医療衛生薬学科 漢方資源応用学教室 場所 教室コード 研究2号棟4階 21 教室構成 教 授 准教授 講 師 助 教 三巻 祥浩(薬学博士) 黒田 明平(薬学博士) 横須賀章人(薬学博士) 松尾侑希子(薬学博士) 卒論生 客員研究員 大学院研究生 大学院生 6年生13名 5年生14名 1名 1名 2名 研究テーマ(詳細は右ページ) ・漢方系生薬やハーブ類から、がんや生活習慣病の治療・改善薬を探索する ・漢方薬の薬理活性を評価し、薬効および薬効に寄与している生薬成分を解明する ・漢方薬の薬効の発現や副作用の発症を理化学的知見から考察する 指導方針 ~最先端の研究テーマに触れ、将来に繋がる探究心を育む~ 実験研究コース:職員の綿密な指導のもと、研究を進めてもらいます。最先端の研究テーマに触れ ながら、将来の就職に繋がる学力、研究力、発表力を養えるよう指導します。研究テーマは、各個人 の希望を優先して決定します。共同研究先は、米国ハーバード大学、東北大学大学院薬物療法薬学講 座、明海大学歯学部歯科薬理学講座、がん研究会がん化学療法センター、 (株)コーセーなどです。 調査研究コース:卒論関係の文献調査や大学が準備している履修科目(4P80、医療の最前線、 PBL-T)のほか、就職に有利になるような資格を取得することを勧めています。 (テキストや教材の 補助をしています) 全員が国家試験に合格できるように、計画的に研究を進めて行きます。 自己推薦方式(専願)の募集基準 ・ 実験研究コース希望の学生さんは、がんや生活習慣病の治療・改善薬を探索する実験研究にチ ャレンジしたい人、漢方薬の薬理や分析研究を行ってみたい人。その成果を学会で発表する意 欲のある人。調査研究コース希望の学生さんは、天然物や漢方、ハーブなどに関心がある人。 ・ 教室員の1員として他のメンバーと協調でき、基本的な約束事項を守れる人。 備考 一般方式でエントリーする学生さんも、自己推薦方式の募集基準に合致した方を期待しています。 なお、配属を希望する学生さんは事前に教室を訪問し、詳細な説明を受けて下さい。 当教室では、余裕をもって研究スケジュールを組んでいきます。(詳細は教室前掲示をご覧くださ い)厳しい時間の拘束はありませんが、真剣に研究に取り組む意思のある学生さんの配属を希望しま す。配属された学生さんは、すべて大切な教室の構成員として考えています。実験研究・調査研究の どちらのコースを選択されても、進路や試験、研究に関する相談から、教室行事への参加に至るまで、 研究面以外での差はありません。希望と適性に合った方を選択して下さい。 薬学生としての後半の3年間が充実した学生生活(研究、ゼミ、アドコン…4年次からは卒論教室 の職員がアドバイザーとなります…、レクレーション etc.)となるように、職員スタッフ一丸とな ってサポートしていきますので、がんばる学生さんの配属を待っています。 漢方資源応用学教室 電話:042-676-4573 E-mail:mimakiy@toyaku.ac.jp ・漢方系生薬やハーブ類から、がんや生活習慣病の治療・改善薬を探索する ・漢方薬の薬理活性を評価し、薬効および薬効に寄与している生薬成分を解明する ・漢方薬の薬効の発現や副作用の発症を理化学的知見から考察する キーワード:漢方薬、漢方系生薬、伝承薬、ハーブ、芳香精油、腫瘍細胞毒性、抗がん活性、アポトーシス、 オートファジー、生活習慣病、酵素阻害活性、漢方薬の薬理、漢方薬における生薬の組み合わせ、漢方薬の成分含量 教 授:三巻 祥浩(薬学博士) 講 師:横須賀章人(薬学博士) 准教授:黒田 明平(薬学博士) 助 教:松尾侑希子(薬学博士) 【研究概要】 当教室では漢方薬、漢方系生薬、伝承薬、ハーブ、芳香精油、サプ リメントなどの天然物由来の医薬品や素材に着目し、1)日本人の2 人に1人が罹患し、3人に1人の死亡原因となっている悪性腫瘍(が ん)に有効な天然物、2)生活習慣病の改善・治療に有用な天然物を 探索しています。漢方薬に関する研究では、漢方薬の薬理活性を評価 MeO し、薬効および薬効に寄与している生薬成分の解明を試みています。 MeO OMe O O また、漢方薬の薬効を生薬の組み合わせにより各々生薬の成分の抽出 量が異なってくることに着目し、煎じ液やエキス剤の指標成分を定量 O O OMe Glaziovianin A による微小管ダイナミクスの阻害 的に分析して、漢方薬の有効性や副作用を考察しています。 【悪性腫瘍(がん)に有効な天然物の探索】 悪性腫瘍(がん)に有効な天然物の探索では、まずハーブや植物エ キスの培養がん細胞(白血病、肺がんなど)に対する効果を調べます。 芳香精油から白血病細胞に対してアポトーシスを そして有効性が認められた場合は、活性化合物の単離と構造決定を行 誘導する物質を発見 います。当教室の特徴としては、細胞培養によるスクリーニングから 活性物質の単離まで、すべて研究室内で実施できるシステムを構築し い、リコリス(甘草)やクローブ(丁子)、ターメリック(鬱金)な ているところです。これにより、生化学的な研究手法と分析化学的な どから活性成分を得ました。特にリコリスより見つけた PPAR リガ 研究手法を習得することができ、企業の研究・開発職はもとより、病 ンド活性物質は、糖尿病モデルマウスや高脂血症モデルマウスでも有 院における輸液剤の調製や TDM などにも繋がります。最近では、ア 効性を示し、このエビデンスに基づきサプリメントの素材としてリコ ポトーシスやオートファジーの誘導などの作用メカニズムに関する リス抽出物が販売されています。現在は、生活習慣病の予防・改善に 研究まで研究室内で実施しています。Glaziovianin A は、南アメリカ原 有効な酵素阻害物質を探索しています。 産のマメ科植物から発見したイソフラボン誘導体です。この化合物は、 微小管ネットワーク構造にはほとんど影響を与えず、微小管ダイナミ 【漢方薬に関する研究】 クスを阻害します。従来の抗がん剤は大きな微小管ネットワークの変 大柴胡湯や防風通聖散などの漢方薬の脂質異常症に対する有効性 動を引き起こして抗がん活性を示すものでしたので、この化合物は新 をリパーゼ阻害活性、血中 TG 量の上昇抑制活性を指標に評価してい 規作用機序を有する抗がん剤の候補化合物として注目されています。 ます。また、漢方薬の副作用として、甘草に含まれるグリチルリチン また、アロマテラピーで用いられる芳香精油サンダルウッドより、白 酸(GA)が原因の偽アルドステロン症が知られています。漢方薬中の 血病細胞に対して既存の抗がん剤と同程度の効果を持つ精油成分を GA 量を定量し、五味子や半夏が配合された漢方薬で GA の溶出量が少 見つけました。精油は肺もしくは皮膚から吸収されますので、芳香療 ないことを明らかにしました。偽アルドステロン症の発症が、抑肝散 法ががん治療の一助になることを示唆した研究成果です。 よりも抑肝散加陳皮半夏で少ないことを裏付ける研究成果です。 【生活習慣病の改善・治療に有用な天然物の探索】 PPAR リガンド活性を指標にハーブやスパイス成分の探索を行 天然物は新薬の宝庫として、無限の可能性を秘めています。私達と 一緒に「宝探し」をしませんか。教室スタッフが夢先案内人です。
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