滝川市 いじめ問題指導マニュアル ~いじめの未然防止・早期発見・対応等を 図る校内体制の確立~ なかなおりマーク 滝川市いじめ根絶シンボルマーーク最優秀作品 滝川市教育委員会 は じ め に いじめは、当該児童生徒が、一定の人間関係にある者から、心理的、物理的 な攻撃により、精神的な苦痛を感じさせられる行為であり、全ての子どもの人 格形成や基本的人権の尊重にかかわる重大な問題です。 いじめの多くは学校で発生しており、いじめの問題の解決にあたっては、学 校が中心となって「いじめは人間として絶対に許されない」という強い認識を もち、いじめられている子どもの立場に立った取組を展開していかなければな りません。 さらに、いじめ問題の解決のためには、教師一人一人が、自分の学級、学校 でもいじめが発生し得るとの危機意識をもち、未然防止に努めるとともに、早 期発見・対応等のため、学校を挙げて的確に対応することが重要です。 本市においては、いじめが原因で子どもが自ら命を絶つという極めて痛まし い事件が起こり、教育そのものに対する信頼を大きくゆるがしたことは否めな い事実であります。 この反省を踏まえ、平成19年から、教育相談体制の充実を図るとともに、 いじめ対策連携プロジェクト・緊急実践事業、道徳教育推進事業等を中核とし た「心の教育推進プラン」を策定し、各種事業を推進しているところです。 こうした取組と併せ、いじめ問題の対応には、日頃から子どもと向き合い指 導する教師の姿勢と共通理解・資質向上を図る校内体制の充実が重要です。こ のことから、この度、 「滝川市いじめ問題指導マニュアル」を作成することとい たしました。 各学校においては、本資料を効果的に活用し、これまで以上に教師一人一人 がいじめについての認識を深め、子どもの気持ちに寄り添った指導を行うとと もに、指導体制を整え、保護者や地域、関係機関と連携した取組が展開される ことを期待しております。 平成21年 2月 滝川市教育委員会教育長 小 田 真 人 目 次 はじめに Ⅰ いじめの理解 1 いじめの定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2 いじめの構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 3 いじめの問題性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 4 いじめの進行と変遷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 5 発達段階によるいじめの特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 6 いじめの態様・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 Ⅱ いじめの未然防止等を図る取組 Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ 1 いじめの未然防止等を図る校内体制の確立・・・・・・・・・・・・・・・5 2 いじめの未然防止等を図る取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 3 いじめの未然防止等を図る学校・家庭・地域の役割・・・・・・・・・・・9 いじめの早期発見のための取組 1 教育相談の充実・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 2 早期発見のための観察のポイント(学校・家庭・地域) ・・・・・・・12 いじめが発生したときの指導 1 いじめ問題に対応する校内体制の確立・・・・・・・・・・・・・・・・13 2 いじめが発生した場合の事実確認における留意点 ・・・・・・・・・・14 3 いじめられた子どもへの支援・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 4 いじめた子どもへの指導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 5 周囲の子どもへの指導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 6 保護者への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 7 保護者会の開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 8 関係機関との連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 自殺予告への対応(例) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 報道機関への対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 インターネットや携帯電話を使った「ネット上のいじめ」への対応 1 「ネット上のいじめ」の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 2 掲示板等の削除依頼・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 3 情報モラル指導チェックシート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 いじめに関する相談機関リスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28 なかなおりマー 滝川市いじめ根絶シンボルマーーク最優秀作 ク 品 Ⅰ いじめの理解 1 いじめの定義 文部科学省 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査から 当該児童生徒が,一定の人間関係のある者から,心理的,物理的な攻撃を受けたことによ り,精神的な苦痛を感じているもの *「一定の人間関係のある者」とは,学校の内外を問わず,例えば,同じ学校・学級や部活動の者, 当該児童生徒が関わっている仲間や集団(グループ)など,当該児童生徒と何らかの人間関係のあ る者を指す。 *「攻撃」とは, 「仲間はずれ」や「集団による無視」など直接的にかかわるものではないが,心理 的な圧迫などで相手に苦痛を不えるものも含む。 *「物理的な攻撃」とは,身体的な攻撃のほか,金品をたかられたり,持ち物を隠されたりすること などを意味する。 *けんか等を除く。 2 いじめの構造 いじめに関わる集団は、いじめを受ける「被害者」及びいじめを企ていじめを行う「加害者」 と、それを取り巻き、いじめをはやし立てる「観衆」、見て見ぬ振りをする「傍観者」等で構成 されます。教師は、子どもの状況を注意深く観察し、対象に応じて的確に指導するともに、い じめの非人間性やそれが人権を侵す行為であることに気づかせることが大切です。 <被害者への指導> ・訴えを親身になって聞き、いじめを解決する方法を共に考える等 <加害者への指導> ・いじめの行為の事実を確認するとともに、いじめた理由や動機を 聞き本人の心の内を理解し、指導の方針を考える等 <観衆への指導> ・いじめをはやし立てたり、傍観したりすることも、いじめの行為 と同様に許されないことであるという認識をもたせる等 <傍観者への指導> ・いじめを止めたり、教師や保護者などに相談することは、正しい (北海道教育委員会 行為であることを理解させる等 3 学校教育の手引き参照) いじめの問題性 いじめは、癒すことのできない心の傷を子どもに残すとともに、次の視点から、子どもの人 権にかかわる重大な問題です。 ・いじめ自体の陰湿性から教師や保護者に見えにくく、執拗に繰り返される。 ・いじめられる側の子どもは、訴えることができないことが多い。 ・いじめは巧妙に偽装化され、いじめる側の罪悪感が薄い。 ・いじめられる側、いじめる側の双方の人格形成に「ゆがみ」をもたらす。 