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I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
2 0 0 1
N o . 7 7
NO.77
2001年10月号
OCTOBER
I N T E R C U L T U R E
■■ 学校法人 千里国際学園 Senri International School Foundation (SISF) ■■
千里国際学園中等部・ 高等部 Senri International School (SIS) 併設 大阪インターナショナルスクール Osaka International School (OIS)
〒562-0032 箕面市小野原西4丁目4番 16 号 TEL 0727-27-5050 FAX 0727-27-5055 URL http://www.senri.ed.jp
オーストラリアホームステイ
サマーキャンプ
夏休みの諸活動報告
作文でグランプリ受賞
英検1級に3名合格
夏休み中に改装された中庭
1
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God Bless America
大迫弘和
SIS校長
2001年9月11日、日本時間午後。
誰もが目を疑った同時多発テロ。崩
れ落ちる世界貿易センタービル(WTC)。
◇
狂信的な指導者による無辜な人々の
大量虐殺。祝砲を打つ兵士。
一方、行方の分からぬ家族を、友
を、必死に探し求める人々。全米から
駆けつける救援支援の人々。
世界のそのような現実。
◇
「わたしなんか、アメリカとかいっ
たこともないけど、涙が出てきまし
た、あのビルが崩れるのを見て、悲し
くなってしまって。」
よく利用する近所の中華料理店のお
ばちゃんのことば。そのことばの素朴
さの中に、人間としての真実がある、
と思う。
◇
私たちの職場にはアメリカを母国と
する沢山の人がいる。OISの生徒でアメ
リカの政府関係機関の家庭の生徒は自
宅待機となり登校できない。
国際学校として、今回の悲劇は極め
て近い距離にある。
◇
娘に電話をかける。娘はこの6月に
OISを卒業し、ノースキャロライナ州で
学生生活を送っている。ワシントンDC
から飛行機で1時間のところだ。
「キャンパスの雰囲気が全然違う
の。」
娘の第一声はそれだった。
「イギリスにいたとき、湾岸戦争に
なっちゃったけど、大丈夫だったし
ね。」と、何か少しでも安心させよう
と、言葉をかける。
「うん、でもその時のことは、ちい
ちゃかったから、おぼえてないし。」
多くの大きな悲しみがあり、無事で
ある娘について、あれこれいうのは、
慎むべきだろう。しかし、「空港がぜ
んぶ shut down (閉鎖)されちゃって
るから。」という娘のことばに、父と
して胸が張り裂けそうになったこと
は、書いておきたい。
そして、SIS/OIS という職場には、娘
の安否と、娘をアメリカに送りだして
いる母親の、父親の心情を思いやって
下さる沢山の人達がいた、ということ
も。
◇
個人的なことを更に書かしていただ
くことをお許しいただきたい。
息子の9月11日のホームページ。
「信じられん……WTCがなくなっても
うた………」
彼は4年間のNYでの学生生活をこの
5月に終え、東京丸の内での社会人生
活をスタートさせたばかり。4年間過
ごしたマンハッタン。ずっとテレビの
ニュースを見ていた彼は「WTCが倒壊し
た時点で久しぶりに泣く。」
そして、犠牲になった方々のご冥福
を祈りつつ、宗教といったものに決し
て近くはない息子も、その日のホーム
ページはこう結んでいた。
「God Save America.」
◇
反理性に対しては最大限の理性で対
抗する。そうあってほしい。
この原稿を書いている時点では始
まっていない「報復」が、いつか始ま
るかもしれない。
それはどのようなものになるのだろ
う。
「先生、戦争になるんですか?」
S I Sの生徒が心配そうに先生に尋ね
る。
◇
BUSH 大統領はアメリカ国民に向けた
最初の演説を次の言葉で結んだ。
「God Bless America.」
今は、その言葉を、深い祈りととも
に、ここに記そうと思う。
中庭で福田学園長の離任式
福田國彌学園長(現副理事長)の離任式が6/13に中庭で行われました。今後は小林公平理事長が学園長を兼任します。
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なぜSISホームス
テイ・プログラ
ム?
水口 香
オーストラリア・ホームステイ担当・
英語科
SISのホームステイ・プログラムは10
年の節目を迎えています。当初は、海
外生活の経験がない一般生に英語圏で
の生活を経験させることを目的として
開始されましたが、このところは現地
での実生活をとおして、その文化の総
合理解を得るとともに、自己の文化に
ついても新たな視点をもつことに重点
をおいてプログラムを実施していま
す。従って、昨年からは一般生だけで
なく帰国生にも参加を呼びかけ、ホー
ムステイで得られる特別な異文化体験
の機会を与えるようにしました。SISの
ホームステイ・プログラムは、特別な
扱いなしに現地の生徒と同じ生活を
し、その社会の一員として、また家族
の一員としての役割を自主的にはたす
ことをメインとしている点で有意義な
プログラムといえます。英語力を伸ば
すことだけがこのプログラムのゴール
ではありません。それ以上に、多くの
人と出会い、共に時間を過ごす中で感
じるかけがえのない思い、さまざまな
戸惑いや解決を通して生まれる決断
力、文化の違いを受け止めながらその
文化になじんでいこうとする柔軟性、
日本にいる家族への感謝の念、このよ
うな自分の中での変化を認識できるこ
とがS I Sホームステイ・プログラムの
ゴールなのです。
本校のホームステイ・プログラムで
は、皆が現地で充実した生活が送れる
よう9年生の4月から週一回の割合で
事前指導を行っています。参加者は
「オーストラリアの歴史と社会」、
「オーストラリアの自然」、「オース
トラリアの高校生の生活」、「オース
トラリアと日本の関係」などについ
て、また日本の文化である「けんだ
ま」や「茶道」の勉強をします。ま
た、過去の参加者がゲストスピーカー
として自分の体験を話したり、参加者
のさまざまな相談にのっています。
現在オーストラリアでは日本語の学
習が盛んで、小学校から日本語の教育
が始まります。高校になると卒業後は
通訳、貿易、観光業などで日本語を使
う仕事につきたいと考えている生徒も
多くいます。本年は姉妹校のサンド・
ゲイト高校のほか、新しくネラング
バ・バレー高校とダカビン高校にお世
話になりました。ネラングバ・バレー
高校に滞在した19人のSIS生徒は日本語
のクラスで、着物の着付け、こま、大
阪弁などのレクチャーやバイリンガル
演劇「鶴の恩返し」を披露しました。
実績ある日本語教育と農業科を備えた
ユダカビン高校では、SIS7名の生徒が
約90名の日本語の履修者に天ぷら、お
にぎり、お好み焼きの実演をしまし
た。現地の生徒は、実演を見入った
り、積極的にお手伝いをしたりと熱心
に授業に参加してくれました。
本年度プログラム参加者は次のよう
な感想を述べています。
「人としてオーストラリア人と日本人
はやること、感じることに大差はない
が、日本人は全てをまるく収めようと
する人種だと思った。」
「オーストラリアの人は私という一人
の主張がはっきりとある。」
「日本人は周りのことを気にしすぎ
る。」
「日本は恥で自分の感情をとがめてし
まっている。ある意味で大人っぽい
が、子供っぽいところもある。」
「自由を感じた。」
「故郷を離れて始めて自分の国のこと
がわかった。」
「違うものを受け入れながら自分なり
の考えを得たい。」
「違うものを受け入れることは自分に
プラスになるのだとわかった。」
参加者がSISホームステイ・プログラ
ムでこのように貴重な経験をつむこと
ができ担当者としてうれしく思ってい
ます。
長年にわたりこのプログラムにご理
解と多大なご支援をくださった保護者
のみなさま、またこのプログラムの発
展に大いに貢献してくださったこれま
での参加者のみなさん、どうもありが
とうございました。SISホームステイ・
プログラムがさらなる進歩をとげられ
るよう引き続きご協力をお願いいたし
ます。
記
2001年度オーストラリア・ホームステ
イ・プログラム
期間:
事前研修4月12日から7月3日まで
現地研修:
7月5日から7月28日まで
まとめ:
7月30日
参加者:
3
9年生35名
研修先:
サンドゲイト高校(姉妹校)、ネラ
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韓国を知ろう
井嶋 悠
国語科
【Ⅰ】訪問前
参加生徒の中に、朝鮮民主主義人民
共和国国籍の生徒が二人いたので、大
阪にある、「大韓民国領事館」へ手続
きに行く。知人の紹介もあったとはい
え、対応下さった領事の尽力で、本人
とも直接に会って下さり、短期間で渡
航許可証が交付される。*事前学習と
いうか、それぞれの動機づけ学習の意
図で、古代から現代までの歴史・文化
に関する資料と韓国での日本語学習状
況資料を、幾つかの書物、新聞等から
作成し、生徒達に配布する。*訪問校
での交流のための、質問集を作成す
る。尚、上記の「資料「「質問集」は
予め韓国の先生方に郵送する。
【Ⅱ】訪問
7月2日 関西国際空港より、私に
とっても初めての、仁川( インチョン)
国際空港へ。リムジンバスでソウル市
内、ソウル駅まで行き、そこから地下
鉄を乗り継いでホテルへ。暑さと荷物
のため、皆さん、早々にバテ、ホテル
の各室で休憩後、近辺をうろうろと夕
食場所探しへ。そして発見。裏通りの
焼肉屋さん。安くて、美味。そして落
ち着いた部屋。そこへ高校の韓国人日
本語教師が来て下さり、共に食事。そ
の後、その先生の案内で、若者の
ファッションの街、「東大門市場」
へ。先程の疲労もどこへやら。ただた
だ元気、元気。
7月3日 景徳宮(かって、日本の総
督腑が置かれた、韓国の第1の宮殿)見
学。その後、一旦ホテルに戻り、昼食
後、交流高校である「光新高校」へ。
光新高校「日本研究部」の生徒達約30
人と2人の日本語教師の歓迎を受け
る。私達からのおみやげは、生徒希望
の「風鈴」と昔ながらの「駄菓子とおも
ちゃ」そして、私の希望で、歴史への視
点だけでなく、日本語の学習にも役立
つので、かの「歴史教科書」。素晴ら
しい交流会。言葉は、韓国語・日本
語・英語を日韓の高校生がそれぞれの
レベルで駆使しての、バイリンガル・
4
トライリンガルの世界!
韓国・朝鮮語の通訳可能
な本校生徒二人。半分可
能な生徒二人。そして先生からの生徒
達が準備した「質問集」に関しての講
義。これが第1部。第2部は、日本研究
部の生徒の一人で実家、焼肉屋さんで
の夕食会。豪快で超愉快な盛り上が
り。将来の相互交流・相互理解は万
全、確実。因みに、韓国の普通高校で
は、3年生は夜12時まで学習するのが必
修というか、義務。日本研究部の生徒
達は、学校の配慮でその日の学習の一
部が免除。しかし、夕食会解散後、3年
生は学校へ戻り、学習を再開。もちろ
ん、居眠りに対しては、厳しいお灸が
すえられる。それでも、自分の希望す
る大学に合格するのは、なかなか難し
い。
7月4日 バスをチャーターして
「独立記念館」へ。古代から現代の歴
史が、視聴覚を駆使して、広大な敷地
内に展示されているが、やはり近代・
現代の日本による36年間の植民地化に
関る展示は、凄惨。ある生徒が一言、
「今夜、眠れないと思う。」郊外の山
間の場所に作られた広大な空間。訪れ
る人も少なく、蝉の声と各展示室の外
周に付けられたスピーカーからの静か
な音楽が聞こえ、木陰は、内部の展示
とは正反対の別世界。私は何度か訪れ
たが、とても不思議な場所だと思う。
敷地内の一画で、かの歴史教科書関係
の資料と韓国KBSテレビで放映され
た映像が特集として、早速に展示、公開
されていた。親切なバスのガイドさん
のおかげで、ソウル市内の中心的繁華
街「明洞」散策がわずかな時間ながら
実現。 その後、韓国の伝統的食事を味
わい、古典芸能の鑑賞。生徒達、元
気、元気で、旺盛な好奇心。しかし、
逸脱的になることもなく、なかなかの
もの。韓国の先生方からもその行動、
マナーを賞賛される。
7月5日 在韓日本大使館の機関、
日本語・日本文化発信の中心「公報文
化院」に寄った後、文化院近くの古美
術と民族美術の街、「インサ洞」を散
策。日本からの独立運動の契機となっ
た[3・1独立運動]発祥の地、「パゴ
タ公園」へ行くも、工事中のため入れ
ず。公園で一生懸命説明をしてくれる
老人に会う事ができず残念。また最近
は、仕事を失った中高年の人々の憩い
の場にもなっている。
その後、《ザ・韓国》とでも言って
いいかもしれない、商魂エネルギーの
集結地、南大門市場を散策。しかし、
現代の若者、生徒達にとっては、東大
門市場の方が良い様子。そしてそれは
韓国の若者にとっても同じ、との事。
南大門にしても、東大門にしても、ま
た明洞にしても、とにかく買い物日本
人が多い。それもあるが、日本語ので
きる人は多い。若者にとって日本は、
カッコイイ、憧れすらある国とか。し
かし、だからといって調子に乗ってい
ると…・。海外で、日本語を学ぶ若者
の最も多い国は、韓国。ただし、年配
の人に「貴方は日本語が上手ですね」
という時は、要注意。夕刻の一時間程
を使って、韓国人日本語教師8人の方々
との交流会。ざっくばらんに話し合い
のひととき。その後、それぞれで最後
の夕食へ。
7月6日 帰国の朝。昨夜は最後の
夜にもかかわらず、私より早く、全員
ホテルロビーに集合。そして優しく微
笑みながら一言。「先生が一番遅
い」。(言い訳・私の遅刻は3分ほど)
凄いです。誰から言われることなく、
自然体で発揮するセルフコントロー
ル。おみやげをいっぱい、鞄と心に詰
めて、仁川空港へ。今度は、ホテル前
からのリムジンバスで。激しい上下の
揺れを経験しつつ、無事!大阪へ。午
(
次ページ★へ続く)
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自然体験キャンプ
田中 守
理科
今年も自然体験キャンプは、3泊4
日の日程で、鳥取県日南町の呼子キャ
ンプ場に行ってきました。いつもと同
じように、準備から運営まで全てを高
校生のフォレスト・レンジャーが担当
し、中1、中2がキャンパーとして参
加しました。参加したのは、中1が1
7名、中2が28名、高1が11名、
高2が17名、高3が7名の合計80
名でした。
キャンプ中は天気に恵まれ、楽しい
キャンプをおくることができました。
ただ、あまりに暑く、熱中症で体調を
崩した人が多く出してしまったこと
は、大きな反省点です。来年以降の
キャンプに苦い経験として活かしてい
きたいと思います。
レンジャーの末吉さんと平松さんが
「森の掲示板」としてキャンプ中に壁
新聞を作ってくれていました。キャン
プの内容の紹介に代えて、その記事を
引用させてもらおうと思います。「森
の掲示板」はキャンプの写真と共に学
校のコンピュータ上でご覧いただけま
す。
Vol.14より「森林作業プログラム」
森林作業では他のプログラムより
ちょいと遠征して、木を切ってきまし
た。切ってきた木の量を見てちょっと
びっくり!いっぱいきれいに切れてい
ました。しかもはやくにおわってし
まったという。上手いんだ!山男にな
れるぞ!?
Vol.15より「このプログラムは
クラフト」
皆で森の中に入って好きな枝
を選んで、好きなものを作った
よ。写真のは木馬を作ってる途
中!!あとは足を作るだけ。ガンバ
レ。のこぎり、小刀、彫刻刀を使っ
て、森林作業顔負けのはたらきっぷり
だった。「生水飲むな」の看板を作っ
てくれたのもクラフトの子だったよ。
ありがとネ!
Vol.20より「フリスタ(フリースタッ
フ)竹のフシぬき」
フリースタッフのレンジャーは、明
日の流しそうめんにむけて、竹のフシ
をぬいています。この竹にそうめんを
流すのだけど、フシをきれいに取っ
て、スベスベにしておかないとそうめ
んが流れない!!明日の昼食を成功さ
せるために、絶対必要な重大作業。暑
い中細かい作業がんばってます!!!
谷川先生も途中参加でやってもらって
ます。
Vol.22より「料理コンテスト」
みんな楽しかったかな?1位とか関
係ないよ。みんなが楽しめたらいいん
だから…
1位:焼きそば(4班)2位:ぎょ
うざ(8班)3位:ぎょうざ(7班)
3時が調理の始まり。キャンパーと
レンジャーが一体となり、美味しい中
華メニューを作ってくれました。みん
なたくさん食べて、笑い、はしゃいで
(
★前ページの続き)
過ごした濃い国での濃い1週間!!」
(11年生・友井 智香)「最高に楽し
かった。ほとんど知らなかった韓国に
興味が持て、友達もできた。」(12年
生・堂腰 恵亮)「韓国の時間は、自分
を見つめ直す大きなきっかけとなり、
とっても貴重な経験でした。」(12年
生・文和年)「今でも韓国で交流した
友人とメール交換をしています。韓国
後4時過ぎ、全員にこやかに解散。
【Ⅲ】訪問後
以下の文章は、参加者の帰宅後、
1ヶ月経っての感想です。「韓国の高
校生は、自分の将来を真剣に考えてい
る事が伝わって来た。言葉の壁を越え
て、お互いすぐに仲良くなれた。」
(11年生・横川 梓)「濃いメンバーで
いたね。
Vol.24より「熱湯消毒中」
がんばってます!!み・ん・な・のため
いつもおつかれ様です。
CampLife(レンジャーの係り)のみん
なで熱湯消毒中です。みんないつもご
飯を食べるためのお皿とかを消毒して
くれるから安心してご飯食べれるので
∼す。感謝しましょう。ひまがあれば
声をかけて手伝いましょう。
Vol.29より「CAMPファイヤー」
長かったようで短かったこのCAMP。
最後の夜はキャンプファイヤー、いろ
いろなパフォーマンス、歌、ダンスな
ど盛りだくさん!どれも楽しかった
し、思い出に残るすごく良いキャンプ
ファイヤーでした。3日間、いろいろ
なイベントがあった。その中でもキャ
ンプファイヤーは、キャンプ参加者全
員そろって一緒に、同じ時間を楽しめ
たすばらしいもの。
本当にみんなと楽しめて良かった。問
題もいろいろあったけど、ここまでこ
れて、みんなでまとまって、キャンプ
ファイヤー楽しめた!!ここでやっぱ
り言いたいのは、いろんな意味で、本
当にありがとう!です。
語にとても興味を持ちました。」(12
年生・松田憲)「いろんな楽しい事を
したし、へまもした。高校生との交流
で得たものは大きい。良経験と思い
出。」(12年生・郭山植)「生まれて
初めての母国訪問。忘れかけていた母
国語が、スタートボタンが押されたよ
うに蘇って来た。5日間ではあった
が、充実した時間だった。」(12 年
生・金季実)
5
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ネイチャーゲームキャンプ
馬場博史
数学科
青少年教学の森野外活動センターに
は多数の「カウンセラー」がいる。こ
こでいう「カウンセラー」とは大学生
キャンプリーダーといったほうがわか
り易い。関西のあちこちの大学から、
キャンプが好きで、自然が好きで、子
どもが好きな大学生たちが集まり、
キャンプリーダーとしての研修に励ん
でいる。
今年夏のキャンプシーズンのトップ
を飾ったのは7/2-4の「千里国際学園ネ
イチャーゲームキャンプ」だ。キャン
プ参加者は20名、付添い教員が2名と
いう小規模の団体だが、少ない人数な
がらも中学生と高校生が混在してい
る。このキャンプに対する要望は「す
べてのプログラムを自然をテーマにし
たゲームにして下さい。」という過去
にない難しいものだった。
ダウンは女子大の4年生。これまで
いろいろな研修やキャンプ指導経験を
通してたくましく成長してきた。そん
な彼女が、「教学の森」の職員でこの
キャンプのCD(Camp Director)である
マーガーから、PD(Program Director)
に指名された。MD(Managing Director)
はヨッシー、他のスタッフはテンテ
ン、ムーン、ミルミル、ピースと、み
んな大学3・4年生の頼もしい布陣
だ。
1日目の7月2日午前10時。集合場
所の箕面駅では、一人の遅刻者もなく
キャンプ参加者全員がスタッフを待ち
かまえていた。「おはようございま
す。これから3日間よろしくお願いし
ます。」まずはここから現地までハイ
キング。その途中で班分けをして、早
速「アイスブレイクゲーム」だ。初対
面の生徒同士もすぐに打ち解けてき
た。昼食は「ハート広場」でスタッフ
が作った(うなぎ・アサリ・トマト
ソース味の)パスタがふるまわれる。
評判は上々。第3キャンプ場に着く
と、マーガーの指導で「テント作製コ
ンテスト」だ。ビニールシートと杭と
ロープを使って約3時間の悪戦苦闘の
6
末、ユニークなテントが
あちこちに完成した。あ
る生徒の感想「テントを
自分で作るのも楽しかっ
たし、またそこで一夜を
過ごすというアイデアも
良かったです。あまり寝
心地は良くありませんで
したが、とても印象に残りました。」
その日の夕食はこれまたスタッフが
作った(親子・牛・豚キムチ)丼に舌
鼓。食後はビンゴ大会「夏といえば
…」。キャンパーにとっては楽しく初
日の夜がふけていくが、「カウンセ
ラー」たちは遅くまで次の日のプログ
ラムの打ち合わせだ。
2日目の朝は「リスのクイズ・リス
探しゲーム」で始まった。朝食のあと
「ネイチャーハイキング」で森をさま
よう。昼食は自炊カレーコンテスト。
火起しから始め、隠し味にチーズ、り
んご、チョコレートを使ってできた
「作品」はどれも美味で甲乙つけ難く
審査がむずかしい。午後は「手作りク
ラフト大会」で、自然の木や葉を素材
にしたオブジェを創作する。さすがに
高校生の作品には注目が集まった。夕
食はまた自炊でヤキソバを作る。火を
起すのも野菜を切るのもみんなだいぶ
慣れてきたようだ。最後の夜はキャン
プファイヤー。テンテンが火付け役。
MDのヨッシーが雰囲気を盛り上げる。
ゲームや歌に、楽しいひとときがあっ
という間に過ぎてしまう。ある生徒の
感想「2日目は朝からリスを探しに行
きました。残念ながらリスをみる事は
できませんでしたが、大阪にもリスが
いるんだなあと感動しました。その日
の夜におこなわれたキャンプファイ
ヤーはとても楽しくて忘れられない思
い出になりました。」マーガーが苦心
して炊いてくれた「ドラム缶風呂」に
入った生徒は少なかったが、そのうち
のひとりは「初めの日シャワーでした
が、次の日はドラム缶風呂に入りまし
た。気持ちよかったです。お湯加減も
調度よかったです。初めて入ったの
でいい体験になりました。」とうれし
そうに語った。この夜キャンパーは既
設のロッジに宿泊。友との語らいに時
間を忘れる。しかし生徒の一人が怪我
をして、治療を受けて帰ってきた時は
もう夜中。この夜もスタッフは遅くま
で最終日の打ち合わせだ。
3日目は「朝の集い」で始まった。
まずは歌で目を覚まそうというわけ
だ。さすがに眠そうだった生徒たちも
朝食の「カートンドッグ」は大張り切
り。そして地図と磁石を片手にポイン
トを探してまわる「オリエンテーリン
グ大会」。しかしなんと迷子が続出。
中には車で迎えに来てもらうグループ
もあったが、全員無事にゴール。最後
の昼食は残った食材を工夫していろい
ろなメニューで「さよならパー
ティ」。みんなが食べ終わり、後片付
けがすんだら退所式・表彰式だ。みん
なスタッフ手作りの賞品をもらって大
満足。箕面駅まで楽しい会話をしなが
ら歩き、再会を約束して解散した。
「個性的な子が多いけれど、とても
素直ないい子ばかりでやりやすかっ
た。」「みんなで歌った歌を覚えてい
てくれたらいいな。」笑顔で帰ってい
くキャンパーたちを見送りながら、ダ
ウンたち「カウンセラー」は一つの仕
事をやり終えた充実感でいっぱいだっ
た。
♪僕たちは 僕たちは 友達だから
♪それだけで それだけで 幸せなのさ
♪うれしい時も 悲しい時も
♪さびしい時も 分かり合える
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マリーンスポーツを満喫 ―海洋キャンプ
井藤真由美
英語科
今年この海洋キャンプをはじめて開
講しました。理由は主に二つありまし
た。ひとつは、中等部の担任として、
中学生のみんなにもキャンプの行き先
の選択肢を増やしてあげたいと思った
こと。そして、私自身が(最近はなか
なか時間が作れないですが)、以前は
川や海でのスポーツや遊びが大好きで
あったので、自分も楽しみたいし生徒
のみんなにも海のスポーツの楽しさと
厳しさを味わってほしい、と思ったこ
とです。
7年生から12年生まで全学年を対象
として希望者を募り、抽選で48人の参
加者を決定しました。48人を8人ずつ
の6つのグループに分けましたが、縦
割りで男女も混合のグループとしまし
た。この時点で私の中にあったイメー
ジは、年齢もばらばらな男女混合のグ
ループの人たちが、協力し合って海の
生活をともにすることでチームワーク
を育て、まるで兄弟姉妹のように語ら
い、笑いあう姿でした。そんなさわや
かな笑顔や年齢をこえた友情が育つの
をたくさん見ることができたら第一回
のこのキャンプは成功といえるのでは
ないか、、、と思いながら準備をすす
めました。結論から言えば、この点に
おいては大成功だったと言ってもいい
のではないかと思っています。兄弟姉
妹というよりも、まるで父と子のよう
なほほえましい何組ものペアの姿が特
に印象的です。
現地でのプログラムには、専門の指
導員の方がついてくださるので、中学
生も高校生も同じように指導を受けて
行動するわけですが、グループリー
ダーとして、あるいは全体のプログラ
ムを企画してくれるリーダーとして、
高校生の力を事前に多いに借りる必要
があると判断し、高校生諸君を“マリ
ナーズ”と呼び、出発前に合計5 回の
ミーティングをもって事前準備に励ん
でもらいました。今回の第一回の海洋
キャンプが成功に終わったのはもちろ
ん参加者全員のがんばりと協力による
ものですが、と
くに高校生のみ
んなは、キャン
プそのものの企
画から中学生へ
のケアまで、よ
くがんばってく
れました。あら
ためて、“あり
がとう”。
【活動内容】
一日目――昼食作り、カッター訓
練、大型クルーザー体験、ロープ
の結び方講習
かげのない炎天下の昼食作りは
ちょっと悲惨でした。くたびれ果てて
のカッター訓練では恨みを込めての掛
け声が、“やき∼そば!!”Yちゃん、
カッターのオールを折るとはすごい
力。
二日目――いかだ作り、ディンギ
―体験、カヌー体験、夕食作り、
キャンプファイヤー、花火
カヌーで沈(チン)したTくん、おめで
とう。ファイヤーの時の各グループの
出し物はどこもチームワークよくって
すばらしかった。Tくん、Sくんのコン
トに大笑い。斉藤先生の怖い話もとっ
ても怖いのになぜか大笑いでしたね。
(誰や、涙流して笑ってたのは) 翔
太、ファイヤーリーダー、ご苦労様。
