アジア・アフリカ・ラテンアメリカ Asia-Africa-Latin America(AALA) 京都版 No.135 2016 年 2 月 1 日 京都府アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会 連絡先 〒606-0033 京都市左京区岩倉南四ノ坪町 44 辻﨑忠由方 電話/FAX 075-722-7888 tjsktdys.willbe.w11@gmail.com 年会費(6,600 円)は郵便振替 00970-4-223429 京都府 AALA 連帯委員会へ ホームページ新版 http://kyoto-aala.com/ (旧版へのリンクあります) 会員の皆様へ(再掲) 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(日本 AALA)創立60周年&バンドン会議60周年 記念「平和・協力・繁栄の東アジア共同体をめざす国際シンポジウム」(2015.5.24 於:国 連大学)の報告集・CD の普及のお願いです。このシンポは戦後70年・被爆70年、バンドン会議60 年そしてベトナム戦争勝利40年という節目の年に開かれ、正に今後の東アジア地域の展望と希望を示 したものとなりました。 報告集は1部500円、同CD(日本語・英語版)は1枚300円です。ご自身を始め、お友達、お知 り合いの方々に普及して頂きますよう、宜しくお願い致します。 お問合せ・お申し込みは事務局/辻﨑まで。 抗議声明 北朝鮮の暴挙を厳しく糾弾し、核兵器廃絶に向けた運動を一層強化する声明。 1月6日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は「水爆実験」を行ったと発表しました。 北朝鮮の核実験・核開発は、核兵器廃絶を求める世界の諸国民の願い、特に北東アジアの平和と 安定を求める人々の声を踏みにじる暴挙であり、北朝鮮の核開発の放棄を求めた国連安保理決議だ けでなく、北朝鮮自らが約束した6ヵ国協議の共同声明、日朝平壌宣言にも背くものです。 非核・非同盟の世界と東アジアの平和共同体の実現を求めて運動を進めている、日本アジア・ア フリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(略称:日本 AALA)の地方組織である京都府アジア・アフリカ・ ラテンアメリカ連帯委員会(略称:京都 AALA)は、度重なる北朝鮮の暴挙を厳しく糾弾すると共に、 6か国協議の早期再開により北朝鮮の非核化を強く要求するものです。 同時に重要なことは自国の核は「安全の保証」、 「抑止力」など、と称して正当化を主張する既存 の核保有国や「核の傘」 、 「核抑止論」に与する国々が態度を改めて、一刻も早く核兵器廃絶に向け た「核兵器全面禁止条約」の交渉を開始することです。 京都府アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会はこのことを強く求め、核兵器廃絶のため の運動を一層強めていく決意を表明するものです。 2016年1月16日 京都府アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会 1 「アル・ジャジーラ」ってなに¡? アラビア語と英語でニュース等を 24 時間放送している衛星テレビ局のことで、本社はカタールの首 都ドーハにある。 「ジャジーラ」はアラビア語で「島」を意味し、 「アル」は定冠詞なのでアラブ地域で はアル・ジャジーラとはアラビア半島を意味する。1996 年 11 月 1 日、カタール首長であるハマド・ビ ン・ハリーファ・アール=サーニーより 5 億カタール・リヤル(1 億 3700 万 US ドルに相当)の支援 を受けて設立。独立を保った報道姿勢を保ちつつも、会長には首長の親戚であるハマド・ビン・サーメ ル・アール=サーニーが就任し、カタール政府を通じた経営という形がとられた(カタール政府以外に も、個人投資家達が加わっている) 。アラビア語、英語、ロシア語などでの放送があり、100 ヵ国以上の 約 2.5 億世帯へむけて放送している。世界 65 ヵ国・地域に支局がある。 イギリス人ジャーナリスト ヒュー・マイルズ著「アルジャジーラ 報道の戦争」によると収益の多く を日本の日本放送協会(NHK)を中心とした海外メディアからの「映像使用料」が占め、特に NHK が払 う金額が一番大きく、同局の大きな助けとなっている。また同著によると同じニュース専門局 CNN と 比較して CM の放送時間が少ないという。従来からの欧米(キリスト教文化圏)中心の視点とは異なる アラブ系メディアであり、アメリカのテレビがアメリカ社会、文化に偏向しているのと同様、アルジャ ジーラも当然アラブ社会(およびアラブ世界の一部を含むイスラーム世界)、文化に偏向しているが、 これが直ちにアルジャジーラが反米メディアである事を意味しない。 カタールは、欧米諸国に対しては、イラク戦争では基地を提供する程度には比較的に穏健な姿勢であ り、このアルジャジーラはカタール政府が西洋の近代的メディアを手本に創設したものである。また、 パレスチナ自治政府の汚職などの問題を追及したり、イスラエル人が出演してヘブライ語で話すなど、 他のアラブのメディアがやらなかったような事も積極的に取り上げる。アルジャジーラは自らを「公正 で政治的圧力を受けない、中東で唯一の報道機関である」と謳っている。実際に英国の Index on Censorship(検閲に関する問題を扱う雑誌。1972 年創刊)では、2005 年に「アラブ諸国における自由 な情報交換を促進し、検閲を拒否する勇気」の一例として紹介されているし、アメリカにおいても 1999 年のニューヨーク・タイムズ紙に「アラブ諸国で、最も自由で最も広い観点を持つテレビネットワーク」 と評されている。