うりずん76号 - 自立生活センター・北

1998 年 10 月9日第三種郵便物認可 (毎月3回8の日発行)
2013年4月24日発行 SSKU 増刊通巻第4480号
SSKU
自立生活センター・北(CIL・北)通信
NO.
76
2013年 5月
号
堀船小学校
“うりずん”とは、沖縄の方言(ウチナーグチ)で、冬が終わって草木が緑を増し、
大地が潤いだす頃の気候のことをいいます。「CIL・北」も、これからの活動を通して、
みんなが「潤い」を感じられるようになりたいという意味が込められています。
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1998 年 10 月9日第三種郵便物認可
(毎月3回8の日発行)
2013年4月24日発行
SSKU 増刊通巻第4480号
うりずん No.76(2013年5月号)
堀船小
遊食会
3
5
ワタシの時間
ワタシの時間
阿部
佐藤
7
9
書評
イチモト日記
加辺
第11回
11
活動経過報告
13
2
15
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堀船小学校
市川幹
2 月 21 日(木)
今年も堀船小学校の総合的学習「共に生きる」に小林代表と重田さん、久保島さん、松本
さんと市川で行ってきました。
体育館に入り、簡単な挨拶を終えるとすぐに、先生が最初の車椅子説明を始めたのですが、
突然「車椅子の移乗はブレーキを止めずにやる」と誤った説明を始め、周りから突っ込ま
れていました。
その後、4 グループに分けられました。
そしてすぐに先生から「生徒
から質問があるので答えてく
ださい」と頼まれ、まだこち
らの自己紹介もないまま、質
疑応答が始まってしまいまし
た。それが唐突過ぎたのか、
生徒もろくに質問内容が思い
浮かばず、もやもやしたまま
質疑終了。さっさと車椅子体
験に流れました。
しかしそこでもまた、学校側が用意し
ていた車椅子はパンクしており、やむ
なく久保島さんの自前の車椅子を借り
て使うはめになりました。そして、体
育館の床になぜかマットを敷いて、め
ちゃくちゃ足場の悪いその上を車椅子
で走るという無茶をさせられました僕
はその時点で「この授業に僕たちが参
加している意味ってあるのかな?と感
じていたのは事実です。
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2013年4月24日発行
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そんな体験学習が終わったあと、先生が生徒に感想をたずねました。
指された生徒は全員「絆が大事だと思いました」と答えていました。
そして生徒の一人が自ら手を挙げて「質問してもいいですか?」と何度も聞いていたのに、
先生はそれを「いまこっちで話してます」と言ってさえぎってしまいました。僕としては、
その質問内容がとても知りたかったです。
今回、体験学習を観察する中で、先生同士の受け継ぎが上手くいってないように見えたの
ですが、実はそれは学校側の方針によるものらしく、前の内容をあえて伝えない事で、次
の先生の自主性を促す目的があったようです。それを知る事が出来ただけでも良かったで
す。
今年は誤った知識や準備不足などで、すべてが中途半端になってしまって残念でしたが、
後日話し合いをして、「来年度は早めに連絡をもらい、学校の先生と授業内容から打ち合
わせをする」と、申し合わせできたことは良かったです。
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2013年4月24日発行
SSKU 増刊通巻第4480号
3 月 21 日(木)
久しぶりの遊食会で盛り上がりました。
焼き担当のヘルパーさん達、ありがとうございます。
とても美味しく頂きました。次回もお楽しみに!
F.MAYUMI
タコ焼き。上手に焼けたネ!
遊馬先生、下ごしらえ奮闘中!!
餃子の皮のピッツァ風
イケメン二人☆ピース☆ピース♡
色々のっけて…おいしかった♡
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美魔女 3 人組
ほろ酔い色っぽ~い♡♡
ラッキースマイル☆
完璧、ステキ!
皆でハイポーズ!
