93
20.16
21.66
5.20
4.97
6.33
18.76
16.07
20.48
12.69
15.25
14.22
1.60
1.91
1.35
9.72
9.73
6.19
–
–
–
23.12
23.47
20.68
4.53
7.62
7.38
1.45
0.82
1.71
1989–1991
1990–1992
1991–1993
4,115.49
4,610.39
5,022.89
22.82
18.74
12.99
5.25
5.00
5.18
25.79
28.91
31.01
12.03
10.93
8.72
1.43
1.14
1.26
6.09
5.13
6.72
–
–
0.09
17.93
20.60
23.34
7.19
6.61
8.55
1.45
2.94
2.15
1992–1994
1993–1995
1994–1996
4,665.65
4,791.51
4,806.49
9.81
10.81
13.63
4.90
5.74
5.64
29.63
31.66
27.54
7.75
7.49
7.61
2.27
1.83
3.74
3.57
2.53
1.10
0.09
0.09
1.77
29.17
26.66
25.64
9.64
12.00
10.26
3.16
1.18
3.07
1995–1997
1996–1998
1997–1999
6,718.17
6,883.72
6,776.72
10.60
8.34
6.90
6.71
5.46
4.64
18.66
11.67
9.76
31.12
35.13
34.25
2.69
6.47
6.81
0.99
1.19
1.97
1.63
1.82
4.17
16.33
19.92
18.29
8.57
6.81
9.66
2.69
3.18
3.55
1998–2000
1999–2001
2000–2002
5,499.56
5,284.95
5,526.40
8.79
11.72
11.96
4.01
4.96
5.35
13.94
15.92
17.02
12.66
3.60
8.60
8.15
3.64
1.58
4.64
5.02
3.83
5.30
10.96
9.51
25.28
23.99
27.04
12.82
11.01
7.32
4.41
9.18
7.79
2001–2003
2002–2004
2003–2005
5,693.81
5,593.92
5,628.15
10.03
7.30
5.76
4.10
4.29
2.93
14.27
14.79
15.03
7.71
7.93
4.13
1.35
2.65
2.74
2.35
2.76
2.03
10.40
8.65
11.03
33.23
37.43
37.50
7.66
7.39
9.73
8.91
6.80
9.13
2004–2006
2005–2007
2006–2008
6,021.31
7,513.50
8,967.94
7.64
6.09
6.24
3.25
2.01
1.95
17.03
16.73
19.57
11.85
13.25
10.94
1.83
0.48
0.83
1.12
0.47
0.92
9.76
10.46
11.99
28.71
29.75
28.52
8.14
9.41
8.59
10.67
11.34
10.45
2006–2008
10,956.57
4.03
1.10
18.55
5.22
0.96
0.97
25.35
26.12
7.43
10.28
4,588.00
13,085.79
37,319.42
13,466.43
8,963.45
累計
百万ドル
c
(1968–2009)
155,938.23
18,897.68
6,108.83
30,733.38
19,119.33
– = 該当データなし。
a 2009 年のプロジェクト区分に基づく。
b REG に基づくローン 4,500 万ドルを含む:貿易金融促進プログラムは 2003 年に承認された。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
3,655.92
統計付録
1968–1970
1969–1971
1970–1972
44
アジア開発銀行
統計付録 4
2009 年中の融資承認(セクター別)
単位:百万ドル
OCR
ADF
合計
農業・天然資源
統計付録
BAN
CAM
LAO
PRC
PRC
PRC
VIE
参加型小規模水資源セクター
–
トンレサップにおける貧困削減と小農地所有者の開発
–
農産物の品質・安全性強化およびバイオガス開発
–
40.00
150.00
100.00
–
55.00
3.40
0.12
–
–
–
95.00
55.00
3.40
0.12
40.00
150.00
100.00
95.00
小計
290.00
153.12
443.52
–
25.00
25.00
灌漑の開発・管理の地方分権化セクター(追加)
陝西省・秦嶺山脈地帯の生態多様性の保全と実証
貴陽・水資源総合管理(セクター)
山西省・農業の統合的開発
教育
NEP
VIE
教育セクタープログラム(サブプログラム 3)
中等教育セクター開発プログラム
−プログラム融資
–
−プロジェクト融資
–
20.00
40.00
20.00
40.00
小計
–
85.00
85.00
30.60
200.00
166.00
60.30
59.10
–
40.00
31.10
120.00
58.57
34.30
22.06
135.00
5.00
–
902.85
–
–
65.00
20.00
–
–
–
–
–
25.00
–
151.00
–
30.60
200.00
166.00
60.30
59.10
65.00
60.00
31.10
120.00
58.57
34.30
22.06
160.00
5.00
151.00
902.85
1,864.88
261.00
2,125.88
資本市場開発プログラム・クラスター(サブプログラム 2)
–
100.00
100.00
300.00
10.00
–
–
–
10.00
100.00
100.00
300.00
小計
500.00
10.00
510.00
ヘルスケア改善のための与信枠
–
50.00
43.10
–
43.10
50.00
小計
50.00
43.10
93.10
エネルギー
IND
IND
IND
IND
IND
NEP
PAK
PHI
PHI
PRC
PRC
PRC
SRI
THA
VIE
VIE
ウッタラカンド州・電力セクター投資プログラム(トランシェ 3)
国家送電網開発投資プログラム(トランシェ 2)
マディヤプラデシュ州・電力セクター投資プログラム(トランシェ 5)
アッサム州・電力セクター強化投資プログラム(トランシェ 1)
ヒマチャル・プラデシュ州・クリーンエネルギー開発投資プログラム(トランシェ 2)
エネルギー普及・効率向上
エネルギー効率化投資プログラム(トランシェ 1)
フィリピン・エネルギー効率化
ヴィサヤ地方・ベースロード発電開発 a
小型水力発電開発 a
張北県・風力発電 a
広東省・エネルギー効率化および環境改善投資プログラム(トランシェ 2)
クリーンエネルギーとその普及拡大
バイオマス発電 a
再生可能エネルギー開発および遠隔地セクターのネットワーク拡張と再建
モンズオン第 1 火力発電施設(トランシェ 2)
小計
–
–
–
金融
CAM
IND
INO
INO
金融セクタープログラム II(サブプログラム 3)
中小企業における貿易金融開発ファシリティ a
インドネシア・インフラ融資ファシリティ
保健・栄養・社会的保護
MON
PHI
社会セクター支援プログラム
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、BAN = バングラデシュ、CAM = カンボジア、IND = インド、INO = インドネシア、MON = モンゴル、NEP = ネパール、
OCR = 通常資本財源、PAK = パキスタン、PHI = フィリピン、PRC = 中国、SRI = スリランカ、THA = タイ、VIE = ベトナム。
a ノンソブリン融資。
年次報告 2009
45
続き
単位:百万ドル
OCR
ADF
合計
工業・貿易
BAN
PNG
中小企業開発
–
試験的境界取引および投資開発
–
76.00
25.00
76.00
25.00
小計
–
101.00
101.00
貧困削減プログラム実施支援(第 5 期)
(サブプログラム 2)
600.00
94.00
6.00
1,000.00
500.00
200.00
500.00
–
–
350.00
75.00
500.00
250.00
225.00
500.00
–
144.85
–
–
–
–
–
–
35.00
1.50
150.00
75.00
–
–
–
–
100.00
744.85
94.00
6.00
1,000.00
500.00
200.00
500.00
35.00
1.50
500.00
150.00
500.00
250.00
225.00
500.00
100.00
小計
4,800.00
506.35
5,306.35
南北交通回廊投資プログラム(トランシェ 1)
–
パドマ多目的橋の設計(追加)
–
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア北西部地方道路改良
–
–
36.10
17.56
–
–
100.00
185.00
200.00
60.00
10.00
16.26
42.00
–
–
30.00
118.80
–
–
–
60.00
10.00
16.26
42.00
36.10
17.56
30.00
118.80
100.00
185.00
200.00
187.00
–
–
230.00
25.00
25.00
100.00
200.00
150.00
300.00
–
77.10
–
28.00
70.00
–
–
70.00
–
–
–
–
70.00
–
187.00
28.00
70.00
230.00
25.00
95.00
100.00
200.00
150.00
300.00
70.00
77.10
1,832.76
515.06
2,347.82
公共政策
公共支出支援ファシリティプログラムと景気循環相殺政策支援ファシリティ支援プログラム
ミゾラム州・公共資源管理プログラム
ミゾラム州・公共資源管理プログラムの開発
公共支出支援ファシリティプログラム
景気循環相殺政策支援
開発政策支援プログラム(第 5 期)
カザフスタン景気循環相殺政策支援
経済回復プログラム
経済回復に向けた能力開発(TA ローン)
経済システム移行促進プログラム(サブプログラム 2)
パンジャブ州・政府効率化プログラム(サブプログラム 2)
景気循環相殺支援
開発政策の支援プログラム(サブプログラム 3)
地方政府の財政・予算改革プログラム(サブプログラム 2)
景気循環相殺支援
運輸・情報通信技術
ARM
BAN
CAM
CAM
FIJ
FIJ
GEO
GEO
IND
IND
IND
KAZ
KGZ
NEP
PAK
PNG
PNG
PRC
PRC
PRC
PRC
SRI
THA
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア国内鉄道修復(追加)
道路改良(セクター)
(追加)
洪水の緊急復興(セクター)
都市サービス開発(フェーズ 2)
道路回廊投資プログラム(トランシェ 1)
国道回廊(セクター)1(追加)
地方道路セクター(II)投資プログラム(トランシェ 4)
ジャルカンド州・州道
(ジャンビル∼オブラスト区間)
CAREC 運輸回廊(第 1 期)
「欧州西部∼中国西部横断回廊」投資プログラム(トランシェ 2)
(第 1 期)
(プロジェクト 2)
CAREC 交通回廊(ビシュケク∼トルガルト道路)
航空輸送能力の強化
国道開発セクター投資プログラム(トランシェ 2)
Digicel 社携帯電話網拡張 a
民間航空開発投資プログラム(トランシェ 1b)
新疆ウイグル自治区・都市交通・環境改善
安徽省・統合運輸セクター改良
蘭州・持続可能な都市交通
鉄道エネルギー効率化および安全性強化に対する投資プログラム(トランシェ 1)
東・北部の中央州道路
メコン河流域圏(GMS)道路延伸
小計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、ARM = アルメニア、BAN = バングラデシュ、CAM = カンボジア、CAREC = 中央アジア地域経済協力、IND = インド、
INO = インドネシア、FIJ = フィジー諸島、GEO = グルジア、KAZ = カザフスタン、MLD = モルジブ、NEP = ネパール、OCR = 通常資本資源、PAK = パキスタン、
PHI = フィリピン、PNG = パプアニューギニア、PRC = 中国、SRI = スリランカ、TA = 技術協力、THA = タイ、VIE = ベトナム。
a ノンソブリン融資。
b ADF 融資 2 件から構成。
統計付録
BAN
IND
IND
INO
INO
INO
KAZ
MLD
MLD
PAK
PAK
PHI
PHI
PHI
VIE
VIE
46
アジア開発銀行
続き
単位:百万ドル
OCR
ADF
合計
上水道、都市インフラ
AZE
BAN
統計付録
FIJ
IND
IND
KGZ
MON
PRC
SRI
UZB
VIE
VIE
給水・衛生設備投資プログラム(トランシェ 1)
75.00
–
75.00
−プログラム融資
–
−プロジェクト融資
–
中部地方・給水・衛生
23.00
150.00
30.00
–
–
100.00
80.00
–
–
–
70.00
60.00
–
–
–
16.50
7.03
–
20.00
60.00
72.00
45.00
70.00
60.00
23.00
150.00
30.00
16.50
7.03
100.00
100.00
60.00
72.00
45.00
小計
458.00
350.53
808.53
–
10.00
–
200.00
210.00
84.24
400.00
100.00
100.00
100.00
–
–
20.00
–
80.00
–
80.00
–
–
–
–
–
–
–
–
12.00
–
12.75
80.00
10.00
80.00
200.00
210.00
84.24
400.00
100.00
100.00
100.00
1,224.24
184.75
1,408.99
11,019.88
2,210.31
13,230.19
都市部の公衆衛生・環境衛生セクター開発プログラム
スバ・ナウソリ上下水処理開発(追加)
ラジャスタン州・都市部開発投資プログラム(トランシェ 2)
北東地域首都部開発投資プログラム(トランシェ 1)
イシク・クル・持続可能な開発
都市開発セクター(追加)
地方自治体における廃棄物発電 a
大コロンボ圏・廃水管理
水供給・衛生整備サービス投資プログラム(トランシェ 1)
タンホア市・包括的社会経済開発
マルチセクター
ARM
COO
GEO
IND
IND
INO
PRC
PRC
PRC
PRC
REG
危機回復支援プログラム b
景気回復支援プログラム
経済成長回復支援プログラム b
インド・インフラ・プロジェクト融資ファシリティ(トランシェ 2)
インド・インフラ・プロジェクト融資ファシリティ(第 2 期)
(トランシェ 1)
PNPM マンディリに対する地方インフラ支援(プロジェクト 2)
四川大地震復興のための緊急支援
遼寧省・小都市および都市部開発実証セクター
河北省・小都市および都市部開発実証セクター
山西省・小都市および都市部開発実証セクター
南アジア観光インフラ開発
−バングラデシュ
−インド
−ネパール
小計
合計
12.00
20.00
12.75
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、ARM = アルメニア、AZE = アゼルバイジャン、BAN = バングラデシュ、COO = クック諸島、FIJ = フィジー諸島、
GEO = グルジア、IND = インド、INO = インドネシア、KGZ = キルギス、MON = モンゴル、OCR = 通常資本資源、PNPM = Program Nasional Pemberdayaan Masyarakat
(コミュニティへの権限付与のための国家プログラム)、PRC = 中国、REG = 地域、UZB = ウズベキスタン、VIE = ベトナム。
a ノンソブリン融資。
b ADF 融資 2 件から構成。
年次報告 2009
47
統計付録 5
融資のセクター別配分 a(2009 年、1967 ∼ 2009 年)
2009 年中の融資
OCR
セクター
件数
合計
ADF
百万ドル
件数
プロジェクト
件数 c
百万ドル
2009 年末時点の累計
プロジェクト
件数 c
百万ドル
百万ドル
%
農業・天然資源
3
290.0
4
153.5
7
443.5
513
18,897.7
教育
–
–
3
85.0
2
85.0
144
6,108.8
3.9
14
1,864.9
4
261.0
16
2,125.9
327
30,733.4
19.7
金融
3
500.0
1
10.0
4
510.0
250
19,119.3
12.3
保健・社会保障
1
50.0
1
43.1
2
93.1
66
3,655.9
2.3
工業・貿易
–
–
2
101.0
2
101.0
107
4,588.0
2.9
公共政策
14
4,800.0
7
506.4
14
5,306.4
64
13,085.8
8.4
運輸・情報通信技術
23.9
エネルギー
12.1
1,832.8
11
515.1
23
2,347.8
393
37,319.4
6
458.0
8
350.5
12
808.5
240
13,466.4
8.6
マルチセクター
9
1,224.2
6
184.8
11
1,409.0
102
8,963.4
5.7
64
11,019.9
47
2,210.3
93
13,230.2
2,206
155,938.2
100.0
合計 d
無償援助(グラント)e のセクター別配分(2009 年、1967 ∼ 2009 年)
2009 年中のグラント(無償援助)
ADF(第 8 次財源補充)
セクター
件数
百万ドル
その他の財源
APDRF/CCF
件数
百万ドル
件数
百万ドル
合計
2009 年末時点の累計
プロジェクト
百万ドル
件数 f
プロジェクト
百万ドル
件数 f
%
農業・天然資源
3
133.9
–
–
9
40.6
7
174.5
78
801.5
15
教育
4
136.3
–
–
4
37.4
8
173.7
36
806.1
16
エネルギー
1
81.5
4
5.7
3
8.1
6
95.3
21
434.6
8
金融
–
–
–
–
2
3.5
2
3.5
16
92.9
2
保健・社会保障
2
20.0
–
–
8
15.0
9
35.0
48
303.0
6
工業・貿易
–
–
–
–
1
1.6
1
1.6
8
35.1
1
55.0
–
–
1
2.0
3
57.0
15
276.3
5
21
公共政策
運輸・情報通信技術
7
316.8
–
–
7
38.5
10
355.2
35
1,080.5
上水道、都市インフラ
4
102.6
–
–
3
7.8
5
110.4
28
267.6
5
マルチセクター
4
65.3
3
7.0
6
35.0
13
107.3
30
1,093.1
21
27
911.3
7
12.7
44
189.5
64
1,113.5
315
5,190.7
100
合計
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本資源。
a ノンソブリン融資を含む。
b REG に基づくローン 4,500 万ドルを含む:貿易金融促進プログラムは 2003 年に承認された。
c 複数の融資があるプロジェクトは 1 件と数える。
d 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
e グラント(無償援助)により融資されるプロジェクトのこと。
f 複数のグラント(無償援助)があるプロジェクトは 1 件と数える。
統計付録
14
上水道、都市インフラ
アジア開発銀行
48
統計付録 6
2009 年中の融資および ADF グラントの承認(国および財源別)
(単位:百万ドル)
ADF
OCR 融資
融資
グラント
合計
%
ソブリン
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
統計付録
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
インド
インドネシア
カザフスタン
キルギス
ラオス
モルジブ
モンゴル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
ソロモン諸島
スリランカ
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
ウズベキスタン
ベトナム
小計
–
–
75.0
600.0
–
–
1,762.1
10.0
76.7
–
1,711.0
2,184.2
687.0
–
–
–
–
–
695.0
25.0
1,056.1
–
215.0
–
77.1
–
–
–
1,402.9
–
140.0
–
427.9
–
71.7
–
–
–
228.8
–
–
–
44.5
0.1
36.5
50.1
172.8
245.0
95.0
–
–
115.0
–
–
–
–
60.0
523.0
333.1
–
–
–
38.8
72.8
–
–
–
–
–
–
–
35.5
102.8
–
33.9
163.5
–
–
–
15.0
–
60.0
–
46.0
10.0
–
–
333.1
140.0
75.0
1,027.9
38.8
144.5
1,762.1
10.0
76.7
228.8
1,711.0
2,184.2
687.0
80.0
102.9
36.5
84.0
336.2
940.0
120.0
1,056.1
15.0
330.0
60.0
77.1
46.0
10.0
60.0
1,925.9
2.4
1.0
0.5
7.3
0.3
1.0
12.5
0.1
0.5
1.6
12.1
15.4
4.9
0.6
0.7
0.3
0.6
2.4
6.6
0.8
7.5
0.1
2.3
0.4
0.5
0.3
0.1
0.4
13.6
10,577.0
2,210.3
911.3
13,698.6
96.9
192.9
100.0
25.0
–
–
–
–
–
–
192.9
100.0
25.0
1.4
0.7
0.2
120.0
5.0
–
–
–
–
120.0
5.0
0.8
0.04
442.9
–
–
442.9
3.1
11,019.9
2,210.3
911.3
14,141.5
100.0
ノンソブリン
中国
インド
パプアニューギニア
フィリピン
タイ
小計
合計 a
0.0 = 0.01 を下回る%、– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本資源。
a 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2009
49
統計付録 7
2009 年中の協調融資プロジェクト a
(単位:百万ドル)
協調融資
公的機関
ADB 融資額
中央・西アジア
344.30
DVA 協調融資
非 DVA 協調融資
無償
4.90
4.90
0.00
融資
2,500.00
2,320.00
180.00
民間機関
協調融資財源
0.00
0.00
0.00
水資源開発投資プログラム(トランシェ 1)
86.60
英国
3.30b
カザフスタン
(ジャンビル∼オブラ
CAREC 運輸回廊(第 1 期)
スト区間)
「欧州西部∼中国西部横断回廊」
投資プログラム(トランシェ 2)
187.00
欧州復興開発銀行(EBRD)
180.00
170.00b
2,125.00b
イスラム開発銀行(IDB)
世界銀行
パキスタン
エネルギー効率化投資プログラム(トランシェ 1)
仏開発庁(AFD)
25.00b
60.00
タジキスタン
地方部・税関システム近代化とインフラ開発 c
東アジア
10.70
1,192.87
DVA 協調融資
非 DVA 協調融資
米国
1.60b
8.65
8.65
0.00
135.85
30.00
105.85
1,274.42
276.20
998.22
中国
安徽省・統合運輸セクター改良
貴陽・水資源総合管理(セクター)
河北省・小都市および都市部開発実証セクター
白洋淀流域・総合エコシステム・水資源管理
蘭州・持続可能な都市交通
遼寧省・小都市および都市部開発実証セクター
地方自治体における廃棄物発電 d
山西省・農業の統合的開発
陝西省・秦嶺山脈地帯の生態多様性の保全と実証
山西省・小都市および都市部開発実証セクター
小型水力発電開発 d
200.00
150.00
100.00
–
150.00
100.00
100.00
100.00
40.00
100.00
58.57
598.80
20.00
34.30
貴陽商業銀行
水投資パートナーシップ・ファシリティに
基づくマルチドナー信託基金(MDTF-WFPF)
0.25b
地球環境ファシリティ(GEF)
2.93b
240.31
0.25b
100.00b
0.20b
0.50b
4.27b
0.25b
120.00b
51.25
14.60
張北県・風力発電 e