三日目――(希望者のみ)早朝磯
釣り、砂浜オリンピック〔だてめ
がね杯〕
秦くんの企画は大成功。砂浜オリン
ピックは暑かったけれどとても盛り上
がりました。利奈のスイカ割は見事で
した。慶が、ビーチフラッグ優勝者で
した。
【参加生徒の感想文より抜粋】
★高三がいなかったため私たち高二が
リーダーとなり、ミーティングなどに
取り組んできました。今回のこのキャ
ンプに参加しようと思ったのは、もち
ろん海洋キャンプという名にひきつけ
られたというのもありますが、中等
部、高等部が一緒に楽しむことができ
るというところに一番興味をもったか
らです。食事の準備や片付けなど、な
かなか思うように行かなかったことも
ありましたが、まずいご飯でも、みん
なと食べると少しおいしくなったよう
な気がしました。暑い中、協力しイカ
ダを作ったり、ビーチでオリンピック
をしたりたくさん思い出ができまし
た。年上、年下関係なく楽しくすごせ
たと思います。(G11)★わからないこ
とがあったりしたら年上の人が助けて
くれた。特にロープの結び方など。
(G7)★よかったところは、いろいろ
なことが初体験だったことです。カッ
ターボートなんかもしんどかったけど
初めてだし、イカダ作りもちゃんと浮
いてこげた時はすごくうれしかったで
す。(G8)★準備から、中一からのみ
んなでやったのがよかったと思いまし
た。そのおかげで出発する時にはもう
すごく仲良くなれたからです。あと僕
はリーダーだったのですが、上下関係
なくみんなと友達のように過ごせてよ
かったです。(G11)★カヌーをやって
スゴクむずかしくて大変だったけどや
り終えてとても達成感がありました。
(G8)★キャンプファイヤーは、班ご
とにだしものをしてキャンプって感じ
がして楽しかった。(G8)
■最後になりましたが、斉藤先生が写
真係を担当してくださり、すばらしい
写真集が出来上がりました。図書館に
も一部置かせていただいています。
7
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2 0 0 1
N o . 7 7
白馬岳登山2001夏 ―チャレンジ・
キャンプ
新見眞人
理科
今年も白馬岳(2932.2m)にテント装
備、寝袋、炊事道具、食料等を担いで
登ってきました。登山隊メンバーは中
等部3 年生の田中英実君、池永真央さ
ん、新見眞史君、高等部1年生の川喜
田顕君、野村岬さん、木村亮介君、高
等部2年生の諸正義彦君、引率の平井
太佳子先生と新見、そしてOBSのイ
ンストラクターの寺尾綾香(あやか)
さん、板舛隆(いたさん)さん、山口
恵美(ぱく)さんの総勢12名でした。
(私はこのキャンプのメインであった
登山についてのみ書きます。また、参
加生徒達の感想を要約し、4日間のチャ
レンジ・キャンプ全体の報告としたい
と思います)。
猿倉を朝8時30分に歩き出し、白馬
尻小屋からはアイゼンを靴に装着し大
雪渓を登り始めました。途中の岩室跡
で昼食をとり、さらに小雪渓をトラ
バースして最後の急登に挑みました。
午後4時に全員が無事に村営頂上宿舎裏
のテントサイトに到着しました。非常
に風の強い一夜で、テント全体がその
強風に押しつぶされ、ぺしゃんこにな
り夜露に濡れたテントの天井や壁の部
分が寝ているわれわれの顔や体にぴ
たっとくっつくような状況でした。翌
朝、朝食後、テントを撤収し、8時に出
発。相変わらずの強風。快晴。しばら
く登って白馬岳山頂にて登頂記念写真
撮影。さらに、三国境から小蓮華山そ
して雷鳥坂へと快適な雲上の尾根歩き
を満喫し、白馬大池で昼食と休憩をと
りました。ここを午後1 時30分に出発
し、ダケカンバの中を天狗ノ庭目指し
て下り、そして樹林帯を通り抜け、蓮
華温泉に3時40分に到着しました。一
泊二日の登山成功を記念して写真撮
影。全員が白馬岳蓮華温泉ロッジ内の
温泉にゆったりと浸かり、2日間の汗
を流し、疲れを癒しました。私にとっ
てはこれが4回目の白馬岳登山でし
た。山を登っている途中はとても辛く
感じ、いつも来たことを後悔しながら
歩いています。ただ、その苦労をすぐ
8
に忘れてしまう性格なの
で、またまた山に登るは
めとなってしまいます。
今回は、本学園でおそら
くもっとも豊富な登山経
験を持っていらっしゃる
平井先生がご自分のフル
登山装備を担いで参加し
てくれました。上記3名
のベテランOBSインス
トラクターと平井先生に生徒達の指導
はお願いし、私は全行程中まさに大船
に乗った気持ちでいられました。(い
や、実際のところは自分のことで精一
杯でした。なんとか生徒達について遅
れずに登っていこうと・・・)。
田中英実(マイケル)君:チャレン
ジ・キャンプで自分自身について気付
いたこと。日焼けに弱い。1日目のプ
ログラムであった Rock climbing が好
き。すごくがんばって登った山の頂上
は忘れられない。キャンプは楽しい。
がんばったら、なんでもできるんだ。
池永真央(まお)さん:この4日間、と
にかく疲れた。けれどもその分すごい
達成感があり気持ちよかった。登山し
たときもすごく疲れたけれど頂上につ
いて下を眺めたとき、辛かったことも
忘れてしまう感じだった。最終日のラ
ンニングは10km も走ったのは、これが
初めてだったので辛かった。ゴールの
浜辺は見えてきたとき、「あー。もう
ちょっと!」って思いがんばれた。そ
こで海に飛び込んだのが最高だった。
キャンプの最後が海っていうのには感
動したし、やり遂げて自分自身少し強
くなれた気がした。
新見眞史(しん)君:チャレンジして
一番に思ったことは、「やればでき
る」ということかな。ロッククライミ
ング、登山と下山、10km 走なんてはじ
めはとてもできないと思っていた。で
も、実際には一応全部こなし、キャン
プが終わった今は、自分でも本当によ
くやったなと感じています。
川喜田顕(エド)君:自分について、
どのチャレンジでも感じたの
は、自分は思っていたより意志が強い
らしいということ。どんなきついとき
でも、がんばろうと思えば、思ったよ
りがんばれたのがすごくうれしかっ
た。ただ、その反面、自分のことばか
りに注意が集中してしまい、周りの人
たちのことが見えなくなってしまうこ
ともあった。そのへんをこれから治し
ていこうと思う。このキャンプで学ん
だ教訓「チャレンジは自分自身との闘
いだ!」。
野村岬(さき)さん:初日のロックク
ライミングは、私が行ったことのある
他のキャンプでのものよりきつかっ
た。でも、今回はあきらめずに上まで
登れたし、自分で「登ろう」って強く
思った。2 日目からの登山は初めて
3000m級の山であまりにも辛かったの
で、何度も「帰りたい!」と感じた。
しかし、登ってきた道とこれから登る
道とを見比べて「やっぱり登る」って
思った。それは、みんながいてくれた
から、そう思えたのだと思う。ロック
クライミングも登山も、自分一人だっ
たら途中でやめた自信がある。最終日
午前中の10km ランニングが自分の目標
「最後まで給水所以外には休まない
し、また決して歩かない」が達成でき
て本当にうれしかった。3位にもなれ
たし。(1位エド、おめでとう!2位
平井先生、さすが!)。キャンプで自
分の中途半端なところがだいぶ治った
ような気がする。最後までやりきるこ
との気持ちよさみたいなものがわかっ
(
次ページ★へ続く)
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100キロウォーク
生徒たちの強い要望に答えて、今年
度ついに“復活”した1 0 0キロウォー
ク!琵琶湖のほとり沿いに日本海まで
のおよそ100キロの道のりを、わずか3
日間で歩き通す、SISサマーキャンプの
中でも屈指の過酷なプログラムです。
ところが過去の歴史を見ると、リピー
ターの参加者がたくさん居たプログラ
ムなのです。歩いた者にしかわからな
い魅力を備えた行事でもあります。
今年の参加者は、10年生11名、11年
生3名、12年生4名。「自分の限界に挑
みたかった」「大学受験の景気付けに
したい」「体力をつけたい」「痩せた
い」「家族や姉妹の絆を深めたい」
(?)というツワモノ達が集まりまし
た。
上記“歩いた者にしかわからない”
と書いたので、ここは恐縮ながらとこ
とんウチワウケで、重大事件名を列挙
してみます。事件内容など詳しくは参
加生徒の皆さんにきいてみて下さい。
○ゼリー食い過ぎ救急車事件 ○ウ
ナギ食い過ぎグッタリ事件 ○バス呼
び寄せスーパーキセル事件 ○脱輪事
件 ○日焼けで死にそう事件 ○炎天
下大遠回り事件 ○連続肉刺事件 ○
連続海中投入事件 ○地響きイビキ事
件
全国的な酷暑の中、総行程を少々短
縮しての実施となりましたが、参加者
18名のうち6名が完歩したのはまった
く立派です。どうです、通年スポーツ
活動が無くても、SIS生徒の体力は捨て
たものじゃないでしょう。
…それでは、写真集をお楽しみ下さ
い。
(引率:木村姐、田中憲兄、高橋老
師、パシリー野島。文責:匿名)
(
★前ページの続き)
チャレンジを通して、いつもの生活で
の自分の反省すべき点がはっきり自覚
することができたと思う。これまで、
なにか辛くなるとつい弱音を吐いた
り、楽しもうとしたりして、何事にも
中途半端なままに終わってしまってい
ることが多かった。しかし、今回の各
プログラムでは全く逃げ道がなかった
ため、自分でも驚くほど力を出し切
り、一つ一つのゴールに到達すること
ができました。高校2年生の半ばにさ
しかかり、これからの自分自身の進路
についても真剣に考えなくてはならな
いときです。このキャンプが日常生活
た。
木村亮介(りょうさん)君:ロックク
ライミングが意外と楽しかった。もっ
といろいろなコースにチャレンジした
い。登山はやっぱりきつい、でも最後
まで登りきれたので自信がついた。ま
た、登りたい。10kmは思っていたより
長く感じた。もう、いやだ。今は、こ
の4 日間の出来事が頭の中を回ってい
る。そして、下半身はもうガタガタで
す。本当に疲れた。自分にとって忘れ
られない思い出となることでしょう。
諸正義彦(モロ閣下)君:この4日間の
の面で良い方向への分岐点となれるよ
うに、これからも努力を続けていきた
いと思います。
最後に、あやかさん、ぱくさん、い
たさんのインストラクターの方々、そ
して裏方として車、装備、食料、調理
等を担当してくださったOBSスタッ
フの皆さんには、われわれからの心か
らの感謝の気持ちを伝えたいと思いま
す。今年度も、おかげさまで生徒達に
生涯忘れられないような貴重な体験を
させることができました。本当にあり
がとうございました。
9
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カエルニモマケズ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナ志ヲモチ
―国際交流農業キャンプ
真砂和典
理科
去年のこのキャンプは希望者が少な
くてキャンセルになってしまった。そ
れまでの3年間、細々と私が担当してき
たが、このキャンプは本当にきついこ
とに加えて、少人数では団体割引がき
かないので、往復の交通費にかなりの
費用がかかってしまうという難点が
あった。貴重な体験のできるキャンプ
ではあるが、あまり強引に誘わないの
はそこらあたりにも理由があった。
ところが、今年は20名が集まってき
た。生徒達の働く姿を見ると、やはり
来ることができてよかったな、と思
う。汗と土まみれのつらそうな表情の
中にさえ、参加者の高い『志』を感じ
ることができる。生徒達の書いてくれ
た感想は実体験をくぐり抜けてきたも
のなので説得力がある。上島さんが書
いてくれた次の文章も私にとって貴重
な宝物だ。これを読んでもらう前に、
ひとつだけ彼女のエピソードを紹介し
よう。
農業キャンプ3日目はほとんどの時
間を田んぼの雑草取りに費やした。み
んなが裸足で泥沼のような水田に入っ
てキャーキャー騒いでいるのをよそ
に、上島さんだけが長靴をはいたまま
青ざめて立っていた。彼女はカエルを
大の苦手としているのだ。無農薬の田
んぼでは一歩踏み出すごとに数ひきの
小さなカエルが足元から飛び出してく
る。それでも彼女は逃げることなく、
ゆっくりではあるが進んでいった。近
づいて来ない様にカエルに声をかけな
がら草を引き抜く姿は、おかしく、涙
ぐましく、そして美しかった。
今頃、あの田んぼには穂を重くして
頭をたれた稲の豊かな風景が広がって
いるだろう。
◇
上島由美子
高等部3年
はいどうも!由美子とDЁVの小さ
10
いほうです。まあ、もう夏休み
も明けてしまいましたね。みな
さん、夏休み何してました?私
は、高3なんで、一応受験勉強
とかやってましたね。でも、そ
れだけやったら、『高校最後の
夏休み、どんだけ楽しくないね
ん!』ってなことで、行ってきました
よ!どこにって?そりゃあもう決まっ
てるじゃないですか…栃木県にあるア
ジア学院での農業キャンプにですよ!
まあこのキャンプ、やること名前の
まんまなんですけどね。でも実はやる
こと農業だけじゃないんですよ。なん
と…アジア学院に来ている研究科生さ
んや学生さんたちと国際交流もでき
ちゃうおいしいキャンプなんです!鶏
や豚の世話、ワークショップの掃除、
野菜畑での農作業など、その他もろも
ろ学院の仕事の手伝いをしながらアジ
ア学院の人たちと同じ太陽の下、汗な
んかもダーッと流しながら交流でき
ちゃうんですよ。キャンプ初夜には学
生さんたちがお話をしてくれたり、最
終日には、晩御飯を一緒に食べて、そ
の後花火したり、マシュマロ焼いたり
しましたね、はい。いやあ、それにし
ても花火は盛り上がった!そうそう、
アジア学院の人たちは花火を手にする
と、昼間とは違う笑顔をみせてくれま
した。
いや、真剣な話、一緒に作業とかし
たんですけどね、その時々に、学院の
人たちが、ふと笑顔をこぼす瞬間が
あって、そのとき思ったんです。
『あっ、この人たち農業が好きなんだ
な…何かのために農業してるんだ
な』って。学院の人たちみんなそれぞ
れが、『母国の農業技術を高めて、国
の人たちの生活を豊かなものにした
い』とかって、心底強く大きな志を持
ちながら日々働いてるんですよね。こ
ういう思いを胸に抱きながら、ちらっ
とみせる笑顔っていうのは…格別です
よ。…私はその笑顔で、己のちっささ
をつくづく痛感しました。『自分は一
体毎日何してるんやろ…』と自問し、
自分を見つめ直しましたね。
でも、花火してるときは、『志』と
か、『母国のみんなの為に農業を…』
なんていう気持ちは一切みせず、ただ
純粋に『花火おもしれーよ!』って笑
顔をみせてくれました。ちょっと安心
しましたね、その笑顔をみて、『なん
や、私たちと一緒やん!』って。
あと、作業をしてる学院の人たちの
瞳。あったかい瞳をしてましたよ。何
であったかく見えたかって考えると…
その瞳の奥には、それぞれの家族や
国、農業をする理由が潜んでるからか
なって、ちょっと思いました。え?由
美子らしくないこと言うなって?まあ
まあたまにはいいじゃないですか。も
うちょっとだけ聞いて下さい。
とにかくね、この農業キャンプ、私
は行って良かったと思ってます。普通
に吹田に住んでたら出来ないこといっ
ぱいやって、それに、やっぱり『農
業』を通じて、人の『真』の笑顔をほ
んの一瞬の内に垣間みることが出来た
のが一番思い出深いですね。『マジ
でっ!?由美子、そんなん、じゃあう
ちらと一緒に農業したことは、なんと
も思ってへんの?!』なんてYちゃん
あたりが今頃言ってそうやけど(笑)
『そんなんYちゃん、もちろん・・・
全く何とも思ってへんよ!』ってなん
でやねんっ(笑)!
はいっ、ありがとうございました!
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非日常の生活 ―心の旅
山本靖子
英語科
今年の心の旅も高野山恵光院にて行
われました。12年生17人+11年生1人
という去年よりにぎやかな人数ながら
も落ち着いた雰囲気で、日頃のあわた
だしい生活から離れて、お寺での修行
に規則正しいながらも静かなゆったり
とした生活は、例年にない暑さを差し
引いても自分の心を見つめ直す心の旅
に最高のセッティングを与えてくれま
した。
このキャンプのメインのお寺での活
動は朝の勤行に、作務(掃除)、阿字観
で、最初は座禅を組む阿字観にみんな
なかなかじっと座っているのに苦労し
ましたが、最後の方にはだんだん慣れ
てきて、あまりに気持ちよくて意識が
消える人もいたようです。ほとんどの
人間がはじめて取り組んだ写経はなか
なか集中力を要し、最後にはみんなく
たびれたようですが、いい体験になり
ました。これらの活動に加え、お坊さ
んの協力を得ての奥の院散策や周辺寺
院の見学、そして肝試しに花火とエン
ターテイメント性も加えたキャンプと
なりました。恵光院の方々に美味しい
食事から全ての活動の準備に何から何
までお世話になりました。まだ若い
方々だったので、色々な話も出来てそ
ういう意味でも楽しい時を過ごせたよ
うに思います。2泊3日の旅はあっと
いう間で、帰りたくないという声も聞
く中、後ろ髪を惹かれる思いで高野山
を後にし、最初の集合の地、難波につ
くとすっかり気分は下界に下りてきた
天使(?!)のようでした。参加者の
多くが当初の目的にしていた“自分に
ついて考えてみる“ということはなか
なか達成できなかったようですが、
“自己発見“とはそんなに簡単にでき
るものではないこと、何にもしない時
間の大切さそういうものを友達との語
らいや様々な活動、美味しい精進料理
などの思い出とともに得た、ゆったり
と時間を使いながらも中身の濃い旅と
なりました。以下にとても印象に残っ
た言葉、食事のとき
の合掌の言葉(協
力:Kさん)とそれに
続き、参加者の感想
を記載します。(編集
上多少変更を加えて
いますので予めご了
承を。)
「一滴の水にも天
地の恵がこもっております。一粒の米
にも万人の力が加わっております。あ
りがたくいただきましょう。」
「ぼーっとするということは実は最
高の贅沢であり、時間がこのお寺の中
だけひいきされてるみたいでした。世
話をしてくれたお坊さんが皆いい人
だったのでとても嬉しかったです。」
「来る前はいろいろ不安もあったけれ
ど、実際参加すると、お坊さんたちは
とても優しかったし、普段体験できな
い勤行などをすることが出来たし、高
校最後のみんなで行く旅でいっぱいよ
い思い出が出来て、とてもよい旅だっ
たと思う。」「この旅で学んだことは
真言宗でした。仏教に新たな親しみを
感じました。」「最初の目標の自己分
析は正直言ってあまり出来ませんでし
たがみんなで過ごした時間は高校生活
においての大切な思い出となったと思
います。」「いつもはお寺とか全然興
味がなくて、家族で見に行っても楽し
くなかったけど、お坊さんとかに説明
してもらうと納得して少し興味が持て
ました。」「この3日間この涼しくて
とても居心地のいい高野山で過ごし、
色々なことをし、完全にとはいわない
けれどかなり癒されたと思います。(ス
トレス+悩み)×(高野山)3=癒し」
「暑かったけれどとても面白い旅でい
い思い出になりました。」「座禅とか
本当に何も知らなかったけれど実際し
てみると大変でしたが、毎朝早くから
お経を聞いていると何かいつもと違う
感じがして新鮮味があったし、料理も
非常に美味しかった。」「始めは阿字
観とか笑ってたけど、最後らへんは一
応集中できました。瞑想がこれからの
自分に役立ったらいいと思います。」
「始めの目標は少しでも悟りに近づ
き、落ち着いた心をもち、強い精神力
を手に入れることでしたがはっきり
いって目標は達成することは出来ませ
んでした。やはりそういうものはすぐ
にできるものではなく、色々なことを
経験し、人生にはつらいこともたくさ
んあるんだということを受け入れ、乗
り越え超えてゆく力がある程度できた
上でちょっとづつわかってくるものだ
ということがわかりました。しかしそ
れがわかっただけでもこの旅はために
なったといえるかもしれません。」
「このキャンプは自由時間が多くての
んびりしてて、そこがよいと思いま
す。」「目的の規則正しい生活と電気
製品からしばし離れるということが達
成できたので満足です。」「あまりに
も何もしなくてよい時間が長く与えら
れていた。そして自覚した。私は好き
にしていい時間に久しかった。しかし
その悟りこそこの旅の目的であったの
ではないかと思う。」「お寺での活動
はきつくてのほほんじゃなかったけ
ど、ゆっくり話せる時間が多くてよ
かったです。」「自分の生活のリズム
がきちんと整ったし、座禅などをする
にあたって集中することの難しさが身
にしみました。」
11
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<特集>夏休みの諸活動報告
高校生ワールド・
リーダーズ・
サミット
星野佑子
高等部2年
今年の夏、私は「高校生ワールド・
リーダーズ・サミット(Presidential
Classroom)」というプログラムへ参加
する機会に恵まれました。これは35ヶ
国400人もの高校生が一週間をワシント
ンDCで過ごし、世界が抱えている問
題を議論したり、世界を舞台にして仕
事をしている人たちのセミナーを聞い
たりするプログラムです。私がこのプ
ログラムに応募した理由は3つありまし
た。一つ目は世界の歴史や文化、政治
に興味があったこと。二つ目は自分の
英語がどれだけ世界に通用するか知り
たかったから。三つ目、そして最大の
理由は世界の高校生たちと世界問題に
ついて話し合い国際交流をしたいと
思ったからです。
参加した高校生の大半はアメリカ人
でした。とはいっても、その人たちの
バックグラウンドを考えると十人十
色、いや一人十色といっても良いほど
豊かな個性で満ち溢れていました。本
当に様々な人がいて、一人ひとりの個
性の強さに感動しました。そんな中で
一週間色々な人と出会い、多くの事を
話しました。自分の国や自分自身の話
から、時には現在問題となっている日
本の「歴史教科書問題」について台湾
の人と話したりもしました。一週間と
いう短い時間の中でこんなにたくさん
の人と真剣に話し合ったのはおそらく
今回が初めてだったと思います。
サミットでは人権、テロリズム,ナ
ショナリズムなどそれぞれのトピック
に分かれて話し合う「Working Group
Meeting 」が毎日夜遅くまでありまし
た。このグループでは、最終的に共同
声明コミュニケを作り上げ、各部会で
読み上げ全ての国に賛成して認められ
ることが必要とされます。また、他の
日本からの参加者と共に日本代表とし
ての立場を皆で話し合う「Delegation
Meeting」では、各国から出された意見
12
と討論の進行状態を報告し合い
「Working Group Meeting」へ新たな日
本の意見を持っていく事も繰り返しま
した。各国からの賛成権をもらうのは
非常に難しく、できるだけ世界にとっ
て平等な意見を生み出さなければなり
ませんでした。全ての「W o r k i n g
Group」に賛成意見がでるとは限らず、
反対意見がでる場合もありました。私
のグループが発表したコミュニケは残
念ながら全ての国から賛成権をもらう
事はできませんでした。けれどもほと
んどの国にとって良いコミュニケがで
きたので、私は満足ではなかったけれ
ど嬉しく思いました。
私がワシントンDCで過ごした一週間
はすごく充実感があり、ここには書き
きれない程、他にもたくさんの事があ
りました。そして一番嬉しかったの
は、私がこのプログラムに応募した最
大の理由でもある国際交流ができたこ
とです。400人全員と話すことはできま
せんでしたが100人ぐらいの人と話すこ
とができました。帰国して一番強く
思った事は、みんながどれだけ自分の
国のことを一生懸命考えているか、そ
して自分がどれだけ日本という温室で
平和ボケしていたかということです。
サミット以外にも市内観光、セミ
ナー、副大統領からの講演など様々な
アクティビティーが計画されており毎
日のスケジュールは過密でした。帰国
してほっとする反面何か物足りなさを
感じてしまうのはきっとこの一週間の
内容の濃さを実感していたからだと思
います。
最後になりましたが、このような素
晴らしい機会を与えて下さった馬場財
団の皆様、学校の先生方、いつも支え
てくれた家族と友達、そして最高の思
い出をくれた日本の仲間に心からお礼
を言いたいと思います。ありがとうご
ざいました。みなさんも機会があれば
是非参加してみて下さい。
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TIPでの3週間
大津留聡美
高等部1年
私は7月7日から2 8 日までの3週
間、North Carolina の Duke University West Campus で Talent Identification Program(TIP)に参加しまし
た。TIPは中・高生を対象として自分が
興味を持っている授業に参加するもの
で、コンピュータから歴史や政治まで
さまざまな授業がありました。
私は Advanced Lab Science に参加
し、主に化学と生物の実験をしまし
た。いちごからDNAをとり出したり、ア
スピリンをつくって市販のものと比べ
たりしました。一番大変で印象に残っ
たのは豚の胎児の解剖でした。臓器の
並び方は人とほとんど同じで、生物で
習ったのと同じだったので、「本当に
こんなふうになっていたのか」、と思
いました。
また、実験の前(や後)に、これら
の実験は何をしているのか、というこ
とを授業で学びましたが、難しくてつ
いて行くのがやっとでした。でも他の
メンバーは、よくわかっていて、質問
にどんどん答えていて「すごいなぁ」
と思いました。夜には Evening
session があって、Teaching Assistant の Seanがガンの話や神経の話な
どをしてくれました。最後の日には
NC Museum of Natural Science に行
き、帰りにみんなでピザを食べて、楽
しい Field trip をしました。
3週間のあいだはDuke 大学の寮で暮
らしました。二人部屋のルームメイト
は Amy という子で、Forensic Science
の授業をとっていました。トランプを
して遊んで、新しいゲームも教えても
らいました。また、同じ階の12人くら
いの子で1つのグループ(RAG)になっ
ていて、大学生のリーダーが1人いま
した。その人はRCと呼ばれていて、私
のRCは Shanaでした。Shana は毎晩同
じ曲をかけていたので、その曲がRAGの
みんなの耳から離れなくってしまいま
した。そのRAGで夕飯を食べたり、行事
に参加したりしました。
夜はいろんなゲームがありました。
他のグループの人も一緒になってボー
ドゲームをしたりビデオを見たり街へ
行ったりしました。また、ダンスがあ
る日は全員が庭に集まって遅くまで
踊っていました。2週間目には Lip
Sincといって、歌にあわせて口パクを
しながら踊ってだれが一番おもしろい