美味しかったネ♡
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阿部真実
はじめまして、今年から職員になりました 阿部真実と申します
未熟者ですがよろしくお願いいしますm(><)m
さて本題ですが、あたしの青春といいますか、今では趣味の一つになっている
ソフトボールのことについて書こうかなっと(^^)v
幼少のころから父の影響で、野球が好きでよく家の前でキャッチボールをしていた思い
出があります。
中学に入学したら、
「ソフトボール部に入る!!」っと周りに宣言をしていたのですが、
私が入学する2年前に廃部になっていたという・・・・。
ガビーン
そんなこんなで、中学時代は、バットが振れないなら、「竹刀でも振ろう」っと、剣道部
に入部!!
そして、歳をとり高校に入学し やっとのこと念願のソフトボール部に入部!!
まずは形からと、同じ学年のメンバーで短髪にしに行ったという思い出が!
ポジションはピッチャーをしていました!なぜピッチャーか?!
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実は怖がりのあまり、ゴロの取り方が変で、ボールがあまり飛んでこない、ピッチャー
となったわけです!そんな青春時代は、日々真っ黒になりながら練習に励んでいました!
いまだに初めて試合で投げた球の緊張感は忘れられません。自分が投げないと試合は始ま
らないという事!
今では本当にいい思い出で、チームのメンバーとは今でも昔と変わらない付き合いをし
ている仲です!
そして、今では実家の家族全員で地元のママさんやシニアのソフトボールに所属し早6
年余り♪
初めは、私だけ所属していたのですが、父や母は誘われるがままいつの間にか参加して
いて、気づくと弟まで強制参加させられているという・・・(笑)。
週に一度練習し、試合にも一家揃って参加することも!! 日ごろの運動不足解消&ダ
イエット効果を期待して・・・・・。結果は聞かないで(><)
中村監督
よ~っし、打つぞぉ~
張り切りすぎて筋肉痛・・とほほっ・・。
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佐藤 功弥
ワタシ否!!、僕の時間
突然、市川さんに「なんでもいいから書いて~~?」っと むちゃぶりを言われ、小学
生の時夏休みの宿題で自由研究が一番イヤだったのを思い出しました。
これ、イヤです!(>0<)
テーマがないのが一番難しい・・・・・。
熱く語れる趣味があればいいのですが、あんまありません。
ドラックストアーで買いもしないシャンプー・洗顔フォームを見るのが趣味です。
メッサカワイイ!!
シャンプー&コンディショナー・・・
どうですか~?(笑)
熱く語れるはずもありません・・・。
なので、この仕事を始めたきっかけを少しお話したいと思います。
今から10~11年前高校生の頃、兵庫県西宮市にある自立生活センターメインストリー
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(毎月3回8の日発行)
2013年4月24日発行
SSKU 増刊通巻第4480号
ム協会が行っていた、「障害者甲子園」というイベントのボランティア募集があり、友達
に誘われて始めたのがこの世界に足を踏み入れたのが第一歩でした。
この「障害者甲子園」というのは、野球じゃありません。
甲子園球場が近くにあったからです。
とにかくここの近くです。
このイベントは全国の障害を持っている高校生と持っていない高校生が夏休みに西宮市に集って、
一緒に遊んだり、色々なテーマの話をし、3泊4日を過ごす、っというものです。
この大会の参加者(障害者も健常者も)の多くが大人になって、全国の CIL で働いているようで
す。
僕もその1人です。
そのイベントが終わり、「何かバイトでもしよ~かな~~?」っと考えていた時に、メインストリーム協
会で介助者募集をしていたので、「障害者甲子園」の経験を活かして介助の仕事を始めました。
そこから8年ほど介助の仕事をさせてもらいました。
さまざまな利用者や介助者、スタッフに出会い、たくさんの経験をさせて頂きました。
ちょっと書ききれないので省略します~!
その後、
花の都大東京に引っ越し、ピアサポート・北に辿り着きました。
ピア北でもたくさん楽しい事をしていきたいと思います!