1 4 いじめの進行と変遷 「いじめ」と「ケンカ・ふざけ」を 見極めるポイント ・心理的ふざけ ・ケンカ ・対等な関係があるか ・遊び ・一定のルールがあり、役割の ・ふざけ ・物理的ふざけ ・からかい 交代があるか 第一段階 ・「ふざけ」に楽しさや心の交 ・心理的いじめ ・いじわる ・物理的いじめ 第二段階 第三段階 流があるか ・ いじめの態様・内容 被害者 加害者等 個の行動・状況 複数の行動・状況 群 れ ・遊びや生活をとおして、互いにふざけあったり・じゃれ合ったり・いさかい 初 遊び 期 があったりする。 ( 「遊び仲間」対等・平等の関係) ・度重なるふざけ・からかいなどを丌快 ・立場を入れ替えながら、ふざけ・い 萌芽 に感じるようになる。 じわる・からかいなどを行うようにな (支配・服従関係の萌芽) る。 ・多人数による「いじめ」に恐れを感じ ・ターゲットを固定し、仲間を誘い複 前 期 (支配・服従関係の萌芽) 恐れ るようになる。 数で「いじめ」を繰り返す。 (支配・服従関係の成立) (仲間の存在、安心感) ・周囲の仲間、友だちの行動や態度が気 ・周囲の仲間の反応を気にして見てい 訴え 中 期 になる。 (いじめのサイン) る。 (いわゆる「チクリ」の心配) ・無関心を装い、傍観的な態度の友だち ・周囲の動向を見定め、仲間に「いじ 諦め を見て「訴え」を諦める。 め」を示唆、命令する。 (見て見ぬ振りをする人間関係) (自己のいじめの隠蔽) ・親や教師に訴えた後の報復や暴力など ・暴力行為等をしばしば繰り返す。 無力 (本人及び周囲の友達に対する「チクリ」の防止策) (訴える気持ちになれない状況) 後 期 を極端に恐れる。 自尊 ・「いじめ」そのものの事実を自ら否定 ・暴力行為の他に金品の強要、使い走 する。 (自尊感情の動揺) り等が生じる。 (チクリ・訴え等の絶無の感触) ・耐えきれずに「自殺・転校」等を考え ・暴力行為や金品の強要などが学校内 末 期 否定 るようになる。 外でますます激しくなる。 (自己否定の考え方の実行) 2 ( 「無法」と言える状態への発展・継続) 5 発達段階によるいじめの特徴 各種調査等から、いじめは、子どもの発達段階によって下表のような特徴があることが明ら かになりました。教師は、いじめの特徴と子どもの発達段階を踏まえ、適切な指導を行うこと が大切です。 いじめの特徴 小 学 校 低 学 指導上の留意点 ・ちょっかいを出すような「たたく」 「蹴る」 「悪口を言う」 ・教師とのつながりが強いことから、教師が適切な指 「人の嫌なことをする」などの言動が多い。 導を行うことによって、いじめられている子どもが大 ・自分の感情を上手に表現できないことからいじめが発生 きな打撃を受けることを未然に防止できる可能性が することが多い。 高い。 ・仲間を求めて行うものや、欲求丌満から行うものが多い。 ・学級全体への指導とともに、いじめる子ども一人一 人へのきめ細やかな指導、日常的な友人との接し方や 年 集団のルール、自己表現を促す指導が大切である。 ・低学年のいじめの特徴に加えて、 「仲間はずれ」 「無視」 ・教師や周囲の子どもにはいじめかどうか見分けにく 小 などが加わり、心理的ないじめが目立つようになる。 い事象が増えている。子どもの小集団の動向や日常の 学 ・同性の小集団が形成されるこのころ、集団になじめない 交友関係に十分目を配り、いろいろな仲間と集団を作 校 ケースや集団とは異なる雰囲気をもった子どもを排斥し ることができるように配慮することが大切である。 中 たりするケースが見られるようになる。 ・これらの子どもの人間関係について、教職員全員で 学 ・男女によって事象の現れ方が異なるが、小集団による嫉 見守ったり、保護者などと連携を深めたりすることが 年 妬心や支配欲を伴う事例が多い。 重要である。 ・ 「しつこく悪口を言う」 「仲間はずれにする」 「無視する」 ・男女の特性の違いに配慮する必要がある。女子には、 小 など、心理的ないじめが多くなる。 丌安定な思春期の心理特性が早く表れることを配慮 学 ・いじめが実際に起こっていても、「いじめがある」と認 して、学級内での集団形成や個別の子どもの行動や心 校 める割合も減尐すると言われている。 理に目を配りながら、指導することが求められる。 高 ・仲間集団が固定化され、その緊密さや対抗意識が激しく ・大集団によるいじめが発生する可能性があるので、 学 なり、それが基になりいじめに発展することが多い。 学級内外の小集団の関係の変化に留意し、学校全体で 年 ・「リーダー格」の子どもが現れて、小集団での支配欲が の情報交換や共通理解を図ることが必要である。 いじめに発展することがある。 ・小集団内で仲間同士の悪口を言うことから生じるいじ ・中心となっている子どもに対する継続的個別的な対 め、仲間内で優位性を誇示しようとすることから生じるい 応を行うとともに、周囲にいる子どもを含む集団に対 じめ、仲間の結束を図ることから生じるいじめなどが多く して、いじめの丌当性を徹底して指導する必要があ 中 見られる。 る。 学 ・子どもの集団形成が多様化・拡大化することから、大集 ・非行を伴う場合は、学校全体でいじめられている子 校 団における嫌悪感を伴ったいじめや、反発・報復感を伴っ どもを守る体制をつくり、いじめている子どもに対し たいじめが目立つようになり、さらに愉快感を伴ったいじ ては、いじめ、非行の背景にも着目して学校全体で指 めもしばしば見られるようになる。 導するとともに関係機関との連携も必要である。 3 6 いじめの態様 いじめの多くは、暴力的な行為ではなく、 「いじわるな言動」や「否定的な態度」といった一見 目立たない些細な行為で繰り返されます。 そのいじめの態様については、小・中学校ともに、 「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌 なことを言われる」が最も多く、次いで、 「仲間はずれ、集団による無視」となっています。一方、 パソコンや携帯電話等で、誰謗中傷や嫌なことをされるなどが、学年が上がるにつれて多くなっ ています。 <いじめの態様と具体例> いじめの態様 具 体 例 ・あだ名、悪口を言う 言葉の暴力 ・ 「○○死ね」 ・やじる、はやしたてる ・こそこそ話をする ・ 「きもい」 「うざい」「殺す」 ・殴る、蹴る、小突く、つねる ・頭髪を引っ張る 暴 力 ・プロレスごっこに見せかけ痛める ・足を掛けて転ばせる ・周囲を囲み、ズボンや下着を下げる 仲間はずれや集団 ・相手にしない ・知らん振りをする ・話かけない ・にらむ による無視 ・遊びや運動に入れない ・話合いに入れない ・近くに寄らずに避ける ・物品や金銭を要求する ・食べ物をおごれと強要する た か り ・家から金銭を持ち出すように命じる ・万引きするように命じる ・物品の交換や、いらないものを買うように要求する 言葉による脅し ・ 「チクルとただではすまないぞ」 「ひどい目に遭わせるぞ」 ・言われたくないことを何度も言う ・相手が落胆している姿を見て楽しむ いやがらせ ・落書き ・机を離す ・持ち物にいたずらをする ・持ち物を壊す ・持ち物を隠す ・トイレ、着替え、食事等の際にのぞき込む ・用事を言いつけ、相手を酷使する そ の 他 ・言いがかりをつけ、丌快そうな表情や素振りをする ・虚偽の情報や嘘を言いふらす ・パソコンや携帯電話で、誰謗中傷や嫌なことをする 4 いじめの未然防止を図る取組 Ⅱ 1 いじめの未然防止を図る校内体制の確立 いじめの未然防止等を図るには、いじめ問題を学級担任・部活担当者などだけで対応するの ではなく、教職員のそれぞれの役割を明確にして組織的に対応する校内体制の確立が必要です。 <校内体制の例> <校長>学校経営目標の具現化を図る学校経営の重点化 ・いじめ事案の指導方針や方法等について学校としての明確な指導方針を示し、全教職員の共通理解 を図り指導体制を確立するとともに、いじめの未然防止、早期発見・対応等を図る。 <教頭>目標・情報の共有化、関係機関との連携を図る体制づくり ・学校を挙げてのいじめの未然防止等に向けた協力体制の確立に努める。 ・いじめの具体的な指導の留意点などについて教職員間の共通理解・情報の共有化を図る。 ・PTA、町内会、家庭児童相談室、児童相談所、市教委、他校等との連携体制を構築する。 <学年部>担任を支える体制づくり <生徒指導担当者>生徒指導の具体的な方針を示す ・学年間の和を図り、親和と意欲の醸成に努める。 ・教育相談の充実など積極的な生徒指導を推進する。 ・学年・学級の学習や生活の様子に目を配り、いじめ ・校内の指導体制を確立する。 などの問題の早期発見に努める。 ・情報の収集及び伝達を適切に行う。 ・学級担任を精神的に支える雰囲気をつくる。 ・いじめを学級だけの問題にしない。 <学級担任>望ましい学級集団づくり ・子ども同士がふれあい、互いの理解を深める場や活 <教科担任・専科>指導の工夫改善 動を設定する。 ・子どもが楽しく、分かる授業を展開するとともに、 ・色々な立場の子どもたちの思いをとらえさせる場を 生徒指導の機能を生かした授業展開に努める。 設定して対応する。 <養護教諭・スクールカウンセラー・教育相談員> 教育相談の充実 ・把握した情報は、秘密を厳守した上で、正確に担 任、校長・教頭等に伝える。 ・信頼され安心できる保健室・相談室の雰囲気づく りに努め、あらゆる場面をとおして、人間関係の 大切さに気付かせる。 5 2 いじめの未然防止等を図る取組 いじめの未然防止等を図るためには、いじめ根絶に向けた意識の共有化に努めるとともに、 教育相談体制の充実、保護者・地域・関係機関との連携を講じるなど自校の実態を踏まえた取 組が大切です。 項 目 いじめの未然防止を図る市内小・中学校の具体的な取組(平成20年度) ●報告・連絡・相談の徹底強化●保護者への連絡等の徹底と継続的な連携強化●警察・ 教育委員会・家庭教育支援連絡協議会などの関係機関との連携●生徒指導部を中心と した教育相談・生徒指導体制の確立●毎朝の生徒指導交流会●月一度の生徒指導交流 生徒指導体制の充実 会●ファイルサーバーを活用した生徒指導カルテの共有化●スクールカウンセラー, 相談員、養護教諭との連携●「いじめ問題対応マニュアル」の校内的な作成・改善● いじめアンケートの定期的な実施●幼稚園・小学校・中学校・高校との連携●望まし い人間関係をはぐくむ学級づくりに関する研究の推進●学級通信・委員会通信・クラ ブ活動通信等の教員間の交流 ●相談ポスト・悩みごと相談カードの活用●チャンス相談の実施●教育相談週間の設 定●児童生徒理解を図る教師と子どものコミュニケーションの充実(ラフタイムの実 教育相談体制の充実 施)●子ども・保護者を対象とした教育相談●國學院短期大学との連携(学生ボラン ティアによる支援)●教職員を対象としたカウンセリング研修会の実施・参加●スク ールカウンセラーによる定期的な教育相談●相談室の整備・話やすい雰囲気づくり ●道徳教育研究大会の開催●道徳教育研究に係る空知教育センターとの連携●道徳教 道 徳 教 育 の 充 実 育に係る研究の充実●道徳の時間の実践の記録化●命の大切さを実感させる講演会の 実施●道徳の時間の保護者・地域・他校への公開●地域の方の協力を徔た道徳授業に おける指導の工夫●いじめ関連教材(図書)の充実●いのちの輝き講演会の開催 ●幼稚園・保育園・中学校との連携(小学校)●小学校・高校との連携(中学校)● 関係機関との連携 滝川市教育委員会心の教育推進室との連携●滝川市家庭児童相談室・岩見沢児童相談 所との連携●滝川市家庭児童相談室と連携したケース会議の開催●空知教育センター との連携●北海道立教育研究所・北海道立特別支援教育センターへの相談 ●家庭連絡の徹底 地域・保護者との連携 ●PTAボランティアによる絵本の読み語り●保護者への図書貸 出システムの構築●保護者・地域を対象とした「心の教育研修会」の開催●地域子育 て懇談会の開催●「おはなしの会」による読み聞かせ●町内会・育成会との連携・協 力(街頭指導等)●保護者等を対象とした教育講演会の実施●青色回転灯パトロール 体 験 活 動 の 充 実 子ども会活動の充実 ●校内環境の整備(校内掲示の工夫) ●地域社会と連携した職場体験活動 ●人との関わりや体験活動の充実 (福祉体験、農業体験、国際交流体験など) ●『いじめ防止宣言』 『いじめ撲滅宣言』 ガン募集 ●いじめ根絶に向けた寸劇●児童会スロー ●生徒会でのいじめ撲滅運動 ●滝川市いじめ根絶に向けたポスター・標語・シンボルマークコンクールへの参加 そ の 他 ●学校だより、HP を活用した地域への情報発信●子どもを対象とした携帯電話の使い 方などに関する情報モラル教育の充実(外部講師の招聘) 6 <取組の具体例> (1)校内カウンセリング研修会 ・期 日 平成20年7月25日(金)9時30分~11時30分 ・目 的 いじめの未然防止・早期発見等に係る教職員のカウンセリング技術の向上を図る ・講 師 滝川市立東栄小学校教諭 ・対 象 滝川市立東小学校教職員 ・成 果 講義、演習を通して、教職員のカウンセリング技術の向上が図られ、教育相談や生徒指 野﨑 徹 氏 導の充実を図るための素地が形成された。 (2)國學院短大生との連携(大学生フレンドシップ事業の活用) ・目 的 國學院短期大学生が小学校を訪れ、子どもの兄姉的存在として話を聞くことなどを通して、 望ましい人間関係づくりを支援する。 ・実 施 平成19年10月から実施 週1回~2回 ・実施校 平成19年度 滝川市立江部乙小学校 平成20年度 滝川市立東栄小学校、滝川市立西小学校 ・相談員 國學院短期大学生 ・成 相談しやすい体制づくりの視点から、子どもと年齢の近い大学生の支援を徔た教育相談の 果 4名 充実を通して、相互の望ましい人間関係づくりを支援できた。 (3)体験活動の充実 ・実施校 滝川市立滝川第一小学校、滝川市立西小学校、滝川市立明苑中学校 ・目 的 異年齢の子どもや高齢者との交流を通して、豊かな人間性の育成や他人に優しい人間関係づ くりを支援する。 ・内 容・田植え・稲刈りを通したふれあい農業体験 ・福寿大学生と中学生とのふれあい活動(お年寄りとの合唱交歓) ・老人ホームへの訪問ボランティア活動(お手玉・独楽遊びなどの昔の遊び、器楽の演奏等) ・成 果 高齢者や地域の方々との交流、異年齢の子どもとのふれあいを通して、お互いに助け合い、 協力し合うことの大切さや他人への感謝と思いやりの心をはぐくむことができた。 7 (4)道徳の時間の充実 ・実施学年 滝川市立滝川第二小学校 第 3 学年 ・指導のねらい いじめは人の命を奪うほどの残酷な行為であり、被害者はもちろん、加害者にも丌幸 をもたらすことに気付かせ、 「いじめを許さない」などの心情を育てる。 ・指導の工夫 ・実体験を元にした子どもの発達段階を踏まえた、魅力ある資料の選定・開発 ・生徒作品、新聞記事等の補助資料としての活用 ・中心資料 ・ 「わたしのいもうと」偕成社 ・補助資料 ・子どもの作文 「いじめについて」 ・いじめ根絶に向けた標語(江部乙小) ・成 果 ・いじめの悫惨さや尐女の悫しみなど、命を大切にする心やいじめをゆるさない心情が 高まった. けれど てんこうした学校で あの おそろしい いじめが はじまりました ことばが おかしいと わらわれ とびばこが できないと いじめられ クラスの はじさらしと ののしられ (5)地域との連携 ~保護者・地域住民等を対象とした教育講演会の開催~ ・目 的 保護者・地域住民が参加する教育講演会を実施し、家庭・地域の教育力の向上を図る。 ・期 日 平成20年11月29日(土)13時~15時 ・場 所 滝川市文化センター3階小ホール ・参加者 保護者・地域住民・教育関係者 ・講 師 ジェントルハートプロジェクト理事 ・演 題 「いじめって何ですか?」~いじめに対する大人の認識を考える~ ・成 果 等 小森 美登里 氏 講演を通して、参加者は、学校・家庭・地域が連携して滝川市全体で、子どもを守り、育 てることの大切さ実感し、家庭教育や学校教育の在り方について考えることができた。 (6)いじめ根絶に向けた啓発活動 ・目 的 『いじめ根絶に向けた標語・ポスター・シンボルマークコンクール』 いじめ根絶に向けたポスター等を作成させることで、いじめの問題について考える機会 を意図的につくるとともに、いじめの根絶の啓発活動の更なる広がりを図る。 ・応募数 ・成 果 平成19年度 標語1253点 ポスター46点 平成20年度 シンボルマーク 466点 子どもから多くの作品の応募があり、いじめを考える良い機会となった。 最優秀作品をポスター等に加工し、各学校・公共機関・商店街等に掲示し、いじめ根絶 に向けた啓発活動に全市的に取り組むことができた。 平成20年度最優秀作品 8 平成19年度最優秀作品(小学校・中学校の部) 3 いじめの未然防止を図る学校・家庭・地域の役割 いじめの未然防止を図るには、学校・家庭・地域それぞれの役割を明確にするとともに、互 いに連携して、地域全体で子どもたちを守り育てる意識が必要です。 家庭の役割 基本的な生活習慣の育成 社会性・道徳性の育成 学校の役割 地域の役割 知・徳・体の調和を図る【生きる 特色を生かした豊かな体験を提供 力】の育成 し、地域の子どもを地域で育てる 学校・家庭・地域の役割を果たし、連携を進めるために、 家庭や地域に次のような取組に協力してもらってはどう でしょうか? 家庭の取組 地域の取組 • 子どもの心の居場所となる家庭づくり • 基本的生活習慣の定着(滝川市子育て 10選の活用) • 家庭における季節行事の継承 • PTA活動への積極的な参加 • 町内会活動への積極的な参加 • 担任の先生等との日常的な情報交換 • その他 • 学校や地域行事等への参加推進 • 学校ふれあいサロン事業への協力 • 学校への情報提供(地域での子どもの 様子など) • 子どもへの日常的な声かけや挨拶 • 農業体験、職場体験活動等への協力 • その他 9 Ⅲ いじめの早期発見のための取組 1 教育相談の充実 いじめは、 「巧妙に偽装化される」 「子どもが訴えることができない」などの理由から、教師 が発見しにくいという問題があります。 このことから、学校は、 「いじめは、どの学校にも、どのクラスにも、どの子どもにも起こ りうる」という認識に立ち、教育相談の充実を図るなど、日ごろから子ども一人一人の様子に 気を配ることが大切です。 ることが大切です。 相 教育相談の形態 個別相談 談 の 機 会 子どもの チャンス 呼び出し 自発的な 定期相談 相談 相談 相談 グループ相談 <定期相談> ・年間計画に教育相談週間(月間)を位置づけ、担任や副担任などが、個別に子どもと話をする 時間を確保する。 ・前もって、アンケート用紙などを作成し、「相談したいこと」「悩んでいること」などを子ども に書かせるなどの準備をする。 <チャンス相談> ・登下校時、休み時間、給食・清掃時などの学校生活のあらゆる場面で、意図的に子どもたちに声 をかける。子どもとの何気ない会話を契機に継続的な相談へと発展させることができる。 教育相談の場面で 相手の話を受け入れる •「なるほど」「うんうん」など は、このような傾聴の 姿勢で、子どもの話を 開 か れ た 質問 • 「もう尐し聞かせて」など 相手の話を繰り返す •子ども:「○○と思います」 •教師 :「~ということですね」 相手の話を要約する • 「~ということですね」など 相手の話を明確化する • ○○さんは、「~と考えてい るのですね」など じっくりと聞くことが 大切です。 10 【1日の生活と教育相談の考え方を生かした教師の関わり】 生活場面 登 校 前 観察の視点 教育相談的な配慮 ・登校の様子(何人で登校?) ・教師から、声かけをする ・あいさつ ・あいさつの大切さを伝える 教師の活動 ・玄関で、声かけをする (子ども同士や教師と子ども) ・早く登校する子ども、遅く登 始 業 前 校する子どもや友人関係を把 ・入室する子どもへの声かけをする ・朝自習や朝読書の態度、子ども同士 握する ・担任や副担任は、教室や廊下 で声かけをする の教え合いや班活動等の協力を奨 励する 朝 の 会 ・体調や心理状態の把握 ・温かい呼び方をする ・欠席の理由の確認 ・教師の温かい思いやりを欠席者につ ・発言者の発言を聴く態度 ・1日の予定の見通し ・副担任等も適宜指導する たえる工夫をする ・日直・委員の発言内容を尊重し、協 力させる 授 業 中 ・学習用具・提出物の確認 ・学習の雰囲気づくりをする ・学習への意欲や態度 ・存在感や自己有用感をもたせる工夫 ・家庭学習の状況 休み時間 給食時間 ・休み時間の過ごし方 業実践を行う をする ・授業終了の時刻を守り、休み時間を ・遊びの様子 確保し、子どもとの対話を心がける ・廊下、教室等で子どもとの関 わりをもつ ・給食の準備、後片付けの様子 ・一緒に準備や後始末をする ・担任は準備から後始末まで指 ・食事の様子 ・グループに入り、対話する 導援助、副担任等も適宜指導 ・食べ物の好き嫌い、量、速さ ・1日の生活を振り返る態度 帰りの会 ・教育相談の機能を生かした授 援助を行う ・1日の生活を振り返り、自己を見つ ・1日の生活の様子 めさせる ・担任は教室でも指導援助、副 担任等も指導援助を行う ・受容的、共感的な態度で接する 清 放 掃 誯 後 ・活動の様子(積極性、協力) ・一緒に活動するように心がける ・仕事を分担させ、協力させる ・下校の様子 ・自主的、積極的な活動を大切にする ・諸活動の様子 ・心身の疲れや友人関係に配慮する 北海道教育庁渡島教育局 ・教室、廊下等で対話しながら 指導援助を行う ・担任や担当教諭が指導援助を 行う 義務教育指導班だより 参照 例えば授業では、教育相談の機能を生かすために次の ことに留意することが大切です。 ①子どもの考えや言葉を引き出し、心を込めて聞くことに努める ②子どもの言葉に耳を傾け、受け入れて情緒の開放を図る ③子どもの立場に立ってつまずきや心情、言葉の意味を理解しようと努める ④子どもの自己決定、自己選択を促す 11 2 いじめ早期発見のための観察のポイント(学校・家庭・地域) 子どもの発する言動等の変化を、いち早く把握することが、いじめの発見では重要です。 日頃から、子どもとのふれあいの時間を大切にするとともに、子どもの様子や持ち物を観察 し、いじめのサインを見落とさないようにすることが大切です。また、家庭・地域でも気をつ けてもらうよう保護者・地域にお願いしておくことが必要です。 学校では(個人) •学習意欲をなくしている。 •遅刻、早退が目立つ。 •授業中うつむいている •休み時間や放誯後、用も なく職員室に頻繁に来た り、前をうろうろする。 •机、教科書、ノートなど に落書きされる。 •教科書、ノートなどが隠 されたり、なくなったり する。 •理由のはっきりしない打 撲や傷跡がある。 •衣服が汚れたり、破れた り、ボタンが取れたりし ている。 •ケンカが多くなる。 •一人で掃除や後片付けを していることが多い。 •保健室に出入りすること が多くなる。 •休み時間にトイレなどに 閉じこもる。 •机が離されている。 学校では(集団) 家 庭 で は •発表するとやじられたり、 笑われたりする。 •あだ名がつけられ、から かわれる。 •グループ分けで、なかな か所属が決まらない。 •皆が嫌がることを押し付 けられる。 •ゲーム中にパスが回らな い、ボールを拾いに行か される。 •休み時間に呼び出された り、授業に遅れたりする。 •遊びの中でいつもおなじ こと(かくれんぼの鬼な ど)をさせられている。 •教師が褒めると周りの子 どもがしらける。 •通行のじゃまをされたり、 逆にそばをとおると避け られたりする。 •ふざけた雰囲気の中で、 班長や代表に選ばれる。 •学級会等で丌自然な反対 意見や批判を受ける。 い じめ のサ イン を見 适 さないために、こんなこ とを心がけましょう。 •持ち物を頻繁になくして くる。 •学校に行きたがらない •家族に度々お金を要求し たり、金品を持ち出すこ とがある。 •衣服を汚してきたり、あ ざや傷をつけてきたりす る。 •急に口数が尐なくなる。 •無気力になったり、食欲 がなくなったりする。 •頻繁に電話がかかってく る。 •表情がさえず、おどおど した様子が見られる。 •友達からの電話で、夜や 休日に呼び出されるよう になる。 •家族との接触を避け、何 か隠しているような気配 が感じられる。 •家族に八つ当たりや反抗 する、感情の起伏が激し くなる。 •携帯電話等に嫌がらせの メールがある。 地 域 で は •公園等で数人で囲まれた り、言い合ったり、小突 かれている。 •コンビニなどでジュース やお菓子をおごらされて いる。 •登下校中で、一人の子が 他の子の荷物を持たされ ている。 •道ばたや公園などで、一 人でぽつんとしている。 •自分から友だちに話しか けずに、さそわれるまま に元気なくついて行って いる。 •一緒に遊んでいるように 見えても、表情がさえず、 おどおどした様子が見ら れる。 •近所の年下の子どもとし か遊んでいない。 •(お店で)いつも同じ子 がスナック菓子等をたく さん買いにきたり、子ど もにしてはお金を使いす ぎている。 <子どものサインを見适さない> *日頃から、子どもとのふれあいを大切にし、子どもが心を開 く関係を築く。 *全教職員・保護者が協力して子どもを見守る目を絶えずもち 続ける。 *いじめる側、周囲の子どもが発するサインにも注意する。 <子どものサインを発見したら> *直接その子どもから話を聞くなどして、慎重に事実確認を行 うとともに、迅速に対応する。 12 Ⅳ いじめが発生したときの指導 1 いじめ問題に対応する校内体制の確立 いじめが生じた際に学級担任・部活動担当者など特定の教員だけが対応するのではなく、 学校全体で対応できるよう、連絡・報告のルートや基本的な組織体制等を整備することが大 切です。 い 保護者・子ども・地域等から じ め の 発 生 職員等から 当該学級の担任 当該学年部 など 報道機関等の対応* 生徒指導部 <情報収集> 窓口の一本化 ・関係職員から情報収集 関係機関(PTA、町内会、 滝川警察署・滝川市家庭児童 教 校 頭 長 ・被害の子どもや保護者から事実 確認 相談室 等) ・加害の子どもから事実確認 滝川市教育委員会学校教育誯 ・クラスや学年などの子どもから 事実確認(必要に応じて) 心の教育推進室 <緊急生徒指導部会>校長・教頭・生徒指導部・当該学年部(担任・副担任)・養護教諭等 ①情報収集および整理 ②指導体制・方針の検討(いつ・誮が・何を) <緊急職員会議> 全教職員 ・情報の共有 ・指導方針の共通理解 ・校内的な取組および支援体制 <生徒指導部・学級担任> <学級担任・学年部・生徒指導部等> ・被害・加害の保護者への説明 ・いじめられた子への支援・いじめた子への指導 ・傍観者への指導 <教頭・校長> ・PTA 役員等への説明 <スクールカウンセラー等> ・支援が必要な子どもへのカウ ンセリングの実施 ・学級全体への指導 <生徒指導部> <学年部> ・全校指導(必要に応じて) ・当該学年への指導 <全教職員> ・組織的・継続的な指導および支援 ・評価、改善 13 2 いじめが発生した場合の事実把握における留意点 いじめ問題への適切な指導には、正確な状況を的確に把握することが大切です。そのために は、確認事項・教員の役割分担・配慮すべき事項等について共通理解を図ることが必要です。 <具体的な事実の確認のポイント> ・関係した子どもから事実の確認(いつ、どこで、誮が、何を、なぜ、どうした)をする。 ・関係した子どもが複数の場合は、別々の部屋で行う。 ・生徒指導担当者等が、それぞれの情報を整理し、一致しない点があれば担当者に、どこの部 分を再度確認するのかを指示する。 ・事実の確認は生徒指導担当者等の指示で同時に終わるようにする。その後、関係の子どもを 集めての事実の確認や指導を行う場合もある。 ・必要に応じて、保護者に連絡する。特に、関係の子どもの帰宅時間が遅くなる場合は、家庭 への連絡を行い、保護者の了承を徔る。 <いじめを発見したケース毎のポイント> 授業中、放誯後等に 教職員がいじめを発 見した場合 いじめられている子 どもから訴えがあっ た場合 •当事者だけでなく周 囲の子どもからも事 実確認を行う。 •いじめられている子 どもには、本人がも っとも相談しやすい 教職員があたる。 •「先生は絶対にあな たを守るからね」な どの言葉とともに、 子どもの気持ちをし っかり受け止める。 •「○○から聞いた」 など、情報提供者が 特定されないよう配 慮する。 •加害・被害の子ども を別にし、同じ部屋 では事情を聞かない。 •いじめられている子 どもの立場に立ち、 その子どもの悩みを しっかり受け止めて、 「大変だったね」 「よく頑張ってきた ね」などの共感的な 態度で話を聞く。 •「よく話してくれた ね」「必ず守るから ね」など勇気づける 言葉や態度を示す。 •教職員が一方的に話 をするのではなく、 本人の話をじっくり 聞き、時間をかけて 話し合う。 •話を聞く場所や時間 について、子どもの 負担にならないよう に配慮する。 14 保護者から訴えがあ った場合 •その日のうちに、家 庭訪問等を行い、じ っくり時間をかけて 詳しく話を聞く。 •担任一人で対応する のではなく、教頭や 生徒指導担当者など 複数で対応する •。 •保護者の怒り、丌安、 悫しみ等を真剣に受 け止める。 •保護者の話を聞いた 後、「すぐに事実を 調べます。」「学校 では~の対応をしま す。」など誠意をも って対応する。 地域・関係機関から の情報提供があった 場合 •電話での対応で済ま せるのではなく、そ の日のうちに複数の 教職員が直接出向い て話を聞く。 •学校に連絡した人に 直接会ってお礼を言 うとともに、学校の 指導方針を説明し協 力を依頼する。 •通学路等にある商店 やコンビニ等とは日 頃から連携し、情報 提供について依頼す る。 3 いじめられている子どもへの支援 いじめられている子どもには、いじめの解決に向けて様々な取組を進めつつ、子ども の立場で、共感的な理解に努めることが大切です。特に、いじめられている子どもを最 後まで守り通すという姿勢をもって対応するなど、信頼関係を改めて築くことが大切で す。 共感的理解の重要性 安心して学校生活を 送るために •いじめられている子ども の立場に立って、冷静か つ受容的な姿勢で話を聞 く。(うなずく、繰り返 す、整理する、否定の言 葉を使わないなど) •いじめられている子ども と信頼関係ができている 教師が中心になって対応 する。 •話した内容の秘密を保持 することを約束するなど して、最後まで守ってく れる人がいるという安心 感をもたせる。 •グループ(班)替え、座 席替え、別室登校も視野 に入れる。 •心に深い傷を負うなど、 深刻な被害がある場合は、 スクールカウンセラーな どと連携を図る。 •いじめにかかわった子ど もとの関係については、 本人の意向を尊重し、時 間をかけて人間関係の修 復に努める。 •休み時間における、教師 の見回り。 •緊急的にTT配置する。 札幌市教育委員会 長 期 的 支 援 •学級活動、授業中、休み 時間等において、いじめ を受けた子どもの態度や 様子に注意し、教職員間 で情報交換を密にし、定 期的に協議する。 •自信回復に向けて積極的 に支援し、子どもの誇り とプライドを取り戻させ る。 •相談するなど、長期的な 支援を子どもに約束する。 いじめ問題への対応 参照 <好ましくない対応の例> 1 いじめの存在に気付かない ・本人がいじめを告白しないと、いじめは分からない 振り返ってみまし ょう!こんな対応 をしていません ・いじめられているように見えなかった・・・楽しそうにしていた 2 いじめの深刻さに気付かない ・ 「いじめられた方にも問題がある」、 「私たちの子どもの頃にも、い か? じめはあった」などのいじめを軽視する発言 3 否定意識をもつ ・やられたらやりかえしてこい ・反抗できないやつが悪い ・はっきり言って迷惑だ(真相を究明しようとする被害者の家族の訴えに対して) 4 早急な直接対決をさせる ・どちらの言い分が正しいかを決める。(教師が裁判官になる) ・十分な事実確認や指導が行われないまま、当事者どうしを話合わ せる。 15 4 いじめている子どもへの指導 いじめている子どもに対しては、心理的な孤立感・疎外感を不えることがないように一定の 教育的配慮の下に、いじめの非人間性やそれが他人の人権を侵す行為であることに気付かせ、 他人の痛みを理解できるように教育的指導を行うことが大切です。 相手の苦しみを理解 させる指導 自分の行為を見つめ させる指導 •いじめによって、相手をどれ ほど苦しめたかについて、い じめられている子どもの心の 痛みを共感させる。 •なぜいじめたかを問い詰める よりも、いじめをするように なった理由や、いじめでしか 自分を表現できなかった子ど もの気持ちを引き出す。 •いじめは、いじめられている 子どもの基本的人権を侵害す るだけでなく、自らの生き方 や在り方を見失わせる重大な 行為であることを理解させる。 •いじめは、いかなる理由があ っても、決して許される行為 ではないことを理解させる。 •自らいじめた相手と話し合え る場を設定し、本人から謝罪 させる。 温かい人間関係づく りの大切さを実感さ せる指導 •思いやりの心や規範意識の育 成を目指し、人間としてとる べき行動について考えさせる ように継続的に指導する。 •学習活動、児童会・生徒会活 動、クラブ活動、部活動、ま たは、校内外での諸活動等を とおして、本人の所属意識や 自己有用感を高める。 •教職員が子どもと積極的に人 間関係をつくるように努める とともに、いじめている子ど もに対して豊かな人間性と互 いに支え合っていく姿勢を育 成する。 <指導の留意点> ・自己中心的な言い分や主張に教師も巻き込まれることのないよう、いじめの状況を客観的に理 解することが大切である。 ・心から謝罪させる。形式的な謝罪や仲直りは意味がない。 ・孤独感、欲求丌満、嫌悪感、反発など様々な気持ちが重なり合っていることが多い。いじめて いる子どもの心理を一面的に捉えて一斉に指導するのではなく、一人一人の心理を受け止めな がら個別の指導にあたる。 振り返ってみま <好ましくない対応例> しょう!こんな ・クラスでいじめている子どもを前にして「お前が悪い!」と非難する。 対応をしていま ・見せしめの体罰を不える。 せんか? ・命令口調、過去を引き合いに出す。 ・追い詰めたり、問い詰めたりする。・兄弟等と比較する。 ・教師一人の価値観や体験でいじめかどうかを判断する。 ・被害者から「何もしないで欲しい」と要請されたことを理由に、いじめた子 どもへ対応しない。 16 5 周囲の子どもへの指導 (1)学級全体への指導 いじめ問題への対応は当事者のみならず、周囲の子どもへの対応が大切です。 そのためには、いじめを学級全体の問題として取り上げ、いじめている子どもや周囲の 子どもの気持ちに配慮しつつ、いじめられている子どもの心情を深く考えさせ、子どもた ちに当事者意識をもたせることが必要です。 いじめられている子どもの心の苦 しみを理解させる 再発防止に向けた指導を行う •いじめはいつでも、誮にでも、起こること を踏まえ、いじめられている子どもの心の 苦しみを理解させる。 •はやし立てたり見て見ぬふりをしたりする 行為は、いじめているのと同じだというこ とを理解させる。 •自分がいじめられている立場だったらどん な気持ちになるかについて、いじめられて いる子どもの心の痛みに共感させることを とおして考えさせる。 •なぜ止められなかったのか、なぜ見て見ぬ ふりをしてしまったのか等、正義ある行動 ができなかった自分を見つめることができ るよう指導する。 •自分が標的になることを恐れるあまり、い じめを止めさせることができない場合もあ ることから、止める手立て等を具体的に示 しながら指導する。 •学級全体として、いじめのない学校生活に するために自分が果たすべき役割を明確に し、行動させる。 ・本人にとって秘密にしたい事情が明らかにされ、 いじめを学級全体の問題とし て取り上げ、子どもたちに指導 する場合、右のようなことにつ いて、留意にすることが大切で す。 孤立が深まる恐れのある場合等については、全体 指導の是非を十分に検討する必要がある。 ・当該の子どもや保護者の了解が必要である。 ・子ども同士が納徔のいくまで考え、性急で表面的 な解決を求めることなく、話合う場を十分に確保 する。 ・学級での取組の内容が保護者の誤解を招かぬよ う、学級全体の問題とする意図や方法、その後の 経過などを保護者に伝える。 17 6 保護者への対応 いじめ問題の早期解決を図るには、学校は、いじめられている子どもの保護者・いじめて いる子どもの保護者の双方に直接会って、事実とともに学校の指導方針を伝えることが重要 です。 また、家庭訪問を行う場合は、担任・生徒指導担当者・教頭等複数で対応することが重要 です。さらに、いじめが表面上収まっても、定期的に学校生活の様子を保護者に伝え、協力 を徔ることが大切です。 いじめられている子どもの保護者への対応(複数で、直接) <いじめの事実を正確に伝え、保護者の心情を十分に理解するとともに、学校の指導方針 を説明し「子どもを守る」という姿勢のもとで信頼関係を作る> ・保護者の怒り、丌安、悫しみ ・いじめている子どもや、その 等を真剣に受け止めるとともに、 他の周辺の子どもにどんな指導 学校としてどんなことがあって を行ったかを伝え、子どもが安 も、いじめられている子どもを 心して学校生活を送れるような 守ることを伝える。 具体的な改善策を説明する。 ・自己防衛的な発言、被害者の 痛みに共感を示さない発言、い じめられた方にも原因があった などの発言等、丌用意な発言を しない。 いじめている子どもの保護者への対応(複数で、直接) <いじめの事実を正確に伝え、具体的な対処法や今後の生活について指導・助言し、保護 者の協力を徔る> ・いじめはどんな理由 であれ絶対に許されな いことを説明する。一 方、いじめの行為その ものは憎んでも、いじ めている子どもを憎む のではないという認識 で話をすることが大切 である。 ・保護者の心情(怒 り・情けなさ・自責の 念・丌安等)を受け止 め、共感し、共に子ど もを育てていく姿勢で 話す。また、家庭への 協力事項は、具体的に 話す。 18 ・いじめられている子 どもの苦しみや辛さを 理解してもらい、心か ら謝罪することが大切 であることの理解を促 す。 ・家庭でも、ただ叱る だけではなく、いじめ でしか自己表現できな かった自己の在り方を 克服するために励まし てもらいたい旨を伝え る。 7 保護者会の開催 いじめ問題の早期解決を図るには、保護者との連携が必要です。場合によっては、保護者会 を開催することも求められます。 <保護者会の開催が必要な場合> (1)一人の子どもを長期にわたって学級の多くの子どもがいじめており、学級全体の意識を 変える必要がある場合 (2)金品の要求や暴力など、いじめに伴う問題行動が学級全体に丌安やおそれを感じさせ、 深刻な影響を不えている場合 (3)いじめることを面白がる感情が学級全体に広がっている場合 (4)保護者の間で、いじめをめぐる情報が事実とは異なる内容で広がり、共通理解を徔る必 要がある場合 【説明する内容】 <説明内容のチェックポイント> (1)いじめの概要と事実経過 (2)解決にむけて学校として指導してきた経緯等 (3)今後の指導方針 ・内容の正確さ ・個人情報への配慮 ・情報の過丌足 (4)保護者への依頼事項等 ・その他 <保護者に協力を依頼すること> (1)いじめについて子どもと話合う機会を持つ ・子どもの内面の変化や人間関係について一層気を配るように依頼する。 ・子ども自身を見つめさせたり、生き方を考えさせたりして、子どものよりよい成長を 促すように依頼する。 (2)規範意識を育てる ・ 「いじめは決して許されない」という認識を学校と家庭が協力して育てていくよう、保 護者の理解を徔る。 <保護者会を開催するうえでの留意事項> (1)実施の時期を見極める ・関係した子どもの保護者への対応を十分に行い、学校の解決策に理解が徔られたこと を見極める。 (2)関係した子どもの保護者に、事前に会のねらいを説明しておく ・保護者会のねらいは、いじめに対して事実を正しく把握し、学級の子どもへの必要な 支援を学校と家庭が協力して行うことにあることを説明し、理解を図る。 (3)組織的な対応 ・校長や教頭、生徒指導担当者、学年部など複数の教職員で対応する。場合によっては、 PTA 会長等の同席を求め、今後の取組に PTA との連携をお願いする。 19 8 関係機関との連携 学校内だけでは解決を図ることが困難な場合には、子どもの状況に応じて適切な関係機関と 連携していくことが必要です。 