ただしジャスミン革命荷端を発する中東諸国の騒乱では、スンニ派のリビア・シリア の反体制派を擁護する一方で、バーレーンのシーア派反体制派には非擁護的な報道を行うなど、公正な 報道に対して疑問を覚える視聴者も少なくない。 アナウンサーの出身国はアラブ世界の広範囲にわたっており、本人達の宗教もイスラーム、キリスト 教と多様である。服装面に関しては宗教色が強くなく、長らくヒジャーブを着用するムスリマ女性アナ ウンサーは見られなかったが、2003 年アルジェリア出身の有名女性アナウンサーが開局以来初めての 着用者として登場し話題となった。その後局上層部は露出が少なく慎ましいとみなされる服装を求める 意向を強めていったらしく、2010 年には服装ガイドラインを受け入れがたいとした女性アナウンサー 達が集団で辞意を表明するという事件も起こった。2004 年 5 月 2 日、ドーハで開催された「アラブ・ 日本メディアシンポジウム」において、アルジャジーラ東京支局の開設が正式に発表された。2004 年 5 月当時、スタッフは 3 名在籍しており、開局当初の 3 ヶ月間は NHK より技術支援を受ける予定である と報じられた。 次回は東京支局・松村マハさん(リポーター)に登場して頂きます。ご期待ください。 (次号につづく) 2 日本の学生運動に新時代か? 政治とファッションが混合!?(その2) 政府に対する抗議活動がこれほどまでに盛り上がったのは1960年代の学生運動以来だが、当 時、過激思想と暴力に彩られたのとは大きな違いがある。 1960年代は、ベトナム戦争反対や、抑圧的な大学当局への抗議がきっかけだった。警察との 暴力的な衝突や、大量の逮捕者が出て、東京大学の学生がデモの最中に死亡する事件まで起きた。 リベラル派の中心的な思想は、現在の抗議活動にも流れている。しかし1960年代のように、 マルクス主義を信奉し、大学内のデモが中心で、労働組合のストライキを支持するのとは違って、 寛容で排他的でない空気が圧倒的に強い。これが現在の抗議活動を勢いづけた大きな理由だ。日本 社会では往々にして、政治的な意見表明には往々にして負のイメージが付きまとってきた。 デモの後は掃除 1960年代にバリケードに立てこもった往年の活動家の中には、SEALDs のファッション性が高 い抗議活動が、中身より見た目重視だと嫌う向きもある。全学連も特に、器用な戦術や警察への協 力的な態度を批判する。 SEALDs が毎週国会前で行ったデモは、整然としてマナーが守られたデモの良い例だ。多くの学生 はデモ終了後にすぐ帰らず、日が昇るころまで清掃を行った。 しかし、SEALDs の創設メンバーである奥田愛基さんは、運動への参加にリスクが全くないわけで 3 はないことを知った。さまざまな機会でスポットライトを浴びていた奥田さんにとって、渋谷の集 会で最後に「スチャダラパー」が歌うなか、ステージに短時間上がるだけで、登壇はかなり控えめ だった。 奥田さんと家族に殺害脅迫が来たのは、集会の少し前のことだ。顔を広く知られる SEALDs メン バーが、ソーシャルメディア上で匿名の人からひどい言葉を投げかけられるのは常だった。 彼らの努力もむなしく、議論を呼んだ 2 つの法案の国会通過は止めることができなかった。ひと つは特定秘密保護法で、「特定秘密」に指定された情報を外部に漏らした内部告発者だけでなく、 それを報道したジャーナリストでさえも刑事告発される可能性がある。2つ目は、海外に派遣され た自衛隊が戦闘にも関われるようにする安全保障関連法案だ。 民主主義とは何か それでも、彼らの活動は政治をめぐる議論の状況を一変させたと、上智大学の中野晃一教授(政 治学)は指摘する。中野教授は「彼らの活動は立憲主義や自由民主主義を擁護しただけではない」 と話す。「政治的意見の領域を何十年かぶりに左寄りに戻した」という。秩序に挑戦するようなこ とを書くのを本能的に嫌う政府寄りのメディアも、抗議活動がもたらしたインパクトを無視するこ とはできなかったし、ほかの新聞やテレビは、洗練されたスタイリッシュなアクティビスムに飛び ついて報じた。 SEALDs が小説家で元活動家の高橋源一郎氏と共著で出版した『民主主義ってなんだ?』は、ベス トセラーになった。この本では、自由民主主義の理想実現に向けた提唱がリストアップされている。 急速に影響力を増したことで、彼らが街中でのデモからより組織化された政治活動にシフトするの ではないかと考える人もいる。 奥田さんが今年 9 月、国会が開いた安全保障関連法案の公聴会に招かれ、トレードマークだった 「シュプリーム」ブランドのリュックと細見のジーンズを脱ぎ捨て、スーツとネクタイ姿になった 時には、一部の人は眉をひそめた。 このような変化はグループにとって大きな転換点になり得る。前出の小林さんを含む一部のメン バーは、個人主義や参加者の自律をうたってきた活動の理想が損なわれるのではないかと懸念する。 小林さんは「SEALDs がこれから何をするのでも、とても大きな影響力を持つだろうと思うが、 それと同じくらい大切なのは、各自が、それぞれの個人的で日常的な視点から感じていることを言 えることだ」と語る。 「Voices of Protest Japan」という研究プロジェクトを率いるデビッド・スレイター教授(文化 人類学)は、SEALDs のこのような変容は、内から変化を促すという彼らの希望に沿っており、筋は 通っているとしながらも、危険がないわけではないと指摘する。「政治システムが大方において機 能不全に陥っており、一部には日本の民主的プロセスを損なった主な原因だとさえ言われるなかで、 それに組み込まれる危険性がある」とスレイター教授は語る。 「SEALDs は政治プロセスに距離を置くことで、独立した声を得た。その声を失わないでいられる かが問われている」 (END) (マイク・スンダ ライター東京) 2015年10月 (BBC ニュース) 4
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