皆さん、よろしくお願いします!!
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書評 介助者たちは、どう生きていくのか
渡邉琢著 生活書院
加辺正憲
この本を手にした時、まるで自分の40年間が、書かれていると錯覚するほど驚きまし
た。しかも、ようやく介助が労働として考えられるようになった今という時代から、「介
助者」という存在がどのようにして生まれ、広がり、どこへ行こうとしているのか、埋も
れた証言や資料を掘り起こし、渡邉琢君という自分より、30歳近くも若い「介助者」が、
現在進行形で悩み、考え、記録として、残してくれたことに、まず感謝しなければなりま
せん。自分がこれまで、自立障害者運動の激動のなかで、一人の「介助者」として、考え、
悩み、それでも運よく今日まであいもかわらず、
「介助者」として、生きてこれた歴史を、
渡邉君の手を借りて一冊の本にまとめ、整理整頓してもらったというのが、この本に対す
る率直な感想です。
思い起こせば、ちょうど40年前大学に入学して間もない頃、都庁前で、抗議のテント
暮らしをしていた車イスに乗った新田勲さんに出会い、読めない足文字をおどおどしなが
ら、読もうとしていた光景があざやかに蘇えります。あれからいろんなことがありました。
32才で引き寄せられるように、新田さんの介護専従の一人となった時、確か、週3日の
介助で、月6万円だったと記憶しています。それから、渡邉君の本に書かれているような
経過を経て、48才で新田さんの介護専従を辞めるまで17年、北区で小林代表らと共に
CIL・北を立ち上げ13年、はれて40年間という長きにわたって「介助者」という職
業を務めさせてもらったわけですが、渡邉君がいうように、これからも「とぼとぼと介助
を続けていけたらいいと思う」一人として、一人でも多く悩み多き介助者の仲間が、この
本を手にして、「介助者」という不思議な職業の魅力としんどさを共有し、共に生きられ
る未来を創っていってくれたらと願ってやみません。と、もう引退宣言みたいなことを言
っている余裕は微塵もなく、むしろ、渡邉君が、この本の中でも問題提起してくれている
多くの難題に何らかの答えを見出していかなければならない立場にいることはだけは確
かなようです。
渡邉君は、現在の若者層の半数近くは初職が非正規雇用だといわれる時代に、障害者の
自立生活運動から生まれた「介助者」という職業に就いた人たちの不安定で、不安な生の
声からこの本を書き出す。渡邉君に言わせれば、「介助者」というのは、2000年代に
入ってから成立した新しい職業形態だという。だから、運動と共にあった私のような「介
助者」とは、「意識の相違」があると。そこから、渡邉君は、この本を書く動機を次のよ
うにいっています。「従来、障害者介助は、社会運動の一環だった。『仕事』とはあまり捉
えられなかった。けれど、今は多くの人が、運動というよりもむしろ仕事として、介助に
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SSKU 増刊通巻第4480号
関わっている。介助を利用する障害者も従来は運動に関わっていた人々が主だったが、現
在では運動からは距離をおく障害者=利用者もたくさんいる。介助が制度として整う以前、
地域で自立生活しようとしてきた人々は、なんの制度もないところから、自分たちでボラ
ンティアの介助者を集め介助体制をつくりあげ、あるいは行政との交渉によって制度をか
ちとっていったが、現在、すでにある程度制度は『当然あるもの』となりつつあり、やは
り運動をしてきた人々とそうでない人々との間に意識の差を感じることもある。
障害者自立生活運動でも、運動を担う後継者不足に悩んでいるというのはよく聞く話だ。
介助者の側でも、従来運動に関わってきた介助者と、新たに仕事として関わるようになっ
た介助者との間には、意識の相違があるだろう。運動を担ってきた人々、つまり何もない
ところから制度をつくりあげてきた人々が、新しい人々に頭ごなしに言っても、なかなか