かを決めるイベントや、他の日にも運
動会などいろいろなイベントがありま
した。最後の日はみんな遅くまで起き
ていて、Yearbook にサインをしたり、
しゃべったりしていました。Amy は寝ま
せんでしたが、私は3時くらいで眠く
て寝てしまいました。次の朝、みんな
と別れるときはさみしくて、泣いてい
る人もいました。3週間だけでした
が、今までしたことのない事を経験で
き、T I Pに参加してよかったと思いま
す。
TIPとは、米国のノースカロライナ州にあるデューク大学主催のTalent Identification Programのことです。主に米国の中高生を対象とし
た「才能開発プログラム」の一つで、学問への興味と感心を高め、参加者
同士の交流を深めることを目的とした夏期講座です。大学の施設内に宿泊
し、大学レベルの専門的な科目の中から一つを選択して3週間集中的に学
びます。本学園からは開校以来、夏休みを利用して毎年数名のSIS/O
IS生徒が参加しています。
来年度のTIP説明会は、11月中旬に開催を予定していますので、次
号のインターカルチャー及び11月の月間予定表で日時をご確認くださ
い。
(栗原真弓:カウンセラー)
13
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TIPで遊び学んだ
山田啓志
高等部1年
ポップコーンを掃除機で吸いながら
“This sucks!!”ってちょっとおもろい
かなって思って言ってみたら、笑って
くれた。大学の寮の狭い廊下、みんな
で投げ合ってたポップコーンの袋を蹴
り飛ばしたら、雪のようにポップコー
ンが降ってきて、あたり一面の銀世界
に「これはヤバイっ!」と気づき何と
かしなければと思ったときには時すで
に遅し、怒られて、しぶしぶと掃除機
を取りに階段を降りて行った。「でも
いいんだよ、たのしいから、掃除す
りゃ廊下はもとどおりになるから、で
も今、この瞬間アホやって、怒られて
掃除させられるのは今しかできな
い」、そう自分に言い聞かせてた。け
して言い訳じゃない。そう思って、ま
た掃除しなからアホなことやってたら
再び怒られた。「でもやっぱりいいん
だよ。」こいつらと遊べんのあと4日
しかないんだからって何回も思って
た。最初はほんとにアメリカ人の異常
なまでに高いテンションに付いて行け
ないと思い、怒られるのもイヤやしあ
んま深入りせんとこっておもってた。
でも時が流れるに連れてものたりなく
て、なんとなくもっと一緒に遊びた
いって思いはじめた。その日からおれ
はアホになった。ペットボトルのフタ
を走行中の車に投げつけたり、スプリ
ンクラー使って暴れたり、廊下でアメ
フトやったり、寮の窓の外を通る違う
キャンプできてるやつらに水風船で夜
間攻撃仕掛けたり、ほかにも忘れちま
うくらいいろいろやった。一緒にいれ
ば常にアホだった。毎日怒られて消灯
なんて存在しなければ終わりのこない
毎日だった。
でもただ単にアホだけじゃないって
のがこいつらのかっこいいところだ。
みんなとことんふざけるけど、とこと
ん究極まで求めることができるヤツ
ラ。中途半端には終わらせなくて、知
識をちゃんともち合せている。歯みが
いてるときでも昼メシを食べてる時で
14
もその場に関係な
く、核兵器につい
て議論していたり
キリスト教のこと
を語り出したりメ
シに全然手をつけ
ないくらいに熱戦
になってたりもし
た。そんな彼らが
かっこよかった。
アホなくせに、ア
ホじゃない。アホ
だと勝手に思いこ
んでたやつがいきなり“160デシベル以
上(多分そんなんやったと思うけど)
の音だと心臓って停止するねん”って
教えてもらって、おれは、まじか
い?って尊敬しなおした。しかも、
めっちゃジョークを交えて話してる。
アホの中にも知識を知識の中にもアホ
を入れて話せる、そして遊べる、なん
か両方中途半端に終わっちまってたお
れにはとてつもなくカッコよくて、日
本のやつらよりずっと大人に見えた。
ちなみにおれはTIPで遊んでばかりい
たわけじゃない。ここにきてるやつ全
員できる奴らだから、まじめにやらな
きゃ落ちこぼれる。心理学も、かなり
がんばった。ほかの奴らに負けたくな
かった、日本からきてるからって違う
目で見られたくなかった。最初は本当
に心配で3週間がとてつもなく長い時
間のようだった。でも、行ってよかっ
た。行こうと考えてるひとらにはぜっ
たい勧めたい。人生を動かす刺激があ
るかもしれない、そうでなくても普段
の生活を変えたくなるような刺激は絶
対に見つかるから。
千里国際学園基本方針
千里国際学園では、自分の
行動に責任を持ち、よい人間
関係を維持していく能力が、
生徒各自に備わっていると信
じます。この考えにもとづい
て、次のような行動の目安が
つくられています。
<5つのリスペクト>
自分を大切にする
他の人を大切にする
学習を大切にする
環境を大切にする
リーダーシップを大切にする
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カナダで過ごした夏
松村直子
高等部1年
私は、今年の夏、7月3日から7月
20日まで、カナダのオンタリオ州で行
われた Conestoga Bible Camp という
デー・キャンプのカウンセラーに採用
され、参加しました。そのキャンプ
は、私が小学生の頃から毎年日本から
キャンパーとして参加しているものな
ので全てが初めてというものではあり
ません。しかし、世話をしてもらう方
からする方になり、全く逆の立場に
なってしまいました。
Conestoga Bible Campには、7歳
から14歳の子供達がキャンパーとし
て朝の10時から夕方の4時30分までの
間、2週間土日以外全ての日にやって
来ます(しかし、カウンセラー達は、
キャンプの施設に泊まって仕事をす
る)。キャンプでは年齢ごとにグルー
プ分けをします。そこで、私を含めて
3人のカウンセラーが、8人いる7歳
児の担当となりました。元気いっぱ
い、はしゃぎまわり、とてもかわいい
子供達でした。膝にのってきたり、
くっちょぐっちょに自分が知っている
ことや、うれしかったことなど、自分
の飼っている犬の話をしてくれたりし
ます。しかし、時にはいたずらをした
り、行ってはいけない湖の近くの崖に
行ったり、木の枝を持って振り回した
り、石を投げたりもします。そんな
時、私達カウンセラーは決して怒った
り、その子供のやっていることを否定
したりしてはいけません。これは前
もって教わっていたことで、私達はそ
の子供達に常に行動を見られている、
いわばお手本のようなものだからで
す。子供達に、万が一のことがあった
場合を考えて、どうしても注意しなけ
ればならない時、例えば、石を投げる
子供に対しては、“Rocks loves to
stay at the ground with their
friends”というように注意をしま
す。この注意で、ほとんどの子供が石
を投げるのをやめるのですが、こりな
い子供はもちろんいて、そういう子供
に対しては、“If you got separated
with your
good friends,
won't you get
sad? I think
those rocks
are sad
too.”と言う
と“Yeah, I
think so
too.”と答え
てやめてくれ
ました。「こ
んな子供だま
しのようなこ
とで石投げをやめるかなあ」と思うか
もしれませんが、怒って石投げを無理
にやめさせ、両方気分を悪くして、楽
しい時間を過ごせなくなるより、ずっ
といいのです。自分がその子供の立場
だった時、どうしてもらいたいか、そ
れが一番子供と接する上で大切なこと
だということを私は学びました。別
に、カウンセラーについての特別なマ
ニュアルはありません。ただ私の経験
上、子供と一番仲良くなれる方法は、
自分を子供より上の立場だということ
を子供に意識させないために、するこ
と全てにプライドを捨てて、一緒に幼
稚なこともしたりすることです。なか
なか、複雑な立場ですが、私は子供が
好きだったのでストレスもなく、とて
も楽しく有意義な時間を過ごすことが
できました。
また、一緒に寝泊まりした同じ年頃
のカウンセラーたちとも友情が深まり
ました。キャンプを出る最後の日の夕
食の時、キャンプディレクターが日本
人である私のためにナイフやフォーク
を使わずにお箸を使って食べることを
企画してくれました。しかし、このこ
とは、どのカウンセラーにも前もって
知らされていなかったので悪戦苦闘し
てジャガイモやグリーンピース、ポー
クを食べることになりましたが、私を
変に外人扱いせず、みんなが友達とし
て接してくれて、とてもうれしく思い
ました。
このように今年の夏は、子供達の純
粋な心と同世代の友達のあたたかい心
に触れ、感動と思い出が残る日々を過
ごすことができました。
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3週間の New Zealand life
曽我部友紀
中等部2年
<New Zealand>
私は、この夏 N e w Z e a l a n d の
Hamilton で3週間を過ごしました。南
半球なので日本と季節が逆です。日本
から11時間、飛行機に乗って着いたの
が Auckland という大きな都市です。そ
して2時間程バスに乗り Hamilton まで
行きます。外の風景を見ていると気づ
くのが、ほとんど家が一階建てである
という事です。(まぁ二階建ても、あ
りますが一階建てに比べ、かなり高価
なそうです。)Hamilton は Auckland
に比べ自然が豊かで少し田舎です。
<ホームステイ>
今回 New Zealand へ行くのは4回目
で毎回、同じ所でホームステイをさせ
てもらっています。そこには Colleen
と Brian という仲の良い老夫婦が住ん
でいます。その人達は留学生を受け入
れるのも10年目という大ベテランで、
毎年、私を孫のように可愛がってくれ
ます。家では Colleen と片言で言い合
いをするほど親しく、とてもリラック
スできました。2人はとても日本が好
きで日本の置物が所々に置いてあった
り、お寿司を食べる時は、ご飯が真っ
黒になるほど、しょうゆとワサビをつ
けて食べたり、マヨネーズも愛用して
います。又ほとんどの家庭では靴を履
いたまま家に入りますが、この家では
日本と同じように靴を脱ぎます。そし
て2人とも、それぞれ Colleen は編物
とガーデニング、Brian はゴルフという
ように趣味をもっていて毎日楽しんで
います。2人は教会のボランティアに
も参加していて、とても優しい心の持
ち主です。Brian も Colleen も私に分
かりやすいよう、ゆっくり喋ってくれ
たり簡単な単語を使って話してくれた
りしたのであまりホームステイで苦労
はありませんでした。
<ドキドキの初登校>
今回は、中学二年生になったし英語
の勉強もしたいと思い現地の英語学校
へ通いました。その為、期待と不安で
16
いっぱいでした。
初日クラスへ行く
と、2人の女の子
がいました。その
子達は韓国人で長
い期間
New
Zealand に滞在し
ているそうです。
彼女たちはなにも
分からない私にい
ろいろ授業の事な
どについて、とて
も親切に教えてく
れました。クラスメイトが、教室に
戻ってきて私がとても緊張している
と、皆 Hello! と声をかけてくれて、ま
るで前から居たかのように接してくれ
た為、明日からの学校生活の不安が無
くなり楽しみになりました。
<コミュニケーション>
クラスは10人というかなり小さいも
ので、ほとんどが韓国人で日本人は私
1人でした。だから、私は日本語を教
えてあげて、友達が韓国語や中国語な
どを教えてくれました。英語だけでな
くいろいろな国の言語や文化の違いを
学びました。お互い英語はあまり上手
ではないけど、絵やジェスチャーなん
かで通じる事はたくさんありました。
伝えたい事があれば必ず伝わるのだと
いう事を実感させられました。しか
し、これと反対に国が違う事で苦労し
たり嫌な思いをしたりした事もありま
す。例えばランチタイムの時、私はい
つも仲の良い韓国人の子に誘われて韓
国人ばかりの中で一緒にランチを食べ
ます。私は別にそんな中で食べる事を
意識していませんが、皆思うように英
語で喋れない為、どうしても母国語
(韓国語)で喋るのです。私には、も
ちろん韓国語は分からないので少し孤
独な感じがしました。しかし、このよ
うな体験をしたからからこそ難しさ、
そして素晴らしさをそれぞれ身にしみ
て実感できたので本当に良かったで
す。 <English>
最初、授業はハードで全然分かりま
せんでした。しかし不思議なもので何
日かしたら、だんだんと慣れてきて先
生のいう事も分かるようになり、授業
が楽しくなりました。知らないうちに
身についているのだなと嬉しく思いま
した。そして今回、知り合った人達と
メールなどで、これからも交流があれ
ば良いと思います。 <今の私>
帰国すると New Zealand は冬だった
し日本が夏真っ盛りだったので気分が
悪くなりました。それと同時に New
Zealand から帰ってきて寂しい気持ち
と、ホットした気持ちを感じました。
そして家に帰って数日後、祖母に「前
より、ありがとうってよく言うように
なったね!」と言われました。確かに
そうです。New Zealand では家庭の中
(夕食の時、塩をとってあげただけ)
でも、しょっちゅう「Thank you!」とい
う言葉を使います。実際、それは当た
り前なのだけど、私達がつい忘れてし
まう事です。3週間しかいなかったか
ら英語は、あんまり上達しなかったけ
ど「Thank you 」だけは言えるように
なったし、まぁいいか。
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Australiaでの2週間
三嶋惇平
中等部2年
僕はオーストラリアに2週間いきま
した。まず、始めの2日はファームス
テイをしました。チェラバーというと
ころで馬に乗ったり牛の乳搾りや、
ブーメラン、羊の毛刈りショーをみた
りしました。そこで2日間過ごした
後、ホストファミリーの人達にあいま
した。そして、家までいって、家族を
紹介されました。家族は、高校2年生
と中学3年生のお姉ちゃんと、小学校
5年生と4年生の男の子と、お母さん
とお父さんの6人家族です。そして、
ペットが、2匹の犬と、3羽のアヒ
ル、15匹のにわとりです。とても庭が
広く、いつでも犬が走り回っていまし
た。
いよいよホームステイが始まり、英
語で話せるかとても不安でした。で
も、大丈夫でした。むこうの人も聞き
取りやすいよういにゆっくりしゃべっ
てくれたり、僕が話すときは静かに聞
いてくれたりして、とても優しくして
くれました。午前中に英語のレッスン
がありました。レッスンといっても、
日本のものとはちがって、会話が多
かったです。文法はあまりやりません
でした。レッスンで、子供達の運動会
をみにいったり、学校で折り紙を教え
たり、展望台にいったりしました。む
こうの学校などで、英語の環境に少し
なれることができました。午後は町に
いって、ショッピングをしたり、遊園
地みたいなところにいったり、コアラ
やカンガルーを見にいったりしまし
た。カンガルーに餌をあげるとき、す
こし恐かったです。遊園地などで、
ショーがありました。英語で、しかも
早口だったので、あまり聞き取れな
かったけどとてもおもしろかったで
す。
日本と大きく違うのは、やっぱり食
べ物でした。朝ご飯は、大体の人はシ
リアルを食べます。シリアルも日本の
コーンフレークとはちがって、砂糖の
こなのようなものがたくさんかいって
いて、とても甘いです。トーストもあ
りますが、付けて
食べる、バターや
ジャムなど、日本
と味が違うのであ
まり僕はたべられ
ませんでした。昼
ご飯は少ないで
す。なぜなら、ア
フ タ ヌ ー ン
ティーっといっ
て、日本のおやつ
みたいなのが必ず
あるからです。そ
れと、ランチで一
つの昼ご飯みたいなかんじでした。夜
ご飯は、ふつうですが、少し少なめで
した。この家族だけかもしれません
が、あとに必ずデザートがあるからで
す。それでちょうどいいようにだされ
ていました。ご飯を食べた後はテレビ
をみたりしていました。英語だからわ
からないけど、きいていると少しは英
語の勉強になります。あとはもう、す
ぐ寝ていました。
シャワーは、これも日本とちがっ
て、ご飯の前に必ずはいっておきま
す。理由は僕も知りません。
毎日こんな感じで、あっというまに
2週間がすぎました。ホストファミ
リーの人達と別れるのはとてもさびし
かったです。色々おせわになったし、
本当に感謝しています。日本にかえっ
て、この2週間はとてもいい経験に
なったとおもいました。英語も少し分
かるようになったし、むこうの人とも
なかよくなれたし、とてもいい2週間
でした。
本校は、1998年度より、そ
れまでの4学期制から各学期同
授業日数の3学期制(60日×
3)へと移行しました。4月∼
6月を春学期、9月∼11月を
秋学期、12月∼3月を冬学期
と呼んでいます。
また1999年度には、大阪国
際文化中学校・高等学校 (OIA)か
ら千里国際学園中等部・高等部
(SIS)へ校名変更。同時に、中
3以上の授業は一部を除いて
「学期完結制」となり、高等部
では学期ごとに単位が認定され
るようになりました。このた
め、各学期で履修科目、時間割
が変わります。
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ユニセフ子供&若者セミナーin KAWASAKI
奥村 舞
高等部1年
はじめに
さて、つい最近も日本の警察官が買春
にかかわったという衝撃的なニュースが
ながされた。日本が買春・売春両方の大
市場となっている事は私も言われるまで
自覚が全く無かった。確かに、深く目を
やってみると日本は性産業であふれか
えっている。町にある風俗店の看板、コ
ンビニで売られるポルノ雑誌…。世界中
のポルノのうち、80%を日本が占めてい
るのだ。私たちは性について軽い考えを
持っていないだろうか。こんな現状の裏
では、世界に、特にアジア、アフリカで
未成年に対する商業的性的搾取が行われ
ている。
私は8月27日∼29日の3日間、神奈川
県川崎市で行われたユニセフの合宿式セ
ミナーに参加した。これは子供の商業的
性的搾取(CSECという)や性的暴
力、子供の権利などについて学び、話し
合い、理解を深める参加型のワーク
ショップである。このセミナーの特徴
は、「若者による、若者の参加」であ
る。実際に世界でこれらの問題に巻き込
まれている子供たちと同世代の若者、あ
るいは子供達が話し合うことによって、
私達の視点から見た解決法をさぐってい
くものだ。まず私がこのセミナーを知っ
たのは、季節ごとに送られてくるユニセ
フのニュースレターに第1回セミナーの
様子、そして今回の参加者募集の記事が
載っていた事からはじまる。結果的に、
このUNISEFのセミナーは私に大きな影響
を与えた。具体的に言うと、「若者にも
できる」ということを若者達によって実
感させられた。そこで出会った人達はみ
んな子供の商業的性的搾取に対し、ある
いはどんな問題に対しても熱心だった。
私はこれから、そのセミナーのうち、私
が参加したいくつかのワークショップを
紹介したいと思う。
◇
買春とは
ところで、みなさんは「買春(かい
しゅん)」という言葉を知っているだろ
うか。多分、多くの人は「売春(ばい
18
しゅん)」というものは知っているだろ
う。私達は、CSECについて学ぶ時、あえ
て「買春」を使っている。なぜかと言う
と、この問題の多くの場合に子供が大人
から性的虐待を受けていて、これは買っ
ている大人側に責任があると考えるから
である。日本も海を越えてこの問題に深
く関わっている。旅行会社から「買春ツ
アー」で、アジアの売春宿をまわって未
成年相手であっても性的行為をしている
実態がある。そして深刻なのはもちろ
ん、「子どもだから何をしてもいい」と
いう考えのほかに「貧しいからお金を恵
んであげているんだ」と言わんばかりの
態度で臨む人もいること。貧しいけれ
ど、他にも働く道はあるんだよと教える
ことができるのが先進国に住む日本人の
立場ではないのだろうか。
◇
一日目・オリエンテーション
私達のプログラムはオリエンテーショ
ンから始まった。まず、スタッフの紹介
を受けたときに私が驚いたのは、5つの
NGOの人達が私達にワークショップを開
いてくださるのだが、全員が私とほとん
ど年の違わない若者であったということ
だ。予想していたのは年配のベテランさ
んだった。けれど、若者である彼らはす
ごく行動力があって、私たちをリードす
る力があったので私はつい見とれてし
まった。特にある一人の人に私は感激し
て「なんでそんなに自分の考えを持って
いて人前でもうまく話せるんですか?」
とつい、尋ねてしまった。すると、「昔
から色んな人とかかわってしゃべってき
たからじゃないかなあ」と何気ない答え
を返された。でもなんだか納得できる。
人と触れ合うのは大事なことだと思う。
でも、彼女がしっかりしているのはそれ
だけが理由ではない。自分からCSECに興
味を持ち、実態調査をしたり、いろんな
活動に積極的に参加してきたその努力の
過程で身についた賜物なのだろうと私は
思う。
◇
学習会−マニラ会議の報告−
初日の学習会は2つあった。1つはセ
クシュアルライツワークショップ・ルン
ドゥヤン劇団(フィリピンの路上、広
場、施設で演劇を元に子供の権利を訴え
ているグループ)によるワークショッ
プ。もう一方が、私がうけたNGO“エク
パットジャパン”の人達による、去年の
5月に開かれた「子供の商業的性的搾取
に反対する若者の世界会議(通称マニラ
会議)」の報告である。そこで私は、会
議の様子を聞く事ができた。そこでは世
界の29カ国から若者代表が集まり、まず
アジア、ヨーロッパなどの地域会議が開
かれ、各国の報告をしあったそうだ。そ
の後、全体会議ではアジア地域の報告と
して、一つにまとめあげたパフォーマン
スができあがった。これは後の感想で聞
くと、団結によって、他の国々と問題に
取り組む意識の確認ができたそうだ。そ
の内容はスクリーンで見せてもらった
が、歌や踊り、寸劇など、言葉の壁を越
えて若者が国を代表し、一番伝えたいこ
とを体ごと表現したものであるように私
には写った。そのほかにも国ごとに状況
を報告しあったらしいが、私の印象に
残ったやりとりがある。会場で、あるケ
ニア人の女性が「何故、欧米の人達はア
ジア、アフリカから子供を買っていくの
か。それは欧米に子供がいないから
か。」という質問をした。それに対し、
とまどいながらも米国の男性答える。
「未だに根強い人種差別が残っているか
らだろう」と。会場の雰囲気が重いな
か、スウェーデンの男性が「今は互いを
責め合うための時間ではなく、それをな
くすために話し合っているのではない
か」と指摘する。そして会場は拍手に変
わった。その男性も幼い頃に、自分の体
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
を売った経験があるらしい。私は、はっ
きり言って自分の国が責められるのは恐
い。なんと答えたらよいのか迷うだろ
う。謝るべきなのか反論すべきなのか。
例えば戦争の面でも日本はアジア諸国に
とっては大きな加害者である。話は戻る
が、私は、世界会議で多くの地域から多
くの人が集まる事には、大変意義を感じ
る。互いの国同士の欠点や責任を問いた
だす事も必要だが、私たち若者にはそれ
を乗り越えて団結できる力があるのでは
ないだろうか。アジア各国から、「日本
はアジアの良い手本となってほしい」と
要望があったそうだ。日本は技術などの
面でアジアをリードする存在にある。だ
から人権を守る面でもアジアがよい真似
をできるようになってほしいという事
だ。例として、日本のマスメディアがあ
げられた。ケータイなど私たちの生活を
便利にするものによって起こされる
CSEC。テレビやテレビゲームによる子供
への悪影響。私は、日本がいろんな世界
のトップを目指しているように感じられ
る。おそらく私と同感の人は世界中にも
多くいるだろう。私が日本を好きで暮ら
しやすい良い国だと思うのと同時に、ア
ジアの人達からも日本を認めて欲しいと
強く願う。彼らから大きな信用を得るた
めにも、日本は人を第一とおく体制を築
き上げなければいけないと思う。 その
他、初めて知った各国の状況がある。例
えばアフリカに関して。みんなは、アフ
リカと言われて連想するものはなんだろ
う。飢餓、人種差別…。アフリカでも
CSECの問題は大きい。しかし世界からス
ポットライトを浴びているのは他者のほ
うだ。感じた事だが、世界は子供の売
春、買春に背を向けていないだろうか。
子供はまだまだ弱い立場、大人のコント
ロール下にあり、又、世界は性という問
題に対しあまり重要視していないように
感じる。こういう状況を変えるために
も、マニラ会議によって世界中から若者
が集まる事は意味のあるものになったに
ちがいない。
◇
ルンドゥヤン劇団によるワークショップ
その晩、昼に行われたワークショップ
の続きとして、フィリピンから来たルン
ドゥヤン劇団の代表の方が性について話
してくださった。実は私は昼、別の学習
会にでたので、なんだかいまいち分から
なかったのだが参加させてもらった。彼
女が私にとても大切な事を教えてくれ
た。それは、彼女が性(男女)をダイレ
クトに話してくれた事だった。私たちは
性について偏見をもっていないか。性に
ついて話す事をいやらしがったり、恥ず
かしがったりしていないだろうか。けれ
ど、私たちは自分の体のことを知る必要
がある。それは、私たちが性について知
らないと、自分や他人の体を大事にしな
い、つまり買春や性的虐待が起こりうる
のである。私たち一人一人に権利がある
のと同時に、私たちの体には自分しか触
れる権利の無いものだってある。これは
とても大事なことである。
◇
二日目・インプットの時間
毎朝、私たちは6時に起床して劇団の
人達が毎日やっているというすさまじい
体操をした。ルンドゥヤンの団員だけが
余裕の表情で、私たちは四苦八苦だっ
た。おかげで目がぱっちりとあき、また
すぐ始まるプログラムに向けて気合が
入った。この日は、インプットの時間と
いって、5つのN G Oがそれぞれひらく
ワークショップを全てまわるというもの
であった。はじめにいった部屋では2枚
の絵を描いた。自分が小さい頃の絵、そ
してもう一枚は私の考えるunhappyな子
供の絵だ。私の小さい時の絵については
あえてコメントを控えるが、unhappyな
子供の絵には戻る家と家族のない孤独な
ストリートチルドレンを描いた。私は今
まで飢餓にいる子ども達ばかりに注目し
てきた。しかし、なぜこの時飢餓の子ど
も達ではなくストリートの子どもを描い
たのかというと、飢餓の子どもでも家族
がいれば彼らにはまだ大事なものがあ
る。ストリートの子どもはそんな家族か
らも見放され、自力だけで生きている。