国内銀行
中国銀行
MDTF-WFPF
ADB-B ローンに基づく民間金融機関
ジェンダーと開発協力基金(GDCF)
MDTF-WFPF
GEF
MDTF-WFPF
ADB-B ローンに基づく民間金融機関
国際金融公社(IFC)A ローン
中国クリーン開発メカニズム基金
13.91
13.91
111.29
56.20b
– = 該当データなし、CAREC = 中央アジア地域経済協力、DVA = 直接付加価値、OPEC = 石油輸出国機構、PRC = 中国。
a この表では技術協力プロジェクトを除外している。
b DVA 協調融資(すなわち、ADB と行政上もしくは協力的な合意を締結したプロジェクトに対する協調融資)。
c 元の融資は前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
d ノンソブリン民間セクター融資。
e ノンソブリン公共セクター融資。
f 融資および保証の組み合わせ。
ドイツ投資開発銀行(DEG)
仏経済協力振興投資公社(PROPARCO)
地元銀行
ADB-B ローンに基づく民間金融機関
統計付録
アフガニスタン
アジア開発銀行
50
続き
協調融資
公的機関
ADB 融資額
無償
融資
民間機関
協調融資財源
モンゴル
社会セクター支援プログラム
統計付録
太平洋
15.00
DVA 協調融資
非 DVA 協調融資
–
国際協力機構(JICA)
30.00b
60.00
13.96
13.96
–
40.00
0.00
0.00
–
世界銀行
0.00
0.00
0.00
ソロモン諸島
緊急支援(追加)c
–
–
15.00
道路改良(セクター)
(追加)
c
道路改良(第 2 期)
(セクター)
南アジア
155.50
DVA 協調融資
非 DVA 協調融資
欧州委員会(EC)
4.04b
2.08b
4.50b
3.34b
67.98
67.98
–
豪州国際開発庁(AusAID)
豪州
EC
38.50
37.00
1.50
0.00
0.00
0.00
バングラデシュ
災害被害に対する緊急復興支援(セクター)
(追加)c
–
10.00
55.00
–
–
24.00b
エネルギー普及・効率向上
65.00
4.20b
南アジア観光インフラ開発(ネパール)
25.50
パドマ多目的橋の設計(追加)c
参加型小規模水資源セクター
ポスト識字能力−学業継続支援(追加)c
初等教育開発プログラム(第 2 期)
(追加)c
オランダ
世界銀行
1.50
22.00b
農業開発国際基金(IFAD)
スイス協力開発庁(SDC)
2.50b
30.00b
カナダ国際開発庁(CIDA)
ネパール
クリーンエネルギー投資パートナーシップ・
ファシリティに基づくマルチドナー・クリーン
エネルギー基金
OPEC 国際開発基金(OFID)
15.00b
スリランカ
北東部・コミュニティ復興と開発(第 II 期)
(追加)c
東南アジア
豪州国際開発庁(AusAID)
7.28b
1,880.06
DVA 協調融資
非 DVA 協調融資
58.64
58.64
0.00
4,880.97
380.97
4,500.00
220.00
120.00
100.00
カンボジア
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア北西部地方
道路改良
16.26
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア国内鉄道
修復(追加)c
42.00
21.50b
トンレサップにおける貧困削減と小農地所有者
の開発
30.70
5.75b
6.69b
25.58b
韓国輸出入銀行(KEXIM)
豪州国際開発庁(AusAID)
フィンランド
6.69b
– = 該当データなし、CAREC = 中央アジア地域経済協力、DVA = 直接付加価値、OPEC = 石油輸出国機構、PRC = 中国。
a この表では技術協力プロジェクトを除外している。
b DVA 協調融資(すなわち、ADB と行政上もしくは協力的な合意を締結したプロジェクトに対する協調融資)。
c 元の融資は前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
d ノンソブリン民間セクター融資。
e ノンソブリン公的セクター融資。
f 融資および保証の組み合わせ。
農業開発国際基金(IFAD)
年次報告 2009
51
協調融資
公的機関
ADB 融資額
無償
融資
民間機関
協調融資財源
インドネシア
公共支出支援ファシリティプログラム
1,000.00
豪州
1,000.00
1,500.00f
2,000.00
国際協力銀行(JBIC)
世界銀行
小都市の給水・衛生セクター
23.00
自然資源の持続可能な管理と生産性向上
20.00
ジェンダーと開発協力基金(GDCF)
0.50b
5.30b
15.00b
豪州国際開発庁(AusAID)
農業開発国際基金(IFAD)
フィリピン
助産師の起業支援・金融リテラシー向上
開発政策支援プログラム(サブプログラム 2)
c
地方政府の財政・予算改革プログラム
(サブプログラム 2)
50.00
250.00
フィリピン・エネルギー効率化
225.00
31.10
ヴィサヤ地方・ベースロード発電開発 d
120.00
ジェンダーと開発協力基金(GDCF)
0.40b
100.00b
国際協力機構(JICA)
216.00b
仏開発庁(AFD)
クリーンエネルギー投資パートナーシップ・
ファシリティに基づくアジア・クリーン
エネルギー基金(日本)
1.50b
100.00
120.00b
民間銀行
韓国輸出入銀行(KEXIM)
ベトナム
タンホア市・包括的社会経済開発
韓国輸出入銀行(KEXIM)
32.70b
72.00
1.20b
0.80b
合計
DVA 協調融資
非 DVA 協調融資
3,587.73
154.12
154.12
–
MDTF-WFPF
水投資パートナーシップ・ファシリティに
基づくオランダ基金
7,555.32
2,767.97
4,787.35
1,494.42
396.20
1,098.22
– = 該当データなし、CAREC = 中央アジア地域経済協力、DVA = 直接付加価値、OPEC = 石油輸出国機構、PRC = 中国。
a この表では技術協力プロジェクトを除外している。
b DVA 協調融資(すなわち、ADB と行政上もしくは協力的な合意を締結したプロジェクトに対する協調融資)。
c 元の融資は前年以前に承認され、協調融資が今年実現した。
d ノンソブリン民間セクター融資。
e ノンソブリン公的セクター融資。
f 融資および保証の組み合わせ。
統計付録
ラオス
アジア開発銀行
52
統計付録 8
2008 年および 2009 年中の融資実行
(単位:千ドル)
2008
ADF 合計に
占める割合(%)
合計
実行合計に
占める割合(%)
1,170,673
57
3,427,555
40
–
–
127,860
2
37
1,170,673
57
3,555,415
42
42
713,296
35
3,447,273
40
759,288
12
158,665
8
917,953
11
594,382
9
–
–
594,382
7
6,472,389
100
2,042,634
100
8,515,023
100
OCR 合計に
OCR
占める割合(%)
ADF
2,256,882
35
127,860
2
2,384,742
2,733,977
セクター c
民間セクター d
プロジェクト a
非開発金融機関
開発金融機関
プロジェクト融資合計
統計付録
プログラム b
合計
e
2009
OCR 合計
ADF 合計
実行合計
に占める
割合(%)
2008 年から 09 年の増減(%)
OCR
に占める
割合(%)
ADF
に占める
割合(%)
2,603,634
33
1,089,843
50
3,693,477
37
15
(7)
213,943
3
23,774
1
237,717
2
67
NA
86
2,817,577
36
1,113,617
51
3,931,194
39
18
(5)
11
3,863,510
49
897,481
41
4,760,991
47
41
26
38
セクター c
767,694
10
189,679
9
957,373
9
1
20
民間セクター d
448,947
6
–
–
448,947
4
7,897,728
100
2,200,777
100
10,098,505
100
合計
OCR
ADF
合計
プロジェクト a
非開発金融機関
開発金融機関
プロジェクト融資合計
プログラム
b
合計 e
(24)
22
NA
8
8
4
(24)
19
( )= マイナス、NA = 該当なし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本資源。
– = 該当データなし、
a プロジェクト融資は、特定のプロジェクトに対して供与される。ADB は、民間セクターにおける中小規模プロジェクトに融資するための仲介機関として、開発途上加盟国(DMC)
所在の開発金融機関を活用している。
b プログラム融資は、DMC によるセクター開発の政策環境、制度環境および投資環境の改善を支援するために供与される。これは、政策調整に必要な短期的費用の手当に貢献す
る。2009 年の数字には、4 つの景気循環相殺政策支援ファシリティ(CSF)の下で実行された融資 20 億ドルを含む。
c セクター融資は、特定のセクターまたはサブセクターの開発を目的として供与される。単一のセクターまたはサブセクターにおける多数のサブプロジェクトに資金を提供する。
d 公共セクター向けのノンソブリン融資を含み、出資を除く。
統計付録 9a
2009 年中のプログラム融資実行額
(単位:百万ドル)
OCR
ADF
合計
ベトナム
–
–
560.00
–
–
87.00
500.00
500.00
–
–
–
–
441.51
1,275.00
500.00
24.11
81.40
89.29
11.96
79.84
–
–
–
8.72
5.70
40.73
15.90
347.57
–
192.25
24.11
81.40
649.29
11.96
79.84
87.00
500.00
500.00
8.72
5.70
40.73
15.90
789.08
1,275.00
692.25
合計 a
3,863.51
897.48
4,760.99
アフガニスタン
アルメニア
バングラデシュ
カンボジア
グルジア
インド
インドネシア
カザフスタン
キルギス
ラオス
モンゴル
ネパール
パキスタン
フィリピン
– = 該当データなし、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本資源。
a 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。4 つの景気循環相殺政策支援ファシリティ(CSF)の下で実行された融資 20 億ドルを含む。
年次報告 2009
53
統計付録 9b
プログラム融資・ADF グラントの推移(1999 ∼ 2009 年)
プログラム融資・ADF グラント
年
百万ドル
プロジェクト融資・ADF グラント a
%
百万ドル
合計
%
百万ドル
1999
1,694.0
34
3,239.6
66
4,933.6
2000
1,102.0
20
4,480.6
80
5,582.6
2001
1,583.0
30
3,755.7
70
5,338.7
2002
1,702.2
30
3,955.7
70
5,657.9
2003
1,139.5
19
4,945.3
81
6,084.8
2004
1,121.4
22
3,917.6
78
5,039.0
1,143.5
19
4,863.7
81
6,007.2
3,204.6
43
4,331.6
57
7,536.2
2007
2,521.0
25
7,513.9
75
10,034.9
2008
2,631.1
24
8,200.2
76
10,831.3
2009
6,098.9
43
8,042.6
57
14,141.5
ADF = アジア開発基金。
a REG に基づくローン 4,500 万ドルを含む:貿易金融促進プログラムは 2003 年に承認された。
統計付録 10
2009 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費 a(国別)
(単位:百万ドル)
融資
出資
ADB 投融資
総額
補完融資
(B ローン)
部分信用
保証
政治リスク
保証
TFFP
ADB の
承認総額
総事業費 /
資金規模
中国
地方自治体における廃棄物発電
小型水力発電開発
張北県・風力発電
100.00
58.57
34.30
–
25.00
–
100.00
83.57
34.30
100.00
120.00
56.20
–
–
–
–
–
–
–
–
–
200.00
203.57
90.50
650.00
585.72
137.10
–
40.00
40.00
–
–
–
–
40.00
639.40
100.00
–
100.00
–
–
–
–
100.00
100.00
–
40.00
40.00
–
–
–
–
40.00
200.00
25.00
–
25.00
–
–
–
–
25.00
85.30
120.00
–
120.00
–
–
–
–
120.00
486.00
5.00
–
5.00
–
71.75
–
–
76.75
172.40
–
15.00
15.00
–
–
–
–
15.00
100.00
–
–
100.00
–
100.00
–
–
–
–
–
–
–
–
850.00
100.00
850.00
500.00
850.00
442.87
220.00
662.87
276.20
71.75
–
850.00
1,860.82
4,505.92
インド
再生可能エネルギー開発に向けた官民
パートナーシップ(PPP)
中小企業における貿易金融の開発
ファシリティ
インドネシア
インドネシア・インフラ融資
ファシリティ企業
パプアニューギニア
Digicel 社携帯電話網拡張
フィリピン
ヴィサヤ地方・ベースロード発電開発
タイ
バイオマス発電
地域
メコン・ブラマプトラ・クリーン
ファンド、L.P.
イスラミック・インフラストラク
チャー・ファンド、L.P.
貿易金融促進プログラム(TFFP)b
合計
– = 該当データなし、DMC = 開発途上加盟国。
a ADB の民間部門業務局と各地域局が処理したプロジェクトを含む。
b 規模と金額が大幅に変わったことにより、2009 年の総額に対する上限は 10 億ドルとなった。
統計付録
2005
2006
アジア開発銀行
54
統計付録 11
2009 年中のノンソブリン投融資の承認と総事業費(セクター別)a
(単位:百万ドル)
セクター
融資
出資
部分信用
保証
ADB 投融資
総額
補完融資
(B ローン)
176.20
71.75
政治リスク
保証
DMC との
スワップ
ADB の
承認総額
総事業費
–
–
545.82
2,120.62
エネルギー
217.87
80.00
297.87
金融 b
100.00
140.00
240.00
–
–
–
850.00
1,090.00
1,650.00
上水道、都市インフラ
100.00
–
100.00
100.00
–
–
–
200.00
650.00
運輸および情報通信技術
合計
25.00
–
25.00
–
–
–
–
25.00
85.30
442.87
220.00
662.87
276.20
71.75
–
850.00
1,860.82
4,505.92
統計付録
– = 該当データなし、DMC = 開発途上加盟国。
a ADB の民間部門業務局と各地域局が処理したプロジェクトを含む。
b 貿易金融促進プログラム(TFFP)における規模と金額の大幅な変更を含む。
統計付録 12
ノンソブリン投融資の承認(年度別)
(1983 ∼ 2009 年)a,b
(単位:百万ドル)
年
プロジェクト
件数
融資
–
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2
1
3
4
7
12
16
17
10
4
8
10
7
7
6
6
3
9
6
6
7
14
13
18
21
13
12
–
6.46
20.50
58.00
95.70
78.85
156.80
50.00
182.10
–
68.00
98.50
45.00
136.12
101.50
152.00
37.50
110.00
167.00d
92.50
513.02
450.00
650.27
1,521.58
442.87
合計
232f
5,234.27
–
出資 c
ADB 投融資
総額
2.96
0.42
3.40
6.01
27.61
35.67
67.59
35.94
20.52
5.42
20.70
48.70
99.41
80.15
49.50
39.44
7.40
77.65
30.36
25.53
35.65
164.37
176.50
230.50
79.75
123.08
220.00
2.96
0.42
3.40
12.47
48.11
93.67
163.29
114.79
177.32
55.42
202.80
48.70
167.41
178.65
94.50
175.56
108.90
229.65
67.86
135.53
202.65
256.87
689.52
680.50
730.02
1,644.66
662.87
1,714.23
6,948.51
補完融資
(B ローン)
部分信用
保証
政治リスク
保証
TFFP
ADB の
承認総額
総事業費
36.00
2.80
26.50
20.32
519.24
502.32
1,038.66
2,026.13
1,325.18
402.29
1,505.70
919.20
1,050.32
1,788.77
1,239.69
1,152.70
847.70
1,629.84
648.00
1,136.60
2,300.00
2,227.70
8,676.42
7,678.34
3,494.54
9,992.49
4,505.92
56,693.37
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
5.00
–
51.10
24.00
–
81.50
19.30
–
5.83
91.50
–
151.08
61.50
45.00
–
–
170.00
–
–
330.00
200.00
425.00
276.20
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
50.00
65.00
–
–
–
–
170.00e
–
18.40
109.80
251.00
–
71.75
–
–
–
–
–
–
122.00
–
60.00
–
10.00
50.00
15.00
–
–
–
–
–
850.00
2.96
0.42
3.40
12.47
53.11
93.67
214.39
138.79
177.32
136.92
222.10
48.70
173.24
270.15
144.50
391.64
170.40
396.65
67.86
195.53
542.65
266.87
757.92
1,135.30
1,181.02
2,069.66
1,860.82
1,937.01
735.95
257.00
850.00
10,728.46
= 該当データなし、TFFP = 貿易金融促進プログラム。
a ADB 民間部門業務局および地域局が行ったソブリン案件を含む。各地域局はノンソブリン業務を 2007 年に開始。
b 発効前に全額キャンセルされたファシリティを除く。
c 出資、出資枠および株式引受を含む。
d REG に基づくローン 4,500 万ドルを含む:貿易金融促進プログラム。
e REG に基づく保証 1 億 500 万ドルを含む:貿易金融促進プログラム。
f 追加承認はプロジェクト累計件数に含まれない。
–
–
–
–
–
–
–
年次報告 2009
55
統計付録 13
ノンソブリン投融資の承認(国別)
(1983 ∼ 2009 年)a,b
(単位:百万ドル)
国
プロジェクト
件数 c
融資
出資 d
ADB 投融資
総額
補完融資
(B ローン)
部分信用
保証
政治リスク
保証
TFFP
ADB の
承認総額
総事業費
アフガニスタン
6
135.00
8.10
143.10
30.00
–
25.00
–
198.10
アゼルバイジャン
4
66.00
–
66.00
–
–
–
–
66.00
66.00
バングラデシュ
8
137.20
14.98
152.18
20.00
–
70.00
–
242.18
890.36
ブータン
1
–
0.53
0.53
–
–
–
–
0.53
0.79
カンボジア
1
8.00
–
8.00
–
–
–
–
8.00
32.00
24
764.17
394.30
1,158.47
922.70
107.00
–
–
2,188.17
7,892.10
1
25.00
–
25.00
–
–
–
–
25.00
125.00
–
–
中国
インド
35
1,621.97
277.30
1,899.27
230.00
–
2,129.27
15,208.70
インドネシア
15
557.00
63.85
620.85
288.50
9.80
–
–
919.15
7,672.02
カザフスタン
4
175.00
–
175.00
–
200.00
–
–
375.00
925.00
韓国
3
–
8.96
8.96
–
–
–
–
8.96
288.00
ラオス
1
50.00
–
50.00
–
–
50.00
–
100.00
1,450.00
マレーシア
2
10.00
2.00
12.00
–
–
–
–
12.00
29.24
モルジブ
2
12.00
4.50
16.50
–
–
–
–
16.50
37.50
モンゴル
2
14.50
1.60
16.10
–
–
–
–
16.10
50.00
ネパール
4
49.55
3.26
52.81
5.83
–
–
–
58.64
218.03
24
429.10
53.38
482.48
129.90
109.00
–
–
721.38
2,997.01
1
25.00
–
25.00
–
–
–
–
25.00
85.30
26
595.32
40.85
636.17
113.58
18.40
–
–
768.15
4,284.72
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
1
–
0.40
0.40
–
–
–
–
0.40
1.60
スリランカ
12
99.50
13.58
113.08
–
115.00
52.00
–
280.08
543.48
タイ
10
76.46
77.07
153.53
170.00
71.75
–
–
395.28
3,239.95
7
193.50
–
193.50
26.50
–
60.00
–
280.00
1,495.00
地域
38
190.00e
749.57
939.57
–
105.00f
–
850.00
1,894.57
8,510.87
合計
232
5,234.27
1,714.23
6,948.49
1,937.01
735.95
257.00
850.00
10,728.46
56,693.37
ベトナム
– = 該当データなし、TFFP = 貿易金融促進プログラム。
a ADB 民間部門業務局および地域局が行ったノンソブリン案件を含む。地域局はノンソブリン業務を 2007 年に開始。
b 発効前に全額キャンセルされたファシリティを除く。
c 追加プロジェクトを除くなど、プロジェクト件数は調整済み。
d 出資、出資枠および株式引受を含む。
e REG に基づくローン 4,500 万ドルを含む:貿易金融促進プログラムは 2003 年に承認された。
f REG に基づく保証 1 億 500 万ドルを含む:貿易金融促進プログラムは 2003 年に承認された。
統計付録
グルジア
650.70
56
アジア開発銀行
統計付録 14
承認済みおよび管理中の融資およびプロジェクト、回覧済みプロジェクト完了報告書(PCRs)、完了済みプロジェクト、
完結済み融資並びに回覧済みプロジェクト・プログラム実績評価報告書(PPERs)の件数
(2009 年 12 月 31 日現在)
承認済み
融資累計件数 a
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
統計付録
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域 e
合計
発効済み
融資累計件数
承認済み
プロジェクト
累計件数 b
混合融資
プロジェクト
累計件数 c
追加融資
累計件数
協調融資
プロジェクト
累計件数 d
23
6
14
202
25
50
169
16
19
7
5
144
303
18
6
81
28
68
77
21
12
8
42
32
1
120
288
68
209
33
14
16
148
12
23
86
–
15
–
3
30
9
106
7
22
5
14
198
25
50
165
15
19
7
5
142
300
17
6
81
27
68
77
20
12
8
43
32
1
120
284
68
208
32
14
16
146
12
22
85
–
14
–
3
28
9
103
6
21
4