その新しい人々の経験としては蓄積されない。おそらく、新しい人々には新しい経験の蓄
積がある。運動してきた人々の言葉はその経験の一部をなすだろうが、それでも新しく参
入してきた人々は、新しいところに向かってスッテプを踏み出す。その新たなスッテプを、
障害をもつ人にとって、介助するひとにとって、そして社会全体にとって実り豊かなもの
にしていくことが、今必要なのだと思う。」
障害者自立生活運動は、今大きな分岐点にさしかかっています。新自由主義経済政策の
下、格差社会の広がりはとどまるところを知らず、社会的弱者により厳しい競争社会がグ
ローバルに展開されようとしています。今こそ障害者自立生活運動の原点に立ち返って、
障害者が地域社会で生きていくことの本当の意味を、問い返していくことが必要となって
きていると思うのです。私たちはなぜ障害者の地域生活を支える「介助者」になるのか。
その日々の介助という行為の中に、私たちの住む社会が本当の意味でより豊かなものにな
っていく契機があるのだということを、この渡邊君の本は、障害者自立生活運動の歴史を
「介助者」という視点から記録することによって、私たちにわかりやすく問いかけてくれ
ています。障害者の人たちとの悩ましいい日々の生活のことも共有しつつ、渡邊君と共に
とぼとぼと介助を続けていくために今なにをなすべきか、今なにをなしうるか考え続けて
いこうと思います。「介助者」のみなさん。ぜひこの本を手にとって一読し、読んだ感想
を語り合おうではありませんか。語り合うことそのものが今の私にとってはちょとウキウ
キする気がするのです。
ちなみについ最近明石書店から続編というわけではないと思いますが、「障害者介助の
現場から考える生活と労働―ささやかな「介助者学」のこころみ」という本も出版されまし
た。興味のある方は、こちらもお勧めです。
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SSKU 増刊通巻第4480号
市川 幹の
第
十
一
回
『 チーム入場! 』
線審が歩いている。
テニスでは線審 (ライン上の審判) は歩かない。同じ場所にとどまって、目と手を動かすだけだ。だから「線
審が歩いている」のは奇妙な光景だった。
線審が主審に近寄り、何かを喋っている。
ラケットを構えていたナダルが空を仰いだ。ロサンゼルスの晴天の下、膝の故障で 7 ヶ月間試合を離れていた
ナダルにとって、復帰 4 大会目の試合だった。スタンドには多くのテニスファンの姿がある。
試合中のコーチングにより、ナダルが警告を受けた。陽光が眩しすぎて、サングラスをかけた観客ばかりがコ
ートを見ている。昼の 2 時頃。テニスでは、試合中にコーチが選手に指示を出してはならないのだ (試合中のコ
ーチングの禁止)。サインも厳重に禁止されている。
「君にスペイン語が分かるのか?」ナダルが線審に駆け寄る。
どういう指示が出されていたのか、審判は説明しなければならない。線審は<英語で>、正確に、ナダルのコ
ーチが発したスペイン語を訳してみせた。もっと相手のバックハンド側を狙えと貴方のコーチが言っていたのが
聴こえましたよ。
試合が再開される。テニスは 1 試合、1 時半から 5 時間の幅の中で展開する長時間のスポーツである。ナダルが
腰を落として、ラケットを構える。時速 200kmを超えるサーブを打ち返す。線審が歩く、という珍しい光景も終
わり、また長いラリーが続く。
コーチと話してはならない。選手たちはたった一人で戦っている。
試合が終わって、飛行機の中で眠る。
世界ランク 100 位以内のトップ選手たちは、1 年間に平均してのべ 3 週間、飛行機の中で眠っている。年間
100 試合以上を戦い、世界中を移動しなければならない。大会ごとに飛行機に乗り、飛行機の中で寝て降りて、空
港から会場付近のホテルに直行し、年間 20 大会をこなすのである。
「このスケジュールを考えると体のケアなんて実際的には不可能ですよ」、錦織圭選手のトレーニング・コ
