3rd. Edition(Ver.3 Rel.4) Chubu Tokushukai Hospital, Okinawa JAPAN Ver3Rel4 第2版 全体的な内容の見直しを行い、小児科分野を大幅に加 筆した。南徳研修医入来先生に協力頂き、小児科ロー テーション編を追加した。可能な限り出典を明記した。 2005 年 9 月 今西康次 第3版 小児科分野を中心に最新のガイドラインに従って加筆 改定し、緊急薬剤や抗生剤の記述を強化した。 2007 年 11 月 今西康次 第 1 版 はじめに この冊子は当院での 1 年間の研修の間に先輩医師から 教えていただいた内容のメモである。教科書では説明 されていないような基礎的な事項でも、臨床上大切だ と思った内容は含めてある。誤りのないように留意し たが、他のマニュアルで確認することをお忘れなく。 中徳研修医の手により、内容が常に更新されて後輩に 受け継がれていくことを願っている。 2004 年 5 月 今西康次 第 1.1 版 内科部長比嘉信喜先生、外科部長長嶺直治先生、小児 科部長新里勇二先生に内容を精査していただいた。 2004 年 9 月 今西康次 目次 検査の基本 小児救急 救急処置 血液内科 呼吸器内科 神経内科 循環器内科 消化器内科 内分泌内科 外科 形成外科 皮膚科 泌尿器科 小児科 小児の正常値 呼吸器疾患 髄膜炎 喘息・アレルギー 血尿・蛋白尿 けいれん 川崎病 予防接種 眼科 耳鼻科 その他 宮城征四郎先生の金言集 処方 小児 処方 成人 小児科ローテーションのヒント 抗生物質の一覧 2 3 4 5 6 7 7 9 10 11 12 12 12 13 13 13 15 16 17 18 20 21 22 22 22 23 23 25 28 30 1 Ver3Rel4 GNR,smaller GNC Small GN coccobacilli GPC in chain Lancet formed GPC Clust GPC 採血 CBC:短い紫キャップ、2cc、先に入れる 生化:長い赤キャップ、6cc 血液ガス:専用シリンジ、もしくは、ヘパリンを1 度吸った 2.5cc シリンジ :緑膿菌 :カタラーリス :インフルエンザ桿菌 :化膿性連鎖球菌 :肺炎球菌 :黄色ブドウ球菌 培養検査 当院では 48 時間培養を行っている。菌によって増 殖スピードが異なるが、培地に播いてから 24 時間 で中間結果を教えてもらえる。 溶血の影響を受ける項目 GOT, LDH, TP, K BLNAR:β ラクタマーゼ陰性 ABPC 耐性インフル エ ン ザ 菌 β-lactamase negative ampicillin resistant 鏡検で見つかる異常細胞 toxic granule 中毒性顆粒 好中球の消費が 亢進して、骨髄から分裂回数が少ないまま早 期に末梢血に動員された好中球。急性炎症時 や G-CSF 投与時に見られる。 Haemophilus influenzae PSSP:ペニシリン感受性肺炎球菌 Peniciline sensitive S. Pneumoniae PISP : ペ ニ シ リ ン 低 感 受 性 肺 炎 球 菌 Chest X-P 立位:PA、RL が基本。右に肺炎なら LR 臥位:AP が基本 Peniciline intermediate S. Pneumoniae PRSP:ペニシリン耐性肺炎球菌 Peniciline resistance S. Pneumoniae 四肢の X-P 研修医レベルでは健側との比較が大切なので、両側 撮影が原則。 大腸内視鏡(CF)の前処置 同意書 前日 BE 食(エニマクリン食=低残渣低脂肪食) 便秘のない人 腹部エコー 胆のうを評価するために食事禁、膀胱を見るために 排尿前がよい。小児では胆のうを見ることは少ない ので食事可。 前日 当日朝 慢性便秘の人 前々日 前日 フォルセニド4錠 エニマクリン食、フォルセニド4錠、マグコロー ル P1 包+水 200cc ※腸閉塞、透析患者、慢性腎不全、慢性心不全は別途 点滴 1ml = 20 滴 → 1 分間に 20 滴なら 60ml/h 滴数速見表(10~15 秒あたりの概略滴数) 速度 10 秒 15 秒 速度 10 秒 15 秒 60ml/h 3 5 120ml/h 7 10 80ml/h 4.5 7 150ml/h 8 13 100ml/h 5 8 180ml/h 10 15 ※小児用の 1ml=60 滴(1 滴/秒=60ml/h)もある。 ヘパ生(ヘパリン入り生食) 生食 100cc+ヘパリン 1000u(1cc) 生食 20cc+ヘパリン 200u(0.2cc) 抗体検出法 補体結合反応(CF) HI や NT より遅れて上昇し 短期間で低下、感度は低い 中和反応(NT) 感染後 1 週間で上昇し長期 持続、感度特異度共に高い 赤血球凝集阻止反応(HI) 特異性が高い 蛍光抗体法(FA) 感度高い イムノクロマト法 スクリーニング向き 酵素免疫法(EIA,ELISA) 感度特異度共に高い 粒子凝集反応(PA,PHA) 迅速検査向き 化学発酵酵素免疫測定法(CLEIA、CLIA) PA より 高感度 ウエスタンブロット法(WB) 特異性が高い グラム染色 感染症を疑ったら必ずグラム染色を実施。細菌検査 室にて実施。検体を樹枝様に展開する(かき混ぜな い)。青 1 分→洗浄→脱色(黄)→洗浄→赤 1 分→洗浄 →乾燥。1000 倍は油浸。 球菌 杆菌 溶連菌、肺炎球菌、 ジフテリア、リステ G(+) 腸球菌、ブドウ球菌 リア、ウェルシュ、 破傷風菌 髄膜炎菌、淋菌 大腸菌、インフルエ カタラーリス ンザ菌、クレブシエ G(-) ラ、バクテロイデス 百日咳、サルモネラ GNR,large GNR,moderate エニマクリン食 ラキソベロン 1 本、マグコロール P2 包+水 1 ㍑ 以上 :クレブシエラ :大腸菌 2 Ver3Rel4 参考:小児・新生児救急マニュアル 編:医療研修推進財団 http://www.pmet.or.jp/children/Manual2/index.htm けいれん重積の治療ガイドライン、小児内科 2(38):236-243,2006 緊急薬剤一覧 ボスミン 薬剤名 (CPR 時) アトロピン (CPR 時) メイロン キシロカイン ホリゾン(ジアゼパム) ドルミカム(ミダゾラム) 1A=1mg=1mL 1A=0.5mg=1m L 1mL=1mEq 1A=10mg=2mL 1A=10mg=2mL 20%Glu ボスミン (アナフィラキシー) 1A=1mg=1mL アタ P (アナフィラキシー) ソルメドロール(アナフィラキシー) イノバン ドブトレックス ドーパミン ドブタミン カルチコール グルコン酸 Ca 塩化カルシウム 使用量 0.01mg/kg 10 倍希釈し 0.1mL/kg 0.01mg/kg 5 倍希釈し 0.1mL/kg 1ml/kg slow iv 1mg/kg iv 0.3mg/kg iv 0.2mg/kg iv 0.2mg/kg/h div 0.5~1g/kg iv 炭酸水素 Na リドカイン 希釈不可 原則希釈して使用する。N/S にて 10ccにすると、1mg/1cc となり便利 維持 6mg/kg/min 10kg = 0.1mg = 0.1mL MAX 0.5mL 0.01mg/kg im 0.5~1mg/kg iv / im 1mg/kg iv β1+α1 2-20γ β1 2-20γ 60 ~ 100mg/kg slow iv 20mg/kg slow iv 代償性ショック状態 急速輸液 生食 10-20ml/kg 5~30 分で投与 検査(CBC、生化学、BS、NH3、血ガス、乳酸、ピ ルビン酸、尿ケトン) けいれん重積の原因 挿管チューブ 内径:カフなし 4+(年齢/4)mm 深さ:内径×3mm ・ ・ ・ ・ ・ ・ けいれん重積(30 分以上持続、もしくは繰り返す) ・ ・ 定義:発作がある程度以上(一般的には 30 分)続くか、 短い発作が反復しその間意識の回復がないもの。 ・ 1st.ホリゾン iv 2nd.ドルミカム iv+div ・ ・ ホリゾン(ジアゼパム) 0.3~0.5mg/kg iv 希釈不可 ドルミカム(ミダゾラム) 0.1~0.3mg/kg iv 原則希釈 持続点滴可 0.1~0.5mg/kg/h 生食で希釈 点滴ラインが取れないときの対処法 ①ダイアップ座薬(ジアゼパム)0.3~0.5mg/kg ②ドルミカムの点鼻。鼻の穴一つにつき、0.1mg/ kgを原液で点鼻する(両方で 0.2mg/kg)。 ホリゾンは呼吸抑制が強く、効果持続は 30 分ぐら いと短い。 ホリゾンでけいれんが止まらないときはドルミカム を試し、必要ならドルミカム持続点滴をする。 左側臥位 酸素投与 バイタルサイン 静脈路確保 3 てんかん 熱性けいれん 頭蓋内感染症(脳炎・髄膜炎・脳膿瘍) 軽症胃腸炎に伴なう乳幼児けいれん 急性脳症(Reye 症候群・原因不明の急性脳症) 低酸素性虚血性脳症 溺水や呼吸障害(喘息などの重積発作) 頭部外傷などによる頭蓋内出血 脳血管障害 急性小児片麻痺・もやもや病・脳動静脈奇形・脳梗塞 代謝性障害 低血糖・低 Na 血症・高 Na 血症・低 Ca 血症・脱水症・ アミノ酸代謝異常・有機酸代謝異常・ミトコンドリア病 薬物 (テオフィリン・抗アレルギー剤) 中枢神経奇形・脳腫瘍 Ver3Rel4 DKA(糖尿病性ケトアシドーシス) 診断 高血糖、アシドーシス、尿ケトン 検査 CBC、生化学、尿、尿中ケトン(3-ヒドロキシ酪酸)、 CRP、HbA1C、浸透圧、AMY、Ca、Mg、TG、 T-Cho 治療 原則 ICU にて管理 BS チェック 1 時間毎 電解質・血ガス 2~4 時間毎 初期(最初の 2 時間) 生食 10~15ml/kg 1~2 時間で 速効型インスリン 0.1 単位/kg/h ※5 歳以下なら 0.05 単位/kg/h 移行期(~利尿) SD1(500)+1molKCL(15mL) 初期の 1/2~1/3 速効型インスリン 0.05 単位/kg/h ※BS 降下は 100/h を超えぬこと(ゆっくりと) 維持期(~48H) SD3A にて GCS(Glasgow Coma Scale) 自発開眼 呼びかけで開眼 開眼(E) Eye opening 痛み刺激で開眼 全く開眼しない 見当識あり 混乱した会話 最良言語反応(V) 混乱した言葉 Best Verbal Response 理解不明の音声 全くなし 命令に従う 疼痛部へ 逃避する 最良運動反応(M) Best Motor Response 異常屈曲 伸展する 全くなし アナフィラキシーショック ボスミン筋注 0.01ml/kg(MAX0.5mL) アタラックス P 1mg/kg iv / im ソルメドロール 1mg/kg iv JCS(Japan Coma Scale) 刺激しなくても覚醒している 大体意識清明だが、今ひとつはっきりしない 時・人・場所がわからない(見当識障害) 自分の名前、生年月日が言えない 刺激すると覚醒する 普通の呼びかけで容易に開眼する 大きな声、体をゆすると開眼する 痛み刺激を加えつつ声をかけると開眼する 刺激しても覚醒しない 痛み刺激で払いのける 痛み刺激で少し手足を動かす、顔をしかめる 痛み刺激に全く反応しない 低血糖 血糖値が 40~60 でも、低血糖を疑う症状を伴って いれば、一般的に低血糖として治療したほうが良い。 定義 40 以下(一般小児) 30 以下(成熟新生児) 20 以下(低出生体重児) 初期治療 ぶどう糖 0.5~1g/kg iv(PALS 基準) 小児では 10%Glu or 20%Glu を使用する 20%Glu(20mL)=4g → 10kg なら 20%Glu を 1~2A 継続治療のめやす ぶどう糖 3~5mg/kg/min で点滴(幼児以上) ぶどう糖 6~8mg/kg/min で点滴(新生児、乳児) → 乳児 10kg なら 3600mg/h SD3A(500)+50%Glu(20) 4A を 30ml/h で 4 3 2 1 5 4 3 2 1 6 5 4 3 2 1 1 2 3 10 20 30 100 200 300 胃洗浄 服用して 1 時間以内が原則。16G 以上の太めの NG チューブ、左側臥位、2 ㍑以上の生食水、一回に 2 ~300cc 注入、150cc 残してマグコロール 50g と活 性炭 30g を溶解。時間が経っている場合は洗浄せず に活性炭のみ投与する。 