10
173
22
38
164
15
17
6
5
110
266
12
6
80
22
60
75
20
11
6
36
28
1
106
213
51
176
28
14
15
124
12
17
82
–
15
–
2
25
8
89
21
1
–
3
16
2
2
–
1
–
–
–
4
25
2
–
–
–
1
1
–
1
1
–
2
–
3
48
13
18
–
–
–
13
–
3
2
–
–
–
–
4
–
4
1
1
1
–
5
–
2
–
–
2
–
–
3
2
–
–
–
–
3
1
–
–
–
1
2
–
9
5
2
4
4
–
–
7
–
–
2
–
–
–
1
–
1
1
–
4
–
–
27
1
12
31
–
1
–
–
13
26
3
–
–
3
9
–
2
–
–
3
6
–
22
39
8
38
3
–
3
26
–
6
8
–
1
–
–
4
–
18
1
2,564
2,529
2,206
171
59
318
– = 0。
a ノンソブリン融資を含み、解約された融資を除く。
b 複数の融資があるプロジェクトは 1 件と数える。追加融資、特別実施支援融資およびプログラム融資クラスターのサブプログラム融資は単独のプロジェクトとはみなされない。
c 複数国に対する融資が付いた地域プロジェクトは別途報告。
d これらは ADB のファイナンシング・パートナーシップ業務により動員された外部資金で、ADB が完全にまたは一部を管理する融資、信用補完およびグラント(無償援助)ならびに
協力協定またはセクターワイド・アプローチ協定に基づく協調融資を含む。
e 2003 年に承認された貿易金融促進プログラムに基づく 4,500 万ドルの融資を含む。
年次報告 2009
2009 年中に
管理中の
融資件数 a,f
管理中の
プロジェクト
件数 a,c,f
14
4
14
62
6
17
73
4
4
4
–
62
33
6
–
–
7
16
–
11
–
2
11
–
–
20
44
14
14
4
–
–
43
–
11
3
–
–
–
2
20
–
46
2
14
3
10
46
4
16
69
3
3
4
–
44
28
4
–
–
7
15
–
10
–
1
10
–
–
19
29
8
14
3
–
–
34
–
11
3
–
–
–
1
18
–
40
2
3
–
1
127
16
21
89
12
12
–
5
53
206
8
5
61
16
42
56
10
10
3
24
26
1
83
156
39
139
23
7
15
84
1
9
60
5
16
–
1
8
8
41
6
2
–
1
5
–
–
6
1
–
–
–
3
1
–
–
–
1
3
–
1
–
–
2
–
–
3
4
–
3
–
–
–
3
–
2
–
–
–
–
–
1
–
3
–
–
2
–
1
–
6
3
–
1
3
–
6
4
3
–
–
2
2
–
1
–
2
2
–
–
4
27
1
7
1
–
–
6
–
2
–
–
–
–
–
–
–
5
–
3
–
1
2
–
4
5
–
1
–
–
1
3
–
–
–
–
–
–
2
–
–
5
–
–
1
15
3
5
1
–
1
4
–
2
1
–
–
–
–
1
–
4
1
–
–
–
3
–
2
1
–
–
–
–
–
2
1
–
–
1
1
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
573
473
1,508
45
91
66
11
回覧済み
PCR 累計件数 h
完了した
プロジェクト
件数 c,g
2009 年中に
完結した
融資件数 i
2009 年中に
回覧された
PCR 件数 h
57
2009 年中に
回覧された
PPER 件数 c
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計
f 承認済みだが未発効のプロジェクト・融資、活動が止まっている融資および、融資完了済みだが管理中のノンソブリン融資を含み、他の財源から全額融資を受けたプロジェクト・
融資を除く。
g 2009 中に物理的に完了したプロジェクト。
h 複数国に対する融資が付いた地域プロジェクトは別途報告。各種の年次報告を含む。
i ソブリン融資の貸し出しを対象に含む。
統計付録
ブータン
58
アジア開発銀行
統計付録 15
承認済み融資、締結済み契約および融資実行の金額
(単位:百万ドル、2009 年 12 月 31 日現在)
承認済み融資累計 a
アフガニスタン
発効済み融資正味累計 b,c
2009 年中に
締結された契約 c,d,e
締結済み契約累計 c,d,e
地域 f
952.28
223.92
660.40
10,885.34
256.06
1,072.80
22,959.11
55.01
326.56
363.80
101.50
22,228.15
25,707.54
1,703.60
15.14
6,338.33
648.00
1,211.46
1,997.54
152.81
78.13
75.14
726.67
530.86
5.00
2,473.73
20,245.84
1,271.99
11,828.93
159.37
181.08
79.31
4,685.53
100.39
372.54
5,470.17
57.79
7.82
1,290.90
51.25
8,194.97
191.50
922.78
166.89
570.55
9,799.24
254.53
1,003.76
19,594.25
43.68
234.65
362.19
94.50
18,205.90
20,077.87
1,482.69
13.70
5,560.33
619.64
1,216.72
1,413.98
113.30
64.15
66.12
715.10
411.83
2.30
2,049.60
18,131.70
1,013.94
9,960.65
152.14
144.44
65.82
4,266.23
91.14
369.37
4,207.65
52.26
8.15
1,067.17
48.99
6,960.72
185.51
37.09
117.21
148.99
1,200.13
75.64
30.80
1,112.51
1.58
16.98
111.13
–
1,707.50
722.36
700.87
–
–
5.33
24.13
–
6.93
–
0.79
53.17
–
–
94.03
1,180.55
23.58
1,305.03
5.10
–
–
147.82
–
40.53
–
–
0.13
137.43
–
1,776.48
0.05
645.57
138.55
235.30
7,985.22
212.06
898.76
15,158.38
31.85
210.53
180.98
94.50
15,019.01
17,791.42
1,149.28
14.49
5,572.55
559.82
1,130.30
1,422.40
85.68
65.12
48.90
629.47
418.77
2.30
1,809.70
15,411.66
751.48
8,956.77
125.49
130.22
65.39
3,717.09
90.28
336.71
4,158.08
58.18
7.99
676.62
47.91
4,477.24
1.35
合計 g
155,938.23
131,786.16
10,783.85
110,523.39
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
統計付録
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
( )= マイナス。
– = ゼロまたは該当データなし、
a データにはノンソブリン融資を含み、解約された融資を除く。米ドルへの換算は、融資承認時に ADB で使用されていた為替レートを適用。
b 正味金額とは、発効済み融資金額から取消分を差し引いた金額を指す。
c 米ドルへの換算は、2009 年 12 月 31 日に ADB で使用されていた為替レートを適用。
d データはノンソブリン融資を除く。
e 金融機関仲介融資に関する契約締結額はサブローンの実行額に基づく。
f 2003 年に承認された貿易金融促進プログラムに基づく 4,500 万ドルの融資を含む。
年次報告 2009
発効済み融資正味累計に
占める締結済み契約累計の
割合(%)
83.87
2009 年中の融資実行
100.92
119.13
58.55
1,068.03
31.01
61.12
1,468.23
(0.31)
5.27
111.39
–
1,551.74
739.93
542.52
–
–
24.01
36.99
–
9.35
–
0.80
58.67
–
–
73.49
1,099.61
35.43
1,317.46
6.33
–
–
253.05
–
67.10
–
–
0.43
125.89
–
1,118.36
14.02
10,098.50
融資実行累計
発効済み融資正味累計に
占める融資実行累計の
割合(%)
660.42
127.16
146.43
7,924.08
147.60
850.46
14,905.77
27.61
197.80
206.25
94.50
13,557.16
19,140.92
1,161.56
13.70
5,560.32
576.16
1,171.32
1,413.98
80.83
64.15
47.15
638.14
411.83
2.30
1,777.19
15,334.17
746.01
9,706.94
114.62
144.44
65.82
3,414.76
91.14
290.20
4,207.65
52.26
7.59
659.89
48.99
3,752.02
176.86
71.57
76.20
25.66
80.86
57.99
84.73
76.07
63.20
84.29
56.94
100.00
74.47
95.33
78.34
100.00
100.00
92.98
96.27
100.00
71.34
100.00
71.31
89.24
100.00
100.00
86.71
84.57
73.58
97.45
75.34
100.00
100.00
80.04
100.00
78.57
100.00
100.00
93.06
61.84
100.00
53.90
95.33
109,718.14
83.25
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
トンガ
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計
g 契約なしで実行された融資(建設中の利子、臨時費用、および調達を要しないノンソブリン融資等)があるため、融資実行累計が締結済み契約累計を上回る場合がある。
h 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
統計付録
69.96
83.02
41.24
81.49
83.31
89.54
77.36
72.91
89.72
49.97
100.00
82.50
88.61
77.51
105.74
100.22
90.35
92.90
100.60
75.63
101.51
73.97
88.03
101.68
100.00
88.30
85.00
74.12
89.92
82.48
90.15
99.35
87.13
99.06
91.16
98.82
111.32
97.94
63.40
97.80
64.32
0.73
h
59
60
アジア開発銀行
統計付録 16
技術協力承認(国および地域活動別)a,b(1967 ∼ 2009 年、2008 年、2009 年)
(単位:千ドル)
1967 – 2009
件数
金額
2008
%
件数
TASF 財源
JSF 財源
RCIF 財源
CCF 財源
統計付録
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
62
7
23
348
67,072.70
3,875.00
13,122.00
195,151.17
1.76
0.10
0.34
5.12
3
1
2
8
1,155.00
1,000.00
1,150.00
2,925.00
1,800.00
–
–
990.00
–
–
–
–
ブータン
ブルネイ
カンボジア
中国
108
1
158
597
44,443.15
600.00
107,259.60
334,947.11
1.17
0.02
2.82
8.79
3
1
8
31
950.00
–
3,221.00
15,900.00
650.00
–
1,800.00
–
888.00
–
–
–
1,400.00
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
30
80
3
10,595.00
27,349.80
2,100.00
0.28
0.72
0.06
2
2
1
350.00
125.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
272
504
60
37
199,364.86
282,909.17
27,002.00
13,690.70
5.23
7.43
0.71
0.36
25
8
1
1
14,165.00
3,950.00
300.00
–
9,800.00
1,300.00
–
800.00
–
–
–
–
韓国
キルギス
ラオス
33
74
240
5,010.15
42,201.40
122,632.08
0.13
1.11
3.22
–
3
9
–
1,250.00
3,545.00
–
–
93
57
47
25,352.30
22,525.00
18,982.00
0.67
0.59
0.50
–
–
–
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
42
144
38
24,428.00
76,570.65
10,716.00
0.64
2.01
0.28
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
7
286
328
5
1,946.81
137,887.70
189,781.13
3,300.00
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
142
344
87
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
–
–
–
その他の財源
–
–
–
–
合計
%
2,955.00
1,000.00
1,150.00
4,515.00
1.08
0.37
0.42
1.65
2,488.00
600.00
5,021.00
19,450.00
0.91
0.22
1.84
7.12
–
–
–
350.00
125.00
600.00
0.13
0.05
0.22
–
–
–
–
3,450.00
7,700.00
–
–
27,415.00
12,950.00
300.00
800.00
10.03
4.74
0.11
0.29
–
–
–
–
–
600.00
–
–
–
977.00
–
1,250.00
5,122.00
–
0.46
1.87
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1
6
–
–
1,300.00
–
750.00
3,200.00
–
–
–
–
–
–
–
–
1,000.00
–
750.00
5,500.00
–
0.27
2.01
–
0.05
3.62
4.98
0.09
1
10
9
1
225.00
2,600.00
5,402.00
–
–
1,300.00
1,600.00
400.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
646.00
80.00
–
225.00
4,546.00
7,082.00
400.00
0.08
1.66
2.59
0.15
58,176.12
164,785.25
28,681.50
1.53
4.33
0.75
4
11
1
225.00
3,850.00
–
2,800.00
3,160.00
1,200.00
–
–
–
–
–
–
–
2,400.00
–
3,025.00
9,410.00
1,200.00
1.11
3.44
0.44
2
60
238
577.42
18,895.24
104,798.10
0.02
0.50
2.75
–
1
6
–
1,000.00
1,550.00
–
–
300.00
–
–
–
–
–
–
–
600.00
50.00
–
1,600.00
1,900.00
–
0.59
0.70
1
60
162
100.00
34,611.06
61,619.60
0.003
0.91
1.62
–
2
4
–
240.00
1,270.00
–
–
–
–
650.00
–
–
–
–
–
–
–
890.00
2,770.00
–
0.33
1.01
31
57
4
20
29,110.90
17,051.50
715.00
5,914.75
0.76
0.45
0.02
0.16
2
1
–
2
–
–
–
800.00
1,300.00
700.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
1,300.00
700.00
–
1,127.75
0.48
0.26
–
0.41
74
57
245
40,830.00
18,214.76
188,444.16
1.07
0.48
4.95
3
–
22
350.00
–
6,465.00
1,200.00
–
5,600.00
–
–
–
–
–
–
14,790.00
1,550.00
–
26,855.00
0.57
–
9.83
地域
DMC 小計
5,268
1,595
2,783,340.84
1,025,925.57
73.07
26.93
196
102
75,863.00
42,641.97
41,250.00
13,700.00
1,538.00
8,920.00
2,000.00
3,000.00
36,270.75
48,017.63
156,921.75
116,279.60
57.44
42.56
合計
6,863
3,809,266.40 100.00 298
118,504.97
54,950.00
10,458.00
5,000.00
84,288.38
273,201.35 100.00
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
600.00
–
–
–
–
600.00c
–
2,150.00
1,500.00
–
–
–
327.75
–
–
– = ゼロまたは該当データなし、CCF = 気候変動基金、DMC = 開発途上加盟国、JSF = 日本特別基金、RCIF = 地域協力・統合基金、TASF = 技術協力特別基金。
a ADB の融資データに含まれる融資を財源とする技術協力は除く。
b データは各国政府によりキャンセルされた技術協力プロジェクトを除外するよう調整されている。
c 払戻し可能な技術協力。
年次報告 2009
61
2009
件数
TASF 財源
JSF 財源
RCIF 財源
CCF 財源
その他の財源
合計
%
1,425.00
1,175.00
1,000.00
6,050.00
–
–
–
5,680.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
500.00
–
265.00
1,425.00
1,675.00
1,000.00
11,995.00
0.53
0.63
0.37
4.49
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
3
–
8
38
400.00
–
1,925.00
17,010.00
1,600.00
–
750.00
–
–
–
600.00
–
–
–
–
2,400.00
–
–
4,600.00
5,215.46
2,000.00
–
7,875.00
24,625.46
0.75
–
2.95
9.22
ブータン
ブルネイ
カンボジア
中国
1
–
2
–
–
1,380.00
600.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
600.00
–
1,380.00
0.22
–
0.52
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
22
7
2
1
6,855.00
1,600.00
825.00
350.00
5,900.00
4,200.00
–
–
–
–
–
–
750.00
–
–
–
6,025.00
500.00
–
500.00
19,530.00
6,300.00
825.00
850.00
7.31
2.36
0.31
0.32
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
–
3
7
–
550.00
225.00
–
–
3,000.00
–
–
–
–
–
–
–
700.00
1,300.00
–
1,250.00
4,525.00
–
0.47
1.69
韓国
キルギス
ラオス
–
1
1
–
3,000.00
225.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
3,000.00
225.00
–
1.12
0.08
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
–
10
–
–
3,700.00
–
–
2,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
1,500.00
–
–
7,200.00
–
–
2.70
–
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
–
9
4
2
–
2,475.00
2,250.00
500.00
–
1,970.00
–
700.00
–
–
–
–
–
1,030.00
–
–
–
273.00
400.00
–
–
5,748.00
2,650.00
1,200.00
–
2.15
0.99
0.45
ナウル
ネパール
パキスタン
パラオ
5
11
2
1,125.00
3,750.00
1,100.00
2,400.00
1,930.00
–
–
–
–
–
–
–
–
841.00
500.00
3,525.00
6,521.00
1,600.00
1.32
2.44
0.60
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
–
1
9
–
400.00
3,950.00
–
–
2,800.00
–
–
–
–
–
700.00
–
250.00
950.00
–
650.00
8,400.00
–
0.24
3.14
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
–
2
3
–
725.00
–
–
–
1,000.00
–
–
–
–
–
–
–
–
320.00
–
725.00
1,320.00
–
0.27
0.49
台湾
タジキスタン
タイ
1
2
–
–
560.00
500.00
–
–
–
500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
560.00
1,000.00
–
–
0.21
0.37
–
–
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
3
2
14
2,900.00
1,100.00
7,440.00
–
–
–
–
–
–
–
–
2,100.00
850.00
750.00
1,099.70
3,750.00
1,850.00
10,639.70
1.40
0.69
3.98
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
198
115
76,470.00
60,509.00
35,030.00
6,600.00
600.00
11,500.00
6,980.00
5,315.00
27,339.16
36,806.96
146,419.16
120,730.96
54.81
45.19
DMC 小計
313
136,979.00
41,630.00
12,100.00
12,295.00
64,146.11
267,150.11
100.00
合計
地域
統計付録
2
2
1
17
62
アジア開発銀行
統計付録 17
2009 年中の技術協力の承認(国別)
(単位:千ドル)
TA の
種類
セクター
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
アフガニスタン
鉄道整備調査
PA
TAI
1,200.00
–
–
–
–
1,200.00
カブール配電網復興
PP
ENE
225.00
–
–
–
–
225.00
1,425.00
–
–
–
–
1,425.00
–
1,100.00
小計
統計付録
アルメニア
エレバン持続可能な都市交通
PP
TAI
1,100.00
–
–
–
ビジネス環境向上に向けた制度近代化
CD
PSM