通常日本で子どもは必ず誰かに守られる
べき存在なのに、こういう子供たちは考
える能力が十分備わってない頃から誰に
も頼らず生きている。そういう子供達に
誰か安心できる大人がそばにいてほしい
と願いながら絵を描いた。次の会場では
児童買春についての知識を確認するため
にグループになったが、別に何について
話しても全く良さそうな雰囲気だったの
で私を含めた4人でいろいろな話をし
た。みんなどうやってこのような機会を
見つけたのかとか、学校での問題に対す
2 0 0 1
N o . 7 7
る取組みはどうかなど。大学生のお兄さ
んが、私たちをうらやましがっていた。
「もっと若いうちに君らみたいに色んな
ことやっとけばよかった∼」。又私が気
づいたことで、性的虐待をうけた後も苦
しみを乗り越えてきた人のことを
SURVIVERともいうのだが、それがかえっ
て差別的な表現に聞こえないだろうかと
思った。生き残っているという言い方
に、なにか差別の音が聞こえるのは私だ
けではないだろうと思う。ただ、これは
虐待を受けた人が一番良く分かる事なの
だろう。このほかVICTIMや、WARRIORと
いう呼び方もある。私はこうやって他の
地域に住む人、あるいは異なった年齢で
異なった環境にいる人と話す機会をも
ち、とても視野が広げられた気がする。
私のようにSISで日本ですすんだ教育を
受けているとなかなか感じられない日本
の教育の現状も、このセミナーに参加し
て初めて実感させられたものだった。
もっともこの合宿には強い意志を持った
人達ばかりが集まってきたのだが。例え
ばむこうでしょっちゅう耳にしたのが、
「性教育が少なすぎる」という声だっ
た。それは先生が教えるのを拒んでいる
からだとみんなは言う。日本は今まで性
についてまったく教えてこなかった。タ
ブー視してきた。保健の先生が男の人が
多いようで、教えるのを大変恥ずかし
がっているようだ。もちろん、私の学校
では若い男の先生がちゃんと全て教えて
下さっている。次の部屋ではビンゴゲー
ムを通して、子供の権利条約について学
んだ。「世界で子供の権利条約に調印し
てない国は?」答えはなんとあのアメリ
カ(とソマリア)である。私はアフガニ
スタンやアフリカが怪しいなと感じたの
だが、大きく的が外れた。アメリカの考
えによれば、条約を結ぶ必要はないだろ
うという。確かに客観的に見ればアメリ
カは子供の人権を守っているように見え
るが、私としては、世界をリードする国
として条約締結に参加しなければ信用で
きない。
◇
二日目・ワークショップ
午後はまたちがったワークショップが
あった。7つあるうちから2つ好きなも
のに参加できる。私がいった2つのう
ち、一つを紹介したい。元参議院議員清
水澄子政務秘書の宇佐美氏による「『子
19
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
供の商業的性的搾取』問題に対する日本
と世界の取り組み」についての講義だ。
私はこの講義を受けたことによって、子
供が調べて感じる範囲以外のものの見方
ができた。それは日本政府が問題につい
てどの程度の意識を持っているか知るこ
とができた。96年にストルックホルム会
議が開かれ、日本からも外務省などから
代表がでた。ここで日本は自国の性産業
の現状を知りショックを受ける。もちろ
ん海外から日本へ苦情が出た。日本は国
内でも海外でも被害者を出している、な
んとかせよ、と。日本は世界のポルノ産
業のうち80%をも占めている、性産業の
根拠地だったのだ。現在、未成年に対す
る性犯罪の法律の適応範囲には曖昧な点
が多く、これによって未成年の被害者は
傷つけられることも多い。現在の法律で
は被害者の感情よりも、社会的な風紀を
考えられた法律となっている。「悔し
い。我々がこれから考え直さなければな
らない課題だ」と、宇津美さんはおっ
しゃっていた。法律と現状を比較しなが
ら専門家の話をもとに考えることがで
き、大変勉強になった。
◇
ルンドゥヤン劇団・ユニセフ子どもネッ
ト
この晩、先のルンドゥヤン劇団の人達
が劇(踊り)を見せたくれた。彼らの演
技の中で音声はほとんどないが、売られ
る子供、性的虐待を受ける子供、大人や
周りに助けを求めるが受け入れてもらえ
ない子供がいた。それはほんとにリアル
さを感じさせるもので苦しそうで今にも
泣きそうな顔で大人のされるままである
子供の弱さを感じた。見ながら、今も傷
つけられている子供たちのことを想像し
て心がきりきりと痛んだ。子供の権利を
守るというのは、子供に辛い顔をさせな
いということだと思った。また同時に、
私たち若者にできることのヒントとし
て、このように劇を通しても買春の現状
を広められるのではないかと気づかされ
た。この後、友達に誘われて「ユニセフ
子供ネット」の話し合いに参加してみ
た。「子供ネット」は17才までの子供達
がネット上で論議し、意見交換すること
をメインに実際にも会合をもつこともあ
るらしい。はじめ、はっきり言ってあま
り期待してなかった。どうせみんなで集
まっても関係ない話ばかりで時間がたつ
20
2 0 0 1
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のだろうと。けれどいってみてほんとに
驚いた。高校2年生の数人がメンバー全
員をまとめ、うまく話をすすめている。
彼らは、9月に開かれる「国連子ども特
別総会」へ、子どもの権利を守るための
意見書を提出する。その意見書の内容を
話し合っていた。私は「子供の労働」に
ついての論議に参加したのだが、みんな
がそれぞれ意見を持っていた。各自が問
題に対して深い意識を持っていて、日常
の中でも問題を実感していたり、世界の
情報を集めるためにCNNやBBCはほとんど
の人が見ていた。ここの話で初めて聞い
たのが、「学校で勉強することよりも仕
事をすることのほうを望んでいる子供も
多い」ということだった。私たちが話し
合っていた内容は、子どもには教育を、
という考えが多かった。しかし、現実に
貧しい子どもが生きていくために必要な
のはお金であり、彼らの求めているもの
は仕事場の環境が良くなる事だったの
だ。私たちが話し合って提案しても、決
して途上国の人の望みに一致するとは限
らないと、初めて気づかされたのだっ
た。私たちは、できるだけ客観的になり
過ぎないようにと努力した。いろんなこ
とを考えながらの話し合いはとても意味
のあるものだった。みんな自分の考えを
言うことになにも抵抗はないし、無論あ
の空気だと意見を言わないほうが恥ずか
しいぐらいだった。私もいろいろ知って
いるつもりだったのだがみんなはそれ以
上であるような気もし、必死だった。こ
れほど有意義な時間を過ごしたことはあ
まり思い当たらない。お互いに考えを交
換し合いながら知識を深め合えた。自分
の意見に対しみんなが「そうだよね」と
共鳴してくれたときはとてもうれしい
し、逆に私の意見に反対の人がいて、そ
の人の意見に納得させられたこともうれ
しかった。自分だけで考えるよりも、色
んな人の意見に影響を受けた方がほんと
に正しい答えを見つけられると思う。夜
遅くまで白熱した討論が続けられてい
た。私は12時になると自動的におやすみ
モードにはいるので途中でぬけさせても
らったが、何人かの人達は夜中の3時ま
でがんばっていたと後から聞いた。
◇
横浜会議にむけて代表者選抜
言い遅れたが、このセミナーの目的の
一つとして、今年の12月13日から20日に
かけて横浜で開かれる『第二回子供の商
業的性的搾取に反対する世界会議』の日
本代表33名をこのセミナー参加者から選
抜することになっていた。選抜方法は、
セミナー実行委員会によって話し合われ
た結果「年齢に偏りができないように」
選ばれることになった。高校生は大勢い
たが予定を1時間も越える話し合いの結
果、いくつかのグループに分かれて、そ
の中で各自自分の主張をした。そこで私
は投票によってそのうちの一人に選ば
れ、今度の会議に参加させてもらえるこ
とになった。とても楽しみにしていたの
でこれほどうれしいことはない。私が行
けるようになったのも、SISで先進的な
教育を受けていることが、大きなウェイ
トを占めていると思う。みんなは私が世
界会議で性教育の大切さを世界に伝える
ことを期待していると思う。12月までの
間、私自身もCSECについてもっと学び、
意見を持たなくてはならない。
私がこのセミナーをとおして今最も必
要だと思ったことは、子どもが虐げられ
る現状が、表でも裏でもなくなること。
それには被害国だけではなく、たくさん
の力が世界中に必要ということ。もは
や、一つの国だけで解決できる問題では
ない。そして、もし苦痛にあったら、後
に社会復帰できる体制がまだまだ整えら
れていないということが、私が一番気に
かかったことだ。いろんな人にもどうし
たら良いのかと尋ねてみたが、多くの場
合問題は貧困によって生じるものであ
り、完璧な社会復帰はあまりないらし
い。一度は売春宿から逃げ出して一時的
に施設で過ごし、そこで編物などの職業
訓練は受けるものの、それで復帰が保証
されたわけではない。経済状況の悪い
中、職を失ってしまい再び売春宿に戻っ
たり重労働に就かざるえないことがよく
ある。一度開放された悪夢に再び戻る子
ども達の辛さはどんなに大きなものだろ
う。私はもっと施設の規模をひろげて、
組織として子どもたちに仕事を供給でき
ればと思うのだが、今の段階ではごく少
数のNGOの力によるもので、彼らの費用
にも限りがある。子ども達は家族のため
にお金が必要なので、とにかく仕事が必
要だろうし。こんな現状を一刻も早く改
善したい。
◇
(
次ページ★へ続く)
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2 0 0 1
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国立環境研究所サイエンスキャンプ
末吉なつ香
高等部2年
私はこの夏サイエンスキャンプに参加
しました。サイエンスキャンプというの
は、高校生が国の様々な研究機関へ行
き、そこで科学技術を学んだり、体験し
たりできるプログラムです。私はその中
の一つの研究機関である、国立環境研究
所地球環境モニタリングステーションと
いうところに行ってきました。場所は北
海道根室市の落石岬で、まだ8月だとい
うのに長袖のウィンドブレーカーを着て
いても寒いところでした。そこでは主
に、地球温暖化の原因である温室効果ガ
スの観測を行っており、そこで得たデー
タと世界の同じような研究所からのデー
タをまとめて、地球全体の温暖化状況を
知る事ができるのです。私は環境問題に
興味があったので、この研究所はそんな
私にとってうってつけのプログラムでし
た。
8月20日∼22日までのたった2泊3日
間だったけど、内容はとても濃かったで
す。参加者の定員は6名で、全国から集
められ、一番遠い人は佐賀県からの参加
でした。知らない者同士だったけれど、
環境問題に興味があるという共通点も
あって、すぐ仲良くなれました。今回私
たちに指導、引率してくださった研究者
の方々も6人。私には研究者というと、
なんとなくとっつきにくいイメージも
あったのだけど、全然そんなことはな
く、笑いの絶えない面白い方々でした。
根室に着いて私たちがまず向かった先は
霧多布(キリタップ)湿原でした。湿原は
普通の草原に比べて水分が多い原っぱで
す。湿原は温暖化の原因である二酸化炭
素と深く関わっていると言われています
が、まだ謎が多いそうです。この日は宿
に行って、自己紹介と明日の説明で終わ
りでした。次の日はいよいよ研究所で
す。
広い広い湿原の端、絶壁といえる海の
すぐそばに建つこの研究所。とても小さ
かったけれど、中には観測機械がいっぱ
い。機械の仕組みははっきり言って難し
すぎて・・・。落石岬は宿があった港町
から車で30分以上かかる場所で、見わた
すかぎりの湿原、人の姿はまったく見当
たりません。なぜ、東京や大阪のように
排気ガスの多い土地ではなく、落石岬の
ような人気のない場所で観測するのかと
いうと、都会では人の動き( 交通ラッ
シュとか) によって二酸化炭素量が変
わってしまうので、地球規模の温暖化状
況が把握できないからだそうです。私た
ちはそこで湿原植物の光合成量を調べる
実験を行いました。その他にこの日は灯
台へ行ったり、海岸へ行ったり、夜は天
の川を見に行ったり盛りだくさんでし
た。堅苦しい勉強といった感じは全くな
く、自然とふれあい、楽しく学べ、思い
つきやリクエストで予定外の場所へ行っ
たりもして、ラフな肩のこらないキャン
プでした。温暖化や研究所に関する資料
もたくさん頂き、これからの勉強やレ
(
★前ページの続き)
そうないだろう。だから、私は一緒に話
し合える仲間が大勢いたことを知り、そ
んな人達に合えたことを本当に嬉しく
思っている。若者である私達には何も大
したことはできないと思ってきた。けれ
ど彼らに出会い、私たちがどんどんネッ
トワークを広げていくことによって人々
を変える事は可能だと思った。できるだ
け、CSECの被害に遭ったり、重労働させ
られて傷つく子どもがもうでないでほし
い。これはマニラ会議に、フィリピンの
おわりに
長くなったが、最後にこのセミナーに
参加して私が体験したものはすごく新鮮
だった。最近の日本の若者は…などとよ
く大人に言われているが、私はそんなこ
とをいう人達にこのワークショップをみ
せてあげたい。現に、私が同世代の彼ら
一人一人から受けた感動は大きい。CS
ECはなかなか重たいトピックであり、
これについて議論を交わすことは日常、
ポートにもおおいに役立てられそうで
す。最後の日は、前日の実験の結果をま
とめた後、早くも帰る時間に。空港へ向
かう車は釧路湿原(国定公園)や丹頂鶴を
見に行ったりと、寄り道をしたりして、
またまた貴重な体験ができました。
3日はあっという間に過ぎてしまい、
まだ居たい気持ちでいっぱいでした。北
海道に行って、関西とは全く違う景色、
北国の雄大な自然に出会う事ができ、そ
れはとてもすばらしかったです。また、
北海道の海の幸もいやというほどたんの
うできました。キャンプ自体も、専門家
の先生の話を色々聞くことにより、最先
端の知識を得る事ができて本当によかっ
たです。私が参加したこの研究所は明る
い人たちばかりで、とても楽しく学べま
した。来年も参加したいところですが、
より多くの高校生に参加してもらうため
に一度しか参加できない仕組みになって
いるので、残念です。ですが、まだ参加
したことのない皆さん、参加してみる価
値は大いにあります。この国立環境研究
所以外にも様々な研究機関があります。
ちょっとでも興味のある人は一度パンフ
レットのぞいて見ては。
smoky mountain で働いている子ども達
によって歌われた曲のサビ部分だ。そん
な子ども達のことをいつも考えながら、
自分にできる事を探していきたいと思
う。
♪ We stand together. We know our
rights. Hold fast the hope that we can
change our lives. It's not impossible.
And we know why we have the faith of a
child / I am your precious child ♪
21
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<卒業生近況>
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ドイツの現地新聞に掲載されました
松浦由華
FRIEDENSDORF INTERNATIONAL ドイツ国際平和村広報担当・
SIS第3期卒業生
この記事の取材を受けたのは私が
「ドイツ国際平和村」の日本人スタッ
フとなって2ヶ月も経たない頃でし
た。平和村が去年のクリスマスイブに
日本のTV番組「世界ウルルン滞在
記」で紹介していただいてから初代日
本人スタッフとして始めたばかりで、
何もかも手探りの状態でした。それが
5月頃です。ドイツで知り合った方の
知り合いに記者の方がいて、その繋が
りで紹介していただいたのです。幸運
でした。人と人の縁は不思議なもので
すね。大切にしたいと思っています。
私は1年間「ドイツ国際平和村」で
ボランティアとしてお仕事をしまし
た。平和村には今140人もの子どもたち
が10カ国から来て母国へ帰国できるよ
うに、辛く長い治療を受けているので
す。地雷で両腕を失った子供、顔を火
傷して脳まで障害を負っている子供、
生まれつきおしっこが出来ない子供、
状況は様々です。よく聞かれるのは
「ひどいけがを負った子どもたちを見
てショックを受けなかった?」と言う
質問です。それは全くありませんでし
た。ただ一つだけ思ったのが、顔にけ
がを負った子供と話す時、正直言って
どこを見て話して良いか分かりません
でした。しかしいざ現場に入った時、
自分が戸惑ったり迷ったりしている暇
ははっきり言ってありませんでした。
それよりどんどん次から次へと仕事が
待っているのです。間違いをしても後
悔している暇もありませんでした。子
どもたちは動き回り、泣き、飲み物を
こぼし、けんかし、時間は止まってく
れません。それがかえってよかったの
かもしれません。前に進むことだけを
考えることが出来たからです。
私は2歳から5,6歳の小さい子ど
もたち、約30、40人程の担当をしてい
ました。朝ベットから起こして服を着
替えされることから夜ベットに入り寝
かしつけるところまでがボランティア
のお仕事です。朝は服を選ぶのに大
22
変。子供一人一人に好みがあり、特に
女の子はファッションにこだわりがあ
るようです。男の子達には、特にアン
ゴラの子にはナイキとアディダスが大
人気です。どこの国でも同じですね。
顔に火傷を負ったアンゴラの女の子
は夜、泣きながら起きることがしばし
ばありました。悪い夢でも見ているの
でしょうか。けがのことを思い出して
いるのでしょうか。はっきりとは分か
りません。子どもたちはけがの理由を
ほとんど話しません。そのような時は
ただただ背中をさすって泣き止むのを
待つだけでした。抱っこしたいけど、
でも私は母親ではありません。彼女の
親はアンゴラにいるのです。平和村で
は子供と自分との間に、ある程度の距
離をおくようにとアドバイスされま
す。子供のためにも良くない、そして
結局は自分が辛いのです。毎日がエゴ
との戦いでした。
平和村には心理学専門のカウンセ
ラーはいません。語学の壁もあり、話
し合うと言うことがまず難しいので
す。そして正直な話、そこまで手が回
らないと言うのが現実です。しかし私
が仕事をして結果的に思った事は、子
どもたちは遊ぶことによって笑い、そ
れ自体がカウンセリングとなっている
と言うことです。ドイツへ着いたばか
りの子どもたちはどこか遠くを見てい
て、心そこにあらずの無表情です。ボ
ロボロの服を着て、肌はかさかさ。母
国の雰囲気をまったくそのままドイツ
ヘ持ってきます。しかし平和村へ来
て、治療をしていき、少しづつ元気に
なって、笑顔が戻ってくる段階を見て
いると、これ以上ない喜びを感じるこ
とができるのです。
先日アメリカのニューヨークにある
ワールド・トレード・センターに飛行
機が追突しました。それはアフガニス
タンにいるテロリストオサマ・ビン・
ラディン氏によるものではないかと騒
がれています。これは平和村で働いて
いる私にとって他人事ではなくなって
しまいました。平和村に今いる子ども
たち約100人以上がアフガニスタンから
来ている子どもたちなのです。もしア
フガニスタンに今何かあった場合、平
和村の子どもたちは帰国できなくなっ
てしまいます。傷ついた子どもたちも
ドイツヘ治療のため連れて来ることが
出来なくなってしまうのです。援助活
動は停止してしまうのです。一方では
戦争、一方では平和活動、何か矛盾を
感じてしまうのは私だけでしょうか。
今私は平和村の日本人スタッフとし
て広報のお仕事をしています。「世界
ウルルン滞在記」の放送があって以来
嬉しい事に、日本の皆様から多くの暖
かい支援をしていただいています。こ
れがブームだけで終わらないように、
現実は厳しいですが、頑張っていきた
いと思います。
<現地新聞「ドイツニュースダイジェ
スト」 2001年8月18日付より>
オーバーハウゼン 平和村で働
く日本人たち 戦争犠牲の子供
たちを援助
藤原三千男
●アフガニスタンの戦地から
今年の3月4日午後7時、アフガニ
スタンのカブールからデュッセルドル
フ空港にチャーター機が到着した。
乗っていたのは118人の子供たち。みな
現地の戦争で重傷を負った子供たちで
ある。そのうち20余人は、緊急処置を
受けるべく軍のヘリコプターでベルリ
ン・テーゲル空港に運ばれることに
なっていたが、天候悪化のため欠航。
急きょ国内線への乗り換え計画が浮上
したが、病原菌が他の乗客へ伝染する
危険が大きいとして却下された。
彼らはとりあえずルール地方オー
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
バーハウゼンの「国際平和村」に移さ
れ、翌日チャーターバスでベルリンへ
向かった。3日後、同じ飛行機は、傷
が完治し平和村に数ヶ月滞在していた
別の子供たちを、7トンの薬品、援助
物資、食料品と共に家族の待つ故郷へ
送り返した。
アフガニスタンの小村で負傷した10
歳の少年の例を、ある医師のレポート
で読んだ。
彼は野原で遊んでいたとき地雷に触
れ、脚に太股の骨が見えるほどの重傷
を負った。運よく村人に発見され村の
診療所に運ばれたが、消毒不十分な布
で止血処置され、有り合わせの鉄棒で
支えをされたため、間もなく骨髄炎を
起こした。脚が腫れ上がり、膿が出
て、高熱が続いた。それでもなんとか
峠を越し、熱が引いて傷が小さくなっ
たと診断された時、家族のもとへ返さ
れた。診療所のベッドの数は限られて
いるのだ。
しかし化膿菌がなくなったわけでは
なく、その後傷は悪化。悪臭の膿が出
つづけ、脚が変形してきた。「平和
村」の職員の目に留まり、現地の療養
所では治療不可能と判断されたこの少
年は、ヨーロッパの病院で治療を受け
るためドイツへ連れてこられたのであ
る。
●「平和と繁栄」の対極に身を投じて
ドイツ国際平和村は1967 年、市民の
手によって設立された、国際的な中
立・非営利の団体である。戦争犠牲者
の子供たちを無償で治療する病院が、
ドイツ、オーストリア、オランダで名
乗りを上げた。治療・リハビリ・旅費
等すべての費用は寄付や会員からの援
助でまかなわれている。平和村が受け
入れる子供たちは、母国で適切な治療
が不可能であること、ヨーロッパでの
治療で回復が可能であること、子供の
家庭が貧困であること、治療後の帰国
が家族や政府によって保証されている
こと、の4点が条件だ。
オーバーハウゼンにある平和村は、
治療が終わった子供たちがしばらく滞
在するリハビリセンターの性格を持つ
施設である。ここに浜田亜紀、松浦由
華、中岡麻記の日本人女性3人がボラ
ンティアとして働いていることを知
り、訪ねた。3人ともに20代半ばの若
い女性だ。大学を出て平凡なOLにな
るより、何か人のためにボランティア
活動をしたいという希望を常々抱いて
いた。
8年前にNHKスペシャルで見た紛
争地区で犠牲になった子供たちのルポ
が強く印象に残っていたという。「ド
イツ国際平和村」のことを知ったのは
ジャパンタイムズが出している「国際
ボランティアガイドブック」だった。
平和と繁栄の溢れる日本に住む者とし
て、その対極にある状況に身を投じな
ければと応募したところ即採用となっ
た。今では2003 年まで欠員はない状態
なので幸運だったと言うべきだろう。
1年あるいは半年の契約でオーバーハ
ウゼンに着任したのは昨年(4月・9
月)だった。
彼女たちを待ち受けていたのは10カ
国二百数十人の子供たち(5月末現
在。アフガニスタン118人、アンゴラ94
人、グルジア25人など)。想像以上の
重労働だった。子供たちと同じ宿舎に
寝起きし、同じ食事をする。伝達手段
の言語はすべてドイツ語。彼女たちは
比較的簡単な言葉で用の足せる1歳か
ら6歳までの年少組に組み入れられ
た。30人ほどの子供の世話が担当だ。
朝7時から午後2時半までの早番
と、午後2時から夜9時半までの遅番
のシフトが交互に回ってくる。その間
休憩は30分だけ。その日に着る洋服を
選んで着せ、食事と入浴をさせる。お
むつの必要な乳幼児もいる。その後に
は掃除洗濯が待っている。言語に絶す
る忙しさだ。様々な文化的・宗教的背
景を持つ子供たちに最少限のドイツ語
でどう説明し、どう対応すればよいの
か。いらだちや疲労がたまり、子供た
ちに悪い影響を与えるのではないか。
挫折感、絶望感、落ち込みもしばしば
経験した。しかし幼い子たちの受けた
心身の苦痛に比べれば…。
●日本部の初代職員に 思い返せば悪戦苦闘の日々だった
が、3人とも落伍せず契約期間を全う
した。そして今年、新任の日本人ボラ
ンティア3人が着任した。浜田、松
浦、中岡の三人は現在、ディンスラー
ケンにある平和村事務所の日本部職員
として勤務している。日本部は新設の
部であり、彼女たちは初代の職員だ。
2 0 0 1
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ボランティア希望者からの問い合わせ
や、チャリティーイベントの申し出等
が日本から毎日のように寄せられ、ド
イツ職員では対応できなくなったの
だ。
このところ、筆者の住むデュッセル
ドルフ市内でも、彼女たちが作った手
書きのポスターが目に付く。「国際平
和村のことを知ってください」―ポス
ターはそう訴えている。我々の身近に
起こっている戦争を、そして罪のない
子供たちにどんなことが起こっている
かを知ること。それが「参加し行動す
ること」の出発点となるだろう。彼女
たちのケースのように。
オーバーハウゼンはデュッセルドル
フから車でわずか半時間。読者の皆さ
んも「ドイツ国際平和村」を訪ねてみ
てはいかがか。訪問者は大歓迎と、3
人の若い職員が待ち受けている。(文
中敬称略)
「ドイツ国際平和村」の所在地と連絡
先:Lanterstr.21, 46539, Dinslaken,
Tel.02064-4974-126(日本部) E-mail:
japangoesgermany@friedensdorf.de,
Internet: http://www.friedensdorf.de
(日本語ヴァージョンもあり)
行き方:アウトバーン3号線
OberhausenからオランダArnhem方向へ
入って1つ目の出口Dinslaken-Sudで下
りる。
<追伸>
先日山本美千代先生(旧SIS国語科教
員・現ドイツ在住)にお会いしました。9
月8日に平和村でお祭りが開催されたので
すが、それにわざわざフライジングから7
時間程かけて来てくれたのです。感動しま
した!一つの記事を通して山本先生とも再
会でき、千里国際学園と連絡を取ることが
出来て心から嬉しく思っています。ありが
とうございました!