拮抗薬 ベンゾジアゼピン系睡眠薬:アネキセート アナフィラキシーショック ボスミン筋注 0.3ml(=0.3mg=0.3A) ポララミン 5mg(=1mL=1A) iv ザンタック 100mg(=1A) iv ソルメドロール 40mg + N/S50mL div 耳に虫が入ったとき キシロカインスプレーやオリーブオイルを注入して 虫を殺してから鑷子でとりだす。 4 Ver3Rel4 成人男子 成人女子 幼児 乳児 新生児 RBC 478±50 430±54 450 450 510±100 Hb 16.0(13-17.5) 14.7(12-15.0) 12-17 10-15 22.6(18.4-24.4) Hct 45-47(42-52) 40-42(35-45) 37-39 35 サラセミアのスクリーニング MCV と赤血球数の比が 13 以下の場合にサラセミ アの可能性が高いといわれている。 MCV RBC (百万単位で) ≤ 13 5 MCV MCH MCHC 80-96 26-34 32-36 Ver3Rel4 喘息 Grade(Jonsson,S. Chest:1988) 0 :wheeze なし Ⅰ:強制換気で喘鳴出現 Ⅱ:自然呼吸で呼気に喘鳴 Ⅲ:呼気と吸気で喘鳴 Ⅳ:呼吸音抑制すると呼気と吸気で喘鳴 メタボリックシンドローム 定義 内臓脂肪(腹囲) 75cm 以上(小学生) 80cm 以上(中学生) 85cm 以上(成人男性) 90cm 以上(成人女性) 上記に加えて以下の 3 項目のうち 2 つ 高脂血症 TG 150 または HDL-C<40 高血圧 130/85 以上 空腹時高血糖 110 以上 急性期治療(GINA2006 より) 最初の 1 時間 ①SpO2>90%となるように酸素投与 ②β2 刺激薬(吸入Ⅰ)吸入 20 分毎に 2~3 回 ③N/S100+ソルメドロール 40mg 1 時間後に再評価 severe episode(PEF<60%,陥没呼吸など) 酸素投与、β2 刺激薬吸入、抗コリン薬(アトロ ベント)吸入、ステロイド注射、Mg 投与 moderate episode(PEF<80%) 酸素投与、β2 刺激薬吸入、抗コリン薬(アトロ ベント)吸入、ステロイド内服 ※ネオフィリンを併用するとステロイドの抗炎症効 果が高まると言われている。 初期:SD1A(200)+ネオフィリン 1A+ソルメドロー ル 40mg 維持:SD3A(500)+ネオフィリン 1A→80ml/h ※従来は、ボスミン皮下注 0.3ml というのもあった ※問診でアスピリン喘息を否定できない時は、ソル メドロールは使わず、デカドロン(遅効性)を使う。 ※挿管時やアンビュー時のβ2 刺激薬吸入は、エア チャンバーを用いてサルタノールを吸入させる。 Hugh-Jones 分類(概略) Ⅰ度 同年齢の健康者と同様に労作、歩行、階段 Ⅱ度 同様に歩行はできるが、坂や階段はだめ 平地でも健康者と同様には歩けない。自分 Ⅲ度 のペースなら 1.6km 以上歩ける Ⅳ度 休みながらでないと 50m 歩けない 会話や着がえで息切れする。息ぎれのため Ⅴ度 外出できない 6 Ver3Rel4 脳出血 血圧<140 にコントロールする ペルジピン 1/2A iv ペルジピンハーフ(ペルジピン 2A + N/S20ml, 0.5mg/ml)を 4ml/h で開始して血圧を見ながら調 節する。 ※ 急性硬膜下血腫は超緊急(3時間以内にオペ) 高血圧の治療(JSH2009 より抜粋) 成人における分類 分類 脳梗塞 臨床病型別の急性期推奨グレード アテロー ム血栓性 A C1 ラクナ 心原性 血栓溶解療法(t-PA)※ A A ウロキナーゼ静注 C1 局所線溶療法(ウロキ B B ナーゼ) ヘパリン C1 C1 C1 ノバスタン B キサンボン B B B アスピリン A A A グリセロール B B マンニトール C1 C1 C1 血液希釈療法 C1 C1 C1 高圧酸素療法 C1 C1 C1 低体温療法 C1 C1 出典:日本医師会雑誌、133 巻 5 号、p653、2005/3 拡張期血圧 至適血圧 < 120 かつ < 80 正常血圧 < 130 かつ < 85 正常高値血圧 130~139 または 85~89 Ⅰ度高血圧 140~159 または 90~99 Ⅱ度高血圧 160~179 または 100~109 Ⅲ度高血圧 180 または 収縮期高血圧 140 かつ 110 < 90 リスクの層別化 軽症 高血圧 低リスク 危険因子なし 糖尿病以外の 1~2 個の危険因子、メタボリ ックシンドロームあり 糖尿病、CKD、臓器 障害/心血管病、3 個 以上の危険因子、の いずれかがある。 ※血栓溶解療法は治療開始まで3時間以内の超急性期。すぐ に脳外科コール+MRI ディフュージョン。 ノバスタン 発 症 48 時 間 以 内 に 開 始 。 最 初 の 2 日 間 は 60mg/day を持続点滴、残りの 5 日間は 20mg/day を朝夕 2 回に分けて投与する。脳塞栓症や大梗塞 では出血の危険があるので禁忌。 ラジカット 24 時間以内に開始。1A+N/S100ml を 200ml/h で 中等症 高血圧 中等 リスク 重症 高血圧 高リスク 中等リス ク 高 リスク 高リスク 高リスク 高リスク 高リスク 主要降圧薬の積極的適応と禁忌 左室肥大 心不全 心房細動 (予防) 頻脈 狭心症 心筋梗塞 後 蛋白尿 腎不全 脳血管障 害慢性期 糖尿病 高齢者 投与例 ノバスタン high 6A + L/R(500) ラジカット 1A + N/S(100) L/R(500) 収縮期血圧 21ml/h 200ml/h ×2 60ml/h 禁忌 慎重使用 7 Ca 拮 抗薬 ○ ARB/ACE 阻 害薬 ○ ○ 利尿 薬 β遮断薬 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 徐脈 妊娠、高 K 血管神経性浮腫 (ACE 阻害薬 のみ) 、両側性腎 動脈狭窄症 通風、 低K 喘息、高度徐脈 心不全 片側腎動脈狭窄 症 妊娠、 耐糖能 異常 耐糖能異常、閉 塞性肺疾患、末 梢動脈疾患 Ver3Rel4 併用療法における好ましい組み合わせ 生活習慣の修正項目 1)食塩制限6g/日未満 2)野菜・果実の積極的摂取* コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える 3)適正体重の維持:BMIで25を越えない 4)運動療法:心血管病のない高血圧患者が対象で、有酸素 運動を毎日30分以上を目標に定期的に行う 5)アルコール制限:エタノールで男性は20~30ml/ 日以下、女性は10~20ml/以下 6)禁煙 、防寒、ストレス対策 ARB ACE-I 利尿薬 β遮断薬 α遮断薬 Ca 拮抗薬 ○ ○ ○ ○ ARB ACE-I ○ ○ β遮断薬 ○ 初診時の高血圧管理計画 高齢者高血圧の治療計画 1 剤で 2~3 ヶ月 2 剤で 2~3 ヶ月 3 剤にする http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html AMI 発症後に検査値が上昇するタイミング CK-MB トロポニン I 4h-48h 4~6h で上昇、12~18h でピーク、7d 持 続 8 Ver3Rel4 心不全の初期救急治療 酸素、ニトロペン舌下(血圧 90 以上なら)、(半)坐位、 胸部 XP、モニター、体重連日、フォリー留置 ①ニトロール 1/4A~1/2A iv ②L/R(500) 20ml/h ③ラシックス 1A iv ×4 回/day ④ミリスロール 3-5ml/h BP<140 を目標 ⑤ハンプ 0.05μg/kg/min 除細動前のヘパリン化 ①ヘパリン 60u/kg iv ②ヘパリン 12u/kg/h div (投与例 50kg) ヘパリン 3cc(3000u) iv ヘパリン 15cc(15000u) + 5%Glu(250) => 10ml/h 心不全の内服治療 基本:利尿剤+ACE(ARB) ラシックス(40or20) 1T/1X アルダクトン A(25) 1T/1X ニューロタン(25or50) 2T/2Xor1T/1X 必要ならサイアザイド系を加える フルイトラン(2) 1T/1X ※Af があればジゴキシンを使う 虚血がある時にジゴキシンは使えない 深部静脈血栓症(肺塞栓症) virchow の 3 原則 血流:カテ、オペ、安静 凝固能:脱水、感染症、malignancy 血管壁:カテによる損傷 症状)ショック,頻脈、血管影の低下 診断) 心エコー:右室拡大、左室の三日月化 ECG:右脚ブロック、Ⅰで S 波、Ⅲで Q と逆 T Chest XP 治療)ヘパリン 5000 単位 iv、20000 単位/日 div、輸 液、カタボンで BP 維持、クリアクタ(t-PA)、アンギ オ 出血性の食中毒 サルモネラ、カンピロバクター、赤痢、腸管出血性 大腸菌、腸チフス 細菌性腸炎(サルモネラなど) CRP↑、WBC→~↓ 出血性潰瘍の Forrest 分類 ⅠA:ピューピュー ⅠB:ダラダラ ⅡA:触れるとすぐ出血 ⅡB:触れても出血しない Ⅲ :大丈夫 PPI の投与期間 GU(8W)、DU(6W)、逆流性食道炎(8W) 製剤:パリエット(10)、タケプロン(15)、オメプラゾ ン(20) 徐脈 硫酸アトロピン(0.5mg/1ml) 0.5~1mg iv H.pylori の診断(除菌前) 以下のいずれか、生検法(①迅速ウレアーゼ試験 (RUT)、②鏡検法、③培養法)、④尿素呼気試験(UBT)、 ⑤便中抗原検査。抗体検査は△。 除菌判定は治療終了後4週以降に④⑤にて。 アル中に MI なし(格言) H.pylori の除菌療法(PAC 療法) サワシリン(250) 6T/2X クラリス(200) 2~4T/2X タケプロン(30) 2T/2X を 7 日間 ※除菌失敗時はクラリスをメトロニダゾールに変更 (PAM 療法) 急性心筋梗塞のルーチン処置 ① 12 誘導+モニター ② 内科スタッフコール ③ 酸素 3 ㍑ ④ 血圧>90 かつバイアグラ内服(-)なら ニトロペン 1 錠舌下 イソピットテープ 2 枚貼付 ⑤ バファリン 81 を 2 錠かみ砕く ⑥ CBC、生化 ⑦ ラクトリンゲル 20ml/h ⑧ 12 誘導 2 回目 ⑨ PTCA オンコール ⑩ 胸痛が激しければモルヒネ 3mg iv ⑪ フォーリー留置 ⑫ 心カテへ go! 9 Ver3Rel4 インスリンのスライディングスケール法 血糖値に応じてインスリン量を変化させる 老人(弱いコントロール) 60 以下 50%Glu 2A iv 150-250 2u 251-350 4u 3516u 老人以外 60 以下 50%Glu 2A iv 151-200 2u 201-250 4u 251-300 6u 301-350 8u 外科手術前(強力なコントロール) 60 以下 50%Glu 2A iv 101-150 4u 151-200 6u 201-250 8u 251-300 10u 301-350 12u 糖尿病 日本糖尿病学会編「糖尿病治療ガイド」500 円が簡潔 診断 次の①~③のいずれかに該当すると「糖尿病型」 ①随時血糖>200 ②空腹時血糖>126 ③OGTT で 2 時間値>200 別の日に検査して上記①~③なら「糖尿病」 「糖尿病型」でかつ、口渇・多飲・多尿・体重減少などの 症状があれば「糖尿病」 治療方針 食事・運動→内服→インスリン 糖尿病の内服(HbA1c < 6.5 が目標) インスリン分泌促進 ダオニール(強) 0.125-0.25 を 1-2 回/day ファスティック(軽) 食前 10 分前以後に(早す ぎると低血糖発作)、効果 3h 糖の分解遅延 グルコバイ 食事量の多い人むけ。デンプン→ 二糖類→ブ糖を阻害 ベイスン 甘党に効果。砂糖→ブ糖を阻害 インスリン抵抗性改善 アクトス メルビン スライディングからペンフィル 30R への移行法 スライディング時の総量を、朝:夕=2:1とする。 30R は即効型を 30%含む。 ※早朝尿でケトン体(+)なら、夜中のインスリン不足 なので、眠前に N 型を追加する。 