75.00
–
–
–
500.00 EAKPF
1,175.00
–
–
–
500.00
1,675.00
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
小計
575.00
アゼルバイジャン
電力供給開発投資プログラム
PP
ENE
小計
バングラデシュ
二期作の農作物の多様化
PP
ANR
–
500.00
–
–
–
500.00
都市地域開発
PP
WMS
–
1,400.00
–
–
–
1,400.00
電力システムの効率化
PP
ENE
–
1,200.00
–
–
–
1,200.00
主要灌漑システムの管理に対する革新的
アプローチの開発
CD
ANR
750.00
–
–
–
–
750.00
気候変動に対するバングラデシュの
戦略と行動計画の実施支援
(サブプロジェクト 1)
CD
ENE
–
680.00
–
–
–
680.00
都市部の公衆衛生・環境衛生の能力強化
CD
WMS
500.00
–
–
–
–
500.00
財務省におけるマクロ経済および財政に
対する監視の強化
CD
PSM
225.00
–
–
–
–
225.00
地方における持続可能なインフラ整備
PP
ANR
–
500.00
–
–
–
500.00
優先道路
PP
TAI
800.00
–
–
–
–
800.00
クルナ州・給水設備
PP
WMS
800.00
–
–
–
–
800.00
計画委員会と調整担当運輸セクター部局
の能力開発および支援
CD
TAI
500.00
–
–
–
–
500.00
港湾および物流の効率化
PP
TAI
800.00
–
–
–
–
800.00
大ダッカ圏:持続可能な都市交通回廊
PP
TAI
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
ガバナンス管理プログラム
PP
PSM
600.00
–
–
–
–
600.00
チッタゴン丘陵地帯の開発(第 II 期)
(CHTRDP II)
PP
ANR
–
900.00
–
–
中等教育における指導向上(第 II 期)
(TQI II)
PP
EDU
–
500.00
–
–
–
500.00
リモートセンシングを活用したチッタゴ
ン丘陵地帯の土地活用地図作成
CD
ANR
75.00
–
–
–
–
75.00
6,050.00
5,680.00
–
–
265.00
11,995.00
小計
265.00 MDTF-WFPF
1,165.00
– = ゼロまたは該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EAKPF = 韓国 e ーアジア・知識パートナーシップ基金、EDU = 教育、
ENE = エネルギー、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、PA = 政策および助言、PP = 事前準備調査、PSM
= 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
年次報告 2009
63
続き
TA の
種類
セクター
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
ブータン
PP
ENE
–
900.00
–
–
–
900.00
CD
TAI
400.00
–
–
–
–
400.00
気候変動に関する国家環境委員会の能力
開発
CD
MUL
–
700.00
–
–
–
700.00
400.00
1,600.00
–
–
–
2,000.00
–
–
600.00
–
–
600.00
150.00
–
–
–
小計
カンボジア
カンボジア国内鉄道修復(追加)
PA
TAI
国家経済政策分析および開発管理の能力
開発(フェーズ 3)
CD
PSM
500.00 PRC RPRF
フィンランド /
650.00
生産性向上に向けたトンレサップに
おける技術実証
CD
ANR
250.00
–
–
–
収益回復プログラムのための能力開発
CD
HSP
500.00
–
–
–
–
500.00
地方分権改革に向けた制度的な枠組みの
開発
–
–
–
–
800.00
3,200.00 EAKPF
PA
PSM
800.00
カンボジアにおける調和の取れたセク
ター査定、戦略、およびロードマップ
作成支援
PA
PSM
225.00
–
–
–
成果モニタリングと調達の見直し
CD
TAI
–
–
–
–
400.00 豪州
金融セクタープログラム II のサブプログ
ラム 4 実施
CD
FIN
–
750.00
–
–
500.00 ルクセンブルグ
1,925.00
750.00
600.00
–
小計
–
4,600.00
3,450.00
225.00
400.00
1,250.00
7,875.00
中国
湖南省・洪水管理の持続可能性強化
(追加)
CD
ANR
–
–
–
–
再生可能バイオマスエネルギー総合開発
(追加)
PP
ANR
–
–
–
–
210.00 GEF
210.00
シルクロード・エコシステム復興(追加)
PP
ANR
–
–
–
–
335.00 GEF
335.00
重慶市・都市・地方インフラ開発の実証
(追加)
PP
WMS
100.00
–
–
–
–
100.00
コーポレートガバナンス向上および
環境・社会的管理における制度面での
能力強化
CD
ENE
700.00
–
–
–
–
700.00
四川大地震復興のための能力開発支援の
提供
CD
MUL
700.00
–
–
–
–
700.00
干ばつ管理の戦略
PA
ANR
400.00
–
–
–
山東省・希少水源地のリスク緩和と強化
PP
ANR
500.00
–
–
–
–
二酸化炭素の回収と貯留実証−戦略分析
および能力の強化
CD
ENE
250.00
–
–
–
1,000.00 CCS
1,250.00
地方自治体における廃棄物発電
CD
WMS
–
–
–
653.00 CEF
653.00
山東省・エネルギー効率化および排出量
削減
PP
ENE
700.00
–
–
–
–
700.00
高度道路交通システム導入による道路
安全性の向上
PA
TAI
500.00
–
–
–
–
500.00
農業生産における政府公共支出の政策
分析
PA
ANR
500.00
–
–
500.00
–
1,000.00
農業インフラの総合開発
PP
ANR
800.00
–
–
–
–
800.00
-
60.00 NET-WFPF
230.00 MDTF-WFPF
60.00
630.00
500.00
– = ゼロまたは該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CCS = 炭素回収貯留基金、CD = 能力開発、CEF = クリーンエネルギー基金、
EAKPF = 韓国 e- アジア・知識パートナーシップ基金、ENE = エネルギー、FIN = 金融、GEF = 地球環境ファシリティ、HSP = 医療・社会保護、JSF = 日本特別基金、
MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、MUL = マルチセクター、NET-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティのための
オランダ基金、PA = 政策および助言、PP = 事前準備調査、PRC RPRF = 地域協力・貧困削減中国基金、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、
TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
統計付録
地方における再生可能エネルギー開発
道路局・能力開発
アジア開発銀行
64
続き
TA の
統計付録
種類
セクター
海河河口の汚染抑制およびエコシステム
回復
PP
MUL
700.00
–
–
–
–
700.00
政策改革のための能力開発ファシリティ III
PA
PSM
1,200.00
–
–
–
–
1,200.00
地方年金制度改革と開発
PA
FIN
500.00
–
–
–
–
500.00
地方金融制度改革と農業金融統計システ
ム開発
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
PA
FIN
500.00
–
–
–
–
500.00
新疆アルタイ地区・都市インフラ・環境
改善
PP
MUL
800.00
–
–
–
–
800.00
廃棄石炭の発電用リサイクル
PA
ENE
500.00
–
–
–
–
500.00
持続可能な都市化の知識普及および試験
的ワークショップのためのプラット
フォーム
CD
WMS
225.00
–
–
–
–
225.00
湖南省・湘江を利用した内陸水路
PP
MUL
1,135.00
–
–
–
–
1,135.00
甘粛省・天水市都市インフラ開発
PP
MUL
700.00
–
–
–
–
700.00
重慶市および貴州省開発戦略
PA
PSM
800.00
–
–
–
–
800.00
広西自治区・北部湾都市開発
PP
MUL
700.00
–
–
–
–
700.00
環境関連法規制の施行強化
PA
ANR
300.00
–
–
–
–
300.00
四川省・公共雇用サービスの平等な提供
の強化
PA
PSM
400.00
–
–
–
–
400.00
集光型太陽熱発電(CSP)の開発
CD
ENE
–
–
–
1,000.00
–
1,000.00
内モンゴル自治区・道路開発
PP
TAI
600.00
–
–
–
–
600.00
制度・能力開発
CD
TAI
600.00
–
–
–
–
土壌劣化対策における管理・政策支援
CD
ANR
200.00
–
–
–
2,727.46 GEF
社会扶助による貧困削減効果の強化
CD
HSP
350.00
–
–
–
–
350.00
西安市・都市道路網の向上
PP
TAI
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
雲南省・低炭素経済の開発
CD
ENE
–
–
–
400.00
–
400.00
内モンゴル自治区・エネルギー効率化
CD
ENE
–
–
–
500.00
–
500.00
マネー・ロンダリング防止とテロ資金
対策に向けた法整備強化
PA
FIN
200.00
–
–
–
–
200.00
燃料税改革後の道路建設・維持への融資
PA
TAI
225.00
–
–
–
–
225.00
全国環境評価
PA
ANR
225.00
–
–
–
–
225.00
17,010.00
–
–
2,400.00
5,215.46
24,625.46
–
600.00
–
–
–
600.00
–
600.00
–
–
–
600.00
小計
600.00
2,927.46
クック諸島
インフラ・サービス提供の向上
CD
MUL
小計
グルジア
アジャラ・バイパス道の開発(追加)
PP
TAI
280.00
–
–
–
–
280.00
グルジア・持続可能な都市交通
PP
TAI
1,100.00
–
–
–
–
1,100.00
1,380.00
–
–
–
–
1,380.00
小計
– = ゼロまたは該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、ENE = エネルギー、FIN = 金融、GEF = 地球環境ファシリティ、
HSP = 医療・社会保護、JSF = 日本特別基金、MUL = マルチセクター、PA = 政策および助言、PP = 事前準備調査、PRC = 中国、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、
TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
年次報告 2009
TA の
種類
セクター
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
65
合計
インド
チャッティスガール州・灌漑管理向上に
向けた水利組合のエンパワーメント
(追加)
CD
ANR
–
–
–
–
持続可能な海岸保全・管理(追加)
PP
ANR
200.00
–
–
–
–
プロジェクトにおける社会環境セーフ
ガード要件の実施強化
CD
HSP
225.00
–
–
–
–
225.00
地方道路セクター(III)
PP
TAI
130.00
1,000.00
–
–
–
1,130.00
バイオ燃料の分野横断的な生産・利用に
関する調査
PA
ENE
500.00
–
–
–
–
500.00
550.00 MDTF-WFPF
550.00
200.00
CD
TAI
–
1,500.00
–
–
–
1,500.00
カルナタカ州・国道網向上戦略
CD
TAI
–
1,500.00
–
–
–
1,500.00
コルカタ環境改善(フェーズ II)
PP
WMS
–
400.00
–
–
–
400.00
インド地方自治体の財政調査
PA
PSM
–
–
–
–
地方都市サービス提供における官民
パートナーシップ(PPP)強化への
イニシアチブ支援
CD
MUL
–
1,500.00
–
–
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善
−マディヤプラデシュ州道路
(第 III 期)
(サブプロジェクト 1)
PP
TAI
–
–
–
–
600.00 英国
600.00
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善
−ジャワハルラル・ネルー都市再生
計画支援(フェーズ II)
(サブプロジェクト 2)
CD
WMS
–
–
–
–
2,200.00 英国
2,200.00
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善
−持続可能な海岸保全・管理の能力開
発(サブプロジェクト 3)
CD
ANR
–
–
–
–
200.00 英国
200.00
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善
−ビハール州電力セクター事業体の
能力開発(サブプロジェクト 4)
CD
ENE
–
–
–
–
500.00 英国
500.00
中小企業における貿易金融の開発
ファシリティ
CD
FIN
1,550.00
–
–
–
–
1,550.00
アッサム州・電力セクター公共事業の
能力開発
CD
ENE
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
気候変動国家行動計画の支援
PA
MUL
–
–
–
750.00
–
750.00
カルナタカ州・水資源総合管理および
持続可能な水供給
CD
ANR
700.00
–
–
–
–
700.00
複数の州およびセクターにまたがる
プロジェクトの管理能力開発
CD
MUL
750.00
–
–
–
–
750.00
インド政府支援−官民パートナーシップ
(PPP)の主流化に向けた ADB
イニシアチブ
CD
MUL
800.00
–
–
–
–
800.00
北東部(アッサム州、メガラヤ州、
ミゾラム州、マニプル州、ナガランド
州)における道路改良に伴う社会・
健康問題への対応
CD
TAI
–
–
–
–
1,475.00 HIV
1,475.00
官民パートナーシップ(PPP)の主流化に
向けた枠組み開発支援
PA
PSM
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
6,855.00
5,900.00
–
750.00
6,025.00
19,530.00
小計
500.00 EAKPF
–
500.00
1,500.00
– = ゼロまたは該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EAKPF = 韓国 e- アジア・知識パートナーシップ基金、ENE = エネルギー、
FIN = 金融、HSP = 医療・社会保護、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、MUL = マルチセクター、
PA = 政策および助言、PP = 事前準備調査、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、
WMS = 上水道、都市インフラ。
統計付録
運輸プロジェクトにおける事前準備と
結果評価の向上に向けた能力開発
アジア開発銀行
66
続き
TA の
種類
セクター
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
インドネシア
土地の法行政的枠組み強化(追加)
PA
PSM
100.00
–
–
–
–
100.00
ジャワ∼バリ間 500kV 送電網交差
PP
ENE
–
1,000.00
–
–
–
1,000.00
インドネシア・経済早期警戒システム
強化
–
–
–
–
統計付録
CD
PSM
一部河川流域における洪水管理
(フェーズ II)
PP
ANR
–
1,000.00
–
–
–
1,000.00
インドネシア資本市場の強化
CD
FIN
1,500.00
–
–
–
–
1,500.00
地方政府の財政・ガバナンス改革の支援
(第 2 期)
PA
PSM
–
1,000.00
–
–
–
1,000.00
工業技術教育の開発
PP
EDU
–
1,200.00
–
–
–
1,200.00
1,600.00
4,200.00
–
–
500.00
6,300.00
小計
500.00 EAKPF
500.00
カザフスタン
プロジェクトにおけるデュー
デリジェンス査定能力開発
CD
TAI
225.00
–
–
–
–
225.00
アクタウ∼ベイネウ道路
PP
TAI
600.00
–
–
–
–
600.00
825.00
–
–
–
–
825.00
350.00
–
–
–
500.00 豪州
850.00
350.00
–
–
–
500.00
850.00
700.00 MDTF-WFPF
小計
キリバス
タラワの衛生向上
PP
WMS
小計
キルギス
イシク・クル・持続可能な開発
PP
WMS
100.00
–
–
–
キルギスの経済成長分析・影響評価
PA
MUL
225.00
–
–
–
–
225.00
送配電の計測
PP
ENE
225.00
–
–
–
–
225.00
550.00
–
–
–
700.00
1,250.00
小計
800.00
ラオス
水に関する国家戦略の更新(追加)
CD
ANR
–
–
–
–
小型・超小型水力発電開発
PP
ENE
–
–
–
–
自然資源の持続可能な管理と生産性向上
CD
ANR
–
700.00
–
–
–
700.00
技術・職業教育と研修の強化
PP
EDU
–
1,000.00
–
–
–
1,000.00
北部地方・インフラ開発
PP
ANR
–
800.00
–
–
–
800.00
保健セクターのプログラム・アプローチ
に向けた能力開発
CD
HSP
–
500.00
–
–
–
500.00
調和の取れたセクター査定、戦略、
およびロードマップ作成に向けた
支援
PA
MUL
225.00
–
–
–
–
225.00
225.00
3,000.00
–
–
1,300.00
4,525.00
小計
300.00 豪州
1,000.00 フィンランド
300.00
1,000.00
– = ゼロまたは該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、EAKPF = 韓国 e- アジア・知識パートナーシップ基金、EDU = 教育、
ENE = エネルギー、FIN = 金融、HIV = アジアおよび太平洋地区 HIV/AIDS 対策協力基金、HIV/AIDS = ヒト免疫不全ウイルス / 後天性免疫不全症候群、JSF = 日本特別基金、
kV = キロボルト、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、MUL = マルチセクター、PA = 政策および助言、PP = 事前準備調査、
PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
年次報告 2009
TA の
種類
セクター
CD
PSM
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
67
合計
モルジブ
経済運営に関する制度強化
小計
–
–
–
–
3,000.00
3,000.00
–
–
–
–
3,000.00
225.00
–
–
–
–
225.00
225.00
–
–
–
–
225.00
200.00
–
–
–
–
200.00
マーシャル諸島
経済危機への対応
PP
PSM
小計
モンゴル
官民パートナーシップ(PPP)の支援
PA
地理情報システムを活用した道路データ
ベース開発
CD
TAI
–
–
–
–
社会的セクターの戦略的能力開発
CD
MUL
700.00
–
–
–
–
700.00
保健セクター開発(第 4 期)
:セクターの
ガバナンス向上
PP
HSP
600.00
–
–
–
–
600.00
高等教育・職業教育の強化
PP
EDU
600.00
–
–
–
–
600.00
クリーン開発メカニズム(CDM)の能力
開発プログラム
CD
MUL
–
–
–
–
PSM
500.00 EAKPF
500.00 EAKPF
500.00
500.00
銀行セクターにおけるリスク管理
システムの政策・制度支援
PA
FIN
–
2,000.00
–
–
ウランバートルの空気浄化
PA
ENE
–
–
–
–
地域交通開発
PP
TAI
1,200.00
–
–
–
–
1,200.00
変換型モバイルバンキングサービス
PA
FIN
400.00
–
–
–
–
400.00
3,700.00
2,000.00
–
–
1,500.00
7,200.00
–
–
–
小計
–
500.00 ACEF
2,000.00
500.00
ネパール
カトマンズ渓谷における上下水道・都市
開発(追加)
PP
WMS
–
気候変動および環境の管理能力の強化
(追加)
CD
PSM
–
–
–
300.00
–
300.00
コミュニティにおける灌漑
PP
ANR
–
750.00
–
–
–
750.00
273.00 PPIAF
273.00
高山地帯におけるアグリビジネスと生計
の改善(HIMALI)
PP
ANR
–
620.00
–
730.00
–
1,350.00
穀物の多様化・商業化
PP
ANR
400.00
–
–
–
–
400.00
地方のガバナンスおよびコミュニティ
開発プログラムの支援
CD
PSM
550.00
–
–
–
–
550.00
市町村の制度面の強化
CD
WMS
900.00
–
–
–
–
900.00
国家計画委員会の制度面の強化
CD
PSM
625.00
–
–
–
–
625.00
道路接続
PP
TAI
–
600.00
–
–
–
600.00
2,475.00
1,970.00
–
1,030.00
273.00
5,748.00
小計
– = ゼロまたは該当データなし、ACEF = アジア・クリーンエネルギー基金、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、CEF = クリーンエネルギー基金、
EAKPF = 韓国 e- アジア・知識パートナーシップ基金、EDU = 教育、ENE = エネルギー、FIN = 金融、HSP = 医療・社会保護、JSF = 日本特別基金、MUL = マルチセクター、
PA = 政策および助言、PP = 事前準備調査、PPIAF = 官民インフラストラクチャー諮問ファシリティ、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、
TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
統計付録
3,000.00
アジア開発銀行
68
続き
TA の
種類
セクター
PP
WMS
1,000.00
–
–
–
PP
ANR
225.00
–
–
–
–
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
パキスタン
パンジャブ州・都市部改善投資プログラム
400.00 MDTF-WFPF
1,400.00
MMF 2299/2300-PAK のイスラム堰、
統計付録
カーンキ堰、スレマンキ堰、トリム堰
のデューデリジェンス確保および
PFR 作成:パンジャブ州灌漑農業投資
プログラム
225.00
パキスタン・エネルギーセクターの
タスクフォース
PA
ENE
225.00
–
–
–
–
225.00
紛争後のニーズ調査
PA
MUL
800.00
–
–
–
–
800.00
2,250.00
–
–
–
400.00
2,650.00
小計
パラオ
衛生セクター開発
PP
WMS
–
700.00
–
–
–
700.00
中期予算枠組みの実施
CD
PSM
500.00
–
–
–
–
500.00
500.00
700.00
–
–
–
1,200.00
小計
パプアニューギニア
民間航空開発投資プログラム
PP
TAI
225.00
–
–
–
–
225.00
取引および投資の制度面の強化
CD