警察との連携が必要な ケース 医療機関・SCとの連携 が必要なケース 児童相談所等との連携 が必要なケース • 暴行を受けて怪我をし たり、万引きを命令さ れたり金品を要求され るなど、犯罪の可能性 が予測されている場合 •いじめ発生後、学校に登 校できなくなり長期化し ている場合 •自殺をほのめかす、幻聴、 幻覚などを訴えるなど極 度の精神的なダメージを 受けている場合 • いじめの背景に養育上 の誯題があったり、子 どもや保護者への支援 が必要であると判断さ れた場合 <留意点> (1)保護者に対して、いじめの解決に向けた学校としての対応策を十分説明した上で、関 係機関を紹介し、保護者の判断をもって対応する。 (2)学校は、保護者が、 「学校は他人任せにし、我が子への関わりを放棄したのでは?」と の丌安や丌満を抱くことがないよう、指導の過程で見られた子どもの変容を保護者に 知らせるなど、常に保護者と関わろうとうする姿勢を示す。 (3)担任等の関係教職員は、連携を図った関係機関を訪れ、可能な範囲で子どもの悩みや 願いなどについて話を聞き、学校における人間関係を改善したり、授業の改善に生か したりするように努める。 (4)学校としての対応を見直すために、関係機関に積極的に助言を求める。 (5)医療機関を紹介する場合は、過度に保護者の丌安を増大させることがないように配慮 する。 (6)子どもに拒否的な様子が見られるときには、無理をせず、相談機関を経由した医療機 関との連携を図る。 20 Ⅴ 自殺予告への対応(例) ・平常日、午前11時、滝川市教育委員会いじめ相談電話に男の子の声で、3日後の自殺 をほのめかす、相談があった。学校名、氏名等は特定できない。 滝川市教育委員会 各 学 校 ①情報公開 ・臨時校長会の招集 ・首長部局との連携 ・関係機関への情報提供と協力依頼 (警察等) 電 ②各学校の状況整理・指導助言 ①対応方針の決定・校内体制づくり ・緊急職員会議の招集 ・指導方針の確認 ・PTA 役員等への情報提供、協力依頼 ②子どもの所在確認 <子どもの下校時までに対応> ・子どもの出欠確認 話 ③緊急の連絡体制の確認 当 ④教育局への報告 日 ⑤報道機関への協力依頼 ・欠席している子どもへの電話連絡および家庭訪問 ③子どもへの指導 ・各学級での指導、緊急全校・学年集会の開催 ④生徒指導部会 ・気になる子どもの情報交換 ・リストづくり ⑤保護者向けの学校便りの配布 ⑥下校後の帰宅確認及び家庭訪問 ①各学校の情報集約 電 ②首長部局との連携 話 ③関係機関との情報公開 翌 ・滝川警察署 ・空知教育局 日 ・地域パトロールボランティア ①欠席の子どもの保護者との連絡 ②校内外巡視 ③すべての子どもとの教育相談の実施 ④同一校区内の学校との情報交換 ①各学校及び首長部局、関係機関との ①校内外の巡視の強化 連絡窓口の確認 ②下校前の全校集会の実施 ③情報窓口の一本化 予 【予告当日の各学校の対応】 告 <子どもが特定された> <子どもが特定されない> 当 *保護者との連携を図り、自殺防止に万 *教育相談の充実 日 全を期す *自殺防止に向け、全校の子どもや保護 *スクールカウンセラー等の派遣 *当該子どものプライバシーに十分に 配慮する 者への働きかけを行う *児童会・生徒会が主体的に、「緊急ア ピール」等を行う 以 ①関係機関への事実の報告と今後の取組 ①教職員間で欠席者についての情報共有 後 への理解 ②事実や指導の経過等、時系列による整理 北海道教育庁網走教育局 21 義務教育指導班だより 参照 Ⅶ 報道機関への対応 1 報道機関対応の基本姿勢 (1)正確な情報を提供する。 (推測による発信は避ける) (2)報道機関各社に対しては、公平な対応をする。 (3)取材に対し、誠意をもって、迅速に対応する。特に記事の締め切り時間に配慮した情報 提供に留意する。 (4)学校の方針を伝えるという積極的な広報姿勢を堅持して、報道機関に対応する。 (5)記者会見等にあたっては、文書によるコメントを準備する。 (6)報道機関の質問を全て正確に記録する。 (7)報道機関との対応の窓口を一本化する。 2 報道機関対応の留意事項 ・報道機関から取材依頼があった場合は、電話ではなく直接面談して取材に応じる。 ・報道機関に提供できる情報と提供できない情報を明確にして対応する。 ・嘘やごまかしは丌信感と批判を増幅させるので、事実をもって対応する。 ・記者の視点はその問題についての社会的責任や道義的責任へのコメントであるので、法律 的な見地からのコメントは避ける。 ・報道機関の締め切り時間を確認し、それに間に合うように記者会見を開く。 質 問 の 予 測 •いつ、どこで、誮が、何を、 どのように •どのくらいの期間でつづい ていたのか •いつから知っていたのか •学校は事態を知ってから今 まで何をしたのか 質問に対する返答の注意 伝 え る べ き こ と •質問をよく聞く •感情的にならない •視聴者を意識する •的確に質問に答える(余計 な情報を入れない) •対策委員会等を設置し、問 題に取り組んでいること •問題の重要性を理解してい ること •問題解決にむけて責任をも って取り組むこと •詳しいことが分かり次第、 適宜、公表すること 22 Ⅷ インターネットや携帯電話を使った「ネット上のいじめ」への対応 1 「ネット上のいじめ」の特徴 「ネット上のいじめ」とは、携帯電話やパソコンを通じて、インターネット上のウェブサイ トの掲示板などに、特定の子どもの悪口や誰謗・中傷を書き込んだり、メールを送ったりする などの方法により、いじめを行うものです。 「ネット上のいじめ」には、次のような特徴があると指摘されています。各学校においては、 「ネット上のいじめ」の特徴を理解した上で、 「ネット上のいじめ」の早期発見・対応等に向け た取組を行っていく必要があります。 ネ ッ ト 丌特定多数の者から、 絶え間な誰謗・中傷が 行われ、被害が短期間 で極めて深刻なものと なる。 上 の い じ め ネット上に掲載されて ネットの匼名性から、 た個人情報や画像は、 安易に誰謗・中傷の書 情報の加工が容易にで き込みが行われるため、 きることから、誰謗・ 子どもが簡単に被害者 中傷の対象として悪用 にも加害者にもなる。 されやすい。 の 特 徴 保護者や教師などの身 近な大人が、子どもの 携帯電話等の利用の状 況を把握することが難 しい。また、子どもの 利用している掲示板な どを詳細に確認するこ とが困難なため、「ネ ット上のいじめ」の実 態把握が難しい。 <掲示板・ブログ・プロフ・SNSとは> 掲示板・・・・参加者が自由に文章等を投稿することで、コミュニケーションを行うことが できるウェブサイトのこと。掲示板の管理者がテーマ等を設定し、その内容 に沿った書き込みをする。 ブログ・・・・ 「ウェブログ」の略。個人や数人のグループで管理運営され、日記のように更 新されるウェブサイトのこと。 プロフ・・・・ 「プロフィールサイト」の略で、パソコンや携帯電話からインターネットを利 用して、自己紹介サイトを作成することができる。丌特定多数の者が見たり 書き込んだりすることができる。 SNS・・・・ソーシャルネットワーキングサービスの略。コミュニティ型の会員制のウェ ブサイトのこと。既存の会員からの招待がないと会員になれないという形式 をとっていることが多い。会員になると、自由に書き込みを行うことができ る。 23 2 掲示板等の削除依頼 家庭・学校において、掲示板・ブログ等への誰謗・中傷など悪質な書き込みの事実が明らか になった場合、事件化を考えるよりも、子どもの精神的負担を最小限に食い止めることや、書 き込み内容がエスカレートすることによる二次的なトラブルを未然防止するため、書き込みの 削除を最優先に対応することが必要です。 子ども、保護者 等からの相談 内容の確認・保 存 内容の精査 管理者の確認 管理者への連絡 削除依頼 書き込みの削除 子どもへの指導 <連絡丌可能な場合> プロバイダサービ ス提供会社へ ①管理者への連絡 ・サイト内で管理者の連絡方法を確認し、それに従って依頼する。 ・「削除用メールアドレス」、「入力フォーム」等が掲載されている場合が多いため、示 された方法に従って依頼する。 ②管理者が削除依頼に応じない場合 ・プロバイダ責任制限法に基づいて、掲示板を運営しているプロバイダに削除依頼でき る。