DM 性ケトアシドーシス(DKA)の初期治療 ① RI 10u iv(0.2U/kg) ② 生食 1000ml を1時間で ③ 生食 500ml/h で 5000ml、および、 RI 100u+生食 100ml→5ml/h(0.1U/kg/h) 低 K 血症に注意すること DM 患者への維持輸液 SD3A(500)+インスリン 4 単位が基本 ラクトリンゲルだけでは糖を含まないのでケトーシ スになる インスリン療法 0.2-0.3u/kg(おおよそ 8-12u)で開始する(糖尿病治療 ガイド 2003 より引用) 糖尿病内服薬 作用 種類 インスリン分泌促 進 SU 薬(スルホニ ル尿素) (グリニド系は食後 高血糖改善もあ る) 炭水化物吸収 遅 延 による食 後高血糖改善 インスリン抵抗性 改善 グリニド系 α-グルコシダーゼ 阻害薬 BG 薬(ビグアナイト) チアゾリジン薬 一般名 グリメピリド グリベンクラミド グリクラジド トルブタミド ナテグリニド ミチグリニド ボグリボース アカルボース ミグリトール メトホルミン ブホルミン ピオグリタゾン 商品名 アマリール ダオニール、オイグルコン グリミクロン ヘキストラス、チノン ファスティック、スターシス グルファスト ベイスン グルコバイ セイブル メルビン、グリコラン、メドット ジベトス アクトス 10 副作用など 低血糖 肝障害、放屁、腹満感、便秘、 下痢、低血糖 乳酸アシドーシス、胃腸障害、低血 糖 浮腫、心不全、肝障害、低血糖 Ver3Rel4 アニオンギャップ AG=Na+ -(Cl- + HCO3-) 正常:12±2 AG が増加する代謝性アシドーシス 腎不全 糖尿病性ケトアシドーシス 乳酸アシドーシス 虫垂炎 NPO L/R(500) 100ml/h ザンタック(100) ×2 メイン混注 セフメタゾン(CMZ)1g+N/S100ml 100ml/h ×2 腹エコー が非常に有名である。救急の現場では KUSSMAL と覚え られる。これは糖尿病性ケトアシドーシス、尿毒症、サリ チル酸中毒、敗血症、メタノール、アルコール中毒、アス ピリン中毒、乳酸アシドーシスである。 SIADH 機序)ADH 分泌↑により、①血漿浸透圧↓②Na 排 泄↑。②により RAS 系↓、近位尿細管 Na 再吸 収↓、ANP↑となり低 Na 血症と尿中 Na↑とな る。 診断)血清 Na<135、血漿浸透圧<270、尿浸透圧>300、 尿中 Na>20mEq/L、血清 Cre<1.2、副腎皮質機能 正常、倦怠感(+)、食欲低下(+)、脱水(-) 鑑別)甲状腺機能低下、副腎不全 治療)水制限 400ml/m2/day 以下。数日で改善。 急性膵炎 参考:急性膵炎の診療ガイドライン 診断基準 腹痛、画像、膵酵素のうち 2 つ以上 治療(抗生剤は重症例のみ、③④はエビデンス?) ① SD1(500)+ ザ ン タ ッ ク 100mg 全 開 、 次 に L/R(500)を 1~3 本全開、以後 2 リットルまで 500ml/h、4 本目から 100ml/h ②チエナム 0.5g+N/S100ml 100ml/h×3 もしくは セフメタゾール 1g+N/S100ml 100ml/h×3 ③ナファタット 10mg+5%Glu500ml 150ml/h ④ミラクリット 10 万単位+N/S20ml iv ×3 心臓外科手術時の ACT ACT(activating clotting time)でヘパリン量を評価す る。人工回路使用時は 200~300%に維持する。 高 K 血症に対する GI 療法 ①カルチコール 1~2A iv ②GI 療法 糖 4-5g に RI を 1u 混ぜる (i)50%Glu 40ml + RI 4-5u iv (ii)10%Glu 500ml + RI 10u 50ml/h ③カリメート注腸 カリメート 30g+微温湯 200cc 30 分間、6 時間毎 抗凝固剤 手術の何日前に中止するのか ワーファリン(3~5 日)、バファリン・パナルジン (7 日)、エパデール(10 日) いつ再開するか パナルジン(3 日)、バファリン(7 日) 咬傷 動物 → G(+) →ペニシリン系 海洋生物→ G(-) →ゲンタマイシン系 気胸でのドレナージ 適応:肺の上端が鎖骨よりも下のとき 11 Ver3Rel4 顔面の創傷 PDS-2(吸収糸)で皮下縫合し、6-0 ナイロンで皮膚を 結節縫合する。張力は弱く。エキザルベガーゼで被 包する。 蛋白尿 エコー UA:Ca、Cre 血液:CBC、生化、補体、IgGAM、ASO、UA、T-Cho、 TG、ALB 擦過傷 砂などが付着しているときに限り、外傷性刺青にな らぬように歯ブラシで洗浄すること。キシロカイン クリームで前処置すれば疼痛は少ない。 クレアチニンクリアランスの概算 (140 – Age) x BW x 0.85 / (sCr x 72) クレアチニンクリアランス Ccr = (Ucr × V / Pcr)×(1.48/ A) Ccr:クレアチニンクリアランス(91~130mL/分) Ucr:尿中クレアチニン濃度(mg/dL) V:単位時間当たり尿量(mL/分) Pcr:血清中クレアチニン濃度(mg/dL) A:体表面積 熱傷 冷却:15 分以内に開始、4時間まで、冷水程度(氷 水は冷たすぎて不可) 消毒、エキザルベガーゼ、1度熱傷ならステロイド 軟膏を加える 透析患者の胃薬 タケプロン:通常量、ガスター・ザンタック:半分量。 カマグやアルサルミンは不可(アルミ含有) 褥瘡 乾燥厳禁(ガーゼはだめ)で湿潤が基本 赤色や白色は洗浄して創傷被覆材 黄色や黒色では外科的デブリドマン 疥癬 検査方法 カミソリ、メス、先のとがった鑷子を用いて、病 巣の皮膚を薄くはがす。スライドガラス上で KOH 溶液を垂らし、カバーガラスをして低倍率で検鏡 する。 卵や虫体は疥癬トンネルにいることが多く、皮膚 に白っぽい糸くずのようなトンネルがありそうな 場所から検体を取ること。指間に多い。 治療 ストロメクトール(イベルメクチン)内服 12 Ver3Rel4 Kaup 指数(=BMI):主に乳幼児と成人で用いる 10 × Wt ( g ) Ht 2 (cm) 正常値 15~18(乳幼児)、18~22(学童~成人) バイタルの正常値 脈拍数 呼吸数 新生児 120-140 40-50 乳児 110-130 30-40 幼児 100 20-30 >110 >120 高血圧 の目安 出典:標準小児科学4版 肥満度:幅広い年齢で使える 学童 80-100 18-20 10 才未満>130 10 才以上>135 実測体重 − 標準体重 標準体重 × 100(%) 正常値 -10<幼児<15、-20<学童<20 ※低身長があれば、身長にあわせた標準体重で評価する。 拡張期 >80 呼吸(p320)、血圧(p363)、脈拍(p354) 体表面積 ※頻呼吸は 60(新生児)、50(乳児)、40(幼児)、30(学童)以上と覚 えておけばよい。 ※低血圧 BP=70+年齢×2 (出典:PALS) ※平均血圧 BP=90+年齢×2 (出典:PALS) Ht × Wt ← 頻用される 3600 SA(m 2 ) = 0.02350 × Ht 0.42246 × Wt 0.51456 血液の正常値 但しHt 身長(cm) 、Wt 体重(kg ) Hb WBC ※1 好中球 ※1 リンパ 球※1 LDH CPK AST ALT 1W 13.5 -20.5 5 -21 2.714.4 1M 10.0 -18.0 5 -19.5 1.59.0 2M 9.413.0 6 -18.0 1,27.5 6M 11.1 -14.1 6 -17.5 1.08.5 2.516.2 311 -709 40-474 35-140 6-50 3.013.5 316 717 4.013.5 369 -817 2.017.0 IgG 650-1450 IgM 0-30 C3 C4 CH50 200650 10100 53-131 7-27 1Y 11.3 -14.1 6 -17.5 1.58.5 2-6Y 11.5 -13.5 5 -17.0 1.58.5 4.01.510.5 9.5 397 281 -734 -586 <200 15-55 5-45 150300477800 1200 1334 104028100 200 116 62-180 7-40 25-50 SA(m 2 ) = 6-12Y 11.5 -15.5 4.5 -14.5 1.58.0 2000 年版の男子の標準身長体重と体表面積 Year 1 2 3 4 5 6 8 10 12 15 参考値 1.57.0 254 -544 5-45 5001700 26120 新生児 3 ヶ月 6 ヶ月 5才 601 634 成人 458 465 標準身長と体重 -2SD 以下だと低身長、低体重として就学前に精密検 査をする。偏差の求め方:(体重-標準体重)÷SD 1 2 3 4 5 6 8 10 12 15 74.9(2.6) 85.5(3.0) 93.2(3.6) 100.4(4.1) 106.6(4.4) 113.3(4.8) 125.3(5.3) 136.4(5.9) 149.1(7.6) 167.1(6.2) 9.3(0.9) 11.6(1.2) 13.7(1.5) 15.6(2.0) 17.7(2.5) 20.3(3.3) 26.1(5.0) 33.2(7.4) 42.4(9.8) 57.6(10.6) 73.1(2.7) 84.5(2.8) 92.1(3.9) 99.4(4.2) 106.2(4.2) 112.3(4.4) 124.6(5.4) 136.9(6.5) 149.6(6.3) 157.1(5.3) 0.01 0.1 0.2 3歳 5歳 0.6~0.9 1.0 以上 アデノウイルス 幅広い年齢 A 群β溶連菌 4 才~10 才 腹痛嘔吐を伴うこと もある。小児では扁桃 PUS はほとんどない。 サワシリン 10 日間。バナン 5 日間 LDH は検査法の違いがあり、当院のデータを 2 倍して比較すること。 (例)当院 LDH が 500 なら、換算して 1000 なので異常高値と判断する。 出典:日本人小児の臨床検査基準値 2000 年版標準身長体重 ()内は標準偏差(SD) 男 女 Yr Ht(cm) Wt(kg) Ht(cm) SA(m2) 0.439 0.525 0.596 0.660 0.724 0.799 0.953 1.122 1.325 1.635 1.871 咽頭炎、咽頭痛 ウイルス感染が主、細菌感染(溶連菌が主)やマイコ プラズマ、肺炎クラミジアも原因となる。 出典:New Bed-Side Memo、乳幼児健診マニュアル 4才 633 666 Wt(kg) 9.3 11.6 13.7 15.6 17.7 20.3 26.1 33.2 42.4 57.6 70 視力 ※1 単位は 1000 市町村が行う乳児検診では、Hb<10.0 なら要精密検査、 10.0<Hb<10.9 なら栄養指導としている。 LDH の上限(+2SD まで) 2才 3才 男 700 666 女 742 701 Ht(cm) 74.9 85.5 93.2 100.4 106.6 113.3 125.3 136.4 149.1 167.1 180 急性上気道炎(普通感冒、急性鼻咽頭炎) ライノウイルス、コロナウイルスが主。概ね 38.5 度 以下の発熱。乳幼児では RS ウイルスによる 5 日間 程度の発熱や喘鳴に要注意。 急性気管支炎、喘息様気管支炎 発熱、咳嗽、喀痰などの気道感染症状があり、聴診 上 crackle などのラ音を聴取し、胸部 XP で異常陰影 のないもの。ウイルス感染が主だがマイコプラズマ や細菌感染もある。喘息の診断を受けていない児が、 喘鳴を伴う場合に喘息様気管支炎とよび、β2 刺激 薬の吸入やオノン内服など軽症喘息に準じた治療を 行う。 Wt(kg) 8.7(1.0) 11.0(1.1) 13.1(1.6) 15.2(2.0) 17.4(2.3) 19.6(3.1) 25.4(4.7) 32.8(7.0) 42.6(8.5) 51.4(8.1) 13 Ver3Rel4 急性細気管支炎 主として RS ウイルス(迅速検査は 3 歳未満の入院の み保険適応)やヒトメタニューモウイルスによる下 気道感染症で乳児期に多い。発熱、咳嗽、多呼吸、 喘鳴、漿液性鼻汁を示し、時として呼吸困難をきた す。治療は輸液、吸入・鼻汁吸引などの対症療法が 中心だが、乳児期では呼吸管理が必要になる場合も あり要注意。 をつける。詳しくは当院のガイドライン参照。 アデノウイルス 発熱、咽頭痛、咽頭発赤、眼脂、下痢 迅速診あり。症状が長引きやすい。 特効薬なし ※ボスミン吸入は約 4 時間で効果がなくなり、症状 のリバウンドをきたしやすく、デカドロンで予防す る。1 回分の投与でよい。 外来治療 1. 