IAT
900.00
–
–
–
–
900.00
地方における基礎医療サービス提供の
強化
PP
HSP
–
600.00
–
–
–
600.00
通行料引上げおよび道路開発における
民間セクター参加促進
PA
TAI
–
800.00
–
–
–
800.00
公的財務運営の支援
CD
PSM
–
1,000.00
–
–
–
1,000.00
1,125.00
2,400.00
–
–
–
3,525.00
小計
フィリピン
自然資源および環境管理セクター総合
開発プログラム(追加)
PP
ANR
–
–
–
–
フィリピン政府・電力調達システム強化
PA
PSM
600.00
–
–
–
アグサン川流域・水資源総合管理
PP
ANR
–
930.00
–
–
保健における官民パートナーシップ
(PPP)
CD
HSP
–
1,000.00
–
–
–
1,000.00
フィリピンに対する政策策定支援
PA
PSM
225.00
–
–
–
–
225.00
公的支出管理の改善 2
PA
PSM
800.00
–
–
–
–
800.00
パシグ川貯水池の下水処理
PP
WMS
–
–
–
–
道路サブセクターにおける透明性・説明
責任の強化
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
225.00
291.00 GEF
–
250.00 GEF
300.00 MDTF-WFPF
291.00
600.00
1,180.00
300.00
CD
TAI
フィリピンにおける調和の取れた
セクター査定、戦略、およびロード
マップ作成に向けた支援
PA
MUL
225.00
–
–
–
–
地方政府財政支援
PA
PSM
700.00
–
–
–
–
700.00
貧困層向け現金支給のための支援
PP
HSP
200.00
–
–
–
–
200.00
3,750.00
1,930.00
–
–
841.00
6,521.00
小計
– = ゼロまたは該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、ENE = エネルギー、GEF = 地球環境ファシリティ、HSP = 医療・社会保護、
IAT = 工業・貿易、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、MFF = マルチトランシェ融資ファシリティ、
MUL = マルチセクター、PA = 政策および助言、PAK = パキスタン、PFR = 定期的な融資要請、PP = 事前準備調査、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、
TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
年次報告 2009
TA の
種類
セクター
上下水道および衛生
PP
WMS
600.00
–
–
–
慣習的利用土地の経済活用促進
(フェーズ II)
CD
PSM
500.00
–
–
–
–
500.00
1,100.00
–
–
–
500.00
1,600.00
400.00
–
–
–
250.00 豪州
650.00
400.00
–
–
–
250.00
650.00
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
69
合計
サモア
1,100.00
ソロモン諸島
運輸セクター開発
PP
TAI
小計
スリランカ
南部交通開発プロジェクトの環境管理
計画実施における当局強化
CD
TAI
150.00
–
–
–
–
150.00
電力セクター規制に向けた能力開発
CD
ENE
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
地方部・家庭向け電力供給網向上
CD
ENE
–
2,000.00
–
–
–
2,000.00
地方自治体の街灯に対する需要側管理
CD
ENE
–
–
–
–
800.00 CEF
コロンボ市・排水管理サービスの能力
開発支援
CD
WMS
500.00
–
–
–
150.00 MDTF-WFPF
気候変動適応に対する能力強化
CD
MUL
–
–
–
700.00
–
700.00
地方道路担当機関の能力開発
CD
TAI
800.00
–
–
–
–
800.00
持続可能な電力セクター支援(第 II 期)
PP
ENE
–
800.00
–
–
–
800.00
包括的な技術支援による能力開発基金
CD
PSM
1,500.00
–
–
–
–
1,500.00
3,950.00
2,800.00
–
700.00
950.00
8,400.00
小計
800.00
650.00
タジキスタン
綿の加工・市場開発
PP
ANR
225.00
–
–
–
–
225.00
地域送電の復興
PP
ENE
500.00
–
–
–
–
500.00
725.00
–
–
–
–
725.00
小計
タイ
ラムタコン風力発電所開発
PP
ENE
–
–
–
–
160.00 ACEF
チャイヤプーン風力発電所開発
PP
ENE
–
–
–
–
160.00 ACEF
戦略的な都市間自動車道路網の実施計画
PA
TAI
–
1,000.00
–
–
–
1,000.00
–
1,000.00
–
–
320.00
1,320.00
560.00
–
–
–
–
560.00
560.00
–
–
–
–
560.00
小計
160.00
160.00
東ティモール
統計・マクロ経済学における能力開発
小計
CD
PSM
– = ゼロまたは該当データなし、ACEF = アジア・クリーンエネルギー基金、ANR = 農業・天然資源、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、CEF = クリーンエネルギー基金、
ENE = エネルギー、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、MUL = マルチセクター、PA = 政策および助言、
PP = 事前準備調査、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
統計付録
小計
500.00 豪州
アジア開発銀行
70
続き
TA の
種類
セクター
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
トンガ
統計付録
公営企業の改革
PA
PSM
500.00
–
–
–
–
500.00
経済的・戦略的管理の支援
CD
PSM
–
500.00
–
–
–
500.00
500.00
500.00
–
–
–
1,000.00
小計
ウズベキスタン
給水・衛生サービス
PP
WMS
500.00
–
–
–
CASAREM- タリマルジャン発電・送電
PP
ENE
1,500.00
–
–
–
–
1,500.00
CAREC 回廊 2 道路投資プログラム
PP
TAI
900.00
–
–
–
–
900.00
2,900.00
–
–
–
850.00
3,750.00
小計
850.00 MDTF-WFPF
1,350.00
バヌアツ
島しょ間輸送の支援
PP
TAI
500.00
–
–
–
ポートビラ・都市開発
PP
WMS
600.00
–
–
–
750.00 豪州
1,350.00
1,100.00
–
–
–
750.00
1,850.00
215.00
小計
–
500.00
ベトナム
高速道路網開発計画プロジェクト(追加)
PA
TAI
215.00
–
–
–
–
ハノイ市・地下鉄システム(追加)
PP
TAI
500.00
–
–
–
–
メコン・デルタ中央部の接続性(追加)
PP
TAI
–
–
–
–
技能強化(追加)
PP
EDU
–
–
–
–
北部山岳地帯・交通接続
PP
TAI
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
240.00 豪州
59.70 ベルギー
500.00
240.00
59.70
バイオガス開発プログラム拡張に向けた
プロジェクト管理強化と戦略・
オプションの開発
PA
ENE
1,500.00
–
–
–
–
1,500.00
再生可能エネルギー開発の能力開発
CD
ENE
900.00
–
–
1,600.00
–
2,500.00
メコン河流域圏(GMS)の経済・財政再
評価:昆明−ハイフォン交通回廊
−ノイバイ−ラオカイ道路
PP
TAI
200.00
–
–
–
–
200.00
ホーチミン市・都市型大量高速輸送線 2
PP
TAI
500.00
–
–
–
–
500.00
金融政策および外国為替管理における
研修
CD
PSM
225.00
–
–
–
–
225.00
メコン・デルタにおける気候変動の
影響・適応調査
CD
ANR
–
–
–
500.00
ベトナムにおける電力のための投資支援
プログラムの能力開発
CD
ENE
600.00
–
–
–
–
600.00
金融セクタープログラム(第 III 期)
(サブプログラム II)
PP
FIN
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
北部チュー川および南部マー川の灌漑
システム
PP
ANR
800.00
–
–
–
–
800.00
7,440.00
–
–
2,100.00
1,099.70
10,639.70
76,470.00
35,030.00
600.00
6,980.00
27,339.16
146,419.16
小計
合計
800.00 豪州
1,300.00
– = ゼロまたは該当データなし、ANR = 農業・天然資源、CAREC = 中央アジア地域経済協力、CASAREM = 中央・南アジア地域電力市場、CCF = 気候変動基金、CD = 能力開発、
EDU = 教育、ENE = エネルギー、FIN = 金融、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金、PA = 政策および助言、
PP = 事前準備調査、PSM = 公共政策、RCIF = 地域協力・統合基金、TA = 技術協力、TAI = 運輸・情報通信技術、TASF = 技術協力特別基金、WMS = 上水道、都市インフラ。
年次報告 2009
71
統計付録 18
承認された技術協力無償援助(セクター別)a,b(1967 ∼ 2009 年、2008 年、2009 年)
1967 – 2009
マルチセクター
1,235
304
563
498
192
263
945
716
443
109
622,383.06
150,685.42
288,621.11
240,087.22
101,603.42
120,412.50
524,202.30
368,938.30
238,606.15
127,801.37
22.36
5.41
10.37
8.63
3.65
4.33
18.83
13.26
8.57
4.59
26
10
23
12
10
5
36
40
26
8
21,635.00
6,967.00
16,503.00
6,025.00
4,971.00
12,350.00
27,172.75
25,445.00
22,353.00
13,500.00
13.79
4.44
10.52
3.84
3.17
7.87
17.32
16.22
14.24
8.60
33
5
31
9
8
1
32
41
19
19
24,398.46
3,359.70
25,525.00
8,900.00
3,975.00
900.00
21,085.00
29,115.00
15,951.00
13,210.00
16.66
2.29
17.43
6.08
2.71
0.61
14.40
19.88
10.89
9.02
合計
5,268
2,783,340.84
100.00
196
156,921.75
100.00
198
146,419.16
100.00
金融
保健・社会保障
工業・貿易
公共政策
運輸・情報通信技術
上水道、都市インフラ
件数
金額(千ドル)
%
件数
金額(千ドル)
%
a ADB の融資データおよび地域活動に含まれる融資の下で融資される技術協力は除外。
b データは各国政府によりキャンセルされた技術協力を除外するように調整されている。
統計付録 19
融資によるコンサルティング・サービスと技術協力無償援助(セクター別)a,b(2009 年)
(単位:千ドル)
TA 融資
セクター
TA 無償援助
件数
金額(千ドル)
マルチセクター
3
1
7
0
0
1
2
21
10
6
10,590.71
2,000.16
31,130.49
–
–
3,489.22
2,203.00
74,025.82
53,984.58
15,070.62
5.50
1.04
16.17
0.00
0.00
1.81
1.14
38.46
28.04
7.83
33
5
31
9
8
1
32
41
19
19
24,398.46
3,359.70
25,525.00
8,900.00
3,975.00
900.00
21,085.00
29,115.00
15,951.00
13,210.00
16.66
2.29
17.43
6.08
2.71
0.61
14.40
19.88
10.89
9.02
合計
51
192,494.59
100.00
198
146,419.16
100.00
農業・天然資源
教育
エネルギー
金融
保健・社会保障
工業・貿易
公共政策
運輸・情報通信技術
上水道、都市インフラ
– = 該当データなし。TA = 技術協力。
%
件数
金額(千ドル)
%
統計付録
農業・天然資源
エネルギー
%
2009
件数
教育
金額(千ドル)
2008
セクター
アジア開発銀行
72
統計付録 20
2009 年中の技術協力(地域案件)
(単位:千ドル)
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
能力開発
統計付録
南アジアにおける貧困削減支援の開発
効果管理の主流化(追加)
–
–
–
–
100.00
MfDRCF
100.00
メコン河流域圏(GMS)
・越境交通協定
(CBTA)実施(追加)
–
–
–
–
935.00
豪州
935.00
水資源管理政策の実効性向上と普及
(追加)
(フェーズ 5)
–
–
–
–
583.00
CFWS
583.00
結果重視型プロジェクト設計・管理
(第 2 期)
(追加)
280.00
–
–
–
–
280.00
220.00
2007–2009 年のプロジェクト実施・
運営の能力開発に向けたセミナー
(追加)
220.00
–
–
–
–
開発管理のためのメコン河流域圏
(GMS)プノンペン・プラン(第 3 期)
(追加)
–
–
–
–
1,400.00
金融資産、負債およびリスク管理能力の
支援(追加)
–
–
300.00
–
–
太平洋地域途上加盟国との関係強化
(追加)
仏開発庁(AFD)/
EAKPF
1,400.00
300.00
–
–
–
–
1,440.00
途上加盟国の国民経済計算における 93
体系(93SNA)適用に向けた枠組み
提供と利用促進(追加)
220.00
–
–
–
–
220.00
アジアのインフラ関連知識普及における
官民パートナーシップ(PPP)
(追加)
500.00
–
–
–
–
500.00
および新規手法面での支援(追加)
–
–
–
–
1,500.00
都市の水管理におけるグッドガバナンス
と知識に向けたパートナーシップ
–
–
–
–
500.00
気候の影響と対応:マルチメディアを
活用したキャンペーン・プロジェクト
–
–
–
450.00
–
450.00
400.00
–
–
–
–
400.00
900.00
–
–
–
–
900.00
ADB の水投資プログラムのための知識
ADB の開発途上加盟国におけるアジア
開発基金(ADF)グラント(無償援助)
の実施強化
アジア太平洋経済協力(APEC)金融規制
当局の研修イニシアチブ支援
地域経済統合・政策対話に対する
ASEAN 事務局の能力強化
(フェーズ 2)
豪州
MDTF-WFPF/
NET-WFPF
EAKPF
1,440.00
1,500.00
500.00
–
–
1,200.00
–
–
1,200.00
4,000.00
2,000.00
–
–
–
6,000.00
医療に対する地域公共財:ASEAN に
おけるデング熱治療
–
–
1,000.00
–
–
1,000.00
脆弱な経済に対する ADB の関与強化
750.00
–
–
–
–
750.00
貿易金融の能力開発
中央・西アジアにおける気候変動に
対する介入
5,000.00
–
–
–
–
5,000.00
水害管理投資支援
–
2,000.00
–
–
–
2,000.00
南アジアの都市における水の安全性
確保
–
–
–
–
850.00
1,500.00
–
–
–
–
–
–
–
–
3,000.00
800.00
–
–
–
–
2009–11 年のプロジェクト実施・運営
の調達能力開発
太平洋における再生エネルギー普及
促進
ダイナミック・アジアにおける高等教育
ICFF
850.00
1,500.00
CEF
3,000.00
800.00
– = ゼロまたは該当データなし、AFD = 仏(仏開発庁)、ASEAN = 東南アジア諸国連合、CCF = 気候変動基金、CEF = クリーンエネルギー基金、CFWS = 水資源セクター協力基金、
EAKPF = 韓国 e- アジア・知識パートナーシップ基金、ICFF = 投資環境整備基金、JSF = 日本特別基金、MDTF-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチ
ドナー信託基金、MfDRCF = 開発効果管理を支援する協力基金、NET-WFPF = 水投資パートナーシップ・ファシリティのためのオランダ基金、RCIF = 地域協力・統合基金、
TASF = 技術協力特別基金。
年次報告 2009
TASF
ADB の中央アジア地域経済協力
(CAREC)加盟国に対する結果重視型
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
73
合計
–
–
–
–
500.00
PRC RPRF
500.00
–
–
–
–
500.00
EAKPF
500.00
アジアのインフラ金融支援のための
e-Systems 構築
–
–
–
–
500.00
EAKPF
500.00
1,775.00
–
–
1,365.00
325.00
CCFCC
3,465.00
100.00
–
–
–
–
100.00
開発管理のためのメコン河流域圏
(GMS)プノンペン・プラン
(フェーズ IV)
1,400.00
–
–
–
–
1,400.00
中央・西アジアにおける土地取得・住民
移転セーフガードの主流化
気候変動対応に関する太平洋地域途上
加盟国の能力強化(フェーズ 1)
アジア・太平洋会計士連盟(CAPA)に
おける指導員研修ワークショップの
支援
5,000.00
–
–
–
–
5,000.00
第 14 回国際汚職防止会議への支援
200.00
–
–
–
–
200.00
アジア太平洋調達パートナーシップ・
イニシアチブ
800.00
–
–
–
500.00
環境関連法規制に基づいた司法能力の
強化
225.00
–
–
–
–
225.00
ADB 業務における市民社会と市民社会
PRC RPRF
1,300.00
225.00
–
–
–
–
225.00
太平洋地域における需要主導型技術・
職業に対する教育・研修枠組み
745.00
–
–
–
–
745.00
南・東南アジアにおける家計向け金融
能力開発
1,300.00
–
–
–
–
1,300.00
南アジア・太陽エネルギー開発−機会
評価
540.00
–
–
–
–
540.00
26,880.00
4,000.00
2,500.00
1,815.00
12,633.00
47,828.00
500.00
–
–
–
1,000.00
ジェンダーと開発
協力基金(GDCF)
1,500.00
132.00
ニュージーランド
132.00
団体との関係強化
小計
政策および助言
男女平等・女性のエンパワーメント推進
(追加)
航空法規制の見直し(追加)
–
–
–
–
メコン河流域圏(GMS)経済協力
プログラムの開発効率性向上(追加)
–
–
450.00
–
–
民間セクター開発イニシアチブ(追加)
–
–
–
–
160.00
豪州
160.00
水・エネルギー関連インフラ・サービス
に対する効果的規制(追加)
225.00
–
–
–
400.00
ICFF
625.00
1,250.00
–
–
–
–
知識プロダクトと調査ネットワーキング
の戦略化支援(追加)
ASEAN+3 インフラ・プロジェクトの
ための起債(追加)
450.00
1,250.00
–
–
–
–
340.00
太平洋地域における物価高騰対策
(追加)
–
–
–
–
94.73
太平洋インフラ諮問センターの設立
–
–
–
–
1,800.00
豪州
1,800.00
イスラム金融市場における
プルデンシャル・監督基準の開発
425.00
–
–
–
425.00
IFSB
850.00
FSDP
豪州 /
ニュージーランド
340.00
94.73
– = 該当データなし、ASEAN+3 = 東南アジア諸国連合+中国、日本、韓国、CCF = 気候変動基金、CCFCC = 気候変動に関するカナダ協力基金、EAKPF = 韓国 e- アジア・知識
パートナーシップ基金、FSDP = 金融セクター開発パートナーシップ基金、GDCF = ジェンダーと開発協力基金、ICFF = 投資環境整備基金、IFSB = イスラム金融サービス委員会、
JSF = 日本特別基金、PRC RPRF = 地域協力・貧困削減中国基金、RCIF = 地域協力・統合基金、TASF = 技術協力特別基金。
統計付録
モニタリング・評価の能力開発
情報通信技術による公共サービスの
向上
74
アジア開発銀行
続き
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
エイド・フォー・トレード(貿易のため
の援助)ロードマップに向けた
南アジア戦略枠組み
–
–
–
–
600.00
メコン河流域圏(GMS)
:鉄道戦略調査
225.00
–
–
–
–
1,550.00
–
–
–
500.00
EAKPF
2,050.00
–
–
750.00
–
500.00
PRC RPRF
1,250.00
220.00
–
–
–
–
–
–
–
–
350.00
ガバナンス・能力開発イニシアチブ
(フェーズ 2)
統計付録
メコン河流域圏(GMS)
・人材開発戦略
枠組みと行動計画の実施
第 3 回税に関する国際対話会議の開催
支援
途上国における二酸化炭素の回収と
貯留実証−重要政策課題と障壁の
分析
太平洋地域の経済運営−世界危機への
対応(サブプロジェクト 1)
ICFF
600.00
225.00
220.00
CCS
350.00
2,000.00
–
–
–
–
サンゴ礁三角地帯イニシアチブに関する
知識マネジメント、政策、制度支援に
おける地域協力
–
–
500.00
–
1,200.00
預金保険の設立
–
–
–
–
500.00
PRC RPRF
500.00
中央アジア地域経済協力(CAREC)
:
貿易促進における民間セクター協力
–
–
1,500.00
–
500.00
PRC RPRF
2,000.00
中越間の国境地帯経済圏開発
–
–
800.00
–
–
800.00
中小企業向け越境貿易のサービス・
ルール強化
–
–
1,500.00
–
–
1,500.00
900.00
–
–
–
–
900.00
軽工業廃棄物などによるコミュニティ
汚染
太平洋地域における情報通信技術に
基づいたインクルーシブな成長と
貧困削減
2,000.00
GEF
70.00
–
–
–
500.00
EAKPF
南アジアにおける気候変動の地域経済
:対応と影響調査
(パート II)
500.00
–
–
–
700.00
英国
水・農業セクターにおける気候変動に
よる健康被害と災害リスク軽減
–
–
–
–
140.00
スウェーデン
太平洋地域・民間セクター開発イニシア
チブ(フェーズ II)
570.00
1,200.00
140.00
3,000.00
–
–
–
9,000.00
アジア太平洋地域における医療制度・
政策の観察
100.00
–
–
–
–
100.00
公共セクター会計基準(フェーズ 4)
300.00
–
–
–
–
300.00
–
–
–
–
1,370.00
11,265.00
–
5,500.00
–
20,211.73
炭素市場イニシアチブ(CMI)の下での
技術支援ファシリティ実施(追加)
–
–
–
–
1,000.00
アジア都市交通の実施−持続可能な
都市交通の促進
–
–
–
2,800.00
–
2,800.00
500.00
–
–
–
–
500.00
保証・投資に関する ASEAN+3 メカニ
ズム(フェーズ 3)
小計
豪州
1,700.00
ICFF
12,000.00
1,370.00
36,976.73
プロジェクト準備
第 2 回メコン河流域圏(GMS)伝染病
対策
フィンランド
1,000.00
– = 該当データなし、ASEAN+3 = 東南アジア諸国連合プラス中国、日本、韓国、CCF = 気候変動基金、CCS = 炭素回収貯留基金、EAKPF = 韓国 e- アジア・知識パートナーシップ
