福祉車両専門販売店 vol.1 フジカーズ様

福祉車両専門販売店
ビジネスモデル研究
□事例企業:㈱フジカーズジャパン
堀内 仁 シニア研究員
中小企業診断士,
デルフィス 介護総研
健康・生きがいアドバイザー
VOL.1
03-5213-0032
hhoriuchi@delphys.co.jp
2013.10.30
福祉車両の中古車販売をリードする株式会社フジカーズジャパン、
全国7つの福祉車両販売専門店と26のサテライト店舗を持つ。
全国に販売店網を構え、保有在庫約 5,000 台を誇る中古車の販売店。キャンピングカーの
製造販売も手がけ、全社売上は 100 億円を超える。その内、福祉車両部門売上は、15 億円を占
める。福祉車両を扱う専門店を
• 図表1:フジカーズ企業概要
商号
株式会社フジカーズジャパン
7店舗持ち、常時 400 台以上の
代表者
皆野川 博昭
展示台数を持つ。札幌・仙台・新
所在地
東京都江戸川区西小岩2-11-6
潟・千葉・埼玉・岐阜・広島に所在
資本金
10,000千円
する。また、販売拠点として、
設立
昭和54年11月
従業員数
約200名
事業内容
中古自動車販売,自動車整備・修理,キャンピングカー製造
売上高
平成23年10月
全国 15 のエリアに 26 店舗を持
事業所数
15拠点
10,740,000 千円
ち、福祉車両の販売窓口として
機能している。福祉車両の専門
店として業界最大手である。
「いますぐ欲しい」 困っているお客様がいる。
お客様の予算や利用状況に合った車を迅速に提供する。良質な車は仕入値が
高い。・・・が、高い車を薄利で小売する。車を寝かせない。
短サイクルの店頭在庫率を可能にした“福祉のフジ”のビジネスモデル。
小売のターゲットは、一般世帯と介護施設(法人)、それぞれが半々であり、仕入ルート
は、買取り・オークション・内部下取りが 3 割ずつである。業界標準と比較すると一般世帯
の小売比率と買取りの仕入比率が高い。福祉中古車両の一般的販売店の傾向は、新車カー
ディーラーあるいはリースの下取り車が集まるオークションに頼り、販売は介護施設(法
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人)を主なターゲットとしているところが多い。フジカーズは、独自の買取りセンターを持
ち機能している。一般世帯の車種ニーズは多岐に渡る。一般販売比率が高いのは、展示車
両のバリエーションが豊富なためである。多くの販売店は、キャブオーバータイプ・軽カー
の車椅子乗降仕様の法人ニーズが高い展示構成に偏りがちであるが、ミニバンタイプやコ
ンパクトカー、回転(昇降)式に至る品揃えが豊富であり、ボディカラーも多彩に揃えてい
る。
• 図表2:フジカーズ/ビジネスモデル
販売方法においては、来店商談よりインターネット販売の成約比率が高い。お客様の顔
を見ることなく、成約から納車に至る。お客様の購買行動は、「欲しい車を探す。」→まず、
インターネットサイトを探索、欲しい車やサービスを探し、「期待できる店舗にアクセスす
る。」そして、購入を決める。フジカーズは、お客様のコンタクトから成約から納品に至る
期間を、1 週間を基本とし迅速な対応に努めている。この短納期サイクルを可能としている
要因は、一に、「豊富な展示車輌」 二に、「営業マンのWebや電話を駆使した高い応対力」
三に、困っているお客様がおり、困っているお客様は「エリアを越えてアクセスすることを
厭わない」ということである。
収益構成は、車輌販売以外にアフターケアの比率が高い。リフトやスロープの修理、塗装・
板金、架装対応、保険業務が含まれる。スタッフの持つ高い技術力がもたらす結果である。
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1店舗当り、展示台数は70~100台、店長を含め3名で運営している。
『困っているお客様がいらっしゃる。困っているお客様に、良質な車を、早く
納めることが私の仕事です。』と語るフジカーズジャパン柏 店長 狩野智則氏
全国のお客様からお問合せをいただく。
インターネットを通してメール、電話でや
り取りをし、一度もお互いに顔を見ること
なく、ご注文から納品の諸手続きをするこ
とがある。お会いして充分なご挨拶ができ
ないので、失礼がなきよう丁寧な説明を心
がけている。
ご来店いただくお客様には、現車に触れ
ていただき、車の持つ機能及びその正しい
使い方を説明している。また、点検・修理
もしっかり対応すること、装備の修理はパ
ーツ単位の交換・修理をし、お客様のご負担
費用を抑える旨、お知らせしている。
フジカーズジャパン 柏福祉車両専門店
店長 狩野智則氏(談)
収益面については、店頭在庫の期間短縮
に努めている。お客様に満足いただける車
ご用意するには、良質な車を確保しなければならない。仕入価格が高くなる傾向にある。
しかし、お客様には予算がある。高価格になる良質な車を、安く提供する努力をしている。
車の鮮度を保ち迅速に納品する。店頭在庫の期間短縮が重要となる。そのために、求め
ているお客様の売り筋と、求められている車の売れ筋を、常にイメージしている。
また、アフターケアの収益確保、サービス向上への入庫率を高めること、お客様との継続
的な関係づくりに努めている。
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