(松浦由華)
23
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<旧職員寄稿>
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オーストラリアの医療施設見学
田浦秀幸
福井医科大教授・
旧SIS英語科教員
インターカルチュアのこの号には
きっと中学3年生のブリスベーンでの
ホームステイの様子が掲載されている
ことでしょうが、私はこの夏同じオー
ストラリアのメルボルンに看護研修の
視察に行ってきました。日本の大学生
は欧米の学生にくらべて学習に対する
姿勢や費やす時間について劣るケース
が多いのは残念ながら事実で、これは
医学部でも例外ではありません。英語
の研修を兼ねて現地の医学生や看護学
生と交流を持つことでいい刺激を受け
るのではないかと考え、いろんなプロ
グラムを探しましたが、内容的に絞る
とメルボルンのが一番良く、福井医大
でも将来的にオーストラリアに研修に
行くことになりそうです。午前中は看
護英語の研修でしたが、午後はオース
トラリアのヘルスケアシステムの講義
や、実際に医療現場を見学に行きまし
た。日本でも集中治療室などには足を
踏み入れたことがありませんでした
が、いくつかの病院では見学を許可さ
れ、さらにその場で看護婦さんたちに
質問ができました。このプログラムに
参加していた日本の現役の看護婦さん
たちも病院文化の違いに驚いていまし
た。ターミナルケア(末期ケア)を子
供対象にしている施設や、老人ホーム
に入る前のまだ自活できる老人だけが
入居できる施設を見学に行った時に
は、胸を締め付けられる思いをした
り、自分の老後に対する不安を感じた
りしました。普段全く触れない世界だ
けに強烈な印象を受けました。今回の
プログラムには日本中のいろんなとこ
ろで看護学を勉強している学生30人
程と看護婦が2人参加していました
が、病院での実習前の学生も現場での
経験の豊富な人たちもそれぞれに多く
のことを考えさせられたようでした。
今回見学した病院や施設の中には、日
本からボランティアで長期に渡って働
いている人がいました。もちろん知識
と経験がないと働かせてはもらえませ
んが、どの人も看護婦や医師の資格を
24
得てしばらく日本で研修を積んでから
来た若い人たちで、こういう日本人に
外国で会うと本当に嬉いですね。後期
の講義では医大生に是非この話をして
みようと思っています。
SIS Research Column <12> 一般生徒の英語力のまとめ
約一年間にわたりSIS一般生徒を対象
としたリサーチ結果を報告してきまし
た。次回からはSISの生徒の英語力を直
接対象にしないリサーチに移る予定な
ので、その前に一般生徒のSIS在籍6年
間の英語力の推移を、ライティング・
リーディング・リスニングの順にまと
めておくことにします。
1998年の12月にSISの全在校生対象に
英語ライティングテストが行われまし
た。このテストは Hammill & Larsen
(1986)が考案したTOWL-3と呼ばれるテ
ストで、 (1) 句読法 (文は大文字で始
めピリオドや疑問符でおえたり、コロ
ンやセミコロン、パラグラフの使い方
等)、(2) 語彙・文法、(3) 話の展開の
3項目について細かく客観的に採点が
できるようになっています。3項目と
もに20点満点で、8点から12点が北米
の子供達の平均点です (結果を視覚的
にわかりやすいようにしたのがグラフ
1と2です)。
グラフ1の7年生句読法の得点よ
り、僅か8ヶ月でネイティブの平均ま
であと一息の所まで到達していること
がわかります。但し、帰国生が帰国直
後のブラッシュアップを終えると、
徐々に得点が学年と共に上がっていく
のに対して、一般生は1 0 年生でネイ
ティブの平均に届いた以外、平均を超
えることがあと少しの所でどうしても
できません。これは英語の句読法が比
較的習得しやすく一定レベルまでは容
易に到達できても、洗練されたスタイ
ルになるには帰国生やネイティブのよ
うにかなりの量の英語に接する必要が
あるからかもしれません。
次に文法力については、特徴として
11年生で大きく得点が伸びています。
これは、当時一般生は10 年生から日本
人教員による文法・訳読を履修しはじ
めていたことと大いに関係があり、そ
の成果がはっきりと出たと考えられま
す。英語科としては、中学1・2年で
旧文部省の検定教科書3年分を終え、
中学3年次にはその基礎力を実際にコ
ミュニケーションの場でどんどん使え
るようネイティブの先生にトレーニン
グを受け、高校1年からはG/Tとregularの同時履修でバランスの取れた英語
力を付けてもらおうと考えていまし
た。文法力が12年生まで伸び続けてい
る結果を見ると、少なくとも文法力に
関しては英語科の思惑通りの力をつけ
させることができていたようです。
グラフ1・2より英文での文章構成
力とライティング総合力は、文法力と
非常に似通った推移を示していること
がわかります。つまり、学年を追うに
つれて得点が緩やかに上昇し、4年間
基礎を学んだ後11年生で一気に北アメ
リカの子供達と同じレベルにまで達し
ているのがわかります(ネイティブの
総合点平均は80-120点 )。この結果
は、文法力と語彙力がある一定のレベ
グラフ1
12
10
8
句読法
文法
構成力
6
4
2
0
7
8
9
10
11
12
グラフ2
105
100
95
90
85
総合力
80
75
70
65
60
7
8
9
10
11
12
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
ルに達して初めて、日本語での作文の
ように内容にウェイトを置いた英文が
書けるようになることを示唆している
と考えられます。また、少なくとも学
期完結制導入以前のSIS一般生徒は4年
間真面目に英語学習に取り組んでいれ
ば、11年生位からネイティブレベルの
ライティング力に近づいていたと言え
るでしょう。現在では学期完結制を取
り、このリサーチが行われた3年前とは
履修形態が大きく変わっています。こ
の学期完結制を9年生から受けた学年
が、SIS卒業時にどれくらいのライティ
ング力を付けているのか計測して結果
を比較することで、英語ライティング
力に限って、学期完結制の真価が問え
ます。つまり、週に数回であっても3
年間継続して英文法を履修する方法
と、集中的にある文法項目を履修して
しまう方法のどちらがライティング力
向上に良いのかわかると思います。
SIS一般生のライティング力を関西圏
の某外国語大学の2回生と比べてみて
わかったことは、9年生で既に大学生
レベルのライティング総合力を付けて
いるということです。その一方で、12
年生といえども一般の高等学校で地道
に文法と訳読中心の英語の学習をして
きた人たちの文法力には若干及ばない
こともわかりました。リサーチをすれ
ばするほど、SISの生徒の英語力の高さ
を示す結果ばかりが出てくる中で、地
道な努力があれば日本の学校に在籍し
ていても大学生になる頃にはネイティ
ブ並の文法力を付けることが可能なこ
ともわかりました。
次にリーディング・リスニング力に
関して、外大生との比較ができるよう
に英語コミュニケーションテスト(ベ
ネッセコーポレーションとアメリカの
ACT社の協同作成)を実施しました。そ
の結果、様々なスタイルで書かれた英
文を読み取る力がSISでは入学後順調に
付き、9年生では外大生に追いつき10年
生では更に伸びるものの、その後1年
間は頭打ちになることも分かりまし
た。またリスニング力に関して、7、
8年生間に差はなくこの2学年に比べ
て9年生が大いに力を付けています。
10、11年生、外大生間には全く差が見
られませんでした。つまり、大学の講
義・難解なニュースレポート・演説の
理解は別にしても、日常生活で必要な
程度の英語リスニング力は、驚くべき
スピードで習得し、外大生レベルには
既に9年生で到達していると言えるよ
うです。ひとたびこのレベルに到達し
た後10、11年生でこれ以上向上が見ら
れませんでしたが、ここからの伸びに
は帰国生のように膨大な量のインプッ
トが必要なのかもしれません。
以上、(英語科の教員をはじめ各
ホームルーム担任の先生方の協力のお
かげで実施・採点できた)2回のテス
ト結果の分析より、SIS一般生の英語ラ
イティング・リーディング・リスニン
グ力について、他の学校から移ってき
た英語教員として日頃感じていたこと
が数字的に裏打ちされました。つま
り、9年生でリーディングやリスニン
グ力では外大生に匹敵するレベルに達
し、ライティング総合力では11年生で
ほぼネイティブ並にまで到達するとい
う驚くべきスピードで英語習得がSISで
は行われているのです。但しこの結果
はあくまで学期完結制導入前のもので
あり、現行制度の検証の為には同じよ
うなテストをしてみることが必要で
しょう。
Bilingualism Column <12>
バイリンガルは子供の知能に影響を及
ぼすのか?
1920 年代から60年代にかけてのバイ
リンガル研究では、IQテストの点数で
はモノリンガルにバイリンガルが劣る
という報告がなされていました。これ
は2言語も処理するために脳に負担が
かかり過ぎて混乱がおこるためである
と解釈されていました。ところが、当
時の研究対象となったバイリンガルは
2つのうちでも弱い方の言語でIQテス
トを受けたり、モノリンガルが中流階
級であるのに対してバイリンガルは労
働者階級からの抽出であったりと、本
来揃えておかないといけない基本的な
部分に大きな欠陥のある研究だったの
です。その反省に立った最新の研究に
よると、IQテストではすべての条件が
等しければ、若干バイリンガルの点数
の方が高いという結果がでています。
ただし、IQテストの結果がその人の知
能を全て反映するのではなく、知能の
ごく一部分に過ぎないということを忘
2 0 0 1
N o . 7 7
れてはいけません。
最近の趨勢としては、2言語とも比
較的バランスよく発達しているバイリ
ンガルはモノリンガルよりも思考に柔
軟性があるとの見解が優勢です。これ
は一つの事物について2言語で連想が
できたりするのが原因かもしれませ
ん。また言葉とは恣意的なものである
ことに幼い頃から気付いているため
に、コミュニケーション力を含む認知
力が若干モノリンガルよりも早く発達
すると言われています。これは小学校
低学年までのことであると考える学者
もいれば、一生涯続くと考える学者も
います。逆に2言語がうまく発達しな
いケースでは、いずれの言語でも複雑
な思考を行うことができずにモノリン
ガルよりも遥かに劣る思考力をバイリ
ンガルは持つことになります。一般論
として、2言語ともにモノリンガルに
劣れば認知力の発達にとって悪影響が
あり、少なくとも1言語がモノリンガ
ル並みであれば認知力の発達になんら
影響はなく、2言語ともモノリンガル
並みであれば認知力の発達に非常によ
い影響があり、結果的にモノリンガル
よりも認知力が高くなると考えられて
います。このように、思考という観点
からするとバイリンガルに子供を育て
るのに利点があるようですが、2言語
ともバランスよくモノリンガルレベル
並みに高めることでこの利点が初めて
享受できるのです。
(原典: Colin Baker, 2000 "A parents'
and teachers' guide to bilingualism" pp.39-43)
今回はSIS Research Columnが一般生
徒の英語力のまとめで長くなったの
で、Book Review on Bilingualism は
お休みにします。また、馬場先生のご
厚意で私のコラムは連載としていただ
いていましたが、入稿が遅れることが
度々あり馬場先生と井藤先生にはご迷
惑をおかけしてきましたので、今後は
季刊をめどにします。
(このコラムに関するコメントや御質
問等は直接PDF02662@nifty.ne.jpま
でお寄せ下さい)
25
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
2 0 0 1
N o . 7 7
異動のお知らせ
<退任>
Senri International School's mission of
encouraging students to become
"informed, caring, creative individuals
contributing to a global community" is one
of the main reasons we decided to come to
Japan eight years ago. However now, as
you read this, my wife and I are in Jakarta,
Indonesia teaching at the Jakarta
International School.
Leaving Senri International School and
Japan proved to be very difficult. I love this
school and what it represents. I was
especially fortunate to have several
different teaching positions while at SISF. I
taught elementary, middle school, OIS high
school and SIS high school courses.
Working with students from every part of
the school during the All School
Productions was one of the pinnacles of
my teaching career.
I was especially proud to have our
daughter, Rosemary, graduate from Osaka
International School. Thanks to her
teachers she received an exceptional
education while here from grade 7, and is
enjoying success at her university in the
America.
Thank you everyone at Senri
International School Foundation for
allowing me to grow professionally and
share such fantastic experiences with so
many of you during my time here. I will
forever look back at my life and career in
Osaka with fond memories.
た、相良宗孝です。 岡田先生と私は同
じ大阪の高校の先輩、後輩であり、私
がまだ初々しい高校3年生のころ、彼
が教育実習で母校にこられ、特に同じ
ラグビー部ということで深く知り合い
ました。
その後大学を卒業後、一昔前に新聞
をにぎわした、そごう百貨店に入社し
ました。 倒産を目前に控えたころ無
事?退社し、今度は日本人が経営する
ニュージーランドの大学にスチューデ
ントサポートオフィサーというポジ
ションで働くことになりました。名前
は偉そうなんですが、やっていること
は日本人の特に1年生を24時間体制で
生活をサポートしてあげることです。
学内の学生寮に住み、夜中に起こさ
れ病院に連れていかなければならな
かったり、部屋のかぎを無くしたと言
う学生の部屋をマスターキーで開けて
あげたり校則を守らせるために夜回り
をしたり、本当に精神的に大変な仕事
でした。
そんなある日、岡田さんからいきな
りニュージーランドに連絡があり、学
校を辞めることを聞かされ、体育教師
なりたい意思がまだあるなら受けてみ
ないか?という誘いを受け、今回お世
話になることになリました。
はじめの1週間が毎日パニックにな
りながらもなんとか加納先生を始めと
するPEの心やさしい先生方の助けを受
け終了し、先生って思ったよりすごく
大変やけど最高にやりがいがあり、面
白いな∼と感じています。 これからも
一生懸命全力でがんばっていこうと思
います。皆さんどうかよろしくお願い
します。
<新任>
Mary Pfeiffer
William Woodrow Kramm
マルチメディア ・
OIS小学部
English
相良宗孝
保健体育科
皆さん、はじめま
してこんにちは! 今
回、機会ありまして
岡田先生の代わりに
教鞭をとらせていた
だくことになりまし
26
My first home was
a Wisconsin hamlet
among rolling hills
dotted by dairy farms
just east of the
Mississippi River in
the United States. I
spent childhood outside snow-sledding
down pristine hills, wading in creeks and
making fortresses in corn, alfalfa, and rye
fields, and inside reading voraciously
about the larger world.
I went to a pretty good public high
school for a rural area, but--unlike SIS/OIS-it had no upper-level courses like the IB,
and the school's focus was not
international or even national, as I
remember. Reflecting its community, the
school was not diverse; students were
white and middle class. Looking back, one
thing I value is that my high school
encouraged young women to excel in
every area, which they invariably did.
Out of my high school class, I went the
furthest away to college, a mere six-hour
drive to the University of Chicago. Because
I breezed through an easy high school,
Chicago was a challenge until I learned how
to think, learn, and study. I found the
College's intensity invigorating, as if I had
to make up for lost intellectual time. I chose
to study literature because it has always
been my passion, and spent most of my
fourth year trying to grasp William
Faulkner.
A natural next step seemed to be
teaching literature, which I did for two years
at a tiny independent school in New Jersey
before I got the graduate-school-itch.
Stanford and its inclusive canon of
literature were heavenly, and my teaching
and learning have been enormously
influenced by my studies there. I fell in love,
too, with the Bay Area and decided to stay
for several years, finding a job at a superb
independent high school in San Francisco.
One summer while a fellow at Columbia
University Teachers College in New York, I
met Josh Berg, whom some of you may
know as an OIS English teacher. Together
we watched movies, read books, and talked
about joining our love of teaching and
traveling by moving to Japan in 1994. I
taught English at OIA for three years, and
fell in love with Japan. But after three years,
Mr. Berg and I felt the urge to move to a
developing country, leading us to the
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
International School of Kenya. For three
terrific years, we experienced Kenyan
generosity, taught at one of the best
schools in Africa, went on memorable
safaris (including one rare sight of a
cheetah tracking down, killing, and eating a
Thomson's gazelle), and marveled at
Nairobi'snearly-perfect weather. When we
decided to moved back to Japan, which we
did last year, we left behind lots of people
we love. But we brought part of Kenya with
us: our two rottweilers, Sally and Otis.
But move back to this country we love,
we did. Since last year, I have relearned the
Japanese I lost somewhere on the
savannah, and made progress on a novel I
am writing. Since September 3, I have
remembered why I like teaching so much:
being around students. It surprises me how
fast four years have gone; the eighth
graders I taught the year before I left for
Kenya are now in 12th grade. On the
outside, we all haven't changed too much,
but I know that my experience in East Africa
has enriched my life, and I suspect that the
last four years have enriched yours too. I
am pleased to return to SIS, and I look
forward to the year ahead, learning from
and with you.“
天海初美
英語科
千里国際学園とは
縁(もしかして腐れ
縁?)あってほぼ創
立以来の長すぎるお
付き合いですが、た
とえ短い期間とは言
え、SISで教職に就く
とはついこの間まで思いもしなかった
ことです。長年親しくさせて頂いたブ
ラウン先生が学園を去られ、淋しい思
いはあるものの、皮肉なことにそのお
陰でみなさんとの出会いがあるのです
ね。楽しい学園生活の少しでも助けに
なれば嬉しいですね。その代わり私
は、みなさんからたくさんエネルギー
を頂いて、もっともっと若返っちゃい
たいと思います。
正野京子
2 0 0 1
N o . 7 7
■他に異動された方々
書道
秋学期より、この
千里国際学園で、書
道を担当することに
なりました。「書」
は人のそれぞれの体
験や感動を通過しないで、生まれてく
るものではありません。字を上手く書
くのではなく、自分自身を表現する
「書」としてとらえてみてください。
例えば、涙という字がありますね。
涙には、嬉しい涙・悲しい涙・悔しい
涙・辛い涙・寂しい涙・・・等、色々
な涙があります。涙は、人が感情を覚
える時、自然と体よりあふれ出るもの
です。千差万別の涙を人はながしま
す。その感情を素直に思い浮かべる
事、それをストレートに表現できる事
が「書」にとっての根本だと思いま
す。気持ちを豊かに、そしてそれを表
現する方法を共に試行錯誤していきた
いものです。
このごろ無性に時間の大切さが実感
されてなりません。「今」を自覚し、
「今」の瞬が再びめぐり来る事がない
ことを肝にめいじて一日一日、本学園
での生活の中で共に成長してゆければ
いいですね。
<退任>
福田國彌
学園長
岡田憲志 Catharine Brown
谷川依津江
Leanne Stephen
志浦直子
Julie Wagner
Gary Rust Cynthia Ruptic
ラスト鈴代
保健体育
英語
英語
美術
書道
OIS校長 OIS事務長
OIS小学部
OIS日本語
<新任>
Greggory Navitsky
Bill Pearson
Jim Schell
Richard Elya
Nico Krohn
谷川依津江
美術
OIS校長
OIS事務長
OIS小学部
OIS小学部
OIS日本語
9月編入生紹介
アドミッションズオフィス
学年
07
07
07
07
07
08
08
08
08
09
09
10
11
11
11
11
11
11
12
姓 名
朝倉千惠
浅芝理人
小山英美里
横山可奈
田中亮祐
野村 悠
朝倉理惠
獅子倉玲奈
高原麻衣
佐々木真子
富田健二
則藤茉耶
松尾真由子
金 太浩
福井英子
中村なおみ
文
麻人
西山 耕平
釜本 朋子
在留国
アメリカ
ドイツ
アメリカ
日本国
オランダ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
カナダ
カナダ
アメリカ
アメリカ
日本国
香港
フランス
日本国
シンガポール
シンガポール
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I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
2 0 0 1
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作文『
17歳からのメッセージ』
でグランプリを受賞
高等部3年水堂大輔君
井嶋 悠
国語科
去る6月に、大阪経済大学が創立70
周年を記念して、全国の高校生に対し
て、高校生フォーラム『1 7 歳からの
メッセージ』の作文(エッセー)募集が
あり、SISの12年生水堂大輔君が下記の
3部門の内、「提言―21世紀の社会に
ついて」に応募しました。 *部門 「今
までの自分、これからの自分」 「人と
のふれあいのの中で」 「提言―21世紀
の社会について」
7月24日の授賞式で配られた《受賞
作品集》では、各部門での【グランプ
リ】各2名と、金賞、銀賞を受賞し
た、北は関東圏から南は沖縄の高校生
約100人の作品が収められています。水
堂君の作品をここに紹介し、彼の名誉
を讃えたいと思います。
◇
僕の父はアメリカ人、母は日本人。
僕は幼稚園から小学校三年までニュー
ヨークにいた。その時友達が日本は忍
者や侍がいる国だろうと言った。僕は
びっくりした。この国際交流がさかん
な時に、未だにそんな誤解、偏見があ
るなんて。しかし言われれば映画に出
て来る日本人は、いつもカメラをぶら
さげ、メガネをかけていると言うステ
レオタイプだ。いったいどうしてこん
な事になるのだろう。
もしお金と時間がたっぷりあれば、
僕はアメリカはもちろん世界のいろん
な国へ行ってそこの子ども達や大人達
に日本の正しい姿を伝えたいと思う。
例えば、日本人はとても勤勉だから世
界に誇る技術も作ったし、経済大国に
もなったが、今僕も含め若い人達は何
か生きる事での物足りなさを感じ始め
ている。21世紀はもっと情報技術が発
達し、世界はさらに狭くなるだろう。
そこで僕はまず世界のいくつかの国か
ら教科書を集め、日本を書いたところ
をピックアップする。その次、誤解や
偏見があればそれを直したい。最後
28
審査委員講評を聞く・
中央が水堂大輔君(8月1日付読売新聞より)
に、日本の素晴らしい事、日本が反省
すべき事を素直に伝えたい。インター
ネットをフルに活用して。
そんな僕と同じ考えを持っている人
達と手を結び、世界から誤解や偏見を
無くしたいと思う。それでこそ人間ら
しい本当のIT革命だと思う。
◇
皆さんはどんな印象を持ったでしょ
うか。一言私の感想を書き添えます
と、受賞作品の多くは、知識としての
頭の中だけの言葉ではなく、それぞれ
の経験から紡ぎだした、頭と心と体が
一体となっているようなそんな言葉で
表現されているように思いました。だ
から審査する人々(大学の先生達)の心
を打ったのでしょう。
授賞式にて・
右端が水堂大輔君(8月1日付読売新聞より)
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書境社展公募一般の部日本書芸院賞受賞
高等部2年津高絵美さん
8月上旬に大阪で行われた第二十回書境社展公募一般
の部で、高等部2年の津高絵美さんが日本書芸院賞とい
う大賞を受賞されました。おめでとうございます。ご本
人の喜びの言葉です。
◇
今から振り返ってみると、幼稚園の時に始めた習字
が、こんな大きな作品が書けるまでになったことは大変
な驚きです。今回のような大きな作品を書き始めたのは
昨年のこの展覧会からで、その時から、“習字”が“書
道”という、芸術の域に入ったのだと感じました。書道
というものは“文字”を書くというより、一つの作品を
仕上げていくという、芸術的なことだと感じたことを覚
えています。大きな紙に一文字一文字、その字の雰囲気
を感じて書き、作品を作ることが私は好きです。その
時々に、限界までがんばった作品が書けたとき・・・そ
んな達成感であふれる瞬間が、続けていて良かったと思
う瞬間です。これからも、更なる努力を積み、精進!
(書道での決り文句ですが)を続けていこうと思いま
がごう
はくしゅう
す。(雅号 津高白萩)
熊楠の里音楽コンクールでチェロ部門最優秀
中等部2年林はるかさん
中等部2年の林はるかさんが、7月
22日に行われた「熊楠の里音楽コン
クール」でチェロ部門の最優秀者に選
ばれ、8月26日には白浜市のホテルで
行われた「スタインウェイコンサート」
に、他の部門の最優秀者の人たちとと
もに出演しました。豪華な雰囲気のホ
テルのロビーで、約300人の来場者の
前での演奏でした。
豪華なロビーで演奏する林はるかさん(9月2日付 「
紀伊民報」より)
29
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
学年だより
●中等部1年生
He shoots. . . He scores!
Rodney Ray
3組担任・
英語科
For our first long home room period this
Fall, SIS 7th graders were asked to choose a
goal for this trimester. We spent some time
on this, but it might be good for students to
think about it even more. To make goals
without thinking seriously about them is
worse than having no goals at all, because
you set yourself up for failure. Therefore,
I've made a short list of what I think are the
most important parts of successful goalmaking.
Make goals that are measurable.
Meeting a goal is like hitting a target: the
clearer you can see it, the easier it is to hit.
"Study Harder" is not a bad goal, but the
problem is that you can't see clearly
whether you've reached the goal or not! A
much better kind of goal would be
something like "Get an 80% average on my
English vocabulary tests this trimester".
Then, at the end of the trimester, you can
see if you were successful.
Think carefully about why the goal is
important. Good goals are not easy to
achieve: if it was so easy, you would
already be doing it! Because important
goals usually require hard work, it's
necessary to keep your motivation strong.
Ask yourself: "what problems do I have in
my life because I haven't reached this goal
yet? What things will be better when I
reach this goal?" If your goal is "I will have
perfect attendance this trimester", it's easy
to see why that is an important goal: if you
miss class, you miss important
explanations, you miss assignments, you
miss fun activities that your friends are
doing, etc. When you come to class every
day, your grades will be better, your
relationships with your friends and
teachers will be better, you will feel more
connected to school life, and so on.
30
2 0 0 1
N o . 7 7
Another way to say this is, "Keep your
eyes on the prize!"
Imagine success. It's very important to
approach goals with a positive frame of
mind. You need to believe in yourself,
because if you don't really think the goal
can be reached, you probably won't really
do your best to reach the goal. Don't say "I
will try to do my homework on time"; say "I
will do my homework on time!" Success
requires confidence and commitment.
List specifically what things you can do
to reach your goal. There is an old proverb
that says, "A journey of a thousand miles
begins with one step." Sometimes the
hardest thing about reaching a goal is
deciding how to start! Focus on the small
steps, and before you know it, you will
have travelled the whole distance. For
example, if your goal is to turn in all your
assignments on time, one great thing you
can do is set a rule that you won't even look
at the television set until your homework is
done, or maybe you will go to the library
every day after school until 4:30. When
you have smaller, very specific steps, you
can see what you need to be doing at any
time, and you can easily see if you are
getting closer to your goal.
Get help. One of the best things you can
do to help yourself is to let other people
help you. Your friends, parents and
teachers want you to be successful in your
life. These people would be happy to
support you to reach your goal. In the end,
you have to reach your goal through your
efforts, but there are many ways that your
friends, parents and teachers can help you:
teachers can meet with you after class;
parents can help with your homework;
friends can encourage you when you are
feeling blue, and so on. Even the best
athletes would be much less successful
without the support of their coaches,
teammates, and fans.