ーチが言っていた。「ストップ&ゴーを何時間も繰り返すスポーツを、しかも毎週違う国でやり続けるなんて」。
たとえば去年、日本人初の楽天オープン優勝という快挙を成し遂げた錦織選手の、その直後の 3 日間のスケ
ジュールは、
[1 日目] 楽天オープン優勝。東京。
[2 日目] 起床後すぐに飛行機に乗って上海へ移動。
[3 日目] さっそく昼間から試合開始。上海マスターズ。以後、勝ち続ける限り連日試合が続く。
テニスには実質的にオフシーズンというものがないため、1 年中このような生活が続く。
今年の 2 月、メンフィスで優勝した錦織は<いつものように>翌日に飛行機に乗り込み、その翌日にはフロ
リダ大会 1 回戦を戦っていた。試合中に腹筋の痛みがひどくなり、棄権することになるのだが、その痛みは 2 日
前にメンフィスで優勝トロフィーを受け取った時点で既にあったものだ。
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(毎月3回8の日発行)
2013年4月24日発行
SSKU 増刊通巻第4480号
たとえばサッカーチームを想像してみてほしい。遠征も多い。
ただ、彼らは 20 人以上のチームメイトと移動するのであって、1人でではない。チームメイト全員とまでは
言わないが、何人かは友人と呼べる存在だろう。
テニス選手にも、同行するコーチやトレーナーなど数名の仕事相手がいるだろうが彼らは同僚ではないし、
むしろ選手の方が雇っているスタッフたちである。
1 分間でいいから想像してみてほしい。
友人あるいは同僚、仲間としてのチームメイトがいない海外遠征の日々とはどんなものだろう?
テニス選手を見るとき、彼らがそのように様々なレベルでタフであらねばならないことを考えるたびに、驚
きを超えて呆気にとられてしまう。
だからこそ、毎年、デビス杯を観に行ってしまう。
デビス杯に賭ける選手たちの気持ちの深さを考えると、チームや仲間といった言葉の意味が分かるようで、
普段のテニスコートとは別の感動を味わえるような気がするからだ。
デビス杯というのは、世界 130 ヶ国が参加する、テニス界で唯一の国別団体戦である。国の代表として 4 人
の選手が選ばれ、チームとして、年間を通して様々な国とトーナメント戦を勝ち抜いていく。
賞金はない。世界ランキングの順位を決めるポイントもほとんどつかない。つまり実利的なメリットがほと
んどない世界大会なのである。
にも関わらず、多くの選手がこの大会に参加する。試合を振り返ったイスラエルの選手、アミル・ワイント
ラウが言っていた。「普段の海外遠征の孤独の日々とは違って、デビス杯ではチームの一員として戦える。これ
は素晴らしいことなんだ」。
2年前、初めて観たデビス杯の決勝戦、スペイン対アルゼンチン戦のスタンドの、通常のテニス会場ではあ
りえない、お祭りとすらいえる程の観客の盛り上がりに驚いてしまった。
ふつうテニス会場はとても静かだ。ポイントが決まったとき以外、歓声を送ることもない。
ところがデビス杯では、観客は自分たちの国のチームに途切れることなく声援を送り、初めて会った者どう
しでハイタッチをしたり目配せをしたりして喜びを分かち合い、9月の日本対インド戦では、その中に自分もい
たスタンドで、僕も楽しみ、また感動しながら、僕自身が、チームや仲間たちとの一体感といったものに憧れを
抱いていたことを実感したりもしたのだった。
そこでは普段起こらないようなことが起こってしまう。より実感的に言えば、世界ランキングが関係なくな
ってしまう瞬間がある。チームの一員であるという特異な高揚の中で、番狂わせがよく起こる。
語り草は 96 年のフェド杯(女子版のデビス杯)、その日の伊達公子は万全のコンディションとは程遠く、太腿
を痛めて、試合中ですら、歩くのもやっとという感じに見えていた。対戦相手は世界ランク 1 位の女王グラフ。
過去プロ生活 8 年以上にわたって 1 度も勝ったことがなかったグラフに――というかグラフに勝った選手は 90 年
代ほとんどいない――、太腿をテーピングでグルグル巻きにした伊達公子が初めて勝利したあの瞬間を、僕は忘