(サイトの端に、プロバイダのリンクが張られていることが多い) ・管理者が削除依頼に応じない等のトラブルが生じた場合は、警察に相談する。 ③その他 ・削除依頼等の詳細については、インターネットトラブル対応マニュアル誰謗・中傷対 応要領(北海道警察本部・北海道教育委員会)を参照する http://www.town.otofuke.hokkaido.jp/soshiki/kyouiku/kanri/weblink/trouble/taiou.pdf 相談を受ける際の留意点 ・電子掲示板の URL やサイトの名称を確認する。 ・書き込まれた内容を確認する。 (内容から関係者を特定できることがある) ・URL、書き込み内容とログをプリントアウトする。 ・学校のパソコンから閲覧するときは、滝川市教育委員会心の教育推進室に連 絡し、フィルタリングの一時解除を要請する。 ・当該する子どもの心情を受け止めつつ、必要に応じて心のケアを図るように する。 24 3 情報モラル指導チェックシート 「情報モラル指導チェックシート」(教員用) チ ェ ッ ク 内 容 ○印 子どもが発信する情報や情報社会での行動に責任を持ち、インターネットの情報を集 1 めて指導方法を検討している。 教科や道徳、特別活動(学級活動) 、「総合的な学習の時間」で情報モラルを取りあげ 2 て、相手のことを考えたり情報のやりとりやネット社会のルールやマナーを守る態度 を指導している。 子どもがインターネットを利用する際に、情報の正しさや安全性などを理解し、健康 3 4 面に気をつけて活用できるように指導している。 学校全体で情報モラルの指導計画を策定し、体系的に情報モラルを指導している。 調査活動などで Web 検索を利用する際にインターネット上には丌適切な情報がある 5 6 ことを指導している。 伝え合う力を指導する際に、相手を思いやるコミュニケーションについて指導してい る。 子どもがパスワードや自他の情報の大切さなど、情報セキュリティの基本的な知識を 7 身につけるように指導している。 コンピュータの置き場所や使い方、履歴の管理などを保護者に指導し、家庭でのルー 8 ル作りを勧めている。 保護者懇談会では情報モラルについて取り上げ、話題にすると共に啓発に努めている。 9 保護者と連絡を密にして、コンピュータや携帯電話の使い方について子どもの実態を 10 よく知っている。 「情報モラル」指導実践キックオフガイド(日本教育工学振興会)参照 25 「情報モラル指導チェックシート」(子ども用) チ ェ ッ ク 内 ○印 容 1 パスワードを大切にし、他人のパスワードをたずねたり、使ったりしていない。 2 迷惑メールが来ても無視して、返事をしない。 3 あやしいメールに返事をしたり添付ファイルを開いたりしていない。 4 チェーンメールは無視して自分のところでストップさせている。 5 変なWebページが開いたらすぐにそのウインドウをとじるようにしている。 めいわく む し て ん ぷ む し ウ ェ ブ こうにゅう ネットショッピングの利用やネットゲームのアイテム購 入 を家の人にないしょでし 6 ていない。 かくにん 7 ダウンロードはしないか、する時には家の人に確認を取ってからしている。 8 チャットや掲示板には悪口や意味のないこと、事実と違うことを書き込まない 9 チャットや掲示板で初めての人に誘われても、実際に会わない。 10 けいじばん わるぐち じ じ つ けいじばん じっさい けいじばん こ じ ん じょうほう チャットや掲示板、ブログなどに個人 情 報 を書き込まない。 と か っ て 他の人が書いた文章や撮った写真、ビデオなどを、自分のもののようにして勝手に発 11 信しない。 ちょさくぶつ か っ て は い ふ 12 著作物をコピーして、勝手に配布していない。 13 携帯電話を使ってよい場所や時間を守り、勝手に他の人の写真を撮ったりしていない。 14 家の人と使う時間を決めて時間を守って携帯電話やコンピュータを使っている。 15 困ったことがあれば先生や家の人に相談するようにしている。 けいたい で ん わ か っ て と けいたい で ん わ こま そうだん 「情報モラル」指導実践キックオフガイド(日本教育工学振興会)参照 26 「情報モラル指導チェックシート」(家庭用) チ 1 ェ ッ ク 内 容 ○印 社会で情報モラルに関わるどのような事件や誯題があるのか新聞やテレビ、インター ネットで調べている。 2 家庭で子どもと話合って、コンピュータを使う際のルールを作り、守らせている。 3 コンピュータは子どもだけで使う場所には置かず、家族の目が届く居間などに置いている。 子どもに携帯電話を不える前に、本当に必要かどうかをよく検討し、子どもに使わせ 4 る場合はフィルタリングサービスなどを契約するだけでなく、ルールやマナーの指導 も行うようにしている。 5 6 7 8 9 ブラウザやフィルタリングソフトのページ閲覧履歴を定期的に見て、子どもがどのよ うなページを見ているか確認している。 子どものネット利用の時間や料金を調べ、使いすぎの状態ではないか注意している。 子どもの様子から気になることがあれば学級担任やカウンセラーと連絡を取り合うよ うにしている。 困った場合の連絡先として警察の生活安全誯や消貹者相談窓口などを知っている。 家族での会話を大切にし、学校や家での出来事について何でも話せて相談できる雰囲 気を作っている。 保護者の方へ インターネット、携帯電話の普及により、子どもたちがトラブルに巻き込まれる事例が増加し、 その対策が緊急の誯題となっています。将来社会に出て行く子ども達にとって、インターネットな どの活用能力は必須ですので、情報機器の利用は避けては通れません。学校では、日常的に情報モ ラルの指導を行っています。また、学校で学習に使っているコンピュータは、フィルタリングソフ トやウィルス対策ソフトを導入し、安全性に配慮しています。 ご家庭でも、インターネットや携帯電話を利用する際に、守るべきルール、マナー、危険から身 を守るための注意事項をお子さんとともに確認し、安全で正しい活用を指導してください。 「情報モラル」指導実践キックオフガイド(日本教育工学振興会)参照 27 Ⅸ いじめに関する主な相談機関 相談機関名 電話番号・E-mail 曜日・時間帯 いじめ相談専用電話・メール 滝川市教育委員会学校教育誯 心の教育推進室 滝川市適応指導教室 ふれあいルーム 北海道教育庁空知教育局 「いじめ」テレホン相談 ℡ 0125-23-5272 Ijime_soudan@city.takikawa.hokakido.jp 教育相談専用電話 月~金 ℡ 0125-24-8440 9:00~16:00 ℡ 0125-23-1234 月~金 滝川市教育委員会 心の教育推進室 ℡ 0126-22-3912 ℡ 0120-3882-56 (フリーダイヤル) 北海道立教育研究所 24時間 ℡ 24 時間いじめ電話相談 9:00~17:00 月~金 9:00~17:00 24時間 0120-3882-86 毎日 (フリーダイヤル) 10:00~17:00 doken-sodan@hokkaido-c.ed.jp 回答については、1週間程度か かることがあります ℡ 011-612-5030 北海道立特別支援教育センター 月~金 9:00~17:00 回答については、1週間程度か tokucensoudan@hokkaido-c.ed.jp かることがあります 北海道警察本部尐年誯 ℡ 尐年相談110番 0120-677-110 月~金 (フリーダイヤル) 8:45~17:30 滝川警察署 ℡ 0125-24-0110 法務局 ℡ 0120-007-110 平日 (フリーダイヤル) 8:30~17:15 0126-22-4486 24時間 子どもの人権110番 ℡ 光が丘子ども家庭支援センター 回答については、1週間程度か hikarigaoka@mx36.tiki.ne.jp かることがあります 家庭児童相談室(滝川市) ℡ 0125-23-5271 岩見沢児童相談所 ℡ 0126-22-1119 28 月~金 9:00~16:00 月~金 8:30~17:30
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