吸入 ボスミン 0.2cc + 生食 2cc 30 分ごと に反復可 2. デカドロンエリキシル 3cc/kg 分 1 を 1 日分。 量が多いので、飲めそうになければ分 2 も可。 3. 超音波ネブライザーで加湿 ※症状が軽いときは、ムコダインシロップでよい。 抗ヒスタミン薬は使わない。 A 群β溶連菌感染症 発熱、咽頭痛、咽頭発赤著名 ストレプト迅速診(偽陽性多い)、咽頭培養で確定診 断。糸球体腎炎を予防するために、サワシリン内服 10 日間が標準。2~3 日後に小児科外来受診させる (その分だけ処方する)。体温表と説明資料を手渡す。 入院時はビクシリン(ABPC) デカドロン注 デカドロン内服 デカドロンエレキシル(シロップ) 0.2mg/kg 2 回 0.3mg/kg 1 回 3ml/kg 1回 百日咳 カタル期/痙咳期/回復期 乳児、夜間に多い DPT(三種混合ワクチン)未接種 目の周囲に点状出血を伴うことあり 顔を紅潮させて咳き込む whoop(=レプリーゼ):咳の後にヒューッと息を吸う 肺炎マイコプラズマ感染症 激しい咳嗽が続くが元気ある 3~15 才に多く、学童期がピーク CRP↑、WBC→ 検査 マイコプラズマ抗体 PA 法=粒子凝集反応:IgM と IgG の両方に反応 イムノカード迅速診:IgM 抗体に反応 治療 クラリスロマイシン(CAM)10~15mg/kg/day 分 2 ~3 を 10days。AZM、MINO や CLDM も可。 初発時の検査結果 CRP→、ESR→、WBC>20000、リンパ球>70% 百日咳抗体:上がりにくい 東浜株:ワクチン株、山口株:流行株 百 日 咳 毒 素 (PT, pertusis toxin) 、 線 維 状 赤 血 球 凝 集 素 (FHA,filamentous hematoglutinin)も検査する。 培養検査:育ちにくい 肺炎の起炎菌 新生児:GBS、大腸菌 乳児 :黄ブ菌、肺炎球菌、インフルエンザ桿菌 幼児 :肺炎球菌、インフルエンザ桿菌 外来治療 マクロライド系(クラリスロマイシン 7 日間、エリ スロマイシン 14 日間) 抗生剤 肺炎球菌:ABPC、CTX インフルエンザ桿菌:ABPC、ABPC/SBT、CTX、 PIPC/TAZ 嫌気性菌:CLDM、MEPM マイコプラズマ:EM、CAM、AZM、MINO モラキセラカタラーリス:ABPC/SBT、EM、CAM 入院治療 エリスロマイシン iv、PIPCdiv ヒ ト 免 疫 グ ロ ブ リ ン (2.5g/50ml) 100mg/kg を 10ml/h で、15 分毎に血圧測定。血液製剤伝票要 最近の話題 成人や DPT 接種者の百日咳が増えている。2 ヶ月 以上だらだら咳嗽が続くときは、百日咳抗体を検 査。この場合には whoop などを伴わない。 起炎菌不明時(外来での初期治療): ~5 歳 AMPC 内服 6~歳 CAM 内服 突発性発疹 3 ヶ月~3 歳未満。HHV-6,7 による。唾液中のウイ ルスを介した水平感染。39 度程度の熱が 3~5 日。解 熱後 24 時間以内に、体幹から始まり頭部に広がる 赤色斑丘疹状発疹。1~3 日で消退。解熱後に下痢の 合併や不機嫌が多い。対症療法でよい。 出典:小児呼吸器感染症診療ガイドライン 2004 クループ(喉頭気管気管支炎) ウイルスが原因で、犬が吠えるようなケンケンする 犬吠様咳嗽が特徴。SpO2 の低下や、発熱を伴って いる場合は入院させたほうが賢明。クループスコア 14 Ver3Rel4 細菌性髄膜炎 診断 腰椎穿刺にて確定診断。起炎菌の迅速診断。 24 時間後に治療効果を見るため 2 回目。 低 Na 血症 小児の発熱性疾患では、低 Na 血症を示すことが多い。 その多くは SIADH による。低 Na 血症があった場合 には、まず SIADH かどうかの判断をし、適切な輸液 を選択する必要がある。低 Na があったら、血清浸透圧、尿浸 治療 ①デカドロン 0.15mg/kg iv 4 回/day 2 日間 インフ ルエンザ杆菌のとき有効 透圧、尿中 Na を追加する。 【厚生省 SIADH 診断手引きより抜粋】 1. 血清 Na < 135mEq/l 2. 血清浸透圧 < 270 mOsm/kg 3. 尿浸透圧 > 300mosm/kg 4. 尿中 Na > 20mEq/l 5. 血清 Cre < 1.2mg/dl 6. 副腎皮質機能正常 ②抗生剤 MEPM + CTX もしくは PAPM/BP + CTX が基本 CTX MEPM PAPM/BP ABPC 200-300mg/kg/day 4 回/day 100-140mg/kg/day 4 回/day 100mg/kg/day 3 回/day 400mg/kg/day 4 回/day セフォタックス メロペン カルベニン ビクシリン ③脳圧を下げる 浸透圧利尿剤を 4 回/day グリセオール マニトール 5~10ml/kg 2.5~5ml/kg 低 Na 血症の場合には、維持輸液をソルデム3Aでは なく、ラクトリンゲル+50%Glu 2A に変更し、かつ 輸液量をやや少なめ(2/3 程度)にするのが望ましい。 1~2 時間で投与 30 分で投与 ④γグロブリン 100~150mg/kg 1 回/day 3 日間 最初の 1 時間:0.01ml/kg/min、その後 3 倍 血漿浸透圧の推定式 浸透圧 = 2 × Na + glu ⑤DIC 対策 ヘパリン 5~15 単位/kg/h or 低分子ヘパリン FOY 1~1.5mg/kg/h 血小板輸血 ATⅢ 18 + BUN 2 .8 咽後膿瘍・咽後蜂窩織炎 ⑥フェノバルビタール大量療法 初期 20~30mg/kg/day 分 4 2 日間、漸減 ワコビタール座薬 ① ⑦その他の支持療法 ビタミンK:HPT を見ながら適宜投与 DOA:血圧維持 MAP+ラシックス 0.5-1mg/kg ② ③ 高サイトカイン血症(VAHS:ウイルス関連血球貪食症候群) 重症のウイルス感染症では様々な炎症性サイトカイ ンが増加している。LDH、S-IL2-R、フェリチン, 尿中β2MG で判定。高熱長期持続、汎血球減少、肝 機能障害、肝脾腫、DIC などを示す。ステロイドを 使用する。 プレドニン 1.5~2mg/kg/day 3 回/day で 3~5 日間。 ※LDH、CPK、GOT 上昇時は筋疾患も疑う必要があ り、アルドラーゼやミオグロビンにてスクリーニン グする。 15 咽後蜂窩織炎の症例(咽喉頭側面像) 治療後 ①喉頭蓋上部の椎体前面軟部組織、②椎体前後径、③喉頭蓋下部の椎体 前面軟部組織 正常では ① < ② かつ ① < ③ 喉頭蓋上部の軟部組織の厚みが最も薄い Ver3Rel4 喘息 点滴速度 幼児 70-80 ml/kg/day 学童 50-60 ml/kg/day 乳児喘息(2 才未満)、小児喘息(2 才以上) 小児気管支喘息治療管理ガイドライン 2005(日本小児アレルギー学会) 小児喘息の急性期の治療プラン 小発作 中発作 症状 軽い喘鳴 喘鳴 軽 い 陥 没 呼 陥没呼吸 吸 呼吸困難 SpO2 初期 治療 追加 治療 96≦ 吸入 反復吸入 92~95 反復吸入 酸素投与 (SpO2<95) ステロイド ネオフィリ ン点滴 大発作 喘鳴 呼吸困難 起坐呼吸 ≦91 入院 反復吸入 酸素、輸液 ステロイド ネオフィリ ン持続点滴 イソプロテ レノール持 続吸入 呼吸不全 チアノーゼ 呼吸音減弱 失禁 意識障害 ≦91 入院 イソプロテ レノール持 続吸入 酸素、輸液 ステロイド ネオフィリ ン アシドーシ ス補正 挿管 イソプロテレノール持続吸入療法 イソプロテレノールの低用量持続吸入 入院し、血圧や ECG モニター下で実施 アスプール(0.5%)2~5mL、もしくはプロタノール -L(0.2mg/1ml)10~25mL を生理食塩水 500mL に 溶解して、インスピロンを用いて持続吸入する。 ※目安はプロタノール 1A/kg アレルギー アトピー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支喘息、ア レルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎)ではアトピー 素因(IgE を作りやすい素因)が病態に大きく関与し ている。総 IgE が増加していることが多い。アレル ギー検査は、非特異的 IgE(IgE-RIST)と抗原特異的 IgE(IgE-RAST)を測定する。食物抗原は年齢ととも に軽快し、逆に吸入性抗原は2才頃から発現する。 主たるアレルゲンは、タマゴ、ミルク、小麦、ダニ、 ハウスダスト、カビ、動物、スギなどである。 スクリーニングとしては、TAP-18 という検査が簡便 である(検体検査項目名で“18”で検索すればよい)。 ※乳児喘息ではネオフィリンは慎重に(原則使わない) 喘鳴(ゼンメイ)の評価 0~Ⅳ度の評価を用いる(呼吸器内科の項参照) 血液ガス評価 入院適応がありそうな場合は、静脈血でよいので 血ガスを測定しておくこと 非特異的 IgE の基準値 吸入療法 メプチン(β2 刺激薬)+生食 20~30 分間隔で 3 回まで反復可能 吸入して 15~30 分後に効果判定する SpO2<91%の時は、コンプレッサーの空気ではな くて、流量8㍑/分の酸素を直接つないで吸入する 1 才未満 20 以下 (ヒドロコルチゾン) ソルメドロール (メチルプレドニゾロン) プレドニン (プレドニゾロン) 1 回量(乳児) 疾患名 4~6 時間毎 div 1~1.5(1)mg/kg 4~6 時間毎 div 初回 1~1.5mg/kg 以後 0.5mg/kg 6 時間毎 div 7~15 才 170 以下 15 才以上 250 以下 潜伏 出席停止期間 インフルエンザ 百日咳 麻疹 ムンプス 1-3d 7-21d 9-11d 12-25d 風疹 水痘 14-21d 10-21d 解熱後 2 日を経過するまで 特有な咳が続く間 解熱後 3 日を経過するまで 耳下腺の腫脹が消失するまで (約 1 週間) 発疹が消失するまで すべての発疹が痂皮化するま で(約 1 週間) 主要症状が消退した後 2 日を すぎるまで 症状があるうち 咽頭結膜熱(アデノ ウイルス) 腸管出血性大腸菌 感染症 流行性角結膜炎 手足口病 伝染性紅斑 マイコプラズマ アタマジラミ 伝染性軟属腫 伝染性膿痂疹 ロタウイルス ノロウイルス アデノウイルス RS ウイルス 溶連菌 サルモネラ菌 カンピロバクター 投与頻度 5~7(5)mg/kg 4~6 才 110 以下 学校伝染病など 酸素療法 SpO2<95 なら酸素投与する。マスクを嫌がるとき は流量を多めにして口の近くにおいても良い。 95%以上を目標に流量をコントロールする。 マスクなら 3 ㍑/分以上 nasal canula なら最大4㍑/分 ステロイド注射 ステロイド ソルコーテフ 1~3 才 30 以下 ※生食 50cc に混注して 30~60 分間で投与する ネオフィリン点滴 乳児では原則用いない。発熱時は用いない。 初期ローディング(30 分~1 時間で投与する) SD1(200)+ネオフィリン 4~5mg/kg ※テオドール内服中は 3mg/kg に減量 維持輸液 ネオフィリン維持量(血中濃度 8~15μg/ml) 2y~14y 0.8mg/kg/h(経験上 0.7~0.75 が適当) 15y~ 0.6mg/kg/h 16 5-9d 2-14d 1-2w 3-5d 10-20d 2-3w 2-3d 1d 5-9d 2-8d 2-4d 12-36h 2-3d(1-7) 発症後 10 日間が望ましい 高熱時のみ。排菌は約 1 ヶ月 全身状態の悪いときのみ 急性期の間 不要 不要 不要 症状のある間 症状のある間 プール熱では症状消退後 2 日 不要 Ver3Rel4 治療 1.安静 ベッド上安静 2.塩分制限 腎炎食 0 度(食塩 0g/day)から開始 3.水分制限(食事以外の水分) 前日尿量 + 400cc×体表面積 4.