Take the shot! Sadly, doing all these
things won't guarantee that you'll reach
your goal. Sometimes we aim too high.
Sometimes the problem is something
outside of our control. Nobody scores
every time he or she shoots. However, if
you don't shoot, you don't score!
●中等部2年生
よろしくお願いします
難波和彦
3組担任・
英語科
中学2年生には、この9月から5名
の新しい仲間が入りました。1組野村
悠さん、2組朝倉理恵さん、3組獅子
倉玲奈さん、高倉麻衣さんです。一
方、2組の塩水流幹洋くんは、ボリビ
アへ行くことになりました。先生の方
も、入学以来ずっと担任の一員であっ
た斉藤先生が担任をはずれ、イギリス
から帰ってきたばかりの僕が、新たに
担任となりました。
まだ帰国して間がないので、時差ボ
ケというか、イギリスのゆったりとし
た時間の流れになれていた身体が、日
本の忙しい時間の流れに適応していな
い状態です。この一年間の経験は、今
までにない貴重なものでした。ひとつ
は違った立場からものごとをみること
ができたということです。僕は、国際
結婚をして、イギリスに行く機会も今
までによくあったのですが、これほど
の長期間に渡って、海外に住んだ経験
はなかったので、日本の文化を外側か
らじっくり見ることができました。今
まで自然だと思っていたけれど、離れ
て見てみると、日本はおかしいなと感
じることがいろいろありました。また
教師から生徒へと立場が変わり、教室
で授業を受けている時、課題に取り組
んでいるとき、成績が出るのを待って
いる時に、生徒がどんな気持ちになる
のかを体験することができました。
●中等部3年生
離島の環境はグローバル
野島大輔
1組担任・
社会科
別記事にあります通り、大変充実し
たホームステイのプログラムを経験
し、大勢の生徒が一回り大きくなって
新学期を迎えています。また、参加し
なかった生徒たちも、忘れられない夏
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
休みの思い出を作文に綴ってくれてい
ます。またこの夏は、田中英実くんが
海外へ転出し、大勢の生徒が涙の見送
りに出かけました。 秋学期からは、新
しい編成のクラスになり、ピアノが大
好きな佐々木真子さん(1組)と、水
泳の達人・富田健二くん(2組)が編
入になりました。バディの生徒を中心
に、なるべく学年全員で暖かく迎えよ
うと心掛けています。また、小山亜里
沙さんが留学から帰って来ています。
9年生も後半になりますと、重要な行
事が続きます。秋学期のスポーツ・デ
イでは昨年度に続いての優秀な成績が
期待されています。また、秋学期後半
には内部進学の希望調査と内部進学者
の推薦の決定が実施される予定です。
ついに義務教育とサヨナラする冬学期
の卒業式も、もうすぐです。初めての
学年旅行(1泊2日、参加費1万円程
度、希望参加制)も待っていますの
で、普段から少しずつ準備を重ねてい
く予定です。慌しいシーズンになりま
すが、中等部での“学び”の集大成に
際しまして、ご家庭のご協力を何卒よ
ろしくお願い致します。
TVドラマ『ちゅらさん』のオープニ
ング画面に現れる、沖縄県の渡名喜
(となき)島を今夏訪れました。看板
の無い民宿が3軒あるだけで、スー
パーもコンビニもビデオショップも銀
行も無い、人口約500名ほどの静かな離
島です。ドラマでは、日本の現代の都
市生活が失ってしまったような暖かい
家族の繋がりや、地域社会のぬくもり
が爽やかに描かれていますが、民宿で
お世話になったご家庭の雰囲気を見て
まさにそれを実感して参りました。何
もしていなくても、いとこ達と居るだ
けで楽しくてしょうがないという表情
の幼子たち、元気で働き者のお爺さん
お婆さん、大柄で優しい旦那さん、親
切で面倒見の良い奥さん。いわゆる
“大家族”の空気の円さの中に居る
と、そこの居間の画面に映し出される
本土発の家族崩壊・社会崩壊のニュー
スが、まるでよその国の出来事のよう
です。 道をきくと自転車でそこまでわ
ざわざ案内してくれるおじぃ。独特の
リズムに合わせて夜通し踊り明かすお
ばぁ達。島中が東西に分かれての大綱
引き。祭のステージに酔って踊り入っ
て来る村長さん。島人全員が後ろにつ
いて歩くのであまり見物人の居ないパ
レード(こういう行事の中では、中・
高生達の役割もちゃんと与えられてい
るのです)。きれいな空気、波の音、
鳥達の声、涼しいふく木の並木、気の
良い島の人々、およそ警報機や監視カ
メラ等は場違いな“安全” …、これら
がそれぞれ島内唯一の幼稚園や小中学
校のぜいたくな“設備”です。 渡名喜
村の年間平均所得は約140万円で、東京
都の半分にも満ちません。現代日本で
はもはや珍しい半農半漁の村落です
が、こちらの方が地球大で見れば平均
的な普通の社会だという事実を再想起
することが、「小さな国際社会」を
創っている私達には必要だと思えてな
りません。 ●高等部1年生
一日単位の大きな成長
水口 香
3組担任・
英語科 夏休みが明け久しぶりに生徒の顔を
みるといつも、実に若者の成長が速い
ことを思い知らされます。学期中のよ
うに毎日様子をうかがっていると気付
かないないような変化、とくに顔つき
の変化に驚かされるのです。充実した
夏を過ごして生き生きとした顔、何か
を得た後の自信のある顔、落ち着きを
もつようになった顔、何かを考え始め
た深刻な顔など、皆さんの顔は以前と
は違っています。中に自分はそれほど
変わっていないと思う人もいるかもし
れません。個人で気が付かなくとも、
人は日々成長するものです。自分では
何も得るものがなかったように感じて
いても、知らないうちにいろいろなこ
とを吸収しているのです。皆さんはお
友達同士で、何か以前と違うところを
発見しましたか。私はそれぞれの顔を
見ながら、皆さんの確かな変化を感じ
ています。
一日という時間は、人それぞれ感じ
方が違います。そして人生のどの時点
に立っているかによっても、一日の持
つ意味は異なります。特に皆さんのよ
2 0 0 1
N o . 7 7
うに若い間は、身体的な変化だけでな
く、大きな心の成長が一日単位で起こ
ります。皆さんはたゆまなく流れる時
間の中で、自分をしっかりとつかみ、
渡っているのです。エネルギッシュな
人生の経過の中にいることを忘れない
でください。
新学期が始まり、また忙しい生活に
戻りましたが、日々を大切に過ごして
ください。
●高等部2年生
学年目標にむけて
新見眞人
1組担任・
理科
秋学期から編入生として1組に福井
英子さんと中村なおみさん、2組に松
尾真由子さんと文 麻人さん、3組に西
山耕平くん、4組に金太浩くんの6名
が新たに加わり、さらに1年間の留学
より帰国した林沙妃さん(1組)、井
上五月さん(3組)そして加藤千尋さ
ん(4組)を合わせて高等部2年生の
在籍者は79名となりました。ただし、
一階翔太くん(1組)と石田佳奈子さ
ん(3組)が秋より留学のため休学に
なっています。また、留学をしていた
池山奈甫さん(春学期まで1組在籍)
は米国カリフォルニア州のご両親のも
とで、さらに学習を続けることに決
め、先学期末にSISを退学しまし
た。
学年担任団の変更としてはアイリー
ン・ストーリー先生の代わりに見島直
子先生が3組に入ったことです。非常
に残念なことですが、ストーリー先生
はこの年度(2001年9月より2002年6
月まで)終了をもって米国に帰国され
る予定でいらっしゃいます。これまで
学年に関する仕事を一緒に楽しく担当
できたことに大変感謝しています。ど
うもありがとう、そしてご苦労様でし
た。ストーリー先生は皆さんの担任か
ら離れたことをとても悲しくお思いに
なっています。これからも先生のとこ
ろにたくさんお話に行ってください。
見島先生は今春高等部を卒業した生
徒たちの担任をずっとなさっていまし
31
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
た。したがって、これから池田先生と
共に皆さんの進路に関する相談や情報
提供などにも大いに力になってくれる
ことでしょう。
さて、今学期の第一の学年目標は
“10月6日一致団結運動会でがんばろ
う”でしょうね。(もう何年も同じ目
標を掲げてきたようにも思えます
が)。今年こそは「黒組」ガンバレ!
第二は“ベトナムへの学年研修旅
行”計画の推進です。10月初めに旅行
日数、場所、概算費用等の旅行の大枠
を決定した後、研修内容(テーマ)の
厳選を行い、その準備学習に学年全員
の皆さんが十分な時間をかけられるよ
うにしたいと、旅行委員会では話し
合っています。さらに、保護者の方々
への旅行説明会も年内には開けるよう
にと考えています。
皆さんたちから夏休み中の出来事で
楽しく面白かったことや反対に辛く悲
しかったこと、めずらしい経験、たい
へん勉強になった体験などのお話をた
くさん聞かせてもらいました。
そこで、私もテキサス州の大学での
客員研究員として過ごしたこの夏のこ
とを書こうかなと思っていましたが、
米国連続テロ事件のニュースが飛び込
んできて、本当に気が滅入ってしまい
ました。テロの犠牲になられた方々に
心からの哀悼の意を表したいと思いま
す。
●高等部3年生
マラソン
平井太佳子
3組担任・
保健体育科
体育の教師だからといって走るのが
好きなわけではない。走るのが好きな
人もいれば、嫌い人もいて、速い人も
いれば、遅い人もいる。私は…、「大
嫌い」だった。まず、足が遅かった。
それに、きついし、苦しいし。ジョギ
ングが好きな人を見ると「何が面白い
んだろう」と横目で眺めていた。それ
なのに、まさか、自分が走るようにな
るとは思っていなかった。
きっかけは、膝の怪我。手術で靭帯
32
2 0 0 1
N o . 7 7
をつないで、車椅子、松葉杖の生活を
経て、どうにか二本の足で歩けるよう
になり、地面の感触が新鮮だった。手
術から4ヶ月経ってゆっくりのジョギ
ングならしても良い、と言われた時、
嬉しくて早起きしてそっと走ってみ
た。げっそりと筋肉が落ちて棒のよう
に(決して細い棒ではないが)なった
脚で走れるスピードなどたかが知れて
いる。本人は走っているつもりだった
が、きっと歩いている人よりも遅かっ
ただろう。
そして発見した。超スローペースで
走ると、息がはずまないから苦しくな
い。膝に負担がかからない程度の距離
しか走らないから疲れない。苦手だと
思っていたことがちょっとできるよう
になる、これは楽しい。リハビリジョ
ギングが始まった。
こうなるとすぐに欲が出てくる。勢
いで吹田市の市民マラソン大会に申し
込んでしまった。10キロの完走を目指
す。といっても、ポツリポツリと2キ
ロ、3キロ走るぐらい。一番長く走っ
たのが5キロだっただろうか。
当日は天気にも恵まれ、一番ビリか
らスタートして、終始ビリをキープし
て制限時間ギリギリでどうにか完走。
順位もタイムも関係なかった。走れる
だけ回復した自分の足がいとおしかっ
た。
手術から8ヶ月、すべての運動制限
もなくなってもジョギングブームは去
らなかった。熱心ではないものの1年
以上細々と続いた。週に3回走る週も
あれば何週間か休んだりしながらも。
そしてこの春、なぜかふと、本当に魔
が差したとしか思えないのだが、ふと
「フルマラソンを走ろう!」と思い
たってしまった。
7月15日快晴の北海道オホーツクの
地。大それた目標に挑戦すべくスター
トラインに立った。時間内にゴールで
きるかはわからない。今回のレースの
制限時間は5時間。1キロを7分以内
に走りつづければゴールできる計算に
なる。これまでの練習からではゴール
できそうな気もするし、無理そうな気
もする。不安いっぱいのスタート。
2月に来た時は真っ白な原野だった
ジャガイモやとうもろこしの畑、がか
ぐわしい香りの牧場の緑がまぶしい。
その中に伸びるこれぞ北海道!という
まっすぐの道をトコトコ走る。5キ
ロ、10キロ、時間をチェックしながら
走る。15キロ、20キロ計算通り。25キ
ロまだまだ行ける。30キロ、ガクッと
タイムが落ちる。同じように走ってい
るつもりだったのに。35キロの関門で
7分のタイムオーバー。夏の挑戦は終
わった。
フルマラソンを走ろうとするからに
はそれなりの勉強もしたし、トレーニ
ングもした。どこにでも靴とシャツを
持っていって、わずかな時間にも走っ
た。週末は遊びに行かずに走った。し
かし、努力は必ずしも報われるとは限
らない。何事も思い通りに物事が運ぶ
とは限らない。結果は出せなかったけ
れど、目標に向かって色々考え計画し
実施することはワクワクすることだっ
た。充実した3ヶ月だった。
と、長々とした前振りになりました
が、4月、ホームルームでダッタ先生
と共に12-3の皆さんに「目標をもって
1年を過ごしてください」と挨拶をし
ました。その時すでに胸に秘めていた
目標が「フルマラソン完走」でした。
皆さんが卒業するまでに目標を達成し
たいと思っています。残りわずかな高
校生活、目標を持って過ごしてくださ
い。
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
話題
情報
連絡
2 0 0 1
N o . 7 7
英検1級に3名合格
高校3年上羽研人君・吉川龍拓君・植田健太君
トラスコット徳子
語学学習センター
平成13年度第1回英語検定の結果発
表 各級の受験者数及び合格者数は次の
通りです。
合格者数
受験者数
1級
3
12
準1級
7
42
2級
21
45
準2級
6
10
3級
4
7
4級
5
5
今回の1級合格者は、高等部3年1
組の上羽研人君と吉川龍拓君、同じく
2組の植田健太君です。3人をはじめ
合格した皆さん、おめでとう!
10月21日に実施される第2回英検の
願書は先日締め切りましたが、受験予
【学級編成替え4月へ】
学期完結制の完全実施に伴いまし
て、1999年9月よりこれまで9月学
級編成替えを実施してまいりました
が、2001年4月より高等部一般生受
け入れ枠が実質広がったこともあ
り、4月に7年生と同時に10年生の
学級編成も行う状況となりました。
それと連関して、9月に学級編制が
行えない学年が7、9、10、12年生
の4学年とならざるを得なくなり、
また、学級単位で授業を行う部分の
多い7、8年生に9月編成替えによ
る無理が生じているということもあ
り、学内で検討しました結果、9月
編成替えを今回で終了し、2002年度
より4月編成替えで臨むことといた
しました。
9月編成替えになりました折には
保護者会の方で、そのシステムに合
わせてのいろいろのご工夫もいただ
きました。そのこともあり、保護者
定の人は当センターに過去の問題と解
答があるので受験準備に利用して下さ
い。また、本年度から第3回検定も1
級から5級まで実施されることにな
り、一次試験が1月27日(日)に、二
次試験が2月24日(日)に実施されま
す。今後受験しようと思っている人
も、自分のレベルを確認するために過
去問をやってみてはいかがでしょう。
英検他TOEFL・TOEIC・国
連英検などの英語資格試験を受けた人
は、成績報告書或いは合格証書のコ
ピーをトラスコットまで提出して下さ
い。特に、英検2級合格者とTOEF
L1 7 3点(コンピュータ式テストの場
合。以前の筆記試験では500点)取得者
は単位が貰え、調査書作成の際に活か
会役員様の方には、今回の編成時期変
更につき、その主旨を説明し、ご理解
をいただきました。
なお、現在の11年生(新見、松島、
見島、中村の各先生方)につきまして
は高等部卒業までの担当になります。
よろしくご理解のほど、お願い申し上
げます。
【生徒安全対策】
夏休みの間、学校では、生徒の安全
確保のための対策を考えてきました。
学園として、以下の具体的な対策を、
学外の専門家からの意見を参考に決定
しましたのでお知らせいたします。
①監視カメラの設置(校内に9個
所、学内に入る人を監視するカメラを
設置。あくまで外来者を監視するもの
で生徒を監視するものではありませ
ん。)
②教室内の通報装置の設置( 普通教
室、特別教室 全61教室)
英検1級に合格した(
左から)と吉川龍拓君、
植田健太君、上羽研人君
されることになるので、必ず報告して
下さい。但し、英検を学校で団体申し
込みした人の結果はこちらで把握出来
るので報告の必要はありません。 その
他ご質問・ご相談はトラスコットま
で。
③教職員・保護者・外来者の名札
の着用
④先生のついていない生徒の4:30
下校( 各学校がそれぞれの実状を検
討し、適切な対策を取る事を文部科
学省から要請され、その結果、本校
の実態として、多数の生徒が先生方
が全くついていない状態で校内にい
る放課後の状態は、万一の場合、極
めて危険な状態であると判断しまし
た。生徒だけで学校に残れるのは4:
30までとします。先生がついている
場合は今まで通り6:00 が下校時刻と
なります。)
今後も生徒の安全確保のために
は、学園として細心の注意を払って
参ります。本件に関します皆様方の
ご理解、ご協力を改めてお願い申し
上げます。
(校長 大迫弘和)
33
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
2 0 0 1
N o . 7 7
最近の図書の利用状況について
2000年度図書貸出統計より
青山比呂乃
図書館
前号にも掲載しましたが、下記の表は2000年4月‐2001年
と情報を把握している者が、常に世の中を牛耳ってきた、昔
3月の1年間の貸出冊数統計です。皆さんはここからどんな
は立派な書物とか読み書きが出来るという事は、権威、権力
事を読み取りますか? SISの中高生の生徒一人あたりの平
の象徴でもあった、という意味で、今、「面倒な読書や、イ
均年間貸出冊数は、日本語11.7冊、英語2.9冊で、OIS中高の
ンターネット検索はしたくない」という形で自分の知る権利
英語11.4冊、日本語2.9冊と、ちょうど対照的です。まさに
を(更にはひょっとすると、自分で自分のことを決める権利
バイリンガルに利用されている事がわかります。 少し気に
まで)放棄してしまうという階級が生まれつつあるのではと
なるのが、ここ数年、平均貸出冊数が減ってきていることで
いうのです。
す。例えば、1 9 9 4 年度は、日本語1 7 . 8 冊、英語3 . 8 冊
千里国際学園の話から、ちょっとそれてしまいましたが、
(OISMS/HSは英語18.0冊、日本語2.9冊)だったのに、毎年
学園にいきる私たちも社会全体の流れと無関係ではないと思
平均1.5冊ぐらいづつ減りつづけています。
うと、ちょっと考えてしまいます。皆さんはどう思います
原因はよくわからないのですが、英語の本の方は、しば
か?なお、「欲しい本がない」「本が古い」に関しては、何とか
らく事実上担当ライブラリアン不在になったり、英語のコン
努力していこうと思うので、今まで通り、貸出デスクにリク
ピューターシステムが動かなかったことなどが考えられま
エストノートがありますので、皆さんからの希望をリクエス
す。日本語で私に考えられるのは、「借りなければならない
トという形で伝えて、図書館を良くしていくために協力して
課題が少し減った」「インターネットが普及してきたので、本
ください。
を借りなくてもすむことが増えた」「よく本を読む人が減っ
た」「本が古くなってきて、魅力が無くなっ
てきた」「欲しい本が入っていない」「本を読
2000年度貸出状況 Circulation April 2000-March 2001
む以外にすることがありすぎて、本を借り
SIS
て読む暇が無くなった」などです。
学年
中1 G7 中2 G8 中3 G9 中学計MS 高1 G10 高2 G11 高3 G12 高校計HS S I S Tota
Gra
46
58
61
165
72
78
73
223
388
# of st.
図書館に本を納入している本屋さんの 人数
日本語 Japanese
992
622
819
2433
1039
685
372
2096
4529
話では、本が最近ますます売れなくなって 冊/人 Average per st. 21.6
10.7
13.4
14.7
14.4
8.8
5.1
9.4
11.7
57
190
254
501
254
236
140
630
1131
English
きているのだそうです。頼みの綱のマンガ 英語
冊/人 Average per st. 1.2
3.3
4.2
3.0
3.5
3.0
1.9
2.8
2.9
ですら、最近は売上が落ちてきていると 英/日冊計J/E Total
1049
812
1073
2934
1293
921
512
2726
5660
14.0
17.6
17.8
18.0
11.8
7.0
12.2
14.6
か。子どもの数が減ってきている事もある 冊/人 Total Average 22.8
けれど、最近はインターネットや携帯の OIS ES
学年
ECP4 ECP5 ECP Total ES1
ES2
ES3
ES4
ES5
ES Total E C P / E S Total
Gra
メールなど、他に時間を使っているからな 人数
8
11
19
19
15
20
20
22
96
115
# of st.
23
65
88
148
146
191
267
205
957
1045
のだろうか、このままでは良い本の出版が 日本語 Japanese
冊/人 Average per st. 2.9
5.9
4.6
7.8
9.7
9.6
13.4
9.3
10.0
9.1
成り立たなくなってしまう、と出版流通業 英語
162
209
371
876
841
894
983
1100
4694
5065
English
19.0
19.5
46.1
56.1
44.7
49.2
50.0
48.9
44.0
界の話題になっているとの事でした。 冊/人 Average per st. 20.3
185
274
459
1024
987
1085
1250
1305
5651
6110
英/日冊計J/E Total
しかし、一方、ある大学におけるアンケー 冊/人 Total Average 23.1
24.9
24.2
53.9
65.8
54.3
62.5
59.3
58.9
53.1
ト調査の結果を見ると、よくインターネッ OIS HS/MS
MS7
MS8
MS Total HS9
HS10
HS11
HS12
HS Total M S / H S Tota O I S Total
Grade MS6
トを使いこなしている人は、読書もよくし 学年
人数
11
32
19
62
21
13
16
19
69
131
246
# of st.
ているらしい。必ずしもインターネットに 日本語 Japanese
96
86
86
268
16
29
38
23
106
374
1419
2.7
4.5
4.3
0.8
2.2
2.4
1.2
1.5
2.9
5.8
旧メディアが押されてしまっているという 冊/人 Average per st. 8.7
英語
161
452
221
834
145
48
124
340
657
1491
6556
English
わけでもなさそうです。むしろ、新旧のメ 冊/人 Average per st. 14.6
14.1
11.6
13.5
6.9
3.7
7.8
17.9
9.5
11.4
26.7
257
538
307
1102
161
77
162
363
763
1865
7975
ディアを縦横に使いこなして今まで以上に 英/日冊計J/E Total
冊/人 Total Average 23.4
16.8
16.2
17.8
7.7
5.9
10.1
19.1
11.1
14.2
32.4
知識や情報を蓄えて活動している人と、そ
うした時間や労力を気軽なおしゃべりや 大人
ECP/ES MS/HS A l l s t u d e n t s l T o t a
Adult
教員 Faculty 職員 Staff 保/卒 Par./Grad.
その他 OthersA d u l t Tota SIS/OIS Students
人数
98
34
87
13
232 人数
115
519
634
866
#
of
st.
#
of
st.
メールという事だけで費やしている人に分
日本語 Japanese
955
71
501
20
1547 日本語 Japanese
1045
4903
5948
7495
かれてきているようなのです。
冊/人 Ave per Person 9.7
2.1
5.8
1.5
6.7 冊/人
9.1
9.4
9.4
8.7
Averager per
2284
330
1744
498
4856 英語
5065
2622
7687 12543
English
English
「これは新たな階級社会が出来つつあ 英語
冊/人 Ave per Person 23.3
9.7
20.0
38.3
20.9 冊/人
44.0
5.1
12.1
14.5
Averager per
る、ということかもしれません」と本屋さ 英/日冊計J/E Total
3239
401
2245
518
6403 英/日冊計 J/E Total
6110
7525
13635 20038
11.8
25.8
39.8
27.6 冊/人
53.1
14.5
21.5
23.1
Total Average
んは言います。つまり、古今東西、きちん 冊/人 Total Average 33.1
34
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
2 0 0 1
N o . 7 7
2001年度 オールスクールプロダクション
All School Production 2001
『
オズの魔法使い』
"The Wizard of OZ"
今年度のオールスクールプロダクションは、ミュージカルファンタジー『オズの魔法使い』をすることにな
りました。映画でご覧になった方も多いと思いますが、アカデミー賞・主題歌賞に輝いた「虹の彼方に!」
Over the Rainbowはあまりにも有名な曲です。
昨年度の『サウンド・オブ・ミュージック』ほどの大規模なプロダクションは考えていませんでしたが、か
なり早い時期から多くの方が高い関心を示して下さいました。ですから、幼少から高等部までの多くの生徒が
参加できる『オズの魔法使い』ができるようになって喜んでいます。
そしてSIS英語科のストーリー先生が演出の大役を引き受けて下さいました。美術科のハイマン先生は今年
度より、秋学期にステージデザインのクラスを開講されました。またOIS英語/社会科のチーニー先生は演劇
部の顧問をされていますが、プロダクションのバックステージの研究を指導されています。生徒主導の活動を
サポートする態勢が整いつつあります。
9月に新学期が始まり、中等部高等部キャストの募集、オーディションが9月中旬に行われました。それぞ
れの生徒のその情熱と真摯さ、才能ゆえに配役は難航しました。コールバックも行われました。その後、小学
部サインアップ、トライアウトが行われ、オーケストラ、プロダクションチームもほぼ整ってきました。 昨
年同様、衣裳製作では保護者の方々にお世話になると思います。また、他にもいろいろお願いすることが出て
くるかもしれません。よろしくお願いします。公演はカレンダーにもありますが、12月6日(木)より8日
(土)の予定です。
(プロデューサー 大迫奈佳江)
THE BOOKSTORE NEWS
OCTOBER 2001
いつも、ブックストアをご利用いただき、ありがとうございます。
皆さんからのご希望によりCD-R、CD−RWの販売を開始しています。
ぜひブックストアでお買い求め下さい。
35
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
2 0 0 1
N o . 7 7
目の話(
近視について)
弥永千穂
保健室
10月10日は目の日です。1が眉毛0
が目玉なのですが・・ご存知でしょう
か。今年の健康診断の結果中等部で約
4割、高等部では約6割の生徒が近視
で矯正(メガネ、コンタクトの使用)
していることがわかりました。更に今
回の検査で近視を指摘された生徒を含
めるとそれ以上になります。近視のほ
とんどは良性近視(学校近視)でうま
くピントがあわないために遠いところ
が見えにくい目といえます。私たちの
生活は勉強、読書、コンピューター、
テレビなどほとんど近くを見て作業す
ることが必要とされ遠くを見ることが
少なくなっています。それゆえ必要に
応じて目がそうなった結果で近視が増
えているとも言われています。現在全
国的に見ても中学生で50%、高校生で
は60%の生徒の視力は1.0未満。過去10
年でどちらも10%増加しています。し
かしその近視の明らかな原因は未だ不
明で遺伝的なものと環境が複雑に絡み
合った結果です。成長期は、目の成長
による変化によって近視になっていく
可能性もあり、残念ながら20代後半ま
で近視は進行しうるといわれているの
です。そして近視を治すいろいろな試
み(レーザー治療、特殊なコンタクト
レンズの装用)はありますが今のとこ
ろ保険も効かず、安全で完全な治療と
は言い切れません。それゆえ近視の進
行をすこしでも防ぐことが大切になり
ます。第一に適切な環境を整えるこ
と。なるべく姿勢をよくして机に向か
う。目と本の間は30cm 以上離す。部屋
の照明は暗すぎず明るすぎず。勉強を
する時はスタンドと部屋の照明を使
う。そして特に実行してほしいのは目
の疲労をさけるために1時間勉強をし
たら5分は目を休ませること。第二に
目の見えにくさがあれば視力検査を受
けてみること。視力が日常生活に支障
があれば勉強への集中力の低下や体の
不調もおこります。同じ事が度の合っ
ていないメガネやコンタクトの使用で
も言えます。保健室ではいつでも視力
測定をおこなっています。子供さんが
目の見えにくさをいっていたり、勉強
するときに顔が近い、遠くをみるとき
目を細めるということがあれば近視の
サインです。保健室で視力測ってきて
ごらんと声をかけてあげて下さい。
Bird Man Club 卒業です
小俣こずえ
高等部3年
こんにちは、Bird Man Club です。今回が最後のご報告です。そろそろ私たちも卒業。学校に置いてある
クラブ備品を片づけました。その際に、鳥人間コンテスト出場に向けて集めていた資金を、高等部3年のボラ
ンティアクラブ「First Step」に寄付することになりました。金額は約5万円。このお金は First Step が
フォスターペアレンツをしているネパールのタンカ君に送られ、タンカ君の生活費や教育費、地域振興費とな
ります。
鳥人間コンテスト出場は出来ませんでしたが、大学生や社会人との交流の中で私たちはたくさんのことを学
ぶことが出来ました。SISを卒業しても、メンバー一同、このクラブで経験したことを忘れずにがんばりたい
と思います。
最後に、応援してくださっていた皆さん、ご協力いただいた方々、本当にありがとうございました。
36
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
2 0 0 1
N o . 7 7
HS生徒会活動と執行部紹介
井上咲姫
HS生徒会執行部書記・
高等部2年 translated by Chiaki Nakata
こんにちは!生徒会執行部では今月
号から毎回、「生徒会のページ」を載
せていこうと思います。これは皆さん
に生徒会の活動をよりよく知ってもら
うためのものです。 まずは生徒会執行
部メンバーの紹介をしたいと思いま
す。
Hello! Student Council is planning to
start "Student Council's Page" in the
Interculture from this month. This will make
the activities of the Student Council better
known to the people. First of all, we would
like to introduce its members.
