ニュースこんにちは 7号 『iPS細胞ってすごい!』

NO.7
こんにちは
お元気ですか!
明けましておめでとうございます。
年末から年始にかけて厳しい寒さですね。皆様お元気にお過ごしでしょうか?
株式会社 ウインライフ
Tel 0721-29-2997
e-mail : tsutom_ono@maia.eonet.ne.jp
= iPS 細胞で山中教授ノーベル賞受賞 =
昨年に京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されました。久々に明る
いニュースでしたね。山中教授が発明した iPS 細胞(人工多能性幹細胞)は、生物学の教科
書を書き換えるほどのインパクトのあるものだそうです。
人間の体は約60兆個の細胞から出来ていますが、元々は1個の受精卵です。その受精卵
が分裂を繰り返していく中で、皮膚や内臓、骨、神経など約200種類の細胞に分化して私
たちの体は形作られています。一度役割が決まった細胞が別の役割の細胞に変わることはあ
りません。確かに細胞の役割がコロコロと変わったら大変ですよね。心臓が肝臓に変わった
り、目が耳に変わったりしたらたまったものではありません。
『細胞の時間を巻き戻すことは
できない』これが生物学の常識でした。
ところが山中教授は、この常識をひっくり返してしまいました。皮膚の細胞を「初期化」
して受精卵と同じ状態に戻すことに成功したのです。つまり、細胞の時間を巻き戻したので
す。これが iPS 細胞です。iPS 細胞は心臓や神経、骨など全ての細胞に分化できる能力を持
っています。
「万能細胞」と呼ばれるのはこのためです。
作り方は至ってシンプル!分化した細胞の中にヤマナカ・ファクターと呼ばれる4つの遺
伝子を入れれば出来上がりです(山中先生、偉そうに書いてごめんなさい!)。今まで不可能
だと思われていた細胞の「初期化」に、このシンプルな方法で成功したことも世界中の研究
者を驚かせました。
実は、iPS 細胞の前にも ES 細胞という万能細胞が発明されていました。しかし、ES 細胞
は受精卵を壊して作るために大きな倫理上の問題がありました。iPS 細胞は ES 細胞と違っ
て受精卵を壊すことはありませんので、この倫理上の問題をクリアできるのです。ES 細胞
研究に反対していたローマ法王庁も iPS 細胞に対しては、好意的なコメントを発表していま
す。色んな意味で素晴らしい発明なんですね。
= iPS 細胞は医療に大革命 =
iPS 細胞は医療に大革命を起こすと期待されています。
もっとも注目されているのは再生医療です。自分の細胞から作った心臓や腎臓を移植する
ことができれば、ドナー不足や移植時の拒絶反応という難問も解決すると期待されています。
実際、iPS 細胞から作った網膜の細胞を患者さんに移植する臨床研究が今年にも始まる見込
みです。その他にも iPS 細胞から血小板を作る研究や脊髄損傷を治療する研究もここ数年で
実用化が可能と言われています。
心臓や腎臓などの大きな臓器移植が可能となるまでにはまだまだ越えるべき問題が多いそ
うです。iPS 細胞から分化した細胞がガン化するリスク。臓器を立体的に形作る技術など。
でも、実現したときのことを考えると夢のような技術ですよね。実用化が本当に待遠しいと
思います。
再生医療以外にも期待されているのが、病気の原因解明や治療法の研究です。
例えば、アルツハイマー病のメカニズムを調べようとするときに、一番いい方法は患者さ
んの脳から神経細胞を取り出して直接調べることです。でも、そんなことは誰が考えても無
理ですよね。ところが、患者さんの皮膚から iPS 細胞を作り、それを神経細胞に変えること
で病気の発症や進行を実験室で再現することが可能になるのです。国内外の大学や研究グル
ープが iPS 細胞を使って細胞レベルでさまざまな難病の仕組みを再現し始めており、難病で
苦しんでいる人々の希望の光になっています。
医療とは関係のない分野でも意外な応用が注目されているそうです。絶滅した動物を復活
させる研究です。トキの最後の雄と雌の細胞から iPS 細胞を作り復活させる研究を国立環境
研究所が計画しているそうです。何だか映画「ジュラシックパーク」みたいですね。
最後に iPS 細胞の名前のちょっとした秘密をご紹介します。
「induced pluripotent stem
cells」この頭文字を取って iPS 細胞です。あれ?なんで最初の「i」が小文字なの?って不思
議に思いませんか?実は、当時世界的に流行していた音楽プレイヤー「iPod」のように普及
して欲しいという願いを込めて山中教授が命名したそうですよ。山中教授って案外お茶目な
んですね。
≪ 独
り
言 ≫
長男は今、大学4年生です。昨年の1月ごろから就職活動をしていましたが、9月に無事
決まりました。就職戦線は厳しいと聞いていましたが、予想以上でした。内定がもらえない
状態が続き、長男の口から「大学院に行ってもいいかなぁ」という弱音が出たほどでした。
春からは関東で新社会人としてのスタートを切る予定です。今は、卒論を仕上げて無事卒
業してくれることを祈るばかりです。
我が家にはまだ大学2年生と高校2年生の愛娘がおります。この子たちの就活の時期には
景気が良くなってくれればいいなぁと願いながら初詣に行って参りました。