血圧コントロール ループ利尿剤(ラシックス 1~2mg/kg/day) 降圧剤(BP>150/90 アダラート 0.2~0.3mg/kg 頓用) 血尿 高血圧、乏尿、浮腫があれば緊急性が高い 尿蛋白 2+以上を合併していたら糸球体障害 鑑別診断 +( ) -( ) 蛋白尿 糸球体性 +( ) +( ) -( ) 膿尿・細 菌尿 非糸球体性 -( ) +( ) 沈渣の赤血球 変形・大小・赤血球円柱 腎炎(要治療) 腎炎(軽症) 無症候性血尿 尿路感染症 -( ) 経過 浮腫、高血圧 7~10 日以内に改善 蛋白尿症 8 週以内に消失 血尿 6 ヶ月以内に消失(5%で 3 年残存) 低補体 3 ヶ月以内(通常は 2 ヶ月以内)に改善 特発性腎出血 腎尿路結石 腎尿路外傷 腎尿路腫瘍 ナットクラッカー 溶血性貧血・横紋筋融解症 参考:横田俊平、小児の薬の選び方使い方、p135 蛋白尿 正常:起立性蛋白尿,発熱時の熱性蛋白尿 病的:尿細管性蛋白尿と糸球体性蛋白尿 検査 早朝尿でタンパク陰性→起立性蛋白尿 β2-MG:近位尿細管上皮細胞で再吸収 NAG 活性:近位尿細管からの逸脱 →Fanconi 症候群,Lowe 症候群,特発性尿細管性蛋白 血尿をきたしうる腎炎・腎症 急性糸球体腎炎、紫斑病性腎炎、IgA 腎症、膜性増殖性腎症、ル ープス腎炎、良性家族性血尿、遺伝性腎炎、慢性腎炎症候群 顕微鏡的血尿 2~3 回の尿検査で持続していたら精査する 肉眼的血尿 尿中 Ca↑(尿中 Ca/Cre≧0.25)・・・尿路結石 BUN,Cre,ASO↑,ASK↑,補体↓・・・溶連菌など による急性糸球体腎炎 尿、薬物による尿細管障害 ネフローゼ症候群 蛋白尿 >3.5g/day or >40mg/m2/h(海外の基準) >3.5g/day or >0.1g/kg or 早朝尿>300mg/dl(厚生省) 血尿の一次精査 学校検尿で指摘されたときなどに行う 採血 CBC+Diff, BUN, Cre, Na, K, Cl, TP, ALB, T-Cho, TG, ASO, ASK, 抗 核 抗 体 , 補 体 , HBs 抗原 尿検査 尿中 Ca,尿中 Cr,NAG 活性,β2-MG,培養 腎エコー(ナットクラッカー鑑別) 低アルブミン血症 <2.5g/dl(共通) 原因 一次性(90%) 血尿の二次精査 入院して実施 蓄尿検査 IVP VUG レノグラム・レノシンチ 血液検査 凝固系 微小変化群(80%)、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球 体腎炎、メサンギウム増殖性腎炎、びまん性増殖性腎炎、 膜性腎症 二次性 感染、中毒、アレルギー、SLE、DM、紫斑病性腎炎、 アミロイドーシス、IgA 腎症 治療 プレドニゾロン 60mg/m2/day 4w + 隔日 4w 塩分制限食 浮腫があれば 1~2g/m2 溶連菌感染後糸球体腎炎(PSAGN) 4 才~10 才の男児に多い 2 週間前に溶連菌感染症や伝染性膿痂疹の既往 → 問診が大切 肉眼的血尿、浮腫、高血圧 感染症(肺炎など)の合併 随時尿から1日蛋白量の推定 尿中蛋白 ≈1日タンパク量 (g) 尿中Cr 検査 血尿、蛋白尿、補体↓(CH50,C3,C4)、ASK↑、ASO ↑ 抗核抗体陰性(ループス腎炎の R/O) 17 Ver3Rel4 ②止まらないときは、ドルミカム(ミダゾラ ム)0.2mg/kg を iv する。持続投与もできる。 腎不全 食欲低下、嘔吐、呼吸困難、浮腫、意識障害、貧血、 出血傾向、乏尿(<250ml/m2/day) 尿浸透圧 尿中 Na FENa(Na 排泄率) BUN/Cr 尿 Cr/血清 Cr FENa = = 腎前性 >500 <20 <1% >20 >30 要注意因子 1. てんかん発症に関するもの(Epi 因子) ①熱性けいれんの発症前に神経学的異常や発達 遅滞がある ②非定型発作(部分発作、15~20 分以上のけい れん持続、24 時間以内の繰り返しのいずれか) ③両親や同胞のてんかん家族歴 2. 熱性けいれん再発に関するもの(FS 因子) ①1 才未満 ②両親いずれかの熱性けいれん既往 腎性 <350 >40 >2% 10~15 <20 尿中Na 血清Na 尿中Cr 血清Cr 尿中Na × 血清Cr 血清Na × 尿中Cr 予防が不要な場合 熱性けいれんが 2 回以下、かつ、上記の要注意因 子がすべて陰性 多尿 >2000ml/m2/day 乏尿 <250ml/m2/day 無尿 <50ml/m2/day ダイアップでの予防が望ましい場合 以下の①~③のいずれかに合致する場合、37.5℃ 以上の発熱時に使用する(8 時間後に 37.5℃以上あ ればもう一度使う)。2 年間もしくは 5 歳まで。 IVP(intravenous pyelography) 排泄性静脈注射腎盂造影 膀胱尿管逆流症(VUR)などの診断 造影剤はオムニパークもしくはオプチレイを 2ml/kg 使用する。 ①KUB を撮る ②5 分かけて iv し、すぐ撮影 ③10 分、15 分で撮影 ①15~20 分以上のけいれんが 1 回でもあった ②要注意因子の 2 項目以上が陽性で、2 回以上の発作を経 験しているとき ③短期間に発作が頻発するとき(半日で 2 回、半年で 3 回、 1 年で 4 回) 《参考》単純型熱性けいれん(福山、1963) 1. てんかんの家族歴がない 2. 分娩外傷など脳障害の原因となる疾患なし 3. 生後 6 ヶ月~6 才 4. けいれん持続時間は 20 分未満 5. 左右対称である。巣症状なし。 6. 発作後に意識障害が遷延していない 7. 明らかな神経症状なし 8. 発作が短時間に頻発していない AFBN(Acute Focal Bacterial Nephritis) 造影 CT にて楔状の LDA、レノグラムとシンチでフ ォロー。腎盂腎炎から腎膿瘍への移行期。VUR の合 併により上部尿路感染症として発現 大腸菌が主なのでセフェム系を用いる 軽症胃腸炎関連けいれん 下痢をしている乳幼児に多く、1 分程度の全身性間 代性けいれんを 1~4 時間ごとに繰り返す。ジアゼ パム(ダイアップ座薬)が無効。キシロカインや CBZ が著効する。重症脱水と電解質異常を除外。無熱で あることが多い。発作間欠時は意識クリア。ロタも チェックする。 熱性けいれん 38℃以上の発熱に伴うけいれん 約 3~8%の児が経験し、1~2 才に多い 熱の上がりはじめに発症 要注意因子を参考に予防策を決める けいれん時(後)の処置 ダイアップ坐薬(ジアゼパム) 0.4-0.5mg/kg を 2 回 (2 回目は 8 時間後)。剤形は 4,6,10mg。 初期投与:2%注射用キシロカインを 2mg/kg iv。 例)10kg→20mg→1cc 持続投与:2~4mg/kg/h で 24 時間投与。5%ぶどう 糖液で希釈して投与するのが簡便で安全。 例 )10kg → 480mg/24h → 24cc+5%Glu96cc( 計 120cc)を 5ml/h で投与する。心電図モニタ要。 けいれん重積のとき(小児救急の頁参照) ①ホリゾン 0.3~0.5mg/kg を 2~3 分かけてゆっ くり iv 。Max:10mg(1A)。 • 原液のままで使用する。希釈禁止。 • ホリゾン(=セルシン、ジアゼパム) • 1A=10mg=2cc • 呼吸抑制に注意 • けいれんが止まった時点で静注中止 • 再発したら 20 分間隔で 2 回まで同量をくり 返して良い。 テグレトール(CBZ:カルバマゼピン)5mg/kg 分 1 を 下痢が治るまで投与する方法もある。ワコビタール 座薬(フェノバルビタール)10~15mg/kg の 1 回投与 法は効果が弱いといわれている。 参考:けいれん重積の治療ガイドライン、小児内科 2(38):236-243,2006 18 Ver3Rel4 ど膠原病の鑑別も必要である。特徴的な蝶形紅斑は 1/3 に認められる程度である。上気道症状などがなく熱源 がはっきりしないときは、症状、家族歴などを詳しく 問診する。 脳波検査 複雑型熱性けいれんなどで脳波検査をするときは、 けいれん発作 2 週間後頃に実施する。トリクロリー ルシロップにて眠らせて検査する。トリクロは Wt(kg)×0.7(ml)が適当(10kg なら 7ml)。 スクリーニング検査 CBC、CRP、赤沈、TP、ALB、抗核抗体、血清補体 価(CH50,C3,C4) 血便 サルモネラ、赤痢、腸チフス、腸管出血性大腸菌、 カンピロバクター 細菌性腸炎 サルモネラ、カンピロバクターが多い。便培養必須。 原因菌 潜伏期間 特徴 サ ル モ ネ 12 ~ 36 時 緑色便、血便、発熱、腹痛、肉 ラ 間 や卵、乳製品、ミドリガメ。回 腸結腸。敗血症、髄膜炎 カ ン ピ ロ 2~11 日(平 鶏肉、水、サラダ、ギランバレ バクター 均 2~3 日) ー症候群、C.jejuni,C.coli 治療:輸液のみで抗生剤を使わないのが原則。外来 では整腸剤のみ処方する。止痢薬は使わない。 筋疾患(筋ジストロフィー) GOT、GPT、LDH、CPK、アルドラーゼ、ミオグロ ビンを測定してスクリーニングする。 フロッピー児 スカーフサイン、heal to ear test JRA とリウマチ熱 JRA:小関節、手,指 若年性リウマチ熱:大関節、肘、膝 腸重積 key word 7ヶ月、デブ、男児、嘔吐が続く まず浣腸して血便チェック、エコーで診断 原因:突発性が最多、メッケル憩室、腫瘍、小腸ポ リープ、潰瘍、紫斑病、O157 治療:高圧浣腸。当院ではエコー下、一般的には透 視下で行う。体温に加温した生食 1 ㍑を 1m の高 さから注腸。ER に腸重積セットがある。 鎮静 ケタラール 1mg/kg 1 分以上で iv ドルミカム 0.1mg/kg 1 分以上で iv (硫酸アトロピン 0.01mg/kg を先に使う事もある) 体重減少による脱水の評価 軽症 5%以下 尿量減少、口渇 中等症 6~10% 不穏、傾眠、頻脈、ツルゴール↓ 重症 10%以上 意識障害、痙攣、血圧低下 水いぼ(伝染性軟属腫) ウイルス感染。自然治癒することが多い。美容上問 題があれば除去する。鉤で摘み取る、液体窒素で焼 く、硝酸銀水溶液での処置などがある。皮膚科コン サルトが良い。プールの制限は不要だが、タオルを 介して伝染するので注意。 トビヒ(伝染性膿痂疹) 石けんでよく洗ってシャワーで流すのが大切。セフ ェム系(バナンなど)内服、かゆみ止め(ポララミン など)内服、ゲンタシン軟膏またはフシジンレオ軟 膏(GM 無効のとき)を出す。 低身長 標準身長や標準体重から 2SD 以上低値なら異常と 判断し、就学前の 5~6 歳ごろに精査入院を勧める。 3 日間。 検査項目:骨年齢(手根骨)、下垂体 MRI、負荷試験(ア ルギニン、クロニジン) 目標身長 男 = 父 + 母 + 13 父 + 母 - 13 、女 = 2 2 夜尿症 5 歳でも 10%にみられる。一般的に就学後を治療対 象とする。 検査 早朝尿の浸透圧、終日尿量測定(自宅で) 分類 膀胱容量低下型:200cc 未満 尿濃縮能低下型:850mOsm/L 未満 平均膀胱容積 25×(年齢+2) SLE 女子の小中学生が微熱の持続を訴えるときは、SLE な 19 Ver3Rel4 H.pylori 感染症 胃痛や嘔気だけでなく貧血の原因になることもある。 ステロイドの抗炎症効果の比較(以下が同等) 力価の比 量 1 100mg ソルコーテフ(即効) 4 25mg プレドニン 5 20mg ソルメドロール(即効) 25 4mg デカドロン(遅効) 診断 FGS での生検が gold standard 尿素呼気試験、便中抗原試験でもよい 血清抗体は感度が悪く、単一では不向きとされる 除菌判定 尿素呼気試験、便中抗原試験 治療 PAC 療法 PPI+AMPC+CAM ※ソルコーテフ 100mg とプレドニン 25mg が同等の抗炎症 効果をもつことを示す。 レプトスピラ感染症(風土病) 本島中北部の河川で遊泳した際に感染する事例が多 い。不明熱の鑑別として重要。潜伏期間は平均 10 日間。WBC→、CRP↑。人獣共通感染症で、げっ歯 類、牛、豚の尿に含まれていた病原菌が河川に流出 して感染する。ペア血清を保健所に提出し抗体価を 調べるのが良い。PCR やコロトフ培地での培養は検 出 率 が 低 い 。 ABPC が 著 効 す る が Jarisch-Herxheimer 反応を防止するためにソルメド ロールの事前投与が必要。 薬品名 ランソプラゾール オメプラゾール AMPC CAM メトロニダゾール 用量(/kg/day) 1.5mg/kg 1.5mg/kg 50mg 20mg 10~20mg 顔面神経麻痺 スコアーをつける 原則入院 ステロイド、ゾビラックス 川崎病(KD、MCLS) 小児の発熱性疾患では、常に川崎病に留意する。 診断基準(以下の6項目のうち5項目を満たす) 1. 5 日以上続く発熱 2. 両側眼球結膜の充血(1本1本が見える) 3. 口唇紅潮、イチゴ舌 4. 頸部リンパ節腫脹 5. 