基金、GEF = 地球環境ファシリティ、ICFF = 投資環境整備基金、JSF = 日本特別基金、PRC RPRF = 地域協力・貧困削減中国基金、RCIF = 地域協力・統合基金、
TASF = 技術協力特別基金。
年次報告 2009
TASF
南太平洋大学との共同による太平洋
情報スーパーハイウェイ構築
アジア太平洋地域への低炭素技術移転
市場設立
メコン河流域圏(GMS)
・生物多様性
保全回廊
RCIF
CCF
その他
財源
インド
合計
–
–
–
–
1,000.00
225.00
–
–
–
–
225.00
–
–
1,000.00
–
–
1,000.00
725.00
–
1,000.00
2,800.00
2,000.00
6,525.00
1,000.00
研究・開発
開発管理のためのメコン河流域圏
(GMS)プノンペン・プラン(第 2 期)
(融資の再配分)
310.00
–
–
–
–
アジアにおける大気環境管理(追加)
–
–
–
–
12.22
アジアにおける都市管理(追加)
–
–
–
–
530.00
NDF
メコン河流域圏(GMS)
・貧困削減の
ための越境性動物疾病の抑制(追加)
–
–
1,000.00
–
200.00
PRC RPRF
アジア太平洋地域におけるミレニアム
開発目標(MDG)達成支援
(フェーズ III)
(追加)
310.00
スウェーデン
12.22
530.00
1,200.00
1,500.00
–
–
–
–
1,500.00
「エナジー・フォー・オール」イニシアチブ
(融資の再配分)
500.00
–
–
–
–
500.00
アジア債券オンライン・ウェブサイト
構築(フェーズ 2)
(追加)
500.00
–
–
–
–
500.00
一部途上加盟国における非家計支出項
目の回収額向上と購買力平価試算の
更新(追加)
220.00
–
–
–
–
220.00
世界経済・金融危機の影響に関する
南アジアフォーラム(追加)
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
アジア開発レビューワークショップ
100.00
–
–
–
–
100.00
キー・インディケーターズ 2009 年版
150.00
–
–
–
–
150.00
世界・地域金融市場の統合
750.00
–
–
–
–
750.00
–
–
–
–
120.00
南アジア途上加盟国における男女平等
促進
地域統合機関:アジア太平洋経済協力・
統合の深化
デンマーク
120.00
–
–
1,500.00
–
–
1,500.00
アジア環境見通し 2010 年版
500.00
–
–
–
–
500.00
東南アジアの競争政策−最新データと
情勢
220.00
–
–
–
–
220.00
2009 年の評価調査(フェーズ 1)
700.00
–
–
–
–
700.00
アジア太平洋の農業研究・開発における
優先付けのための地域協議プロセス
125.00
–
–
–
–
125.00
エコシステムサービスによる経済的
恩恵の獲得
–
600.00
–
–
–
600.00
中央アジア地域経済統合(CAREC)
:
現状確認と経験の共有
900.00
–
–
–
–
900.00
持続可能な燃料パートナーシップ調査:
持続可能な交通と燃料安全保障向上
に向けた新市場スキームの探求
950.00
–
–
–
300.00
世界準備預金制度の今後−アジアの
視点
950.00
–
–
–
–
950.00
独立したアカウンタビリティ・メカニズム
実務コミュニティの試験的導入
150.00
–
–
–
–
150.00
アジアの年金制度開発:概観および改革
の方向性
400.00
–
–
–
–
400.00
オーストリア
1,250.00
– = ゼロまたは該当データなし、CCF = 気候変動基金、JSF = 日本特別基金、NDF = 北欧開発基金、PRC RPRF = 地域協力・貧困削減中国基金、RCIF = 地域協力・統合基金、
TASF = 技術協力特別基金。
統計付録
小計
JSF
75
76
アジア開発銀行
続き
TASF
JSF
RCIF
CCF
その他
財源
合計
統計付録
アジア経済見通し 2010
500.00
–
–
–
–
500.00
グローバル化した世界における
インフラ経済のワークショップ
225.00
–
–
–
–
225.00
アジア地域統合センター(ARIC)
(フェーズ III)
1,250.00
–
–
–
–
1,250.00
2009 年の評価調査(フェーズ 2)
1,269.00
–
–
–
–
1,269.00
民間インフラ開発グループの技術援助
ファシリティに対する貢献
1,000.00
–
–
–
–
1,000.00
北東アジア・気候変動の経済学と
低炭素型成長戦略
1,000.00
–
–
–
800.00
–
–
–
700.00
–
700.00
官民インフラストラクチャー諮問
ファシリティに対する貢献
500.00
–
–
–
–
500.00
開発のための金融、食品、燃料市場
モニタリング
500.00
–
–
–
–
500.00
変化する世界におけるアジアの成長・
投資維持
800.00
–
–
–
–
800.00
アジアにおける世界経済危機と送金、
貧困
200.00
–
–
–
–
200.00
–
2,000.00
–
–
–
2,000.00
225.00
–
–
–
–
225.00
3,870.00
–
–
–
–
3,870.00
150.00
–
–
–
–
150.00
225.00
–
–
–
–
225.00
21,639.00
2,600.00
2,500.00
700.00
1,962.22
29,401.22
60,509.00
6,600.00
11,500.00
5,315.00
36,806.96
120,730.96
気候連動型移住の支援政策
アジア・都市居住性向上のプロジェクト
準備支援
ASEAN・通貨・金融統合に向けた
実態調査・目標設定
アジア地方部における小型風力発電
システム普及の効果的配備
調査データの購入と分析
アジアの GDP および輸出入の長期予測
小計
合計
韓国
– = ゼロまたは該当データなし、ASEAN = 東南アジア諸国連合、CCF = 気候変動基金、GDP = 国内総生産、JSF = 日本特別基金、RCIF = 地域協力・統合基金、
TASF = 技術協力特別基金。
1,800.00
年次報告 2009
77
統計付録 21
財源の純移転(通常資本財源とアジア開発基金の合計)a,b(2007 ∼ 2009 年)
(単位:百万ドル)
OCR
2007
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ADF
2009
2007
2008
2009
4.95
–
34.58
667.08
91.08
–
12.98
79.19
46.78
8.03
8.62
237.99
69.22
119.05
14.73
93.15
8.02
6.43
45.65
–
0.87
89.16
–
18.00
38.61
–
4.92
–
42.35
20.07
8.37
–
2.87
87.47
–
–
–
6.95
703.60
903.19
607.60
(0.63)
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
–
1.89
24.75
–
–
1.69
(1.76)
–
–
(1.58)
(9.65)
–
インド
インドネシア
カザフスタン
1,154.77
156.68
35.15
1,246.38
(69.88)
(47.04)
(409.30)
–
(26.23)
–
–
(30.40)
–
キリバス
韓国
キルギス
–
(20.47)
–
ラオス
マレーシア
モルジブ
(37.11)
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
14.77
1.46
(0.68)
–
(0.68)
–
–
(6.11)
345.29
(30.21)
80.96
–
–
–
0.72
(51.10)
(0.18)
(0.47)
0.05
7.17
–
(2.32)
(11.93)
1,037.63
(2.62)
237.15
1,164.77
512.07
(2.27)
(53.20)
6.01
(0.68)
–
(4.32)
–
(0.13)
(5.91)
(0.72)
–
–
–
–
77.70
(0.27)
(0.25)
–
(0.29)
–
(0.50)
–
21.35
11.19
5.70
47.60
–
3.72
13.86
–
0.56
(3.66)
–
(2.17)
2.22
8.97
–
–
–
–
43.98
–
–
–
(2.47)
–
72.95
–
–
タイ
東ティモール
トンガ
(50.87)
–
–
(13.56)
–
–
(10.43)
–
–
1.70
58.07
–
36.80
152.46
(10.90)
(42.14)
(12.17)
(48.03)
(1.81)
–
(2.23)
1.61
–
(3.45)
52.24
–
46.87
34.53
–
59.86
(1.74)
187.03
0.55
(1.98)
364.23
0.43
12.81
7.01
69.34
バヌアツ
ベトナム
地域
–
27.55
7.71
–
652.43
(1.88)
(1.28)
138.85
0.31
4,894.05
(1.00)
–
0.07
18.40
–
1.07
(0.03)
3,190.63
–
–
–
0.28
2.51
–
–
2,377.04
37.55
(46.67)
–
(1.59)
–
–
合計 c
377.72
(3.28)
(0.63)
(4.63)
–
(1.63)
–
–
17.63
(2.40)
2.99
(4.19)
–
(1.55)
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
–
(14.34)
(1.24)
2.83
12.02
–
–
–
67.38
–
–
110.83
–
–
13.37
(0.26)
228.84
(5.92)
(35.08)
(15.54)
–
–
(1.24)
–
–
91.50
(49.32)
338.97
22.38
967.70
スリランカ
台湾
タジキスタン
0.40
–
69.86
–
820.98
1,109.79
1,094.67
( )= マイナス、ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
– = 該当データなし、
a OCR 財源の純移転額は、融資実行額から元本返済 / 期限前返済および受取り済みの利子 / 手数料を差し引いた金額として定義される。ノンソブリン融資および純出資を含む。
b ADF 財源の純移転額は、融資実行額から元本返済および受取り済みの利子 / 手数料を差し引いた金額として定義される。
c 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
統計付録
ブータン
カンボジア
中国
2008
78
アジア開発銀行
統計付録 22
財源の純移転(通常資本財源とアジア開発基金の合計)a(1999 ∼ 2009 年)
(単位:百万ドル)
1999 ∼ 2004 年
平均
アフガニスタン
アルメニア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
統計付録
ブータン
カンボジア
中国
クック諸島
フィジー諸島
グルジア
香港
インド
インドネシア
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スリランカ
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルクメニスタン
ツバル
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
合計 b
2005
2006
2008
2009
29.94
–
–
101.46
54.17
–
0.50
81.17
73.16
–
7.95
106.64
96.00
–
55.33
99.26
55.15
8.03
11.49
325.46
74.17
119.05
49.31
760.23
5.71
56.04
(137.31)
10.34
76.73
544.64
0.47
45.06
517.25
6.43
45.65
607.60
0.87
96.11
703.60
26.02
37.98
903.19
(0.34)
(0.72)
0.28
(1.50)
–
–
(415.92)
20.50
(24.45)
1.25
(528.82)
41.56
37.35
(49.20)
2.21
5.53
2.55
32.93
(0.25)
0.35
17.48
0.53
8.30
–
–
457.20
142.80
(153.85)
1.36
(1,756.33)
25.10
72.84
(52.99)
2007
0.40
1.69
68.10
–
1,154.77
248.18
(14.17)
1,246.38
(56.51)
(47.30)
(331.61)
(0.10)
(19.32)
(0.25)
(20.47)
(0.29)
(26.23)
(0.50)
(30.40)
35.76
21.35
11.19
264.28
79.59
116.78
60.70
(66.85)
62.37
(37.11)
(0.26)
(0.73)
(2.85)
(1.71)
(3.96)
(0.63)
1.24
20.56
1.94
13.36
2.83
11.34
–
–
–
–
–
–
56.46
37.87
(2.79)
(1.99)
–
(2.47)
–
1.16
2.35
1.70
122.70
–
25.22
73.38
–
34.05
42.53
–
36.80
(1,100.87)
(5.93)
(53.20)
9.00
(0.35)
–
2.65
208.66
0.31
5.70
0.38
(0.79)
–
(0.99)
–
0.66
37.02
511.80
5.18
(35.45)
1.83
1,164.77
3.63
242.91
(9.52)
(118.94)
(372.42)
–
14.58
(51.10)
101.18
–
3.66
(107.34)
(8.00)
(170.50)
98.36
–
11.97
(1.24)
(1.58)
1.89
24.75
–
2.62
–
–
(394.42)
–
(1.37)
461.01
268.45
(120.78)
–
(1.46)
574.13
(36.13)
45.88
(55.06)
–
(1.55)
2.27
16.14
–
(2.32)
(14.33)
1,415.35
(13.52)
195.01
33.23
–
(0.13)
(6.91)
491.44
10.21
919.66
(1.81)
–
(2.23)
1.61
–
(3.45)
119.62
–
46.87
107.48
–
59.86
(18.19)
–
(1.63)
(57.10)
–
(1.59)
–
0.06
69.49
–
1.14
27.54
–
1.07
12.78
–
0.28
9.52
–
0.07
87.74
(0.93)
181.62
(27.65)
(1.08)
132.13
14.35
(1.28)
166.40
8.02
(1.74)
172.69
18.18
(1.98)
1,016.66
(1.45)
(375.08)
2,151.98
3,198.02
4,300.42
5,988.72
( )= マイナス。
– = 該当データなし、
a 財源の純移転額は、融資実行額から元本返済 / 期限前返済および受取り済みの利子 / 手数料を差し引いた金額として定義される。民間セクター融資および純出資を含む。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
年次報告 2009
79
統計付録 23
アジア開発基金の財源および約定枠
ADF 拠出財源
(単位:百万ドル、2009 年 12 月 31 日現在)
2008 年 12 月 31 日
2009 年中の増減
追加
(ドル換算)
為替レート調整
(ドル換算)
豪州
オーストリア
ベルギー
ブルネイ
カナダ
中国
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
香港
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
韓国
ルクセンブルク
マレーシア
ナウル
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
ポルトガル
シンガポール
スペイン
スウェーデン
スイス
台湾
タイ
トルコ
英国
米国
1,317.49
253.49
232.94
9.50
1,620.66
28.00
264.26
146.64
1,359.36
1,931.74
54.46
14.96
32.47
915.63
15,759.89
217.59
47.82
12.43
1.93
798.35
100.33
183.44
93.71
9.13
379.21
279.19
444.56
60.99
9.02
108.00
868.02
3,489.20
61.70
24.94
6.73
1.14
43.33
8.05
0.55
0.29
34.06
61.52
6.03
–
9.10
–
419.90
27.50
0.99
1.29
–
25.08
0.16
9.22
6.12
–
26.94
12.53
11.22
4.70
0.81
1.50
41.84
98.01
393.10
5.59
4.93
0.04
249.07
–
5.78
2.95
27.35
39.77
–
–
0.77
18.42
(340.22)
30.97
1.00
0.25
–
15.08
24.96
39.38
2.03
0.21
8.16
24.79
10.65
–
0.41
0.03
99.31
–
合計
31,044.41
945.23
664.79
純増減額
(ドル換算)
2009 年 12 月 31 日現在評価額
(SDR 換算 a)
(ドル換算)
454.80
30.53
11.66
1.18
292.40
8.05
6.33
3.24
61.41
101.29
6.03
0.00
9.87
18.42
79.68
58.47
1.99
1.54
0.00
40.16
25.12
48.60
8.15
0.21
35.10
37.32
21.87
4.70
1.22
1.53
141.15
98.01
1,772.29
284.02
244.60
10.68
1,913.06
36.05
270.59
149.89
1,420.77
2,033.03
60.49
14.96
42.34
934.05
15,839.57
276.06
49.81
13.97
1.93
838.51
125.45
232.04
101.86
9.34
414.32
316.51
466.43
65.69
10.23
109.52
1,009.17
3,587.21
1,134.64
181.83
156.60
6.84
1,224.76
23.08
173.23
95.96
909.59
1,301.56
38.73
9.58
27.11
597.99
10,140.63
176.74
31.89
8.94
1.24
536.82
80.31
148.55
65.21
5.98
265.25
202.63
298.61
42.06
6.55
70.12
646.08
2,296.56
1,610.04
32,654.45
20,905.67
SDR = 特別引出権。
a 2009 年 12 月 31 日現在の SDR 換算は、1SDR = 1.56199 ドルで米ドルに換算される。
ADF 約定枠
(単位:百万ドル、2009 年 12 月 31 日現在)
2008
ADF VII 約定枠からの繰越金 a
ADF IX 約定枠からの繰越金 b
ADF X 拠出金
ADF IX 拠出金
ADF VIII 拠出金
資金の再フローに基づく財源
OCR 純利益の移転
減額およびキャンセル分
手形現金化推進プログラムからの信用
差引:融資実行リスク引当金 f
為替ボラティリティ引当金 g
ADF X 約定枠合計
差引:約定済み融資およびグラント
将来の約定に利用可能な ADF 約定枠
124.43
2,976.46
161.62
3,895.73
160.00
1,133.27
62.97
158.42
15.23
8,371.29
8,248.68
122.61b
ADF = アジア開発基金、OCR = 通常資本財源。
(注)小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
a 各年末時点の為替レートによる 8,040 万 SDR の米ドル換算額。
b ADF IX の累計約定枠を反映した各年末時点の為替レートによる 7,920 万 SDR の米ドル換算額。
c 米国の分割払い第 3 回分と第 4 回分の 27.59%の残額を表す。比例計算により見合わされた金額は、それぞれ応じた金額が支払われた。
d 豪州の分割払い第 4 回分の 99.16%を表す。この金額は支払われ、業務上の約定に利用可能となった。
e (i)SDR11 億の流動性資金の引き出し、および(ii)外貨為替引当金から支払われた SDR2 億 7,000 万の追加流動性資金を含む。
f 2007 年 12 月に承認された新 ADF 財務フレームワークの採用以前に受領した拠出金および純利益の移し替えに適用された金額。
g ADF IX の最後の 3 カ月における為替レートの変動による約定枠の不足を補填するための引当金を表す。
2009
123.74
837.61
112.82c
8.32d
3,345.78e
120.00
314.38
4,862.65
3,129.45
1,733.20
統計付録
現在評価額
(ドル換算)
アジア開発銀行
80
統計付録 24
技術協力特別基金
(単位:千ドル、2009 年 12 月 31 日現在)
拠出金合計
直接任意拠出金
豪州
オーストリア
バングラデシュ
支出額
統計付録
2,484
159
47
2,484
159
47
ベルギー
カナダ
中国
1,394
3,346
1,600
1,394
3,346
1,600
デンマーク
フィンランド
フランス
1,963
237
1,697
1,963
237
1,697
ドイツ
香港
インド
3,315
100
3,511
3,315
100
3,511
250
774
47,710
250
774
47,710
韓国
マレーシア
オランダ
1,900
909
1,338
1,900
909
1,338
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
1,096
3,279
1,736
1,096
3,279
1,736
シンガポール
スペイン
スリランカ
1,100
190
6
1,100
190
6
スウェーデン
スイス
台湾
862
1,035
200
862
1,035
200
英国
米国
5,617
1,500
5,617
1,500
インドネシア
イタリア
日本
小計
通常補充拠出金 a
89,355
89,355
720,643
495,442
アジア開発基金への移転
(3,472)
(3,472)
OCR 純益からの分配 b
909,728
812,221
1,626,899
1,304,191
1,716,254
1,393,546
小計
合計
(
)= マイナス、OCR = 通常資本財源。
a 総務会決議 182 号、214 号、300 号および 333 号により承認されたアジア開発基金および技術協力特別基金(TASF)の財源補充拠出金の TASF 部分(当時の金額)を示す。
b 1980 年以降の純利益、返済金および TASF への払い戻し金を示し、投資保有利益(保有損)を含む。
年次報告 2009
81
統計付録 25
日本特別基金−通常拠出および追加拠出
活動および純資産の増減
(単位:百万ドル)
拠出金
収入
合計
域内貿易・金融安定イニシアチブ協力基金への移転
為替差益(差損)
外貨換算調整
純資産の増減
2004
2005
2006
2007
2008
2009
852.6
132.3
24.2
4.3
27.3
7.1
24.5
10.7
27.7
12.0
17.4
6.6
–
1.2
973.7
174.2
984.9
28.5
34.4
35.2
39.7
24.0
1.2
1,147.9
19.7
1.2
–
–
35.9
(0.8)
–
–
51.1
(0.1)
–
–
33.7
–
–
–
55.1
0.2
–
–
39.2
(0.1)
–
9.0
(2.3)
(16.0)
6.0
(30.9)
(38.1)
2005
2006
2007
2008
2009
合計
241.0
3.3
–
1.1
–
1.7
–
1.8
–
1.1
–
0.2
241.0
9.2
244.3
1.1
1.7
1.8
1.1
0.2
250.2
–
–
(0.4)
–
–
–
–
(0.2)
–
–
(90.0)
1.5
0.4
36.6
–
806.8
(25.5)
(12.5)
(1.0)
140.1
(1.0)
1,041.5
(25.1)
(12.5)
67.8
( )= マイナス。