SIS
会長 副会長 書記 会計 通訳 OIS
今田順子(11年)
谷紗妙佳(11年)
井上咲姫(11年)
森阪綾乃(11年)
藤本 卓(10年)
President
Vice-President
Secretary
Treasurer
Translator
Sayoko Nakamura (Gr.12)
Ami Maeda( Gr.12)
Chiaki Nakata( Gr.10)
Matthew Waterhouse( Gr.12)
Aya Mitani (Gr.12)
以上が新しい生徒会メンバーです。
精一杯がんばっていきますのでよろし
くお願いします。
With these members, we will do our best
for our community.
<年間スケジュール>
This Year's Schedule
10月 体育祭 Sports Day
12月 クリマスパーティー
Christmas Party
(ダンスパーティー)
( Dance Party)
2月 生徒会選挙
The Student Council Election
5月 学園祭
School Festival
6月 プロム The Prom
このほかにも新しい行事を増やして
いきたいので、生徒の皆さんも何か良
いアイデアがあれば、気軽に生徒会BOX
に意見を投稿して下さい。(生徒会BOX
はインフォメーションセンターの前に
あります。)
Sports Day. It is October 6th. We are talking
about the sport events and their rules. The
Student Council is working hard for the
preparations of the Sports Day. Let's enjoy
the happy Sports Day!!
We would like to increase new events
so if you have any good ideas, please
submit it to Student Council Box. (The
Student Council Box is in front of
Information Center.)
<新しい議会>
この9月から議会が新しいメンバー
で行われます!生徒会は、生徒の皆さ
んの力で成り立つものではないでしょ
うか?そしてそのためには、より多く
の生徒の意見を取り入れる事が必要だ
と思います。また議会は学校全体をま
とめていくためにも、大切なものだと
私達は考えています。各クラスから一
人ずつ代表を決め、月に2回ほど集
まって、副会長を中心に議題を話し
合っていく予定です。
今月の議題はスポーツデイです。今
年は10月6日にスポーツデイが行なわ
れます。そこで各クラスの代表と、種
目やルールについて話し合います。一
方、生徒会では当日のための準備等に
力を入れています。 皆さんで楽しいス
ポーツデイを迎えましょう!
From this September the Congress
restarts with new members. The students
back up the Student Council. Thus, we
need to reflect on student's voices as far as
possible. We think the Congress is very
important, because it could unite the whole
school. We are planning to pick up a
representative from each class and hold the
meeting twice a month to discuss the
important matters with the leadership of
two vice-presidents. This month's topic is
MS生徒会執行部
選挙結果
6月にMS生徒会執行部選挙が
行われ、以下の人が当選しまし
た。
会長 クック彩香(8年)
副会長 田浦 海(8年)
議長 奥井麻矢(8年)
会計 寺崎麻衣子(8年)
書記 真砂健土(7年)
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2 0 0 1
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トライアスロン・
ランニング
各地で活躍
馬場博史
数学科
箕面6時間リレーマラソンに3チーム
計26名が出場
6月9日(土)、箕面第2総合運動
場で「環境を考えよう!第1回箕面6
時間リレーマラソン」が開催され、本
学園から生徒チーム、教職員チーム
と、O B や家族等を含むコミュニティ
チームの3チーム計26名が参加しまし
た。競争ではなく1周1.1kmの周回コー
スを何人でも何周ずつでも走ってよ
く、1周ごとに箕面市自然緑地等保全
基金へ50円の寄付をするというもので
す。午前10 時に全13 チームがスター
ト。午後4時までの6時間に本学園3
チームだけで合計172周、189.2kmを走
りました。なお、この大会で集まった
寄付は合計38,206 円でした。参加者の
皆さん、ご協力ありがとうございまし
た。
生徒チーム参加者=Aya Mitani
(OIS11)、藤本卓(SIS10)、松田杏子
(SIS10)、廣内茜(SIS7)、新見まゆ子
(SIS7)、吉田芙美(SIS8)、細谷花
(SIS9)、中尾悠士(SIS9)、Yoshiaki
Hagiwara(OIS10)
教職員チーム参加者=中尾直子、
Marvin Zulauf、森新葉、John Searle、
Steve Bonnette、Ammanda Pekin、Mark
Pekin、Steve Lewis、Peter Heimer コミュニティチーム参加者=Kimiyo
Takumyo(OIS転)、Hiromi Takahashi
(OIS卒)、佐藤直仁(コーチ)、馬場博史
(教員)、他家族知人等
陸上競技大会で好成績
7/26箕面市中学校総合体育大会 女
子1500m吉田芙美(中2)記録5分28秒
(自己新)。共通女子800m 新見まゆ子
(中1)記録2分45秒(自己新)。共
通女子800m廣内茜(中1)記録3分17
秒。オープン参加のため順位表彰な
し。
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8/24豊能地区
陸上競技大会兼
大阪大会予選 中2・ 3年女子
1500m3位入賞
吉田芙美(中
2)記録5分26
秒(自己新)。
中1女子800m新
見まゆ子(中
1)記録予選2
吹田市長杯トライアスロン大会
分47秒決勝2分
45秒(自己タイ)4位。いずれも10/ 参加できる種目は次の通りです。
陸上、水泳、サッカー、剣道、卓
13,14開催の大阪大会進出決定。
9/09豊能地区陸上競技記録会 中2 球、テニス、野球、バドミントン、バ
女子800m 2位吉田芙美(中2)記録2 レーボール、バスケットボール、ソフ
分36秒(自己新)。中1女子800m 2位 トボール。
陸上競技以外にも参加するスポーツ
が出ればいいですが、まだ検討
中です。
吹田市長杯トライアスロン大会
6名入賞
9月2日(日)恒例の吹田市
長杯トライアスロン大会が千里
北公園で行われました。本学園
陸上競技で活躍している新見まゆ子さん(
左)
からは生徒13名、教員2名が参
と吉田芙美さん(
右)
加。うち6名が各部門で入賞し
ました。
新見まゆ子(中1)記録2分40秒(自 距離は小学生Swim125mRun1.4km、中
学生S500mBike10kmR2.8km、高校生以上
己新)。
(注)豊能地区は、箕面市・豊中 S1000mB20kmR5.6kmでした。暑い中、出
市・池田市・豊能町・能勢町の全体で 場するだけでも大変なことのに、全員
が立派に完走しました。本当にご苦労
す。
様でした。また、応援に来てくださっ
たご家族の皆様ありがとうございまし
中体連に登録
上記のように陸上競技大会の結果を た。
しばしばお送りしますが、これは私 <入賞者>
(馬場)の要望から、校長と事務長の 小学3年以下男子の部 3位 Kento
決定により6月に中体連に登録したた Saito-Baba (OIS3)
め、近隣の中学校との公式大会・試合 中学女子の部 2位 中尾紀子(SIS7)
3位 新見まゆ子(SIS7)
に参加できるようになったからです。
中体連の登録は学校単位で、他のス 中学男子の部 1位 谷畑雄一(SIS9)
3位 中尾悠士(SIS9)
ポーツも出場できます。SIS/OIS合同の
チームでも参加可能であることは確認 壮年男子の部 1位 馬場博史(教員)
済みです。本校で活動しているもので <完走者>
中村陽香(SIS7)、菅野もえか(SIS7)、
松田杏子(SIS10)、安藤ゆかり
(SIS10)、長みさき(SIS11)、藤本卓
(SIS10)、岡本竜平(SIS10)、Yoshiaki
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2 0 0 1
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タッチ関西大会
優勝
大路明子
高等部2年
この夏の7月22日に枚方市で行われ
た関西タッチラグビー大会2001 に参加
しました。私達セイバーズは、予選
リーグをトップで通過し見事決勝トー
ナメントに進む事ができました。準決
勝では大学生チームと対戦し、快勝。
決勝の相手スーパーモンキ―ズは全国
1位のレベルで手ごわい相手でした
が,想像以上のいい戦いで1点に押さ
え私達の大量得点の末見事優勝!!す
なわち大阪セイバーズは関西1位にな
りました。
メンバーの中にはまだ入って1,
2ヶ月の子もおり、なおかつこの大会
は夏休み中の開催という事で、メン
バー全員集まって練習できない中での
試合となりました。気温も30℃を越え
炎天下の中での苦しい試合でしたが、
岡田先生の最後の大会だったのでみん
な一丸となって頑張りました。 そして
今年度からPE科に新しく相良先生が入
り、セイバーズのタッチラグビー部の
監督になってくれる事になりました。
Saber Sports Update
Mark Pekin
Athletic Director
Our first big tournament for the year will be the APAC Girls Volleyball
Tournament to be held here at school Oct. 24-28th. Teams from Beijing,
Shanghai, Seoul and Manila will arrive on Wednesday Oct. 24th and
tournament play will begin Thursday, continuing through to the finals on
Saturday afternoon.
Saber Fall Sports Schedule:
Middle school:
Oct 12-13:
MS Volleyball t'ment at Marist/CA
Oct 19:
Baseball t'ment at CA
High school:
Oct 12-13:
Saber Invitational V'ball & Tennis Tournament
Oct 19-20:
Varsity Volleyball T'ment at Nagoya
Oct 24-28:
APAC Tennis at Shanghai
Oct 25-27:
CA Baseball Invitational
Oct 24-28:
APAC Volleyball at Osaka and CA
タッチも新生タッチラグビー部として
スタートするので新メンバーもどんど
ん歓迎します。最初はみんな初心者か
らのスタートなので、そこのタッチを
むずかしいとおもっているみなさん、
タッチでいい汗かこうゼ!
千里国際学園のチームスポーツは
千里国際学園中等部・高等部(SIS)
と大阪インターナショナルスクール
(OIS)の2校で1チームを編成して
おり、この形態での参加を認める
APAC(Asia Pacific Activities
Conference)の公式試合や、近隣の
インターナショナルスクール、日本
の中学・高校との交流試合等に参加
しています。
< APAC 参 加 校 >
北京インターナショナルスクール
(中国)、上海アメリカンスクール
(中国)、ブレントインターナショ
ナルスクール(フィリピン)、ソウ
ルフォーリンスクール(韓国)、カ
ナディアンアカデミー(神戸)、千
里国際学園(大阪)
( 注 ) 「 セ イ バ ー ス( T h e
Sabers)」は千里国際学園スポーツ
チームの愛称です。
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Second SIS IB class successfully completes exams
Peter Heimer
English
On May 4, 2001, twelve SIS grade 10 and
grade 11 students spent 3 and1/2 hours in
the third floor conference room, taking two
final exams for the International
Baccalaureate English A2 course of study.
This group of students is the second one
from our school- and only the second one
in Japan- to have completed the
challenging English A2 course.
Throughout the year, these students
read novels, poems, short stories, textbook
passages, and articles. They wrote poems,
speeches, letters, song lyrics, novel
dialogues, personal opinions, and essays,
essays, and more essays. They discussed
literature, bilingualism, and their own
linguistic identities. They participated in
roundtable discussions, acted out literary
scenes, led individual language sessions,
watched movies, and paid very close
attention to every single word their teacher
said. In short, they improved their
language skills and their understanding of
the English language.
The IB English A2 course normally
takes two academic years; this group
finished it in one. The twelve students
worked very hard, earned very high IB final
scores, and deserve our praise.
Congratulations, IBers!
IB English A2 students- Yu Hase, Haruko Hoshino, Yoko Ikeda, Mami Kaieda, Yukie
Mikami, Saori Nishikawa, Mariko Sheffner, Reiko Tanaka, Chika Tomoi, Yoko Tsujita,
Yumiko Ueshima, Yoshiko Yamamoto (plus Mayuri Sasuga and Aya Tabuchi)
ドラマフェスティバルで大熱演
English Drama Club
井藤真由美
英語科
6月23日に、第9回 English Drama
Festival が、本学園シアターで行われ
ました。今回の出場校は6校(中学1
校、高校4校、そして本学園)で、例
年と同じようにレベルの高い、中身の
濃い演劇の発表・交流の場となりまし
た。
千里国際学園English Drama Clubの
劇は、『The Song of Silence』で、こ
のクラブの創始者である、3月にSISを
卒業したシェルトン恵美理さんのオリ
ジナルの台本です。また、演技指導、
40
作曲なども彼女がすべて1
人でこなしてくれました。
劇の内容は、歌手を目指し
ていた女の子が、のどにで
きた腫瘍の手術で声帯を失
い、恋人も失い、絶望感を
味わいますが、手話との出会いやダン
スとの出会いで立ち直り、プロのダン
サーに成長する、というものです。
歌・踊り・手話・回想をうまく盛り込
み、笑う場面も泣かせる場面もある見
ごたえのある劇が出来上がりました。
惜しくもグランプリの賞は逃しまし
たが、主役を演じた堀桃子さん(SIS11
年)が、Best Actress の賞をいただき
ました。尚、グランプリは、『The Last
Leaf』を演じた箕面高校が獲得しまし
た。
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夏の数学研修
(4)データを整理しよう(中学2年)
Project 4
体力測定のデータ(50mDash 三段跳び ハンマー投げ 走り幅跳び 走り高跳
び 50m ハードル)を体育科からいただき、整理してみよう。
男子と女子に違いはあるのだろうか。種目の間に何か関係はないだろうか。
馬場博史
数学科
(5)容積が 350ml のジュースの缶を作ろう(中学3年)
大阪大学公開講座に生徒8名参加
8月6日から10日までの5日間、大阪大学理学部で高校生
のための公開講座「現代数学への冒険」が開催され、本校か
ら8名の生徒と4名の教員が参加しました。テーマは①非
ユークリッド幾何学の世界②デジタルの数学−セルオートマ
トンと計算機③いろいろな素数④無限級数と指数関数⑤複素
進数とフラクタル。 大学の先生から専門の分野の話を直接
聞くことができる機会ということで、参加した生徒たちは熱
心に講義に耳を傾けていました。
T^3第5回年会で授業実践発表
8月18、19日に大阪市内でT^3第5回年会が開催され、本
校から田中、高橋、馬場の3名が、日頃のグラフ電卓を利用
した授業の紹介を中心に、全国から集まった教員の方々の前
で発表しました。当日会場では、本校の先進的な授業実践に
対し活発に質問が出されていました。そのうち田中先生の発
表の一部を紹介します。
(注)T^3とは Teachers Teaching with Technology(テクノロジーによる数学関連
の教育)の略称です。
Project 5
材料(表面積)を最小にするという条件の下で、350ml のジュースの缶を設計す
る。どのような形にすればよいか。
底面の半径を xcm、高さを hcm の円柱を考える。容積が 350ml より、
hπ x 2 = 350
したがってこの円柱の表面積をy平方 cm とおくと、
1.はじめに
生徒全員にグラフ電卓をに持たせ初めて3年目を迎える。この間、数学科教員 (専任3名、
非常勤講師2名)は、グラフ電卓をいかに使っていけば数学の授業が実り多きものとなるか
を追求してきた。その実践の一端を紹介する。グラフ電卓が初めてという方は、是非一緒に
電卓を操作していただきたい。
2.実践例
(1)文字の式(中学1年)
Project 1
1個43円のリンゴを何個か買って1000円出したときのお釣りを計算した
い。
h
y = 2π x 2 + 2πxh
350
= 2πx 2 + 2π x × 2
πx
2 × 350
= 2πx 2 +
x
(6)国際救助隊発動(中学3年)
Project 6
地点Qで人が溺れている。救助に向かう人は海浜の地点Pから地点Bまで走り、
地点Bから海上の地点Qまで泳いでいく。できるだけ早く着くにはどうすればよ
いか。ただし、海浜を走る速さは毎秒 5m で、海を泳ぐはやさの3倍であり、
PA=100m, AQ=80m とする。
0 ≤ x ≤ 100 .
生徒全員がグラフ電卓を持つ学校の実践報告 <中学校編>
千里国際学園中等部・高等部
田中 憲三 ktanaka@senri.ed.jp
x
2π x
Q
とすると、
AB = x (m)
PB = 100 − x , BQ =
また
x 2 + 80 2
80m
であるから、
B
所要時間y(秒)は
100m
P
y=
Xm
A
100 − x
x 2 + 6400
+
5
5/ 3
したがって、A から 28.28mの地点をBとすればよいこ
とがわかる。
(7)どっちが得か(中学3年)
Project 7
パラソル型(円錐形)をしたチョコレート1本がある。双子の兄弟が半分ずつ食べ
ることにした。先にかぶりつく方が得か?
43円のリンゴをx個買った時のお釣りをy円とすると、 y = 1000−43 x
(2)グラフ電卓で方程式を解こう (中学1年)
Project 2
いろいろな方程式を解いてみよう。
円錐の母線の長さを 10cm とする。円錐の底面に平行な平面でこ
の円錐の体積を2等分する。円錐の頂点から何 cm のところで切
断すればよいかを考えてみることにする。
円錐の頂点から xcm のところで切断すると、上部の円錐 A と、
もとの円錐Bは相似な図形で、体積比は相似比の3乗に等しくな
ることから、
円錐 A の体積:円錐Bの体積 = 1.
= 1:2
:
3
2.
32(x2x= +x 5−) 3+ +
7 =6 2 − 4 x
3
3.
(3)容積を最大にする箱を作ろう (中学1年)
Project 3
縦が 18.2cm 、横が 25.6cm の長方形の厚紙の四隅から同じ大きさの正方形を切り
1
取り、残りの部分を折り曲げてふたのない箱を作る。箱の容積を最大にするには
深さをいくらにすればよいか。
3
x
したがって、
10
よって、
3
2 x = 1000
10cm
3
x = 500
ここで、500 の3乗根を求めることになるが、
TABLE より x = 7.94 ということになる。「半分より少し下まで食べても OK だよ。」と言
って弟に先に One Bite させた方がずいぶん得をすることになることがわかる。
3.終わりに
ここでは中学数学でのグラフ電卓活用例の一端を紙面の許す限り紹介した。グラフ電卓を取
り入れることにより、数学を自分の生活に取り入れようとする生徒も出てきた。これからも
楽しく、意欲的に数学を学習していけるように、教材の開発を行っていきたい。
41
A
s e l e c t i o 2n0
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
f r o Nmo
0 1
OIS
. 7 7
weekly
"Educator"
Our thoughts and prayers go out to...
Bill Pearson
OIS Head
I am sure you are all aware of the tragic
events that happened in the United States
of America earlier on September 11th. Our
thoughts and prayers go out to everyone,
no matter what race, religion, color or creed,
whom may have lost loved ones in this
tragedy.
Greetings!
Greetings, and a warm welcome to all
new and returning students and parents. It
is a pleasure to begin this new year at such
an outstanding school as OIS. We
sincerely hope that your children will gain
an education that will make them leaders
and meaningful contributors to their
countries, communities, and families.
Please know that we are here to help and
will strive to make your children's education
a meaningful experience.
In this first issue, I would like to tell you
a little about myself and introduce the other
new staff members at OIS. This is the
beginning of my 25th year in education. I
also have 3 years of experience working in
human resources and in a long-range
planning group for an oil company based in
Saudi Arabia. My educational experience
includes time as an elementary teacher,
elementary principal, business manager
and assistant superintendent. I spent the
past 11 years working in Singapore with the
Singapore American School. I love sports
and music so you will see me at many of the
athletic and performing arts events. My
wife Anita is here in Japan with me and I
have two daughters in the United States.
Hallie, age 20, is attending California
Lutheran University while my youngest
daughter Amy, age 18 is in her first year at
Western Washington University. They are
both looking forward to their first visit to
the Osaka area.
Our new business manager is Mr. Jim
Schell. Jim is not a stranger to the Kansai
area as his wife Miwa comes from Kyoto
and they have lived in the region before.
During the past 3 years, Jim has been
working and living about 30 minute south
of Portland, Oregon. He has twin 4-year-old
daughters, Lina and Erika who will be in the
ECP4 program at OIS. He is happy to have
returned to Japan and looks forward to
meeting parents at school and community
events.
There is a new teaching team at the
grade 3 & 4 level this year. First is Ms. Nico
Krohn who comes to us from Buckeye,
Arizona where she taught elementary this
past year. She also has extensive
experience as a journalist in central
European countries and has been a regular
contributor to the Wall Street Journal. Ms.
Krohn brought with her Mogi which is a
shaggy Hungarian dog with a laid back
personality.
Last but not least, is Mr. Rick Elya. Rick
has been teaching the past few years with
the Seattle Public Schools. This is his first
teaching experience overseas but he is
adapting well and is keen to learn some
Japanese language skills. He likes to travel
and is a Seattle Mariner's fan so I think he
will like Japan.
In closing, I would like to encourage
you to feel free to call your child's teacher or
any one of the administrators should you
have any questions or concerns about the
school.
MIDDLE/HIGH SCHOOL UPDATE
John Searle
Middle and High School Principal
I am delighted to be able to welcome all
new and returning families to the 2001
school year.
It was great to see everyone at the
Orientation Day. Apart from receiving
schedules and meeting homeroom
teachers, I talked briefly about the
significance of what we study in relation to
the global decisions made in the summer
concerning the environment, stem-cell
research and meetings of the G8. That was
the large picture but on a smaller scale my
42
emphasis for this first term is that students
are in classes, that they are on time and
doing their best in all aspects of their school
life. If these basics are taken care of then all
other successes will come. One thing I
forgot to mention was the importance of
speaking English, something I hope you
will encourage at home.
I also spoke about the School Learning
Results (SLRs), the list of qualities the
school community would like to develop in
our students. Please take a few minutes to
familiarize yourself with these SLRs, printed
in the Student Handbook, as they will
appear throughout your child's school
career.
I would also like to give you advanced
notice of a series of coffee mornings I
would like to have with parents from each
grade level. This will give us a chance to
meet each other, and to talk about our
partnership in your child's education. I will
be sending you information about this
within the next couple of weeks.
A
selection
I have had a great time visiting my
colleague's classrooms to see how classes
have started. In the last few days I have
watched the 6th Grade study condensation
in Science; the 7th Grade geography; the
8th Grade cartography; the 10th Grade
wrestle with the poems of Robert Frost and
contemporary Japanese writers; the 11th
Grade discuss caloric theory in Physics;
from
OIS
weekly
"Educator"
I N T E R C U L T U R E O C T O B E R
and the High School Concert Strings go
through their paces with a new piece. I have
to commend the students for the way they
have got down to work without seeming to
lose a stride from last year.
I would also like to thank you all for
supporting the school on the 4:30 leaving
time. The students have been great about
fulfilling this important responsibility.
2 0 0 1
N o . 7 7
Whilst safety is our number one concern
there have been other important spin-offs.
For example the school has a greater sense
of calm at the end of the day.
On the evidence of these first few days,
I can only feel very optimistic about the
year and what we will achieve.
Elementary Update
Karin Caffin
Elementary School Principal
Welcome back to the 2001/2001 school
year. I trust that you have all had a good
holiday and were able to spend time with
your family and friends. The students all
seemed happy to be back and have settled
in well. I spend some time in classrooms this
week and observed students in their new
grade levels, and I can see that there is an
exciting and challenging year ahead for
them.
One of our parents remembered that I
am always looking for information to share,
and that I have also voiced my concerns
about the time that many children spend
playing computer games and video games,
so she sent along a very interesting article.
Some parents may already have read this
article in the Japan Times, August 20th,
from which I quote heavily.