手指尖端の紅潮、硬性浮腫 6. 不定形発疹(体幹や顔面) 参考所見 BCG 痕の腫脹や発赤 心エコーで冠動脈の輝度上昇 原田スコア(4 項目以上でγ-グロブリン投与) 1. WBC > 12000 2. PLT < 350,000 3. CRP > 4.5 4. Hct < 35% 5. ALB < 3.5 6. 男である 7. 1 歳未満 初期治療(有熱時) アスピリン 30mg/kg/分3 γ-グロブリン 2g/kg 20 最大量(/day) 60mg 40mg 1500mg 800mg 1000mg Ver3Rel4 出典 http://idsc.nih.go.jp/vaccine/dschedule.html 日本脳炎 3~15 歳 最初の年は 2W 間隔で 2 回、翌年 1 回。 その後は数年ごとに実施。平成 17 年より副作用 (ADEM)のため一時的に中止している。 BCG 3~6 ヶ月に実施。小児の結核性髄膜炎や粟粒結核 予防に確実な効果があり、一般的な結核予防効果 は発病率が 1/4 とされる。効果は 10~15 年。 副反応 不活化ワクチンは 2~3 日後、生ワクチンは 6~7 日後が多く、発熱や接種部位の腫脹が多い。 予防接種 勧奨接種:BCG、ポリオ、DPT、MR(麻疹風疹)、日本脳炎 任意接種:水痘、おたふくかぜ、インフルエンザ、B 型肝炎など 生ワクチン:ポリオ、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘 不活化〃 :DPT、DT、インフルエンザ、B 型肝炎、日本脳炎 接種間隔 生ワクチン後: 4 週間以上あける 不活化ワクチン後: 1 週間以上あける BCG、ポリオ(経口) 通常は自治体の集団接種 DPT 1 期初回 3~12 ヶ月、3~8 週毎に 3 回連続 1 期追加 1 期初回終了後 6 ヶ月以上あと 2期 6 年生 《参考》厚生労働省「予防接種ガイドライン」 http://www.mhlw.go.jp/topics/bcg/guideline/1.html 21 Ver3Rel4 腫瘍(tumor) O2 低下(低酸素血症) metabolic(低血糖、尿毒症、高アンモニア血症、 脚気、アシドーシス、電解質異常(Na,Ca) トラウマ vascular(脳梗塞、脳出血) Drag, Infection, Cardiogenic(ショック、Vf) アルカリ眼外傷 ベノキシール点眼で麻酔して、20 分以上流水で洗浄 する。検尿紙で pH チェックする。PH<7.5 目標。 CPK の異常高値 心筋梗塞、横紋筋融解症、抗精神病薬、コレステロ ールの薬、低 K 血症、甲状腺機能低下症、アルコー ル 下肢のピクツキ(こむら返りなど) 芍薬甘草湯 頓用 咽頭痛、扁桃の膿 ほとんどがアデノや EB を含むウイルス性。時とし て細菌性で、溶連菌が主。溶連菌ではイチゴ舌、軟 口蓋の発赤と口蓋扁桃の疼痛。小児の溶連菌感染で は扁桃に膿を伴わない。ストレプト A 迅速診を行っ て陽性ならペニシリン系抗生剤(サワシリン 30mg/kg)を 10 日間。溶連菌陰性なら抗生剤不要。 眼瞼のピクツキ(眼瞼痙攣) 半夏厚朴湯 統合失調症などの不隠時 セレネース(2) 1A + アキネトン(5) 1A iv 偽膜性腸炎 日本ではバンコマイシンに適応があるが高価である。 海外ではメトロニダゾール内服が第1選択であり、 コストは 1/50 である。 鼻出血 ゲンタシンガーゼ、ボスミンガーゼ フォーリーカテーテルで圧迫 急性喉頭蓋炎 発熱、喉の痛み、XP 側面像でモール状に腫れる。抗 生剤とステロイド ベル麻痺 メチコバール アデホスコーワ プレドニゾロン(5) バルトレックス セルベックス(50) 3T/3X 3H/3X 3C/3X 6T/3X 3C/3X 体温と脈拍 10 回/0.55 度 の割合で上昇する 脈圧の増大 hyper dynamic state ①慢性貧血 ②スポーツマン ③甲状腺機能亢進 ④動静脈瘻 ⑤カテコラミン放出(心不全、呼吸不全、敗血症、発 熱) 交通事故 救急車来院は原則 ER 入院し経過観察。 頸椎捻挫(鞭打ち)の XP 事故直後:原則として頸椎 2 方向のみ。重大な損 傷がないとわかったらシリーズ撮影(2 方向+屈 曲・伸展位) 臓器損傷、腹腔内出血の確認 エコー(FAST)、検尿。 エコーで異常がなくても痛みがあれば造影 CT。肝、 腎、脾と消化管損傷が多い 心不全と喘息の鑑別 頸部副呼吸筋の使い方 喘息は胸鎖乳突筋 心不全は肩の上面の筋、45 度で頸静脈怒張 痙攣 アル中の妻をめとらば DIC(格言) アルコール中毒 血液培養 38.5 度以上、悪寒戦慄、尿量低下、意識障害、アシ ドーシス、WBC<4000、WBC>12000 などが実施の 条件。 22 喘息 喘息の検査 ピークフロー(350~400) 50%以下でス テロイドを使用する、75%を上回ったら帰宅可能 痰中好酸球 Ver3Rel4 感冒シロップ(約束処方) 軽い咳、鼻汁 アストミン(非麻薬性鎮咳) ムコダイン(去痰) 喘息シロップ(約束処方) 軽い喘鳴 ビソルボン(去痰) メプチン(β2 刺激) ※多いとドキドキ、手の震え ※ムコダイン(喀痰溶解)を組み合わせると良い ムコダインsy⇒ 0.5ml/kg/日 分 3 【内服薬処方のルール】 錠剤:一日量と飲む回数を示す 例)ムコダイン錠(250) 6T 分 3 毎食後 → ムコダインの 250mg 錠剤を 1 日6錠、3回に分 けて飲む(毎食後2錠ずつ飲む) 「ムコダイン錠(250) 6T/3X」と書いても良い 喘息の内服処方 オノン DS ムコダイン ホクナリンテープ 散剤:一日量(包数もしくはグラム数)と飲む回数を 示す 例)ラックビー 3 包 分 3 毎食後 → ラックビーを 1 日3包、3回に分けて 「ラックビー 3 包 /3X」と書いても良い ラックビーを 1 日 1g、3回に分けて 「ラックビー 1g /3X」と書いても良い ※10 倍散・20%散剤など製剤量と成分量が異なる 製剤は、成分量(力価)で指示する。 例)カロナール 20%細粒(製剤 1g 中にアセトア ミノフェンを 200mg 含有する) → 1 枚/就寝前 ホクナリン(ツロブテロール)テープ 6m~2yr 3~8yr 9yr~ ラックビー 1g 分 3 毎食後 → 7mg/kg/day 分2(朝・夕) β2 刺激薬 0.5mg 1mg 2mg 喘息のステロイド内服処方(中等症) 3 日間処方 プレドニゾロン 0.5~1mg/kg/day 分 3 デカドロンエレキシル 0.05mg(0.5ml)/kg/day 分 2 アセトアミノフェンの量を指定する 吸入(ゼーゼー) β2 刺激(気管支拡張) 喘鳴ある時 メプチン(ml)+N/S(ml) 0.2+1.0(<20kg) 0.3+1.5(<40kg) 0.4+2.0(>40kg) 【外用薬処方のルール】 処方全体量と使い方を示す 例)リンデロン VG 軟膏 1本 1日 2 回 例)リンデロン VG 軟膏 30g 1日 2 回 吸入(ゴロゴロ) 塩酸ブロムヘキシン(喘鳴がなく、去痰 を目的とする) ビソルボン 1ml+N/S1ml 咽頭痛 咽頭炎、扁桃炎 トランサミンシロップ 0.5ml/kg/日 小児の輸液 初期輸液 SD1 10-15ml/kg/h MAX:40ml/kg ※Nelson などでは生理食塩水としている。 利尿がついたら維持輸液へ移行する 維持輸液 SD3A 乳児 幼児 学童 分3 トローチ剤 咽頭炎、口内炎、口腔創傷 SP トローチ 1 日あたり 4~6 錠を目安に インフルエンザ タミフル DS インフルエンザ A、B 4mg/kg/day 分 2 5 日間 80-100 ml/kg/day 70-80 50-60 ※1 才未満にタミフルは禁忌。2007 年からは異常行 動問題で 10 代にも処方できない。1 才未満にはリレ ンザ吸入(リレンザ 2 山+N/S2ml 2 回/day 5days)を行 うので小児科にコンサルトする。 学童向けの感冒薬① 錠剤 Wt>30kg ポララミン錠 2mg 3 錠 分 3(抗ヒ、鼻汁) アスベリン錠 20mg 3 錠 分 3(鎮咳,去痰) ムコダイン錠 250mg 3 錠 分 3(去痰) ※30kg 未満で錠剤希望時は、2 錠分 2 で処方する ※インフルエンザ流行時の感冒症状には、インフル エンザ検査が陰性であっても、小児 PL などのアス ピリン系薬剤を処方しない。感冒シロップとカロナ ールを処方するのが安全。 学童向けの感冒薬② 散剤 ペリアクチン散 0.2~0.3mg/kg 分 3(抗ヒ) ※2 歳未満には抗ヒスタミンを処方しない アスベリン散 3mg/kg 分 3(max120mg) ※成人で 60-120mg(鎮咳,去痰) ムコダイン DS 30mg/kg 分 3(去痰) 解熱・鎮痛(NSAID) 経口薬が原則、6 か月児~処方可。 カロナール 体重×10mg 頓用 間隔 6H アルピーニ坐薬 体重×10mg 頓用 間隔 6H ※坐薬の剤形は、100mg,200mg ※アセトアミノフェン極量は 40mg/kg/day 23 Ver3Rel4 ゾビラックス注 5mg/kg/回 3 回/day 1 時間以上かけ て DIV(入院のみ) 熱性けいれん予防 ダイアップ坐薬(ジアゼパム) 0.4~0.5mg/kg を 2 回(8 時間後)挿肛 剤形は 4,6,10mg 眼脂 二フラン点眼(非ステロイド抗炎症薬) クラビット点眼 3 回/日 エコリシン点眼 3 回/日 副鼻腔炎 鼻汁からインフルエンザ桿菌,肺炎球菌,モラキセラ 菌が出ること多い。 サワシリン⇒ 40mg/kg/日 分 3 ムコダイン sy⇒ 0.5ml/kg/日 分 3 治療に抵抗し,PISP,PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌) の場合 メイアクト⇒ 9mg/kg/日 分 3 ムコダインsy⇒ 0.5ml/kg/日 分 3 ※抗生剤を処方するときは、鼻汁培養を実施しておく タバコ誤飲誤食 実際には食べていないことが多く、基本は経過観察。 点滴後に アドソルビン 1.5~2g/3x 蟯虫症 コンバントリン DS 10mg/kg/回 2 回分処方 ※2 週間あけて 2 回内服。家族全員で内服必要。 浣腸 グリセリン浣腸 体重×2ml(剤形は 30,60,120ml) アタマジラミ スミスリンパウダー(使いにくい) スミスリンシャンプー(市中薬局で売っている。便利) 便秘 ラキソベロン液 ※3日に1度ずつ(2日おきに)3~4回繰り返す おむつ皮膚炎(オムツかぶれ) エキザルベ軟膏 抗生剤 注射 小児の肺炎による入院では、マイコならマクロライド 内服、マイコ以外はビクシリン(ABPC)iv が第一選択。 下痢 ラックビー 分 3 乳酸菌整腸剤 0.6g ~1y 1g 1~4y 1.5g 5~10y 2g 11~14y セフォタックス(CTX) マイコ以外の呼吸器感染症 50-100mg/kg/day を分 3-4 で静注 例)12kg→1200mg/day→400mg+N/S10ml×3 ユナスピン(ユナシン ABPC/SBT) 肺炎、βラクタ マーゼ阻害剤入り。剤形は 0.75g,1.5g 150mg/kg/day を分 3-4 で静注 ※ユナシン 150mg は ABPC100mg に相当する 本院では ABPC:100mg/kg を標準とする 例)36kg→4500mg/day→1.5g+N/S10ml×3 例)14kg→2100mg/day→0.6g+N/S8ml×3 0.6g=0.75X0.8→10ml で溶解し 8ml 使用 ※抗生剤と一緒に用いるときはラックビーではなく、レベニン 嘔吐 以下のいずれか。対処後に飲水確認をする。 点滴 ソルデム1+アタラックス P アタPは 1mg/kg(MAX25mg) ナウゼリンドライシロップ ナウゼリン坐薬 < 3y 3y ≦ 5~10mg/回 ビクシリン(ABPC) 1g/V 肺炎、溶連菌感染症 100mg/kg/day を分 3~4 で静注 例)20kg→2000mg/day→700mg+N/S7ml×3 ※N/S は 10ml にしなくても良い 頓用 10mg 30mg ミノマイシン注 マイコプラズマ肺炎 1A=10ml=100mg 2-4mg/kg/day を N/S に溶解して 1 時間で DIV する(1 日 2 回)。N/S の量は維持輸液速度に依存する。 例)5 歳 20kg→80mg/day、40ml/h→40mg+N/S40ml →半筒(50mg)を 50ml に溶解し、40ml 使用すると調 剤しやすい。