れることができないだろう。録画中継で観た試合の中でこれほど興奮したことはなかった。
チームとはなんだろう?たとえれば、ひとりっ子が、突然兄弟を得たような喜びを、そのニュアンスをテニ
スプレーヤーの中に感じてくれるなら、デビス杯は 100 の映画よりドラマチックだろう。
試合前、選手はいつもと違う風景の中で試合を待っていることに違和感よりも力強い何かを感じている。1
人ではなく、4人で試合を待っているからだ。時間がきて、コートに入場する選手の気持ちを想像するから、会
場ではできるだけ大勢の観客で迎えたい。
次回の〝チーム入場〟は9月、皆様にも是非とも駆けつけていただきたい。というわけなのだ。
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2013年4月24日発行
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自立生活センター・北 活動経過報告
(2013年2月1日~2013年3月31日)
2013年2月・3月 自立生活センター・北 活動経過報告
2月 8日(金) コーディネーター会議 於:東十条区民センター
2月15日(金) コーディネーター会議 於:東十条区民センター
2月17日(日) 重度訪問介助研修 18日(月)、20日(水)
2月19日(火) 会計会議
2月21日(木) 堀船小学校「共に生きる」学習会 於:堀船小学校
2月22日(金) コーディネーター会議 於:北区街づくり公社
2月25日(日) 指定特定相談支援事業説明会 於:北とぴあ
2月26日(火) CIL会議
3月14日(木)~16日 ILPリーダーをやりたい人の体mm験研修
於:戸山サンライズ
3月26日(火) CIL会議
3月27日(水) 職員歓送迎会
3月29日(金) ピアーズ総会 於:東十条区民センター
コーディネーター会議 於:東十条区民センター
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2013年4月24日発行
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自立生活センター・北
自立生活センター・北(CIL・北)は北区内や
近郊区の障害者の仲間達が集い、また、同じ障害を
持つ人達の自立生活をサポートしています。
賛同して下さる障害者、健常者の皆さん、私達の仲間
に入りませんか。 現在、今年度の新規および継続会員を
募集しています。 ぜひ、スタッフ一同お待ちしています!
正 会 員 : 3,000円
賛助会員 : 一口 1,000 円(何口でも可)
カ ン パ : 活動資金にお気持ちで
ご協力頂ければ幸いです。
編 集まだ未入会の方
後記
会員募集と
年会費納入のお願い
[払い込み先]
郵便口座 00100-5―773579
自立生活センター・北(CIL・北)
☆同封の用紙をお使い下さい。
☆郵便口座をお持ちの方は、
口座間での払い込みが
便利です。
☆継続会員の方も
H24 年度の会費
お願いします。
再度、よろしく
お願いいたします♪
編集後記
最近頭がすっきりして、幸せ(市川)
発行日 /
2013年4月24日(うりずん№76)
編集所 /
自立生活センター・北(CIL・北)
NPO 法人 ピアサポート・北
連絡先 /
〒114-0001 東京都北区東十条4-14-1 宇賀神ビル1F
電 話 /
03‐5390‐5639(自立生活センター・北)
03‐5390‐5565(ピアサポート・北)
Fax
/
03‐5390‐5624
E-mail /
cilkita@estate.ocn.ne.jp
U R L /
http://cil-kita.com
16
発
行
所
特
定
非
営
利
活
動
法
人
障
害
者
団
体
定
期
刊
行
物
協
会
定
価
一
〇
〇
円
郵
便
番
号
一
五
七
―
〇
〇
七
三
東
京
都
世
田
谷
区
砧
六
―
二
六
―
二
一