Professor Ryuta Kawashima, a brain
mapping expert and his colleagues at
Tokyo University, measured the level of
brain activity in hundreds of teenagers
playing a Nintendo game. They compared
these measures with the brain scans of
other students doing a simple repetitive
arithmetic exercise. It was found that the
computer game only stimulated activity in
the parts of the brain associated with vision
and movement. In contrast, the arithmetic
exercise stimulated brain activity in the area
of the brain most associated with learning,
memory and emotion - the left and right
hemispheres of the frontal lobe. The frontal
lobe continues to develop within humans
until the age of about twenty, and has an
important role to play in keeping an
individual's behavior in check. The frontal
lobe is hard at work when an individual
uses self-control to refrain from lashing out
and doing things that they should not do.
Children often do things that they
shouldn't because their frontal lobes are
underdeveloped, and the more work done
to thicken the fibers connecting the
neurons in this part of the brain, the better
the child's ability will be to control their
behavior. The more this area is stimulated,
the more these fibers will thicken. The
students who played computer games
were halting their process of brain
development and affecting the ability to
control potentially anti-social elements of
their behavior. Children should be
spending less time with such games and
more time reading and doing other things
like arithmetic. Children should also have
the opportunity to be involved in physical
as well as academic activities so that they
become balanced individuals.
千里国際学園中等部・高等部
(SIS)ではこの広報誌"インターカ
ルチュア" が発行されています
が、併設の大阪インターナショナ
ルスクール(OIS)では毎週金曜日
に"Educator" が発行されていま
す。
ここでは"Educator"の記事の中
で、OISの様子がよく分かるもの
やSIS と関連する話題等をセレク
トして掲載しています。
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保護
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保護者会だより
「
ジャーナリズムの世界に生きて」
フォーラム委員会講演会
――大谷昭宏さんを囲んで
夏休み前の6月25日、千里ニュータ
ウンにお住まいのジャーナリスト大谷
昭宏さんをお招きし、フォーラム委員
会の講演会が開催されました。会議室
を埋めた83名の保護者は、時間いっぱ
いまで大谷さんのお話に熱心に耳を傾
け、質問を投げかけました。「小学校
から新聞記者になりたかった」とおっ
しゃる大谷さんは、最近ご自身が関わ
られた事件を通して、ジャーナリスト
の役割とは失敗から何かを学んでもら
うことである、と語られました。大阪
教育大学付属池田小学校の事件の直後
だっただけに、「ジャーナリズムはな
ぜ被害者を取材するのか」という、心
の葛藤が伝わってくるお話でした。
大谷さんが事件を報道される中から
浮かび上がるのは、社会の弱い部分に
ますます牙が向けられる日本社会のす
さみであり、命を尊ぶ心がないがしろ
にされている状況です。こうした状況
を生んでいる今のシステムは変えなく
てはならない、というのが大谷さんの
ご意見です。ただ、問題を解決するた
めに近道をしようとするのではなく、
もっと根っこのところで考えてもいい
のではないか、と提案されました。
日本社会の問題に深く関わるものと
して、大谷さんはご自身の教育論も展
開されました。――「ナンバー・ワ
ン」は競争に勝った一人にしかなれな
いけれど、「オンリー・ワン」は自分
にしかできない何かをつかめば、誰も
がなることができる。大切なのは、ど
んな生きかたをするのか、そのために
何を目標にするのかを学ぶことであ
る。17歳問題というのは、子供たちが
社会に入るのに躊躇して足踏みしてい
る状態で、目を輝かせて語れるような
社会が失われてしまっていることのほ
うが問題なのである、と。個人を大切
にしながらも、その個人を社会との関
係性の中で育んでいこうとする姿勢
が、大谷さんのお話から感じられまし
た。
大谷さんは、最後にアンデスの学術
調査隊のお話をされました。日本の調
査隊が予定よりも早いピッチで山を登
りつめて、あと少しで山頂というとこ
ろで、現地のシェルパの人々が突然先
に進まなくなりました。わけを聞いて
みると、あまり早く肉体が移動したの
で、置き去りになった魂が肉体に追い
つくのを待っていたのだそうです。前
を向いてひたすら進むことを良しとし
てきた社会で、私たちは本当に魂と歩
調を合わせた生き方をしてきたので
しょうか?アンデスの風景を思い描き
ながら、自分の魂のありかを考えてみ
ました。
<文責大津留>
阪急バスの中でのマナーは大丈夫?
夏休み前にお配りした、「マナーに関するアンケー
ト」で、マナーについてのご意見や情報をうかがったと
ころ、次のような問題点が寄せられました。回答をお寄
せいただいた皆さん、ありがとうございました。
・バスの中でのマナーが悪い(複数から指摘)(さら
に具体的に、動いているバスの中で動き回る、途中から
乗車する友人のためにバスの席を荷物で確保する、な
ど)・校内での挨拶や会釈があまりされていない(保護
者や来校者に対して)・傘立ての傘が無断で使われ、
戻ってこないことがあった・言葉づかい、行儀、食事の
マナーなど家庭でのマナーは大切である・自由はよい
が、回りにも気を配り、節度をもって行動してほしい・
内部は素敵な学校なのだから、マナーの悪さで外向けの
印象を悪くするのは残念だ。
阪急バスの中でのマナーの悪さは、従来から問題とさ
44
れており、今回も複数の指摘がありました。そこで、広
報委員会のほうで阪急バスの茨木営業所にお話をうか
がったところ、「必要最小限のマナーを守っていただけ
れば結構です。それぞれの乗務員がどう思っているかは
わかりませんが、特に乗務員から営業所のほうに苦情が
寄せられるということはありません。一般の方たちも
乗っておられるので、最低限のマナーは守っていただけ
るよう、生徒さんたちによろしくお伝えください。」と
のコメントをいただきました。
最低限のマナーとは何でしょうか?「5つのリスペク
ト」は、学校の中だけではないはずです。バスの乗客の
みなさんや、運転手さんの気持ちをリスペクトすること
は、自分自身の判断力をリスペクトすることではないで
しょうか?一度、ご家庭でもマナーについて話しあわれ
てはいかがでしょうか。
保護者会だより
日頃、子供達がお世話になっていると
は思うものの、実際にどのように子供達
が利用しているのかがあまり知られてい
ないのでは?と思われる場所である保健
室とカウンセリング室。今回はこの2つ
の施設にスポットを当ててみました。
<保健室>
先生の紹介
弥永千穂(やながちほ)先生。今年の
1月より勤務して下さっています。以前
は病院で看護婦として救急外来、小児科
外来の勤務を4、5年されていました。
その時本校の募集を知り、応募なさって
採用され現在にいたっておられます。
オーストラリアへの留学経験もあり、英
語もOKの笑顔の素敵な先生です。
利用者
季節によって違いますが1日に約20人
∼50人で、風邪の流行する冬の方が多い
そうです。小さい子供の方が少なく、
OISとSISではSISの方が多いそうです。
内科的なものと外科的なものの割合はほ
ぼ半々だそうです。
業務内容
何らかの体の不調(時には心の不調)
を訴えてくる生徒に対して症状を軽減で
きるような応急処置、援助、又必要に応
じて健康へのアドバイスをしていただい
ています。内科的には頭痛、腹痛、睡眠
不足などが多く、外科的には傷、打撲、
捻挫などです。弥永先生ご本人にいろい
ろお尋ねしました。
Q: 不調を訴えてきた生徒にはどうい
う対処をされているのですか?
A: 基本は本人から詳しく話を聞くこ
とから始め、それに応じて一緒に原因を
考え、保健室でできるケアを行い指導す
るようにしています。例えば、頭痛では
痛みの始まり・どんな痛みか・熱の有
無・生活状況( ストレスや睡眠不足な
ど)を聞き、原因をある程度生徒と一緒
に考えます。原因を考えることにより、
どうしたらそういう症状が起こらない
か、起こったときにどういう対応をする
とよいのかを学んで欲しいという気持ち
があるからです。痛みの程度や種類、全
身状態により対応は違いますが、しばら
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く休ませて様子を見ることが多いです。
基本的には本人にどうしたいのかを聞
き、いくつか選択肢をあげるようにして
います。
Q: けがの場合はいかがですか?
A: 生徒それぞれに応じて対応をして
います。傷が軽い時は消毒をして、本人
には消毒を続けるように話します。捻挫
や打撲の場合は、強い腫れや痛みがない
限り湿布・クーリングで様子を見ます。
本人には痛みがひかない、あるいは腫れ
がひどくなるようなら病院を受診するよ
うに話します。程度がひどく病院を受診
しなくてはいけない場合は、ご家族へ連
絡をとります。保健室は基本的には応急
処置をする場であるので、特別なケース
を除き毎日の湿布の交換や傷の消毒をす
ることはありませんが、経過が気になる
生徒に関しては、来室するよう伝えてい
ます。
Q: 早退の時はどういう手続きをとる
のですか?
A: 必ず自宅(ご家族)に連絡をとりま
す。自力で帰宅できる場合は帰宅させま
すが、基本的にはご家族に迎えに来てい
ただくようになります。いずれにせよ、
緊急の場合も起こりうるので、保護者の
方には必ず連絡がつくようにしておいて
ほしいと思います。
Q: 病院を受診する場合はどうでしょ
うか?
A: 外科的に病院を受診しなければな
らない時は、原則としてご家族に来校し
てもらい、それから病院へというプロセ
スになります。学校から直接病院へ行か
なければならない時は、担任または空い
ている先生が付き添います。
Q: 生徒にとって保健室がどんな場で
あってほしいですか?
A: 気軽に利用できる保健室でありた
いと思います。ただ、「保健室に行く」
と言って消える生徒もいるとか。具合悪
そうな生徒が実は・・・なんてこともあ
るようで、今それが一番対応の難しいと
思う部分です。しかし授業の遅れは自分
に返ってくるので、本人に分かってもら
うしかないと思っています。
Q: 病気、けが以外の利用については
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いかがですか?
A: 健康に関する相談の場としても利
用してもらえばと思います。自分の体に
関する悩みがあれば、一人で抱え込ま
ず、アンスケ中、放課後などに相談に来
れるという事を知っておいていただきた
いです。また、恋の悩み、勉強の悩み、
両親との関係での悩みなどでカウンセ
ラー室に行こうか迷っている時も利用し
てください。保健室ではカウンセラーの
栗原先生をはじめクラス担任の先生など
と連絡をとり、生徒の皆さんをサポート
していきます。
Q: 保健室で勤務されてから1学期が
過ぎましたが、今どういう風に感じられ
ていますか?
A: 私自身、生徒から学ぶことが非常
に多いように思います。生徒の話す一言
一言によって今の子供達がどんな問題を
抱えているかを知ることができますし、
知ることで他の生徒にも「あなただけ
じゃないから」と伝えてあげる事もでき
ます。とにかく生徒と接しないと、本来
の仕事である健康についてもアドバイス
ができないので、気軽に来てほしいと思
います。私自身は、学校の中で他の場所
とはちょっと違った空間である保健室に
いる、お姉さん的存在でありたいと思い
ます。
Q: 生徒に対して何か言いたい事はあ
りますか?
A: 生徒の皆さんがスクールナースに
期待していることと実際自分が行ってい
る事には何かしらギャップがあるかもし
れません。日々勉強で、実際生徒たちと
接しながらさまざまなケースに対応して
いますが、後でこうすればよかったと思
うこともあるので、もし皆さんが私に期
待することがあれば教えていただきたい
です。可能な限り、今後のケアに生かし
ていきたいと思います。
Q: 最後にご家庭に対して何かお願い
はありますか?
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A: 生徒の健康状態はきちんと把握し
ておきたいので、健康状態に何か変化の
あった生徒に着いては報告していただき
たいと思います。又、薬に関しての考え
方、飲み方は私の方ではなかなか指導で
きない点ですので、ご家庭でしっかり理
解させてから渡してあげてほしいと思い
ます。例えば、自宅から自分の痛み止め
を持参して飲んでいる生徒がいますが、
痛みがひかないので時間をあけずに飲ん
だりする事もあり、少々心配になりま
す。薬を持たせる場合は安易に「飲みな
さい」と渡すのではなく、いつ・どれだ
け・どのくらいの時間をあけなければい
けないかを話してあげてください。<文
責 荒木・久保>
<カウンセリング室>
先生プロフィール
栗原真弓先生。長崎生まれ。専門分
野:臨床心理学、異文化間カウンセリン
グ、家庭療法。アメリカ、オレゴン州及
びニューヨーク州に計8年滞在。1984∼
84年、ニューヨーク州ウエストチェス
ター群特殊教育委員会(BOCES)に勤務
し、現地の日本人児童、生徒の心理検査
及びカウンセリングを担当。1990年秋よ
り千里国際学園準備財団に加わり、翌4
月開校時より専任カウンセラーとして現
在に至る。 利用状況
一般生、帰国生、及び保護者の利用も
多い。OISや卒業生からの相談もある。
利用方法
原則としては予約制。但し、ドアが
開いている時はいつでも来談OK。緊急の
場合は、予約なしでも最優先で対応。 予
約方法…カウンセリングセンター(秘
書:小野寺さん) 直通電話番号0727-275061(12:00∼13:00は不在) 本校カウ
ンセリングセンターの特色
・秘密厳守を基本とし、カウンセラー
は学校から独立して働く権利が与えられ
ている。その上で、カウンセラーと教師
あるいは管理職との間には、互いの立場
と専門性を尊重した協力体制がとてもい
い形で組まれている。
・登校できない状態の生徒に対して
は、『カウンセリング室登校』も正規の
出席として認められている。
・ルールに違反する言動を生徒が取っ
た場合は、処罰をして終わりではなく、
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子供の背景や状況を考慮した上で対応が
検討され、カウンセリングケアも含めて
フォローがなされている。
相談内容
・生徒:勉強、カルチャーショック、
友人関係、自分の性格や行動、家庭のこ
と、留学、進路、科目選択など。
・保護者:子供のこと(他校に通って
いる兄弟姉妹のことも含めて)、家庭内
のこと、保護者のカルチャーショック、
母親、女性としての生き方など。 最近の傾向 思春期は人生で最も多感な時期であ
り、この時代固有の心理的課題を抱えて
葛藤しながら成長していく。が、現代の
中高生は更にいくつかのそれぞれに大変
困難な課題に直面している。物理的には
恵まれていても、社会や家庭内における
個々の問題が深刻化したり、安定性を欠
いているため、子供にとって保護され受
け入れられているという真の安心感が充
分に得られていない場合もある。大人自
身にも余裕がなくなっており、将来に対
して希望を持ちにくい社会になりつつあ
るため、子供達がそれを敏感に感じ取
り、影響を受け、漠然とした不安やしん
どさあるいは空しさを抱えているように
思える。生きにくい人生を何とか生き抜
いて行く上で、基本的な技術や知識が未
だ不十分である年齢にいる子供達だけ
に、周りの人々からの支援や指導は昔以
上にとても大切になっている。 対応
・これまでの教育現場では、意識され
ている側面のみに目が向けられていた
が、子供達の行動や感情の根底には、本
人も気付いていない無意識や過去の経験
や家族との葛藤などが影響していること
がとても多い。それらの面を考慮しなが
ら、個々の問題についてケースバイケー
スで対応している。 ・本人の自己治癒力を発揮できるよう
援助する。 ・本人の据えている見方、考え方とは
別の視点からの解釈を与える。 ・本人の感情に任せて、内に溜まった
思いを安心して吐き出させる。
・カウンセリング室の内と外の違いを
重んじる。 学校という空間にあって、教室や廊下
は公の場であり、カウンセリング室は私
的な場と据えている。カウンセリングで
の話やその時の本人の状態は、生徒のプ
ライバシーであり、秘密厳守されるべき
ものである。それゆえ、カウンセリング
室の外で生徒を見かけても、あまり個人
的な話題には触れないようにしている。
カウンセリング室で思いっきり泣いた子
供達も、精一杯の元気を振り絞って笑顔
を作り、教室という公の場に戻って行く
のを知っているからである。
・カウンセリング室に来られない子供
達へのケアーとフォローのために、もう
少し授業への参加の必要性を感じている
が、時間の関係から未だ十分な対応が取
れていない。高2、高3生の希望者に
は、学期に3時間ほど心理療法の講義を
しているが、中学生向けに対人スキルの
ような授業を展開していきたい。 先生の子供達に対する印象
一言で言うと、『大好き』です。一
人ひとりと個別に話せる立場にいるの
で、子供達の個性の素晴らしさが伝わっ
てきます。力強さを感じます。例え中学
1年生でも落ち着いて自分を見つめ、内
なる声に静かに耳を傾けることができま
す。卒業していく頃には、自分とは異
なった意見や考え方を持つ人を認め、自
然に受け入れる姿勢が身についているの
を感じます。 先生からのメッセージ
カウンセリングに来る事は、決して
自分が弱いのではなく、逆に勇気がいる
事です。カウンセリングを受ける事に
よって、他者という鏡(先生)を通して
『自分探し』をし、自分の可能性や良さ
を引き出す事ができます。あるいは、自
分の中にある不安や怒りや悲しみなどを
一緒に眺める事によって、それらの感情
を客体化することができ、自ずと原因や
解決方法を見い出していくことができま
す。これらは、二人三脚の作業と言える
かもしれません。例え悩みがあったとし
(
次ページ★へ続く)
保護者会だより
第3回定例会報告 9月6日(木)13:30pm∼3F会議室にて
大迫校長より
(1)インターナショナルフェアに関し
て
くれぐれも無理のない運営で、ぜひ楽
しんで欲しい。
(2)学校安全対策について
「名札」部外者の認識をはっきりさせ
る。9月10日から実施予定。外来者の対
応(フェアなど)は熟慮中である。
「監視カメラ」を出入り口などに設
置。「防犯ブザー」を各教室に設置。計
61ヶ所。
「校長の許可なく侵入禁止」の注意書
き設置。
4:30pm 以降の生徒のみの学校滞在禁
止。教員による学校の見廻りを実施して
いる。尚、この事による4:32pmのバスが
混み合うという問題があるので、検討
中。
(3)周辺工事について
先ず、騒音と生徒の安全を重要視して
いる。7,8月に終了する予定だった
が、近隣の反対により中止している。こ
の近隣対箕面市の対立を学校側としては
静観しているが、取り決めが行われる際
には事前に連絡する。
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(4)カフェについて
業者は今までと同じだが、内容が変更
になっている。8月に試食したが子供の
意見を重視したいので、これからは試食
に生徒を参加させる。
(5)OIS新校長就任。
各学年委員報告
(7年生)来週11:00amからカフェにて
親睦会予定。
(8年生)10月5日に2回目の懇親会予
定。インターナショナルフェアの出し物
などについての話し合い。
(9年生)懇親会予定。新学期にあたっ
ての移動について。
(10年生)10月9日(火)池田先生を交
えて進路指導の説明会予定。
(11年生)10月に学年懇談会予定。担
任、編入生を交えて進路に関しての話し
合い。11月インターナショナルフェアに
集中。12月までに、2回目の懇親会予
定。
(12年生)懇親会の予定あり。
各委員会活動報告
〔広報〕
9月6日ミーティング。インターカル
チユアー10月号の段取りについての話し
合い。掲載したい記事がありましたら、
各委員の方9月20日までに広報まで。
〔フォーラム〕
6月25日講演会開催。9月6日ミー
ティング。春学期の反省と秋学期の予定
などについて。
〔ネットワーク〕
9月6日定例会後ミーティング。転出
入についての新名簿作成。
〔インターナショナルフェア〕
9月4日からクラフト制作再開。毎週
火曜日10:00am∼。出店依頼の配布物を
配布。外部出店も受け付けています。但
し、保護者の知人に限ります。生徒の出
店については、従来の5%還元から10%
以上の還元に変更予定。
〔ボランティア〕
6月7日スポーツバンケットで活動。
6月12日春季コンサートで活動。10月女
子バレーボール大会のランチサービス予
定。
〔執行部〕
9月に入ってからの新クラス編成に関
して、名簿等の情報が必要なら、執行部
まで問い合わせてほしい。
各学年、9,10月に懇親会を予定され
ている場合、一般の保護者からの質問等
があれば受け付けて、定例会で報告して
ほしい。尚、学校で懇親会を行う場合
は、保護者会室の備品の使用が可能。
広報部3名で、カウンセリング室を
お尋ねしました。インタビューのつもり
が、いつの間にかそれぞれの悩みを聞い
て頂き、座談会みたくなってしまいまし
た。 それはやはり先生の真直ぐな眼差
し、真摯に聞いて下さる優しいお声、そ
の雰囲気に、先生にお話するだけで心が
癒される、落ち着いた気持ちになれると
『栗原マジック』を感じたのは私達だけ
でしょうか?そして、最後に『困難が大
きければ大きい程、低く屈めば屈む程、
跳躍力が大きくなる。』とおっしゃった
言葉に、優しくて力強い先生のお人柄を
垣間見たような気がしました。 した。また、この二つのオアシス、お二
人の先生がいて下さる限り、親としても
安心して学校に子供達を通わせる事がで
きると確信しました。がしかし、この二
つの部屋から出発する時、一人一人の子
供達の本当の旅立ちが始まることは確か
です。一人一人が力強く、自分の足で一
歩一歩、歩き出していってくれる事を願
わずにはいられません。そしてご多忙中
にも関わらず、心良くインタビューに応
じて下さった、両先生に紙面をお借りし
まして、心よりお礼申し上げます。どう
もありがとうございました。そして、こ
れからも子供達の事、よろしくお願いい
たします。 (文責 小池)
(
★前ページの続き)
ても、決してマイナスなのではなく、悩
むことによって自分自身が大きく成長す
ることができるので、負けないでほしい
です。そして、強い自分も弱い自分も認
める柔軟さを身につけると、ずっと生き
ることが楽に優しくなることを知って欲
しいと思います。 元来、人は自分で克服する力を持って
います。でも子供だったり、あるいは大
人でも少し元気のない状態の時は、一緒
になって考える人の存在や少しのアドバ
イスと励ましが必要な時があります。私
の仕事がそういった人たちの助けになれ
ば、何より嬉しく思います。 『一人で悩まないで、ぜひカウンセリ
ング室に来てください。来ようと思った
時点であなたの悩みの 半分は解決して
います。いつでも、待っています。』 栗原先生をお尋ねして
<取材後記>
保健室、カウンセリング室。どちらも
子供達にとって安心して身を寄せる事の
できる『心のオアシス』であると思いま
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1 0 ∼ 11 月 行 事 予 定
月 日 曜
10 06 土 運動会(予備日10/8)
22∼23 イヤーブック個人写真撮影日
11 05∼09 玄関コンサート
09 金 学校説明会
23 金 インターナショナルフェア
26 月 秋学期終了
27 火 教員研修日-休校
28 水 冬学期開始
学校説明会のご案内
11 月 9 日 ( 金 ) 13:30 ∼ 15:00
本校シアターにて
選考方法、要項内容等の統括的説明を中心に行います。本
校に興味をお持ちのお知り合いの方にお知らせ下さい。
編集後記
第3期卒業生松浦由華さんの文章「もしアフガニスタンに今何かあった場合、平和村の子どもたちは帰国できなく
なってしまいます。傷ついた子どもたちもドイツヘ治療のため連れて来ることが出来なくなってしまうのです。援助
活動は停止してしまうのです。一方では戦争、一方では平和活動、何か矛盾を感じてしまうのは私だけでしょう
か。」(P.22)が印象に残りました。テロの犠牲者を悼むとともに、今後どの国においても一般市民がまた犠牲にな
るということがないよう祈ります。インターカルチュアは過去最多タイ記録の48ページです。休日返上で編集しまし
た。ごゆっくりお読み下さい。(馬場博史)
"I'm certain that even in this moment where fear is the most logical emotion to feel we must take control
and not let it rule our lives or make our decisions.(今この瞬間、恐怖という感情がもっとも身近ではあるけ
れど、恐怖心が命を支配したり決定を下させたりする事のないように.)" by Gloria Estefan (ミュージシャン 9
.11.2001) これ以上、罪のない人の命が奪われることの無いように祈りつつ。 編集後記にかえて。 (井藤真由美)
インターカルチュアへの記事・ご感想等は、e-mail で i n t e r c u l t u r e @ s e n r i . e d . j p までお送り下さい。イ
ンターカルチュアはバックナンバーも含めて本学園ホームページ www.senri.ed.jp/interculture でもご覧いただ
けます。また学園ホームページにつきましてのご意見ご感想などは、w e b m a s t e r - j @ s e n r i . e d . j p までお願いし
ます。
編集:SIS広報センター 保護者会だより記事:保護者会広報委員 カット:イラストレーションクラブ生徒
Senri International School Foundation (SISF)
Senri International School (SIS)
年間発行予定と主な内容 ( )は発行時期
Osaka International School (OIS)
4-4-16, Onohara-Nishi, Minoh-shi, Osaka 562-0032, JAPAN
TEL 0727-27-5050 FAX 0727-27-5055
春 学 期 5 月 号 ( 上 旬 ) 卒業式、入学式、大学等合格状況、APAC
6 月 号 ( 中 旬 ) 学園祭、スポーツ表彰式
秋 学 期 1 0 月 号 ( 上 旬 ) 夏の宿泊行事、夏の諸活動報告
学校法人千里国際学園(SISF)
千里国際学園中等部・高等部(SIS)
大阪インターナショナルスクール(OIS)
〒562-0032 大阪府箕面市小野原西4丁目4番16号
電話0727-27-5050 FAX 0727-27-5055
1 1 月 号 ( 中 旬 ) 運動会、APAC、玄関コンサート
冬 学 期 2 月 号 ( 上 旬 ) オールスクールプロダクション
3 月 号 ( 中 旬 ) APAC、入試結果、卒業生へ贈る言葉
[注] "APAC" はスポーツ公式試合
千里国際学園は、帰国生徒を中心に一般日本人生徒や日本の教育を希望する外国人生徒も受け入れて日本の普通教育を行う千里国際学
園中等部・高等部 Senri International School (SIS) と、4 歳から18 歳までの主に外国人児童生徒を対象とする大阪インターナショナルスクー
ル Osaka International School (OIS) とを、同一敷地・
校舎内に併設しています。
両校は一部の授業や学校行事・クラブ活動・生徒会活動等を合同で行っています。チームスポーツはこの2校で1チームを編成しており、こ
の形態での参加を認めるAPAC(Asia Pacific Activities Conference)の公式試合や、近隣のインターナショナルスクール、日本の中学・高校
との交流試合等に参加しています。このため、校内ではインターナショナルスクールの学校系統に合わせて、6年生∼8年生(日本の小学6年
生∼中学3年生春学期)をミドルスクール(MS)、9年生∼12年生(日本の中学3年生秋学期∼高校3年生)をハイスクール(HS)と呼んでいます。
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