– = 該当データなし、
a 1995 年の表示方式に準拠するために前年までの金額を再計算した。
統計付録 26
日本特別基金−アジア通貨危機支援ファシリティ
活動および純資産の増減
(単位:百万ドル)
1999–2004
拠出金
収入
合計
a
貧困削減日本基金への移転
(90.0)
利子補給金の戻し入れ
33.2
130.6
(1.7)
(26.3)
–
–
(0.8)
–
–
–
–
(0.4)
–
–
28.9
1.9
2.1
支出
為替差益(差損)
外貨換算調整
純資産の増減
–
–
–
–
–
1.8
33.2
128.8
(1.7)
(26.3)
( )= マイナス。
– = 該当データなし、
a 保証ファシリティはアジア通貨危機支援ファシリティ(ACCSF)の下で供与される。日本政府は ACCSF のために、ADB が保証請求に応じるためにいつでも現金化できる 3,600 億
円の無利子・譲渡不能約束手形を提供した。しかし、契約成立する保証が存在しなかったため、この手形は 2002 年 3 月 25 日に日本政府へ返還された。
統計付録
支出
合計
1988–2003a
82
アジア開発銀行
統計付録 27
2009 年中の貧困削減日本基金
プロジェクト名
統計付録
バングラデシュ
包括保険セクターの整備
カンボジア
地方貧困層のための収穫後の技術・技能橋渡しプログラムの試験的運営
インド
水に恵まれない人々の能力開発および生計の強化
インドネシア
貧困層に向けた稲作の強化
ラオス
ラオス北部・健康モデル村の展開
モンゴル
児童の慢性的栄養失調の削減
金融危機下にある貧困層の健康保護
地方民、遊牧民、移住者の子供に対する幼児教育
地方低所得層に対する電力サービス向上実証プロジェクト
ネパール
女性・子供向けサービスセンター設立
貧困層の法的地位向上に向けた能力開発
チャッキ製粉工場・小麦粉栄養強化
パプアニューギニア
道路網改善による沿道コミュニティに対する社会経済的恩恵の拡大
スリランカ
生計支援と男女平等化の連携性向上
東ティモール
我々の道路、我々の未来−地方行政およびコミュニティ型インフラ整備支援
ベトナム
マイクロファイナンス機関の整備
合計
金額(単位:千ドル)
2,000
2,000
2,000
2,000
3,000
2,000
3,000
2,890
2,400
750
2,000
1,800
2,000
3,000
3,000
1,500
35,340
年次報告 2009
83
統計付録 28
ADB が管理する無償資金が供与されたプロジェクト(2009 年中の承認)
金額(単位:千ドル)
プロジェクト名
技術協力
プロジェクト・
コンポーネント
二国間信託基金
豪州
メコン河流域圏(GMS)
:カンボジア国内鉄道修復
成果モニタリングと調達の見直し
タラワの衛生向上
水に関する国家戦略の更新(追加)
小都市の給水・衛生セクター
上下水道および衛生
運輸セクター開発
道路改良(セクター)
(追加)
道路改良(セクター)
道路改良(第 II 期)
(セクター)
北東部・コミュニティ復興と開発(第 II 期)
(追加)
ポートビラ都市開発
メコン・デルタ中央部の接続性(追加)
メコン・デルタ地域における気候変動の影響・適応調査
メコン河流域圏(GMS)
・越境交通協定(CBTA)実施(追加)
太平洋地域途上加盟国との関係強化(追加)
太平洋地域における物価高騰対策(追加)
太平洋インフラ諮問センターの設立
民間セクター開発イニシアチブ(追加)
太平洋地域・民間セクター開発イニシアチブ(フェーズ II)
小計
豪州・クリーンエネルギー投資パートナーシップ・ファシリティに基づく炭素回収貯留基金
二酸化炭素の回収と貯留実証−戦略分析および能力の強化
PRC
途上国における二酸化炭素の回収と貯留実証−重要政策課題と障壁の分析
REG
小計
21,500.00
400.00
500.00
300.00
5,300.00
500.00
250.00
207.00
1,873.00
4,500.00
7,280.00
750.00
240.00
800.00
935.00
1,440.00
84.73
1,800.00
160.00
9,000.00
17,159.73
40,660.00
1,000.00
350.00
1,350.00
オーストリア
REG
持続可能な燃料パートナーシップ調査:持続可能な交通と燃料安全保証向上に向けた新市場スキームの探求
小計
300.00
300.00
ベルギー
VIE
技能強化(追加)
小計
59.70
59.70
カナダ
BAN
初等教育開発プログラム(第 II 期)
(追加)
30,000.00
小計
カナダ・気候変動に関するカナダ協力基金
気候変動対応に関する太平洋地域途上加盟国の能力強化(フェーズ 1)
REG
小計
30,000.00
325.00
325.00
デンマーク
REG
南アジア途上加盟国における男女平等促進
小計
120.00
120.00
フィンランド
CAM
CAM
LAO
REG
生産性向上に向けたトンレサップにおける技術実証
トンレサップにおける貧困削減と小農地所有者の開発
小型・超小型水力発電開発
炭素市場イニシアチブ(CMI)の下での技術支援ファシリティ実施(追加)
小計
2,700.00
5,748.00
1,000.00
1,000.00
4,700.00
5,748.00
フランス
REG
開発管理のためのメコン河流域圏(GMS)プノンペン・プラン(第 3 期)
小計
900.00
900.00
BAN = バングラデシュ、CAM = カンボジア、KIR = キリバス、LAO = ラオス、PRC = 中国、REG = 地域、SAM = サモア、SOL = ソロモン諸島、SRI = スリランカ、VAN = バヌアツ、
VIE = ベトナム。
統計付録
CAM
CAM
KIR
LAO
LAO
SAM
SOL
SOL
SOL
SOL
SRI
VAN
VIE
VIE
REG
REG
REG
REG
REG
REG
84
アジア開発銀行
続き
金額(単位:千ドル)
プロジェクト名
技術協力
プロジェクト・
コンポーネント
インド
REG
南太平洋大学との共同による太平洋情報スーパーハイウェイ構築
統計付録
小計
日本・クリーンエネルギー投資パートナーシップ・ファシリティに基づくアジア・クリーンエネルギー基金
ウランバートルの空気浄化
MON
フィリピン・エネルギー効率化
PHI
ラムタコン風力発電所開発
THA
チャイヤプーン風力発電所開発
THA
小計
日本・地域協力統合投資パートナーシップ・ファシリティに基づく投資環境整備基金
保証・投資に関する ASEAN+3 メカニズム(フェーズ III)
REG
水・エネルギー関連インフラ・サービスに対する効果的規制(追加)
REG
エイド・フォー・トレード(貿易のための援助)ロードマップに向けた南アジア戦略枠組み
REG
南アジアの都市における水の安全性確保
REG
小計
1,000.00
1,000.00
500.00
1,500.00
160.00
160.00
820.00
1,500.00
1,3750.00
400.00
600.00
850.00
3,220.00
韓国
REG
北東アジア・気候変動の経済学と低炭素型成長戦略
小計
韓国 e- アジア・知識パートナーシップ基金
ビジネス環境向上に向けた制度近代化
ARM
生産性向上に向けたトンレサップにおける技術実証
CAM
インド地方自治体の財政調査
IND
インドネシア・経済早期警戒システム強化
INO
地理情報システムを活用した道路データベース開発
MON
クリーン開発メカニズム(CDM)の能力開発プログラム
MON
アジア・インフラ金融支援のための e-Systems 構築
REG
開発管理のためのメコン河流域圏(GMS)プノンペン・プラン(第 3 期)
(2 次追加)
REG
都市の水管理におけるグッドガバナンスと知識に向けたパートナーシップ
REG
ガバナンス・能力開発イニシアチブ(フェーズ II)
REG
情報通信技術による公共サービスの向上
REG
太平洋地域における情報通信技術に基づいたインクルーシブな成長と貧困削減
REG
小計
ルクセンブルク
金融セクタープログラム II のサブプログラム 4 実施
CAM
小計
800.00
800.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
500.00
6,000.00
500.00
500.00
オランダ
BAN
災害被害に対する緊急復興支援(セクター)
(追加)
24,000.00
小計
水投資パートナーシップ・ファシリティのためのオランダ基金
湖南省・洪水管理の持続可能性強化(追加)
PRC
タンホア市・包括的社会経済開発
VIE
REG
ADB の水投資プログラムのための知識および新規手法面での支援(追加)
小計
ニュージーランド
航空法規制の見直し(追加)
REG
太平洋地域における物価高騰対策(追加)
REG
小計
中国・地域協力貧困削減基金
国家経済政策分析および開発管理の能力開発(フェーズ 3)
CAM
メコン河流域圏(GMS)
・貧困削減のための越境性動物疾病の抑制(追加)
REG
メコン河流域圏(GMS)
・人材開発戦略枠組みと行動計画の実施
REG
24,000.00
60.00
800.00
300.00
360.00
132.00
10.00
142.00
500.00
200.00
500.00
ARM = アルメニア、ASEAN+3 = 東南アジア諸国連合+中国、日本、韓国、BAN = バングラデシュ、CAM = カンボジア、IND = インド、INO = インドネシア、
MON = モンゴル、PHI = フィリピン、PRC = 中国、REG = 地域、THA = タイ、VIE = ベトナム。
800.00
年次報告 2009
85
金額(単位:千ドル)
プロジェクト名
預金保険の設立
ADB の中央アジア地域経済協力(CAREC)加盟国に対する結果重視型モニタリング・評価の能力開発
中央アジア地域経済協力(CAREC)
:貿易促進における民間セクター協力
アジア太平洋調達パートナーシップ・イニシアチブ
小計
プロジェクト・
コンポーネント
500.00
500.00
500.00
500.00
統計付録
REG
REG
REG
REG
技術協力
3,200.00
スウェーデン
REG
REG
アジアにおける大気環境管理(追加)
水・農業セクターにおける気候変動による健康被害と災害リスク軽減
小計
12.22
140.00
152.22
スイス
BAN
ポスト識字能力−学業継続支援(追加)
2,500.00
小計
2,500.00
英国
AFG
REG
水資源開発投資プログラム(トランシェ 1)
南アジアにおける気候変動の地域経済(パート II)
:対応・影響調査
小計
英国・2009–13 年のインドに対する ADB とのパートナーシップ
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善−マディヤプラデシュ州道路(第 3 期)
(サブプロジェクト 1)
IND
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善−ジャワハルラル・ネルー都市再生計画支援(フェーズ II)
IND
(サブプロジェクト 2)
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善−持続可能な海岸保全・管理の能力開発(サブプロジェクト 3)
IND
貧困削減に向けたプロジェクト準備改善−ビハール州電力セクター事業体の能力開発(サブプロジェクト 4)
IND
小計
3,300.00
700.00
700.00
3,300.00
600.00
2,200.00
200.00
500.00
3,500.00
米国
TAJ
地方部・税関システム近代化とインフラ開発
1,600.00
小計
1,600.00
多国間協力基金・パートナーシップ
クリーンエネルギー投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金
地方自治体における廃棄物発電
PRC
エネルギー普及・効率向上
NEP
地方自治体の街灯に対する需要側管理
SRI
太平洋地域・再生可能エネルギー普及促進
REG
小計
アジアおよび太平洋地域 HIV/AIDS 対策協力基金
北東部(アッサム州、メガラヤ州、ミゾラム州、マニプル州、ナガランド州)における道路改良に伴う社会・
IND
健康問題への対応
小計
開発効果管理を支援する協力基金
南アジアにおける貧困削減支援の開発効果管理の主流化(追加)
REG
小計
水資源セクター協力基金
水資源管理政策の実効性向上と普及 5
REG
小計
653.00
4,200.00
800.00
3,000.00
4,453.00
4,200.00
1,475.00
1,475.00
100.00
100.00
583.00
583.00
欧州委員会
SOL
SOL
緊急支援(追加)
道路改良(第 II 期)
(セクター)
小計
4,040.00
3,340.00
7,380.00
AFG = アフガニスタン、BAN= バングラデシュ、CAM= カンボジア、GMS = メコン河流域圏、IND = インド 、NEP= ネパール、PRC= 中国、REG = 地域、SRI= スリランカ、
TAJ = タジキスタン。
86
アジア開発銀行
続き
金額(単位:千ドル)
プロジェクト名
金融セクター開発パートナーシップ基金
REG
ASEAN+3 インフラ・プロジェクトのための起債(追加)
統計付録
小計
ジェンダーと開発協力基金
女性への経済権限付与計画の試験的運用
PRC
小都市の給水・衛生セクター
LAO
助産師の起業支援・金融リテラシー向上
PHI
男女平等・女性のエンパワーメント推進(追加)
REG
小計
地球環境ファシリティ(GEF)
自然資源および環境管理セクター総合開発プログラム(追加)
PHI
アグサン川流域・水資源総合管理
PHI
再生可能バイオマスエネルギー総合開発(追加)
PRC
土壌劣化対策における管理・政策支援
PRC
シルクロード・エコシステム復興(追加)
PRC
陝西省・秦嶺山脈地帯の生態多様性の保全と実証
PRC
白洋淀流域・総合エコシステム・水資源管理
PRC
サンゴ礁三角地帯イニシアチブに関する知識マネジメント、政策、制度支援における地域協力
REG
小計
技術協力
340.00
340.00
195.00
500.00
400.00
1,000.00
1,000.00
4,270.00
2,930.00
1,200.00
5,013.46
7,200.00
6,690.00
15,000.00
小計
小計
1,095.00
291.00
250.00
210.00
2,727.46
335.00
農業開発国際基金
トンレサップにおける貧困削減と小農地所有者の開発
CAM
自然資源の持続可能な管理と生産性向上
LAO
イスラム金融サービス委員会
イスラム金融市場におけるプルデンシャル・監督基準の開発
REG
プロジェクト・
コンポーネント
21,690.00
425.00
425.00
北欧開発基金
REG
アジアにおける都市管理(追加)
小計
官民インフラストラクチャー諮問ファシリティ
カトマンズ渓谷における上下水道・都市開発(追加)
NEP
小計
水投資パートナーシップ・ファシリティに基づくマルチドナー信託基金
チッタゴン丘陵地帯の開発(第 II 期)
BAN
チャッティスガール州・灌漑管理向上に向けた水利組合のエンパワーメント(追加)
IND
イシク・クル・持続可能な開発
KGZ
パンジャブ州・都市部改善投資プログラム
PAK
パシグ川貯水池の下水処理
PHI
干ばつ管理の戦略
PRC
山西省・小都市および都市部開発実証セクター
PRC
遼寧省・小都市および都市部開発実証セクター
PRC
地下水管理による気候変動への適応
PRC
河北省・小都市および都市部開発実証セクター
PRC
タンホア市・包括的社会経済開発
VIE
コロンボ市・排水管理サービスの能力開発支援
SRI
給水・衛生サービス
UZB
REG
ADB の水投資プログラムのための知識および新規手法面での支援(追加)
小計
合計
530.00
530.00
273.00
273.00
265.00
550.00
700.00
400.00
300.00
230.00
250.00
250.00
500.00
250.00
1,200.00
150.00
850.00
1,200.00
4,645.00
2,450.00
64,146.11
154,123.00
BAN = バングラデシュ、CAM= カンボジア、IND = インド、INO = インドネシア、KGZ = キルギス、LAO = ラオス、NEP = ネパール、PAK = パキスタン、PHI = フィリピン、
PRC = 中国、REG = 地域、SOL = ソロモン諸島、SRI = スリランカ、UZB = ウズベキスタン、VIE = ベトナム。
年次報告 2009
87
統計付録 29
2009 年中の締結済み契約(原産国別)a
プロジェクト融資−通常資本財源(単位:百万ドル)
製品、関連サービスおよび土木工事
金額
豪州
配分(%)
コンサルティング・サービス
金額
配分(%)
6.69
–
0.09
–
–
3.25
0.29
–
3.66
5.94
–
51.30
2.42
1.31
2.14
–
1.77
–
–
–
1.70
0.90
–
0.27
–
0.11
5.88
–
1.03
–
–
–
4.13
4.80
0.39
1.92
6.43
3.76
37.15
26.52
2.19
3.80
1,372.06
12.41
17.25
38.52
–
1,464.48
125.74
65.59
42.42
122.35
597.16
39.82
2.27
0.08
1.79
125.11
14.59
26.65
2.59
9.29
42.21
1.15
6.11
5.42
–
22.69
4.30
12.78
12.47
173.37
0.14
0.08
0.84
0.60
0.05
0.09
30.90
0.28
0.39
0.87
–
32.98
2.83
1.48
0.96
2.76
13.45
0.90
0.05
0.00
0.04
2.82
0.33
0.60
0.06
0.21
0.95
0.03
0.14
0.12
–
0.51
0.10
0.29
0.28
3.90
100.00
4,440.52
100.00
–
ベトナム
3.76
37.06
26.52
2.19
0.68
1,371.78
12.41
13.73
32.81
–
1,415.20
123.42
64.33
40.36
122.35
595.46
39.82
2.27
0.08
0.16
124.25
14.59
26.39
2.59
9.18
36.56
1.15
5.12
5.42
–
22.69
0.33
8.17
12.10
171.53
0.09
0.85
0.61
0.05
0.02
31.58
0.29
0.32
0.76
–
32.57
2.84
1.48
0.93
2.82
13.71
0.92
0.05
0.00
0.00
2.86
0.34
0.61
0.06
0.21
0.84
0.03
0.12
0.12
–
0.52
0.01
0.19
0.28
3.95
6.43
–
0.09
–
–
3.12
0.28
–
3.52
5.71
–
49.28
2.32
1.26
2.06
–
1.70
–
–
–
1.63
0.86
–
0.26
–
0.11
5.65
–
0.99
–
–
–
3.97
4.61
0.37
1.84
合計
4,344.46
100.00
96.06
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
カナダ
中国
フィジー諸島
フランス
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
韓国
マレーシア
モンゴル
オランダ
ニュージーランド
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
シンガポール
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タイ
トルコ
英国
米国
ウズベキスタン
– = 該当データなし、0.00 = 0.01 を下回る%。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
統計付録
配分(%)
–
オーストリア
総調達
金額
88
アジア開発銀行
統計付録 30
2009 年中の締結済み契約(原産国別)a
プロジェクト融資−アジア開発基金(単位:百万ドル)
製品、関連サービスおよび土木工事
金額
統計付録
アフガニスタン
アルメニア
豪州
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
デンマーク
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ネパール
オランダ
ニュージーランド
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トルコ
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
合計 b
配分(%)
コンサルティング・サービス
金額
配分(%)
9.40
34.50
1.35
9.80
2.84
159.43
3.76
17.87
1.09
76.61
–
–
0.04
31.28
10.97
0.01
141.83
77.91
1.04
7.44
0.06
108.65
3.57
15.09
2.68
6.81
0.75
11.31
–
39.93
0.39
6.08
73.69
8.80
0.42
0.21
1.01
0.32
82.85
0.11
1.21
0.53
15.94
0.97
2.15
3.39
15.19
21.32
0.05
203.61
0.77
2.84
0.11
0.81
0.23
13.13
0.31
1.47
0.09
6.31
–
–
0.00
2.58
0.90
0.00
11.68
6.42
0.09
0.61
0.00
8.95
0.29
1.24
0.22
0.56
0.06
0.93
–
3.29
0.03
0.50
6.07
0.72
0.03
0.02
0.08
0.03
6.82
0.01
0.10
0.04
1.31
0.08
0.18
0.28
1.25
1.76
0.00
16.77
–
–
0.16
2.63
1.69
–
17.96
0.01
1.60
0.88
–
9.45
3.22
2.51
–
2.96
–
3.25
20.46
–
3.58
–
–
0.22
0.46
–
0.03
–
0.18
0.07
4.25
0.20
20.67
26.34
0.04
–
–
–
22.15
3.26
–
0.16
–
0.01
–
–
2.05
1.87
1.72
–
5.88
1,214.26
100.00
159.92
– = 該当データなし、0.00 = 0.01 を下回る%。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
総調達
金額
配分(%)
0.10
1.64
1.06
–
11.23
0.01
1.00
0.55
–
5.91
2.01
1.57
–
1.85
–
2.03
12.79
–
2.24
–
–
0.14
0.29
–
0.02
–
0.11
0.04
2.66
0.13
12.93
16.47
0.03
–
–
–
13.85
2.04
–
0.10
–
0.01
–
–
1.28
1.17
1.08
–
3.68
9.40
34.66
3.98
11.49
2.84
177.39
3.77
19.47
1.97
76.61
9.45
3.22
2.55
31.28
13.93
0.01
145.08
98.37
1.04
11.02
0.06
108.65
3.79
15.55
2.68
6.84
0.75
11.49
0.07
44.18
0.59
26.75
100.03
8.84
0.42
0.21
1.01
22.47
86.11
0.11
1.37
0.53
15.95
0.97
2.15
5.44
17.06
23.04
0.05
209.49
0.68
2.52
0.29
0.84
0.21
12.91
0.27
1.42
0.14
5.57
0.69
0.23
0.19
2.28
1.01
0.00
10.56
7.16
0.08
0.80
0.00
7.91
0.28
1.13
0.20
0.50
0.05
0.84
0.01
3.22
0.04
1.95
7.28
0.64
0.03
0.02
0.07
1.64
6.27
0.01
0.10
0.04
1.16
0.07
0.16
0.40
1.24
1.68
0.00
15.24
100.00
1,374.18
100.00
年次報告 2009
89
統計付録 31
2009 年中の締結済み契約(原産国別)a
プロジェクト融資−通常資本財源とアジア開発基金の合計(単位:百万ドル)
製品、関連サービスおよび土木工事
コンサルティング・サービス
配分(%)
アフガニスタン
アルメニア
豪州
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
イタリア
日本
カザフスタン
韓国
キルギス
ラオス
マレーシア
モルジブ
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ネパール