過剰輸液にならないように点滴中はメ インを中止する。 じんま疹 抗ヒスタミン薬が中心 アタ P 体重×1mg(max25) + SD1(200) 抗ヒスタ ミン作用、100ml/h、もしくは 5%Glu20ml でゆっ くり iv(1分以上かける) アタ P シロップ 用法は上記「嘔吐」参照 口唇ヘルペス ゾビラックス顆 60mg/kg/日 分 3, max3200mg/日 アラセナ A 軟膏 ※第一選択はマクロライドの内服である。8 歳未満には原則 用いない(歯牙黄染)。 抗生剤 水痘 ゾビラックス顆 80mg/kg/日 分 4, max3200mg/日 内服 バナン DS カチリ軟膏(フェノール・亜鉛華リニメント)30g 24 呼吸器感染症(βラ耐、3 セフェム) 、 伝染性膿窩疹など Ver3Rel4 9mg/kg/day 分 3 もしくは 6mg/kg/day 分 2 ※比較的下痢が少ない。成人量は 200mg/day セフスパン細 呼吸器感染症(βラ耐、3 セフェム) 5-8mg/kg/day 分 2 10mg/kg/day 分 3 感冒① CH1 分 3 B水 分3 イソジンガーグル 30ml ※CH1(ペレックス、ダーゼン)は喘息で禁忌 ※H.influenzae に対する第1選択。能書に書かれている量で は効果がなく、10mg/kg/day とする。 ケフラール小児細 外傷などグラム陽性球菌(1 セフェム) 20-40mg/kg/day 分 3 (MAX800mg) ※20kg~成人はケフラール(250) 3CP/3X 感冒② ポララミン 3T 毎食後 鼻汁(抗ヒ) 又は 小青竜湯 3H 毎食後 鼻汁(眠気少) エンピナース PD 3T 毎食後 痰の切れ↑ メジコン錠 15mg 2 錠 朝夕 鎮咳 クラリスロマイシン マイコの第一選択 10-15mg/kg/day 分 2~3 サワシリン細粒 急性中耳炎、溶連菌感染症 20-40mg/kg/day 分 3 ユナシン顆粒 解熱 ナパ(アセトアミノフェン) 500mg/回 呼吸器感染症など ※下痢しやすく使いにくい 抗生剤の投与期間 市中肺炎 マイコプラズマ 敗血症 咳嗽 B 水 30ml 分 3 ブロチン(桜皮エキス)・・・痰を薄める セネガ・・・痰の喀出促進 キョウニン水・・・咳を静める 3~7 日 10 日 注射 7 日+内服 7 日 インフルエンザ タミフル 75mg 2CP/2X 5 日間 リレンザ 2 回/day 5 日間 ナパ 500mg 発熱時 抗生剤の小児での禁忌 ニューキノロン系(クラビットなど) 軟骨の成長障害 テトラサイクリン系 8 歳未満 歯牙黄染 その他の頻用薬剤一覧 商品名 パセトシン ユナシン バナン メイアクト フロモックス エリスロマイシン クラリス ジスロマック ミノマイシン トランサミン sy ファンギゾン sy インタール オノン キプレスチュアブル ザジテン セルテクト アトック ベネトリン ムコダイン ムコサール フスタゾール mg/kg/day 20-40 15-30 6-9 9 9 25-50 10-15 10 2-4 0.5ml 3ml/day 150-450 mg/day 7 1錠 0.06 1 4μg 0.3 30 0.9 0.5-1 分 3-4 3 2-3 3 3 4-6 2-3 1 1-2 3 3 5 日間 3-4 food allergy 2 1 2 2 2-3 3 3 3 3 LT 拮抗 頓用 もしくは 扁桃腺炎 ダーゼン 10mg 3T 毎食後 バナン 100mg 2T/2X ナパ 500mg 発熱時 イソジンガーグル 30ml 1 本 AMPC ABPC/SBT CPDX-PR CDTR-PI CFPN-PI EM CAM AZM MINO 喘息 注射 (中等症~重症) 酸素、吸入Ⅰくり返す、ソルメド 40mg 静注 4~6 時間毎、ネオフィリン点滴 ※ネオフィリンは使われない傾向にある。 (汎用プロトコル) ①SD1(200)+ネオフィリン 1A→200ml/h ②SD3A(500)+ネオフィリン 1A→80ml/h ※ネオフィリン極量 1500mg(6A)/day。嘔吐が出現し たら中毒の可能性があるので即中止して血中濃度を提 出する。 喘息 発作時 急性期の治療はβ2 刺激薬の吸入(当院では吸入 1)を 3 回程度行う。その後の症状に応じて内服処方。 内服薬は、 テオドール錠 200mg 2T/2x 朝夕 もしくは オノンカプセル 2T/2x 朝夕 ムコダイン錠 250mg 6T/3X 毎食後 ホクナリンテープ 2mg 1枚/1X 発作時の吸入薬として処方しても良いもの LT 拮抗(6 歳~) ヒスタミン拮抗 ヒスタミン拮抗 β刺激薬 β刺激薬 25 Ver3Rel4 サルタノールインヘラー 12.5mg 1本 β2 刺激薬 サルブタモール 長期管理としては吸入ステロイド薬(2 回/day)が基本 となるが、開始の判断は内科にて キュバール(100)、パルミコート(200) アドエア ステロイド+長期型β2 刺激 鎮痛・解熱(NSAID) 胃潰瘍・喘息に禁忌 ケンタン錠 60mg 3T/3X or 1T 頓用 ロキソニン ポンタール(250) 1-2T 頓用 メフェナム酸 ボルタレン錠(25) 1-2T 頓用(MAX100mg) or 3T/3X マーズレン S 顆粒 0.5g 3H/3X を合わせる 過換気症候群(重症時) アタ P 25mg + SD1(200) → 200ml/h ソラナックス 1.2mg 分 3 ※老人は 0.8mg 分 2 鎮静薬 嘔吐(腸の動き悪いとき) 下記のいずれか プリンペラン(10) iv + SD1 アタラックス P(25) iv + SD1 ※中枢抑制作用あり→意 識障害の恐れあるときは禁! プラミール 3 錠 分 3 食前 胃十二指腸の運動促進 (プリンペランのゾロ) ナウゼリン錠 10mg 3T 分3 ドンペリドン じんま疹 注射 下記のいずれか ポララミン 5mg(抗ヒ) + SD1(200) → 200ml/h アタ P 25mg + SD1(200) → 200ml/h※抗ヒスタ ミン作用あり。アタ P もしくはポララミン 1ml(5mg=1A) 胃潰瘍 内服 マーロックス or アルサルミンとラニタック(=ザンタッ ク)or パリエットを組み合わせる。 じんま疹 内服 下記のいずれか 抗ヒ薬中心 セルテクト錠 30mg 2T 朝夕食後 抗ヒ ポララミン複効錠 6mg 2T 朝夕食後 抗ヒ ポララミン 2mg 3T 分 3 抗ヒスタミン薬 マーロックス懸濁内服 1.2g 3 包 分3 毎食前 制 酸剤(重曹) アルサルミン細 3 包 分3毎食間 スクラルファ ート(抗ペプシン) ラニタック錠 150mg 2T 分2朝夕食後 H2blocker パリエット 10mg 1T/1x 朝 PPI 胃炎では不可 外傷後 ケフラール CP250mg 3CP 分 3 ケンタン錠 1 錠 頓用 マーズレン S 1包 頓用 高血圧緊急症(拡張期>130mmHg) 入院適応 ペルジピン(Ca-blocker) iv ①1A(2ml=2mg)の半量を原液で IV ②次にペルジピンハーフ(ペルジピンと生食を同量混 合)を 4ml/h で開始 胃潰瘍(上部消化管出血) 注射 SD1 + ザンタック 50~100mg + プリンペラン 1A 便秘 フォルセニド(プルゼニド) 1 錠 眠前 センナ葉エ キス、腸管の運動促進 ラキソベロン 処方単位は 1 本 眠前に 5~10 滴を水 で服用 マグラックス(330) 6T/3X 酸化 Mg 錠剤、便を軟 らかくする 重カマ(カマグ=酸化 Mg) 2g 分 3 散剤、便を軟 らかくする 肩こり・頭痛 テルネリン 1mg 3 錠 分 3 ※高齢、降圧剤では低血圧に注意 α2 作用、筋緊張を解除する セルシン 2mg 2 錠 分 2 ケンタン 3 錠 分 3 マーズレン 3 包 分 3 インテナース 5 枚入り 下痢 ラックビー細粒 3g 分3 ※抗生剤内服時は「レベニン」を処方する 筋収縮性頭痛(CN1) テルネリン 3 錠 分 3 ※高齢、降圧剤では低血圧に注意 デパス 1 錠 分1眠前 虫垂炎 ①NPO ②L/R(500) 100ml/h ③ザンタック 100mg div ④セフメタゾール(1g) X2 div ⑤腹エコー 血管性頭痛(CN2) ミグリフェン 3 錠 分 3 ポンタール 3P 分 3 アタラックス P 1P 分1 消化管の痛み 胃潰瘍、腸炎、胆石 ブスコム錠 10mg 1錠 頓用(3~5回/日) 抗コリン 薬(ブスコパン) ※禁忌は緑内障、前立腺肥大、 麻痺性イレウス、心疾患。焦点調節障害の副作用 あり 片頭痛 イミグラン(50) 1T 頓用(MAX200mg/day) ※虚血性心疾患、喘息、妊婦に禁忌。効果発現まで 30 分。2 時 間以上あけて追加投与可能。皮下注は 1 日 2 回まで。 急性膵炎・胆石症の痛み 注射 ソセゴン(15)+アタラックス P(25)を静注 内耳性めまい 注射 SD1(500) div 26 Ver3Rel4 メイロン(20ml/アンプル) 1~2A プリンペラン(10mg) 1A 静注 骨粗鬆症 ベネット(2.5) 静注 ※メイロンの点滴は効果なし。メイロン iv をくり返しても無効 なときは、アデホス点滴も可 疥癬 ストロメクトール錠(3) 0.2mg/kg 1 回投与 1 週間後に検鏡して検出時は再投与する 内耳性めまい(BPPV) 約束処方:CN4 セファドール(25) 3T/3X 迷路機能改善 メタヒスロン(12) 3T/3X 内耳血流増加 不安神経症、深夜の高血圧不安 デパス(0.5) 1T/vds ベンゾジアゼピン抗不安薬 ゾロ薬・剤形別名称一覧 膀胱炎 クラビット 3 錠 分 3 ※ニューキノロン。ボルタ レン、ケンタン、イブプロフェンは併用禁忌。 ナパは大丈夫 ※膀胱炎の治癒後に下腹部不快感・頻尿が続くとき は、「猪苓湯(ちょれいとう) 3 包 分 3 食前」 を処方する 抗コリン薬 注 ブスコパン 錠 ブスコム H2 ブロッカー 注 ザンタック 錠 ラニタック インドメタシン CP インテバン 坐 インテダール 貼 インテナース ロキソプロフェンナトリウム 錠 ケンタン ジアゼパム 錠 セルシン 注 ホリゾン 坐 ダイアップ 湿布薬 インテナース(成分:インドメタシン) タッチロンテープ(成分:ケトプロフェン) ラクール温湿布(サリチル酸メチル、カン、カプサイシン) ラクール冷湿布(サリチル酸メチル、カン、メントール) 塗擦 サリメチック S 40g 噴霧 ハイシップ S 100ml 尿管結石 ウロカルン 6C/3X 排出促進 猪苓湯 3P/3X 排尿困難や残尿感の改善 ブスコム錠(10) 3T/2X 鎮痛(抗コリン剤) 痔 強力ポステリザン軟膏 2個 1T/1X 分 2 数日間 帯状疱疹 バルトレックス 6 錠 分 3 ケンタン 3P 分 3 マーズレン 1T 分 3 Ⅰ度熱傷 ザルコニン消毒+デルモベート軟膏(ステロイド)+エ キザルベガーゼ 外用ステロイド剤 ( )は当院非採用 デルモベート strongest very strong マイザー、リンデロンDP、ネリゾナ リンデロンV/VG strong Ⅱ度熱傷以上 処置の前に形成コンサルト ザルコニン消毒+デルモベート軟膏(ステロイド)+エ キザルベガーゼ or 軟膏被覆。ラクトリンゲルで輸液。 蜂刺傷 アナフィラキシーなし ケンタン、マーズレン、セレスタミン(ステロイド含 有抗アレルギー薬)3T3X、リンデロン VG 軟膏 アナフィラキシーあり ボスミン 0.3ml 筋注または皮下注 ポララミン(5) iv ザンタック(100)iv ソルメドロール(125)+N/S100 200ml/H mild weak (フルコート、ベトネベート) ロコイド、リドメックス (アルメタ、キンダベート) (プレドニゾロン) 吸入ステロイド剤 ベコタイド(BDP) フルタイド(FP)100 キュバール(BDP)100 舌炎、口内炎 ケナログ軟膏(ステロイド) アフタッチ(ステロイド) ※シール 口唇ヘルペス アラセナ A 軟膏(抗ウイルス) 耳管閉塞 プリビナ点鼻液(α刺激末梢血管収縮薬) 27 BDP への換算 1吸入で 200μg に相当 1吸入で 200μg に相当 Ver3Rel4 ⑦ルーチン検査 胸部 XP(原則は正側。1才未満は正面のみ。