オランダ
ニュージーランド
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
サモア
シンガポール
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
トルコ
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
9.40
34.50
1.35
13.56
39.90
185.95
2.19
3.76
17.87
1.77
1,448.39
–
12.41
–
13.76
31.28
43.78
0.01
1,557.03
201.33
65.38
47.80
122.42
704.11
3.57
15.09
42.50
6.81
0.75
13.58
–
39.93
0.47
6.24
197.94
23.39
26.81
0.21
3.60
9.51
119.41
1.26
6.32
5.95
15.94
0.97
24.84
3.72
23.35
33.42
0.05
375.13
0.17
0.62
0.02
0.24
0.72
3.35
0.04
0.07
0.32
0.03
26.06
–
0.22
–
0.25
0.56
0.79
0.00
28.01
3.62
1.18
0.86
2.20
12.67
0.06
0.27
0.76
0.12
0.01
0.24
–
0.72
0.01
0.11
3.56
0.42
0.48
0.00
0.06
0.17
2.15
0.02
0.11
0.11
0.29
0.02
0.45
0.07
0.42
0.60
0.00
6.75
–
–
0.16
9.07
1.69
0.09
17.96
–
0.01
1.60
4.01
0.28
9.45
–
3.22
6.04
–
8.67
–
52.53
22.78
1.26
5.64
–
1.70
0.22
0.46
–
0.03
–
0.18
0.07
4.25
0.20
22.30
27.20
0.04
0.26
–
–
22.27
8.91
–
1.15
–
0.01
–
–
6.02
6.48
2.10
–
7.72
合計 b
5,558.71
100.00
256.03
– = 該当データなし、0.00 = 0.01 を下回る%。
a 米ドル換算での契約金額に基づき、製品が産出、生産、栽培もしくは製造される国を示す。
b 小数点以下の処理により合計と一致しない場合がある。
金額
配分(%)
総調達
金額
配分(%)
0.06
3.54
0.66
0.04
7.01
–
0.00
0.62
1.57
0.11
3.69
–
1.26
2.36
–
3.39
–
20.52
8.90
0.49
2.20
–
0.66
0.09
0.18
–
0.01
–
0.07
0.03
1.66
0.08
8.71
10.62
0.02
0.10
–
–
8.70
3.48
–
0.45
–
0.00
–
–
2.35
2.53
0.82
–
3.02
9.40
34.66
10.42
15.25
39.99
203.91
2.19
3.77
19.47
5.78
1,448.67
9.45
12.41
3.22
19.80
31.28
52.45
0.01
1,609.56
224.11
66.64
53.44
122.42
705.81
3.79
15.55
42.50
6.84
0.75
13.76
0.07
44.18
0.67
28.54
225.14
23.43
27.07
0.21
3.60
31.78
128.32
1.26
7.47
5.95
15.95
0.97
24.84
9.74
29.83
35.52
0.05
382.85
0.16
0.60
0.18
0.26
0.69
3.51
0.04
0.06
0.33
0.10
24.91
0.16
0.21
0.06
0.34
0.54
0.90
0.00
27.68
3.85
1.15
0.92
2.11
12.14
0.07
0.27
0.73
0.12
0.01
0.24
0.00
0.76
0.01
0.49
3.87
0.40
0.47
0.00
0.06
0.55
2.21
0.02
0.13
0.10
0.27
0.02
0.43
0.17
0.51
0.61
0.00
6.58
100.00
5,814.74
100.00
統計付録
金額
90
アジア開発銀行
統計付録 32
2009 年中のプログラム融資による海外調達供給国への支出見積 a
通常資本財源(OCR)
百万ドル
統計付録
アフガニスタン
アルメニア
豪州
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
ミャンマー
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
タジキスタン
タイ
トルコ
トルクメニスタン
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
合計
アジア開発基金(ADF)
OCR と ADF の合計
配分(%)
百万ドル
配分(%)
3.33
0.09
95.52
14.89
0.55
5.46
34.60
0.52
7.16
2.05
46.23
683.81
9.07
–
17.63
57.78
0.00
141.50
128.04
186.44
106.09
25.71
59.66
464.41
0.60
226.91
–
1.80
0.53
181.87
0.19
6.68
3.02
46.01
19.13
4.37
11.98
4.66
10.61
0.71
438.36
0.34
16.81
4.88
29.51
45.41
0.11
171.79
11.99
3.18
73.12
417.05
13.05
0.18
28.14
0.09
0.00
2.47
0.39
0.01
0.14
0.90
0.01
0.19
0.05
1.20
17.70
0.23
–
0.46
1.50
0.00
3.66
3.31
4.83
2.75
0.67
1.54
12.02
0.02
5.87
–
0.05
0.01
4.71
0.00
0.17
0.08
1.19
0.50
0.11
0.31
0.12
0.27
0.02
11.35
0.01
0.44
0.13
0.76
1.18
0.00
4.45
0.31
0.08
1.89
10.79
0.34
0.00
0.73
1.20
81.43
12.85
3.55
0.81
1.64
6.77
0.08
0.04
0.64
9.32
182.14
2.23
0.00
3.75
12.04
79.87
31.97
17.86
36.93
22.44
0.89
15.64
61.78
2.39
37.76
1.09
0.64
0.14
31.86
0.07
1.55
0.44
6.54
4.79
0.73
12.74
0.01
2.39
0.18
52.55
0.00
3.41
1.42
6.56
9.42
0.10
36.30
4.18
1.56
17.48
47.63
2.23
–
2.11
0.14
9.32
1.47
0.41
0.09
0.19
0.78
0.01
0.00
0.07
1.07
20.84
0.26
0.00
0.43
1.38
9.14
3.66
2.04
4.23
2.57
0.10
1.79
7.07
0.27
4.32
0.12
0.07
0.02
3.64
0.01
0.18
0.05
0.75
0.55
0.08
1.46
0.00
0.27
0.02
6.01
0.00
0.39
0.16
0.75
1.08
0.01
4.15
0.48
0.18
2.00
5.45
0.26
–
0.24
4.53
81.53
108.37
18.44
1.36
7.10
41.37
0.60
7.20
2.69
55.55
865.95
11.30
0.00
21.38
69.82
79.87
173.46
145.90
223.37
128.52
26.61
75.30
526.19
3.00
264.67
1.09
2.44
0.67
213.73
0.25
8.23
3.46
52.55
23.92
5.10
24.71
4.67
13.00
0.89
490.92
0.34
20.22
6.29
36.07
54.82
0.21
208.10
16.17
4.74
90.60
464.67
15.28
0.18
30.26
0.10
1.72
2.29
0.39
0.03
0.15
0.87
0.01
0.15
0.06
1.17
18.28
0.24
0.00
0.45
1.47
1.69
3.66
3.08
4.71
2.71
0.56
1.59
11.11
0.06
5.59
0.02
0.05
0.01
4.51
0.01
0.17
0.07
1.11
0.50
0.11
0.52
0.10
0.27
0.02
10.36
0.01
0.43
0.13
0.76
1.16
0.00
4.39
0.34
0.10
1.91
9.81
0.32
0.00
0.64
3,863.51
100.00
874.15
100.00
4,737.66
100.00
– = 該当データなし、0.00 = 0.01 を下回る%。
a 推定金額は、国際通貨基金(IMF)の「Direction of Trade Statistics」掲載の借入国の最新貿易統計から抜粋した輸入データに基づいている。
百万ドル
配分(%)
年次報告 2009
91
統計付録 33
技術協力業務に関する締結済み契約累計金額(原産国別)
技術協力プロジェクト(単位:百万ドル、2009 年 12 月 31 日現在)
ADB の独自財源
合計
配分(%)
管理信託基金
配分(%)
日本特別基金
配分(%)
1.454
179.101
1.592
0.511
20.018
5.254
0.557
2.778
105.559
26.605
0.101
12.937
1.601
10.367
34.246
0.008
26.708
32.67
67.58
19.481
1.215
5.552
35.858
1.316
0.025
6.035
1.786
3.431
–
13.344
0.118
0.204
0.007
1.879
0.94
0.031
12.308
25.095
70.581
5.415
28.816
0.017
1.299
106.806
0.154
0.859
19.649
0.550
7.291
14.111
7.690
15.300
1.075
0.603
14.596
0.978
0.759
0.421
0.138
0.061
186.04
266.938
1.656
0.759
4.939
3.294
23.207
0.417
0.10
12.41
0.11
0.04
1.39
0.36
0.04
0.19
7.32
1.84
0.01
0.90
0.11
0.72
2.37
0.00
1.85
2.26
4.68
1.35
0.08
0.38
2.49
0.09
0.00
0.42
0.12
0.24
–
0.92
0.01
0.01
0.00
0.13
0.07
0.00
0.85
1.74
4.89
0.38
2.00
0.00
0.09
7.40
0.01
0.06
1.36
0.04
0.51
0.98
0.53
1.06
0.07
0.04
1.01
0.07
0.05
0.03
0.01
0.00
12.90
18.50
0.11
0.05
0.34
0.23
1.61
0.03
1.682
74.543
0.176
0.248
6.418
1.165
0.221
3.224
49.149
8.027
0.258
5.045
1.306
6.433
19.918
–
17.181
7.954
28.367
13.588
0.068
0.926
14.173
1.367
0.043
2.026
0.787
2.024
0.095
1.607
0.056
0.180
–
0.840
0.697
0.008
6.264
24.889
20.101
4.565
14.224
–
0.471
29.021
0.026
0.041
6.937
0.183
3.911
4.202
6.179
6.634
0.069
1.229
9.059
0.178
0.029
0.282
0.048
–
73.892
93.441
0.620
0.009
6.537
8.332
4.067
–
0.28
12.52
0.03
0.04
1.08
0.20
0.04
0.54
8.26
1.35
0.04
0.85
0.22
1.08
3.35
–
2.89
1.34
4.77
2.28
0.01
0.16
2.38
0.23
0.01
0.34
0.13
0.34
0.02
0.27
0.01
0.03
–
0.14
0.12
0.00
1.05
4.18
3.38
0.77
2.39
–
0.08
4.88
0.00
0.01
1.17
0.03
0.66
0.71
1.04
1.11
0.01
0.21
1.52
0.03
0.00
0.05
0.01
–
12.41
15.70
0.10
0.00
1.10
1.40
0.68
–
0.243
131.877
0.934
0.021
6.519
2.260
0.163
0.480
68.917
8.037
–
18.657
0.365
9.631
23.303
–
37.700
22.022
29.599
12.295
0.173
2.678
31.965
0.131
0.008
4.028
0.218
1.030
0.080
4.438
0.026
0.010
0.018
0.825
0.011
0.002
3.260
30.468
66.723
3.403
3.852
–
1.539
35.534
0.099
0.868
10.702
0.217
1.014
3.908
10.187
13.813
2.710
0.162
12.040
0.102
0.138
0.048
–
0.003
138.255
173.987
0.811
1.202
3.362
3.120
4.899
–
0.03
13.95
0.10
0.00
0.69
0.24
0.02
0.05
7.29
0.85
–
1.97
0.04
1.02
2.47
–
3.99
2.33
3.13
1.30
0.02
0.28
3.38
0.01
0.00
0.43
0.02
0.11
0.01
0.47
0.00
0.00
0.00
0.09
0.00
0.00
0.34
3.22
7.06
0.36
0.41
–
0.16
3.76
0.01
0.09
1.13
0.02
0.11
0.41
1.08
1.46
0.29
0.02
1.27
0.01
0.01
0.01
–
0.00
14.63
18.41
0.09
0.13
0.36
0.33
0.52
–
3.379
385.521
2.702
0.780
32.955
8.679
0.941
6.482
223.625
42.669
0.359
36.639
3.272
26.431
77.467
0.008
81.589
62.646
125.546
45.364
1.456
9.156
81.996
2.814
0.076
12.089
2.791
6.485
0.175
19.389
0.200
0.394
0.025
3.544
1.648
0.041
21.832
80.452
157.405
13.383
46.892
0.017
3.309
171.361
0.279
1.768
37.288
0.950
12.216
22.221
24.056
35.747
3.854
1.994
35.695
1.258
0.926
0.751
0.186
0.064
398.187
534.366
3.087
1.970
14.838
14.746
32.173
0.417
0.11
12.92
0.09
0.03
1.10
0.29
0.03
0.22
7.50
1.43
0.01
1.23
0.11
0.89
2.60
0.00
2.74
2.10
4.21
1.52
0.05
0.31
2.75
0.09
0.00
0.41
0.09
0.22
0.01
0.65
0.01
0.01
0.00
0.12
0.06
0.00
0.73
2.70
5.28
0.45
1.57
0.00
0.11
5.74
0.01
0.06
1.25
0.03
0.41
0.74
0.81
1.20
0.13
0.07
1.20
0.04
0.03
0.03
0.01
0.00
13.35
17.91
0.10
0.07
0.50
0.49
1.08
0.01
1,442.69
100.00
595.24
100.00
945.09
100.00
2,983.02
100.00
– = 該当データなし、0.00 = 0.01 を下回る%。
締結済み契約合計
配分(%)
統計付録
アフガニスタン
豪州
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
その他
92
アジア開発銀行
統計付録 34
技術協力業務に関する締結済み契約金額(原産国別)
(2007 ∼ 2009 年)
(単位:百万ドル)
2007
統計付録
アフガニスタン
アルメニア
豪州
オーストリア
アゼルバイジャン
バングラデシュ
ベルギー
ブータン
ブルネイ
カンボジア
カナダ
中国
クック諸島
デンマーク
フィジー諸島
フィンランド
フランス
グルジア
ドイツ
香港
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
カザフスタン
キリバス
韓国
キルギス
ラオス
ルクセンブルク
マレーシア
モルジブ
マーシャル諸島
ミクロネシア連邦
モンゴル
ミャンマー
ナウル
ネパール
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パキスタン
パラオ
パプアニューギニア
フィリピン
ポルトガル
サモア
シンガポール
ソロモン諸島
スペイン
スリランカ
スウェーデン
スイス
台湾
タジキスタン
タイ
東ティモール
トンガ
トルコ
トルクメニスタン
ツバル
英国
米国
ウズベキスタン
バヌアツ
ベトナム
地域
国際機関
合計
2008
2009
金額
%
金額
%
金額
%
0.85
0.23
32.33
–
–
1.98
0.07
0.10
–
0.37
10.63
5.05
–
0.35
0.19
0.30
3.58
–
1.39
4.46
17.59
5.47
0.12
0.11
3.52
0.17
0.02
0.26
0.16
0.83
–
1.48
0.04
0.04
–
0.32
0.22
–
2.97
2.17
7.91
0.12
4.78
0.02
0.08
11.74
0.07
0.03
2.31
0.18
1.03
1.96
2.79
0.24
–
0.94
2.62
0.03
0.03
0.04
0.04
–
15.39
26.87
0.72
0.01
2.23
5.67
–
0.46
0.12
17.46
–
–
1.07
0.04
0.06
–
0.20
5.74
2.73
–
0.19
0.10
0.16
1.93
–
0.75
2.41
9.50
2.95
0.06
0.06
1.90
0.09
0.01
0.14
0.08
0.45
–
0.80
0.02
0.02
–
0.17
0.12
–
1.60
1.17
4.27
0.06
2.58
0.01
0.05
6.34
0.04
0.02
1.25
0.10
0.56
1.06
1.51
0.13
–
0.51
1.41
0.02
0.01
0.02
0.02
–
8.31
14.51
0.39
0.00
1.20
3.06
–
0.26
0.10
23.72
0.08
0.01
3.85
0.37
0.09
–
0.77
8.84
3.33
0.10
1.46
0.30
0.85
11.04
–
8.84
1.91
11.51
2.13
0.05
0.29
6.13
0.12
–
0.45
0.22
0.19
–
1.90
–
0.04
–
0.20
–
–
2.06
0.95
8.74
0.11
4.15
–
0.28
6.80
–
0.01
0.88
0.12
1.53
0.65
1.71
0.19
0.66
0.04
1.19
0.11
0.06
0.10
–
–
12.57
16.84
0.26
–
2.10
–
0.59
0.17
0.06
15.62
0.05
0.01
2.54
0.24
0.06
–
0.51
5.82
2.20
0.06
0.96
0.20
0.56
7.27
–
5.82
1.26
7.58
1.40
0.03
0.19
4.04
0.08
–
0.30
0.14
0.12
–
1.25
–
0.03
–
0.13
–
–
1.35
0.63
5.75
0.07
2.73
–
0.18
4.48
–
0.00
0.58
0.08
1.00
0.43
1.13
0.13
0.44
0.03
0.78
0.07
0.04
0.06
–
–
8.28
11.09
0.17
–
1.38
–
0.39
0.31
0.07
28.66
0.18
0.01
4.46
0.63
0.15
–
0.37
8.94
8.69
0.13
0.62
0.77
0.68
5.75
–
3.72
3.43
16.65
2.74
0.82
0.39
9.69
0.13
0.02
1.26
0.58
0.35
0.13
0.80
0.01
0.01
–
0.40
–
0.02
2.94
8.67
6.66
0.13
2.99
–
0.15
10.81
0.05
–
3.07
0.05
2.46
1.08
1.08
5.75
–
0.10
0.81
–
0.42
–
0.01
–
17.93
15.18
0.61
0.01
0.85
–
–
0.17
0.04
15.63
0.10
0.00
2.43
0.35
0.08
–
0.20
4.87
4.74
0.07
0.34
0.42
0.37
3.14
–
2.03
1.87
9.08
1.49
0.45
0.21
5.28
0.07
0.01
0.69
0.32
0.19
0.07
0.43
0.01
0.01
–
0.22
–
0.01
1.60
4.73
3.63
0.07
1.63
–
0.08
5.89
0.02
–
1.67
0.03
1.34
0.59
0.59
3.14
–
0.05
0.44
–
0.23
–
0.01
–
9.78
8.28
0.33
0.01
0.46
–
–
185.17
100.00
151.83
100.00
183.40
100.00
– = 該当データなし、0.00 = 0.01 を下回る%。
アジア開発銀行について
経済発展のサクセス・ストーリーが脚光を浴びる一方で、アジア太平洋地域には世界の貧困層の 3 分の 2 が、
また生活費が 1 日 2 ドル未満の人々が 18 億人、そのうち 9 億 300 万人は 1 日 1.25 ドル未満で暮らしていると
されます。
マニラに本部を置くアジア開発銀行( A s i a n D e v e l o p m e n t B a n k 、A D B 、加盟国・地域数 67 、うち域内
48 )は、アジア・太平洋地域から貧困がなくなる日の実現をめざし、全ての人々に恩恵が行き渡る(インクルー
シブな)経済成長、環境に配慮した持続可能な成長、地域統合を通じて、途上加盟国の貧困削減と人々の生活の
向上を支援しています。A D B が行う支援の具体的手段は、政策対話、融資、出資、保証、無償援助、技術協力な
どです。
© 2010 Asian Development Bank
A D B は本書で用いられるデータの正確性の確保に
努 め て い る が、A D B の 出 版 物 に お い て は 発 行 日 の
相違、データの情報源や解釈によりデータが異なる
ことがある。掲載データの使用によって生じるいか
な る 結 果 に 対 し、A D B は 一 切 の 責 任 を 負 う も の で
はない。
本書における特定の領土や地理的地域の指定ある
いは言及、または「国」という用語の使用は、いかな
る領土や地域の法的状態に対する A D B の見解を示
すものではない。
本書では「ドル」
「 $ 」という場合には米ドルを指す。
制作統括
広報局
『年次報告 2009 』は、植物油ベースのインクと再生紙を使用している。製紙工程において塩素は一切使用していない。
『年次報告 2009 』は CD-ROM を配布しているほか、ADB のウェブサイト( www.adb.org )からダウンロードすることができる。
アジア開発銀行
6 ADB Avenue, Mandaluyong City
1550 Metro Manila, Philippines
Tel +63 2 632 4444
Fax +63 2 636 2444
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アジア開発銀行駐日代表事務所
東京都千代田区霞が関 3-2-5
霞が関ビルディング 8 階
年次報告
Tel 03-3504-3160
Fax 03-3504-3165
www.adb.org/JRO/
財務局
Fax +63 2 632 4707
+63 2 632 4120
SWIFT Address ASDBPH MM
V O LU M E
2
財 務 報 告
アジア開 発 銀 行