XP を持 参している時は撮影不要) 血液検査 執筆協力:南徳研修医入来先生 AST,ALT,LDH,TP,BUN,Cre,Na,K,Cl,BS,CRP,CBC+Diff 尿検査(定性沈渣) 培養(咽頭 or 鼻汁は必須+血液) 点滴指示 初期輸液:SD1(200)、10-15ml/kg/h 維持輸液:SD3A(500) 学童(50-60ml/kg/day),幼児(70-80),乳児(80-100), 新生児(65) 抗生剤指示:初回は外来で Dr が実施する。患児に使 用歴のある薬剤なら Ns 実施可。 小児科週間スケジュール 月 火 水 木 金 土 日 6:00 CT カンファ 7:30,14:00,19:00 回診 ※第 2,4 週 14:30 宮城先生の教育回診 7:30,19:00 回診、11:00 入院カンファと回診 14:00 予防接種外来 7:30,14:00,19:00 回診 7:30,14:00,19:00 回診、18:00 イブニングセミナー 7:30,14:00,19:00 回診 7:30 回診、12:30 救急カンファ 8:00 回診(都度確認) 退院時の業務 ①退院処方 次回外来までの処方 内服開始の指示を指示簿指示にて ※指導医が外来担当時は病棟業務終了後に外来で処置研修 入院時の業務 ①部屋探し 優先順位:3北>3南>2南>4南 付添の必要な乳幼児は原則個室(差額免除) 部屋番号を聞いておくこと 3N(5316), 3S(3316), 2S(3217), 4S(3416) ②退院許可 次回外来の予約をする 印刷された外来予約票のタイトルが「中部徳洲会病 院」となっているので「ソフィア」に変更する(ス タンプ印あり) ②入院申し込み 食物アレルギー(卵、大豆、ミルク、小麦、エビ、カ ニなど)に注意 ③退院おめでとう 文書作成>中部文書>小児科 退院証明書の代わりとなる文書 退院日付に合わせる 印刷後に、次回外来日の午前午後を○で囲む ③病棟指示 指示簿指示(必須)+患者メモ+口頭 必須:観察 1 日 4 検(6,10,14,19 時)、尿量測定(オム ツ測定、蓄尿)、発熱時処置 必要時:吸入指示(1 日 4 回 7,11,15,19 時、夜間の指 示など)、血圧、酸素飽和度測定、酸素投与指示、 水分制限、安静度、尿検査(外来で採尿できないこ とが多い)、Dr コールの条件 過去の入院時の指示が残っている場合は取り消して おく ④退院サマリー 小児科は図表を用いるので手書き 退院後 24 時間以内に提出 指導医のチェックを受けて、医局のサマリーボック スに提出 ⑤返書(紹介患者のみ) 文書作成>中部文書>医事課>紹介患者1 宛名はフルネームで「○○先生御机下」 まず、診断名(当科診断:細菌性肺炎)を書き、次に 治療経過、薬剤、検査結果を述べる 医局にある医事課ボックスへ ④注射指示 定期投与時間 2回 3回 4回 1時 3時 9時 9時 9時 21 時 17 時 15 時 21 時 病棟での最初の投与時間は、外来での投与時間によ って変更が必要なことがある。6時間以上間隔をあ けるようにする。例えば、1 日 4 回の場合に、13 時 に外来で初回投与したならば、病棟での初回は 20 時にした方が間隔が均等になって望ましい。 ⑥指示簿指示の消去 他科コンサルト 乳幼児での気道感染症は、耳鼻科にコンサルトする ことが多い テンプレート>他科コンサルト 耳鼻科の時は緑のマーキング 患者メモに「○月×日、耳鼻科受診あります」 「耳鼻 科依頼書あります」の 2 つのメモを記入する。 指示簿指示で他科コンサルト指示を出す。連日受診 になることも多い。 耳鼻科診察は概ね 14 時頃から、病院 1 階耳鼻科外 来にて行われる ⑤入院治療計画書 ツール>文書作成>医事課 2ページ目までは必須。最後に「保存」。 ⑥個室差額免除申請書 個室の場合は必要。 看護師長:3N(白山)、3S(本吉)、2S(幸良)、4S(新垣) 印刷して「電カル印刷物」ボックスへ 28 Ver3Rel4 その他の注意点 吸入療法 指示簿指示と処置指示の両方必要 喘鳴あり:メプチン(β刺激薬)+生食(アレルギーが あるときはインタール 1A にする) 体重 メプチン 生食 0.2ml 1.0ml ~20kg 0.3ml 1.5ml 20~40 0.4ml 2.0ml 40~ 培養結果 培養に提出して 2 日ぐらいで中間結果がわかる。細 菌検査室(2126)に直接問い合わせる。 喘息患者での点滴速度変更 ネオフィリンを点滴しているときは、ネオフィリン 投与量が変わらないように。量を再計算して指示を 出し直し、新しい点滴ボトルにするのがよい。 喘鳴なし:ビソルボン(去痰薬)1.0ml+生食 1.0ml 参考資料 研修中の病棟患者メモの例(南徳入来先生のノート) A6 サイズのノートの見開き2ページで1患者を記録する。細かな記録を残しておくとサマリーが書きやすい。 29 抗生物質投与量一覧(注射薬) 院内 採用 規格 執筆協力:慶應義塾大学薬学部大学院 最大投与量 (小児) 商品名 略号 ビクシリン ABPC 1g 4g/day 分 4 80-100mg/kg/day 分 3-4 400mg/kg/day ペントシリ ン PIPC 1・2g 8g/day 分 4 80-100mg/kg/day 分 3-4 (50-125mg/kg/day 分 2-4) 200mg/kg/day ユナシン S ABPC/ SBT 1.5g 6g/day 分 4 タゾシン PIPC/T AZ 1.25 ・ 2.5g セファメジ ンα CEZ パンスポ リン 成人 通常投与量 小児 通常投与量 渡辺静薬剤師 溶解方法 投与方法 iv:N/S,D/W に溶解 iv:A/D,N/S,D/W に溶解 div:1-2g あたり 100-500mL で溶解 im iv div im iv div 60-150mg/kg/day 分 3-4 iv:A/D,N/S,D/W に溶解 iv div 10g/day 分 4 100mg/kg/day 分 3-4 (60-150mg/kg/day 分 3-4) iv:A/D,N/S,D/W に溶解 iv div 0.25 ・ 1g 3g/day 分 3 80-100mg/kg/day 分 3-4 (20-40mg/kg/day 分 2) iv:A/D,N/S,D/W に溶解 1g の溶解には 3-3.5mL 以 上を使用 im CTM 0.5・1g 4g/day 分 4 80-100mg/kg/day 分 3-4 iv:A/D,N/S,D/W に溶解 iv div 30-60 分 div セフメタゾ ン CMZ 1g 3g/day 分 3 25-100mg/kg/day 分 2-4 150mg/kg/day i v : 1g あ た り A/D , N/S , D/W10mL に溶解 iv セフォタッ クス CTX 0.5・1g 4g/day 分 4 50-100mg/kg/day 分 3-4 200mg/kg/day ( 150mg/kg/da y) iv:A/D,N/S,D/W に溶解 div:100-300mL の補液に溶 解 im iv div 60 分 div ロセフィン CTRX 1g 2g/day 分 2 20-60mg/kg/day 分 2 120mg/kg/day iv:A/D,N/S,D/W に溶解 iv div 30 分以上 div モダシン CAZ 0.5・1g 4g/day 分 4 80-100mg/kg/day 分 3-4 (40-100mg/kg/day 分 2-4) 200mg/kg/day (150mg/kg/day ) iv:1g あたり 5mL の A/D, N/S,D/W に溶解し,投与 液量を 20mL にして投与 iv div 30-120 分 div マキシピ ーム CFPM 0.5・1g 3g/day 分 3 150mg/kg/day 分 3 iv:A/D,N/S,D/W に溶解 iv div 30-60 分 div メロペン MEPM 0.25 ・ 0.5g 1.5g/day 分 3 30-60mg/kg/day 分 3 120mg/kg/day 2g/day を 超 え ないこと div:0.25g 及び 0.5g あたり 100mL 以上の N/S 等に溶 解 div のみ 30 分以上 div チエナム IPM/C S 0.25 ・ 0.5g 1~2g/day 分 2 30-80mg/kg/day 分 3-4 100mg/kg/day div:0.25g 及び 0.5g あたり 100mL 以上の N/S に溶解 div のみ 30 分以上 div カルベニ ン PAPM/ BP div:0.25g 及び 0.5g あたり 100mL 以上の N/S,5%D/W に溶解 div のみ 30 分以上 div ゲンタシ ン GM 5mg/kg/day div:N/S,5%D/W で希釈 im div 30-120 分 div 硫酸アミ カシン AMK 10-15mg/kg/d ay div : 100-200mg あ た り 100-500mL の補液に溶解 im div 30-60 分 div トブラシン TOB 5mg/kg/day 分 2-3 (3mg/kg/day 分 2-3) div:N/S,(5%D/W)で希釈 im div 30-120 分 div ハベカシ ン ABK 5mg/kg/day 分 2 (4-6mg/kg/day 分 2) div:N/S,5%D/W で希釈 div のみ 30 分 div (小児) ミノマイシ ン MIN O 100mg 200mg/day 分 2 2-4mg/kg/day 分 1-2 div : 100-200mg あ た り 100-250mL の N/S,5%D/W 等で希釈(A/D は等張とな らないので使用しない) div のみ、30-120 分以上 div(60 分 以上かけると血 管痛が軽減) 塩酸バン コマイシ ン VCM 0.5g 1~2g/day 分 2~3 40mg/kg/day 分 2-4 div:0.5g あたり A/D 10mL で 溶解後,0.5g に対し,100mL 以上の割合で希釈 div のみ 60 分以上 div ダラシン CLDM 300 ・ 600mg 1.2-1.8g/day 分 2-3 15-25mg/kg/day 分 3-4 div : 300-600mg あ た り 100-250mL の 5%D/W,A/D 等の補液に溶解 im div 30-60 分 div FCZ 50mg ・ 100mg 100-400mg/day 分 1 3-6mg/kg/day 分 1 MCFG 50mg ・ 75mg 50-300mg/day 分 1 1-3mg/kg/day ACV 250mg 200mg/kg/day (100mg/kg/day ) 200mg/kg/day (160mg/kg/day ) 160mg/kg/day フルラビ ン(ジフル カン) ファンガ ード ゾビラック ス 0.5g 10 ・ 40 ・ 60mg 100 ・ 200mg 小 児 用 10・ 60mg 30-60mg/kg/day 分 3 2-5mg/kg/day 分 1-2(MAX120mg/day) 7-15mg/kg/day 分 1-2 2-5mg/kg/day 分 1-2(MAX180mg/day) 75mg 4-5mg/kg/day 分 2 *熱 病より (0.8-2.4mg/kg/day 分 2-3) 5mg/kg/day 分 2-3 (4-8mg/kg/day 分 2) 分1 予防:15mg/kg/day 分 3 治療:15-30mg/kg/day 分 3 (100mg/kg/day) 2g/day を 超 え ないこと 40mg/kg/day iv div div div のみ div は毎分 10mL を超えないこと 6mg/kg/day div:N/S,D/W に溶解 div のみ 60 分以上 div div : 250mg を N/S , A/D 10mL に溶解し,必要量を 100mL 以上の補液で希釈 div のみ 60 分以上 div Ver3Rel4 研修医のための診療ガイド 2004 年 5 月 1 日 2004 年 9 月 1 日 2005 年 9 月 28 日 2006 年 3 月 31 日 2007 年 11 月 2 日 2008 年 4 月 10 日 2009 年 4 月 12 日 1版 1.1 版 2版 2.08 版 3版 3.3 版 3.4 版 著者 今西康次@中部徳洲会病院小児科 31
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